(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173215
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20241205BHJP
G06Q 30/0211 20230101ALI20241205BHJP
【FI】
G06Q30/0207 350
G06Q30/0211
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091474
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土岐 佳輝
(72)【発明者】
【氏名】政廣 蓮
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 洋太朗
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】介入の配信による効果や費用、もしくはその両方を考慮して、介入を配信することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本開示に係る情報処理装置は、利用者端末から利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の所定の情報サービスにおける行動を示す行動情報を取得する取得部と、利用者が所定の行動を実行する確率を予測する予測部と、介入の配信対象を決定する根拠となる指標を算出する算出部と、前記指標に基づいて、介入を配信する利用者を決定する決定部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者端末から利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の所定の情報サービスにおける行動を示す行動情報を取得する取得部と、
利用者が所定の行動を実行する確率を予測する予測部と、
介入の配信対象を決定する根拠となる指標を算出する算出部と、
前記指標に基づいて、介入を配信する利用者を決定する決定部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記算出部は、前記指標として、利用者ごとに介入を配信した場合の所定の行動を実行する確率の増分を示す第一スコアを算出し、
前記決定部は、前記第一スコアが第一閾値以上の利用者を介入の配信対象として決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記指標として、利用者ごとに介入を配信した場合の一回の所定の行動を実行の獲得に要する費用の増分を示す第二スコアを算出し、
前記決定部は、前記第二スコアが第二閾値以下の利用者を介入の配信対象として決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
利用者端末から利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の所定の情報サービスにおける行動を示す行動情報を取得するステップと、
利用者が所定の行動を実行する確率を予測するステップと、
介入の配信対象を決定する根拠となる指標を算出するステップと、
前記指標に基づいて、介入を配信する利用者を決定するステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項5】
利用者端末から利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の所定の情報サービスにおける行動を示す行動情報を取得するステップと、
利用者が所定の行動を実行する確率を予測するステップと、
介入の配信対象を決定する根拠となる指標を算出するステップと、
前記指標に基づいて、介入を配信する利用者を決定するステップと、
をコンピュータに実行させる、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者の購入意欲の促進や、利用者に対して情報サービスなどを周知させるために、クーポンを配信することが行われていた。例えば、現実の店舗や、インターネットにおける電子商取引サービスにおいて、利用者が使用可能なクーポンを配信することで、電子商取引サービスの売り上げ向上を図ることが行われていた。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、店舗訪問者だけにクーポンを配信するとともに、店舗訪問者の滞在時間が長くなるように誘導を図り、設置に係る費用を抑制できるクーポン配信システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1に記載のクーポン配信システムは、利用者が現実の店舗を訪れた際に、非接触充電器を用いて充電した際に、クーポンを配信することができるものの、クーポンの配信による効果や費用、もしくはその両方を考慮して、クーポンを配信することはできなかった。
【0006】
