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特開2024-173165自動ドア装置、スイッチ装置、自動ドア装置の制御方法及び制御用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173165
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】自動ドア装置、スイッチ装置、自動ドア装置の制御方法及び制御用プログラム
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/74 20150101AFI20241205BHJP
【FI】
E05F15/74
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091396
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】西井 寅貴
(72)【発明者】
【氏名】神吉 久幸
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA02
2E052BA06
2E052BA07
2E052DA02
2E052DB02
2E052EA16
2E052EB01
2E052EC01
2E052GA06
2E052GB01
(57)【要約】
【課題】使用者の意図しない動作によりドアが誤って開閉されてしまうことを抑制するための技術を提供する。
【解決手段】本発明の自動ドア装置5は、第1検知方式で使用者とは接触しない非接触操作に基づいて使用者を検知する第1検知部と、第1検知方式とは異なる第2検知方式で非接触操作に基づいて使用者を検知する第2検知部と、第1検知部及び第2検知部の検知結果に基づいて個室の開口に設けられたドアの開指示又は閉指示を出力する指示出力部57と、指示出力部57から出力された開指示又は閉指示に基づいてドアの開動作又は閉動作を制御するドア制御部10Aと、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個室の使用者による非接触操作を検出して前記使用者を検知する第1検知部と、
前記第1検知部とは異なる方式で前記非接触操作を検出して前記使用者を検知する第2検知部と、
前記第1検知部及び前記第2検知部の検知結果に基づいて前記個室の開口に設けられたドアの開指示又は閉指示を出力する指示出力部と、
前記指示出力部から出力された前記開指示又は前記閉指示に基づいて前記ドアの開動作又は閉動作を制御するドア制御部と、
を備える、
自動ドア装置。
【請求項2】
前記指示出力部は前記第1検知部及び前記第2検知部の両方が前記使用者を検知した場合に前記開指示又は前記閉指示を出力する、
請求項1に記載の自動ドア装置。
【請求項3】
前記第1検知部は静電容量として前記接触操作を検出して前記使用者を検知し、
前記第2検知部は出力した検知波の反射波として前記接触操作を検出して前記使用者を検知する、
請求項1又は2に記載の自動ドア装置。
【請求項4】
少なくとも前記第2検知部は撮像エリア内の画像に基づいて前記使用者を検知し、
前記指示出力部は、前記第2検知部が検知した前記使用者が前記第2検知部に対して正対している場合及び前記第2検知部が検知した前記使用者が予め定められた動作を行っている場合の少なくとも1つの場合に前記第1検知部が前記使用者を検知しているときに、前記開指示又は前記閉指示を出力する、
請求項1又は2に記載の自動ドア装置。
【請求項5】
人による非接触操作を検出して使用者を検知する第1検知部と、
前記第1検知部とは異なる方式で前記非接触操作を検出して前記人を検知する第2検知部と、
前記第1検知部及び前記第2検知部の検知結果に基づいて開口に設けられた自動ドア装置のドアの開指示又は閉指示を出力する指示出力部と、
を備える、
スイッチ装置。
【請求項6】
第1検知方式で個室の使用者による非接触操作を検出して前記使用者を検知する第1検知ステップと、
前記第1検知方式とは異なる第2検知方式で前記非接触操作に基づいて前記使用者を検知する第2検知ステップと、
前記第1検知ステップ及び前記第2検知ステップの両方の検知結果に基づいて開口に設けられたドアの開指示又は閉指示を出力するステップと、
前記開指示又は前記閉指示に基づいて前記ドアの開動作又は閉動作を制御するステップと、
を備える、
自動ドア装置の制御方法。
【請求項7】
コンピュータに、
第1検知方式で個室の使用者による非接触操作を検出して前記使用者を検知する第1検知ステップと、
前記第1検知方式とは異なる第2検知方式で前記非接触操作を検出して前記使用者を検知する第2検知ステップと、
前記第1検知ステップ及び前記第2検知ステップの両方の検知結果に基づいて開口に設けられたドアの開指示又は閉指示を出力するステップと、
前記開指示又は前記閉指示に基づいて前記ドアの開動作又は閉動作を制御するステップと、
