(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173159
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】スパイラルフリーザ
(51)【国際特許分類】
F25D 13/06 20060101AFI20241205BHJP
F25D 17/06 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
F25D13/06
F25D17/06 304
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091389
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】391018547
【氏名又は名称】タカハシガリレイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004129
【氏名又は名称】弁理士法人石田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】植村 喜三
(72)【発明者】
【氏名】八木 康平
(72)【発明者】
【氏名】馬場 裕祐
(72)【発明者】
【氏名】宮地 史浩
(72)【発明者】
【氏名】藤本 圭一
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
【Fターム(参考)】
3L045AA04
3L045BA03
3L045EA01
3L045KA03
3L045PA04
3L345AA14
3L345CC01
3L345DD21
3L345DD59
3L345KK04
(57)【要約】
【課題】省スペース性に優れ、かつ、清掃作業等のメンテナンス性にも優れ、導風板を有しなくても、冷却対象物を均一に冷却・冷凍処理できる、スパイラルフリーザの提供。
【解決手段】螺旋状のコンベヤを備え、該螺旋状のコンベヤの外周側に導風板を有しないスパイラルフリーザにおいて、前記螺旋状のコンベヤの上方に、冷却装置および送風手段を備え、前記送風手段から送出される冷却流体が、前記螺旋状のコンベヤの内周側空間と当該コンベヤのコンベヤ間空間と当該コンベヤの外周側空間を、前記内周側空間若しくは前記外周側空間から前記コンベヤ間空間を通過して循環する流路を備えることを特徴とするスパイラルフリーザ。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
螺旋状のコンベヤを備え、該螺旋状のコンベヤの外周側に導風板を有しないスパイラルフリーザにおいて、
前記螺旋状のコンベヤの上方に、冷却装置および送風手段を備え、
前記送風手段から送出される冷却流体が、前記螺旋状のコンベヤの内周側空間と当該コンベヤのコンベヤ間空間と当該コンベヤの外周側空間を、前記内周側空間若しくは前記外周側空間のいずれかから前記コンベヤ間空間を通過して循環する流路を備えることを特徴とするスパイラルフリーザ。
【請求項2】
前記螺旋状のコンベアの内周側空間の中心に駆動軸を備え、当該駆動軸を回転させる駆動装置を、前記螺旋状のコンベヤの上方に備えたことを特徴とする請求項1に記載のスパイラルフリーザ。
【請求項3】
前記螺旋状のコンベヤの内周側に、当該コンベヤに向けて拡径した拡径ノズルを配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載のスパイラルフリーザ。
【請求項4】
前記螺旋状のコンベヤの内周側において鉛直に設けられる駆動軸と、該駆動軸から動力を前記コンベヤへ伝達して当該コンベヤを可動させる伝達手段とを備え、
前記伝達手段には、前記拡径ノズルを設けたことを特徴とする請求項3に記載のスパイラルフリーザ。
【請求項5】
前記螺旋状のコンベヤの内周側に、冷却流体に波動を与えるためのエアフローチェンジャーを備えたことを特徴とする請求項3に記載のスパイラルフリーザ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、螺旋状に配置されたコンベヤを備えるスパイラルフリーザに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、直線状に配置されたコンベアを備える急速冷却装置(直線型フリーザ)よりも省スペースで、より長距離の冷凍・冷却区間を具備できるものとして、螺旋状に配置されたコンベヤを備えるスパイラルフリーザが公知である(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
特許文献1に係るスパイラルフリーザは、コンベヤの内周側および外周側の双方に導風板(隔壁)が設けられている。導風板は、螺旋状に配置されたコンベヤに載置される冷却対象物に対して冷却流体(例えば、冷却空気)が均一に効率よく当たるように制御するためのものである。
【0004】
しかしながら、特に螺旋状に配置されたコンベヤの外周側に導風板を設けると、洗浄作業を含めたメンテナンス性が低下することとなる。このような観点から、螺旋状に配置されたコンベヤの外周側に導風板を設けない構成とした、スパイラルフリーザが公知である(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭49-96344号公報
