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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173197
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04886 20220101AFI20241205BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20241205BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20241205BHJP
   G06F 3/04815 20220101ALI20241205BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20241205BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G06F3/04886
B60R11/02 C
G06F3/041 640
G06F3/041 650
G06F3/04815
G06F3/04842
G09F9/30 308Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091438
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】若野 春人
(72)【発明者】
【氏名】中川 貴洋
(72)【発明者】
【氏名】笠井 和善
(72)【発明者】
【氏名】耒田 峻司
(72)【発明者】
【氏名】河原 裕司
(72)【発明者】
【氏名】大山 貢司
【テーマコード(参考)】
3D020
5C094
5E555
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BB01
3D020BC03
3D020BD03
3D020BD05
3D020BE01
3D020BE03
5C094DA06
5E555AA02
5E555AA25
5E555AA26
5E555AA30
5E555AA65
5E555BA23
5E555BB23
5E555BC08
5E555BD05
5E555CA12
5E555CA41
5E555CB14
5E555CB16
5E555CB33
5E555CB40
5E555CB45
5E555DB20
5E555DB22
5E555DB53
5E555DC09
5E555DC11
5E555DC13
5E555DC17
5E555DC19
5E555DC21
5E555DC26
5E555DC35
5E555DC43
5E555DC52
5E555FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数の表示領域が角度をもって配置されることで、運転者から見て、あたかも前後方向に立体的に重なっているかのような視覚効果を与えることができ、所望の操作を行い易くする情報処理装置を提供する。
【解決手段】車載システム10において、情報処理装置である車載装置100は、少なくとも1つの折り曲げ部によって分割される2以上の表示領域を有する表示部であるディスプレイ122と、2以上の表示領域のうち、第1の表示領域に第1の機能に対応する画面を表示し、第1の表示領域と隣接する第2の表示領域に、第1の機能とは異なる第2の機能を含む複数の機能に対応する画面を積層表示する制御部102と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの折り曲げ部によって分割される2以上の表示領域を有する表示部と、
前記2以上の表示領域のうち、第1の表示領域に第1の機能に対応する画面を表示し、前記第1の表示領域と隣接する第2の表示領域に、前記第1の機能とは異なる第2の機能を含む複数の機能に対応する画面を積層表示する制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
少なくとも1つの折り曲げ部によって分割される2以上の表示領域を有する表示部と、
前記2以上の表示領域のうち、第1の表示領域に第1の機能に対応する画面を表示し、前記第1の表示領域と隣接する第2の表示領域に、前記第1の機能によって操作される第2の機能に対応する複数の画面を積層表示する制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項3】
少なくとも1つの折り曲げ部によって分割される2以上の表示領域を有する表示部と、
前記2以上の表示領域のうち、第1の表示領域に第1の機能に対応する画面を表示し、前記第1の表示領域と隣接する第2の表示領域に、前記第1の機能の画面によって操作される選択項目の下位の選択項目を含む画面を積層表示する制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項4】
折り曲げ部を挟んで隣接する第1の表示領域と第2の表示領域とを有する表示部と、
前記第1の表示領域に第1の機能に対する画面を表示し、前記第2の表示領域に、前記第1の機能とは異なる第2の機能を含む複数の機能に対する画面を一部が重なるように表示する制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項5】
前記第1の機能は車両をルートに沿って案内するナビゲーション機能であり、前記第2の機能は前記ルートに沿って存在する分岐点、施設、ランドマークのいずれかの画像を前記複数の画面に表示する機能であり、前記複数の画面は、前記車両の前記ルート上の現在位置から、進行方向に向かって存在する前記分岐点、前記施設、前記ランドマークのうち距離が近いものから遠いものに向かって順に、それらの画像が、手前から奥に重なるように表示する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示部は、利用者による接触操作を検出可能であり、
前記制御部は、前記第2の表示領域に対する接触操作による、前記積層表示された複数の機能に対応する画面の順序の入れ替え、または選択の操作を受け付ける
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1の表示領域と前記第2の表示領域の間の折り曲げ部に沿って指を接触させたまま移動させる操作による、前記積層表示された複数の機能に対応する画面の順序の入れ替え、または選択の操作を受け付ける
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
車両に搭載される、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第2の表示領域が、前記車両の運転席側もしくは助手席側を向いている、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第2の表示領域が向いている側の座席に着席している乗員がいると
