(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173166
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/33 20190101AFI20241205BHJP
G06F 16/338 20190101ALI20241205BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20241205BHJP
【FI】
G06F16/33
G06F16/338
G06F3/04842
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091397
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】518287076
【氏名又は名称】FRAIM株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】堀口 圭
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 豪
(72)【発明者】
【氏名】塚本 拓也
【テーマコード(参考)】
5B175
5E555
【Fターム(参考)】
5B175DA01
5B175GB01
5B175HB03
5B175JB02
5E555AA22
5E555AA30
5E555AA59
5E555AA79
5E555BA61
5E555BA82
5E555BB02
5E555BB05
5E555BB06
5E555BC17
5E555CC05
5E555DB42
5E555DC73
5E555EA22
5E555EA24
5E555EA27
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザが選択した範囲に対して合致性が高い範囲を検索結果とすることが可能な技術を提供すること。
【解決手段】情報処理装置としてのサーバ1は、検索元のドキュメント上で範囲を選択して得られたテキストの情報を含む範囲選択情報を取得する範囲選択情報取得部112と、検索先のドキュメントにおいて範囲選択情報に類似又は一致する類似情報を検索する類似情報検索部113と、この類似情報検索部113により類似情報が検索された場合に、範囲選択情報で選択した範囲に基づき検索結果の抽出範囲を決定して、類似情報を含んだ検索結果情報を生成する検索結果情報生成部114と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索元のドキュメント上で範囲を選択して得られたテキストの情報を含む範囲選択情報を取得する取得手段と、
検索先のドキュメントにおいて前記範囲選択情報に類似又は一致する類似情報を検索する検索手段と、
前記検索手段により前記類似情報が検索された場合に、前記範囲選択情報で選択した範囲に基づき検索結果の抽出範囲を決定して、前記類似情報を含んだ検索結果情報を生成する生成手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記生成手段は、前記検索先のドキュメントを特定するドキュメント特定情報も含んで前記検索結果情報を生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記生成手段は、コメント又は解説を含む付属要素の情報が付されるように前記検索結果情報を生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
検索元のドキュメント上で範囲を選択して得られたテキストの情報を含む範囲選択情報を取得する取得ステップと、
検索先のドキュメントにおいて前記範囲選択情報に類似又は一致する類似情報を検索する検索ステップと、
前記検索ステップにより前記類似情報が検索された場合に、前記範囲選択情報で選択した範囲に基づき検索結果の抽出範囲を決定して、前記類似情報を含んだ検索結果情報を生成する生成ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項5】
情報処理装置を制御するコンピュータに、
検索元のドキュメント上で範囲を選択して得られたテキストの情報を含む範囲選択情報を取得する取得ステップと、
検索先のドキュメントにおいて前記範囲選択情報に類似又は一致する類似情報を検索する検索ステップと、
前記検索ステップにより前記類似情報が検索された場合に、前記範囲選択情報で選択した範囲に基づき検索結果の抽出範囲を決定して、前記類似情報を含んだ検索結果情報を生成する生成ステップと、
を含む制御処理を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ドキュメントを作成・レビューする際に、幾つかの関連するドキュメントを検索することが行われる(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
検索結果が予め決まった範囲(文章全体、段落、一文など)の文章で出力されるような場合、ドキュメントの作成・レビューに手間がかかってしまうことがある。具体的には、例えば、検索結果が広い範囲で出力されるのであれば、該当箇所を探すための時間がかかってしまい、逆に狭い範囲で出力されるのであれば、例えば、文章の前後関係を把握するのがし難くなり、そのために時間がかかってしまう。これは、ユーザが検索したい範囲に対し、合致性の高い範囲で検索結果が出力されないことが一因として考えられる。