本開示は上記課題を鑑み、介入の配信による効果や費用、もしくはその両方を考慮して、介入を配信することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る情報処理装置は、利用者端末から利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の所定の情報サービスにおける行動を示す行動情報を取得する取得部と、利用者が所定の行動を実行する確率を予測する予測部と、介入の配信対象を決定する根拠となる指標を算出する算出部と、前記指標に基づいて、介入を配信する利用者を決定する決定部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、介入の配信による効果や費用、もしくはその両方を考慮して、介入を配信することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、行動情報と予測CVRの関係を学習させた決定木モデルの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理における指標の算出例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理における配信対象の決定例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理装置の利用者情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る情報処理装置の行動情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る情報処理装置のモデル記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る情報処理装置の介入記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0011】
(実施形態)
〔1.実施形態に係る情報処理〕
〔1-1.実施形態に係る情報処理の一例〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図1では、実施形態に係る情報処理が情報処理装置100、利用者端末200により実行される例を示す。以下、実施形態に係る情報処理についてステップごとに順を追って説明する。
【0012】
まず、情報処理装置100は、利用者端末200に介入を配信する(ステップS1)。ここで、介入とは、利用者に対する情報サービスの運営者の関与を指しており、クーポンや、通知の送信、レコメンドロジックの適用などであってよい。具体的な例を挙げて説明すると、例えば、情報処理装置100は、電子商取引サービスにおいて、商品の価格が所定の割合だけ割引になるクーポンを利用者端末200に配信する。クーポンは、例えば、コード番号によって表されるタイプや、QRコード(登録商標)によって表されるタイプ、クーポンを使用可能なWEBサイトへのリンクなどによって実現されてよい。また、情報処理装置100は、クーポンを利用者端末200に電子メールによって配信してもよいし、所定のWEBサイトにアクセスした利用者端末200に、所定のWEBサイト上にクーポンを表示させることによってクーポンを配信してもよい。
【0013】
次に、情報処理装置100は、利用者端末200から利用者情報と行動情報を取得する(ステップS2)。ここで、利用者情報は、例えば、利用者が所定の情報サービスを利用する際に、情報サービスの提供事業者に提供する利用者に関する情報である。また、行動情報は、利用者の所定の情報サービスの利用によって生じる利用者の所定の情報サービスを用いた行動を示す情報である。例えば、
図1に示すように、情報処理装置100は、利用者U1からU6の利用者端末200Aから200Fから、利用者情報と行動情報を取得する。なお、
図1に示す利用者U1からU6、及び利用者端末200Aから200Fは例示であって、情報処理装置100は、これ以上の数の利用者の利用者端末200から利用者情報と行動情報を取得してよい。
【0014】
次に、情報処理装置100は、利用者情報と行動情報に基づいて、利用者ごとに予測CVRを予測する(ステップS3)。ここで、予測CVR(Conversion Rate)とは、利用者が所定の行動を実行する確率のことを指している。また、所定の行動とは、情報サービスにおける任意の行動であってよく、例えば、電子商取引サービスにおける商品の購入、特定のWEBサイトへの訪問などであってよい。具体的な例を挙げて説明すると、例えば、情報処理装置100は、利用者の行動情報に基づいて、行動情報と予測CVRとの関係を学習させた決定木モデルを用いて、利用者ごとに行動情報に基づいて、予測CVRを予測してよい。具体的には、説明変数を、クーポンの使用の有無や、直近の購入日からの経過日数、直近の1年間の購入回数、電子商取引サービスにおける商品のウォッチリストへの登録からの日数などとしてよい。また、これらの説明変数を分割する水準は、購買情報に基づいた学習によって自動で計算されたものが用いられてよい。なお、ステップS3においては、情報処理装置100は、予測CVRを利用者ごとに、介入の配信の有無のそれぞれの場合について算出する。また、予測CVRの予測には、行動情報と予測CVRとの関係を学習させたDNN(Deep Neural Network)を用いてもよい。
【0015】
なお、ここで、行動情報と予測CVRとの関係を学習させた決定木モデルについて
図2を用いて説明する。
図2は、行動情報と予測CVRの関係を学習させた決定木モデルの一例を示す図である。
図2に示すように、決定木モデルは、説明変数として、「直近の購入日からの経過日数」や、「直近のウォッチリストへの登録からの経過日数」、「直近の1年の購入回数」などを選択してよい。そして、例えば、LightGBM(Light Gradient Boosting Machine)などのモデルを用いて、行動情報と予測CVRの関係を学習させることにより、予測CVRを分類する説明変数の水準を決定してよい。