きに、前記接触操作を受け付ける、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記車両の走行状態を取得し、前記走行状態に基づいて前記車両が走行している場合、前記第2の表示領域に表示をせず、前記接触操作を受け付ける、
請求項8に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乗用車などの車両において、運転者や同乗者に情報等を伝えるために、ディスプレイが搭載される。車両に搭載されるディスプレイは、一般的には、平面ディスプレイである。当該ディスプレイは、入力操作用のタッチパネルを含むことが多い。ディスプレイのタッチパネルは、例えば、カーナビゲーションシステムの操作、カーオーディオの操作、カーエアコンの操作に使用され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-186522号公報
【特許文献2】特開2015-179362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両に搭載されるディスプレイのタッチパネルには凹凸がないため、タッチパネルを介して操作をしようとする運転者等は触覚により位置を判別することは難しい。また、停車中における運転者による操作や、同乗者による操作であっても、1つのディスプレイ上に多くの情報(操作ボタン等)が表示されることで、目的の情報(操作ボタン等)を見つけにくくなるという問題がある。即ち、1つのディスプレイ上に多くの情報(操作ボタン等)が表示されることで、所望の操作を行うことが難しくなるという問題がある。車両の運転者等が、視線をディスプレイにほとんど向けることなく、カーナビゲーションシステム等を操作できることが望ましい。
【0005】
本件開示の技術は、所望の操作を行い易くする情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
即ち、第1の態様は、表示部と、制御部とを備える情報処理装置である。表示部は、少なくとも1つの折り曲げ部によって分割される2以上の表示領域を有する。制御部は、2
以上の表示領域のうち、第1の表示領域に第1の機能に対応する画面を表示し、第1の表示領域と隣接する第2の表示領域に、第1の機能とは異なる第2の機能を含む複数の機能に対応する画面を積層表示する。
【0007】
開示の態様は、プログラムが情報処理装置によって実行されることによって実現されてもよい。即ち、開示の構成は、上記した態様における各手段が実行する処理を、情報処理装置に対して実行させるためのプログラム、或いは当該プログラムを記録した情報処理装置が読み取り可能な記録媒体として特定することができる。また、開示の構成は、上記した各手段が実行する処理を情報処理装置が実行する方法をもって特定されてもよい。開示の構成は、上記した各手段が実行する処理を行う情報処理装置を含むシステムとして特定されてもよい。なお、情報処理装置は、例えば、コンピュータである。コンピュータは、パソコンやサーバと呼ばれることもある。
【発明の効果】
【0008】
開示の技術によれば、複数の表示領域が角度をもって配置されることで、運転者から見て、あたかも前後方向に立体的に重なっているかのような視覚効果を与えることができる。これにより、所望の操作を行い易くする情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る車載システム10の構成例を示す図である。
図2図2は、ディスプレイ122の正面図を示す図である。
図3図3は、図2のAA断面図である。
図4図4は、ディスプレイ122の斜視図を示す図である。
図5図5は、車載装置100の動作フローの例を示す図である。
図6図6は、ディスプレイ122の表示例1を示す図である。
図7図7は、図6のディスプレイ122の表示例1の第1平面領域301、第2平面領域302を正面から見た図の例を示す図である。
図8図8は、ディスプレイ122の表示例2を示す図である。
図9図9は、ディスプレイ122の表示例3を示す図である。
図10図10は、ディスプレイ1122の正面図を示す図である。
図11図11は、図10のAA断面図である。
図12図12は、ディスプレイ1122の斜視図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、発明の構成は、開示の実施形態の具体的構成に限定されない。発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0011】
〈構成例〉
図1は、本実施形態に係る車載システム10の構成例を示す図である。図1の車載システム10は、車載装置100、車両制御装置200を含む。図1の車載システム10は、運転席、助手席を有する乗用車などの車両に搭載される。車載装置100は、制御部102、記憶部104、入出力IF(Interface)106、通信IF(Interface)108、ディスプレイ122、タッチパネル124を含む。記憶部104、入出力IF106、通信IF108は、互いにバスによって接続される。ディスプレイ122、タッチパネル124は、入出力IF106を介して、制御部102等と接続される。車載装置100は、例えば、コンピュータを搭載する装置などによって実現され得る。車載装置100は、車両の目的地までの経路を案内するナビゲーション機能、車両で撮影された映像を記録媒体に記録するドライブレコーディング機能、オーディオデータやビデオデータを再生する再生機能を備えてもよい。また、車載装置100は、テレビ放送波又はラジオ放送波を受信して受信放送波による映像又は音声を出力する機能、車両のエアコンディショナ(エアコン)を調節するエアコン調節機能を備えてもよい。また、車載装置100は、他の各種の機能を備えてもよい。車載装置100は、情報処理装置の一例である。
【0012】
車載装置100は、ディスプレイ122に所定の情報(例えば、ナビゲーション機能に関する情報、再生機能に関する情報、エアコン調節機能に関する情報など)を表示し、タッチパネル124により、運転者等の利用者による入力を受け付ける。
【0013】
制御部102は、車載装置100全体の制御を行う中央処理演算装置(Central Processing Unit)である。制御部102はプロセッサとも呼ばれる。ただし、制御部102は
、単一のプロセッサに限定されるものではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一の制御部102がマルチコア構成であってもよい。制御部102は、記憶部104に記憶されたプログラムを作業領域に実行可能に展開し、プログラムの実行を通じて周辺機器等の制御を行うことで所定の目的に合致した機能を
提供する。制御部102は、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の専用LSI(Large Scale Integration)、その他のデジタル回路等を含んでもよい。
【0014】
