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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017316
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】高周波モジュール
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/25 20060101AFI20240201BHJP
   H04B 1/38 20150101ALI20240201BHJP
   H04B 1/00 20060101ALI20240201BHJP
   H01L 25/00 20060101ALI20240201BHJP
   H01L 25/04 20230101ALI20240201BHJP
   H03H 9/64 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
H03H9/25 A
H04B1/38
H04B1/00 260
H01L25/00 B
H01L25/04 Z
H03H9/64 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119868
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100189430
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100190805
【弁理士】
【氏名又は名称】傍島 正朗
(72)【発明者】
【氏名】竹松 佑二
(72)【発明者】
【氏名】原田 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】高岡 宏知
(72)【発明者】
【氏名】出口 裕貴
【テーマコード(参考)】
5J097
5K011
【Fターム(参考)】
5J097AA01
5J097AA29
5J097CC07
5J097DD21
5J097HA04
5J097JJ04
5J097JJ07
5J097JJ09
5J097KK10
5J097LL01
5J097LL04
5J097LL06
5J097LL07
5J097LL08
5K011DA01
5K011DA27
5K011JA01
5K011KA01
5K011KA18
(57)【要約】
【課題】特性の劣化を抑制することができる高周波モジュールを提供する。
【解決手段】高周波モジュール1は、モジュール基板9000と、モジュール基板9000の主面9000a上に配置された複数の受動部品3170、3180、4100、4200と、複数の受動部品3170、3180、4100、4200上に配置されたフィルタ部品3100と、を備え、フィルタ部品3100は、弾性波フィルタ31を構成する直列腕共振子311~313を含み、直列腕共振子312は直列腕共振子311、313の間に接続され、モジュール基板9000の平面視において、フィルタ部品3100の直列腕共振子312が形成された領域3112sは、複数の受動部品3170、3180、4100、4200と重ならず、フィルタ部品3100の他の領域の少なくとも一部は、複数の受動部品3170、3180、4100、4200の各々の少なくとも一部と重なっている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール基板と、
前記モジュール基板の主面上に配置された複数の受動部品と、
前記複数の受動部品上に配置された第1フィルタ部品と、を備え、
前記第1フィルタ部品は、第1弾性波フィルタを構成する第1直列腕共振子、第2直列腕共振子及び第3直列腕共振子を含み、前記第2直列腕共振子は前記第1直列腕共振子及び前記第3直列腕共振子の間に接続され、
前記モジュール基板の平面視において、前記第1フィルタ部品の前記第2直列腕共振子が形成された領域は、前記複数の受動部品と重なっておらず、前記第1フィルタ部品の他の領域の少なくとも一部は、前記複数の受動部品の各々の少なくとも一部と重なっている、
高周波モジュール。
【請求項2】
前記第1フィルタ部品は、複数の端子を含み、
前記複数の受動部品の少なくとも1つは、前記第1フィルタ部品の前記複数の端子のうちの少なくとも1つの端子に電気的に接続される電極を含み、
前記モジュール基板の平面視において、前記電極の少なくとも一部は、前記少なくとも1つの端子の少なくとも一部と重なっている、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項3】
前記第1直列腕共振子、前記第2直列腕共振子及び前記第3直列腕共振子の各々は、IDT(Interdigital Transducer)電極で構成されたSAW(Surface Acoustic Wave)共振子であり、
前記IDT電極は、前記モジュール基板の前記主面に対面する前記第1フィルタ部品の主面上に配置されている、
請求項1又は2に記載の高周波モジュール。
【請求項4】
前記第1弾性波フィルタは、アンテナ接続端子と高周波入力端子又は高周波出力端子との間に接続され、
前記複数の受動部品は、少なくとも1つの表面実装部品を含み、
前記少なくとも1つの表面実装部品は、前記第1弾性波フィルタと前記アンテナ接続端子、前記高周波入力端子又は前記高周波出力端子との間に接続されるインダクタ及びキャパシタの少なくとも一方を含む、
請求項1又は2に記載の高周波モジュール。
【請求項5】
前記第1弾性波フィルタは、アンテナ接続端子と高周波入力端子又は高周波出力端子との間に接続され、
前記複数の受動部品は、前記第1弾性波フィルタと前記アンテナ接続端子、前記高周波入力端子又は前記高周波出力端子との間の経路とグランドとの間に接続されるインダクタ及びキャパシタの少なくとも一方を含む表面実装部品を含む、
請求項1又は2に記載の高周波モジュール。
【請求項6】
前記第1弾性波フィルタは、さらに、前記第1直列腕共振子、前記第2直列腕共振子及び前記第3直列腕共振子の少なくとも1つとグランドとの間に接続されるインダクタ及びキャパシタの少なくとも一方を含み、
前記複数の受動部品は、前記第1弾性波フィルタの前記インダクタ及び前記キャパシタの少なくとも一方を含む表面実装部品を含む、
請求項1又は2に記載の高周波モジュール。
【請求項7】
前記高周波モジュールは、さらに、
前記モジュール基板の前記主面上に配置された回路部品を備え、
前記回路部品の少なくとも一部は、前記モジュール基板の平面視において、前記第1フィルタ部品の少なくとも一部と重なっている、
請求項1又は2に記載の高周波モジュール。
【請求項8】
前記第1フィルタ部品は、複数の端子を含み、
前記モジュール基板は、前記モジュール基板の前記主面上に配置された金属部材を有し、
前記第1フィルタ部品の前記複数の端子の少なくとも1つは、前記金属部材上に配置されている、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項9】
前記モジュール基板は、前記モジュール基板の前記主面上に配置された金属部材を有し、
前記第1フィルタ部品の前記複数の端子の少なくとも1つは、前記金属部材上に配置されている、
請求項2に記載の高周波モジュール。
【請求項10】
前記高周波モジュールは、さらに、
前記複数の受動部品及び前記第1フィルタ部品の少なくとも一部を覆う樹脂部材と、
前記樹脂部材の表面の少なくとも一部を覆う金属電極層と、を備え、
前記金属電極層の少なくとも一部は、前記第1フィルタ部品の第1主面の少なくとも一部に物理的に接続されており、前記第1主面は、前記第1フィルタ部品の第2主面の反対側にあり、前記第2主面は、前記モジュール基板の前記主面に対面している、
請求項1又は2に記載の高周波モジュール。
【請求項11】
前記高周波モジュールは、さらに、前記複数の受動部品に含まれる少なくとも1つの受動部品上に配置され、第2弾性波フィルタを構成する第4直列腕共振子、第5直列腕共振子及び第6直列腕共振子を含み、前記第5直列腕共振子は前記第4直列腕共振子及び前記第6直列腕共振子の間に接続される第2フィルタ部品を備え、
前記モジュール基板の平面視において、前記第2フィルタ部品の前記第5直列腕共振子が形成された領域は、前記少なくとも1つの受動部品と重なっておらず、前記第2フィルタ部品の他の領域の少なくとも一部は、前記少なくとも1つの受動部品の少なくとも一部と重なっている、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項12】
前記第1フィルタ部品及び前記第2フィルタ部品の各々は、複数の端子を含み、
前記少なくとも1つの受動部品は、
前記第1フィルタ部品の前記複数の端子のうちの少なくとも1つの端子に電気的に接続される第1電極と、
前記第2フィルタ部品の前記複数の端子のうちの少なくとも1つの端子に電気的に接続される第2電極と、を含み、
前記モジュール基板の平面視において、
前記少なくとも1つの受動部品の前記第1電極の少なくとも一部は、前記第1フィルタ部品の前記複数の端子のうちの前記少なくとも1つの端子の少なくとも一部と重なっており、
前記少なくとも1つの受動部品の前記第2電極の少なくとも一部は、前記第2フィルタ部品の前記複数の端子のうちの前記少なくとも1つの端子の少なくとも一部と重なっている、
請求項11に記載の高周波モジュール。
【請求項13】
前記高周波モジュールは、さらに、前記複数の受動部品に含まれる少なくとも1つの受動部品上に配置され、第2弾性波フィルタを構成する第4直列腕共振子、第5直列腕共振子及び第6直列腕共振子を含み、前記第5直列腕共振子は前記第4直列腕共振子及び前記第6直列腕共振子の間に接続される第2フィルタ部品を備え、
前記モジュール基板の平面視において、前記第2フィルタ部品の前記第5直列腕共振子が形成された領域は、前記少なくとも1つの受動部品と重なっておらず、前記第2フィルタ部品の他の領域の少なくとも一部は、前記少なくとも1つの受動部品の少なくとも一部と重なっている、
請求項2に記載の高周波モジュール。
【請求項14】
前記第2フィルタ部品は、複数の端子を含み、
前記少なくとも1つの受動部品は、
前記第1フィルタ部品の前記複数の端子のうちの少なくとも1つの端子に電気的に接続される第1電極と、
前記第2フィルタ部品の前記複数の端子のうちの少なくとも1つの端子に電気的に接続される第2電極と、を含み、
前記モジュール基板の平面視において、
前記少なくとも1つの受動部品の前記第1電極の少なくとも一部は、前記第1フィルタ部品の前記複数の端子のうちの少なくとも1つの端子の少なくとも一部と重なっており、
前記少なくとも1つの受動部品の前記第2電極の少なくとも一部は、前記第2フィルタ部品の前記複数の端子のうちの少なくとも1つの端子の少なくとも一部と重なっている、
請求項13に記載の高周波モジュール。
【請求項15】
前記モジュール基板の前記主面には、キャビティが形成されており、
前記複数の受動部品に含まれる第1受動部品の少なくとも一部は、前記キャビティ内に配置されている、
請求項1又は2に記載の高周波モジュール。
【請求項16】
前記複数の受動部品に含まれる第2受動部品は、前記キャビティ内に配置されず、
前記第1受動部品の高さは、前記第2受動部品の高さよりも大きい、