【0005】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、ユーザが選択した範囲に対して合致性が高い範囲を検索結果とすることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するため、本発明の一態様は、
検索元のドキュメント上で範囲を選択して得られたテキストの情報を含む範囲選択情報を取得する取得手段と、
検索先のドキュメントにおいて前記範囲選択情報に類似又は一致する類似情報を検索する検索手段と、
前記検索手段により前記類似情報が検索された場合に、前記範囲選択情報で選択した範囲に基づき検索結果の抽出範囲を決定して、前記類似情報を含んだ検索結果情報を生成する生成手段と、
を備える情報処理装置である。
【0007】
また、本発明の他の一態様は、前述の情報処理装置に対応する情報処理方法及びコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザが選択した範囲に対して合致性が高い範囲を検索結果とすることが可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る情報処理装置により提供される本サービスの概要の一例を示す図である。
【
図2】情報処理装置を含む情報処理システムの構成の一例を概略で示す図である。
【
図3】情報処理装置としてのサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図5】選択範囲の類似検索処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】選択範囲の類似検索に係る表示例(検索元のドキュメントを表示)を示す図である。
【
図7】選択範囲の類似検索に係る表示例(範囲選択)を示す図である。
【
図8】選択範囲の類似検索に係る表示例(検索指示)を示す図である。
【
図9】選択範囲の類似検索に係る表示例(検索結果の表示)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<本サービスの概要>
図1は、本実施形態に係る情報処理装置により提供される本サービスの概要の一例を示す図である。ここでは、情報処理装置をサーバ1と呼ぶことにする。本サービスは、サービス提供者(図示省略)が管理するサーバ1により提供される。
【0011】
本サービスは、以下で説明する「選択範囲の類似検索」を実現して、例えば、ドキュメントの作成・レビューにおける手間の軽減を図るものである。即ち、本サービスは、作業中のドキュメントのテキストを範囲選択して、その選択した範囲の部分(選択範囲部分)に類似するテキストを持つドキュメントを検索することができるようにすることで、前述の手間の軽減を図るものである。以下、
図1を参照しながら本サービスの概要を説明する。
【0012】
本サービスは、ユーザが作業中のドキュメントのテキストを範囲選択すると、
図1のS1に示すように、選択した範囲のテキストの情報(範囲選択情報)がサーバ1に入力される。サーバ1では、範囲選択情報に基づく類似情報の検索や、その類似情報を含む検索結果情報の生成を行う。検索では、S2に示すように、任意の範囲の選択に関し、その選択した範囲に対して結果として返すものの範囲を変えていく処理を実行する。この処理では、ユーザが指定した文章の範囲に応じて、検索結果として提示する文章の範囲を適切に調整して、調整後の範囲を検索結果情報としてサーバ1が生成する。S3に示すように、サーバ1は、検索結果情報をユーザ側に出力するように処理をする。
【0013】
検索結果として提示する文章の範囲を適切に調整することに関し、本サービスでは、選択範囲に対して合致性が高い範囲で調整(後述する抽出範囲の決定)するように処理している。合致性での範囲調整を採用することにより、例えば、ユーザによる選択範囲が狭ければ、より限定的な箇所が検索結果となり、逆に選択範囲が広ければ、複数文章を含むような広い範囲の文章範囲が検索結果になる。
【0014】
本サービスにより、検索結果の文章の範囲は、類似検索をする元の文章に応じて変化し、例えば、文章全体、段落、一文等の文章で様々出力される(出力の一例は
図6乃至
図9を参照しながら後述する)。
【0015】
本サービスによれば、ユーザが選択した範囲に対して合致性が高い範囲となる検索結果をユーザに返すことができる(提示することができる)。これにより、例えば、ドキュメントの作成・レビューにおける従来生じていた手間の軽減を図ることができる。
【0016】
詳細に関しては後述するが、本サービスでは、ユーザが範囲選択したテキストに類似するテキストを出力することができる。
また、本サービスでは、任意の範囲を選択して、その範囲に対して結果として返すものを変えていくことができる。
また、本サービスでは、検索結果としてヒットした箇所を含む任意の範囲の文章を表示することができる。
また、本サービスでは、検索によりヒットした箇所がどのテキストなのかを直ぐ分かるように表示することができる。