記憶部104は、制御部102が使用するプログラムやデータを記憶し、作業領域を展開し、動作の設定情報などを記憶する記録媒体である。記憶部104は、例えば、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard-disk Drive)、SSD(Solid State Drive)である。また、記憶部104は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ、USBメモリ、S
D(Secure Digital)メモリカード等である。また、記憶部104は、コンピュータ等が読み取り可能な可搬型記録媒体及び当該記録媒体にデータ等を読み書き可能なドライブ装置等の装置を含みうる。
【0015】
入出力IF106は、ディスプレイ122などの装置との間でデータの入出力を行うインタフェースである。入出力IF106は、キーボード、リモートコントローラ(リモコン)、ポインティングデバイス、タッチパネル124などの入力装置などと接続される。また、入出力IF106は、ディスプレイ122、スピーカなどの出力装置などと接続される。制御部102は、入出力IF106を介して、ディスプレイ122、タッチパネル124と通信する。入出力IF106と、ディスプレイ122、タッチパネル124とは、有線で通信可能に接続されても、無線(電波、赤外線など)で通信可能に接続されてもよい。
【0016】
通信IF108は、通信ネットワーク等を介して車両制御装置200等の他の情報処理装置などと通信をする通信インタフェースである。通信IF108は、他の情報処理装置などと、無線LAN、Bluetooth(登録商標)などの周知の無線通信規格により無線通信可能に接続され得る。また、通信IF108は、CAN(Controller Area Network)などの車載ネットワークに接続され、車両に設けられる他の装置と通信し得る。
【0017】
ディスプレイ122は、映像や文字情報を表示する表示装置である。ディスプレイ122は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Organic Electroluminescence)パネル等である。ディスプレイ122は、例えば、車両の前方中央部分に設置さ
れるCID(Central Information Display)である。ここでは、ディスプレイ122は
、有機ELの一種である曲面OLED(Organic Light Emitting Diode)とする。曲面OLEDは、表示面を曲面とすることができるディスプレイである。ディスプレイ122として、表示面を曲面とすることができる他のディスプレイが使用されてもよい。CIDは、主として、車両の運転者、助手席の乗員に向けて、各種情報等を表示する。ディスプレイ122は、表示部の一例である。
【0018】
図2は、ディスプレイ122の正面図の例を示す図である。図3は、図2のAA断面図である。図4は、ディスプレイ122の斜視図の例を示す図である。図2のディスプレイ122は、第1平面領域301、第2平面領域302、折り曲げ領域311を含む。折り曲げ領域311は、ディスプレイ122の折り曲げ加工された部分である。折り曲げ領域311は、第1平面領域301と第2平面領域302とを接続する。第1平面領域301、第2平面領域302は、平面の表示面である。折り曲げ領域311は、第1平面領域301と第2平面領域302との間に存在する曲面の表示面である。ディスプレイ122は、各平面領域と折り曲げ領域とをまたいで画像や文字情報を表示することができる。ディスプレイ122は、2以上の折り曲げ領域、3以上の平面領域を有してもよい。第1平面領域301、第2平面領域302は、表示領域の例である。
【0019】
図2のディスプレイ122は、折り曲げ領域311により、平面領域を分割する。折り
曲げ領域311は、横長の長方形の縦辺に平行な直線で山折りをした領域である。折り曲げ領域311は、横長の長方形の縦辺に平行でなくてもよい。また、折り曲げ領域311は直線でなくてもよく、例えば複数の点を直線で連続的に結ぶ折れ線状であってもよく、弧を描くように結ぶ曲線状であってもよい。
【0020】
図2の例では、第1平面領域301、第2平面領域302は長方形形状である。各平面領域の形状は、これらに限定されるものではない。図3において、ディスプレイ122の表示面は、下側の面である。第1平面領域301、第2平面領域302は、接続する折り曲げ領域311と滑らかに接続することが好ましい。折り曲げ領域311をはさむ第1平面領域301の平面と第2平面領域302の平面とは、非平行である。ディスプレイ122の第1平面領域301の表示面は、正面(車両の後方)を向いている。即ち、ディスプレイ122の第1平面領域301の表示面は、左側座席(助手席)の乗員、右側座席(運転席)の乗員(運転者)の両方にとって見やすい表示面である。第2平面領域302の表示面は、右側座席(運転席)の乗員(運転者)の方を向いている。即ち、第2平面領域302の表示面は、運転者にとって見やすい表示面である。図4は、右側座席の乗員(運転席の運転者)からディスプレイ122を見た場合の斜視図である。第2平面領域302の表示面が運転者の方を向いているとは、運転者の頭部の眼から第2平面領域302への直線と、第2平面領域302の表示面の法線とのなす角度が、所定角度(例えば30度)以内であることをいう。ここでは、第2平面領域302は、運転者に向けられるとしているが、助手席の乗員に向けられるものであってもよい。
【0021】
折り曲げ領域311は、表示面側に折り曲げられるものであっても、表示面の裏側に折り曲げられるものであってもよい。表示面側に折り曲げられている折り曲げ領域を、谷折りの折り曲げ領域という。表示面の裏側に折り曲げられている折り曲げ領域を、山折りの折り曲げ領域という。ここでは、折り曲げ領域311は、第2平面領域302を第1平面領域301の表示面の裏側に折り曲げた、山折りの折り曲げ領域である。別の言い方をすればディスプレイ122を表示面側から見たときに、折り曲げ領域が手前側に凸になっているものが山折りの折り曲げ領域であり、折り曲げ領域が奥側に凹になっているものが谷折りの折り曲げ領域である。
【0022】
各折り曲げ領域の断面は、例えば、円弧である。折り曲げ領域の曲率半径は、利用者が折り曲げ領域を指で触れた際に、折り曲げ領域を認識できる程度の曲率半径である。折り曲げ領域の曲率半径は、例えば、20mm以下である。折り曲げ領域の曲率半径は、好ましくは、10mm以下である。折り曲げ領域の曲率半径は、利用者の指の太さと同程度、もしくは、利用者の指の太さよりも小さいことが望ましい。折り曲げ領域の曲率半径が小さくなるほど、利用者は折り曲げ領域を認識しやすくなる。折り曲げ領域の曲率半径が大きすぎると、利用者が折り曲げ領域を指で触れても、折り曲げ領域を認識しにくくなる。折り曲げ領域の断面が円弧でない場合、折り曲げ領域の最小の曲率半径が上記のようであればよい。また、各平面領域の表示面は、折り曲げ領域の曲率半径よりも十分大きい曲率半径(例えば200mm以上)を有する曲面であってもよい。
【0023】