請求項15に記載の高周波モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの移動体通信機器では、特に、マルチバンド化の進展に伴い、高周波フロントエンドモジュールが複雑化している。特許文献1には、能動素子を2つの受動部品上に配置することで高周波モジュールを小型化する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0242455号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、2つの受動部品上に配置された部品の特性が劣化する場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、特性の劣化を抑制することができる高周波モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る高周波モジュールは、モジュール基板と、モジュール基板の主面上に配置された複数の受動部品と、複数の受動部品上に配置された第1フィルタ部品と、を備え、第1フィルタ部品は、第1弾性波フィルタを構成する第1直列腕共振子、第2直列腕共振子及び第3直列腕共振子を含み、第2直列腕共振子は第1直列腕共振子及び第3直列腕共振子の間に接続され、モジュール基板の平面視において、第1フィルタ部品の第2直列腕共振子が形成された領域は、複数の受動部品と重なっておらず、第1フィルタ部品の他の領域の少なくとも一部は、複数の受動部品の各々の少なくとも一部と重なっている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様に係る高周波モジュールによれば、特性の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態1に係る通信装置の回路構成図である。
図2図2は、実施の形態1に係る高周波モジュールの回路構成図である。
図3図3は、実施の形態1に係る高周波モジュールの平面図である。
図4図4は、実施の形態1に係る高周波モジュールの底面図である。
図5図5は、実施の形態1に係る高周波モジュールの断面図である。
図6図6は、実施の形態1に係る高周波モジュールの断面図である。
図7図7は、実施の形態1に係るフィルタ部品の底面図である。
図8図8は、実施の形態1に係るフィルタ部品の底面図である。
図9図9は、実施の形態2に係る高周波モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。
【0010】
なお、各図は、本発明を示すために適宜強調、省略、又は比率の調整を行った模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではなく、実際の形状、位置関係、及び比率とは異なる場合がある。各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡素化される場合がある。
【0011】
以下の各図において、x軸及びy軸は、モジュール基板の主面と平行な平面上で互いに直交する軸である。具体的には、平面視においてモジュール基板が矩形状を有する場合、x軸は、モジュール基板の第1辺に平行であり、y軸は、モジュール基板の第1辺と直交する第2辺に平行である。また、z軸は、モジュール基板の主面に垂直な軸であり、その正方向は上方向を示し、その負方向は下方向を示す。
【0012】
本発明において、「回路部品」とは、能動素子及び/又は受動素子を含む部品を意味する。つまり、回路部品には、能動部品及び受動部品が含まれ、電気機械部品(例えば、端子、コネクタ、配線等)が含まれない。「能動部品」とは、トランジスタ又はダイオード等の能動素子を含む部品を意味する。「受動部品」とは、インダクタ、トランスフォーマ、キャパシタ又は抵抗等の受動素子を含む部品を意味する。なお、能動部品には、能動素子に加えて、受動素子が含まれてもよい。
【0013】
本発明の回路構成において、「接続される」とは、接続端子及び/又は配線導体で直接接続される場合だけでなく、他の回路素子を介して電気的に接続される場合も含む。「A及びBの間に接続される」とは、A及びBの間でA及びBの両方に接続されることを意味し、A及びBを結ぶ経路に直列接続されることを意味する。
【0014】
本発明の回路構成において、「端子」とは、要素内の導体が終了するポイントを意味する。なお、要素間の経路として機能する導体のインピーダンスが十分に低い場合には、端子は、単一のポイントだけでなく、要素間の経路上の任意のポイント又は経路全体と解釈され得る。
【0015】
本発明の部品配置において、「部品が基板に配置される」とは、部品が基板と接触した状態で基板上に配置されることに加えて、基板と接触せずに基板の上方に配置されること(例えば、部品が、基板上に配置された他の部品上に積層されること)、及び、部品の一部又は全部が基板内に埋め込まれて配置されることを含む。「部品が基板の主面上に配置される」とは、部品が基板の主面と接触した状態で主面上に配置されることに加えて、部品が主面と接触せずに主面の上方に配置されること、及び、部品の一部が主面側から基板内に埋め込まれて配置されることを含む。「AがBに物理的に接続される」とは、AがBに直接的に接続されることに加えて、AがBに間接的に接続されることを含み、例えばCを介してAがBに接続されることを含む。
【0016】
また、本発明の部品配置において、「平面視」とは、z軸に沿ってxy平面に物体を投影して見ることを意味する。「Aは平面視においてBと重なる」とは、z軸に沿ってxy平面に投影されたAの領域が、z軸に沿ってxy平面に投影されたBの領域と重なることを意味する。「共振子が形成された領域」とは、共振子を構成する機能電極が占める領域を意味する。
【0017】
また、「平行」及び「垂直」などの要素間の関係性を示す用語、及び、「矩形」などの要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表すのではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の誤差をも含むことを意味する。
【0018】
(実施の形態1)
以下に、実施の形態1に係る通信装置5について説明する。本実施の形態に係る通信装置5は、セルラー通信システムにおけるユーザ端末(UE:User Equipment)に相当し、典型的には、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ウェアラブル・デバイス等である。なお、通信装置5は、IoT(Internet of Things)センサ・デバイス、医療/ヘルスケア・デバイス、車、無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)(いわゆるドローン)、無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)であってもよい。また、通信装置5は、セルラー通信システムにおける基地局(BS:Base Station)として用いられてもよい。
【0019】
ここで、本実施の形態に係る通信装置5及び高周波モジュール1の回路構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態に係る通信装置5の回路構成図である。図2は、本実施の形態に係る高周波モジュール1の回路構成図である。
【0020】
なお、図1及び図2は、例示的な回路構成であり、通信装置5及び高周波モジュール1は、多種多様な回路実装及び回路技術のいずれかを使用して実装され得る。したがって、以下に提供される通信装置5及び高周波モジュール1の説明は、限定的に解釈されるべきではない。
【0021】
[1.1 通信装置5の回路構成]
まず、本実施の形態に係る通信装置5の回路構成について、図1を参照しながら説明する。通信装置5は、高周波モジュール1と、アンテナ2と、RFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)3と、BBIC(Baseband Integrated Circuit)4と、電力増幅器11及び12と、を備える。
【0022】
高周波モジュール1は、アンテナ2とRFIC3との間で高周波信号を伝送する。高周波モジュール1の回路構成については後述する。
【0023】
アンテナ2は、高周波モジュール1のアンテナ接続端子100に接続される。アンテナ2は、高周波モジュール1から高周波信号を受けて通信装置5の外部に出力することができる。また、アンテナ2は、通信装置5の外部から高周波信号を受信して高周波モジュール1へ伝送することもできる。なお、アンテナ2は、通信装置5に含まれなくてもよい。また、通信装置5は、アンテナ2に加えて、さらに1以上のアンテナを備えてもよい。
【0024】
RFIC3は、高周波信号を処理する信号処理回路の一例である。具体的には、RFIC3は、BBIC4から入力された送信信号をアップコンバート等により信号処理し、当該信号処理して生成された高周波送信信号を、高周波モジュール1に出力することができる。また、RFIC3は、高周波モジュール1が受信経路を含む場合には、当該受信経路を介して入力された高周波受信信号を、ダウンコンバート等により信号処理し、当該信号処理して生成された受信信号をBBIC4へ出力してもよい。さらに、RFIC3は、高周波モジュール1が有するスイッチ及び増幅器等を制御する制御部を有してもよい。なお、RFIC3の制御部としての機能の一部又は全部は、RFIC3の外部に構成されてもよく、例えば、BBIC4又は高周波モジュール1に含まれてもよい。
【0025】
BBIC4は、高周波モジュール1が伝送する高周波信号よりも低周波の中間周波数帯域を用いて信号処理するベースバンド信号処理回路である。BBIC4で処理される信号としては、例えば、画像表示のための画像信号、及び/又は、スピーカを介した通話のための音声信号が用いられる。なお、BBIC4は、通信装置5に含まれなくてもよい。
【0026】
電力増幅器11及び12は、RFIC3からの高周波信号を増幅することができる。電力増幅器11及び12の入力端は、RFIC3に接続され、電力増幅器11及び12の出力端は、高周波モジュール1に接続される。なお、電力増幅器11及び12は、高周波モジュール1に含まれてもよい。
【0027】
[1.2 高周波モジュール1の回路構成]
次に、本実施の形態に係る高周波モジュール1の回路構成について図1及び図2を参照しながら説明する。高周波モジュール1は、弾性波フィルタ31及び32と、インダクタ41~44と、スイッチ51と、アンテナ接続端子100と、高周波入力端子111及び112と、を備える。
【0028】
弾性波フィルタ31は、第1弾性波フィルタの一例であり、アンテナ接続端子100と高周波入力端子111との間に接続される。本実施の形態では、弾性波フィルタ31は、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)フィルタであり、バンドAを含む通過帯域を有するバンドパスフィルタとして機能する。なお、弾性波フィルタ31は、SAWフィルタに限定されない。例えば、弾性波フィルタ31は、バルク弾性波(BAW:Bulk Acoustic Wave)フィルタであってもよい。
