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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173196
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ラベル発行装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/00 20060101AFI20241205BHJP
   B65B 59/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B65C9/00
B65B59/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091437
(22)【出願日】2023-06-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月7日、FOOMA JAPAN 2022 (国際食品工業展) 東京ビッグサイト(東京都江東区有明3-11-1)にて展示 令和4年11月22日、株式会社寺岡精工 TERAOKA EXPERIENCE SHOWROOM(東京都大田区久が原5丁目2番22号)にてSBSフレック株式会社に公開 令和4年11月24日、株式会社寺岡精工 TERAOKA EXPERIENCE SHOWROOM(東京都大田区久が原5丁目2番22号)にてアイエイチロジスティクスサービス株式会社に公開
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(74)【代理人】
【識別番号】100205648
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 真一
(72)【発明者】
【氏名】ウチュンチュ コライ
【テーマコード(参考)】
3E056
3E095
【Fターム(参考)】
3E056FH12
3E056HA05
3E095CA02
3E095DA76
3E095DA82
3E095DA90
3E095EA03
3E095EA09
3E095EA12
3E095EA26
3E095FA27
(57)【要約】
【課題】メンテナンス性を向上したラベル発行装置を提供する。
【解決手段】長尺状のラベルロールからラベルを発行する発行部を備えるラベル排出部13と、発行部によりラベルが発行される発行状態から、発行状態よりも発行部の位置が高くなるようにラベル排出部を傾斜させる傾斜機構161a、134bと、を備えることを特徴とするラベル発行装置1。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状のラベルロールからラベルを発行する発行部を備えるラベル排出部と、
前記発行部により前記ラベルが発行される発行状態から、前記発行状態よりも前記発行部の位置が高くなるように前記ラベル排出部を傾斜させる傾斜機構と、
を備えることを特徴とするラベル発行装置。
【請求項2】
前記ラベルを貼付する貼付対象物を移動させる物品搬送面と、
前記発行部により発行された前記ラベルを前記物品搬送面上で前記貼付対象物に貼付するラベル貼付部と、
を備え、
前記傾斜機構は、前記ラベル排出部を前記物品搬送面の後方から前方へまたがるように移動させる際に前記ラベル排出部を傾斜させる、
請求項1に記載のラベル発行装置。
【請求項3】
前記傾斜機構は、
前記ラベル発行装置のフレームに配設されるガイドと、
前記ラベル排出部から前記ガイドに向かって突出し、前記ガイドに形成されている切欠部に篏合する凸部と、
を備える、
請求項1記載のラベル発行装置。
【請求項4】
前記切欠部は、前記ラベル発行装置の前後方向に沿って配設される前後孔と、前記前後孔の前端において少なくとも前記前後孔の下方に伸びて配設される下孔とが接続されて構成されている、
請求項3記載のラベル発行装置。
【請求項5】
前記ラベル排出部を傾斜させた状態で維持するロック機構をさらに備える、
請求項1記載のラベル発行装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品にラベルを貼付するラベル発行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラベルを印刷し、物品にラベルを貼付する装置においては、ラベルロールやプラテンローラ等の交換をするために作業者がラベル印刷部にアプローチする必要がある。しかしながら、ラベル印刷部が物品の搬送コンベアを挟んで離れているところに設置され、手が届きづらかった。また、ラベル貼付処理の高速化のため搬送コンベアからラベル印刷部までの高さを低くすると、ラベル印刷部が低くなり、かがむ必要が生じる等、メンテナンスがしづらいという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-223755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この点、特許文献1には、ラベルロールを挿着するための挿着軸と、挿着軸と平行に配置した回動軸に対して回動可能なロールガイドと、が取り付けられ、カセット部が本体部に格納されたときに紙巻の一部と挿着方向において対向するように隣接した位置においてロールガイドが回動することを規制する回動規制部を備えるラベル発行装置が開示されている。