タッチパネル124は、ディスプレイ122の表面(表示面)に設けられる入力装置である。タッチパネル124は、例えば、利用者の指などの身体の一部が操作面に接触する際の静電容量の変化に基づいて、接触位置を検出する静電容量方式のタッチパネルである。身体の一部は、手の指、手のひら、手の甲などの部位である。タッチパネル124は、静電容量方式に限定されるものではなく、光学方式などの他の方式のタッチパネルであってもよい。タッチパネル124は、ディスプレイ122の各平面領域、各折り曲げ領域の表示面に沿って設けられる。タッチパネル124は、ディスプレイ122の表示面に沿って座標系を定められ、接触位置を当該座標系のおける座標として出力する。各座標は、表示面の各位置に対応する。タッチパネル124は、検出部の一例である。ここでは、タッ
チパネル124は、少なくとも、各折り曲げ領域に設けられればよい。タッチパネル124は、ディスプレイ122に含まれてもよい。タッチパネル124を含んだディスプレイ122は、表示部の一例である。
【0024】
車両制御装置200は、車載装置100等が搭載される車両の走行を制御する装置である。車両制御装置200は、車載装置100の要求に応じて、車両の走行状態(車両の走行スピードなど)や、助手席や運転席などの座席に乗員が着席しているか否かなどの情報を、車載装置100に出力する。車両制御装置200は、周知の手段により、車両の速さ(走行スピード)の情報を、車両内のセンサなどから取得し得る。車両制御装置200は、各座席に乗員が着席しているか否かの情報を、例えば、各座席に設置される重量センサ等により取得し得る。
【0025】
なお、上記の構成要素はそれぞれ複数に設けられてもよいし、一部の構成要素を設けないようにしてもよい。また、上記の構成要素は、車両に搭載される装置(例えば、カーナビゲーションシステム等)の構成要素に含まれるとしてもよい。
【0026】
〈動作例〉
車載装置100の動作例を説明する。ここでは、車載装置100がタッチパネル124に対する操作(タッチ操作)を検出する方法について説明する。
【0027】
図5は、車載装置100の動作フローの例を示す図である。図5の動作フローは、車載装置100が搭載される車両の電気系統がONとなった場合、処理の開始の指示を受けた場合などに開始される。また、図5の動作フローは、車載装置100が搭載される車両の電気系統がOFFとなった場合、処理の終了の指示を受けた場合などまで、繰り返し実行される。ディスプレイ122の第1平面領域301には、例えば、利用者(運転者など)等による選択などにより、あらかじめ、ナビゲーション機能に関する情報、再生機能に関する情報、エアコン調節機能に関する情報などの画面が表示されているとする。また、ディスプレイ122の第2平面領域302には、利用者によって選択されていない、複数の他の機能に関する情報が、機能ごとに1つの画面として表示されている。第1平面領域301、第2平面領域302に表示される機能は、ここに記載したものに限定されるものではない。また、ディスプレイ122の第2平面領域302には、第1平面領域301に表示される機能に関する複数の情報が、情報ごとに1つの画面として表示されてもよい。第2平面領域302に表示されるそれぞれの画面は、積層されて表示されている。例えば、再生機能に関する情報は、再生されるコンテンツの再生位置を示すシークバーや、コンテンツの再生、一時停止、スキップなどを示すボタン、音量を調節するスライドバーの画像などである。また、エアコン調節機能に関する情報は、エアコンの風量を調節するスライドバー、エアコンの設定温度を調整するスライドバー、車両内の温度を示す温度情報などである。シークバー、ボタンの画像、スライドバーなどは、タッチパネル124への操作により、再生機能やエアコン調節機能などに対する操作がされ得る。また、第2平面領域302に表示される、再生機能に関する情報として再生可能なコンテンツの画面、ナビゲーション機能に関する情報として経路上の交差点の画面などが挙げられる。
【0028】
S101では、車載装置100の制御部102は、タッチパネル124に対する入力操作を検出したか否かを判定する。運転席に着席する乗員(運転者)や助手席に着席する乗員などの利用者が、ディスプレイ122の表面に設けられるタッチパネル124に、操作のために、指などで接触すると、タッチパネル124は当該接触を検出する。制御部102は、入出力IF106を介して、タッチパネル124で検出された位置の情報を取得する。取得する位置の情報は、タッチパネル124によって所定時間に検出されたすべての情報であってもよい。制御部102は、タッチパネル124から、検出された位置の情報を取得したか否かで、タッチパネル124への入力操作を検出したか否かを判定する。タ
ッチパネル124への入力操作を検出した場合(S101;YES)、処理がS102に進む。タッチパネル124への入力操作を検出しない場合(S101;NO)、処理が終了する。この場合、図5の動作フローが繰り返し実行される。
【0029】
S102では、制御部102は、タッチパネル124から取得した情報に基づいて、タッチパネル124に対する操作の態様を判定する。制御部102は、例えば、折り曲げ領域311または折り曲げ領域311の周辺の位置において、接触状態を検出する時間が所定値未満の場合に、折り曲げ領域311の当該位置においてタップ操作がされたと判定する。折り曲げ領域311の周辺の位置とは、例えば、折り曲げ領域311から5mm以内の位置である。また、制御部102は、折り曲げ領域311のある位置から折り曲げ領域311に沿って、接触位置が移動した場合に、折り曲げ領域311に対するスライド操作と判定する。また、制御部102が検出する操作は、いずれかの平面領域のタッチパネル124に対する操作であってもよい。タッチパネル124に対する操作は、接触操作の例である。
【0030】
図6は、ディスプレイ122の表示例1を示す図である。図6の例では、運転席の運転者から見たディスプレイ122の斜視図が示されている。図6の例では、第1平面領域301に、利用者によって選択された機能に関するメイン画面401が表示されている。第2平面領域302に、利用者によって選択されていない機能に関する複数の画面が表示されている。第2平面領域302に表示される画面は、機能Aに関する第1画面411、機能Bに関する第2画面412、機能Cに関する第3画面413である。第1画面411、第2画面412、第3画面413はそれぞれ機能A、機能B、機能Cのために設けられた表示領域であり、ウィンドウシステムにおける個々のウィンドウに相当する(以下の説明においても同様)。選択された機能は、例えば車両の周囲を撮影したカメラ画像を表示する機能である。選択されていない機能(機能A、機能B、機能C)は、例えば、道案内をするナビゲーション機能、コンテンツを再生する再生機能、エアコンを調節するエアコン調節機能などである。すなわち、第1平面領域301に表示さるメイン画面401、第2平面領域302に表示される第1画面411、機能Bに関する第2画面412、機能Cに関する第3画面413は、それぞれ異なる機能に関する画面の例である。