【特許文献2】特許第7018282号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献2に開示されるようなスパイラルフリーザは、導風板を排した上で冷却流体を制御しようとするために、送風機等をコンベヤの外側方へ配置する構成となり、設置スペースが拡大する欠点があった。
【0007】
また、送風機から螺旋状に配置されたコンベヤに対して側方向及び下方向に冷却流体を通過させ前記送風機へ循環させる流路では、冷却対象物への均一で効率的な冷却制御ができないことも問題となる。
【0008】
また、スパイラルフリーザにおいては、より洗浄作業を含めたメンテナンス性を維持・向上することが望まれる。
【0009】
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、洗浄作業等のメンテナンス性に優れ、そのために導風板を有しなくても冷却対象物を均一に効率よく冷却・冷凍処理でき、かつ、省スペース性に優れたスパイラルフリーザの提供を、発明が解決しようとする課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、螺旋状のコンベヤを備え、該螺旋状のコンベヤの外周側に導風板を有しないスパイラルフリーザにおいて、前記螺旋状のコンベヤの上方に、冷却装置および送風手段を備え、前記送風手段から送出される冷却流体が、前記螺旋状のコンベヤの内周側空間と当該コンベヤのコンベヤ間空間と当該コンベヤの外周側空間を、前記内周側空間若しくは前記外周側空間から前記コンベヤ間空間を通過して循環する流路を備えることを特徴とするスパイラルフリーザを、課題を解決するための手段とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、螺旋状のコンベヤを備え、該螺旋状のコンベヤの外周側に導風板を有しないスパイラルフリーザにおいて、前記螺旋状のコンベヤの上方に、冷却装置および送風手段を備え、前記送風手段から送出される冷却流体が、前記螺旋状のコンベヤの内周側空間と当該コンベヤのコンベヤ間空間と当該コンベヤの外周側空間を、前記内周側空間若しくは前記外周側空間から前記コンベヤ間空間を通過して循環する流路を備えることによって、冷却装置及び送風手段を載置する床面積をなくして設置スペースを低減することができる。
【0012】
また本発明によれば、螺旋状のコンベヤの外周側に導風板を有しないこと及び当該冷却装置及び送風手段を上方に配置したことによって、洗浄作業を含むメンテナンス性が向上する。
【0013】
また本発明によれば、前記螺旋状のコンベヤの内周側空間と当該コンベヤのコンベヤ間空間と当該コンベヤの外周側空間を、前記内周側空間若しくは前記外周側空間から前記コンベヤ間空間を通過して循環する流路を備えることによって、冷却・冷凍処理を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施例に係る開閉可能な開閉扉を備えたスパイラルフリーザの(a)平面略図、(b)正面略図である。
【
図2】本発明の実施例に係るスパイラルフリーザに用いるメインドラムであって、(a)ノズルプレートを一部取り除いた状態を示す正面図、(b)ノズルプレートを一部取り除いた状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施例に係るスパイラルフリーザに用いるエアフローチェンジャーであって、(a)平面、正面、左側面を示す斜視図、(b)冷却流体が通過する状態の縦断面図、(c)冷却流体が遮断される状態の縦断面図である。
【
図4】本発明の実施例に係るスパイラルフリーザに用いる(a)拡径ノズルの斜視図、(b)ノズルプレートの一部を省略した斜視図、(c)拡径ノズルから冷却流体が拡散される状態を示す(b)の拡大断面図である。
【
図5】本発明の実施例に係るスパイラルフリーザにおけるコンベヤとノズルプレートとの係合状態を示す説明図である。
【
図6】本発明の実施例に係るスパイラルフリーザにおける冷却流体の経路を示す説明断面図である。
【
図7】本発明の実施例に係るスパイラルフリーザの冷却流体の経路を逆とした場合を示す説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態に係るスパイラルフリーザは、螺旋状のコンベヤを備え、該螺旋状のコンベヤの外周側に導風板を有しないスパイラルフリーザにおいて、前記螺旋状のコンベヤの上方に、冷却装置および送風手段を備え、前記送風手段から送出される冷却流体が、前記螺旋状のコンベヤの内周側空間と当該コンベヤのコンベヤ間空間と当該コンベヤの外周側空間を、前記内周側空間若しくは前記外周側空間から前記コンベヤ間空間を通過して循環する流路を備えるものとすることができる(第1の構成)。
【0016】
上記第1の構成によれば、冷却装置及び送風手段を載置するための専用の床面積をなくして設置スペースを低減することができる。
【0017】
また上記第1の構成によれば、螺旋状のコンベヤの外周側に導風板を有しないこと及び当該冷却装置及び送風手段を上方に配置したことによって、コンベヤに対する側方からのアプローチが容易となり、また、この部屋の下方の床面に障害物がないことから、洗浄作業を含むメンテナンス性が向上する。