なお、検索結果にコメントや解説などの付属要素があってもよいものとする。
【0017】
<システム構成について>
図2は、本実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの構成の一例を概略で示す図である。
本実施形態の情報処理システム100は、サーバ1(情報処理装置)と、複数のユーザ端末2等とが、例えば、インターネットのような所定のネットワークNを介して相互に接続されることで構成される。
図2では、ユーザ端末2が複数示されるが、1つであってもよいものとする。
サーバ1は、1台でなく複数台あってもよい。また、複数台の情報処理装置の組み合わせによって1台のサーバ1を実現してもよい。
ユーザ端末2は、ユーザが使用する情報処理端末である。ユーザは、本サービスの提供を受ける、例えば、企業の従業員であるものとする(一例であるものとする)。
【0018】
<サーバ1のハードウェア構成について>
図3は、情報処理装置としてのサーバ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16(表示部)と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えて構成される。
【0020】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0021】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続される。このバス14には、入出力インターフェース15が接続される。
入出力インターフェース15には、出力部16(表示部)、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続される。
【0022】
出力部16(表示部)は、ディスプレイ(画面)により構成され、各種画像を表示する。入力部17は、各種ハードウェア等で構成され、各種情報を入力する。
記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、所定のネットワークNを介して他の装置(
図4の場合、ユーザ端末2が該当する。また、
図4の記憶部18の例えば一部を外部の記憶装置とした場合、この記憶装置も該当する)との間で行う通信を制御する。
【0023】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。
ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0024】
以上のようなサーバ1と、後述するユーザ端末2とに関し、これらの各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、後述する各種処理が実現されるようになる。
【0025】
<ユーザ端末2について>
図2に戻り、ユーザ端末2は、例えば、前述の従業員が用いる端末である。ユーザ端末2は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)や、スマートフォン、タブレットPC等の携帯端末であるものとする。パーソナルコンピュータ(PC)の場合は、所謂デスクトップパソコンやノートパソコンの何れであってもよい。
ユーザ端末2のハードウェア構成は、特に図示しないが、前述のサーバ1のハードウェア構成と基本的に同様であるものとする。即ち、CPUと、ROMと、RAMと、バスと、入出力インターフェースと、出力部(表示部)と、入力部と、記憶部と、通信部と、ドライブと、リムーバブルメディアとを備えて構成される。
【0026】
<機能構成について>
図4は、サーバ1の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
サーバ1のCPU11においては、動作する際に、ドキュメント作成支援部111、範囲選択情報取得部112(取得手段)、類似情報検索部113(検索手段)、検索結果情報生成部114(生成手段)、検索結果情報出力部115(出力手段)等が機能する。サーバ1は、選択範囲の類似検索処理(後述する)を実行する。
サーバ1の記憶部18においては、この一領域に、ドキュメント情報記憶部181と、範囲選択情報記憶部182と、類似情報記憶部183と、抽出範囲情報記憶部184と、検索結果情報記憶部185とが確保される。
【0027】
[ドキュメント作成支援部111について]
ドキュメント作成支援部111は、ユーザが作成するドキュメントの作成支援をする。ドキュメント作成支援部111は、ドキュメントの作成支援にあたり各種処理を実行する(処理については、ドキュメントの作成支援ができればよく、特に限定されないものとする)。
ドキュメント作成支援部111は、例えば、作成支援中のドキュメントや、既に作成支援をしたドキュメント等を「検索元のドキュメント」としてドキュメント情報記憶部181に記憶する。ドキュメント情報記憶部181には、「検索元のドキュメント」の他、後述する「検索先のドキュメント」も記憶される(一例であり、これに限定されないものとする)。
【0028】
[範囲選択情報取得部112について]
