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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173202
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】収容装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 23/20 20060101AFI20241205BHJP
   A47B 61/04 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
A47L23/20 A
A47B61/04 504A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091451
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】藤井 貴英
(57)【要約】
【課題】においセンサーの検出精度を向上させることが可能な収容装置を提供する。
【解決手段】収容装置100は、収容部20と、流入部30と、流出部40と、送風部51と、においセンサー52と、制御部50とを備える。収容部20は、靴Sを収容する。流入部30は、収容部20の内部に空気を流入させる。流出部40は、収容部20の内部に流入した空気を流出させる。送風部51は、流入部30から流入した空気が流出部40から流出する空気流れを生じさせる。においセンサー52は、収容部20の内部に設けられてにおいを検出する。制御部50は、送風部51による送風を弱めた後に、においセンサー52が検出したにおい検出値を取得する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被収容物を収容する収容部と、
前記収容部の内部に空気を流入させる流入部と、
前記収容部の内部に流入した空気を流出させる流出部と、
前記流入部から流入した空気が前記流出部から流出する空気流れを生じさせる送風部と、
前記収容部の内部に設けられてにおいを検出するにおいセンサーと、
前記送風部による送風を弱めた後に、前記においセンサーが検出したにおい検出値を取得する制御部とを備えた、収容装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記送風部による送風を停止した後に、前記におい検出値を取得する、請求項1に記載の収容装置。
【請求項3】
前記制御部は、取得した前記におい検出値が予め定められた所定値以上である場合に、前記送風部による送風を強める、請求項1又は請求項2に記載の収容装置。
【請求項4】
前記においセンサーは、前記流入部に配置される、請求項1又は請求項2に記載の収容装置。
【請求項5】
前記流入部は、前記被収容物の内部に少なくとも一部が配置されるノズル部を有し、
前記においセンサーは、前記ノズル部に配置される、請求項4に記載の収容装置。
【請求項6】
前記ノズル部は、前記収容部に空気を吹き出す吹出口を有し、
前記においセンサーは、前記吹出口の近傍に配置される、請求項5に記載の収容装置。
【請求項7】
前記においセンサーは、前記ノズル部の内部に配置される、請求項5に記載の収容装置。
【請求項8】
前記制御部は、予め設定された設定時間毎に、
前記送風部による送風を弱めた後に、前記においセンサーが検出したにおい検出値を取得する、請求項1又は請求項2に記載の収容装置。
【請求項9】
前記収容部の内部に設けられ、加熱を行う加熱部をさらに備えた、請求項1又は請求項2に記載の収容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、収容装置に関し、特に、履物などの被収容物の消臭を行うことが可能な収容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、履物などを収容する収容部と、収容部の内部に空気を流入させる流入部と、収容部内で空気流れを生じさせる送風部とを備えた収容装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、靴を温風で乾燥させる靴乾燥装置が記載されている。靴乾燥装置は、靴収納箱に設けた湿度センサーと、この湿度センサーの信号によって乾燥の条件や停止を決める乾燥制御装置とからなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6-52764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、履物などの被収容物の乾燥や消臭を行う場合、湿度センサーを用いず、においセンサーの検出結果に基づいて、乾燥や消臭のための送風運転を制御することが考えられる。
【0005】
しかしながら、一般的なにおいセンサーでは、におい分子がセンサー素子に吸着されることにより、抵抗値が変化する。この抵抗値の変化量に応じて、においセンサーが出力するにおい検出値が変化する。従って、においセンサーを収容部の内部に配置し続けると、におい分子がセンサー素子に吸着された状態が続くため、履物等から発せられるにおい分子に起因する抵抗値の変化量が少なくなる。このため、においセンサーの検出精度が低下すると考えられる。よって、においセンサーの検出精度を向上させることが望まれる。
【0006】