【0029】
図2に示すように、弾性波フィルタ31は、直列腕共振子311~313と、並列腕共振子314~316と、インダクタ317と、キャパシタ318と、を含む。
【0030】
直列腕共振子311は、第1直列腕共振子の一例であり、端子3101及び直列腕共振子312の間に接続される。具体的には、直列腕共振子311の一端は、端子3101に接続される。直列腕共振子311の他端は、直列腕共振子312の一端及び並列腕共振子314の一端に接続される。
【0031】
直列腕共振子312は、第2直列腕共振子の一例であり、直列腕共振子311及び313の間に接続される。具体的には、直列腕共振子312の一端は、直列腕共振子311の他端及び並列腕共振子314の一端に接続される。直列腕共振子312の他端は、直列腕共振子313の一端及び並列腕共振子315の一端に接続される。
【0032】
直列腕共振子313は、第3直列腕共振子の一例であり、直列腕共振子312及び端子3102の間に接続される。具体的には、直列腕共振子313の一端は、直列腕共振子312の他端及び並列腕共振子315の一端に接続される。直列腕共振子313の他端は、端子3102及び並列腕共振子316の一端に接続される。
【0033】
並列腕共振子314は、直列腕共振子311及び312の間の経路とグランドとの間に接続される。具体的には、並列腕共振子314の一端は、直列腕共振子311の他端及び直列腕共振子312の一端に接続される。並列腕共振子314の他端は、端子3103及びインダクタ317を介してグランドに接続される。
【0034】
並列腕共振子315は、直列腕共振子312及び313の間の経路とグランドとの間に接続される。具体的には、並列腕共振子315の一端は、直列腕共振子312の他端及び直列腕共振子313の一端に接続される。並列腕共振子315の他端は、端子3104を介してグランド及びキャパシタ318の一端に接続される。
【0035】
並列腕共振子316は、直列腕共振子313及び端子3102の間の経路とグランドとの間に接続される。具体的には、並列腕共振子316の一端は、直列腕共振子313の他端及び端子3102に接続される。並列腕共振子316の他端は、端子3105を介してグランド及びキャパシタ318の他端に接続される。
【0036】
なお、直列腕共振子311~313及び並列腕共振子314~316の各々は、2以上の分割共振子で構成されてもよい。分割共振子とは、1つの共振子を直列分割又は並列分割することで得られる共振子である。
【0037】
インダクタ317は、直列腕共振子311及び312とグランドとの間に接続される。具体的には、インダクタ317の一端は、端子3103を介して並列腕共振子314の他端に接続される。インダクタ317の他端は、グランドに接続される。
【0038】
キャパシタ318は、直列腕共振子312及び313とグランドとの間に接続される。具体的には、キャパシタ318の一端は、端子3104を介して並列腕共振子315の他端に接続され、かつ、グランドに接続される。キャパシタ318の他端は、端子3105を介して並列腕共振子316の他端に接続され、かつ、グランドに接続される。
【0039】
このような弾性波フィルタ31は、フィルタ部品3100と受動部品3170及び3180とに実装される。具体的には、直列腕共振子311~313及び並列腕共振子314~316は、複数の端子3101~3106を含むフィルタ部品3100に実装される。インダクタ317は、受動部品3170に実装される。キャパシタ318は、受動部品3180に実装される。
【0040】
弾性波フィルタ32は、第2弾性波フィルタの一例であり、アンテナ接続端子100と高周波入力端子112との間に接続される。本実施の形態では、弾性波フィルタ32は、SAWフィルタであり、バンドBを含む通過帯域を有するバンドパスフィルタとして機能する。なお、弾性波フィルタ32は、SAWフィルタに限定されない。例えば、弾性波フィルタ32は、BAWフィルタであってもよい。
【0041】
図2に示すように、弾性波フィルタ32は、直列腕共振子321~323と、並列腕共振子324~326と、キャパシタ327と、を含む。
【0042】
直列腕共振子321は、第4直列腕共振子の一例であり、端子3201及び直列腕共振子322の間に接続される。具体的には、直列腕共振子321の一端は、端子3201に接続される。直列腕共振子321の他端は、直列腕共振子322の一端及び並列腕共振子324の一端に接続される。
【0043】
直列腕共振子322は、第5直列腕共振子の一例であり、直列腕共振子321及び323の間に接続される。具体的には、直列腕共振子322の一端は、直列腕共振子321の他端及び並列腕共振子324の一端に接続される。直列腕共振子322の他端は、直列腕共振子323の一端及び並列腕共振子325の一端に接続される。
【0044】
直列腕共振子323は、第6直列腕共振子の一例であり、直列腕共振子322及び端子3202の間に接続される。具体的には、直列腕共振子323の一端は、直列腕共振子322の他端及び並列腕共振子325の一端に接続される。直列腕共振子323の他端は、端子3202及び並列腕共振子326の一端に接続される。
【0045】
並列腕共振子324は、直列腕共振子321及び322の間の経路とグランドとの間に接続される。具体的には、並列腕共振子324の一端は、直列腕共振子321の他端及び直列腕共振子322の一端に接続される。並列腕共振子324の他端は、端子3203を介してグランドに接続される。
【0046】
並列腕共振子325は、直列腕共振子322及び323の間の経路とグランドとの間に接続される。具体的には、並列腕共振子325の一端は、直列腕共振子322の他端及び直列腕共振子323の一端に接続される。並列腕共振子325の他端は、端子3204を介してグランド及びキャパシタ327の一端に接続される。
【0047】
並列腕共振子326は、直列腕共振子323及び端子3202の間の経路とグランドとの間に接続される。具体的には、並列腕共振子326の一端は、直列腕共振子323の他端及び端子3202に接続される。並列腕共振子326の他端は、端子3205を介してグランド及びキャパシタ327の他端に接続される。
【0048】
キャパシタ327は、直列腕共振子322及び323とグランドとの間に接続される。具体的には、キャパシタ327の一端は、端子3204を介して並列腕共振子325の他端に接続され、かつ、グランドに接続される。キャパシタ327の他端は、端子3205を介して並列腕共振子326の他端に接続され、かつ、グランドに接続される。
【0049】
このような弾性波フィルタ32は、フィルタ部品3200及び受動部品3270に実装される。具体的には、直列腕共振子321~323及び並列腕共振子324~326は、複数の端子3201~3206を含むフィルタ部品3200に実装される。キャパシタ327は、受動部品3270に実装される。
【0050】
なお、バンドA及びBは、無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)を用いて構築される通信システムのための異なる周波数バンドである。バンドA及びBは、標準化団体など(例えば3GPP(登録商標)(3rd Generation Partnership Project)及びIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)等)によって予め定義される。通信システムの例としては、5GNR(5th Generation New Radio)システム、LTE(Long Term Evolution)システム及びWLAN(Wireless Local Area Network)システム等を挙げることができる。
【0051】
インダクタ41は、いわゆるシリーズインダクタであり、弾性波フィルタ31と高周波入力端子111との間に接続される。具体的には、インダクタ41の一端は、高周波入力端子111に接続され、インダクタ41の他端は、弾性波フィルタ31に接続される。これにより、インダクタ41は、高周波入力端子111と弾性波フィルタ31との間のインピーダンス整合をとることができる。なお、インダクタ41は、いわゆるシャントインダクタであってもよく、弾性波フィルタ31及び高周波入力端子111の間の経路とグランドとの間に接続されてもよい。
【0052】
インダクタ42は、いわゆるシャントインダクタであり、弾性波フィルタ31及びスイッチ51の間の経路とグランドとの間に接続される。具体的には、インダクタ42の一端は、弾性波フィルタ31及びスイッチ51の間の経路に接続され、インダクタ42の他端は、グランドに接続される。なお、インダクタ42は、いわゆるシリーズインダクタであってもよく、弾性波フィルタ31及びスイッチ51の間に接続されてもよい。
【0053】
インダクタ43は、いわゆるシリーズインダクタであり、弾性波フィルタ32と高周波入力端子112との間に接続される。具体的には、インダクタ43の一端は、高周波入力端子112に接続され、インダクタ43の他端は、弾性波フィルタ32に接続される。これにより、インダクタ43は、高周波入力端子112と弾性波フィルタ32との間のインピーダンス整合をとることができる。なお、インダクタ43は、いわゆるシャントインダクタであってもよく、弾性波フィルタ32及び高周波入力端子112の間の経路とグランドとの間に接続されてもよい。
【0054】
インダクタ44は、いわゆるシャントインダクタであり、弾性波フィルタ32及びスイッチ51の間の経路とグランドとの間に接続される。具体的には、インダクタ44の一端は、弾性波フィルタ32及びスイッチ51の間の経路に接続され、インダクタ44の他端は、グランドに接続される。なお、インダクタ44は、いわゆるシリーズインダクタであってもよく、弾性波フィルタ32及びスイッチ51の間に接続されてもよい。
【0055】
このようなインダクタ41~44は、受動部品4100、4200、4300及び4400にそれぞれ実装される。なお、高周波モジュール1は、インピーダンス整合のために、インダクタ41~44に加えて、さらに1以上のインダクタ及び/又は1以上のキャパシタを含んでもよい。また、高周波モジュール1は、インダクタ41~44に代えて、1以上のキャパシタを含んでもよい。
【0056】
スイッチ51は、アンテナ接続端子100と弾性波フィルタ31及び32との間に接続される。具体的には、スイッチ51は、アンテナ接続端子100に接続される共通端子511と、弾性波フィルタ31に接続される選択端子512と、弾性波フィルタ32に接続される選択端子513と、を含む。
【0057】
この接続構成において、スイッチ51は、RFIC3からの制御信号に基づいて、共通端子511を選択端子512及び513に選択的に接続することができる。つまり、スイッチ51は、アンテナ接続端子100の接続を弾性波フィルタ31及び32の間で切り替えることができる。スイッチ51は、例えばSPDT(Single-Pole Double-Throw)型のスイッチ回路で構成される。
【0058】
このようなスイッチ51は、スイッチ部品5100に実装される。なお、スイッチ51は、共通端子511を2つの選択端子512及び513に同時に接続可能であってもよい。また、スイッチ51は、高周波モジュール1に含まれなくてもよい。