【0005】
そこで本発明は、メンテナンス性を向上したラベル発行装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るラベル発行装置は、長尺状のラベルロールからラベルを発行する発行部を備えるラベル排出部と、前記発行部により前記ラベルが発行される発行状態から、前記発行状態よりも前記発行部の位置が高くなるように前記ラベル排出部を傾斜させる傾斜機構と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係るラベル発行装置を示す図であって、(a)物品の搬送方向上流側から見た外観斜視図、(b)カバーを省略した様子を示す外観斜視図である。
図2】上記ラベル発行装置が備えるラベル貼付部と、ラベル貼付部を支持する支持部との結合関係の様子を示す部分拡大図である。
図3】上記ラベル発行装置が備える物品検出部の様子を示す斜視図である。
図4】上記ラベル発行装置を示す図であって、正面側から見た概略正面図である。
図5】上記ラベル発行装置が備えるケースと、フレームとが、ラベル発行状態において結合する結合部分の様子を示す部分拡大図である。
図6】上記ラベル発行装置が備える搬送部およびラベル貼付部の様子を示す斜視図である。
図7】上記ラベル発行装置を構成するラベル排出部が、正面側に引き出された状態を示す図であって、(a)カバーを省略した右側面図、(b)ラベル排出部と、フレームが備えるガイドとの係合部の様子を示す拡大右側面図、である。
図8】(a)上記ラベル発行装置を構成するラベル排出部が備える引出部であって、ラベルが発行可能な発行状態の様子を示す斜視図、(b)ケースが前方に引き出された状態における引出部の様子を示す斜視図、(c)ラベル発行装置の背面側から見た斜視図である。
図9】上記ラベル発行装置が備える、上記ラベル排出部のロック機構の様子を示す図である。
図10】上記ラベル発行装置が備える表示装置に表示される画面の第1例を示す図である。
図11】上記表示装置に表示される画面の(a)第2例、(b)第3例、を示す図である。
図12】上記表示装置に表示される画面の(a)第4例、(b)第5例、を示す図である。
図13】上記表示装置に表示される画面の(a)第6例、(b)第7例、を示す図である。
図14】上記表示装置に表示される画面の(a)第8例、(b)第9例、を示す図である。
図15】本発明の実施形態に係るラベル発行装置を制御する制御装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図16】本発明の実施形態に係るラベル発行装置による処理の流れを示す処理フロー図である。
図17】本発明の第2実施形態に係るラベル発行装置が備えるラベル排出部の図であって、(a)発行状態を示す斜視図、(b)ラベル発行部が引き出された状態を示す斜視図、である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
●概要
以下、本発明の実施形態に係るラベル発行装置1について、図を参照して説明する。
図1に示すラベル発行装置1は、物品に貼付されるラベルを発行する装置である。なお、以降の説明においては、ラベル発行装置1は、発行したラベルを物品に貼付する機構を備えたラベル貼付装置を例に説明する。ラベル発行装置1は、物品搬送部11、物品検出部12、ラベル排出部13、ラベル貼付部14、表示・操作部15によって構成される。
【0009】
本実施形態においてラベルの貼付対象となる物品は特に限定されないが、フローズンチルド商品にみられるように内容物の形状が外側にあらわれる真空パック商品、深絞り包装された商品、丸型の容器に詰められた商品など、整列させるのが難しかったり、形状がいびつであったりする物品に好適に用いられる。
【0010】
ラベル発行装置1は、ラック状に組み立てられたフレーム16によって一体的な装置を構成している。
フレーム16は、設置面から鉛直方向に立設する支柱フレーム部161、各支柱フレーム部161の下端を連結する下端側連結フレーム部162、各支柱フレーム部161の上端を連結する上端側連結フレーム部163を備えている。また、フレーム16は、各支柱フレーム部161の中腹を連結し、ラベル貼付部14を支持する支持連結フレーム170を備えている。支柱フレーム部161、上端側連結フレーム部163および支持連結フレーム170に囲まれた矩形領域には、ラベル発行装置1内部への埃等の進入を防止するカバー171が嵌め込まれている。
【0011】
支柱フレーム部161-2と支柱フレーム部161-3の間には開閉可能な扉状のパネル17が嵌め込まれている。このパネル17により、不慮の事態で外部から物品の搬送が妨げられたり、作業者がラベルを貼付する機器又は機構の動作に巻き込まれたりするのを防ぐことができる。なお、本実施形態ではパネル17は透明であり、パネル17を閉じた状態でも機器の動作を視認できる。また、ラベルロールの交換等、機器のメンテナンス時にはパネル17を開けて作業できる。また、パネル17の開閉を検出する開閉センサが配設され、パネル17が閉じた状態の場合にのみ機器の動作を許可するように構成されていてもよい。この構成によれば、作業者が手を入れているときに機器が動作してしまうのを防止し、安全性を担保できる。
