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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017317
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】送付物パック製造方法
(51)【国際特許分類】
   B42D 15/02 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
B42D15/02 501C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119869
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】522300477
【氏名又は名称】株式会社TOWA
(71)【出願人】
【識別番号】596025412
【氏名又は名称】株式会社ホリゾン
(74)【代理人】
【識別番号】100114764
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100178124
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 英樹
(72)【発明者】
【氏名】高本 禎郎
【テーマコード(参考)】
2C005
【Fターム(参考)】
2C005WA10
(57)【要約】
【課題】本発明は、送付物が行列状に連刷された原シートに基づいて、所定枚数一組の送付物からなる送付物パックを効率的に製造することができる送付物パックの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】原シートSを所定の断裁線T1、Y1に沿って十字に断裁することにより、10面のハガキPが断裁線T、Yを介して5行2列に連刷された4つのブロックシートBSに分割する第1の工程(A1)と、ブロックシートBSを搬送しながら各断裁線に沿って断裁することにより、ハガキPを5行2列に個別に分割する第2の工程(A2)と、5行2列に個別に分割されたハガキPを各列に沿って5枚一組で排出する第3の工程(A3)と、各列に沿って排出された5枚一組のハガキPを一つのハガキパックPCとして包装する第4の工程(A4)とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
40面のシート状の送付物が実線または架空の断裁線を介して10行4列に連刷された原シートに基づいて、5枚一組の送付物からなる送付物パックを製造する送付物パック製造方法であって、
前記原シートを所定の断裁線に沿って十字に断裁することにより、10面の送付物が断裁線を介して5行2列に連刷された4つのブロックシートに分割する第1の工程(A1)と、
該第1の工程(A1)により分割された前記ブロックシートを各断裁線に沿って断裁することにより、送付物を5行2列に個別に分割する第2の工程(A2)と、
該第2の工程(A2)により5行2列に個別に分割された送付物を各列ごとに5枚一組で排出する第3の工程(A3)と、
該第3の工程(A3)により各列ごとに排出された5枚一組の送付物を一つの送付物パックとして包装する第4の工程(A4)とを備えることを特徴とする送付物パック製造方法。
【請求項2】
40面のシート状の送付物が実線または架空の断裁線を介して10行4列に連刷された原シートに基づいて、3枚一組の送付物からなる送付物パックを製造する送付物パック製造方法であって、
前記原シートを所定の断裁線に沿って断裁することにより、6面の送付物が断裁線を介して3行2列に連刷された4つの第1のブロックシートと、4面の送付物が断裁線を介して2行2列に連刷された4つの第2のブロックシートに分割する第1の工程(B1)と、
該第1の工程(B1)により分割された前記第1のブロックシートを各断裁線に沿って断裁することにより、送付物を3行2列に個別に分割する第2の工程(B2)と、
該第2の工程(B2)により3行2列に個別に分割された送付物を各列ごとに3枚一組で排出する第3の工程(B3)と、
該第3の工程(B3)により各列ごとに排出された3枚一組の送付物を一つの送付物パックとして包装する第4の工程(B4)とを備えることを特徴とする送付物パック製造方法。
【請求項3】
前記第1の工程(B1)により分割された第2のブロックシートを所定の断裁線に沿って断裁することにより、送付物を2行2列に個別に分割する第2の工程(B2’)と、
該第2の工程(B2’)により2行2列に個別に分割された送付物を各列ごとに排出することを5回繰り返すことにより10枚一組で排出する第3の工程(B3’)と、
該第3の工程(B3’)により各列に沿って排出された10枚一組の送付物を一つの送付物パックとして包装する第4の工程(B4’)とを備える請求項2に記載の送付物パック製造方法。