図2においては、説明変数としての「直近の購入日からの経過日数」が、30日以内であるか、31日以上であるかということが、予測CVRを80%か、10%かに分ける水準となっている。また、説明変数としての「直近のウォッチリストへの登録からの経過日数」が7日以内であるか、8日以上であるかということが、予測CVRを87.5%か、50%かに分ける水準となっている。また、説明変数としての「直近の1年の購入回数」が6個以内であるか、5個以下であるかということが、予測CVRを25%か、6.25%かに分ける水準となっている。このように、行動情報に含まれる任意の情報を説明変数として選択して、予測CVRとの関係を決定木モデルに学習させてよい。
【0016】
次に、情報処理装置100は、利用者ごとに、アドオンCVRと、アドオンCPAを算出する(ステップS4)。なお、以下の説明は、介入は、クーポンなどに読み替えることができる。
図3を用いて、ステップS4に係る処理について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理における指標の算出例を示す図である。
図3には、利用者U1の介入の配信ありの場合と、介入の配信なしの場合について、予測CVRと、アドオンCVRと、利用時の平均費用と、アドオンコストと、アドオンCPA(Cost per Acquisition)が表形式によって示されている。アドオンCVRとは、介入の配信によって利用者が所定の行動を実行する確率の増分を指している。ここで、所定の行動とは、情報サービスにおける任意の行動であってよく、例えば、電子商取引サービスにおける商品の購入などであってよい。また、利用時の平均費用とは、情報サービスを運営する事業者が負担する費用の平均を指している。なお、利用時の平均費用は、情報サービスとしての電子商取引サービスがオークションの場合であれば、落札確率に落札時の平均費用を掛けることや、クーポンの利用確率にクーポン利用時の平均費用を掛けること、費用を学習して直接に予測することなどによって求めることができる。また、アドオンCPAとは、1回の所定の行動を獲得するために追加で費やすと予測される費用のことを指している。すなわち、情報処理装置100は、ステップS3において算出された介入の配信の有無ごとに算出された予測CVRに基づいて、介入の配信ありの予測CVRから介入の配信なしの予測CVRを差し引くことによって、アドオンCVRを算出する。
【0017】
次に、情報処理装置100は、利用者U1について、介入の配信ありの場合と、介入の配信なしの場合の平均費用を算出する。例えば、
図3においては、利用者U1の利用時の平均費用が、介入の配信ありの場合は、2,000円であり、介入の配信なしの場合は、1,000円であると算出されたことが示されている。次に、情報処理装置100は、介入の配信ありの場合の予測費用と、介入の配信なしの場合の予測費用を算出する。具体的には、介入の配信ありの場合の平均費用に対して、介入の配信ありの場合の予測CVRを掛けて、介入の配信ありの場合の予測費用を算出する。また、介入の配信なしの場合の平均費用に対して、介入の配信なしの場合の予測CVRを掛けて、介入の配信なしの場合の予測費用を算出する。
図3においては、利用者U1の介入の配信ありの場合の予測費用が600円、介入の配信なしの場合の予測費用が200円と算出されたことが示されている。
【0018】
次に、情報処理装置100は、アドオンコストを算出する。アドオンコストとは、介入の配信によって追加で掛かる費用のことを指している。具体的には、情報処理装置100は、介入の配信ありの場合の予測費用から、介入の配信なしの場合の予測費用を差し引くことにより、アドオンコストを算出する。
【0019】
そして、情報処理装置100は、アドオンCVRと、アドオンコストに基づいて、アドオンCPAを算出する。具体的には、情報処理装置100は、アドオンコストを、アドオンCVRによって割ることにより、アドオンCPAを算出する。
図3においては、利用者U1のアドオンCPAが4,000円/CVと算出されたことが示されている。なお、
図3においては、利用者U1のアドオンCVRと、アドオンCPAが算出された例が示されているが、情報処理装置100は、他の利用者についても、利用者ごとにアドオンCVRと、アドオンCPAを算出する。
【0020】
次に、情報処理装置100は、アドオンCVRと、アドオンCPAのうち少なくとも一つに基づいて、介入の配信対象となる利用者を決定する(ステップS5)。例えば、情報処理装置100は、アドオンCVRが所定の閾値を超える利用者を介入の配信対象として決定する。また、情報処理装置100は、アドオンCPAが所定の閾値以下の利用者を介入の配信対象として決定してもよい。なお、
図1においては、アドオンCPAが2,000円/CVである利用者U4、U5、及びU6が配信対象として決定されたことが示されている。
【0021】
次に、情報処理装置100は、配信対象に決定された利用者の利用者端末200に介入を配信する(ステップS6)。例えば、上述したように、ステップS5において、利用者U4、U5、及びU6が配信対象として決定された場合であれば、情報処理装置100は、利用者U4、U5、及びU6の利用者端末200D、200E、及び200Fにクーポンを配信する。具体的な例を挙げて説明すると、例えば、情報処理装置100は、クーポンを利用者端末200に電子メールによって配信してもよいし、所定のWEBサイトにアクセスした利用者端末200に、所定のWEBサイト上にクーポンを表示させることによってクーポンを配信してもよい。
【0022】
これによれば、利用者ごとに介入を配信した場合の購入などの行動を実行する確率の増分を計算し、さらに介入の配信によるコストを計算したうえで、介入の配信による効果や費用、もしくはその両方を考慮して、介入の配信対象を決定し、介入を配信することができる。そのため、介入の配信による効果や費用、もしくはその両方を考慮して、介入を配信することができる情報処理装置100を提供することができる。