範囲選択情報取得部112は、前述の検索元のドキュメント上でユーザが範囲を選択して得た範囲選択情報(例えば、選択した範囲のテキストの情報)を取得する。範囲選択情報取得部112は、通信部19を介して範囲選択情報を取得する。範囲選択情報取得部112は、範囲選択情報を取得すると、これを範囲選択情報記憶部182に記憶する。
【0029】
[類似情報検索部113]
類似情報検索部113は、検索先となるドキュメントを対象にして類似情報を検索する。検索先となるドキュメントは、例えば、予めドキュメント情報記憶部181に記憶されたものである(一例であり、これに限定されないものとする)。検索先のドキュメントは、前述の検索元のドキュメントとは別のドキュメントである。
類似情報は、取得した範囲選択情報に対して類似するテキストの情報、又は、一致するテキストの情報のことをいう。類似情報検索部113は、類似情報を類似情報記憶部183に記憶する。なお、範囲選択情報に対して類似するか否かについては、例えば、類似度に基づく方法等、各種の方法があるため、特に限定されないものとする。類似情報検索部113は、例えば、単語毎やセンテンス毎に比較して類似度が高いと判断すれば、範囲選択情報に対して類似するテキストの情報が存在するとの検索結果を検索結果情報生成部114に出力する。
検索先のドキュメントに類似情報が複数検索されることがある。本実施形態では、複数検索されれば、複数の類似するテキストの情報が存在するとして検索結果を検索結果情報生成部114に出力するが、この限りでないものとする。
【0030】
[検索結果情報生成部114について]
検索結果情報生成部114は、類似情報が検索された場合に、類似情報を含んだ検索結果情報を生成する。具体的に、検索結果情報生成部114は、範囲選択情報で選択した範囲(検索元のドキュメント上でユーザが選択した範囲)に基づき、検索先のドキュメントからの抽出範囲を決定し、その抽出範囲に合わせて検索結果情報を生成する。
抽出範囲は、ユーザにより任意の範囲の選択があると、その選択した範囲に対して結果として返すものの範囲を変えていくことができるように決定される。本実施形態では、選択範囲に対して合致性が高い範囲を抽出するように決定される(一例でありこれに限定されないものとする)。抽出範囲は、ユーザによる選択範囲が狭ければ、より限定的な箇所が検索結果となるように決定される。また、抽出範囲は、逆にユーザによる選択範囲が広ければ、複数文章を含むような広い範囲の文章範囲が検索結果となるように決定される。
検索結果情報生成部114は、例えば、合致性の高さにより抽出範囲を決定することで、検索結果の文章の範囲を、類似検索をする元の文章に応じて変化させ、例えば、文章全体、段落、一文等の文章になるように検索結果情報を生成する。検索結果情報生成部114は、前述の通り、類似情報を含んで検索結果情報を生成する。また、検索結果情報生成部114は、検索先のドキュメントの情報も含んで検索結果情報を生成する。なお、検索結果情報には、例えば、吹き出しを用いて表示するような、コメントや解説等の、付属要素の情報(付属要素情報)も含んでもよい。
検索結果情報生成部114は、抽出範囲に係る情報を抽出範囲情報記憶部184に記憶すると共に、生成した検索結果情報を検索結果情報記憶部185に記憶する。
この他、本実施形態の検索結果情報生成部114は、類似情報が検索されない場合に、その旨の検索結果情報を生成し、これを検索結果情報記憶部185に記憶する。
【0031】
[検索結果情報出力部115について]
検索結果情報出力部115は、検索結果情報生成部114で生成した検索結果情報を出力する。具体的には、範囲選択情報を送信してきたユーザ(ユーザ端末2)に向けて検索結果情報生成部114で生成した、類似情報等を含む検索結果情報、又は、類似情報が検索されない旨の検索結果情報を出力する。
【0032】
<サーバ1の処理動作の一例について>
次に、サーバ1の処理動作の一例を説明する。本実施形態では、後述する検索ボタン(
図7参照)をユーザが操作した後の処理動作を例にして説明する。
図5は、選択範囲の類似検索処理の動作の一例を示すフローチャートである。なお、
図4も参照する。
【0033】
ステップSS1において、範囲選択情報取得部112は、ユーザが検索元のドキュメント上で範囲を選択して得た範囲選択情報(選択した範囲のテキストの情報)を、通信部19を介して取得する。ステップSS1の処理が終了したらステップSS2へ移行する。
【0034】
ステップSS2において、類似情報検索部113は、検索先となるドキュメントに対して類似情報の検索をする。具体的には、範囲選択情報に対して類似するテキストの情報、又は、一致するテキストの情報が、検索先となるドキュメントに存在するか否かの検索をする。ステップSS2の処理が終了したらステップSS3へ移行する。
【0035】
ステップSS3において、検索結果情報生成部114は、類似情報検索部113で類似情報が検索されたか否かを判断する。類似情報が検索されない場合(ステップSS3でNO)には、ステップSS4へ移行する。これに対し、類似情報が検索された場合(ステップSS3でYES)には、ステップSS5へ移行する。
【0036】
ステップSS4において、検索結果情報生成部114は、類似情報が検索されない旨の検索結果情報を生成する。ステップSS4の処理が終了したらステップSS7へ移行する。