【0012】
図1(b)に示すように、支持連結フレーム170のうち下流側の支持連結フレーム170-3は、物品の搬送方向と直交する向きに長さを有している。支持連結フレーム170-2および支持連結フレーム170-4には、ラベル貼付部14を支持する支持フレーム170―5が連結されている。支持フレーム170-5は、略直方体状に組まれており、ラベル貼付部14を立体的に支持する。
【0013】
また、図2に示すように、支持フレーム170-5と、ラベル貼付部14との間にはコイルバネ等の適宜のダンパー181が配設されている。これにより、後述のとおりアクチュエータ142を動作させて物品にラベルを貼付する工程において、アプリケータ141を移動させたり物品にラベルを貼付させたりするアーム1424、1425やスライダ1422、1423の動作によって装置に伝わる揺動のうち、水平方向および鉛直方向の揺動をダンパー181によって吸収することができる。
【0014】
●物品搬送部11
図1(b)に示す物品搬送部11は、ラベルの貼付対象物たる物品を搬送する。この物品搬送部11は、所定の駆動源によって無端ベルトを回転させるものであり、無端ベルトの上面は物品を一の方向に搬送する物品搬送面110を構成する。
本実施形態においては後述のとおり、ラベル貼付部14を構成するアーム1424、1425(図6参照)は物品の搬送方向と直交する向き、即ち物品の搬送方向から見たときの上下左右にのみ動作し、物品の搬送方向には移動しない。そのため、物品の搬送方向においてアーム1424、1425の動作領域を確保する必要がなく、物品搬送面110の物品の搬送方向の長さを短く構成できる。
また、後述する撮像部121、ラベル排出部13、及びラベル貼付部14は、物品搬送部11の全長の範囲内に配置され、これによりラベル発行装置1はコンパクトに構成されている。
なお、撮像部121が収容される領域と、ラベル排出部13およびラベル貼付部14が収容される領域との間は、仕切板172(図9参照)により隔絶されている。仕切板172は、フレーム165に連結されている。仕切板172は、撮像部121により撮像される空間に進入しうる外部からの光を遮断する。
【0015】
物品搬送部11の上流側には、物品検出部12が物品搬送面110の上方に設けられている。物品搬送部11の側方には、物品検出部12が設けられている位置から下流方向に沿って順次、ラベル排出部13とラベル貼付部14が設けられている。また、物品搬送面110を挟んでラベル排出部13の反対側には表示・操作部15が設けられている。
【0016】
なお、物品搬送部11の上流端及び下流端にはそれぞれ、物品搬送部11に物品を搬送する他の搬送部や、物品搬送部11から搬送されてきた物品を載置台や仕分け機構へ搬送する他の搬送部などを適宜に連結させられる。
【0017】
●物品検出部12
図3に示す物品検出部12は、物品搬送部11の上流において物品搬送面110上の物品を検出する。この物品検出部12は、撮像部121と照明部122によって構成されている。
【0018】
撮像部121は、ビジョンセンサ等によって実現される。この撮像部121は物品搬送面110の上流部分の上方に設けられ、物品搬送面110上を搬送されてきた物品を検出すると共に、検出した物品の上面を撮像し、物品の撮像画像を生成し、当該撮像画像に座標系を設定する。
【0019】
照明部122は、例えばLEDにより構成される。照明部122は、例えば物品の搬送面に板状に構成されてもよい。照明部122には偏光板が配設され、照明部122からの光束は適宜偏光されて物品に到達する。このような構成によれば、照明部122からの光束が撮像部121に直接進入することがないため、撮像部121は白飛びのない鮮明な画像を取得できる。ひいては、撮像部121による物品の検出精度を向上することができる。
【0020】
なお、本実施形態にかかわらず、物品検出部12は撮像部121のみによって構成することもできる。また物品検出部12は物品の検出と撮像を行うところ、物品を検出するセンサと物品を撮像するカメラという別々のデバイスによって構成することもできる。
【0021】
●ラベル排出部13
図4に示すラベル排出部13は、物品の搬送方向において物品検出部12とラベル貼付部14の間に設けられている。また、ラベル排出部13は、物品の搬送方向に対してラベル貼付部14と同じ側に設けられており、物品に貼付するラベルを発行し、当該発行したラベルをラベル貼付部14に供給する。また、ラベル排出部13は、図4に示す正面視において物品搬送部11の奥に配設されている。
【0022】
図5では、ラベル排出部13は、前方(図中左方向)に向かってやや引き出された状態を示している。図5に示すように、ラベル排出部13の上部には凸部13aが配設されている。また、支持連結フレーム170-4には、正面側に向かって突出する篏合部170-4aが配設されている。篏合部170-4aは例えば平板状の部材である。また、篏合部170-4aの前端には、凸部13aに対応するC字状の切欠部170-4bが形成されている。ラベル排出部13が、ラベルを発行可能な状態、いわゆる発行状態に収容されている場合、凸部13aと切欠部170-4bが篏合する。作業者が凸部13aの上端を回転させて巻き締めると、凸部13aと切欠部170-4bが篏合された状態で維持される。