【0023】
〔1-2.実施形態に係る情報処理の他の例〕
情報処理装置100は、指標として、利用者ごとに介入を配信した場合の所定の行動を実行する確率の増分を示す第一スコアを算出し、第一スコアが第一閾値以上の利用者を介入の配信対象として決定する。
【0024】
この情報処理について順を追って説明する。まず、情報処理装置100は、
図1に示したステップS1からS3と同じ処理を実行する。ステップS1からS3は、上述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0025】
次に、情報処理装置100は、指標として、利用者ごとに介入を配信した場合の所定の行動を実行する確率の増分を示す第一スコアを算出する(ステップS4-1)。ここで、第一スコアとは、利用者ごとに介入を配信した場合の所定の行動を実行する確率の増分であり、上述したアドオンCVRであるともいえる。具体的な例を挙げて説明すると、例えば、情報処理装置100は、ステップS3において利用者ごとにクーポンの使用の有無のそれぞれについて算出された予測CVRに基づいて、クーポンありの予測CVRからクーポンなしの予測CVRを差し引くことによって、アドオンCVRを算出する。
【0026】
次に、情報処理装置100は、第一スコアが第一閾値以上の利用者を介入の配信対象として決定する(ステップS5-1)。例えば、情報処理装置100は、第一スコア、言い換えるとアドオンCVRが15%以上の利用者を介入の配信対象として決定してよい。このような介入の配信対象の決定について、
図4を用いて説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理における配信対象の決定例を示す図である。
図4においては、利用者U2のアドオンCVRが15%以上であることから、利用者U2が介入の配信対象として決定される。
【0027】
次に、情報処理装置100は、
図1に示したステップS6と同じ処理を実行する。ステップS6は、上述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0028】
これによれば、介入を配信した場合に所定の行動を実行する確率の増分が第一閾値以上の利用者を介入の配信対象として決定し、決定された利用者に介入を配信することができる。
【0029】
〔1-3.実施形態に係る情報処理の他の例〕
情報処理装置100は、指標として、利用者ごとに介入を配信した場合の一回の所定の行動を実行の獲得に要する費用の増分を示す第二スコアを算出し、第二スコアが第二閾値以下の利用者を介入の配信対象として決定する。
【0030】
この情報処理について順を追って説明する。まず、情報処理装置100は、
図1に示したステップS1からS3と同じ処理を実行する。ステップS1からS3は、上述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0031】
次に、情報処理装置100は、指標として、利用者ごとに介入を配信した場合の一回の所定の行動を実行の獲得に要する費用の増分を示す第二スコアを算出する(ステップS4-2)。ここで、第二スコアとは、利用者ごとに介入を配信した場合の一回の所定の行動を実行の獲得に要する費用の増分であり、上述したアドオンCPAであるともいえる。まず、情報処理装置100は、アドオンコストを算出する。アドオンコストとは、介入の配信によって追加で掛かる費用のことを指している。具体的には、情報処理装置100は、介入の配信ありの場合の予測費用から、介入の配信なしの場合の予測費用を差し引くことにより、アドオンコストを算出する。そして、情報処理装置100は、アドオンCVRと、アドオンコストに基づいて、アドオンCPAを算出する。具体的には、情報処理装置100は、アドオンコストを、アドオンCVRによって割ることにより、アドオンCPAを算出する。
【0032】
次に、情報処理装置100は、第二スコアが第二閾値以下の利用者を介入の配信対象として決定する(ステップS5-2)。例えば、情報処理装置100は、第二スコア、言い換えるとアドオンCPAが4,000円/CV以下の利用者を介入の配信対象として決定してよい。このような介入の配信対象の決定について、
図4を用いて説明すると、
図4においては、利用者U1のアドオンCPAが4,000円/CV、利用者U2のアドオンCPAが3,000円/CVであることから、利用者U1、U2が介入の配信対象として決定される。
【0033】
次に、情報処理装置100は、
図1に示したステップS6と同じ処理を実行する。ステップS6は、上述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0034】
これによれば、介入を配信した場合に利用者の一回の所定の行動の実行の獲得に要する費用の増分が第二閾値以下の利用者を介入の配信対象として決定し、決定された利用者に介入を配信することができる。
【0035】
〔2.情報処理システムの構成〕
次に、
図5を用いて実施形態に係る情報処理システムの構成について説明する。
図5は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図5に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、情報処理装置100と、利用者端末200と、ネットワークNを有する。以下、これらの構成について簡単に順を追って説明する。
【0036】