なお、第2平面領域302に表示される画面の一つにメイン画面401に表示される機能に関する画面が含まれていてもよい。第1画面411、第2画面412、第3画面413は、積層されて表示される。積層表示とは、1つの画面の一部が他の画面の一部と重なって表示されることである。2つの画面が重なる部分において、一方の画面は表示されない。積層表示されることで、多くの機能に関する画面(多くの機能に対応する画面)が表示され得る。図6の例では、運転者からディスプレイ122を見た際、第1平面領域301に表示されるメイン画面401、第2平面領域302に表示される、第1画面411、第2画面412、第3画面413が、4枚の長方形の板を平行に配置したように立体的に見える。すなわち、折り曲げ領域311を境に第1平面領域301と第2平面領域302とが角度をもって配置されているために、第2平面領域302に平面的に重なって表示されている第1画面411、第2画面412、第3画面413が、メイン画面401の奥側に、あたかも前後方向に立体的に重なっているかのような視覚効果を与えることが出来る(以下の説明においても同様)。折り曲げ領域311、第1平面領域301に、第1画面411等の一部が表示されてもよい。
【0031】
図7は、図6のディスプレイ122の表示例1の第1平面領域301、第2平面領域302を正面から見た図の例を示す図である。第1平面領域301に表示されるメイン画面401では、長方形の枠内に、利用者によって選択された機能に関する情報が表示される。一方、第2平面領域302に表示される、第1画面411では、メイン画面401のような長方形の枠の上辺及び下辺を左上がりに変形した平行四辺形の枠に、機能1に関する情報の一部が表示される。第2平面領域302に表示される、第2画面412、第3画面
413についても同様である。第1画面411、第2画面412、第3画面413は、積層されて表示されるため、画面の一部が他の画面によって隠れる。よって、第1画面411、第2画面412、第3画面413では、それぞれの機能に関する情報のすべては表示されない。また、第1画面411、第2画面412、第3画面413において、各機能に関する情報を含む画面が、長方形の枠の上辺及び下辺を左上がりに変形した平行四辺形の枠内に表示される。これにより、車載装置100は、ディスプレイ122を運転席の運転者から見た場合に、図6のように、メイン画面401、第1画面411、第2画面412、第3画面413を、4枚の長方形の板を平行に配置したように、立体的に見せることができる。
【0032】
図8は、ディスプレイ122の表示例2を示す図である。図8の例では、運転席の運転者から見たディスプレイ122の斜視図が示されている。図8の例では、第1平面領域301に、利用者によって選択された再生機能に関するメイン画面501が表示されている。メイン画面501には、再生中のコンテンツ「曲Z」を示す画像521、コンテンツの再生位置を示すシークバー522が表示されている。また、シークバー522には、再生位置を変更するスライダ523が表示されている。メイン画面501にはさらに、コンテンツを巻き戻すボタン524、コンテンツの一時停止をするボタン525、コンテンツを早送りするボタン526が表示されている。また、図8の例では、第2平面領域302に、再生中でないコンテンツ(再生可能なコンテンツ)である「曲A」、「曲B」、「曲C」を示す画像を表示する画面(第1画面511、第2画面512、第3画面513)が、積層されて表示される。積層されることで、多くのコンテンツを示す画像が表示され得る。「曲A」を示す画像には、例えば、「曲A」が収録された媒体のジャケット写真の画像などが表示される。コンテンツを示す第1画面511、第2画面512、第3画面513は、それぞれ、メイン画面501に表示されている機能(ここでは再生機能)に関連する機能に対応する画面の例である。具体的には、コンテンツを示す第1画面511、第2画面512、第3画面513は、メイン画面501に表示される再生機能によって操作される機能の画面の例である。また、第1画面511、第2画面512、第3画面513が、複数の曲を含むアルバムを示す画像であってもよい。
【0033】
第2平面領域302に表示される第1画面511、第2画面512、第3画面513は、現在再生中の曲(アルバム)の画面が最前面に表示され、次に再生される曲(アルバム)、その次に再生される曲(アルバム)の画面が順次手前側から奥側に向かって重なるように表示されてもよい。この場合、現在再生中の曲(アルバム)の再生が終わったら、その曲(アルバム)の画面を消去して、次に再生される曲(アルバム)の画面が最前面に来るように、順序を入れ換えてもよい。その場合、一番奥に表示されていた画面に表示されていた曲(アルバム)のさらに次に再生される曲(アルバム)の画面を、一番奥の画面のさらに奥側に新たに追加してもよい。このようにすることで、利用者は再生される曲(アルバム)が順次手前にせり出してくるような視覚効果を得ることが出来、直感的に再生位置を把握することが出来る。
【0034】
また、メイン画面501に複数の曲を含むアルバムを示す画像が表示されているときに、第1画面511、第2画面512、第3画面513には、メイン画面501に表示されているアルバムに含まれる複数の曲を表す画像(例えばトラック番号、曲名、再生時間等を表す画像)が表示されてもよい。この場合、第1画面511、第2画面512、第3画面513は、メイン画面501に表示されている機能(項目)の下位に含まれる機能(項目)の画面の例である。
【0035】
図9は、ディスプレイ122の表示例3を示す図である。図9の例では、運転席の運転者から見たディスプレイ122の斜視図が示されている。図9の例では、第1平面領域301に、利用者によって選択されたナビゲーション機能に関するメイン画面601が表示
されている。メイン画面601には、ナビゲーション機能における地図が表示されている。また、第2平面領域302には、目的地までの分岐となる交差点(車両のルート上の現在位置から進行方向に向かって存在する分岐点)など(「交差点A」、「交差点B」、「交差点C」、「交差点D」)を示す画面(第1画面611、第2画面612、第3画面613、第4画面614)が、積層されて表示される。積層されることで、多くの分岐を示す画面が表示され得る。制御部102は、ナビゲーション機能において、分岐が近づいた場合に、当該分岐となる交差点などの画面を、第2平面領域302に拡大表示してもよい。運転者に向いた第2平面領域302に拡大表示されることで、運転者は、当該分岐となる交差点などの画面を確認しやすくなる。分岐となる交差点などを示す第1画面611、第2画面612、第3画面613、第4画面614は、メイン画面601に表示されている機能(ここではナビゲーション機能)に関連する機能に対応する画面の例である。分岐となる交差点などを示す第1画面611、第2画面612、第3画面613、第4画面614は、メイン画面601に表示されるナビゲーション機能によって操作される機能の画面の例である。
【0036】