【0023】
このラベル排出部13は、ラベルロールを保持するロール保持部、ラベルロールから送り出されたラベル用紙に印字して枚葉状に切断するラベル発行部、ラベルをアクチュエータ142に向かって搬送するラベル搬送部133(図6参照)などを有する。なお、ラベル発行部はさらに、ラベルロールからラベル用紙を送り出すガイドローラ、印字ヘッド等の印字部、プラテンローラ、印字されたラベル用紙を所定の長さに切断するカッタ等の切断部などによって構成される。なお、本実施形態においては、ラベル発行部はラベルの印字機構を備えるものとしたが、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではなく、少なくともラベルを排出してラベル貼付部14に受け渡す構成であればよい。
【0024】
なお、本実施形態において発行されるラベルは、一面側に印字面、他面側に粘着層が形成された貼付面を備えた台紙レスラベルであり、ラベルロールは、長尺帯状の台紙レスラベル用紙をロール状に巻回させたものである。ただし、本実施形態にかかわらず、台紙の剥離手段を設けることで台紙付きのラベルを用いることもできる。また、適宜の設計により、ラベルロールが所定のカセット内にセットされたカセット式などにも対応できる。
【0025】
図6に示すラベル搬送部133は、所定の情報が印字されたラベルをラベル貼付部14側に搬送する。このラベル搬送部133は、幅方向に一定間隔で並設された複数の無端ベルトによって構成され、その上面側はラベル搬送面1330を構成する。各無端ベルトは断面円形状からなる紐状のベルトであり、これによりラベル搬送面1330上に送り出されるラベルと無端ベルトとが当接する面積を小さくできる。その結果、後述するアプリケータ141の吸着部1411は強い吸引力を必要とすることなく、ラベル搬送面1330上のラベルを当該ラベル搬送面1330から引き離して吸着、保持できる。
【0026】
図7(a)に示されるように、ラベル排出部13のうちラベル発行部132はケース134内に収められている。また、図7(b)に示されるように、ケース134の後方上端部には、図中上方に伸び出る平板134aと、平板上端部において図中奥行き方向に突出する凸部134bとが配設されている。さらに、支柱フレーム部161-5の中腹には、凸部134bと連結され、ケース134の可動範囲を制限するガイド161aが配設されている。凸部134bとガイド161aとは、傾斜機構を構成する。
【0027】
図7(b)に示すように、凸部134bは、ガイド161aに向かって突出する。また、ガイド161aは、凸部134bと篏合する切欠部161bが配設されている。切欠部161bは、後方に開放されるとともに、少なくとも搬送方向に直交する前後方向に沿って配設される前後孔161b-1と、前後孔161b-1の前端において下方に伸びる下孔161b-2とが接続された形状である。なお、同図においては、下孔161b-2は長下孔161b-2の上方まで伸び出ている。
【0028】
図8(a)に示すように、ケース134の下方には、ケース134が載置される引出部135が配設されている。引出部135の後方には、引出部135の後端に配設される軸135aと回動可能に連結される平板135bが配設されている。平板135bには、ケース134の底面の少なくとも一部が連結されている。また、引出部135の前方、すなわち物品搬送面110側には把手136が設けられている。
【0029】
図7(a)に示されるように把手136を物品搬送面110側に引っ張ると、ラベル発行部132をケース134ごと物品搬送面110上に引き出すことができる。その結果、ケース134は破線の位置から図中左方向にスライドし、物品搬送面110の後方から前方へまたがるように移動し、実線位置まで移動する。また、引き出されたケース134の凸部134bは、前後孔161b-1に篏合する。さらに把手136を引っ張ると、凸部134bは下孔161b-2に至り、下方へ移動する。すると、ケース134は凸部134bを回転軸にして後方へ回転する。また、平板135bは、軸135aを回転軸にして端部が引出部135から離れる方向に回転し、図7(b)の状態になる。その結果、ケース134の正面は、図7(a)に示す通り、斜め上方を向いた状態になる。
【0030】
図9に示すように、引出部135のうち、仕切板172と対向する側面には、上方に伸び出る篏合部135cが配設されている。また、仕切板172のうち、ケース134が引き出された状態において篏合部135cに対応する位置には、固定部172aが配設されている。篏合部135cは、前方に向かってC字状に開口する切欠部が形成されている。また、固定部172aは、この切欠部に対応する径のくびれ部172bと、くびれ部172bの幅を締付により調整する締付部172cとを備える。把手136を引っ張ってケース134を傾斜させると、篏合部135cの切欠部とくびれ部172bとが篏合する。当該状態において作業者が締付部172cを回転させて締め付けることにより、ケース134は傾斜状態に維持される。