情報処理装置100は、例えばPC(Personal Computer)、WS(Work Station)、サーバの機能を備えるコンピュータなどの情報処理装置であってよい。情報処理装置100は、例えば、利用者端末200からネットワークNを介して送信されてきた情報に基づいて処理を行う。
【0037】
利用者端末200は、利用者が利用する情報処理装置である。利用者端末200は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、デスクトップ型PC、ノート型PC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置であってよい。なお、
図1に示す例においては、利用者端末200がスマートフォンである場合を示している。また、情報処理システム1は、複数の利用者端末200を有してよい。
【0038】
ネットワークNは、情報処理装置100と、利用者端末200を有線、又は無線により相互に通信可能に接続する。ネットワークNが有線の場合は、IEEE802.3に規定されるイーサネット(登録商標)(ETHERNET(登録商標))により実現されてよい。また、ネットワークNが無線の場合は、IEEE802.11に規定される無線LAN(Local Area Network)により実現されてよい。
【0039】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、
図6を用いて、情報処理装置100の構成について説明する。
【0040】
図6は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図6に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、を有する。
【0041】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線LAN(Local Area Network)カード等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、利用者端末200などとの間で情報の送受信を行う。
【0042】
(記憶部120について)
記憶部120は、主記憶装置と外部記憶装置とを備える。主記憶装置は、制御部130が実行するプログラム、あるいは制御部130が処理するデータを記憶する。主記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等のような半導体メモリ素子によって実現されてよい。外部記憶装置は、制御部130が処理するデータを保存する。外部記憶装置は、例えば、ハードディスクやSSD(Solid State Drive)、磁気テープ、光ディスク等によって実現されてよい。
【0043】
図6に示すように、記憶部120は、利用者情報記憶部121と、行動情報記憶部122と、モデル記憶部123と、介入記憶部124と、を有する。以下、これらの構成について順を追って説明する。
【0044】
(利用者情報記憶部121について)
利用者情報記憶部121は、利用者に関する情報、すなわち、利用者情報を記憶する。利用者情報は、例えば、利用者が所定の情報サービスを利用する際に、情報サービスの提供事業者に提供する利用者に関する情報である。ここで、
図7を用いて、利用者情報記憶部121が記憶する情報の一例を説明する。
図7は、実施形態に係る情報処理装置の利用者情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0045】
図7に示す例において、利用者情報記憶部121は、「利用者ID」、「生年月日」、「性別」、「職業」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0046】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「生年月日」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の生年月日に関する情報である。「性別」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の性別に関する情報である。「職業」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の職業に関する情報である。
【0047】
すなわち、
図7においては、利用者ID「UID#1」により識別された利用者の生年月日が「生年月日#U1」であり、性別が「女性」であり、職業が「職業#U1」であることを示している。
【0048】
なお、利用者情報記憶部121に記憶される情報は、「利用者ID」、「生年月日」、「性別」、「職業」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の利用者に関係する情報が記憶されてよい。
【0049】
(行動情報記憶部122について)
行動情報記憶部122は、利用者の行動を示す情報、すなわち、行動情報を記憶する。なお、行動情報は、例えば、電子商取引サービスなど情報サービスの利用によって生じる利用者の情報サービスを用いた行動を示す情報である。ここで、
図8を用いて、行動情報記憶部122が記憶する情報の一例を説明する。
図8は、実施形態に係る情報処理装置の行動情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0050】