を実行させるための自動ドア装置の制御用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドア装置、スイッチ装置、自動ドア装置の制御方法及び制御用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、衛生面の観点から、非接触式スイッチを用いて使用者によるドアの開閉のための操作を検知する自動ドア装置の技術が普及してきている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-075510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動ドア装置の周辺環境に起因する外乱や使用者の荷物や手が意図せず非接触式スイッチの検知エリアに進入してしまうなどの使用者の意図しない動作を非接触式スイッチが誤検知し、その誤検知に応答してドアが誤って開閉されてしまう場合がある。
【0005】
上記を鑑み、本発明は、使用者の意図しない動作によりドアが誤って開閉されてしまうことを抑制するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の自動ドア装置は、個室の使用者による非接触操作を検出して前記使用者を検知する第1検知部と、前記第1検知部とは異なる方式で前記非接触操作を検出して前記使用者を検知する第2検知部と、前記第1検知部及び前記第2検知部の検知結果に基づいて前記個室の開口に設けられたドアの開指示又は閉指示を出力する指示出力部と、前記指示出力部から出力された前記開指示又は前記閉指示に基づいて前記ドアの開動作又は閉動作を制御するドア制御部と、を備える。
【0007】
本発明の他の態様のスイッチ装置は、人による非接触操作を検出して使用者を検知する第1検知部と、前記第1検知部とは異なる方式で前記非接触操作を検出して前記人を検知する第2検知部と、前記第1検知部及び前記第2検知部の検知結果に基づいて開口に設けられた自動ドア装置のドアの開指示又は閉指示を出力する指示出力部と、を備える。
【0008】
本発明の他の態様の自動ドア装置の制御方法は、第1検知方式で個室の使用者による非接触操作を検出して前記使用者を検知する第1検知ステップと、前記第1検知方式とは異なる第2検知方式で前記非接触操作に基づいて前記使用者を検知する第2検知ステップと、前記第1検知ステップ及び前記第2検知ステップの両方の検知結果に基づいて開口に設けられたドアの開指示又は閉指示を出力するステップと、前記開指示又は前記閉指示に基づいて前記ドアの開動作又は閉動作を制御するステップと、を備える。
【0009】
本発明の他の態様の自動ドア装置の制御用プログラムは、コンピュータに、第1検知方式で個室の使用者による非接触操作を検出して前記使用者を検知する第1検知ステップと、前記第1検知方式とは異なる第2検知方式で前記非接触操作を検出して前記使用者を検知する第2検知ステップと、前記第1検知ステップ及び前記第2検知ステップの両方の検知結果に基づいて開口に設けられたドアの開指示又は閉指示を出力するステップと、前記開指示又は前記閉指示に基づいて前記ドアの開動作又は閉動作を制御するステップと、を実行させるための自動ドア装置の制御用プログラムである。
【0010】
なお、以上の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、プログラム、プログラムを記録した一時的なまたは一時的でない記憶媒体、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、使用者の意図しない動作によりドアが誤って開閉されてしまうことを抑制するための技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態の自動ドア装置が設置された多機能トイレの構成を示す平面図である。
図2】第1実施形態の自動ドア装置のドア操作装置の構成を示す正面図である。
図3】第1実施形態の自動ドア装置の機能ブロック図である。
図4】第1実施形態の非接触式スイッチの機能ブロック図である。
図5】第1実施形態のドア操作装置の処理を例示するフローチャートである。
図6】第2実施形態の自動ドア装置のドア操作装置の構成を示す正面図である。
図7】第2実施形態の非接触式スイッチの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で開示した実施形態のうち、複数の物体で構成されているものは、当該複数の物体を一体化してもよく、逆に一つの物体で構成されているものを複数の物体に分けることができる。一体化されているか否かにかかわらず、発明の目的を達成できるように構成されていればよい。
【0014】