【0059】
[1.3 高周波モジュール1の実装例]
次に、高周波モジュール1の実装例について図3図8を参照しながら説明する。図3は、本実施の形態に係る高周波モジュール1の平面図である。図4は、本実施の形態に係る高周波モジュール1の底面図である。図5及び図6は、本実施の形態に係る高周波モジュール1の断面図である。図5及び図6における高周波モジュール1の断面は、図3及び図4のv-v線及びvi-vi線における断面である。図7は、本実施の形態に係るフィルタ部品3100の底面図である。図8は、本実施の形態に係るフィルタ部品3200の底面図である。
【0060】
図3図6において、モジュール基板9000に配置された複数の回路部品をそれぞれ接続する配線の図示が省略されている。また、図3において、複数の回路部品を覆う樹脂部材9200及び樹脂部材9200の表面を覆う金属電極層9300の図示が省略され、フィルタ部品3100及び3200に遮られる部品が破線で表されている。
【0061】
なお、図3図8は、例示的な構成であり、高周波モジュール1は、多種多様な回路実装及び回路技術のいずれかを使用して実装され得る。したがって、以下に提供される高周波モジュール1の説明は、限定的に解釈されるべきではない。
【0062】
高周波モジュール1は、図2に示された複数の回路部品に加えて、モジュール基板9000と、ポスト電極9011及び9012と、樹脂部材9200と、金属電極層9300と、複数のバンプ電極9100と、を備える。
【0063】
モジュール基板9000は、互いに対向する主面9000a及び9000bを有する。モジュール基板9000としては、例えば、複数の誘電体層の積層構造を有する低温同時焼成セラミックス(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics)基板もしくは高温同時焼成セラミックス(HTCC:High Temperature Co-fired Ceramics)基板、部品内蔵基板、再配線層(RDL:Redistribution Layer)を有する基板、又は、プリント基板等を用いることができるが、これらに限定されない。
【0064】
モジュール基板9000の主面9000aには、フィルタ部品3100及び3200と、受動部品3170、3180、3270、4100、4200、4300及び4400と、スイッチ部品5100と、ポスト電極9011及び9012と、が配置されている。一方、モジュール基板9000の主面9000bには、複数のバンプ電極9100が配置されている。
【0065】
フィルタ部品3100は、第1フィルタ部品の一例であり、直列腕共振子311~313及び並列腕共振子314~316が実装されたSAWデバイスである。フィルタ部品3100は、受動部品3170、3180、4100及び4200並びにポスト電極9011上に配置されている。フィルタ部品3100は、複数の端子3101~3106と、圧電基板3110と、機能電極3111~3116と、を備え、互いに対向する主面3100a及び3100bを有する。
【0066】
主面3100aは、第1主面の一例であり、金属電極層9300に物理的に接続されている。図5及び図6では、主面3100aは、金属電極層9300に直接的に接続されており、金属電極層9300に接触している。これにより、フィルタ部品3100の放熱性を向上させることができる。なお、主面3100aのすべてが金属電極層9300に接触しなくてもよく、主面3100aの一部のみが金属電極層9300に接触してもよい。また、主面3100aは、金属電極層9300に直接的に接続されなくてもよい。例えば、主面3100aは、樹脂部材9200よりも熱伝導率が高い部材を介して金属電極層9300に間接的に接続されてもよい。
【0067】
主面3100bは、第2主面の一例であり、モジュール基板9000の主面9000aに対面している。主面3100b上には、複数の端子3101~3106と、直列腕共振子311~313及び並列腕共振子314~316をそれぞれ構成する機能電極3111~3116と、が配置されている。
【0068】
端子3101は、フィルタ部品3100の接続端子であり、フィルタ部品3100内で機能電極3111に電気的に接続され、フィルタ部品3100外で受動部品4100の電極4101に電気的に接続されている。端子3101は、モジュール基板9000の平面視において、受動部品4100の電極4101の一部と重なっている。
【0069】
端子3102は、フィルタ部品3100の接続端子であり、フィルタ部品3100内で機能電極3113に電気的に接続され、フィルタ部品3100外で受動部品4200の電極4201に電気的に接続されている。端子3102は、モジュール基板9000の平面視において、受動部品4200の電極4201の一部と重なっている。
【0070】
端子3103は、フィルタ部品3100の接続端子であり、フィルタ部品3100内で機能電極3114に電気的に接続され、フィルタ部品3100外で受動部品3170の電極3171に電気的に接続されている。端子3103は、モジュール基板9000の平面視において、受動部品3170の電極3171の一部と重なっている。
【0071】
端子3104は、フィルタ部品3100の接続端子であり、フィルタ部品3100内で機能電極3115に電気的に接続され、フィルタ部品3100外で受動部品3180の電極3181に電気的に接続されている。端子3104は、モジュール基板9000の平面視において、受動部品3180の電極3181の一部と重なっている。
【0072】
端子3105は、フィルタ部品3100の接続端子であり、フィルタ部品3100内で機能電極3116に電気的に接続され、フィルタ部品3100外で受動部品3180の電極3182に電気的に接続されている。端子3105は、モジュール基板9000の平面視において、受動部品3180の電極3182の一部と重なっている。
【0073】
端子3106は、フィルタ部品3100の非接続端子であり、フィルタ部品3100内で機能電極に電気的に接続されず、フィルタ部品3100外でポスト電極9011に電気的に接続されている。端子3106は、モジュール基板9000の平面視において、ポスト電極9011の一部と重なっている。
【0074】
圧電基板3110は、弾性波を伝搬する表面3110sを有する。この表面3110sは、モジュール基板9000の主面9000aに対面しており、フィルタ部品3100の主面3100bを構成する。圧電基板3110としては、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO)単結晶又はタンタル酸リチウム(LiTaO)単結晶で構成された基板が用いられるが、これに限定されない。
【0075】
機能電極3111は、圧電基板3110の表面3110sに配置されており、圧電基板3110の表面3110sを伝搬する弾性波を電気信号に変換することができる、又は、電気信号を弾性波に変換することができる。これにより、機能電極3111は、直列腕共振子311を構成することができる。機能電極3111が占める領域3111sは、直列腕共振子311が形成された領域に相当する。領域3111sは、領域3112sを除く領域(他の領域)に含まれ、モジュール基板9000の平面視において、受動部品3170、3180、4100及び4200との重なりが許容される。
【0076】
機能電極3112は、圧電基板3110の表面3110sに配置されており、圧電基板3110の表面3110sを伝搬する弾性波を電気信号に変換することができる、又は、電気信号を弾性波に変換することができる。これにより、機能電極3112は、直列腕共振子312を構成することができる。機能電極3112が占める領域3112sは、直列腕共振子312が形成された領域に相当する。このような直列腕共振子312が形成された領域3112sは、モジュール基板9000の平面視において、受動部品3170、3180、4100及び4200のいずれとも重なっていない。
【0077】
機能電極3113は、圧電基板3110の表面3110sに配置されており、圧電基板3110の表面3110sを伝搬する弾性波を電気信号に変換することができる、又は、電気信号を弾性波に変換することができる。これにより、機能電極3113は、直列腕共振子313を構成することができる。機能電極3113が占める領域3113sは、直列腕共振子313が形成された領域に相当する。領域3113sは、領域3112sを除く領域(他の領域)に含まれ、モジュール基板9000の平面視において、受動部品3170、3180、4100及び4200との重なりが許容される。
【0078】
機能電極3114は、圧電基板3110の表面3110sに配置されており、圧電基板3110の表面3110sを伝搬する弾性波を電気信号に変換することができる、又は、電気信号を弾性波に変換することができる。これにより、機能電極3114は、並列腕共振子314を構成することができる。機能電極3114が占める領域3114sは、並列腕共振子314が形成された領域に相当する。領域3114sは、領域3112sを除く領域(他の領域)に含まれ、モジュール基板9000の平面視において、受動部品3170、3180、4100及び4200との重なりが許容される。
【0079】
機能電極3115は、圧電基板3110の表面3110sに配置されており、圧電基板3110の表面3110sを伝搬する弾性波を電気信号に変換することができる、又は、電気信号を弾性波に変換することができる。これにより、機能電極3115は、並列腕共振子315を構成することができる。機能電極3115が占める領域3115sは、並列腕共振子315が形成された領域に相当する。領域3115sは、領域3112sを除く領域(他の領域)に含まれ、モジュール基板9000の平面視において、受動部品3170、3180、4100及び4200との重なりが許容される。
【0080】
機能電極3116は、圧電基板3110の表面3110sに配置されており、圧電基板3110の表面3110sを伝搬する弾性波を電気信号に変換することができる、又は、電気信号を弾性波に変換することができる。これにより、機能電極3116は、並列腕共振子316を構成することができる。機能電極3116が占める領域3116sは、並列腕共振子316が形成された領域に相当する。領域3116sは、領域3112sを除く領域(他の領域)に含まれ、モジュール基板9000の平面視において、受動部品3170、3180、4100及び4200との重なりが許容される。
【0081】
このような機能電極3111~3116としては、IDT(Interdigital Transducer)電極を用いることができ、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、それらの積層体、又は、それらの合金が主材料として用いられる。なお、機能電極3111~3116は、このような電極に限定される必要はない。
【0082】
なお、機能電極3111~3116は、モジュール基板9000の主面9000aに対面する圧電基板3110の表面3110s(つまり、フィルタ部品3100の主面3100b)に配置されているが、機能電極3111~3116の配置は、これに限定されない。例えば、機能電極3111~3116は、フィルタ部品3100の主面3100aに配置されてもよい。この場合、フィルタ部品3100は、主面3100a上に空隙を形成するためのカバー部材を備えてもよく、樹脂部材9200は、フィルタ部品3100とモジュール基板9000との間に充填されてもよい。