ステップSS5において、検索結果情報生成部114は、抽出範囲を決定する。具体的に、検索結果情報生成部114は、検索元のドキュメント上でユーザが選択した範囲(範囲選択情報における選択した範囲)に基づき、検索先のドキュメントに対する検索結果の抽出範囲を決定する。別な言い方をすれば、検索結果情報生成部114は、ユーザにより任意の範囲の選択があると、その選択した範囲に対して結果として返すものの範囲を変えていくことができるように抽出範囲を決定する。ステップSS5の処理が終了したらステップSS6へ移行する。
【0037】
ステップSS6において、検索結果情報生成部114は、抽出範囲に合わせて類似情報等を含んだ検索結果情報を生成する。ステップSS6の処理が終了したらステップSS7へ移行する。
ステップSS7において、検索結果情報出力部115は、ステップSS6又はステップSS4において生成した検索結果情報を出力する。具体的には、類似情報等を含む検索結果情報、又は、類似情報が検索されない旨の検索結果情報を出力する。
以上により、一連の処理が完了する。
【0038】
<選択範囲の類似検索に係る表示例について>
図6乃至
図9を参照しながら選択範囲の類似検索に係る表示例について説明する。
図6は、検索元のドキュメントを表示する例である。また、
図7は、範囲選択の表示例である。また、
図8は、検索指示の表示例である。また、
図9は、検索結果の表示例である。なお、
図6乃至
図9の表示例に限定されるものでない。
【0039】
図6において、ユーザが使用するユーザ端末2の表示部には、例えば、作成中のドキュメントの名称を表示するエリア200と、検索元のドキュメントを表示するエリア201と、検索結果を表示するエリア202とが設けられる。
本実施形態においては、エリア200にドキュメント名称の情報として「秘密保持契約書」が表示される(一例であるものとする)。
また、エリア201には、検索元のドキュメント(例えば、作成中又はレビュー中)が表示される。検索元のドキュメントには、以下のような、
「第2条 (秘密情報等の取扱い)」、
「1. 甲又は乙は、相手方から開示を受けた秘密情報および秘密情報を含む記録媒体若しくは物件(複写物および複製物を含む。以下「秘密情報等」という。)の取扱いについて、次の各号に定める事項を遵守するものとする。」、
「(1) 情報取扱管理者を定め、相手方から開示された秘密情報等を、善良なる管理者としての注意義務をもって厳重に保管、管理する。」、
「(2) 秘密情報等は、本取引の目的以外には使用しないものとする。」、
「(3) 秘密情報等を複製する場合には、本取引の目的の範囲内に限って行うものとし、その複製物は、原本と同等の保管、管理をする。」、
「(4) 漏洩、紛失、盗難、盗用等の事態が発生し、又はそのおそれがあることを知った場合は、直ちにその旨を相手方に書面をもって通知する。」、
「(5) 秘密情報の管理について、取扱責任者を定め、書面をもって取扱責任者の氏名および連絡先を相手方に通知する。」、
「2. 甲又は乙は、次項に定める場合を除き、秘密情報等を第三者に開示する場合には、書面により相手方の事前承諾を得なければならない。この場合、甲又は乙は、当該第三者との間で本契約書と同等の義務を負わせ、これを遵守させる義務を負うものとする。」、
「3. 甲又は乙は、法令に基づき秘密情報等の開示が義務づけられた場合には、事前に相手方に通知し、開示につき可能な限り相手方の指示に従うものとする。」が表示される(一例であるものとする)。
なお、この時点ではエリア202に検索結果の表示はない。
【0040】
図7において、ユーザが例えばマウス等を用いて検索元のドキュメント上で「秘密情報等を第三者に開示する場合には、書面により相手方の事前承諾を得なければならない。」の範囲を選択して範囲選択203とすると、ユーザ端末2では、ユーザが範囲選択203で範囲を選択した範囲選択情報(選択した範囲のテキストの情報)が生成される。また、範囲選択203により、
図8に示すような検索ボタン204が表示される。そして、これをユーザが例えばマウス等を用いてクリックすると、生成された範囲選択情報がサーバ1に送信される。サーバ1では、受信した範囲選択情報に基づいて前述した選択範囲の類似検索処理が行われ、例えば、類似情報等(類似情報、検索先のドキュメントの情報)を含む検索結果情報がユーザ端末2に送信される。
【0041】
図9において、エリア202には、ユーザ端末2が受け付けた検索結果情報をもとに「検索結果」が以下のように表示される。即ち、
第1検索結果205、第2検索結果206、・・・が表示される。第1検索結果205としては、
「ドキュメントA」、
「甲又は乙は、次項に定める場合を除き、秘密情報等を第三者に開示する場合には、書面により相手方の事前承諾を得なければならない。この場合、甲又は乙は、当該第三者との間で本契約書と同等の義務を負わせ、これを遵守させる義務を負うものとする。」が1つの段落で表示される(範囲選択203に対して合致性が高い範囲となる検索結果を1つの段落でユーザに返している)。
第1検索結果205においては、「秘密情報等を第三者に開示する場合には、書面により相手方の事前承諾を得なければならない。」が範囲選択203に対する類似情報207として、例えば、ハイライト表示される(他との区別がつけば特に限定されないものとする。本実施形態では、強調して区別するためハイライト表示を採用する)。
【0042】
第2検索結果206としては、
「ドキュメントB」、