本明細書で開示した実施形態のうち、複数の機能が分散して設けられているものは、当該複数の機能の一部または全部を集約して設けても良く、逆に複数の機能が集約して設けられているものを、当該複数の機能の一部または全部が分散するように設けることができる。機能が集約されているか分散されているかにかかわらず、発明の目的を達成できるように構成されていればよい。
【0015】
また、共通点のある別々の構成要素には、名称の冒頭に「第1、第2」等と付して区別し、総称するときはこれらを省略する。また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
【0016】
以下、本発明を好適な実施形態をもとに各図面を参照しながら説明する。実施形態及び変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0017】
第1実施形態
以下、第1実施形態の自動ドア装置について説明する。
【0018】
図1は、第1実施形態の自動ドア装置5が設置された多機能トイレの構成を示す平面図である。図1に示すように、多機能トイレ1は、出入口2を一つ備える個室であって、体が不自由な人や子供連れの人が使い易いように広い空間に便器3が設置されている。出入口2には、出入口2を開閉するドア4を駆動制御する自動ドア装置5が設置されている。ドア4は引戸である。本実施形態の出入口2は、開口の一例である。
【0019】
多機能トイレ1の外側(室外側)の壁には、ドア4の開閉を操作する外側ドア操作装置30が設置されている。多機能トイレ1の内側(室内側)の壁には、ドア4の開閉を操作する内側ドア操作装置40が設置されている。出入口2の無目の外側には、出入口2の外側を通行する人や物を検知する物体検知センサ12が設置されている。物体検知センサ12は、出入口2の外側であって出入口2から所定範囲である検知エリアに存在する人や物を検知する。物体検知センサ12は、人又は物を検知すると検知信号を出力する。出入口2の内側の壁には、出入口2の内側に立ち止まる人を検知する補助センサ13が設置されている。天井には、個室内の使用者を検知する在室センサ15が設置されている。本実施形態の外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40は、それぞれ、スイッチ装置の一例である。
【0020】
図2は、第1実施形態の自動ドア装置5の外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の構成を示す正面図である。外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40は、同じ構成を有する。外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40は、接触式スイッチ51と、非接触式スイッチ53と、を備える。接触式スイッチ51は、ボタンスイッチを押す接触操作に基づいてドア4を開閉する開閉指示を出力する。非接触式スイッチ53は、使用者とは接触しない非接触操作に基づいて使用者を検知してドア4を開閉する開閉指示を出力する。非接触式スイッチ53は、外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40に内蔵されている。
【0021】
接触式スイッチ51は、外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々の上側に設置された開ボタンスイッチ52aと、外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々の下側に設置された閉ボタンスイッチ52bと、を含む。開ボタンスイッチ52aの表面には、「開、←→、OPEN」が記載されている。閉ボタンスイッチ52bに表面には、「閉、→←、CLOSE」が記載されている。
【0022】
非接触式スイッチ53は、第1非接触式スイッチ54と、第2非接触式スイッチ55と、を備える。第1非接触式スイッチ54は、開非接触式スイッチ54aと、閉非接触式スイッチ54bと、を備える。開非接触式スイッチ54aは、外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々の上側に設置されている。閉非接触式スイッチ54bは、外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々の下側に設置されている。第2非接触式スイッチ55は、外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々の中央部、すなわち開非接触式スイッチ54aと閉非接触式スイッチ54bとの間に設置されている。本実施形態の第1非接触式スイッチ54は、第1検知部の一例である。本実施形態の第2非接触式スイッチ55は、第2検知部の一例である。
【0023】