【請求項4】
複数面のシート状の送付物が実線または架空の断裁線を介してM行N列(Mは6以上の整数、Nは4以上の整数)に連刷された原シートに基づいて、K枚一組(Kは3以上の整数。K≦M/2)の送付物からなる送付物パックを製造する送付物パック製造方法であって、
前記原シートを所定の断裁線に沿って断裁することにより、送付物が断裁線を介してK行L列(Lは2以上の整数。L≦N/2)に連刷された複数のブロックシートに分割する第1の工程と、
該第1の工程により分割された前記ブロックシートを所定の断裁線に沿って断裁することにより、送付物をK行L列に個別に分割する第2の工程と、
該第2の工程によりK行L列に個別に分割された送付物を各列ごとにK枚一組で排出する第3の工程と、
該第3の工程により各列ごとに排出されたK枚一組の送付物を一つの送付物パックとして包装する第4の工程とを備えることを特徴とする送付物パック製造方法。
【請求項5】
前記第2の工程において、ブロックシートを列方向に沿って搬送しながら各断裁線に沿って断裁する請求項1または請求項4に記載の送付物パック製造方法。
【請求項6】
前記第3の工程において、送付物の排出速度が第2の工程におけるブロックシートの搬送速度よりも遅くなるように設定されることにより、送付物を隣接するもの同士で一部重ねた状態で排出する請求項5に記載の送付物パック製造方法。
【請求項7】
前記第3の工程において、行列状に個別に分割された送付物を各列ごとに所定枚数一組で排出することを続けて複数回繰り返す請求項4に記載の送付物パック製造方法。
【請求項8】
複数面のシート状の送付物が実線または架空の断裁線を介してM行N列(Mは6以上の整数、Nは4以上の整数)に連刷された原シートに基づいて、K枚一組(Kは3以上の整数。K≦M/2)の送付物からなる送付物パックを製造する送付物パック製造システムであって、
前記原シートを所定の断裁線に沿って断裁することにより、送付物が断裁線を介してK行L列(Lは2以上の整数。L≦N/2)に連刷された複数のブロックシートに分割する第1の断裁部と、
前記第1の断裁部により分割された前記ブロックシートを所定の断裁線に沿って断裁することにより、送付物をK行L列に個別に分割する第2の断裁部と、
第2の断裁部によりK行L列に個別に分割された送付物を各列ごとにK枚一組で排出する排出部と、
前記排出部により各列ごとに排出されたK枚一組の送付物を一つの送付物パックとして包装する包装部とを備えることを特徴とする送付物パック製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハガキなどの送付物が行列状に連刷された原シートに基づいて、所定枚数一組の送付物からなる送付物パックを製造する送付物パック製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
年末年始や夏の季節になると、コンビニエンスストア等の店舗において、所定の図柄等が印刷された年賀ハガキや暑中見舞ハガキなどが5枚一組で袋に封入されたハガキパックが販売されている。
【0003】
このハガキパックの製造に際しては、ハガキの表面に切手が印刷されている関係上、まず国所轄の会社(日本郵便株式会社)により切手が印刷されたハガキの原シートが作製され、その後、民間の印刷業者により原シートに所定の図柄が印刷されたり、さらには断裁されたあと、5枚一組のハガキが袋に封入されていた。
【0004】
そして、従来、ハガキの原シートは、慣習上、4面のハガキが2行2列に連刷されたものか、あるいは単面のハガキからなるものが印刷業者に販売されていた。このため、印刷業者は、図11(a)に示すような4面連刷の原シートS’を使用する場合、まず、図11(b)に示すように、原シートS’に所定の図柄を印刷して積み重ねたあと、図11(c)に示すように、該原シートS’を積み重ねた状態で単面のハガキPとなるように断裁し、図11(d)に示すように、積み重なった単面のハガキPの山から5枚のハガキをピックアップし、図11(e)に示すように、5枚一組のハガキPを袋Fに封入して包装していた。あるいはまた、印刷業者は、単面のハガキPを使用する場合も、各ハガキPに所定の図柄を印刷して積み重ねたあと、図11(d)に示すように、積み重なった単面のハガキPの山から5枚のハガキをピックアップし、5枚一組のハガキPを袋Fに封入して包装していた。ちなみに、ハガキPを大量に製造する装置として、特許文献1に開示された装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-338121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、4面連刷または単面のいずれの原シートを使用する場合も、積み重なった単面のハガキの山から5枚のハガキをピックアップするため、ハガキの枚数をカウントして確認する必要があり、手間や時間がかかるものであった。また、現在、紙の枚数を自動でカウントする装置も存在するが、その装置の信頼性は決して高いものではないため、結局、ハガキの枚数をカウントして確認せざるを得なかった。このため、4面連刷または単面のいずれの原シートを使用する場合もハガキの枚数をカウントして確認しなければならないため、ハガキパックの製造効率が低下するという問題があった。