本開示は、においセンサーの検出精度を向上させることが可能な収容装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一局面の収容装置は、収容部と、流入部と、流出部と、送風部と、においセンサーと、制御部とを備える。前記収容部は、被収容物を収容する。前記流入部は、前記収容部の内部に空気を流入させる。前記流出部は、前記収容部の内部に流入した空気を流出させる。前記送風部は、前記流入部から流入した空気が前記流出部から流出する空気流れを生じさせる。前記においセンサーは、前記収容部の内部に設けられてにおいを検出する。前記制御部は、前記送風部による送風を弱めた後に、前記においセンサーが検出したにおい検出値を取得する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、においセンサーの検出精度を向上させることが可能な収容装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の第1実施形態に係る収容装置を右前上方から見た斜視図である。
図2】扉が開かれた状態の収容装置を右前上方から見た斜視図である。
図3】収容装置の背面を上に向けた状態を示す斜視図である。
図4】収容部周辺の構成を説明するための模式図である。
図5】収容装置のブロック図である。
図6】第1実施形態の収容装置の脱臭方法を示すフローチャートである。
図7】第2実施形態の収容装置の脱臭方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、本開示の第1実施形態に係る収容装置100を右前上方から見た斜視図である。図2は、扉11が開かれた状態の収容装置100を右前上方から見た斜視図である。図3は、収容装置100の背面10bを上に向けた状態を示す斜視図である。なお、図中、方向D1は収容装置100の正面側を示し、方向D2は収容装置100の背面側を示す。本実施形態では、便宜上、収容装置100を正面側から見たときの右側を収容装置100の右側とし、その反対側を収容装置100の左側として説明する場合がある。また、収容装置100の正面側を収容装置100の前側とし、収容装置100の背面側を収容装置100の後側として説明する場合がある。方向Dは、収容装置100の前後方向を示す。方向Wは、収容装置100の幅方向を示す。また、便宜上、高さ方向Hを上下方向として説明する場合がある。ただし、上下方向、上方向、及び下方向は、説明の便宜上定めるものであり、鉛直方向に一致する必要はない。また、あくまで説明の便宜のために、右側、左側、上下方向を定義したに過ぎず、本開示に係る収容装置100の使用時及び組立時の向きを限定しない。
【0012】
図1図3に示すように、収容装置100は、本体10と、扉11とを備えている。本体10は、縦長の略直方体形状を有する。本体10は、前面10a、背面10b、上面10c、底面10d、左側面10e、および右側面10fを有する。前面10aには、開口10xが形成されている。扉11は、開口10xを開閉する。
【0013】
収容装置100は、被収容物を収容し、被収容物の乾燥および/または消臭を行う。本実施形態では、収容装置100は、被収容物を収容し、被収容物の乾燥および消臭を行う。被収容物は、例えば、履物を含む。履物は、例えば、靴S、サンダルおよび下駄を含む。靴Sは、例えば、運動靴、革靴およびブーツを含む。本実施形態では、被収容物は、靴Sである。靴Sは、本開示の「被収容物」の一例である。収容装置100は、高さ方向Hが略鉛直方向となり、方向D(前後方向)及び方向W(幅方向)が略水平方向となるように設置される。
【0014】
本体10は、靴Sを収容する収容部20を有する。本実施形態では、本体10は、複数(ここでは、4つ)の収容部20を有する。各収容部20は、靴Sを1つ(半足とも言う)収容する。複数の収容部20は、上下方向(高さ方向H)に積層される。複数の収容部20は、仕切り板によって互いに仕切られている。本実施形態では、靴Sが載置される棚板21は、仕切り板を兼ねている。
【0015】
収容部20は、本体10を構成する筐体によって形成される収容室である。筐体は、例えば、前面10a、背面10b、上面10c、底面10d、左側面10e、および右側面10fを有する。また、本実施形態では、収容部20は、筐体と、棚板21とによって構成される。なお、収容部20は、筐体および棚板21に加え、本体10の内部を仕切る仕切り壁(図示せず)等によって構成されてもよい。
【0016】
複数の収容部20の高さは、全て同一であってもよいし、同一でなくてもよい。例えば、本実施形態では、上側2つの収容部20の高さは互いに同一であり、下側2つの収容部20の高さは互いに同一である。そして、上側の収容部20の高さは、下側の収容部20の高さよりも小さい。これにより、互いに異なる高さの靴Sを収容できるとともに、収容装置100の高さが大きくなることを抑制できる。
【0017】
次に、図2図4を参照して、収容部20周辺の構成についてさらに説明する。図4は、収容部20周辺の構成を説明するための模式図である。
【0018】
図4に示すように、収容装置100は、流入部30と、流出部40とを備える。流入部30は、収容部20の内部に空気を流入させる。つまり、流入部30は、収容部20の外部の空気を収容部20の内部に流入させる。流出部40は、収容部20の内部に流入した空気を流出させる。つまり、流出部40は、収容部20の内部の空気を収容部20の外部に流出させる。
【0019】
収容装置100は、送風部51と、においセンサー52とを備える。送風部51は、流入部30から流入した空気が流出部40から流出する空気流れを生じさせる。図4では、送風部51により生じる空気流れを矢印で示している。送風部51は、例えば、送風ファンを含む。送風ファンの種類は、特に限定されるものではないが、例えば、シロッコファン、プロペラファン、または、ターボファンであってもよい。
【0020】
送風部51の配置位置は、上記空気流れを生じさせることが可能な位置であれば、特に限定されるものではない。例えば、送風部51は、流入部30の内部、または、流出部40の内部に配置されてもよい。また、例えば、送風部51は、収容部20の内部で、かつ、流入部30の後述する吹出口32aと流出部40の後述する換気口41aとの間であってもよい。本実施形態では、送風部51は、流入部30の内部に配置される。
【0021】