図3は、自動ドア装置5の機能ブロック図である。図4は、非接触式スイッチ53の機能ブロック図である。図3及び図4に示す各機能ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのプロセッサ、CPU、メモリをはじめとする素子や電子回路、機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0024】
自動ドア装置5は、ドア4を駆動するドアエンジン11と、補助センサ13と、電気錠14と、これらの機器が接続されるドアコントローラ10と、物体検知センサ12と、在室センサ15と、外側ドア操作装置30と、内側ドア操作装置40と、を備えている。ドアコントローラ10、物体検知センサ12、及び在室センサ15は、CAN50に接続されている。補助センサ13は、検知するとドアコントローラ10に検知信号を送信する。物体検知センサ12及び在室センサ15は、検知するとCAN50を介して検知信号をドアコントローラ10に送信する。ドアコントローラ10は、物体検知センサ12、補助センサ13、及び在室センサ15の検知結果に従ってドアエンジン11を駆動制御する。ドアコントローラ10は、ドア4を開閉制御するドア制御部10Aを備えている。
【0025】
外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々は、操作判定部56と、指示出力部57と、をさらに備える。
【0026】
外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々の開ボタンスイッチ52aは、使用者の接触操作を検知すると開接触検知信号を指示出力部57に出力する。外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々の閉ボタンスイッチ52bは、使用者の接触操作を検知すると閉接触検知信号を指示出力部57に出力する。接触式スイッチ51においては、押し操作が使用者の接触操作に相当する。
【0027】
外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々の開非接触式スイッチ54aは、使用者を検知している状態(以下、検知状態)において第1開検知信号を操作判定部56に出力する。外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々の閉非接触式スイッチ54bは、検知状態において第1閉検知信号を操作判定部56に出力する。外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々の第2非接触式スイッチ55は、検知状態において第2検知信号を操作判定部56に出力する。
【0028】
操作判定部56は、第1非接触式スイッチ54及び第2非接触式スイッチ55の検知結果に基づいて、使用者による非接触操作が行われたか否かを判定する。本実施形態の操作判定部56は、第1非接触式スイッチ54及び第2非接触式スイッチ55の両方が使用者を検知した場合、すなわち第1非接触式スイッチ54から第1開検知信号又は第1閉検知信号を入力し且つ第2非接触式スイッチ55から第2検知信号を入力している場合、使用者による非接触操作が行われたと判定する。非接触式スイッチ53においては使用者の体の一部又は物を近づける操作が使用者の非接触操作に相当する。
【0029】
指示出力部57は、操作判定部56によって使用者による非接触操作が行われたと判定された場合、開指示又は閉指示をドア制御部10Aに出力する。また、指示出力部57は、接触式スイッチ51からの開接触検知信号又は閉接触検知信号に応答して、開指示又は閉指示をドア制御部10Aに出力する。
【0030】
第1非接触式スイッチ54は、個室の使用者による非接触操作を検出して使用者を検知する。例えば、第1非接触式スイッチ54は、第1検知方式で使用者を検知する。例えば、第1非接触式スイッチ54は、静電容量として接触操作を検出して使用者を検知する。図4に示すように、本実施形態の第1非接触式スイッチ54の開非接触式スイッチ54a及び閉非接触式スイッチ54bは、それぞれ、物体の近接によりすなわち物体との間の距離に応じて静電容量が変化する電極部54cを備える。本実施形態の第1検知方式は、電極部54cの静電容量と基準静電容量との比較に基づいて使用者を検知する方式である。例えば、第1非接触式スイッチ54は、物体の近接により電極部の静電容量が基準静電容量よりも大きくなった場合に、使用者を検知する。本実施形態の電極部54cは、容量変化部の一例である。
【0031】