【0007】
ところで、近年になって、国所轄の会社(日本郵便株式会社)は、ハガキの原シートとして、40面のハガキが10行4列に連刷されたものを印刷業者に販売するようになった。しかしながら、民間の印刷業者は、40面連刷の原シートを使用する場合、まず原シートを4面のハガキが2行2列に連刷されたブロックシートに断裁し、その後は4面連刷の原シートからハガキパックを製造するときと同じ工程を実行していたため、依然として上述のハガキの枚数のカウントに関する問題が存在していた。
【0008】
なお、上述の問題は、ハガキに限られるものではなく、その他のシート状の送付物においても同様に生じるものであった。
【0009】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、送付物が行列状に連刷された原シートに基づいて、所定枚数一組の送付物からなる送付物パックを効率的に製造することができる送付物パックの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記目的を達成するために、40面のシート状の送付物が実線または架空の断裁線を介して10行4列に連刷された原シートに基づいて、5枚一組の送付物からなる送付物パックを製造する送付物パック製造方法であって、前記原シートを所定の断裁線に沿って十字に断裁することにより、10面の送付物が断裁線を介して5行2列に連刷された4つのブロックシートに分割する第1の工程(A1)と、該第1の工程(A1)により分割された前記ブロックシートを各断裁線に沿って断裁することにより、送付物を5行2列に個別に分割する第2の工程(A2)と、該第2の工程(A2)により5行2列に個別に分割された送付物を各列ごとに5枚一組で排出する第3の工程(A3)と、該第3の工程(A3)により各列ごとに排出された5枚一組の送付物を一つの送付物パックとして包装する第4の工程(A4)とを備えることを特徴とする。
【0011】
これによれば、40面の送付物が10行4列に連刷された原シートに基づいて、5枚一組の送付物からなる送付物パックを製造するに際して、送付物が各列(2列)に沿って5枚一組で排出されるため、5枚一組の送付物をそのまま包装することにより、送付物の枚数をカウントする手間・時間を省くことができる。よって、5枚一組の送付物からなる送付物パックを効率的に製造することが可能となり、さらには送付物パックの製造を容易に自動化することも可能となる。
【0012】
また、本発明は、40面のシート状の送付物が実線または架空の断裁線を介して10行4列に連刷された原シートに基づいて、3枚一組の送付物からなる送付物パックを製造する送付物パック製造方法であって、前記原シートを所定の断裁線に沿って断裁することにより、6面の送付物が断裁線を介して3行2列に連刷された4つの第1のブロックシートと、4面の送付物が断裁線を介して2行2列に連刷された4つの第2のブロックシートに分割する第1の工程(B1)と、該第1の工程(B1)により分割された前記第1のブロックシートを各断裁線に沿って断裁することにより、送付物を3行2列に個別に分割する第2の工程(B2)と、該第2の工程(B2)により3行2列に個別に分割された送付物を各列ごとに3枚一組で排出する第3の工程(B3)と、該第3の工程(B3)により各列ごとに排出された3枚一組の送付物を一つの送付物パックとして包装する第4の工程(B4)とを備えることを特徴とする。
【0013】
これによれば、40面の送付物が10行4列に連刷された原シートに基づいて、3枚一組の送付物からなる送付物パックを製造するに際して、送付物が各列(2列)に沿って3枚一組で排出されるため、3枚一組の送付物をそのまま包装することにより、送付物の枚数をカウントする手間・時間を省くことができる。よって、3枚一組の送付物からなる送付物パックを効率的に製造することが可能となり、さらには送付物パックの製造を容易に自動化することも可能となる。
【0014】