篏合部135cおよび固定部172aは、ラベル排出部13を傾斜させた状態で維持するロック機構の例である。
【0031】
このようにケース134ごとラベル発行部132を物品搬送面110上に引き出すことができ、ラベル発行部132が斜め上方を向く姿勢になる構成によれば、ラベル発行装置1の正面側、すなわち物品搬送面110を挟んでラベル排出部13と反対側に立った作業者は、窮屈な姿勢を強いられることなく、ラベルロールの交換等のメンテナンスを行うことができる。特に、ケース134が上方を向く姿勢に傾斜すると、ケース134の下面が引出部135から離間するので、ケース134下面に収容されるサーマルヘッドやプラテンローラに容易にアプローチでき、交換作業が容易である。また、ラベルロールを通すのも容易である。
把手136を押し込むと、ケース134は、ラベル発行部132によりラベルの発行が可能な状態、いわゆる発行状態に戻る。すなわち、上述の構成によれば、メンテナンス作業後に、作業を再開可能な状態に戻すのも容易である。
【0032】
なお、本実施形態においては把手136を把持して引出部135を引き出す構成を説明したが、本発明の技術的範囲はこれに限られず、ラベル排出部13を直接掴んで移動させてもよい。また、ラベル排出部13の手前側が上方に持ち上がる構成に限られず、ラベル排出部13の奥側が下方に下がることでラベル排出部13が傾斜し、ラベル排出部13の前面が相対的に上向きになる構成であってもよい。さらに、本実施形態においては、ラベル排出部13の移動は作業者の手動によるものとしたが、ラベル排出部13が電動で前後に移動したり、傾斜する構成であってもよい。
【0033】
図17は、本発明に係るラベル発行装置の第2実施形態の様子を示す図である。なお、先に説明した実施形態と同様の構成については同じ符号を付した。このラベル発行装置では、ケース134の凸部134bと篏合するガイド1161aに、閉鎖された長孔1161bが形成されている。長孔1161bの前方端部には、少なくとも長孔1161bの下方に伸び出る孔1161b-2が連結されている。長孔1161bには、ケース134が装置奥側に収容されている状態においても凸部134bが篏合している。把手136を前方に引っ張ると、凸部134bは長孔1161bに沿って前方に移動する。さらに把手136を引っ張ると、凸部134bは孔1161b-2の下端へと移動する。すると、ケース134は凸部134bを回転軸にして後方へ回転し、図17(b)の状態になる。その結果、ケース134の正面は、図17(b)に示す通り、斜め上方を向いた状態で静止する。この構成によっても、作業者は、窮屈な姿勢を強いられることなく、ラベルロールの交換等のメンテナンスを行うことができる。
【0034】
図8(c)に示すように、ラベル発行装置1の下流側の出口19には、規制板191が配設されている。規制板191は、同図においては下端が丸角の略矩形の平板であり、複数配設されている。規制板191は透明であってもよい。規制板191は、上端が、ラベル発行装置1の外装面に回転可能に連結されている。また、規制板191の図中背面側であって回転軸近傍には、規制板191に当接する部材が適宜設けられている。その結果、規制板191は、図中手前方向にのみ回転可能である。このような構成によれば、ラベルが貼付された物品は、規制板191を押しのけて図中手前方向に排出される。一方、規制板191は内部側に回転することはないので、物品や手等を出口19からラベル発行装置1の内部へ向かって進入させることはできない。すなわち、出口19から入れた手が内部装置に干渉するといった事故を防ぎ、安全性を担保できる。また、規制板191と、物品搬送面110との間は所定距離離間している。言い換えれば、規制板191の下端は、物品およびラベルに触れない高さに規定されている。このような構成によれば、ラベルが規制板191に貼り付いてしまうリスクを低減できる。
【0035】
●ラベル貼付部14
ラベル貼付部14は、物品搬送部11の下流部分の側方に設けられ、撮像部121によって撮像された物品の向きに応じた角度で、物品搬送面110上で物品の上面にラベルを貼付する。なお、ここで言う物品の向きとは、物品搬送面110を上方から見た状態、即ち平面視における物品の搬送方向に対する傾きを意味している。
【0036】
図6に示すように、ラベル貼付部14はラベルを保持すると共に物品に当該ラベルを貼付するアプリケータ141と、当該アプリケータ141を移動させるアクチュエータ142によって構成されている。
【0037】
アプリケータ141は、ラベル排出部13により発行されたラベルを吸着部1411で吸着、保持し、ラベル貼付対象の物品にラベルを貼付する。このアプリケータ141は、ラベル搬送面1330上に送り出されたラベルを吸着、保持する吸着部1411、アーム1424、1425や揺動抑制部材1426等から構成される。
【0038】
吸着部1411は、下面側にラベル吸着面を備えている。ラベル吸着面には、吸引ファンの回転によって負圧による吸引力を生じ、これにより当該ラベル吸着面にラベルを吸着させることができる。
【0039】