においセンサー52は、収容部20の内部に配置される。においセンサー52は、におい(臭気)を検出する。本実施形態では、においセンサー52は、靴Sで発生するにおいを検出する。においセンサー52は、検出したにおい検出値を後述する制御部50に送信する。
【0022】
においセンサー52の配置位置は、特に限定されるものではないが、靴Sのにおいを検出可能な位置である。例えば、においセンサー52は、靴Sの内部、靴Sの周囲に配置される。また、例えば、においセンサー52は、流入部30および/または流出部40に配置される。本実施形態では、においセンサー52は、流入部30に配置される。また、本実施形態では、においセンサー52は、流入部30の下流部に配置される。また、においセンサー52は、靴Sを収容部20に収容した状態で、靴Sの内部に配置される。
【0023】
においセンサー52は、例えば、半導体ガスセンサーを含む。半導体ガスセンサーは、酸化物半導体式のセンサーであってもよいし、有機半導体式のセンサーであってもよいが、本実施形態では、酸化物半導体式のセンサーである。においセンサー52は、センサー素子の表面における、におい分子の吸着および表面反応によって抵抗値が変化するセンサーである。本実施形態では、においセンサー52は、抵抗値の変化量をにおい検出値として出力する。
【0024】
具体的には、例えば、においセンサー52をにおいの少ない空間に配置した状態で、においセンサー52に対してにおいの強い空気(におい分子の多い空気)を当てると、センサー素子の抵抗値が大きく変化する。このため、後述する制御部50は、においが強い(におい分子が多い)と判定することが可能である。
【0025】
その一方、例えば、においセンサー52をにおいの強い空間に配置した状態で、においセンサー52に対してにおいの強い空気(におい分子の多い空気)を当てたとしても、センサー素子の抵抗値は大きく変化しない。このため、後述する制御部50は、例えば、においが弱い(におい分子が少ない)と、判定する可能性がある。つまり、においセンサー52の検出精度が低くなってしまう。
【0026】
収容装置100は、制御部50を備える。制御部50は、送風部51を含む収容装置100の各部を制御する。制御部50は、プロセッサーおよびメモリを含む。プロセッサーは、中央処理演算素子(Central Processing Unit:CPU)または特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等によって構成されるハードウェア回路である。プロセッサーは、メモリに記憶された制御プログラムを読み出して実行することによって、収容装置100の各部の動作を制御する。
【0027】
例えば、制御部50は、ユーザによって消臭運転の開始が指示されると、送風部51の運転を開始する。つまり、制御部50は、送風ファンの回転を開始する。これにより、収容装置100の外部の空気は、流入部30を通過して収容部20の内部に流入する。また、収容装置100の内部の空気は、流出部40を通過して収容装置100の外部に流出する。このようにして、流入部30から流入した空気が流出部40から流出する空気流れが、収容部20の内部で生じる。
【0028】
また、制御部50は、送風部51による送風を弱めた後に、においセンサー52が検出したにおい検出値を取得する。言い換えると、制御部50は、送風ファンの回転速度を低くした後に、においセンサー52が検出したにおい検出値を取得する。本実施形態では、制御部50は、送風部51による送風を停止した後に、においセンサー52が検出したにおい検出値を取得する。言い換えると、制御部50は、送風ファンの回転を停止した後に、においセンサー52が検出したにおい検出値を取得する。なお、本実施形態において、送風を停止することは、送風を弱めることの下位概念である。また、回転を停止すること、および、回転速度をゼロにすることは、回転速度を低くすることの下位概念である。
【0029】
本実施形態では、上記のように、収容装置100は、流入部30から流入した空気が流出部40から流出する空気流れを生じさせる送風部51と、送風部51による送風を弱めた後に、においセンサー52が検出したにおい検出値を取得する制御部50とを備える。従って、送風部51による送風を弱める前までは、収容装置100の外部から流入した空気によって、においセンサー52は、比較的においの少ない空間に配置されることになる。そして、送風部51による送風を弱めると、例えば、靴Sから発せられるにおいの強い空気がにおいセンサー52によって検出される。具体的には、においの強い空気が含まれるにおい分子がセンサー素子に吸着される。このとき、においセンサー52の抵抗値が大きく変化する。よって、においセンサー52の検出精度を向上させることができる。つまり、においセンサー52をにおいの強い空間に放置した状態で、においセンサー52に対してにおいの強い空気を当てる場合とは異なり、抵抗値の変化量が小さくなることを抑制できる。よって、においセンサー52の検出精度が低下することを抑制できる。
【0030】
また、本実施形態では、上記のように、制御部50は、送風部51による送風を停止した後に、においセンサー52が検出したにおい検出値を取得する。従って、収容装置100の外部の空気が収容部20の内部に流入することを抑制できる。よって、靴Sから発せられるにおいの強い空気が、収容装置100の外部の空気によって薄められることを抑制できる。言い換えると、靴Sから発せられるにおいが、外部からの空気によって薄められることを抑制できる。このため、においセンサー52の検出精度をより向上させることができる。
【0031】
次に、収容部20周辺の構成についてさらに詳細に説明する。図4に示すように、流入部30は、特に限定されるものではないが、例えば、ダクトを含む。流入部30は、空気の流れる方向において、上流側に配置される上流側ダクト31と、下流側に配置される下流側ダクト32とを含む。下流側ダクト32は、上流側ダクト31に接続される。なお、下流側ダクト32は、本開示の「ノズル部」の一例である。