また、前記第1の工程(B1)により分割された第2のブロックシートを所定の断裁線に沿って断裁することにより、送付物を2行2列に個別に分割する第2の工程(B2’)と、該第2の工程(B2’)により2行2列に個別に分割された送付物を各列ごとに排出することを5回繰り返すことにより10枚一組で排出する第3の工程(B3’)と、該第3の工程(B3’)により各列ごとに排出された10枚一組の送付物を一つの送付物パックとして包装する第4の工程(B4’)とを備えてもよい。これによれば、40面の送付物が10行4列に連刷された原シートに基づいて、10枚一組の送付物からなる送付物パックを製造するに際して、送付物が各列(2列)に沿って10枚一組で排出されるため、10枚一組の送付物をそのまま包装することにより、送付物の枚数をカウントする手間・時間を省くことができる。よって、10枚一組の送付物からなる送付物パックを効率的に製造することが可能となり、さらには送付物パックの製造を容易に自動化することも可能となる。
【0015】
また、本発明は、複数面のシート状の送付物が実線または架空の断裁線を介してM行N列(Mは6以上の整数、Nは4以上の整数)に連刷された原シートに基づいて、K枚一組(Kは3以上の整数。K≦M/2)の送付物からなる送付物パックを製造する送付物パック製造方法であって、前記原シートを所定の断裁線に沿って断裁することにより、送付物が断裁線を介してK行L列(Lは2以上の整数。L≦N/2)に連刷された複数のブロックシートに分割する第1の工程と、該第1の工程により分割された前記ブロックシートを所定の断裁線に沿って断裁することにより、送付物をK行L列に個別に分割する第2の工程と、該第2の工程によりK行L列に個別に分割された送付物を各列ごとにK枚一組で排出する第3の工程と、該第3の工程により各列ごとに排出されたK枚一組の送付物を一つの送付物パックとして包装する第4の工程とを備えることを特徴とする。なお、本発明の第1の工程において、原シートから所定のブロックシートを分割する際、所定のブロックシート以外の半端なブロックシートが生じず、所定のブロックシートのみを分割する。
【0016】
これによれば、送付物が行列状に連刷された原シートに基づいて、3枚以上のK枚一組の送付物からなる送付物パックを製造するに際して、送付物が各列ごとにK枚一組で排出されるため、K枚一組の送付物をそのまま包装することにより、包装する枚数をカウントする手間・時間を省くことができるため、K枚一組の送付物からなる送付物パックを効率的に製造することが可能となり、さらには送付物パックの製造を容易に自動化することも可能となる。
【0017】
また、前記第2の工程において、ブロックシートを列方向に沿って搬送しながら各断裁線に沿って順次断裁してもよい。これによれば、ブロックシートから送付物を簡単かつ確実に個別に分割することができる。
【0018】
また、前記第3の工程において、送付物の排出速度が第2の工程におけるブロックシートの搬送速度よりも遅くなるように設定されることにより、送付物を隣接するもの同士で一部重ねた状態で排出してもよい。これによれば、後の第4の工程において、所定枚数一組の送付物を簡単かつ確実に包装することができる。
【0019】
また、前記第3の工程において、行列状に個別に分割された送付物を各列ごとに所定枚数一組で排出することを続けて複数回繰り返してもよい。これによれば、所定枚数×複数回数で一組の送付物を簡単かつ確実に排出することができる。
【0020】
また、本発明に係る送付物パック製造システムは、複数面のシート状の送付物が実線または架空の断裁線を介してM行N列(Mは6以上の整数、Nは4以上の整数)に連刷された原シートに基づいて、K枚一組(Kは3以上の整数。K≦M/2)の送付物からなる送付物パックを製造する送付物パック製造システムであって、前記原シートを所定の断裁線に沿って断裁することにより、送付物が断裁線を介してK行L列(Lは2以上の整数。L≦N/2)に連刷された複数のブロックシートに分割する第1の断裁部と、前記第1の断裁部により分割された前記ブロックシートを所定の断裁線に沿って断裁することにより、送付物をK行L列に個別に分割する第2の断裁部と、第2の断裁部によりK行L列に個別に分割された送付物を各列ごとにK枚一組で排出する排出部と、前記排出部により各列ごとに排出されたK枚一組の送付物を一つの送付物パックとして包装する包装部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、送付物が行列状に連刷された原シートに基づいて、所定枚数一組の送付物からなる送付物パックを製造するに際して、送付物が各列ごとに所定枚数一組で排出されるため、所定枚数一組の送付物をそのまま包装することにより、送付物の枚数をカウントする手間・時間を省くことができるため、所定枚数一組の送付物からなる送付物パックを効率的に製造することが可能となり、さらには送付物パックの製造を容易に自動化することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1の実施形態に係る送付物パック製造システムを示す概略構成図である。
図2図1の送付物パック製造システムの供給部、第2の断裁部、排出部および包装部を示す平面図である。