図8に示す例において、行動情報記憶部122は、「利用者ID」、「購入商品」、「金額」、「購入日時」、「WEB行動情報」、「クーポン利用」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0051】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「購入商品」は、「利用者ID」により識別される利用者が電子商取引サービスにおいて購入した商品に関する情報である。「金額」は、「利用者ID」により識別される利用者が購入した「購入商品」の金額を示す情報である。「購入日時」は、「利用者ID」により識別される利用者が「購入商品」を購入した日時を示す情報である。「WEB行動情報」は、「利用者ID」により識別される利用者が「購入商品」に関してWEBサイト上において実行した行動に関する情報であり、例えば、ウォッチリストへの登録などであってよい。「クーポン利用」は、「利用者ID」により識別される利用者が「購入商品」を購入したクーポンを利用したか否かに関する情報である。
【0052】
すなわち、
図8においては、利用者ID「UID#1」により識別される利用者の購入商品が「MID#1」であり、当該の購入商品の金額が「PRC#1-1」であり、当該の購入商品の購入日時が「PDT#1-1」であり、当該の購入商品に関して利用者が行ったWEB行動情報が「AC#1-1」であり、当該の購入商品に対してのクーポン利用が「無し」であることが一例として示されている。
【0053】
なお、行動情報記憶部122に記憶される情報は、「利用者ID」、「購入商品」、「金額」、「購入日時」、「WEB行動情報」、「クーポン利用」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の利用者の行動に関係する情報が記憶されてよい。
【0054】
(モデル記憶部123について)
モデル記憶部123は、予測CVRを予測する機械学習モデルに関係する情報を記憶する。ここで、
図9を用いて、モデル記憶部123が記憶する情報の一例を説明する。
図9は、実施形態に係る情報処理装置のモデル記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0055】
図9に示す例において、モデル記憶部123は、「モデルID」、「モデルデータ」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0056】
「モデルID」は、機械学習モデルを識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「モデルデータ」は、機械学習モデルのモデルデータを示す。例えば、機械学習モデルは、決定木やニューラルネットワークなどであってよい。
【0057】
すなわち、
図9において、モデルID「M#1」で識別されるモデルは、機械学習モデルM#1を示す。また、モデルデータ「MDT#1」は、機械学習モデルM#1のモデルデータを示す。
【0058】
ここで、機械学習モデルが決定木である場合は、決定木の分岐点となる説明変数の内容や水準などが記憶される。機械学習モデルがニューラルネットワークである場合は、モデルデータ「MDT#1」には、例えば、ニューラルネットワークを構成する複数の層のそれぞれに含まれるノードが互いにどのように結合するかという結合情報や、結合されたノード間で入出力される数値に掛け合わされる結合係数などの各種情報が含まれる。
【0059】
なお、モデル記憶部123に記憶される情報は、「モデルID」、「モデルデータ」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の機械学習モデルに関係する情報が記憶されてよい。
【0060】
(介入記憶部124について)
介入記憶部124は、介入に関係する情報を記憶する。ここで、
図10を用いて、介入記憶部124が記憶する情報の一例を説明する。
図10は、実施形態に係る情報処理装置の介入記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0061】
図10に示す例において、介入記憶部124は、「介入ID」、「介入内容」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0062】
「介入ID」は、介入を識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「介入内容」は、「介入ID」により識別される介入の内容に関する情報であり、例えば、介入がクーポンである場合であれば、クーポンの対象となる商品や、割引率、クーポンを配信した場合の予測費用などの情報が含まれていてよい。前述したように、介入は、クーポンの他に、通知やリコメンドなどであってもよいく、その場合は、「介入内容」には、通知のメッセージや、リコメンドする商品に関する情報などが記憶される。
【0063】
すなわち、
図10においては、介入ID「CPID#1」により識別される介入の介入内容が「CPCT#1」であるとして記憶されていることが示されている。
【0064】
なお、介入記憶部124に記憶される情報は、「介入ID」、「介入内容」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の介入に関係する情報が記憶されてよい。
【0065】
(制御部130について)
次に、
図5に戻って、制御部130について説明する。制御部130は、情報処理装置100を制御するコントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100の記憶部120に記憶されている各種プログラムを読み出して、RAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0066】
制御部130は、