【0032】
また、流入部30は、収容装置100の外部の空気を吸い込む吸込口31aと、空気を収容部20の内部に吹き出す吹出口32aとを有する。吸込口31aは、上流側ダクト31の上流端に配置される。吹出口32aは、下流側ダクト32の下流部に配置される。
【0033】
下流側ダクト32および吹出口32aは、収容部20毎に設けられる。一方、上流側ダクト31および吸込口31aは、収容部20毎に設けられてもよいし、複数の収容部20に対して1つずつ設けられてもよい。本実施形態では、上流側ダクト31および吸込口31aは、複数の収容部20に対して1つずつ設けられている。
【0034】
具体的には、図3に示すように、本実施形態では、吸込口31aは、本体10の底面10dに形成されている。上流側ダクト31は、収容装置100に1つ設けられている。複数(ここでは、4つ)の下流側ダクト32は、1つの上流側ダクト31から分岐部(図示せず)を介して分岐している。なお、吸込口31aは、本体10の底面10d以外の部分に形成されていてもよい。
【0035】
下流側ダクト32の少なくとも一部は、靴Sの内部に配置される。下流側ダクト32のうち、吹出口32aが配置される下流部は、靴Sの内部に配置される。なお、下流側ダクト32の下流部は、靴Sの奥側(先端側)まで空気が届くように、斜め下方向に向かって延びる。
【0036】
また、下流側ダクト32は、靴Sの内部に挿入された際に、靴Sを支持することができるように構成されていてもよい。このように構成すれば、靴Sの底が棚板21に接触することを抑制できる。よって、棚板21が汚れたり濡れたりすることを抑制できる。なお、下流側ダクト32は、靴Sを支持できないように構成されていてもよい。また、下流側ダクト32は、例えば、可撓性および/または弾性を有してもよい。このように構成すれば、下流側ダクト32を靴Sの内部に挿入しやすくなる。
【0037】
送風部51は、収容部20毎に設けられてもよいし、複数の収容部20に対して1つ設けられてもよい。本実施形態では、送風部51は、複数の収容部20に対して1つ設けられている。具体的には、送風部51は、上流側ダクト31の内部に配置されている。
【0038】
本実施形態では、においセンサー52は、上述したように、流入部30の下流部(下流側ダクト32)に配置される。また、においセンサー52は、上述したように、靴Sの内部に配置される。においセンサー52は、下流側ダクト32の内部に配置されてもよいし、下流側ダクト32の外部に配置されてもよい。本実施形態では、においセンサー52は、下流側ダクト32の内部に配置される。具体的には、においセンサー52は、下流側ダクト32の内部で、かつ、吹出口32aの近傍に配置される。また、本実施形態では、においセンサー52は、下流側ダクト32の内部で、かつ、吹出口32aに対向する部分に配置される。
【0039】
収容装置100は、消臭部53と、加熱部54とを備える。消臭部53は、靴Sのにおいを消臭するために、吹出口32aから出る空気に消臭機能を付与する。消臭部53は、流入部30の内部に配置される。消臭部53は、上流側ダクト31の内部に配置されてもよいし、下流側ダクト32の内部に配置されてもよい。本実施形態では、消臭部53は、下流側ダクト32の内部に配置される。また、本実施形態では、消臭部53は、においセンサー52に隣接して配置される。ただし、消臭部53は、においセンサー52に隣接していなくてもよい。なお、図4では、消臭部53およびにおいセンサー52を1つのユニットとして描いている。
【0040】
消臭部53は、特に限定されるものではないが、例えば、PCI(Plasma Cluster Ion)発生装置、または、紫外線発生装置を含む。消臭部53が運転することにより、空気中にイオンが発生し、イオンを含む空気が靴Sの内部に吹き出す。これにより、靴Sに付着しているにおい成分(におい分子)を分解および/または除去できるので、靴Sを消臭および除菌できる。
【0041】
加熱部54は、発熱することにより、対象物を加熱する。加熱部54は、例えば、ヒーターまたは温風発生装置を含む。対象物は、例えば、空気であってもよいし、棚板21または靴Sであってもよい。本実施形態では、加熱部54は、流入部30の内部に配置される。加熱部54は、上流側ダクト31の内部に配置されてもよいし、下流側ダクト32の内部に配置されてもよい。本実施形態では、加熱部54は、下流側ダクト32の内部に配置される。加熱部54が運転することにより、流入部30の内部の空気が加熱され、温かい空気が靴Sの内部に吹き出す。これにより、靴Sの乾燥が促進される。また、靴Sの内部が暖められることにより、におい成分の空気中への拡散(放出)が促進されるため、においセンサー52がにおいを検出しやすくなる。つまり、においセンサー52の検出精度をより向上させることができる。
【0042】
流出部40は、特に限定されるものではないが、例えば、ダクトを含む。流出部40は、空気の流れる方向において、上流側に配置される上流側ダクト41と、下流側に配置される下流側ダクト42とを含む。下流側ダクト42は、上流側ダクト41に接続される。
【0043】
また、流出部40は、収容部20の内部を換気するための換気口41aと、空気を収容装置100の外部に排出する排気口42aとを有する。換気口41aは、上流側ダクト41の上流部に配置される。排気口42aは、下流側ダクト42の下流端に配置される。
【0044】
上流側ダクト41および換気口41aは、収容部20毎に設けられる。一方、下流側ダクト42および排気口42aは、収容部20毎に設けられてもよいし、複数の収容部20に対して1つずつ設けられてもよい。本実施形態では、下流側ダクト42および排気口42aは、複数の収容部20に対して1つずつ設けられている。
【0045】