アクチュエータ142は所謂シリンダ型アクチュエータであり、物品搬送部11の側方に配される。このアクチュエータ142は、スライダ1422、1423とアーム1424、1425を適宜に制御することにより、鉛直方向と、水平方向のうち物品の搬送方向に直交する方向との二方向にのみアプリケータ141を移動させることができる。
【0040】
●表示・操作部15
表示・操作部15は、作業者がラベル発行装置1に情報を入出力するための装置であり、例えば情報の入力手段と出力手段とが一体化してなるタッチパネルディスプレイ等によって実現される。ラベル発行装置1はこの表示・操作部15により、ラベルに印字する印字情報や物品に関する情報を受け付けたり、物品検出部12により検出した情報やラベルの貼付結果に係る情報を出力したりする。
【0041】
なお、表示・操作部15は、情報の入力手段と出力手段とが別体として構成されたものであってもよい。また、本実施形態では、一の支柱フレーム部161-2の近傍に設けられているが、これにかかわらず、有線又は無線による通信回線を介して、物品搬送部11、物品検出部12、ラベル排出部13、及びラベル貼付部14といった機構とは物理的に離れた位置に設けられていてもよい。また、所謂パーソナルコンピュータ等の汎用性のある端末によって構成されるものであってもよい。
【0042】
●画面例
図10図14を用いて、表示・操作部15に表示される画面の例について説明する。
図10は、ラベルの貼付対象物たる物品における、基準点の高さ情報を登録する操作において表示・操作部15に表示される画面G11の例である。同図においては、基準点の選び方の説明が表示されている。より具体的には、基準点は、他の商品と区別ができる特徴的な文字や図形を選ぶ旨の案内が表示されている。また、基準点の指定において、文字や図形のみを囲む旨の案内が表示されている。さらに、基準点までの高さを図示するイラスト又は写真が複数表示されている。画面G11下部には、基準点までの高さを入力するテキストボックス、および別の画面に遷移する「戻る」ボタンおよび「次へ」ボタンが表示されている。
【0043】
図11(a)は、撮像のタイミングを設定する画面G12の例である。同図が表示・操作部15に表示されている状態において、作業者は、物品が撮像画像の中央に来るように撮像タイミングを調整する。同図においては、画面G12の略中央に、撮像部121により撮像された画像が表示されている。また、画面G12の下部には、「撮像ディレイ」を入力可能な領域が表示されている。撮像ディレイは、所定時点から撮像までの時間である。すなわち、撮像ディレイを調整することで、物品の撮像画像に対する位置を、図中左右方向において調整することができる。
【0044】
図11(b)は、撮像画像上において、ラベルを貼付する物品上の位置を特定するための基準点を設定するための画面G13である。同図においては、基準点を設定する画面に遷移する手順が示されており、画面左上に「0.Item」と表示され、かつ、「モデル領域編集」を選択するように案内が表示されている。
【0045】
図12(a)は、物品上の基準点を撮像画像上で指定する画面G14の例である。表示・操作部15は、例えば撮像画像上におけるタッチ操作を受け付ける。作業者は、タッチ操作により、撮像画像の一部を指定する矩形の枠を移動させ、基準点の位置および大きさを指定する。図12(b)は、画面G14において「ヘルプ」を選択した際に表示される画面G15の例であり、基準点の指定のコツが表示されている。また、画面G15には、枠の拡大縮小の手順が表示されている。
【0046】
図13(a)は、ラベル発行装置1により搬送される物品と、登録された基準点の一致度の閾値を、相関値として設定する画面G16の例である。一致度が設定された相関値以上である場合に、搬送されている物品は登録された基準点を有する物品であると判定される。例えば、搬送されている物品の一致度が相関値より低い場合には、ラベルの貼付対象として設定されている物品とは異なるものが搬入されていると推定できるので、エラーを表示したり、装置を停止させるといった処理を行ってよい。
【0047】
図13(b)は、アプリケータ141の吸着部1411が、物品を待機する高さ、すなわち待機高さを設定する画面G17である。画面G17では、アプリケータ141および物品のイラストにより、吸着部1411の下端を物品の最も高い部分よりも高い位置に設定するように図示にて説明されている。また、画面G17の右部には、待機高さの入力を受け付ける領域が表示されている。
【0048】
図14(a)は、アプリケータ141の吸着部1411が、物品にラベルを貼付している状態における高さ、すなわち貼付高さを設定する画面G18である。この画面G18ではアプリケータ141の下方に物品のラベル貼付位置が来るよう商品を移動するよう案内が表示される。また、アプリケータ141および物品のイラストにより、ラベルを貼付する様子が図示されている。画面G18の右部には、貼付高さの入力を受け付ける領域が表示されている。
【0049】
図14(b)は、物品に対するラベルの位置および角度を調整する画面G19である。画面G19が表示されている状態において、作業者は、ラベル発行装置1の物品搬送部11に物品を搬送させ、物品検出部12により撮像を行わせる。画面G19では、設定されている位置に貼付した場合のラベルの画像を、撮像画像に重畳して表示する。このような構成によれば、ラベルの位置を画像にて確認することができる。