【0018】
また上記第1の構成によれば、前記螺旋状のコンベヤの内周側空間と当該コンベヤのコンベヤ間空間と当該コンベヤの外周側空間を、前記内周側空間若しくは前記外周側空間から前記コンベヤ間空間を通過して循環する流路を備えることによって、冷却対象物に対する冷却制御が可能となり、冷却流体が冷却対象物に均一に効率よく当たることで、冷却・冷凍処理を円滑に行うことができる。
【0019】
また、上記第1の構成において、前記螺旋状のコンベアの内周側空間の中心に駆動軸を備え、当該駆動軸を回転させる駆動装置を、前記螺旋状のコンベヤより上方に備えるものとすることができる(第2の構成)。
【0020】
上記第2の構成によれば、駆動装置を螺旋状のコンベヤより上方に配置することによって、当該駆動装置を床面に載置することもなくなり、洗浄作業を含むメンテナンス性が向上する。
【0021】
また、上記第1、第2の構成において、前記螺旋状のコンベヤの内周側に、当該コンベヤに向けて拡径した拡径ノズルを配置した構成とすることができる(第3の構成)。
【0022】
上記第3の構成によれば、上記第1の構成の作用効果を奏する上に、拡径ノズルによって、冷却流体を拡散して均一に送出させることができることから、コンベヤ上でコンベヤ内周側に近い位置に載置された冷却対象物のみならず、コンベヤ上でコンベヤ外周側に近い位置に載置された冷却対象物に対しても冷却流体の吹き付けが可能となり、冷却対象物の均質な冷却・冷凍を行うことが可能となる。
【0023】
また、上記第3の構成において、前記螺旋状のコンベヤの内周側において鉛直に設けられる駆動軸と、該駆動軸から動力を前記コンベヤへ伝達して当該コンベヤを可動させる伝達手段とを備え、前記伝達手段には、前記拡径ノズルを設けた構成とすることができる(第4の構成)。
【0024】
上記第4の構成によれば、上記第2の構成の作用効果を奏する上に、伝達手段に拡径ノズルが形成されることによって、スパイラルフリーザの構成をコンパクトかつ機能的なものとすることができる。
【0025】
また、上記第1から第4のいずれかの構成において、前記螺旋状のコンベヤの内周側に、冷却流体に波動を与えるためのエアフローチェンジャーを備えた構成とすることができる(第5の構成)。
【0026】
上記第5の構成によれば、上記第1~第3のいずれかの構成の作用効果を奏する上に、エアフローチェンジャーによって、冷却流体に波動を与えることができ、冷却対象物の冷却効率を促進させることができる。
【実施例0027】
以下に図面を参照し、本発明の実施例に係るスパイラルフリーザSの構成について説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化又は模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0028】
本発明の実施例に係るスパイラルフリーザSは、
図1(a)(b)に示すように、基本構成として、筐体5と、該筐体5内に配置される螺旋状の無端コンベヤ1と、当該コンベヤ1の内周側空間52に配置されるメインドラム2と、コンベヤ1の上方に配置される送風機30及び冷却装置31と、を備えている。
【0029】
筐体5は、コンベヤ1の両端が突出する搬入口50および搬出口51を備えている。本実施例においては、搬入口50は、地上高1m未満程度に配置し、搬出口51は、地上高2.3m程度の配置としてある。筐体5は、
図1(a)に示すように、平面視六角形とし、筐体5の各側面55が螺旋状のコンベヤ1に対向するように構成されている。筐体5の各側面55には、観音開きの開閉扉Dが設けられている。当該開閉扉Dを開放することによって、コンベヤ1が外部に露出し、洗浄作業を含めたメンテナンスを行うことが可能となる。筐体5の底面は、僅かな傾斜が設けられており、洗浄作業で使用する洗浄水が外部へ集中的に排水できるように排水口が設けられている。
【0030】
筐体5内において、コンベヤ1の外側方および上方に隣接するように、第1支持フレーム40および第2支持フレーム41が設けられている。第1支持フレーム40および第2支持フレーム41は、いずれも鋼材で構成されており、それぞれ脚部および支持部を有している。第1支持フレーム40は、コンベヤの上方に配置される冷却装置31及び送風機30を載置して支持するためのものである。第2支持フレーム41は、コンベヤ1より上方に配置される駆動装置32を支持するためのものである。
【0031】
冷却装置31、ならびに、送風機30は、前記した第1支持フレーム40によって支持されている。送風機30は、冷却流体を、筐体内において循環させるものである。冷却装置31は、送風機30によって循環される冷却流体を冷却するものである。
【0032】
次に、
図2(a)(b)にメインドラム2を示す。メインドラム2は主として、回転中心となる駆動軸33と、該駆動軸33の上端に近い位置へ当該駆動軸33に垂直に取着される上部円形プレート20と、前記駆動軸33の下端に近い位置へ当該駆動軸33に垂直に取着される下部円形プレート21と、前記上部円形プレート20と下部円形プレート21との間に、その全周に亘って架設される複数のノズルプレート22によって概ねドラム状に構成される。
【0033】