図3図1の送付物パック製造システムにおける原シートを示す平面図である。
図4図3の原シートから分割されたブロックシートを示す平面図である。
図5】原シートの(a)表面および(b)裏面の印刷例を示す平面図である。
図6】第1の実施形態に係る送付物パック製造方法の前工程を示す模式図である。
図7】第1の実施形態に係る送付物パック製造方法の第1の工程~第4の工程を示す模式図である。
図8】第2の実施形態に係る送付物パック製造システムにおける原シートを示す平面図である。
図9図8の原シートから分割されたブロックシートを示す平面図である。
図10】第2の実施形態に係る送付物パック製造方法の第1の工程~第4の工程を示す模式図である。
図11】従来の送付物パック製造方法の工程を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第1の実施形態>
次に、本発明の第1の実施形態に係る送付物パック製造システム(以下、本システムという)について図1図7を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、送付物としてハガキPを想定して説明する。
【0024】
本システムは、40面のハガキPが10行4列に連刷された原シートSに基づいて、5枚一組のハガキPからなるハガキパックPCを製造するものであって、図1および図2に示すように、原シートSに所定の図柄を印刷する印刷部1と、原シートSを断裁することにより4つのブロックシートBSに分割する第1の断裁部2と、ブロックシートBSを供給する供給部3と、ブロックシートBSを断裁することによりハガキPを個別に分割する第2の断裁部4と、分割されたハガキPを排出する排出部5と、ハガキPを包装する包装部6とを備える。
【0025】
原シートSは、図3に示すように、40面の矩形状のハガキPが10行4列に連刷された1枚の紙製シートであって、表面において各ハガキPの行方向の境界部に沿って9本の実線の断裁線Tが設けられるとともに、各ハガキPの列方向の境界部に沿って3本の実線の断裁線Yが設けられている。なお、原シートSは、図5(a)の見本に示すように、表面に国所轄の会社(日本郵政株式会社)により切手やお年玉くじなどが予め印刷されている。
【0026】
なお、本明細書において、「行」とは図3におけるハガキPの縦方向に延びる並びをいい、「列」とは図3におけるハガキPの横方向に延びる並びをいう。また、「行方向」とは図3における行が延びる縦方向をいい、「列方向」とは図3における列が延びる横方向をいう。
【0027】
前記印刷部1は、原シートSに連刷された各ハガキPの裏面に対して、所定の図柄を印刷する大型のプリンタである。例えば、印刷部1は、図5(b)の見本に示すように、原シートSの左上の5行2列の各ハガキPの裏面に第1の図柄(丑の図形)、原シートSの左下の5行2列の各ハガキPの裏面に第2の図柄(2021の図形)、原シートSの右上の5行2列の各ハガキPの裏面に第3の図柄(丑の文字)、原シートSの右下の5行2列の各ハガキPの裏面に第4の図柄(丑と風景の図形)をそれぞれ印刷することが挙げられる。これにより、原シートSは、図5(a)の見本に示すように、各ハガキPの表面に切手等が予め印刷される一方、図5(b)の見本に示すように、各ハガキPの裏面に所定の図柄が印刷された状態となって、図6(b)に示すように、断裁前に所定枚数積み重ねられる。
【0028】
前記第1の断裁部2は、原シートSを所定の断裁線T1、Y1に沿って十字に断裁することにより4つのブロックシートBSに分割する大型の断裁機である。具体的には、第1の断裁部2は、図3に示すように、原シートSの列方向中央に設けられた断裁線T1と、行方向中央に設けられた断裁線Y1に沿って断裁することにより、図4に示すように、10面のハガキPが5行2列に連刷された同じ大きさの4つのブロックシートBSに分割する。なお、本実施形態では、第1の断裁部2は、図6(a)(b)に示すように、複数枚の原シートSを積み重ねた束の状態で断裁することにより、図7(a)に示すように、複数枚が積み重ねられた束の状態のブロックシートBSに分割する。
【0029】
前記供給部3は、図2に示すように、ブロックシートBSを第2の断裁部4に向けて搬送する搬送機構31を備える。このブロックシートBSは、ブロックシートBSの列方向と搬送機構31の搬送方向が一致する態様で搬送機構31に載置されたあと、そのまま搬送機構31により搬送方向(列方向)に沿って搬送され、第2の断裁部4に1枚ずつ供給される。
【0030】