また、画面G11~G19が表示される一連の処理によれば、画面による案内に沿って設定をすることで物品へのラベル貼付設定を容易に行うことができる。
【0050】
●制御装置の構成
図15は、本実施形態に係るラベル発行装置1を制御する制御装置の機能構成例を示している。
制御装置は、プログラムを実行してラベル発行装置1の動作を統括制御するCPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102やROM(Read Only Memory)103といった情報記憶手段、表示・操作部15、及びインターフェース回路104を備える。制御装置はさらに、インターフェース回路104を介して、物品搬送部11、物品検出部12、ラベル排出部13、及びラベル貼付部14に接続されている。
【0051】
ラベル発行装置1は、上記したCPU101、RAM102やROM103といった情報記憶手段により、ソフトウェア資源として少なくとも、制御部、物品情報記憶部、ラベル情報記憶部、設定情報記憶部、算出処理部の各機能ブロックを構成する。
【0052】
制御部は、物品搬送部11、物品検出部12、ラベル排出部13、及びラベル貼付部14の動作を制御する。
【0053】
物品情報記憶部は、物品に関する物品情報を記憶した記憶部である。
物品情報には例えば、物品の品名や品番、値段、各種の情報をコード化したシンボルコードといった情報が含まれる。
【0054】
また、物品情報記憶部には、物品にラベルを貼付する際の基準位置を示す基準点が物品ごとに保持されている。基準点は、物品が備えるものであって、物品の包装物に印字されている印字内容やシールなど、撮像部121によって画像として識別できるものによって構成される。
物品検出部12によって物品上の基準点が識別されると、後述する算出処理部によってラベルの貼付位置と向きが決定される。
【0055】
ラベル情報記憶部は、ラベルのフォーマットに関するラベル情報を記憶した記憶部である。ラベル情報には例えば、ラベル用紙を切断する長さを決定するラベル長、ラベル上の印字位置、印字項目、印字する文字のフォントといった情報が含まれる。
【0056】
設定情報記憶部は、ラベルを貼付する物品ごとに個別に設定する必要のある設定情報を記憶した記憶部である。この設定情報には例えば、物品の高さに応じたキャリブレーション情報が含まれる。即ち、物品搬送面110上の物品の高さによっては、撮像部121による1ピクセルあたりのカメラ座標にズレが生じ、このカメラ座標のズレがラベルの貼付位置のズレにつながる。この点、物品の高さに応じた補正係数をキャリブレーション情報として設定情報記憶部に保持し、撮像部121がこのキャリブレーション情報を参照してカメラ座標を補正することで、物品の正確な撮像画像が生成される。
【0057】
算出処理部は、物品検出部12による物品の検出タイミング及び撮像画像に基づき、物品にラベルを貼付するタイミング、物品上においてラベルを貼付する位置や向き、物品搬送面110上においてラベルを貼付するときの位置などを算出する。
即ち、算出処理部は物品検出部12による物品の検出位置からラベルを貼付する位置までの距離や物品搬送部11による物品の搬送速度に基づき、物品が検出地点からラベル貼付位置に至るまでの時間を算出し、これによりラベルを貼付するタイミングを決定する。
【0058】
また、算出処理部は、物品情報記憶部に記憶されている物品ごとの基準点とラベル貼付領域に係る情報を参照して、物品の撮像画像中の基準点を識別すると共にその向きや位置を判別し、物品の表面におけるラベルの貼付位置や向きを判断する処理を実行する。さらに、物品搬送面110上において物品にラベルを貼付する位置と、ラベルの向きに応じた吸着部1411の向きを算出する処理を実行する。
【0059】
●ラベル発行装置1による処理の流れ
図16を参照して、ラベル発行装置1による処理の流れをラベル貼付部14の動作と共を説明する。
なお、ラベル発行装置1による一連のラベル貼付処理の開始時には、ラベルの貼付対象物たる物品の高さに係る情報やこれに応じたキャリブレーション情報を含む設定情報が入力される。
【0060】
ラベル発行装置1は、ラベル貼付処理の開始により、停止状態から待機状態へ移行する。このとき、ラベル貼付部14は一対のスライダ1422、1423を同じ高さに保持し、アプリケータ141を物品搬送面110又はラベル搬送面1330のいずれの側にも移動させていない状態から、ラベル搬送面1330上にアプリケータ141を移動させ、この状態を待機状態としてラベルの貼付動作の指令を受付可能に待機する(S101)。
【0061】
物品検出部12は、撮像部121により物品搬送面110上の物品を検出すると(S102)、検出した物品の撮像画像を生成する(S103)。
なお、撮像部121は撮像画像の生成において、予め入力された設定情報に基づき、物品の高さに応じた撮像画像の補正処理を実行する。
【0062】