具体的には、図3に示すように、本実施形態では、排気口42aは、本体10の左側面10eに形成されている。下流側ダクト42は、収容装置100に1つ設けられている。複数(ここでは、4つ)の上流側ダクト41は、合流部(図示せず)で合流し、1つの下流側ダクト42に接続されている。なお、排気口42aは、本体10の左側面10e以外の部分に形成されていてもよい。
【0046】
上流側ダクト41のうち、換気口41aが配置される上流部は、収容部20の内部に配置される。なお、上流側ダクト41の上流部は、例えば図4に示すように、棚板21に固定されてもよい。
【0047】
収容装置100は、脱臭フィルター43を備える。脱臭フィルター43は、空気中のにおい分子(におい成分)を空気から除去する。これにより、収容装置100の外部に靴Sのにおい(臭気)が排出されることを抑制できる。
【0048】
次に、図5等を参照して、収容装置100をさらに説明する。図5は、収容装置100のブロック図である。
【0049】
図5に示すように、制御部50は、収容装置100の各種動作を制御する。制御部50は、取得部50a、判定部50b、送風制御部50c、消臭制御部50dおよび加熱制御部50eを有する。
【0050】
取得部50aは、においセンサー52が検出したにおい検出値を取得する。本実施形態では、取得部50aは、送風制御部50cが送風部51による送風を弱めた後に、においセンサー52が検出したにおい検出値を取得する。本実施形態では、取得部50aは、送風制御部50cが送風部51による送風を停止した後に、においセンサー52が検出したにおい検出値を取得する。また、取得部50aは、予め定められた設定時間毎に、送風制御部50cが送風部51による送風を弱めた後に、においセンサー52が検出したにおい検出値を取得する。
【0051】
判定部50bは、におい検出値が予め定められた所定値以上であるか否かを判定する。また、判定部50bは、送風部51の運転時間が設定時間以上であるか否かを判定する。設定時間は、特に限定されるものではないが、例えば、30分、1時間、および3時間のいずれかである。本実施形態では、設定時間は、例えば、1時間である。
【0052】
送風制御部50cは、送風部51に制御信号を送信することによって送風部51を制御する。送風制御部50cは、例えば、ユーザによって運転開始ボタン(図示せず)が押下されたり、扉11が閉じられたりした場合に、送風部51の運転を開始する。また、送風制御部50cは、判定部50bによる判定結果に基づいて、送風部51の運転を制御する。例えば、送風制御部50cは、におい検出値が予め定められた所定値以上である場合に、送風部51による送風を強める。また、送風制御部50cは、予め定められた設定時間毎に、送風部51による送風を弱めてもよい。また、送風制御部50cは、送風部51の運転時間が上限時間以上である場合に、送風部51の運転を停止してもよい。上限時間は、例えば、ユーザによって運転開始ボタン(図示せず)が押下されたり、扉11が閉じられたりしてから、送風部51の運転を停止するまでの収容装置100の最大運転時間である。上限時間は、特に限定されるものではないが、例えば、6時間または12時間である。
【0053】
消臭制御部50dは、消臭部53に制御信号を送信することによって消臭部53を制御する。消臭制御部50dは、例えば、ユーザによって運転開始ボタン(図示せず)が押下されたり、扉11が閉じられたりした場合に、消臭部53の運転を開始する。また、消臭制御部50dは、判定部50bによる判定結果に基づいて、消臭部53の運転を制御する。また、消臭制御部50dは、消臭部53の運転時間が上限時間以上である場合に、消臭部53の運転を停止してもよい。
【0054】
加熱制御部50eは、加熱部54に制御信号を送信することによって加熱部54を制御する。加熱制御部50eは、例えば、ユーザによって運転開始ボタン(図示せず)が押下されたり、扉11が閉じられたりした場合に、加熱部54の運転を開始する。また、加熱制御部50eは、判定部50bによる判定結果に基づいて、加熱部54の運転を制御する。また、加熱制御部50eは、加熱部54の運転時間が上限時間以上である場合に、加熱部54の運転を停止してもよい。
【0055】
次に、図6を参照して、本実施形態の収容装置100の脱臭方法について説明する。図6は、本実施形態の収容装置100の脱臭方法を示すフローチャートである。本実施形態の収容装置100の脱臭方法は、ステップS1~ステップS7を含む。ステップS1~ステップS7は、制御部50によって実行される。
【0056】
図6に示すように、ステップS1において、制御部50は、標準の風速で送風部51の運転を開始する。具体的には、ユーザは、靴Sを収容部20の内部に配置して扉11を閉じる。そして、例えば、ユーザによって運転開始ボタン(図示せず)が押下されると、制御部50の送風制御部50cは、送風部51の送風ファンを標準の回転速度で回転させる。これにより、送風部51は、標準の風速で運転を開始する。なお、例えば、扉11が閉じたことを検出可能なセンサーを設け、扉11が閉じたことをセンサーが検出することによって、制御部50の送風制御部50cは送風部51の運転を開始してもよい。
【0057】
また、本実施形態では、ステップS1において、制御部50は、送風部51と同様に、消臭部53および加熱部54の運転を開始する。具体的には、例えば、ユーザによって運転開始ボタン(図示せず)が押下されると、制御部50の消臭制御部50dおよび加熱制御部50eは、消臭部53および加熱部54をオンする。なお、例えば、扉11が閉じたことを検出可能なセンサーを設け、扉11が閉じたことをセンサーが検出することによって、制御部50の消臭制御部50dおよび加熱制御部50eは消臭部53および加熱部54をオンしてもよい。
【0058】
次に、ステップS2において、制御部50は、予め定められた設定時間が経過したか否かを判定する。具体的には、制御部50の判定部50bは、ステップS1で送風部51の運転を開始してから設定時間(ここでは、例えば、1時間)が経過したが否かを判定する。なお、後述するように、ステップS7からステップS2に処理が戻った場合は、ステップS7で送風部51による送風を強めてから設定時間が経過したか否かを判定する。