第2非接触式スイッチ55は、第1非接触式スイッチ54とは異なる方式で非接触操作を検出して使用者を検知する。例えば、第2非接触式スイッチ55は、第1検知方式とは異なる第2検知方式で使用者を検知する。例えば、第2非接触式スイッチ55は、出力した検知波の反射波として接触操作を検出して使用者を検知する。図4に示すように、本実施形態の第2非接触式スイッチ55は、検知波を出力する検知波出力部55aと、出力した検知波の反射波を入力する反射波入力部55bと、を備える。本実施形態の第2検知方式は、出力した検知波の反射波に基づいて使用者を検知する方式である。例えば、第2非接触式スイッチ55は、検知波出力部55aが検知波を出力し、その検知波が物体に当たって反射波として反射波入力部55bに入力されるまでの時間に基づいて物体との間の距離を測定し、その測定距離が距離基準値よりも小さくなった場合に、使用者を検知する。検知波出力部55aが出力する検知波は、例えば、電波、光波、音波、赤外線などである。
【0032】
図5は、第1実施形態のドア操作装置の処理S100を例示するフローチャートである。
【0033】
ステップS101で、操作判定部56は、第1非接触式スイッチ54及び第2非接触式スイッチ55の両方が検知状態であるか否かを判定する。例えば、操作判定部56は、第1非接触式スイッチ54から第1開検知信号若しくは第1閉検知信号を入力し且つ第2非接触式スイッチ55から第2検知信号を入力している場合に、第1非接触式スイッチ54及び第2非接触式スイッチ55の両方が検知状態であると判定する。検知状態である場合(ステップS101のY)、処理S100はステップS102に進む。検知状態ではない場合(ステップS101のN)、処理S100は終了する。
【0034】
ステップS102で、指示出力部57は、第1非接触式スイッチ54から入力した信号が第1開検知信号であるか否かを判定する。入力した信号が第1開検知信号である場合(ステップS102のY)、処理S100はステップS103に進む。入力した信号が第1開検知信号ではない、すなわち第1閉検知信号である場合(ステップS102のN)、処理S100はステップS104に進む。
【0035】
ステップS103で、指示出力部57は、第1開検知信号に応答して、開指示をドア制御部10Aに出力する。その結果、ドア制御部10Aによりドア4が開動作される。
【0036】
ステップS104で、指示出力部57は、第1閉検知信号に応答して、閉指示をドア制御部10Aに出力する。その結果、ドア制御部10Aによりドア4が閉動作される。
【0037】
ステップS104の後、処理S100は終了する。
【0038】
ここで、例えば図1のように多機能トイレ1では、その室内空間や多機能トイレ1のドア4の前の通路などの空間が十分に広くない場合がある。この場合、使用者の荷物や手が意図せず自動ドア装置の非接触式スイッチの検知エリアに進入しやすくなる。その結果、従来の非接触式スイッチを備えた自動ドア装置5では、非接触操作の誤検知が生じやすくなるため、ドア4が誤って開閉されてしまうという課題がある。
【0039】
これに対し、本実施形態の外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々は、第1検知方式で非接触操作に基づいて使用者を検知する第1非接触式スイッチ54と、第1検知方式とは異なる第2検知方式で非接触操作に基づいて使用者を検知する第2非接触式スイッチ55と、第1非接触式スイッチ54及び第2非接触式スイッチ55の検知結果に基づいて開指示又は閉指示を出力する指示出力部57と、を備える。本構成によると、第1非接触式スイッチ54及び第2非接触式スイッチ55の一方が使用者を誤検知した場合であっても、他方が使用者を検知しない限りドアが開閉制御されないようにすることができる。そのため、使用者の意図しない動作によりドアが誤って開閉してしまうことを抑制することが可能となる。
【0040】
本実施形態では、指示出力部57は第1非接触式スイッチ54及び第2非接触式スイッチ55の両方が使用者を検知した場合に開指示又は閉指示を出力する。本構成によると、使用者の意図しない動作が誤検知されることを効果的に抑制できる。
【0041】
本実施形態では、第1非接触式スイッチ54は物体との間の距離に応じて静電容量が変化する電極部54cを備え、第2非接触式スイッチ55は検知波を出力する検知波出力部55aと出力した検知波の反射波を入力する反射波入力部55bとを備え、第1検知方式は電極部54cの静電容量と基準静電容量との比較に基づいて使用者を検知する方式であり、第2検知方式は反射波に基づいて使用者を検知する方式である。本構成によると、使用者の意図しない動作が誤検知されることを効果的に抑制できる。
【0042】
第2実施形態
以下、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態の図面および説明では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
【0043】