前記第2の断裁部4は、ブロックシートBSを搬送しながら各断裁線T、Yに沿って断裁することによりハガキPを個別に分割する断裁機である。具体的には、第2の断裁部4は、図2に示すように、ブロックシートBSを搬送する搬送機構41と、搬送機構41の上流側の上下に設けられ、列方向に延びる第1の断裁刃42と、搬送機構41の下流側の上方に設けられ、行方向に延びる第2の断裁刃43とを備える。そして、第2の断裁部4は、搬送機構41によりブロックシートBSを所定の搬送方向(列方向)に沿って搬送する過程において、まず第1の断裁刃42により中央の断裁線Yに沿って2列に断裁したあと、第2の断裁刃43により4本の各断裁線Tに沿って順次断裁する。これにより、ブロックシートBSは、図7(b)に示すように、5行2列の個別のハガキPに分割される。なお、本実形態では、ハガキPは排出部5に向けて順次搬送されるため、実際には第2の断裁部4の内部において平面方向に間隔を空けて並んだ状態にはならず、図7(c)に示すように、5枚一組のハガキPが隣接するもの同士で重なった状態に順次移行する。
【0031】
前記排出部5は、図2に示すように、第2の断裁部4の下流側に配置され、ハガキPを所定の搬送方向(列方向)に搬送する搬送機構51を備え、該搬送機構51により5行2列に個別に分割されたハガキPを各列ごとに5枚一組で搬送しながら排出する。なお、本実施形態では、排出部5は、搬送機構51によるハガキPの搬送速度(排出速度)が第2の断裁部42の搬送機構41によるブロックシートBSの搬送速度よりも遅くなるように設定されており、図2および図7(c)に示すように、5枚一組のハガキPを隣接するもの同士で一部重ねた状態で排出する。
【0032】
前記包装部6は、図2に示すように、排出部5の下流側に配置され、5枚一組のハガキPを包装する包装機である。具体的には、包装部6は、排出部5により各列(2列)に沿って排出された5枚一組のハガキPを隣接するもの同士で一部重ねた状態から完全に重ねた状態にしたあと、図7(d)に示すように、排出部5により各列(2列)ごとに排出された5枚一組のハガキPを袋Fに封入・封緘することにより、図7(e)に示すように、一つのハガキパックPCとして包装する。
【0033】
次に本システムの動作について図6および図7を参照しつつ説明する。
【0034】
まず、前工程として、図6(a)に示すように、40面のハガキが連刷された原シートSが積層された束が準備されたあと、図6(b)に示すように、印刷部1が全ての原シートSの各ハガキPの裏面に所定の図柄を印刷する。
【0035】
次に、第1の工程(A1)において、図7(a)に示すように、第1の断裁部2が、原シートSを所定の断裁線T1、Y1に沿って十字に断裁することにより4つのブロックシートBSに分割する。
【0036】
次に、第2の工程(A2)において、供給部3によりブロックシートBSが第2の断裁部4に供給されると、図7(b)に示すように、第2の断裁部4が、ブロックシートBSを搬送しながら各断裁線T、Yに沿って断裁することによりハガキPを5行2列に個別に分割する。
【0037】
次に、第3の工程(A3)において、図7(c)に示すように、排出部5が、第2の断裁部4により5行2列に個別に分割されたハガキPを各列(2列)に沿って5枚一組で排出する。
【0038】
次に、第4の工程(A4)において、図7(d)に示すように、包装部6が、排出部5により各列(2列)に沿って排出された5枚一組のハガキPを袋Fに封入・封緘することにより、図7(e)に示すように、一つのハガキパックPCとして包装する。
【0039】
これによれば、40面のハガキPが10行4列に連刷された原シートに基づいて、5枚一組のハガキPからなるハガキパックPCを製造するに際して、ハガキPが各列(2列)に沿って5枚一組で排出されるため、5枚一組のハガキPをそのまま包装することにより、ハガキPの枚数をカウントする手間・時間を省くことができる。よって、5枚一組のハガキからなるハガキパックPCを効率的に製造することが可能となり、さらにはハガキパックPCの製造を容易に自動化することも可能となる。
【0040】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る送付物パック製造システム(以下、本システムという)について、主に図8図10を参照しつつ説明する。なお、以下では上記の実施形態と異なる構成についてのみ説明することとし、同一の構成については説明を省略して同一の符号を付すこととする。
【0041】
本システムは、40面のハガキPが10行4列に連刷された原シートSに基づいて、3枚一組のハガキPからなるハガキパックPC1と、10枚一組のハガキPからなるハガキパックPC2を製造するものであって、第1の実施形態の図1に示す構成を有する。
【0042】
本実施形態では、前記印刷部1は、第1の実施形態と同様、原シートSに連刷された各ハガキPの裏面に対して、所定の図柄を印刷する。
【0043】