分岐となる交差点などを示す第1画面611、第2画面612、第3画面613、第4画面614は、地図上の現在位置から目的地までのルート上の近い方から順に手前から奥に重なるように配置されていてもよい。そして、車両がルート上を進行するにつれて、すでに通過した交差点の画像が消去され、次に通過する交差点の画面が一番手前に来るように、順序を繰り上げて表示してもよい。この場合、すでに通過した交差点の画像(ここでは第1画面611)が消去されると、第2平面領域302に表示されている画面は第2画面612、第3画面613、第4画面614の3枚となるが、その場合に、一番遠くにある交差点の画像(ここでは第4画面614)の奥に重なるように、第4画面614に表示されている交差点のさらに次に通過する交差点の画像を新たに追加してもよい。このようにすることで、運転者は、車両が進行するにつれ、順次、次に通過する交差点が、第2平面領域302に、奥側から手前側に迫り出してくるように立体的に表示されているように感じることが出来る。すなわち、車両の進行と、第2平面領域302に表示されている画像が連動しているように感じられ、これから通過する交差点と自身との位置関係を直感的に把握することが出来る。なお、第1画面611等に表示される画像は分岐となる交差点などを示す画像に限られず、ルート上の現在位置から進行方向に向かって存在する施設やランドマーク(目印となる自然物や人工物)、運転者等があらかじめ登録した地点を表す画像であってもよい。このようにすることで、運転者は、分岐となる交差点だけでなくルート沿いの施設やランドマーク等との位置関係も直感的に把握することが出来る。
【0037】
また、再生機能において、第1平面領域301に映像コンテンツが表示されている際に、第2平面領域302に、当該映像コンテンツに含まれるチャプター切替ボタンが表示されてもよい。折り曲げ領域311で、第1平面領域301と区画された第2平面領域302にチャプター切替ボタンの表示がされることで、当該表示が第1平面領域301で表示される映像コンテンツの視聴の妨げとなりにくくなる。また、テレビ放送視聴機能において、第1平面領域301にテレビ放送が表示されている際に、第2平面領域302に、チャンネル切替ボタンが表示されてもよい。折り曲げ領域311で、第1平面領域301と区画された第2平面領域302にチャンネル切替ボタンの表示がされることで、当該表示が第1平面領域301で表示されるテレビ放送の視聴の妨げとなりにくくなる。また、車載装置100は、第2平面領域302に、電話の着信通知、電子メール等の受信通知、運転アドバイス、車両異常通知、パスワード入力画面などを表示することができる。第2平面領域302は、助手席の乗員から見にくいため、助手席の乗員に見られたくない、運転者に優先的に見てほしい、電話の着信通知等の情報を表示するのに適している。
【0038】
S103では、制御部102は、S102で検出した操作態様に基づいて、所定の処理を行う。
【0039】
ここでは、図6のように、第1平面領域301に、利用者によって選択された機能に関するメイン画面401が表示され、第2平面領域302に、利用者によって選択されていない機能に関する複数の画面が表示されているとする。当該複数の画面は、機能Aに関する第1画面411、機能Bに関する第2画面412、機能Cに関する第3画面413であるとする。このとき、制御部102は、第2平面領域302の第1画面411が表示される位置に利用者が指等を接触させる操作(タップ操作)を検出した場合、第1画面411に表示される機能(機能1)に関する情報をメイン画面401に表示する。さらに、メイン画面401に表示されていた機能に関する情報を、第1画面411に表示する。これにより、元々第1画面411に表示されていた機能(機能2)が、選択されたことになる。利用者は、新たにメイン画面401に表示される機能を操作することができる。第2画面412が表示される位置に利用者が指等を接触させる操作(タップ操作)を検出した場合、第3画面413が表示される位置に利用者が指等を接触させる操作(タップ操作)を検出した場合についても同様である。
【0040】
また、制御部102は、第2平面領域302の第1画面411が表示される位置に利用者が指等を接触させて移動する操作を検出した場合、第1画面411と、第2画面412や第3画面413と、表示位置を入れ替える。例えば、制御部102は、第1画面411の位置における指等の接触、第2画面412の位置への移動を検出した場合、第1画面411と、第2画面412との表示位置を入れ替える。これにより、制御部102は、第2平面領域302に、表示する画面の表示順序(位置)を入れ替えることができる。
【0041】
ここでは、図8のように、第1平面領域301に、利用者によって選択された再生機能に関するメイン画面501が表示されているとする。メイン画面501には、再生中のコンテンツ「曲Z」を示す画像521、コンテンツの再生位置を示すシークバー522が表示されているとする。また、シークバー522には、再生位置を変更するスライダ523が表示されているとする。メイン画面501にはさらに、コンテンツを巻き戻すボタン524、コンテンツの一時停止をするボタン525、コンテンツを早送りするボタン526が表示されているとする。このとき、制御部102は、利用者が、ボタン524が表示される位置に指等を接触させる操作を検出した場合、コンテンツを巻き戻し、ボタン524を押したことを示す表示(例えば、反転表示)をする。制御部102は、利用者がボタン525が表示される位置に指等を接触させる操作を検出した場合、再生されているコンテンツを一時停止し、ボタン525を押したことを示す表示(例えば、反転表示)をする。また、制御部102は、利用者が、ボタン526が表示される位置に指等を接触させる操作を検出した場合、コンテンツを早送りし、ボタン526を押したことを示す表示(例えば、反転表示)をする。
【0042】
さらに、制御部102は、利用者がシークバー522に沿って指等を接触させたまま移動させる操作を検出した場合、再生中のコンテンツを進めたり巻き戻したりする。同時にシークバー522上のスライダ523を指等に沿って移動させる。
【0043】
また、制御部102は、第2平面領域302の第1画面511が表示される位置に利用者が指等を接触させる操作(タップ操作)を検出した場合、第1画面511をメイン画面401に表示する。即ち、利用者によって、第1画面511に対応するコンテンツ「曲A」が選択されていることを意味する。さらに、制御部102は、第1画面511に表示されるコンテンツ(曲A)を再生する。第2画面512、第3画面513についても同様である。また、制御部102は、折り曲げ領域311に利用者が指等を接触させたまま折り曲げ領域311に沿って移動させる操作を検出した場合、接触させた位置に応じて、第1画面511、第2画面512、第3画面513のいずれかの画像を第2平面領域302に拡大表示してもよい。利用者は、第2平面領域302に拡大表示された画像を確認、選択
しやすくなる。また、制御部102は、折り曲げ領域311に利用者が指等を接触させたまま折り曲げ領域311に沿って移動させる操作を検出した場合、第1画面511、第2画面512、第3画面513の表示順序を入れ替えてもよい。利用者は、表示順序が入れ替わることで、手前(第1画面511の位置)に表示される画像を見やすくすることができる。