【0083】
なお、フィルタ部品3100は、他の回路素子を含んでもよい。例えば、フィルタ部品3100は、キャパシタを含んでもよい。このとき、キャパシタは、IDT電極で構成されてもよい。この場合、共振子を構成するIDT電極と、キャパシタを構成するIDT電極とは、各電極指が延びる方向、及び、複数の電極指が並ぶ方向によって区別することができる。具体的には、共振子を構成するIDT電極は、各電極指が弾性波の伝播方向に沿って延びており、かつ、複数の電極指が弾性波の伝播方向と垂直な方向に沿って並んでいる。
【0084】
フィルタ部品3200は、第2フィルタ部品の一例であり、直列腕共振子321~323及び並列腕共振子324~326が実装されたSAWデバイスであり、受動部品3270、4200、4300及び4400並びにポスト電極9012上に配置されている。フィルタ部品3200は、複数の端子3201~3206と、圧電基板3210と、機能電極3211~3216と、を備え、互いに対向する主面3200a及び3200bを有する。
【0085】
主面3200aは、金属電極層9300に物理的に接続されている。図6では、主面3200aは、金属電極層9300に直接的に接続されており、金属電極層9300に接触している。これにより、フィルタ部品3200の放熱性を向上させることができる。なお、主面3200aのすべてが金属電極層9300に接触しなくてもよく、主面3200aの一部のみが金属電極層9300に接触してもよい。また、主面3200aは、必ずしも金属電極層9300に直接的に接続されなくてもよい。例えば、主面3200aは、樹脂部材9200よりも熱伝導率が高い部材を介して金属電極層9300に間接的に接続されてもよい。
【0086】
主面3200bは、モジュール基板9000の主面9000aに対面している。主面3200b上には、複数の端子3201~3206と、直列腕共振子321~323及び並列腕共振子324~326をそれぞれ構成する機能電極3211~3216と、が配置されている。
【0087】
端子3201は、フィルタ部品3200の接続端子であり、フィルタ部品3200内で機能電極3211に電気的に接続され、フィルタ部品3200外で受動部品4300の電極4301に電気的に接続されている。端子3201は、モジュール基板9000の平面視において、受動部品4300の電極4301の一部と重なっている。
【0088】
端子3202は、フィルタ部品3200の接続端子であり、フィルタ部品3200内で機能電極3213に電気的に接続され、フィルタ部品3200外で受動部品4400の電極4401に電気的に接続されている。端子3202は、モジュール基板9000の平面視において、受動部品4400の電極4401の一部と重なっている。
【0089】
端子3203は、フィルタ部品3200の接続端子であり、フィルタ部品3200内で機能電極3214に電気的に接続され、フィルタ部品3200外でポスト電極9012に電気的に接続されている。端子3203は、モジュール基板9000の平面視において、ポスト電極9012の一部と重なっている。
【0090】
端子3204は、フィルタ部品3200の接続端子であり、フィルタ部品3200内で機能電極3215に電気的に接続され、フィルタ部品3200外で受動部品3270の電極3271に電気的に接続されている。端子3204は、モジュール基板9000の平面視において、受動部品3270の電極3271の一部と重なっている。
【0091】
端子3205は、フィルタ部品3200の接続端子であり、フィルタ部品3200内で機能電極3216に電気的に接続され、フィルタ部品3200外で受動部品3270の電極3272に電気的に接続されている。端子3205は、モジュール基板9000の平面視において、受動部品3270の電極3272の一部と重なっている。
【0092】
端子3206は、フィルタ部品3200の非接続端子であり、フィルタ部品3200内で機能電極に電気的に接続されず、フィルタ部品3200外で受動部品4200の電極4202に電気的に接続されている。端子3206は、モジュール基板9000の平面視において、受動部品4200の電極4202の一部と重なっている。なお、端子3206は、受動部品4200の電極4202に電気的に接続されなくてもよく、平面視において電極4202と重ならなくてもよい。
【0093】
圧電基板3210は、弾性波を伝搬する表面3210sを有する。この表面3210sは、モジュール基板9000の主面9000aに対面しており、フィルタ部品3200の主面3200bを構成する。圧電基板3210としては、圧電基板3110と同様に、例えば、LiNbO単結晶又はLiTaO単結晶で構成された基板が用いられるが、これに限定されない。
【0094】
機能電極3211は、圧電基板3210の表面3210sに配置されており、圧電基板3210の表面3210sを伝搬する弾性波を電気信号に変換することができる、又は、電気信号を弾性波に変換することができる。これにより、機能電極3211は、直列腕共振子321を構成することができる。つまり、直列腕共振子321は、機能電極3211が配置された領域3211sに形成される。
【0095】
機能電極3212は、圧電基板3210の表面3210sに配置されており、圧電基板3210の表面3210sを伝搬する弾性波を電気信号に変換することができる、又は、電気信号を弾性波に変換することができる。これにより、機能電極3212は、直列腕共振子322を構成することができる。つまり、直列腕共振子322は、機能電極3212が配置された領域3212sに形成される。このような直列腕共振子322が形成された領域3212sは、モジュール基板9000の平面視において、受動部品3270、4200、4300及び4400と重なっていない。
【0096】
機能電極3213は、圧電基板3210の表面3210sに配置されており、圧電基板3210の表面3210sを伝搬する弾性波を電気信号に変換することができる、又は、電気信号を弾性波に変換することができる。これにより、機能電極3213は、直列腕共振子323を構成することができる。つまり、直列腕共振子323は、機能電極3213が配置された領域3213sに形成される。
【0097】
機能電極3214は、圧電基板3210の表面3210sに配置されており、圧電基板3210の表面3210sを伝搬する弾性波を電気信号に変換することができる、又は、電気信号を弾性波に変換することができる。これにより、機能電極3214は、並列腕共振子324を構成することができる。つまり、並列腕共振子324は、機能電極3214が配置された領域3214sに形成される。
【0098】
機能電極3215は、圧電基板3210の表面3210sに配置されており、圧電基板3210の表面3210sを伝搬する弾性波を電気信号に変換することができる、又は、電気信号を弾性波に変換することができる。これにより、機能電極3215は、並列腕共振子325を構成することができる。つまり、並列腕共振子325は、機能電極3215が配置された領域3215sに形成される。
【0099】
機能電極3216は、圧電基板3210の表面3210sに配置されており、圧電基板3210の表面3210sを伝搬する弾性波を電気信号に変換することができる、又は、電気信号を弾性波に変換することができる。これにより、機能電極3216は、並列腕共振子326を構成することができる。つまり、並列腕共振子326は、機能電極3216が配置された領域3216sに形成される。
【0100】
このような機能電極3211~3216としては、機能電極3111~3116と同様に、IDT電極を用いることができ、Cu、Al、Pt、それらの積層体、又は、それらの合金が主材料として用いられる。なお、機能電極3211~3216は、このような電極に限定される必要はない。
【0101】
なお、機能電極3211~3216は、モジュール基板9000の主面9000aに対面する圧電基板3210の表面3210s(つまり、フィルタ部品3200の主面3200b)に配置されているが、機能電極3211~3216の配置は、これに限定されない。例えば、機能電極3211~3216は、フィルタ部品3200の主面3200aに配置されてもよい。この場合、フィルタ部品3200は、主面3200a上に空隙を形成するためのカバー部材を備えてもよく、樹脂部材9200は、フィルタ部品3200とモジュール基板9000との間に充填されてもよい。
【0102】
なお、フィルタ部品3200は、フィルタ部品3100と同様に、他の回路素子を含んでもよい。
【0103】
受動部品3170は、インダクタ317を含む表面実装部品(SMD:Surface Mount Device)であり、いわゆるチップインダクタである。受動部品3170は、インダクタ317の両端をそれぞれ構成する電極3171及び3172を含む。電極3171及び3172の各々は、受動部品3170の互いに対向する主面3170a及び3170b及びそれらを接続する側面に形成されている。電極3171は、フィルタ部品3100の端子3103に電気的及び物理的に接続され、かつ、モジュール基板9000の主面9000a上の電極9001に物理的に接続される。なお、電極3171は、電極9001に電気的に接続される必要はない。電極3172は、モジュール基板9000の主面9000a上の電極9002(グランド電極)に電気的及び物理的に接続される。
【0104】
受動部品3180は、キャパシタ318を含むSMDであり、いわゆるチップキャパシタである。受動部品3180は、キャパシタ318の両端をそれぞれ構成する電極3181及び3182を含む。電極3181及び3182の各々は、受動部品3180の互いに対向する2つの主面及びそれらを接続する側面に形成されている。電極3181は、フィルタ部品3100の端子3104に電気的及び物理的に接続され、かつ、モジュール基板9000の主面9000a上のグランド電極(図示せず)に電気的及び物理的に接続される。電極3182は、フィルタ部品3100の端子3105に電気的及び物理的に接続され、かつ、モジュール基板9000の主面9000a上のグランド電極(図示せず)に電気的及び物理的に接続される。
【0105】
受動部品3270は、キャパシタ327を含むSMDであり、いわゆるチップキャパシタである。受動部品3270は、キャパシタ327の両端をそれぞれ構成する電極3271及び3272を含む。電極3271及び3272の各々は、受動部品3270の互いに対向する2つの主面及びそれらを接続する側面に形成されている。電極3271は、フィルタ部品3200の端子3204に電気的及び物理的に接続され、かつ、モジュール基板9000の主面9000a上のグランド電極(図示せず)に電気的及び物理的に接続される。電極3272は、フィルタ部品3200の端子3205に電気的及び物理的に接続され、かつ、モジュール基板9000の主面9000a上のグランド電極(図示せず)に電気的及び物理的に接続される。
【0106】