前記第1の断裁部2は、原シートSを所定の断裁線T1~T3、Y1に沿って断裁することにより4つの第1のブロックシートBS1と4つの第2のブロックシートBS2に分割する。具体的には、第1の断裁部2は、図8に示すように、原シートSの列方向に沿って設けられた3本の断裁線T1~T3と、行方向中央に設けられた断裁線Y1に沿って断裁することにより、図9(a)および図10(a)に示すように、6面のハガキPが3行2列に連刷された同じ大きさの4つの第1のブロックシートBS1に分割するとともに、図9(b)および図10(a)に示すように、4面のハガキPが2行2列に連刷された同じ大きさの4つの第1のブロックシートBS2に分割する。
【0044】
前記供給部3は、第1のブロックシートBS1または第2のブロックシートBS2を第2の断裁部4に1枚ずつ供給する。
【0045】
前記第2の断裁部4は、ブロックシートBS1、BS2を搬送しながら各断裁線T、Yに沿って断裁することによりハガキPを個別に分割する。具体的には、第2の断裁部4は、搬送機構41により第1のブロックシートBS1を所定の搬送方向(列方向)に沿って搬送する過程において、まず第1の断裁刃42により中央の断裁線Yに沿って2列に断裁したあと、第2の断裁刃43により2本の各断裁線Tに沿って順次断裁する。これにより、第1のブロックシートBS1は、図10(b1)に示すように、3行2列の個別のハガキPに分割される。一方、第2の断裁部4は、搬送機構41により第2のブロックシートBS2を所定の搬送方向(列方向)に沿って搬送する過程において、まず第1の断裁刃42により中央の断裁線Yに沿って2列に断裁したあと、第2の断裁刃43により1本の各断裁線Tに沿って断裁する。これにより、第2のブロックシートBS2は、図10(b2)に示すように、2行2列の個別のハガキPに分割される。
【0046】
また、前記排出部5は、図10(c1)に示すように、第1のブロックシートBS1の場合、搬送機構51により3行2列に個別に分割されたハガキPを各列ごとに3枚一組で搬送しながら排出する。一方、前記排出部5は、図10(c2)に示すように、第2のブロックシートBS2の場合、搬送機構51により2行2列に個別に分割されたハガキPを各列ごとに排出することを連続して5回繰り返すことにより、ハガキPを各列ごとに10枚一組で排出する。
【0047】
前記包装部6は、図10(d1)に示すように、第1のブロックシートBS1の場合、排出部5により各列(2列)に沿って排出された3枚一組のハガキPを袋Fに封入・封緘することにより、図10(e1)に示すように、一つのハガキパックPC1として包装する。一方、前記包装部6は、図10(d2)に示すように、第2のブロックシートBS2の場合、排出部5により各列(2列)に沿って排出された10枚一組のハガキPを袋Fに封入・封緘することにより、図10(e2)に示すように、一つのハガキパックPC2として包装する。
【0048】
次に本システムの動作について図6および図10を参照しつつ説明する。
【0049】
まず、前工程として、図6(a)に示すように、40面のハガキが連刷された原シートSが積層された束が準備されたあと、図6(b)に示すように、印刷部1が全ての原シートSの各ハガキPの裏面に所定の図柄を印刷する。
【0050】
次に、第1の工程(B1)において、図10(a)に示すように、第1の断裁部2が、原シートSを所定の断裁線T1~T3、Y1に沿って断裁することにより4つの第1のブロックシートBS1と4つの第2のブロックシートBS2に分割する。なお、第1の断裁部2は、スリッター刃など、異なる機構で原シートSを断裁してもよい。
【0051】
次に、第2の工程(B2)において、供給部3により第1のブロックシートBS1が第2の断裁部4に供給された場合、図10(b1)に示すように、第2の断裁部4が、第1のブロックシートBS1を搬送しながら各断裁線T、Yに沿って断裁することによりハガキPを3行2列に個別に分割する。
【0052】
次に、第3の工程(B3)において、図10(c1)に示すように、排出部5が、第2の断裁部4により3行2列に個別に分割されたハガキPを各列(2列)に沿って3枚一組で排出する。
【0053】
次に、第4の工程(B4)において、図10(d1)に示すように、包装部6が、排出部5により各列(2列)に沿って排出された3枚一組のハガキPを袋Fに封入・封緘することにより、図10(e1)に示すように、一つのハガキパックPC1として包装する。
【0054】
一方、第2の工程(B2’)において、供給部3により第2のブロックシートBS2が第2の断裁部4に供給された場合、図10(b2)に示すように、第2の断裁部4が、ブロックシートBSを搬送しながら各断裁線T、Yに沿って断裁することによりハガキPを2行2列に個別に分割する。
【0055】
次に、第3の工程(B3’)において、図10(c2)に示すように、排出部5が、第2の断裁部4により2行2列に個別に分割されたハガキPを各列(2列)に沿って排出することを5回連続して繰り返すことにより、ハガキPを10枚一組で排出する。