【0044】
ここで、第1画面511、第2画面512、第3画面513が、複数の曲を含むアルバムを示す画像であるとする。このとき、制御部102は、第2平面領域302の第1画面511が表示される位置に利用者が指等を接触させる操作(タップ操作)を検出した場合、第1画面511に対応するアルバムに含まれる曲を示す複数の画像を第2平面領域302に表示する。すなわち、第1画面511、第2画面512、第3画面513に、複数の曲を含むアルバムを示す画像に代えて、第1画面511に表示されていた画像に対応するアルバムに含まれる曲を示す複数の画像(例えばトラック番号、曲名、再生時間等)を表示する。この後の処理は、上記の例と同様である。これにより、車載装置100は、再生機能の選択項目であるアルバムの下位の選択項目である曲を選択させることができる。利用者は、複数の曲を含むアルバムと、選択されたアルバムの下位の選択項目である曲とが表示されることで、より多くの選択項目(曲)から所望の項目(曲)を選択することができる。
【0045】
ここでは、図9のように、第1平面領域301に、利用者によって選択されたナビゲーション機能に関するメイン画面601が表示されているとする。メイン画面601には、ナビゲーション機能における地図が表示されているとする。また、第2平面領域302には、目的地までの分岐となる交差点など(「交差点A」、「交差点B」、「交差点C」、「交差点D」)を示す画面(第1画面611、第2画面612、第3画面613、第4画面614)が、積層されて表示されるとする。このとき、制御部102は、第2平面領域302の第1画面611が表示される位置に利用者が指等を接触させる操作(タップ操作)を検出した場合、第1画面611(即ち、交差点Aの画像)を、第2平面領域302に拡大表示する。第2画面612、第3画面613、第4画面614についても同様である。また、制御部102は、折り曲げ領域311に利用者が指等を接触させる操作を検出した場合、接触させた位置に応じて、第1画面611、第2画面612、第3画面613、第4画面614のいずれかの画像を第2平面領域302に拡大表示してもよい。利用者は、第2平面領域302に拡大表示された画像を確認、選択しやすくなる。また、制御部102は、折り曲げ領域311に利用者が指等を接触させたまま折り曲げ領域311に沿って移動させる操作を検出した場合、第1画面611、第2画面612、第3画面613、第4画面614の表示順序を入れ替えてもよい。利用者は、表示順序が入れ替わることで、手前(第1画面611の位置)に表示される画像を見やすくすることができる。
【0046】
上記のようにして、タッチパネル124に対する利用者の指等の接触が、タッチパネル124に対する利用者による操作として制御部102によって受け付けられる。即ち、利用者の操作により、所定の処理が行われる。また、制御部102は、ディスプレイ122に表示している内容に応じた操作を受け付けることができる。
【0047】
(変形例1)
運転席に乗員が存在しない場合は、運転席に向けた第2平面領域302の表示を行わなくてもよい。
【0048】
この場合、車載装置100の制御部102は、通信IF108を介して、車両制御装置200に、運転席に着席する乗員が存在するか否かを判定できる情報(着席状況)を要求する。運転席に着席する乗員が存在するか否かを判定できる情報は、例えば、運転席に設置される重量センサが示す重量の情報である。当該重量センサは、運転席の着席面に設置
され、着席面にかかる重量を測定する。ここでは、車両の運転席に着席する乗員が存在するか否かを判定できる情報は、当該重量の情報であるとする。車両制御装置200は、車載装置100から要求を受信すると、重量センサにより、運転席の着席面にかかる重量を測定する。車両制御装置200は、測定した重量の情報を車載装置100に送信する。車載装置100の制御部102は、通信IF108を介して、車両制御装置200から重量の情報を取得する。
【0049】
制御部102は、運転席の当該重量が所定値(例えば、30kg)以上であるとき、運転席に着席する乗員が存在すると判定する。制御部102は、当該重量が所定値(例えば、30kg)未満であるとき、運転席に着席する乗員が存在しないと判定する。このとき、運転席には、何もないか、乗員ではない物などが置かれていると考えられる。運転席に着席する乗員が存在しない(着席していない)と判定した場合、制御部102は、運転席に向いたディスプレイ122の第2平面領域302の表示を中止する。これにより、無用な表示をなくすことができる。制御部102は、シートベルトの使用により運転席に着席する乗員の有無を判定してもよいし、車内カメラの映像から判定してもよい。判定の手段はこれらに限られないものとする。運転席に着席する乗員が存在すると判定する場合、制御部102は、タッチパネル124の折り曲げ領域311への入力操作を可能としてもよい。
【0050】
(変形例2)
車両が走行中の場合は、運転席に向けた第2平面領域302の表示を行わなくてもよい。
【0051】
この場合、制御部102は、通信IF108を介して、車両制御装置200に、車両の速さ(走行スピード)の情報(車両の走行状態の情報)を要求する。車両制御装置200は、車載装置100から要求を受信すると、車両の速さの情報を取得する。車両制御装置200は、取得した車両の速さの情報を車載装置100に送信する。車載装置100の制御部102は、通信IF108を介して、車両制御装置200から車両の速さの情報を取得する。
【0052】
制御部102は、車両の速さが所定値(例えば、1km/h)以上である場合、車両が走行していると判定する。車両が走行していると判定した場合、制御部102は、運転席に向いたディスプレイ122の第2平面領域302の表示を中止する。これにより、運転者による運転中の操作を抑制する。なお、制御部102は、表示を中止した場合でも、タッチパネル124に対する操作を受け付けてもよい。利用者は、表示がなくてもできる操作(タッチパネル124の折り曲げ領域311への操作など)を行うことができる。
【0053】
(変形例3)
図10は、ディスプレイ122の変形例であるディスプレイ1122の正面図の例を示す図である。図11は、図10のBB断面図である。図12は、ディスプレイ1122の斜視図の例を示す図である。図10のディスプレイ1122は、第1平面領域1301、第2平面領域1302、第3平面領域1303、第1折り曲げ領域1311、第2折り曲げ領域1312を含む。第1折り曲げ領域1311、第2折り曲げ領域1312は、ディスプレイ1122の折り曲げ加工された部分である。第1折り曲げ領域1311は、第1平面領域1301と第2平面領域1302とを接続する。第2折り曲げ領域1312は、第1平面領域1301と第3平面領域1303とを接続する。第1平面領域1301、第2平面領域1302、第3平面領域1303は、平面の表示面である。第1折り曲げ領域1311は、第1平面領域1301と第2平面領域1302との間に存在する曲面の表示面である。第2折り曲げ領域1312は、第1平面領域1301と第3平面領域1303との間に存在する曲面の表示面である。ディスプレイ1122は、各平面領域と各折り曲