算出処理部は、撮像画像中の基準点に基づき、物品上においてラベルを貼付する位置と向き、さらには物品搬送面110上におけるラベルの貼付位置を算出する(S104)。また、算出処理部は、物品の検出位置からラベルを貼付する位置までの距離や物品搬送部11による物品の搬送速度に基づき、物品が検出地点からラベルの貼付位置に至るまでの時間を算出し、これによりラベルを貼付するタイミングを決定する(S105)。
【0063】
一方、物品検出部12によって物品が検出された後、撮像部121による撮像画像の生成(S103)から算出処理部による処理(S104、S105)と同時並行的に、ラベル排出部13によってラベルが発行される(S106)。
【0064】
ベルが発行され、当該ラベルがラベル搬送面1330上に送り出されると、ラベル貼付部14はこれに合わせてアクチュエータ142を制御してアプリケータ141をラベルの近くまで下げた上、吸着部1411によりラベルを吸着、保持する(S107)。
さらに、ラベル貼付部14は吸着部1411を回転させ、吸着させたラベルの向きを物品の向きに合わせる(S108)。
【0065】
ラベル貼付部14は、ラベルを吸着部1411に吸着、保持させたアプリケータ141を物品搬送面110上のラベル貼付位置まで移動させる(S109)。
算出処理部によって算出されたタイミングが到来すると(S110)、ラベル貼付部14はアプリケータ141を下げて物品搬送面110上の物品にラベルを押し当て、当該物品にラベルを貼付する(S111)。
これにより、一の物品に対するラベルの貼付処理が完了すると、ラベル貼付部14は次の物品に対するラベルの貼付処理を実行可能に待機すべく、アプリケータ141をラベル搬送面1330の上方に移動させる。
【0066】
以上の本実施形態に係るラベル発行装置1によれば、物品搬送面110上における物品の位置や向きを精度よく検出し、整列させにくい物品に対しても正確な位置と向きでラベルを貼付できる。
また、アクチュエータ142とアプリケータ141の動作範囲が、物品の搬送方向と直交する向きという、二次元の範囲に限られるようになっているため、ラベル発行装置1がコンパクトになり、限られたスペースにも設置できる。
●実施形態総括
【0067】
本発明は、物品にラベルを貼付するラベル発行装置に関する。
【0068】
ラベルを印刷し、物品にラベルを貼付する装置においては、ラベルロールやプラテンローラ等の交換をするために作業者がラベル印刷部にアプローチする必要がある。しかしながら、ラベル印刷部が物品の搬送コンベアを挟んで離れているところに設置され、手が届きづらかった。また、ラベル貼付処理の高速化のため搬送コンベアからラベル印刷部までの高さを低くすると、ラベル印刷部が低くなり、かがむ必要が生じる等、メンテナンスがしづらいという課題があった。
【0069】
この点、特開2007-223755号公報には、ラベルロールを挿着するための挿着軸と、挿着軸と平行に配置した回動軸に対して回動可能なロールガイドと、が取り付けられ、カセット部が本体部に格納されたときに紙巻の一部と挿着方向において対向するように隣接した位置においてロールガイドが回動することを規制する回動規制部を備えるラベル発行装置が開示されている。
【0070】
そこで本発明は、メンテナンス性を向上したラベル発行装置を提供することを目的とする。
【0071】
上記目的を達成するため、本発明に係るラベル発行装置は、長尺状のラベルロールからラベルを発行する発行部を備えるラベル排出部と、前記発行部により前記ラベルが発行される発行状態から、前記発行状態よりも前記発行部の位置が高くなるように前記ラベル排出部を傾斜させる傾斜機構と、を備えることを特徴とする。
【0072】
前記ラベルを貼付する貼付対象物を移動させる物品搬送面と、前記発行部により発行された前記ラベルを前記物品搬送面上で前記貼付対象物に貼付するラベル貼付部と、を備え、前記傾斜機構は、前記ラベル排出部を前記物品搬送面の後方から前方へまたがるように移動させる際に前記ラベル排出部を傾斜させるものとしてもよい。
【0073】
前記傾斜機構は、前記ラベル発行装置のフレームに配設されるガイドと、前記ラベル排出部から前記ガイドに向かって突出し、前記ガイドに形成されている切欠部に篏合する凸部と、を備えるものとしてもよい。
【0074】
前記切欠部は、前記ラベル発行装置の前後方向に沿って配設される前後孔と、前記前後孔の前端において少なくとも前記前後孔の下方に伸びて配設される下孔とが接続されて構成されているものとしてもよい。
【0075】
前記ラベル排出部を傾斜させた状態で維持するロック機構をさらに備えるものとしてもよい。
【0076】
本実施形態に係るラベル発行装置によれば、メンテナンス性を向上することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 :ラベル発行装置
11 :物品搬送部
110 :物品搬送面
12 :物品検出部
121 :撮像部
122 :照明部
13 :ラベル排出部
132 :ラベル発行部
133 :ラベル搬送部
1330 :ラベル搬送面
14 :ラベル貼付部
141 :アプリケータ
142 :アクチュエータ
15 :操作部
16 :フレーム

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17