【0056】
次に、第4の工程(B4’)において、図10(d2)に示すように、包装部6が、排出部5により各列(2列)に沿って排出された10枚一組のハガキPを袋Fに封入・封緘することにより、図10(e)に示すように、一つのハガキパックPC2として包装する。
【0057】
これによれば、40面のハガキPが10行4列に連刷された原シートSに基づいて、3枚一組のハガキPからなる送付物パックPC1と10枚一組のハガキPからなる送付物パックPC1を製造することができる。また、ハガキPが各列(2列)に沿って3枚一組または10枚一組で排出されるため、3枚一組または10枚一組のハガキPをそのまま包装することにより、ハガキPの枚数をカウントする手間・時間を省くことができる。よって、3枚一組と10枚一組のハガキからなるハガキパックPCを効率的に製造することが可能となり、さらにはハガキパックPCの製造を容易に自動化することも可能となる。
【0058】
なお、上記実施形態において、送付物としてハガキPを想定して説明したが、これに限られず、ハガキP以外のシート状の送付物であってもよい。
【0059】
また、前記印刷部1は、原シートSに連刷されたハガキPの裏面に第1~第4の異なる図柄を印刷することを一つの例として挙げたが、これに限られず、原シートSの全てのハガキの裏面に同一の図柄を印刷するなどしてもよい。
【0060】
また、前記印刷部1は、断裁前の原シートSに対して所定の図柄を印刷したが、断裁後のブロックシートBSに対して所定の図柄を印刷してもよい。
【0061】
また、前記第1の断裁部2および第2の断裁部4は、原シートSやブロックシートBSを実線の断裁線T、Yに沿って断裁するものとしたが、原シートSに対して視認不可の架空の断裁線T、Yを設定し、原シートSやブロックシートBSを架空の断裁線T、Yに沿って断裁してもよい。
【0062】
また、前記第2の断裁部4は、ブロックシートBSを搬送しながら断裁するものとしたが、載置された状態のブロックシートBSをそのまま断裁するなど、その他の方法でブロックシートBSを断裁してもよい。
【0063】
また、前記排出部5は、搬送機構51によるハガキPの搬送速度(排出速度)が第2の断裁部42の搬送機構41によるブロックシートBSの搬送速度よりも遅くなるように設定されたが、搬送機構51によるハガキPの搬送速度(排出速度)が第2の断裁部42の搬送機構41によるブロックシートBSの搬送速度と同一になるように設定されることにより、所定枚数一組のハガキPを近接しながら並んだ状態で排出してもよい。あるいはまた、前記排出部5は、ハガキPを搬送することなく、所定枚数一組のハガキPを一括して排出してもよい。
【0064】
また、前記包装部6は、所定枚数一組のハガキPを袋Fで包装するものとしたが、袋F以外の包装材(例えば、帯材)で包装してもよい。また、包装部6により所定枚数一組のハガキPを自動的に包装するものとしたが、人手により所定枚数一組のハガキPを包装してもよい。
【0065】
また、第2の実施形態に係る第3の工程(B3’)において、2行2列に個別に分割されたハガキPを各列ごとに排出することを連続して5回繰り返すことにより、ハガキPを各列ごとに10枚一組で排出するものとしたが、2行2列に個別に分割されたハガキPを各列ごとに排出することを連続してX回(Xは2以上の整数)繰り返すことにより、ハガキPを各列ごとに(2×X)枚一組で排出してもよい。
【0066】
また、本システムは、複数面のシート状の送付物が実線または架空の断裁線を介してM行N列(Mは6以上の整数、Nは4以上の整数)に連刷された原シートに基づいて、K枚1組(Kは3以上の整数。K≦M/2)の送付物からなる送付物パックを製造するものであってもよい。この場合、本システムは、原シートを所定の断裁線に沿って断裁することにより、送付物が実線または架空の断裁線を介してK行L列(Lは2以上の整数。L≦N/2)に連刷された複数のブロックシートに分割する第1の工程と、第1の工程により分割された前記ブロックシートを搬送しながら所定の断裁線に沿って断裁することにより、送付物をK行L列に個別に分割する第2の工程と、第2の工程によりK行L列に個別に分割された送付物を各列ごとにK枚1組で排出する第3の工程と、第3の工程により各列ごとに排出されたK枚1組の送付物を一つの送付物パックとして包装する第4の工程とを備える。
【0067】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0068】
1…印刷部
2…第1の断裁部
3…供給部
4…第2の断裁部
5…排出部
6…包装部
S…原シート
BS…ブロックシート
P…ハガキ(送付物)
F…袋
T…行の断裁線
Y…列の断裁線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11