【0059】
ステップS2で、設定時間が経過していないと制御部50が判定した場合、ステップS2の判定を繰り返す。
【0060】
その一方、設定時間が経過したと制御部50が判定した場合、ステップS3に進む。
【0061】
次に、ステップS3において、制御部50は、送風部51による送風を弱める。具体的には、制御部50の送風制御部50cは、送風部51の送風ファンの回転速度を低くする。本実施形態では、制御部50の送風制御部50cは、送風部51による送風を停止させる。言い換えると、制御部50の送風制御部50cは、送風部51の送風ファンの回転速度をゼロにする。つまり、送風制御部50cは、送風部51の送風ファンの回転を停止させる。
【0062】
また、本実施形態では、ステップS3において、制御部50は、消臭部53の運転を停止する。具体的には、制御部50の消臭制御部50dは、消臭部53をオフする。なお、ステップS3において、制御部50は、消臭部53の運転を停止しなくてもよい。
【0063】
また、本実施形態では、ステップS3において、制御部50は、加熱部54の運転を維持する。具体的には、制御部50の加熱制御部50eは、加熱部54をオンした状態を維持する。なお、ステップS3において、制御部50は、加熱部54の運転を停止してもよい。
【0064】
次に、ステップS4において、制御部50は、においセンサー52が検出したにおい検出値を取得する。具体的には、制御部50の取得部50aは、においセンサー52が検出したにおい検出値を取得する。このとき、収容部20の内部の風速が所定風速以下になった状態で制御部50がにおい検出値を取得するように、ステップS3で送風を弱めてから数秒~数十秒経過した後に、制御部50がにおい検出値を取得してもよい。
【0065】
次に、ステップS5において、制御部50は、取得したにおい検出値が予め定められた所定値以上であるか否かを判定する。制御部50の判定部50bは、取得したにおい検出値が予め定められた所定値以上であるか否かを判定する。
【0066】
ステップS5で、におい検出値が所定値未満であると制御部50が判定した場合、処理は終了する。具体的には、制御部50は、送風部51による送風を停止する。つまり、制御部50の送風制御部50cは、送風ファンが回転している場合は、送風ファンの回転を停止する。また、制御部50の送風制御部50cは、送風ファンの回転が停止している場合は、送風ファンの回転の停止を維持する。
【0067】
また、本実施形態では、制御部50は、送風部51と同様に、消臭部53および加熱部54の運転を停止する。言い換えると、制御部50は、消臭部53および加熱部54をオフする。具体的には、制御部50の消臭制御部50dは、消臭部53の運転が停止している場合は、消臭部53の運転の停止を維持する。また、制御部50の消臭制御部50dは、消臭部53が運転している場合は、消臭部53の運転を停止する。また、制御部50の加熱制御部50eは、加熱部54が運転している場合は、加熱部54の運転を停止する。また、制御部50の加熱制御部50eは、加熱部54の運転が停止している場合は、加熱部54の運転の停止を維持する。
【0068】
その一方、ステップS5で、におい検出値が所定値以上であると制御部50が判定した場合、ステップS6に進む。
【0069】
次に、ステップS6において、制御部50は、送風部51の運転時間が予め定められた上限時間以上であるか否かを判定する。具体的には、制御部50の判定部50bは、ステップS1で送風部51の運転を開始してから上限時間(例えば、6時間または12時間)以上経過したか否かを判定する。
【0070】
ステップS6で、送風部51の運転時間が上限時間以上であると制御部50が判定した場合、処理は終了する。言い換えると、制御部50が収容装置100をこれ以上運転させたとしても、靴Sを消臭することが困難であると判定した場合、処理は終了する。具体的には、制御部50は、送風部51による送風を停止する。また、本実施形態では、制御部50は、消臭部53および加熱部54の運転を停止する。なお、送風部51、消臭部53および加熱部54の停止方法は、ステップS5でにおい検出値が所定値未満であると制御部50が判定した場合と同様である。
【0071】
その一方、ステップS6で、送風部51の運転時間が上限時間未満であると制御部50が判定した場合、ステップS7に進む。
【0072】
次に、ステップS7において、制御部50は、送風部51による送風を強める。具体的には、制御部50の送風制御部50cは、送風部51の送風ファンの回転速度を高くする。なお、制御部50の送風制御部50cは、送風部51による送風を元の強さ(ステップS1と同じ強さ)に戻してもよい。言い換えると、制御部50の送風制御部50cは、送風部51の風速を元の風速(ステップS1と同じ風速)に戻してもよい。
【0073】
また、本実施形態では、ステップS7において、制御部50は、消臭部53および加熱部54を運転させる。具体的には、制御部50の消臭制御部50dは、消臭部53の運転が停止している場合は、消臭部53の運転を開始する。また、制御部50の消臭制御部50dは、消臭部53が運転している場合は、消臭部53の運転を維持する。また、制御部50の加熱制御部50eは、加熱部54が運転している場合は、加熱部54の運転を維持する。また、制御部50の加熱制御部50eは、加熱部54の運転が停止している場合は、加熱部54の運転を開始する。
【0074】
そして、処理は、ステップS2に戻る。
【0075】
以上のようにして、収容装置100による脱臭動作が行われる。
【0076】