図6は、第2実施形態の自動ドア装置5の外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の構成を示す正面図である。図7は、第2実施形態の第2非接触式スイッチ55の機能ブロック図である。第2実施形態の第2非接触式スイッチ55は、外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々の正面に配置された撮像エリア内の画像を検出する画像検出部55cと、検出した画像において使用者の特定の姿勢や動作を検出するための公知の画像認識処理を実行する画像認識部55dと、を備える。本実施形態の第2検知方式は、画像検出部55cが検出した画像に基づいて使用者を検知する方式である。
【0044】
本実施形態の第2非接触式スイッチ55は、撮像エリア内の画像に基づいて使用者を検知する。例えば、第2非接触式スイッチ55は、画像検出部55cによって検出された画像において、画像認識部55dによって使用者が非接触式スイッチ53に対して正対していることが検知された場合に、使用者を検知する。また、第2非接触式スイッチ55は、画像検出部55cによって検出された画像において、画像認識部55dによって使用者による予め定められた動作が検出された場合に使用者を検知する。ここでの使用者による予め定められた動作としては、例えば、親指を立てるジェスチャ、手の平を見せるジェスチャ、使用者の手をドアの開方向又は閉方向に動かすジェスチャなどである。
【0045】
指示出力部は、第2非接触式スイッチ55が検知した使用者が第2非接触式スイッチ55に対して正対している場合及び第2非接触式スイッチ55が検知した使用者が予め定められた動作を行っている場合の少なくとも1つの場合に第1非接触式スイッチ54が使用者を検知しているときに、開指示又は閉指示を出力する。本構成によると、使用者の意図しない動作が誤検知されることを効果的に抑制できる。
【0046】
以下、変形例を説明する。
【0047】
実施形態では、外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40は、接触式スイッチ51を備えているが、これに限定されず、接触式スイッチ51を備えなくてもよい。
【0048】
実施形態では、外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々において、第1非接触式スイッチ54と第2非接触式スイッチ55とが一体に構成されているが、第1非接触式スイッチ54と第2非接触式スイッチ55とが別体に構成されていてもよい。すなわち、使用者の体の一部又は物を近づける操作を検知可能であれば、接触式スイッチ51と非接触式スイッチ53とは、それぞれ、別の箇所に設けられてもよい。
【0049】
実施形態では、第1非接触式スイッチ54を第1検知部の一例とし、第2非接触式スイッチ55を第2検知部の一例としたが、第1非接触式スイッチ54が第2検知部であってもよいし、第2非接触式スイッチ55が第1検知部であってもよい。
【0050】
実施形態では、第2非接触式スイッチ55は、使用者が非接触式スイッチ53に対して正対している又は予め定められた動作が行われていると判断したときに検知状態となったが、使用者が非接触式スイッチ53に対して正対しているか又は予め定められた動作が行われているかは操作判定部56が行ってもよい。
【0051】
実施形態では、予め定められた動作としてジェスチャを挙げたが、第2非接触式スイッチ55の設置位置や画像認識部55dの撮像エリアの大きさによっては、自動ドア装置5に正対してドア操作装置に手をかざす動作など、使用者の全体動作を予め定められた動作として設定してもよい。
【0052】
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明した。上記した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除などの多くの設計変更が可能である。上記の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態の」「実施形態では」等との表記を付して説明しているが、そのような表記のない内容にも設計変更が許容され得る。
【0053】
上記した各実施形態及び変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態及び変形例それぞれの効果をあわせもつ。
【符号の説明】
【0054】
1 多機能トイレ、 2 出入口、 3 便器、 4 ドア、 5 自動ドア装置、 10 ドアコントローラ、 10A ドア制御部、 11 ドアエンジン、 12 物体検知センサ、 13 補助センサ、 14 電気錠、 15 在室センサ、 30 外側ドア操作装置、 40 内側ドア操作装置、 51 接触式スイッチ、 53 非接触式スイッチ、 54 第1非接触式スイッチ、 54a 開非接触式スイッチ、 54b 閉非接触式スイッチ、 54c 電極部、 55 第2非接触式スイッチ、 55a 検知波出力部、 55b 反射波入力部、 55c 画像検出部、 55d 画像認識部、 56 操作判定部、 59 指示出力部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7