「甲又は乙は、秘密情報等を第三者に開示するとき、情報開示者の文書による事前の承諾を得なければならない。」、
「また、これらの秘密情報を自らもしくは第三者の利益のために使用してはならない。」が2つの段落で表示される(範囲選択203に対して合致性が高い範囲となる検索結果を1つの段落でユーザに返している)。
第2検索結果206においては、「秘密情報等を第三者に開示するとき、情報開示者の文書による事前の承諾を得なければならない。」が範囲選択203に対する類似情報208として、例えば、ハイライト表示される(前述同様に、他との区別がつけば特に限定されないものとする)。
なお、本実施形態においては、例えば、類似情報207、208の類似度が高い順に、第1検索結果205、第2検索結果206等が表示される。
【0043】
ユーザが検索結果を見て、例えば、「ドキュメントA」をマウス等でクリックすると、ユーザ端末2の表示画面が変わり、例えば、ドキュメントA全体が表示される(検索結果情報が検索先のドキュメントの情報を含んでおり、クリックによる表示画面の位置情報等からドキュメントAの表示が可能である)。
【0044】
特に図示しないが、例えば、類似情報207に対し吹き出し等でコメントや説明を付してもよい。
【0045】
<本実施形態(本サービス)から得られる効果>
本実施形態によれば、ユーザが範囲選択したテキストに類似するテキストを出力することができる。また、本実施形態によれば、任意の範囲を選択して、その範囲に対して結果として返すもの(提示するもの)を変えていくことができる。また、本実施形態によれば、検索結果としてヒットした箇所を含む任意の範囲の文章を表示することができる。また、本実施形態によれば、検索によりヒットした箇所がどのテキストなのかを直ぐ分かるように表示することができる。
従って、本実施形態によれば、ユーザが選択した範囲に対して合致性が高い範囲となる検索結果をユーザに返す(提示する)ことができ、以てドキュメントの作成・レビューにおける従来生じていた手間の軽減を図ることができるという効果を奏する。
【0046】
<まとめ>
以上、本発明のサーバ1(情報処理装置)を含む情報処理システム100の実施形態について説明したが、本発明は前述した本実施形態に限定されないものとする。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果の列挙に過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されないものとする。
本実施形態では、任意の範囲を選択して、その範囲に対して結果として返すものを変えていくことに関し、選択した範囲に対する合致性に基づいて変えていたが、これに限らず例えば、ルールベースや機械学習等に基づいて変えるようにしてもよい。
上述のドキュメントとは、文章のみならずテキストの抽出が可能な画像、図、表、これらの組み合わせ等であってもよいものとする。
【0047】
本実施形態において、
図3に示すハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されないものとする。換言すると、
図4に示す機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されないものとする。即ち、前述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システム100に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に
図4の例に限定されないものとする。
【0048】
また、機能ブロックの存在場所も、
図4に特に限定されず、任意でよいものとする。例えば、サーバ1の機能ブロックを複数のサーバに分散させてもよいものとする。また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよいものとする。
【0049】
また、例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされるものとする。また、コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれるコンピュータであってもよいものとする。
【0050】
コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他、汎用のスマートフォンやパーソナルコンピューターであってもよいものとする。
【0051】
また、例えば、このようなプログラムを含む記録媒体は、利用者にプログラムを提供するために、装置本体とは別に配布される図示しないリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者に提供される記録媒体等で構成されるものであってもよいものとする。
【0052】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理は勿論、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものとする。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0053】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される