げ領域とをまたいで画像や文字情報を表示することができる。第1平面領域1301、第2平面領域1302、第3平面領域1303は、表示領域の例である。
【0054】
図10のディスプレイ1122は、第1折り曲げ領域1311、第2折り曲げ領域1312により、平面領域を分割する。第1折り曲げ領域1311、第2折り曲げ領域1312は、横長の長方形の縦辺に平行な直線で山折りをした領域である。第1折り曲げ領域1311、第2折り曲げ領域1312は、横長の長方形の縦辺に平行でなくてもよい。また、第1折り曲げ領域1311、第2折り曲げ領域1312は直線でなくてもよく、例えば複数の点を直線で連続的に結ぶ折れ線状であってもよく、弧を描くように結ぶ曲線状であってもよい。
【0055】
図10の例では、第1平面領域1301、第2平面領域1302、第3平面領域1303は長方形形状である。各平面領域の形状は、これらに限定されるものではない。図11において、ディスプレイ1122の表示面は、下側の面である。第1平面領域1301、第2平面領域1302は、接続する第1折り曲げ領域1311と滑らかに接続することが好ましい。第1平面領域1301、第3平面領域1303は、接続する第2折り曲げ領域1312と滑らかに接続することが好ましい。第1折り曲げ領域1311をはさむ第1平面領域1301の平面と第2平面領域1302の平面とは、非平行である。第2折り曲げ領域1312をはさむ第1平面領域1301の平面と第3平面領域1303の平面とは、非平行である。ディスプレイ1122の第1平面領域1301の表示面は、正面(車両の後方)を向いている。即ち、ディスプレイ1122の第1平面領域1301の表示面は、左側座席(助手席)の乗員、右側座席(運転席)の乗員(運転者)の両方にとって見やすい表示面である。図12は、右側座席の乗員(運転席の運転者)からディスプレイ1122を見た場合の斜視図である。第2平面領域1302の表示面は、右側座席(運転席)の乗員(運転者)の方を向いている。即ち、第2平面領域1302の表示面は、運転者にとって見やすい表示面である。また、第2平面領域1302の表示面は、左側座席の乗員にとって見にくい表示面である。第3平面領域1303の表示面は、左側座席(助手席)の乗員の方を向いている。即ち、第3平面領域1303の表示面は、左側座席の乗員にとって見やすい表示面である。また、第3平面領域1303の表示面は、運転席の乗員(運転者)にとって見にくい表示面である。第2平面領域1302の表示面が運転者の方を向いているとは、運転者の頭部の眼から第2平面領域1302への直線と、第2平面領域1302の表示面の法線とのなす角度が、所定角度(例えば30度)以内であることをいう。また、第3平面領域1303の表示面が左側座席の乗員の方を向いているとは、左側座席の乗員の頭部の眼から第3平面領域1303への直線と、第3平面領域1303の表示面の法線とのなす角度が、所定角度(例えば30度)以内であることをいう。
【0056】
第1折り曲げ領域1311、第2折り曲げ領域1312は、表示面側に折り曲げられるものであっても、表示面の裏側に折り曲げられるものであってもよい。表示面側に折り曲げられている折り曲げ領域を、谷折りの折り曲げ領域という。表示面の裏側に折り曲げられている折り曲げ領域を、山折りの折り曲げ領域という。ここでは、第1折り曲げ領域1311は、第2平面領域1302を第1平面領域1301の表示面の裏側に折り曲げた、山折りの折り曲げ領域である。第2折り曲げ領域1312は、第3平面領域1303を第1平面領域1301の表示面の裏側に折り曲げた、山折りの折り曲げ領域である。別の言い方をすればディスプレイ1122を表示面側から見たときに、折り曲げ領域が手前側に凸になっているものが山折りの折り曲げ領域であり、折り曲げ領域が奥側に凹になっているものが谷折りの折り曲げ領域である。
【0057】
ディスプレイ1122の各折り曲げ領域の断面は、上記のディスプレイ122の折り曲げ領域311の断面と同様である。また、各平面領域の表示面は、折り曲げ領域の曲率半径よりも十分大きい曲率半径(例えば200mm以上)を有する曲面であってもよい。
【0058】
(実施形態の作用、効果)
本実施形態の車載装置100は、平面の表示面である第1平面領域301、第2平面領域302、曲面の表示面である折り曲げ領域311を含むディスプレイ122を備える。第2平面領域302の表示面は、運転席の運転者に向けられている。折り曲げ領域311は、第1平面領域301と第2平面領域302とを接続する。車載装置100は、第2平面領域302に、第1平面領域301に表示される機能に関連する、複数の機能(コンテンツなどを含む)に関する画面を表示する。また、車載装置100は、第2平面領域302に、第1平面領域301に表示される機能と異なる、複数の機能に関する画面を表示してもよい。運転者に向けられた第2平面領域302に、複数の機能に関する画面(画像)を表示することで、運転者は、これらの機能を容易に選択できる。また、車載装置100は、第2平面領域302に、複数の機能に関する画面を積層表示する。ディスプレイ122の第2平面領域302は、積層表示することで、多くの機能を表示することができる。また、第1平面領域301の表示面と平行でない第2平面領域302に複数の機能に関する画面を積層表示することで、各画面が奥行きを持って表示されるため、利用者(運転者)は、直感的にそれぞれの機能に関する画面の位置を把握しやすくなる。よって、利用者は、所望の操作を行い易くなる。
【0059】
また、ディスプレイ122には、曲面の表示面である折り曲げ領域311等に沿ってタッチパネル124が設けられる。当該曲面は、平面でないため、指などの接触によって、操作位置を認識しやすい。よって、利用者は、操作を行い易くなる。第1平面領域301、第2平面領域302、折り曲げ領域311には、所定の機能を操作するためのボタン、スライドバーなどが配置され得る。また、表示面に設けられるタッチパネル124により、ボタンなどに対する入力操作を行うことができる。このため、ディスプレイ122に視線を向けなくても、手探りで操作をできるようになる。このため、車両の運転者が運転中にディスプレイ122に視線を向けることを抑制することができる。また、ディスプレイ122が操作を受け付ける折り曲げ領域を有することで、折り曲げ領域に指等を接触させても、ディスプレイ122の表示画面が隠れにくくなり、ディスプレイ122の視認性が向上する。
【0060】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。以上の構成例、変形例は、可能な限りこれらを組み合わせて実施され得る。
【符号の説明】
【0061】
10 :車載システム
100 :車載装置
102 :制御部
104 :記憶部
122 :ディスプレイ
124 :タッチパネル
200 :車両制御装置
301 :第1平面領域
302 :第2平面領域
311 :折り曲げ領域
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