なお、図6を参照して説明した収容装置100による脱臭動作において、ユーザにより靴Sが収容された収容部20に対応する送風部51、消臭部53および加熱部54のみが運転されてもよいし、収容装置100の全ての送風部51、消臭部53および加熱部54が運転されてもよい。ただし、ユーザにより靴Sが収容された収容部20に対応する送風部51、消臭部53および加熱部54のみが運転されることが好ましい。
【0077】
本実施形態では、上記のように、制御部50は、取得したにおい検出値が予め定められた所定値以上である場合に、送風部51による送風を強める。従って、靴Sの乾燥を促進することができるとともに、におい成分の空気中への拡散(放出)を促進することができる。よって、靴Sのにおいが強くなることを抑制できる。さらに、本実施形態では、消臭部53を設けているので、消臭部53で発生させたイオンを含む空気を、靴Sの内部に送ることができる。よって、靴Sのにおい分子(におい成分)を分解および/または除去できるので、靴Sを消臭することができる。
【0078】
また、上記のように、においセンサー52は、流入部30に配置される。従って、においセンサー52を容易に収容部20の内部に配置することができる。
【0079】
また、上記のように、においセンサー52は、下流側ダクト32に配置される。従って、においセンサー52を靴Sの内部または靴Sの近傍に配置できるので、靴Sから発せられるにおい(臭気)がにおいセンサー52に到達しやすくなるので、においセンサー52の検出精度を向上させることができる。
【0080】
また、上記のように、においセンサー52は、吹出口32aの近傍に配置される。従って、靴Sから発せられるにおい(臭気)がにおいセンサー52にさらに到達しやすくなるので、においセンサー52の検出精度をさらに向上させることができる。
【0081】
また、上記のように、においセンサー52は、下流側ダクト32の内部に配置される。従って、送風部51による送風を弱める前までは、収容装置100の外部から流入する空気によって、においセンサー52を、比較的においの少ない空間に容易に配置できる。よって、靴Sから発せられるにおいの強い空気がにおいセンサー52によって検出される際に、においセンサー52の抵抗値の変化量を容易に大きくできる。
【0082】
また、上記のように、制御部50は、予め設定された設定時間毎に、送風部51による送風を弱めた後に、においセンサー52が検出したにおい検出値を取得する。従って、におい検出値に応じて収容装置100の運転時間を長くまたは短くすることが可能であるので、運転時間を適切な時間にすることが可能である。
【0083】
また、上記のように、加熱を行う加熱部54を設ける。従って、例えば、靴Sに温風を送ることができるので、靴Sの乾燥をより促進できる。また、靴Sが暖められるので、靴Sからにおい成分(におい分子)が空気中に拡散(放出)されやすくなる。よって、においセンサー52による検出精度をより向上させることができる。
【0084】
(第2実施形態)
次に、図7を参照して、本開示の第2実施形態に係る収容装置100について説明する。この第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、におい検出値に応じて設定時間を変更する例について説明する。
【0085】
第2実施形態では、制御部50は、におい検出値に応じて設定時間を変更する。具体的には、制御部50は、におい検出値が低い場合は、設定時間を短く変更し、におい検出値が高い場合は、設定時間を長く変更する。言い換えると、制御部50は、靴Sのにおいが弱い場合は、設定時間を短く変更し、靴Sのにおいが強い場合は、設定時間を長く変更する。
【0086】
より具体的には、例えば、制御部50の判定部50bは、第1実施形態と同様、におい検出値が所定値以上であるか否かを判定する。判定部50bは、におい検出値が所定値以上である場合、におい検出値の強さレベルを判定する。そして、制御部50は、強さレベルに応じて、設定時間を変更する。
【0087】
第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0088】
次に、図7を参照して、第2実施形態の収容装置100の脱臭方法について説明する。図7は、第2実施形態の収容装置100の脱臭方法を示すフローチャートである。第2実施形態の収容装置100の脱臭方法は、ステップS1~S5、S11、S12、S6およびS7を含む。ステップS1~S5、S11、S12、S6およびS7は、制御部50によって実行される。
【0089】
図7に示すように、ステップS1~ステップS5は、第1実施形態と同様である。
【0090】
次に、ステップS11において、制御部50は、においの強さを判定する。言い換えると、制御部50は、においレベルを判定する。具体的には、制御部50の判定部50bは、におい検出値に基づいて、においの強さを判定する。このとき、制御部50の判定部50bは、におい検出値に対応するにおいレベルを、複数(例えば3つ)のにおいレベルの中から選択する。
【0091】
次に、ステップS12において、制御部50は、設定時間を変更する。このとき、制御部50は、におい検出値に基づいて、設定時間を変更する。具体的には、制御部50は、ステップS11で選択したにおいレベルに対応するように、設定時間を変更する。例えば、においレベルが「低レベル」である場合、設定時間を1時間から30分に短くする。例えば、においレベルが「中レベル」である場合、設定時間を1時間に維持する。例えば、においレベルが「高レベル」である場合、設定時間を1時間から3時間に長くする。
【0092】
次に、第1実施形態と同様にして、ステップS6およびステップS7が実行される。
【0093】
以上のようにして、収容装置100による脱臭動作が終了する。
【0094】
第2実施形態の収容装置100のその他の脱臭方法は、第1実施形態と同様である。
【0095】