図3のリムーバブルメディア21により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者に提供される記録媒体等で構成されるものとする。
リムーバブルメディア21は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成されるものとする。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成されるものとする。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成されるものとする。
装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている
図3のROM12や、
図3の記憶部18に含まれるハードディスク等で構成されるものとする。
この他、インターネット等のネットワークを介して配布可能にしてもよいものとする。このことから、アプリケーション・プログラムを記録した記録媒体としては、ネットワークに直接的、或いは間接的に接続された情報処理装置に搭載、若しくは装着されたものか、或いは外部のアクセス可能な装置に搭載、若しくは装着されたものであってもよいものとする。
【0054】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、(1)本発明が適用される情報処理装置(例えば、
図4のサーバ1)は、
検索元のドキュメント上で範囲を選択して得られたテキストの情報を含む範囲選択情報を取得する取得手段(例えば、
図4の範囲選択情報取得部112)と、
検索先のドキュメントにおいて前記範囲選択情報に類似又は一致する類似情報を検索する検索手段(例えば、
図4の類似情報検索部113)と、
前記検索手段により前記類似情報が検索された場合に、前記範囲選択情報で選択した範囲に基づき検索結果の抽出範囲を決定して、前記類似情報を含んだ検索結果情報を生成する生成手段(例えば、
図4の検索結果情報生成部114)と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ユーザが選択した範囲に対して合致性が高い範囲を検索結果とすることができるという効果を奏する。
【0055】
また、(2)本発明が適用される情報処理装置は、(1)の情報処理装置において、
前記生成手段は、前記検索先のドキュメントを特定するドキュメント特定情報も含んで前記検索結果情報を生成する、ことを特徴とする。
本発明によれば、検索によりヒットした箇所がどのテキストなのかを直ぐ分かるように表示することができるという効果を奏する。
【0056】
また、(3)本発明が適用される情報処理装置は、(1)の情報処理装置において、
前記生成手段は、コメント又は解説を含む付属要素の情報が付されるように前記検索結果情報を生成する、ことを特徴とする。
本発明によれば、検索結果にコメントや説明を付すことができるという効果を奏する。
【0057】
(4)本発明が適用される情報処理方法は、
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
検索元のドキュメント上で範囲を選択して得られたテキストの情報を含む範囲選択情報を取得する取得ステップと、
検索先のドキュメントにおいて前記範囲選択情報に類似又は一致する類似情報を検索する検索ステップと、
前記検索ステップにより前記類似情報が検索された場合に、前記範囲選択情報で選択した範囲に基づき検索結果の抽出範囲を決定して、前記類似情報を含んだ検索結果情報を生成する生成ステップと、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、ユーザが選択した範囲に対して合致性が高い範囲を検索結果とする情報処理方法を提供することができるという効果を奏する。
【0058】
(5)本発明が適用されるコンピュータプログラムは、
情報処理装置を制御するコンピュータに、
検索元のドキュメント上で範囲を選択して得られたテキストの情報を含む範囲選択情報を取得する取得ステップと、
検索先のドキュメントにおいて前記範囲選択情報に類似又は一致する類似情報を検索する検索ステップと、
前記検索ステップにより前記類似情報が検索された場合に、前記範囲選択情報で選択した範囲に基づき検索結果の抽出範囲を決定して、前記類似情報を含んだ検索結果情報を生成する生成ステップと、
を含む制御処理を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、ユーザが選択した範囲に対して合致性が高い範囲を検索結果とするコンピュータプログラムを提供することができるという効果を奏する。
【符号の説明】
【0059】
1・・・サーバ(情報処理装置)
2・・・ユーザ端末
11・・・CPU
18・・・記憶部
19・・・通信部
100・・・情報処理システム
111・・・ドキュメント作成支援部
112・・・範囲選択情報取得部(取得手段)
113・・・類似情報検索部(検索手段)
114・・・検索結果情報生成部(生成手段)
115・・・検索結果情報出力部(出力手段)
203・・・範囲選択
205・・・第1検索結果
206・・・第2検索結果
207、208・・・類似情報