受動部品4100は、インダクタ41を含むSMDであり、いわゆるチップインダクタである。受動部品4100は、インダクタ41の両端をそれぞれ構成する電極4101及び4102を含む。電極4101及び4102の各々は、受動部品4100の互いに対向する主面4100a及び4100b並びにそれらを接続する側面に形成されている。電極4101は、フィルタ部品3100の端子3101に電気的及び物理的に接続され、かつ、モジュール基板9000の主面9000a上の電極9003に物理的に接続される。なお、電極4101は、電極9003に電気的に接続される必要はない。電極4102は、モジュール基板9000の主面9000a上の電極9004であって高周波入力端子111として機能するバンプ電極9100に電気的に接続される電極9004に電気的及び物理的に接続される。
【0107】
受動部品4200は、インダクタ42を含むSMDであり、いわゆるチップインダクタである。受動部品4200は、インダクタ42の両端をそれぞれ構成する電極4201及び4202を含む。電極4201及び4202の各々は、受動部品4200の互いに対向する主面4200a及び4200b並びにそれらを接続する側面に形成されている。電極4201は、第1電極の一例であり、フィルタ部品3100の端子3102に電気的及び物理的に接続され、かつ、モジュール基板9000の主面9000a上の電極9005であってスイッチ部品5100の選択端子512に電気的に接続される電極9005に電気的及び物理的に接続される。電極4202は、第2電極の一例であり、フィルタ部品3200の端子3206に電気的及び物理的に接続され、かつ、モジュール基板9000の主面9000a上の電極9006(グランド電極)に電気的及び物理的に接続される。なお、受動部品4200上に、フィルタ部品3200が配置されなくてもよい。この場合、電極4202は、端子3206に電気的及び物理的に接続されなくてもよい。
【0108】
受動部品4300は、インダクタ43を含むSMDであり、いわゆるチップインダクタである。受動部品4300は、インダクタ43の両端をそれぞれ構成する電極4301及び4302を含む。電極4301及び4302の各々は、受動部品4300の互いに対向する2つの主面及びそれらを接続する側面に形成されている。電極4301は、フィルタ部品3200の端子3201に電気的及び物理的に接続され、かつ、モジュール基板9000の主面9000a上の電極(非接続電極)に物理的に接続される。電極4302は、モジュール基板9000の主面9000a上の電極であって高周波入力端子112として機能するバンプ電極9100に電気的に接続される電極(図示せず)に電気的及び物理的に接続される。
【0109】
受動部品4400は、インダクタ44を含むSMDであり、いわゆるチップインダクタである。受動部品4400は、インダクタ44の両端をそれぞれ構成する電極4401及び4402を含む。電極4401及び4402の各々は、受動部品4400の互いに対向する2つの主面及びそれらを接続する側面に形成されている。電極4401は、フィルタ部品3200の端子3202に電気的及び物理的に接続され、かつ、モジュール基板9000の主面9000a上の電極9007であってスイッチ部品5100の選択端子513に電気的に接続される電極9007に電気的及び物理的に接続される。電極4402は、モジュール基板9000の主面9000a上のグランド電極(図示せず)に電気的及び物理的に接続される。
【0110】
なお、各受動部品の各電極は、2つの主面(例えば受動部品3170において主面3170a及び3170b)に形成されていたが、これに限定されない。例えば、受動部品3170の電極3172、受動部品4100の電極4102、受動部品4300の電極4302、及び、受動部品4400の電極4402は、モジュール基板9000の主面9000aと対面する主面(例えば主面3170b)に形成されればよく、当該主面と反対側の主面(例えば主面3170aなど)に形成されなくてもよい。
【0111】
また、各受動部品の各電極では、当該受動部品の側面に形成された電極を介して2つの主面に形成された電極が電気的に接続されていたが、これに限定されない。例えば、受動部品内のビアを介して、2つの主面に形成された電極が電気的に接続されてもよい。
【0112】
ポスト電極9011は、金属部材の一例であり、図5に示すようにモジュール基板9000の主面9000a上の電極9008(グランド電極)からフィルタ部品3100の端子3106まで延びている。具体的には、ポスト電極9011の一端は、モジュール基板9000の主面9000a上の電極9008に電気的及び物理的に接続され、ポスト電極9011の他端は、フィルタ部品3100の端子3106に電気的及び物理的に接続されている。なお、ポスト電極9011は、高周波モジュール1に含まれなくてもよい。
【0113】
ポスト電極9012は、金属部材の一例であり、モジュール基板9000の主面9000a上のグランド電極(図示せず)からフィルタ部品3200の端子3203まで延びている。具体的には、ポスト電極9012の一端は、モジュール基板9000の主面9000a上のグランド電極に電気的及び物理的に接続され、ポスト電極9012の他端は、フィルタ部品3200の端子3203に電気的及び物理的に接続されている。なお、ポスト電極9012は、高周波モジュール1に含まれなくてもよい。
【0114】
スイッチ部品5100の一部は、モジュール基板9000の平面視において、フィルタ部品3100の一部と重なっている。スイッチ部品5100は、共通端子511、選択端子512及び513を有する。共通端子511は、モジュール基板9000の配線層及びビア(図示せず)などを介してアンテナ接続端子100として機能するバンプ電極9100に電気的に接続される。選択端子512は、モジュール基板9000の配線層(図示せず)などを介してフィルタ部品3100の端子3102に電気的に接続される。選択端子513は、モジュール基板9000の配線層(図示せず)などを介してフィルタ部品3200の端子3202に電気的に接続される。
【0115】
スイッチ部品5100としては、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)を含む半導体集積回路を用いることができる。このとき、半導体材料としては、例えばシリコン(Si)が用いられる。なお、半導体材料として、ガリウムヒ素(GaAs)、シリコンゲルマニウム(SiGe)及び窒化ガリウム(GaN)のうちの少なくとも1つが用いられてもよい。
【0116】
複数のバンプ電極9100は、図1に示したアンテナ接続端子100並びに高周波入力端子111及び112に加えてグランド端子を含む複数の外部接続端子として機能する。複数のバンプ電極9100の各々は、高周波モジュール1のz軸負方向に配置されたマザー基板上の入出力端子及び/又はグランド端子等(図示せず)に電気的に接続される。複数のバンプ電極9100としては、銅電極を用いることができるが、これに限定されない。例えば、複数のバンプ電極9100として、はんだ電極が用いられてもよい。
【0117】
樹脂部材9200は、図5及び図6に示すように、モジュール基板9000の主面9000aの一部と、主面9000a上の回路部品の一部とを覆っている。なお、樹脂部材9200は、フィルタ部品3100及び3200とモジュール基板9000の主面9000aとの間には充填されていない。したがって、フィルタ部品3100の主面3100bとモジュール基板9000の主面9000aとの間には空隙が形成されており、フィルタ部品3200の主面3200bとモジュール基板9000の主面9000aとの間にも空隙が形成されている。樹脂部材9200の材料としては、例えばエポキシ樹脂を用いることができる。なお、樹脂部材9200の材料は、エポキシ樹脂に限定されない。樹脂部材9200は、主面9000a上の回路部品の機械強度及び耐湿性等の信頼性を確保する機能を有する。なお、樹脂部材9200は、必ずしも高周波モジュール1に含まれなくてもよい。
【0118】
金属電極層9300は、例えばスパッタ法により形成される金属薄膜である。金属電極層9300は、図5及び図6に示すように樹脂部材9200の表面(上面及び側面)を覆うように形成されている。また、金属電極層9300は、フィルタ部品3100の主面3100a及びフィルタ部品3200の主面3200aに物理的に接続されている。金属電極層9300は、グランドに接続され、シールド電極として機能する。つまり、金属電極層9300は、外来ノイズが高周波モジュール1に侵入すること、及び、高周波モジュール1で発生したノイズが他のモジュール又は他の機器に干渉することを抑制することができる。なお、金属電極層9300は、高周波モジュール1に含まれなくてもよい。
【0119】
[1.4 効果など]
以上のように、本実施の形態に係る高周波モジュール1は、モジュール基板9000と、モジュール基板9000の主面9000a上に配置された複数の受動部品3170、3180、4100及び4200と、複数の受動部品3170、3180、4100及び4200上に配置されたフィルタ部品3100と、を備え、フィルタ部品3100は、弾性波フィルタ31を構成する直列腕共振子311~313を含み、直列腕共振子312は直列腕共振子311及び313の間に接続され、モジュール基板9000の平面視において、フィルタ部品3100の直列腕共振子312が形成された領域3112sは、複数の受動部品3170、3180、4100及び4200と重なっておらず、フィルタ部品3100の他の領域(領域3112sを除く領域)の少なくとも一部は、複数の受動部品3170、3180、4100及び4200の各々の少なくとも一部と重なっている。
【0120】
これによれば、フィルタ部品3100が複数の受動部品3170、3180、4100及び4200上に配置される。したがって、フィルタ部品3100及び複数の受動部品3170、3180、4100及び4200のモジュール基板9000の主面9000a上の占有面積を削減することができ、高周波モジュール1の小型化に貢献することができる。さらに、モジュール基板9000の平面視において、フィルタ部品3100の直列腕共振子312が形成された領域3112sは複数の受動部品3170、3180、4100及び4200と重ならない。したがって、複数の受動部品3170、3180、4100及び4200によって直列腕共振子312の特性が劣化することを抑制することができ、高周波モジュール1の特性(例えば信号品質)の劣化を抑制することができる。
【0121】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1において、フィルタ部品3100は、複数の端子3101~3106を含んでもよく、複数の受動部品3170、3180、4100及び4200の少なくとも1つ(例えば、受動部品4100)は、フィルタ部品3100の複数の端子3101~3106のうちの少なくとも1つの端子(例えば、端子3101)に電気的に接続される電極(例えば、電極4101)を含んでもよく、モジュール基板9000の平面視において、電極(例えば、電極4101)の少なくとも一部は、少なくとも1つの端子(例えば、端子3101)の少なくとも一部と重なってもよい。
【0122】
これによれば、フィルタ部品3100の端子(例えば端子3101)と電気的に接続される受動部品の電極(例えば、受動部品4100の電極4101)を当該端子に重ねられるので、フィルタ部品3100及び受動部品間の配線長を短縮できる。したがって、配線による抵抗損失、及び/又は、配線の浮遊容量による不整合損を低減することができ、高周波モジュール1の特性(例えば電力効率)を向上させることができる。