また、メインドラム2における上部円形プレート20の直下(即ち、メインドラム内)には、エアフローチェンジャー24を2基設けている。
図3(a)に本実施例において使用しているエアフローチェンジャー24を示す。エアフローチェンジャー24は、冷却流体に波動を形成するものである。
エアフローチェンジャー24が取着される上部円形プレート20は、当該エアフローチェンジャー24へ冷却流体を通すために、開口部20aを有している。
エアフローチェンジャー24は、中心軸を水平方向に配置した筒状体の側周面となる上下に通気用開口24a、24bを備え、モータ24cによって前記中心軸を基準に回転羽根24dが回転し、
図3(b)(c)に示すように、冷却流体の通過、遮断を繰り返すことによって間欠的に冷却流体を送出し、冷却流体に波動を作り出す。
【0034】
下部円形プレート21は、下方への風向を遮断し、側方へ風向を変更させるものである。これによって、拡径ノズル23へ冷却流体を送り込むことができる。
また、下部円形プレート21は中央部から周縁部に至って僅かな下り傾斜を形成してある。これによって、洗浄時に洗浄水が下部円形プレート21上に溜まらないようにする効果が得られる。
【0035】
ノズルプレート22は、上端側に上部円形プレート20との係着手段を備え、下端部に下部円形プレート21との係着手段を備えた長尺板状体であり、
図4(a)に示す拡径ノズル23を
図4(b)等に示すように長手方向に列設した構成である。また列設される拡径ノズル23の左右には、長手方向に亘って連続する係合溝部22aが形成されている。
【0036】
またノズルプレート22は本発明における駆動軸33からの駆動力を前記コンベヤ1へ伝達するための伝達手段となる。
図5に示すように、前記係合溝部22aが、螺旋状のコンベヤ1の内周側縁部に形成される凸部と係合することで、駆動軸33の回転力がコンベヤ1に伝達され、コンベヤ1がメインドラム2と同期してコンベヤ進行方向11に可動することとなる。
【0037】
以上の構成を備える実施例に係るスパイラルフリーザSは、駆動軸33を駆動回転させることで、動力の伝達手段であるノズルプレート22がコンベヤ1の内周側縁部の凸部と係合して、コンベヤ1を動作させた状態において、
図6に示すように、冷却流体が、コンベヤ1の内周側空間52へ向けて送風機30によって送出され、メインドラム2の上方より上部円形プレート20の開口部20aを通じてエアフローチェンジャー24を介することで波動を有する冷却流体とされ、下部円形プレート21でせき止められるとともに、ノズルプレート22の拡径ノズル23から噴射される。拡径ノズル23の開口はコンベヤ側に向けて徐々に広くなるように形成されており、コンベヤ内空間54の上下左右方向へ冷却流体を噴射することができる(
図4(c)参照。)。この結果、コンベヤ1に載置された冷却対象物は、コンベヤ1で移動されながら拡径ノズル23からコンベヤ内空間54へ噴射される冷却流体によって冷却・冷凍される。その後、冷却・冷凍に用いられた冷却流体は、コンベヤ1の外周側空間53を経由し、送風機30へ戻ることとなる。
【0038】
そして、コンベヤ1の進行と、メインドラム2の回転が同期していることから、一般的には、コンベヤ1上でコンベヤ内周側に近い位置に載置された冷却対象物は大きな風量、風速で冷却が行われる一方で、コンベヤ外周側に近い位置に載置された冷却対象物は小さな風量、風速で冷却が行われて冷却が不十分となりやすいところ、本実施例においては、拡径ノズル23から波動を有する冷却流体が拡散して噴射されることによって、均一な冷却を行うことが可能となる。
【0039】
尚、上記実施例においては、コンベヤ1がメインドラム2と同期して可動する構成で拡径ノズル23を用いるものを示しているが、本発明は、当該構成に限定されない。例えば、メインドラム2とコンベヤ1が所定の摩擦力によって動作する場合には、メインドラム2とコンベヤ1に回転速度の差が生じ、冷却流体のあたる位置は変化し続けることから、拡径ノズル23を設けない構成とすることもできる。
【0040】
上記実施例においては、第1支持フレーム40と第2支持フレーム41を別個に備えた構成としているが、本発明においては、一つの支持フレームのみとすることも可能である。また本発明は、送風機30および冷却装置31、若しくはこれに加えて駆動装置32を、螺旋状のコンベヤ1の上方に備えるようにしてあればよく、送風機30および冷却装置31若しくは駆動装置32を筐体5の天井から吊下することや、筐体5の天井下面に直接または間接的に設置することも可能である。
【0041】
また上記実施例においては、
図7に示すように、冷却流体の流路が、送風機30から螺旋状のコンベヤ1の内周側空間52にあるメインドラム2のエアフローチェンジャー24へ送出後、メインドラム2の拡径ノズル23からコンベヤ側方へ噴射され、当該コンベヤ1の外周側空間53を経由し、送風機30へ戻るものとしているが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、送風機30からコンベヤ1の外周側空間53へ冷却流体を送出し、メインドラム2内を外周側空間53よりも陰圧とすることで、拡径ノズル23を吸引手段として使用し、コンベヤ1の外周側空間53から拡径ノズル23に向けて冷却流体を送ることで均一に冷却対象物を冷却し、メインドラム2から送風機30へ循環させることも可能である。