本実施形態では、上記のように、制御部50は、におい検出値に応じて設定時間を変更する。従って、収容装置100をより適切に運転できる。具体的には、例えば、におい検出値が比較的低い場合(においレベルが低レベルである場合)、設定時間を短くすることによって、収容装置100の運転時間を短縮することが可能である。また、例えば、におい検出値が比較的高い場合(においレベルが高レベルである場合)、設定時間を長くすることによって、制御部50がにおい検出値を取得する回数を削減できる。よって、送風部51、消臭部53および/または加熱部54の運転を切り替える回数を削減できる。
【0096】
第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0097】
以上、図面を参照しながら本開示の実施形態について説明した。ただし、本開示は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の開示の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本開示の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0098】
例えば、上記の実施形態では、靴Sを収容する収容装置100に本開示を適用する例について説明したが、本開示はこれに限らない。例えば、靴S以外の履物、衣類、鞄、帽子、または、ヘルメット等の被収容物を収容する収容装置に本開示を適用してもよい。
【0099】
また、上記の実施形態では、においセンサー52を下流側ダクト32の内部に配置する例について説明したが、本開示はこれに限らない。例えば、においセンサー52を下流側ダクト32の外部に配置してもよい。また、においセンサー52を下流側ダクト32以外の部分に配置してもよい。
【0100】
また、上記の実施形態では、流入部30がダクト(上流側ダクト31および下流側ダクト32)を含む例について説明したが、本開示はこれに限らない。例えば、流入部30は、上流側ダクト31を含まなくてもよい。また、流入部30は、上流側ダクト31および下流側ダクト32の両方を含まなくてもよい。この場合、流入部30は、例えば、吸込口31aだけを有してもよい。
【0101】
また、上記の実施形態では、流出部40がダクト(上流側ダクト41および下流側ダクト42)を含む例について説明したが、本開示はこれに限らない。例えば、流出部40は、上流側ダクト41および下流側ダクト42の一方、または、上流側ダクト41および下流側ダクト42の両方を含まなくてもよい。この場合、流出部40は、例えば、排気口42aだけを有してもよい。
【0102】
また、上記の実施形態では、収容装置100が消臭部53を備える例について説明したが、本開示はこれに限らず、収容装置100は、消臭部53を備えなくてもよい。この場合にも、送風部51が被収容物に送風することによって、乾燥を促進することができるとともに、被収容物のにおいが強くなることを抑制することができる。ただし、消臭部53は消臭機能を有するので、収容装置100は消臭部53を備えることが好ましい。
【0103】
また、上記の実施形態では、収容装置100が加熱部54を備える例について説明したが、本開示はこれに限らず、収容装置100は、加熱部54を備えなくてもよい。この場合にも、送風部51が被収容物に送風することによって、乾燥を促進することができるとともに、被収容物のにおいが強くなることを抑制することができる。ただし、収容装置100は加熱部54を備えることが好ましい。
【0104】
また、例えば第2実施形態では、ステップS5でにおい検出値が所定値以上であるか否かを判定した後に、ステップS11でにおい検出値に基づいて、においの強さを判定する例について説明したが、本開示はこれに限らない。例えば、におい検出値が所定値以上であるか否かの判定と、においの強さの判定とを1つのステップで行ってもよい。
【0105】
また、上記の実施形態では、ステップS5でにおい検出値が所定値未満であると制御部50が判定した場合に処理が終了する例について説明したが、本開示はこれに限らない。例えば、ステップS5でにおい検出値が所定値未満であると制御部50が判定した場合に、送風部51、消臭部53および加熱部54の運転を一旦停止した後、所定時間(例えば、6時間または12時間)経過後に、ステップS1に戻ってもよい。このように構成すれば、時間の経過に伴い靴Sのにおいが再び発生(におい戻りとも言う)した場合であっても、靴Sのにおいを消臭することができる。
【0106】
また、上記の実施形態では、加熱部54を流入部30の内部に配置する例について説明したが、本開示はこれに限らない。例えば、加熱部54を棚板21に配置し、靴Sを直接的に、または、棚板21を介して靴Sを間接的に暖めてもよい。
【0107】
また、上記の実施形態では、収容装置100が複数の収容部20を備える例について説明したが、本開示はこれに限らない。例えば、収容装置100は、収容部20を1つだけ備えてもよい。
【0108】
また、上記の実施形態では、1つの収容部20に対して1つのにおいセンサー52が設けられる例について説明したが、本開示はこれに限らない。例えば、1つの収容部20に対して複数のにおいセンサー52が設けられてもよい。
【0109】
また、上記の実施形態では、1つの収容部20に対して1つの下流側ダクト32が設けられる例について説明したが、本開示はこれに限らない。例えば、1つの収容部20に対して複数の下流側ダクト32が設けられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本開示は、被収容物を収容する収容装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0111】
20 :収容部
30 :流入部
32 :下流側ダクト(ノズル部)
32a :吹出口
40 :流出部
50 :制御部
51 :送風部
52 :においセンサー
54 :加熱部
100 :収容装置
S :靴(被収容物)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7