【0123】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1において、直列腕共振子311~313の各々は、機能電極3111~3116で構成されたSAW共振子であってもよく、機能電極3111~3116は、モジュール基板9000の主面9000aに対面するフィルタ部品3100の主面3100b上に配置されてもよい。
【0124】
これによれば、機能電極3111~3116がフィルタ部品3100の主面3100b上に配置されるので、複数の受動部品3170、3180、4100及び4200によって生じるフィルタ部品3100及びモジュール基板9000の間の空間をSAW共振子のための空間として有効に活用することができる。
【0125】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1において、弾性波フィルタ31は、アンテナ接続端子100と高周波入力端子111との間に接続されてもよく、複数の受動部品3170、3180、4100及び4200は、弾性波フィルタ31と高周波入力端子111との間に接続されるインダクタ41を含むSMD(受動部品4100)を含んでもよい。
【0126】
これによれば、受動部品4100に弾性波フィルタ31と高周波入力端子111との間に接続されるインダクタ41が含まれるので、インダクタ41と弾性波フィルタ31との間の配線長を短縮することができ、配線による抵抗損失、及び/又は、配線の浮遊容量による不整合損を低減することができる。
【0127】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1において、弾性波フィルタ31は、アンテナ接続端子100と高周波入力端子111との間に接続されてもよく、複数の受動部品3170、3180、4100及び4200は、弾性波フィルタ31とアンテナ接続端子100との間の経路とグランドとの間に接続されるインダクタ42を含むSMD(受動部品4200)を含んでもよい。
【0128】
これによれば、受動部品4200に弾性波フィルタ31とアンテナ接続端子100との間の経路とグランドとの間に接続されるインダクタ42が含まれるので、インダクタ42と弾性波フィルタ31との間の配線長を短縮することができ、配線の浮遊容量による不整合損を低減することができる。
【0129】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1において、弾性波フィルタ31は、さらに、直列腕共振子311~313の少なくとも1つとグランドとの間に接続されるインダクタ317及びキャパシタ318の少なくとも一方を含んでもよく、複数の受動部品3170、3180、4100及び4200は、弾性波フィルタ31のインダクタ317及びキャパシタ318の少なくとも一方を含むSMD(受動部品3170及び/又は3180)を含んでもよい。
【0130】
これによれば、受動部品3170及び3180に直列腕共振子311~313の少なくとも1つとグランドとの間に接続されるインダクタ317及びキャパシタ318が含まれるので、インダクタ317と直列腕共振子311及び/又は312との間の配線長と、キャパシタ318と直列腕共振子312及び/又は313との間の配線長と、を短縮することができ、配線の浮遊容量による弾性波フィルタ31の特性の劣化を抑制することができる。
【0131】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1は、さらに、モジュール基板9000の主面9000a上に配置された回路部品(例えばスイッチ部品5100)を備えてもよく、回路部品の少なくとも一部は、モジュール基板9000の平面視において、フィルタ部品3100の少なくとも一部と重なってもよい。
【0132】
これによれば、フィルタ部品3100がスイッチ部品5100上に重ねられる。したがって、フィルタ部品3100及びスイッチ部品5100のモジュール基板9000の主面9000a上の占有面積を削減することができ、高周波モジュール1の小型化に貢献することができる。
【0133】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1において、フィルタ部品3100は、複数の端子3101~3106を含んでもよく、モジュール基板9000は、モジュール基板9000の主面9000a上に配置された金属部材(例えばポスト電極9011)を有してもよく、フィルタ部品3100の複数の端子3101~3106の少なくとも1つは、金属部材上に配置されてもよい。
【0134】
これによれば、受動部品上に配置されないフィルタ部品3100の端子3106がポスト電極9011上に配置される。したがって、フィルタ部品3100をモジュール基板9000に対してより安定的に固定することができる。
【0135】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1は、さらに、複数の受動部品3170、3180、4100及び4200及びフィルタ部品3100の少なくとも一部を覆う樹脂部材9200と、樹脂部材9200の表面の少なくとも一部を覆う金属電極層9300と、を備えてもよく、金属電極層9300の少なくとも一部は、フィルタ部品3100の主面3100aの少なくとも一部に物理的に接続されてもよく、主面3100aは、フィルタ部品3100の主面3100bの反対側にあってもよく、主面3100bは、モジュール基板9000の主面9000aに対面してもよい。
【0136】
これによれば、フィルタ部品3100の主面3100aが金属電極層9300に物理的に接続されるので、フィルタ部品3100の放熱性を向上させることができる。
【0137】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1は、さらに、複数の受動部品3170、3180、4100及び4200に含まれる受動部品4200上に配置され、弾性波フィルタ32を構成する直列腕共振子321~323を含み、直列腕共振子322は直列腕共振子321及び323の間に接続されるフィルタ部品3200を備えてもよく、モジュール基板9000の平面視において、フィルタ部品3200の直列腕共振子322が形成された領域3212sは、受動部品4200と重ならなくてもよく、フィルタ部品3200の他の領域の少なくとも一部は、受動部品4200の少なくとも一部と重なってもよい。
【0138】
これによれば、フィルタ部品3100だけでなく、フィルタ部品3200も、受動部品4200上に配置されるので、高周波モジュール1のさらなる小型化に貢献することができる。さらに、モジュール基板9000の平面視において、フィルタ部品3200の直列腕共振子322が形成された領域3212sは受動部品4200と重ならない。したがって、複数の受動部品4200によって直列腕共振子322の特性が劣化することを抑制することができ、高周波モジュール1の特性(例えば信号品質)の劣化を抑制することができる。
【0139】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1において、フィルタ部品3100及び3200の各々は、複数の端子3101~3106又は3201~3206を含んでもよく、受動部品4200は、フィルタ部品3100の複数の端子3101~3106のうちの少なくとも1つの端子3102に電気的に接続される電極4201と、フィルタ部品3200の複数の端子3201~3206のうちの少なくとも1つの端子3206に電気的に接続される電極4202と、を含んでもよく、モジュール基板9000の平面視において、受動部品4200の電極4201の少なくとも一部は、フィルタ部品3100の複数の端子3101~3106のうちの少なくとも1つの端子3102の少なくとも一部と重なってもよく、受動部品4200の電極4202の少なくとも一部は、フィルタ部品3200の複数の端子3201~3206のうちの少なくとも1つの端子3206の少なくとも一部と重なってもよい。
【0140】
これによれば、フィルタ部品3200の端子3102と電気的に接続される受動部品4200の電極4201を当該端子3102に重ねられるので、フィルタ部品3200及び受動部品4200間の配線長を短縮できる。したがって、配線による抵抗損失、及び/又は、配線の浮遊容量による不整合損を低減することができ、高周波モジュール1の特性(例えば電力効率)を向上させることができる。
【0141】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。本実施の形態では、フィルタ部品の下に配置された複数の受動部品の1つがモジュール基板に形成されたキャビティ内に配置される点が、上記実施の形態1と主として異なる。以下に、本実施の形態について、上記実施の形態1と異なる点を中心に図面を参照しながら説明する。
【0142】
なお、本実施の形態に係る高周波モジュール1Aにおいて、回路構成については、上記実施の形態1と同様であるので、図示及び説明を省略する。
【0143】
[2.1 高周波モジュール1Aの実装例]
本実施の形態に係る高周波モジュール1Aの実装例について図9を参照しながら説明する。図9は、本実施の形態に係る高周波モジュール1Aの断面図であり、図5と同様の位置の断面を表す。
【0144】
高周波モジュール1Aは、モジュール基板9000及び受動部品4100の代わりに、モジュール基板9000A及び受動部品4100Aを備える。
【0145】
モジュール基板9000Aは、主面9000aにキャビティ9021が形成されている点を除いて、モジュール基板9000と同様である。なお、キャビティ9021の外周縁は、モジュール基板9000Aの外周縁と接していてもよい。つまり、キャビティ9021は、モジュール基板9000Aの外周縁から切り欠かれた切欠部であってもよい。
【0146】
受動部品4100Aは、第1受動部品の一例であり、他の受動部品(例えば、受動部品3170)よりも背が高い点を除いて、受動部品4100と同様である。受動部品3170は、第2受動部品の一例である。受動部品4100Aの少なくとも一部は、キャビティ9021内に配置されている。
【0147】
なお、本実施の形態では、1つの受動部品4100Aのみがキャビティ9021内に配置されていたが、複数の受動部品がキャビティ内に配置されてもよい。
【0148】
[2.2 効果など]
以上のように、本実施の形態に係る高周波モジュール1Aでは、モジュール基板9000Aの主面9000aには、キャビティ9021が形成されてもよく、受動部品4100Aの少なくとも一部は、キャビティ9021内に配置されてもよい。
【0149】
これによれば、受動部品4100Aの少なくとも一部がモジュール基板9000Aのキャビティ9021内に配置されるので、高周波モジュール1Aの低背化に貢献することができる。
【0150】
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1Aにおいて、受動部品3170は、キャビティ9021内に配置されなくてもよく、受動部品4100Aの高さは、受動部品3170の高さよりも大きくてもよい。
【0151】
これによれば、受動部品3170よりも背が高い受動部品4100Aの少なくとも一部がモジュール基板9000Aのキャビティ9021内に配置される。したがって、受動部品3170及び4100Aのモジュール基板9000Aの主面9000aからの高さを揃えることができ、フィルタ部品3100を受動部品3170及び4100A上により安定的に固定することができる。
【0152】
(他の実施の形態)
以上、本発明に係る高周波モジュールについて、実施の形態及び実施例に基づいて説明したが、本発明に係る高周波モジュールは、上記実施の形態及び上記実施例に限定されるものではない。上記実施例における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、上記実施の形態及び上記実施例に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、上記高周波モジュールを内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
【0153】
例えば、上記各実施の形態に係る高周波回路の回路構成において、図面に開示された各回路素子及び信号経路を接続する経路の間に、別の回路素子及び配線などが挿入されてもよい。また、インピーダンス整合回路として、インダクタの代わりに、又は、インダクタに加えてキャパシタが用いられてもよい。
【0154】
なお、上記各実施の形態において、弾性波フィルタ31及び32の各々は3つの直列腕共振子と3つの並列腕共振子とを含んでいたが、各弾性波フィルタに含まれる直列腕共振子及び並列腕共振子の各々の数は3に限定されない。例えば、弾性波フィルタ31及び/又は32は、4以上の直列腕共振子を含んでもよく、4以上の並列腕共振子を含んでもよい。また、弾性波フィルタ31及び/又は32は、2以下の並列腕共振子を含んでもよく、並列腕共振子を含まなくてもよい。
【0155】
なお、上記各実施の形態における回路部品の配置は、図面に開示された配置に限定されない。例えば、上記各実施の形態では、各フィルタ部品は、4つの受動部品上に配置されていたが、少なくとも2つの受動部品上に配置されればよく、3つ、又は、5つ以上の受動部品上に配置されてもよい。また、スイッチ部品5100は、モジュール基板9000の平面視において、スイッチ部品5100と重ならなくてもよい。この場合、スイッチ部品5100は、モジュール基板9000の主面9000b上に配置されてもよい。
【0156】
なお、上記各実施の形態では、弾性波フィルタは、送信フィルタとして用いられていたが、これに限定されない。弾性波フィルタは、受信フィルタ又は送受信フィルタとして用いられてもよい。この場合、通信装置には、電力増幅器の代わりに、又は、電力増幅器に加えて、弾性波フィルタに接続される低雑音増幅器が含まれてもよく、高周波モジュールには、高周波入力端子の代わりに、又は、高周波入力端子に加えて、低雑音増幅器に接続される高周波出力端子が含まれてもよい。
【0157】
以下に、上記各実施の形態に基づいて説明した高周波モジュールの特徴を示す。
【0158】
<1>モジュール基板と、
前記モジュール基板の主面上に配置された複数の受動部品と、
前記複数の受動部品上に配置された第1フィルタ部品と、を備え、
前記第1フィルタ部品は、第1弾性波フィルタを構成する第1直列腕共振子、第2直列腕共振子及び第3直列腕共振子を含み、前記第2直列腕共振子は前記第1直列腕共振子及び前記第3直列腕共振子の間に接続され、
前記モジュール基板の平面視において、前記第1フィルタ部品の前記第2直列腕共振子が形成された領域は、前記複数の受動部品と重なっておらず、前記第1フィルタ部品の他の領域の少なくとも一部は、前記複数の受動部品の各々の少なくとも一部と重なっている、
高周波モジュール。
【0159】
<2>前記第1フィルタ部品は、複数の端子を含み、
前記複数の受動部品の少なくとも1つは、前記第1フィルタ部品の前記複数の端子のうちの少なくとも1つの端子に電気的に接続される電極を含み、
前記モジュール基板の平面視において、前記電極の少なくとも一部は、前記少なくとも1つの端子の少なくとも一部と重なっている、
<1>に記載の高周波モジュール。
【0160】
<3>前記第1直列腕共振子、前記第2直列腕共振子及び前記第3直列腕共振子の各々は、IDT(Interdigital Transducer)電極で構成されたSAW(Surface Acoustic Wave)共振子であり、
前記IDT電極は、前記モジュール基板の前記主面に対面する前記第1フィルタ部品の主面上に配置されている、
<1>又は<2>に記載の高周波モジュール。
【0161】
<4>前記第1弾性波フィルタは、アンテナ接続端子と高周波入力端子又は高周波出力端子との間に接続され、
前記複数の受動部品は、前記第1弾性波フィルタと前記アンテナ接続端子、前記高周波入力端子又は前記高周波出力端子との間に接続されるインダクタ及びキャパシタの少なくとも一方を含む表面実装部品を含む、
<1>~<3>のいずれかに記載の高周波モジュール。
【0162】
<5>前記第1弾性波フィルタは、アンテナ接続端子と高周波入力端子又は高周波出力端子との間に接続され、
前記複数の受動部品は、前記第1弾性波フィルタと前記アンテナ接続端子、前記高周波入力端子又は前記高周波出力端子との間の経路とグランドとの間に接続されるインダクタ及びキャパシタの少なくとも一方を含む表面実装部品を含む、
<1>~<4>のいずれかに記載の高周波モジュール。
【0163】
<6>前記第1弾性波フィルタは、さらに、前記第1直列腕共振子、前記第2直列腕共振子及び前記第3直列腕共振子の少なくとも1つとグランドとの間に接続されるインダクタ及びキャパシタの少なくとも一方を含み、
前記複数の受動部品は、前記第1弾性波フィルタの前記インダクタ及び前記キャパシタの少なくとも一方を含む表面実装部品を含む、
<1>~<5>のいずれかに記載の高周波モジュール。
【0164】
<7>前記高周波モジュールは、さらに、
前記モジュール基板の前記主面上に配置された回路部品を備え、
前記回路部品の少なくとも一部は、前記モジュール基板の平面視において、前記第1フィルタ部品の少なくとも一部と重なっている、
<1>~<6>のいずれかに記載の高周波モジュール。
【0165】
<8>前記第1フィルタ部品は、複数の端子を含み、
前記モジュール基板は、前記モジュール基板の前記主面上に配置された金属部材を有し、
前記第1フィルタ部品の前記複数の端子の少なくとも1つは、前記金属部材上に配置されている、
<1>~<7>のいずれかに記載の高周波モジュール。
【0166】
<9>前記高周波モジュールは、さらに、
前記複数の受動部品及び前記第1フィルタ部品の少なくとも一部を覆う樹脂部材と、
前記樹脂部材の表面の少なくとも一部を覆う金属電極層と、を備え、
前記金属電極層の少なくとも一部は、前記第1フィルタ部品の第1主面の少なくとも一部に物理的に接続されており、前記第1主面は、前記第1フィルタ部品の第2主面の反対側にあり、前記第2主面は、前記モジュール基板の前記主面に対面している、
<1>~<8>のいずれかに記載の高周波モジュール。
【0167】
<10>前記高周波モジュールは、さらに、前記複数の受動部品に含まれる少なくとも1つの受動部品上に配置され、第2弾性波フィルタを構成する第4直列腕共振子、第5直列腕共振子及び第6直列腕共振子を含み、前記第5直列腕共振子は前記第4直列腕共振子及び前記第6直列腕共振子の間に接続される第2フィルタ部品を備え、
前記モジュール基板の平面視において、前記第2フィルタ部品の前記第5直列腕共振子が形成された領域は、前記少なくとも1つの受動部品と重なっておらず、前記第2フィルタ部品の他の領域の少なくとも一部は、前記少なくとも1つの受動部品の少なくとも一部と重なっている、
<1>~<9>のいずれかに記載の高周波モジュール。
【0168】
<11>前記第1フィルタ部品及び前記第2フィルタ部品の各々は、複数の端子を含み、
前記少なくとも1つの受動部品は、
前記第1フィルタ部品の前記複数の端子のうちの少なくとも1つの端子に電気的に接続される第1電極と、
前記第2フィルタ部品の前記複数の端子のうちの少なくとも1つの端子に電気的に接続される第2電極と、を含み、
前記モジュール基板の平面視において、
前記少なくとも1つの受動部品の前記第1電極の少なくとも一部は、前記第1フィルタ部品の前記複数の端子のうちの少なくとも1つの端子の少なくとも一部と重なっており、
前記少なくとも1つの受動部品の前記第2電極の少なくとも一部は、前記第2フィルタ部品の前記複数の端子のうちの少なくとも1つの端子の少なくとも一部と重なっている、
<10>に記載の高周波モジュール。
【0169】
<12>前記モジュール基板の前記主面には、キャビティが形成されており、
前記複数の受動部品に含まれる第1受動部品の少なくとも一部は、前記キャビティ内に配置されている、
<1>~<11>のいずれかに記載の高周波モジュール。
【0170】
<13>前記複数の受動部品に含まれる第2受動部品は、前記キャビティ内に配置されず、
前記第1受動部品の高さは、前記第2受動部品の高さよりも大きい、
<12>に記載の高周波モジュール。
【産業上の利用可能性】
【0171】
本発明は、フロントエンド部に配置される高周波モジュールとして、携帯電話などの通信機器に広く利用できる。
【符号の説明】
【0172】
1、1A 高周波モジュール
2 アンテナ
3 RFIC
4 BBIC
5 通信装置
11、12 電力増幅器
31、32 弾性波フィルタ
41、42、43、44、317 インダクタ
51 スイッチ
100 アンテナ接続端子
111、112 高周波入力端子
311、312、313、321、322、323 直列腕共振子
314、315、316、324、325、326 並列腕共振子
318、327 キャパシタ
511 共通端子
512、513 選択端子
3100、3200 フィルタ部品
3100a、3100b、3170a、3170b、3200a、3200b、4100a、4100b、4200a、4200b、9000a、9000b 主面
3101、3102、3103、3104、3105、3106、3201、3202、3203、3204、3205、3206 端子
3110、3210 圧電基板
3110s、3210s 表面
3111、3112、3113、3114、3115、3116、3211、3212、3213、3214、3215、3216 機能電極
3111s、3112s、3113s、3114s、3115s、3116s、3211s、3212s、3213s、3214s、3215s、3216s 領域
3170、3180、3270、4100、4100A、4200、4300、4400 受動部品
3171、3172、3181、3182、3271、3272、4101、4102、4201、4202、4301、4302、4401、4402、9001、9002、9003、9004、9005、9006、9007、9008 電極
5100 スイッチ部品
9000、9000A モジュール基板
9011、9012 ポスト電極
9021 キャビティ
9100 バンプ電極
9200 樹脂部材
9300 金属電極層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9