図5に示すように、取得部131と、予測部132と、算出部133と、決定部134と、配信部135を有する。制御部130は、記憶部120からプログラムを読み出して、RAMを作業領域として実行することで、これらの機能を実現して、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。以下、これらの処理を、順を追って説明する。
【0067】
(取得部131について)
取得部131は、各種の情報を取得する。例えば、取得部131は、利用者端末200から利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の所定の情報サービスにおける行動を示す行動情報を取得する。ここで、利用者情報は、利用者に関する情報であって、例えば、利用者が所定の情報サービスを利用する際に、情報サービスの提供事業者に提供する情報である。また、行動情報は、利用者の所定の情報サービスの利用によって生じる利用者の所定の情報サービスを用いた行動を示す情報である。
【0068】
取得部131は、利用者情報を取得したら、取得した利用者情報を利用者IDに対応付けて利用者情報記憶部121に記憶する。また、取得部131は、行動情報を取得したら、取得した行動情報を利用者IDに対応付けて行動情報記憶部122に記憶する。
【0069】
(予測部132について)
予測部132は、利用者が所定の行動を実行する確率を予測する。なお、利用者が所定の行動を実行する確率は、予測CVR(Conversion Rate)ということができる。また、所定の行動とは、情報サービスを用いた行動であってよく、例えば、電子商取引サービスにおける商品の購入であってよい。つまり、予測CVRは、利用者が所定の行動を実行する確率のことを指している。例えば、予測部132は、利用者の行動情報に基づいて、行動情報と予測CVRとの関係を学習させた決定木モデルを用いて、利用者ごとに予測CVRを予測してよい。具体的には、説明変数を、クーポンの使用の有無や、直近の購入日からの経過日数、直近の1年間の購入回数、電子商取引サービスにおける商品のウォッチリストへの登録からの日数などとしてよい。また、これらの説明変数を分割する水準は、行動情報に基づいた学習によって自動で計算されたものが用いられてよい。なお、予測CVRの予測には、行動情報と予測CVRとの関係を学習させたDNNを用いてもよい。
【0070】
ここで、行動情報と予測CVRとの関係を学習させた決定木モデルについて説明する。決定木モデルは、説明変数として、行動情報に含まれる情報を用いて、例えば、「直近の購入日からの経過日数」や、「直近のウォッチリストへの登録からの経過日数」、「直近の1年の購入回数」などを選択してよい。そして、例えば、LightGBM(Light Gradient Boosting Machine)などのモデルを用いて、行動情報と予測CVRの関係を学習させることにより、予測CVRを分類する説明変数の水準を決定してよい。
【0071】
(算出部133について)
算出部133は、介入の配信対象を決定する根拠となる指標を算出する。例えば、算出部133は、アドオンCVRやアドオンCPAを算出する。以下に、算出部133に算出する指標の具体例について説明する。
【0072】
算出部133は、指標として、利用者ごとに介入を配信した場合の所定の行動を実行する確率の増分を示す第一スコアを算出する。ここで、第一スコアとは、利用者ごとに介入を配信した場合の所定の行動を実行する確率の増分であり、上述したアドオンCVRであるともいえる。例えば、算出部133は、予測部132において利用者ごとに介入の使用の有無のそれぞれについて算出された予測CVRに基づいて、介入ありの予測CVRから介入なしの予測CVRを差し引くことによって、アドオンCVRを算出する。
【0073】
また、算出部133は、指標として、利用者ごとに介入を配信した場合の一回の所定の行動当たりの利用者の消費金額の増分を示す第二スコアを算出する。ここで、第二スコアとは、利用者ごとに介入を配信した場合の一回の所定の行動を実行の獲得に要する費用の増分であり、上述したアドオンCPAであるともいえる。まず、算出部133は、アドオンコストを算出する。アドオンコストとは、介入の配信によって追加で掛かる費用のことを指している。具体的には、算出部133は、介入の配信ありの場合の予測費用から、介入の配信なしの場合の予測費用を差し引くことにより、アドオンコストを算出する。そして、算出部133は、アドオンCVRと、アドオンコストに基づいて、アドオンCPAを算出する。具体的には、算出部133は、アドオンコストを、アドオンCVRによって割ることにより、アドオンCPAを算出する。
【0074】
(決定部134について)
決定部134は、指標に基づいて、介入を配信する利用者を決定する。例えば、決定部134は、アドオンCVRと、アドオンCPAの少なくとも一つに基づいて、介入を配信する利用者を決定する。すなわち、決定部134は、アドオンCVRと、アドオンCPAの両方に基づいて、介入を配信する利用者を決定してもよい。以下に、決定部134が介入を配信する利用者を決定する処理について具体的に説明する。
【0075】
決定部134は、第一スコアが第一閾値以上の利用者を介入の配信対象として決定する。ここで、第一閾値は任意に設定されてよい。例えば、決定部134は、第一スコア、言い換えるとアドオンCVRが15%以上の利用者を介入の配信対象として決定してよい。なお、決定部134は、追加の制約として、介入の配信によるコストの累積和が予算以下であることという条件を与えて、その条件を満たすように、介入の配信対象を決定してもよい。また、決定部134は、その他の制約として、利得、すなわち、アドオンCVRの累積和が所定の目標値を超えることという条件を与えて、その条件を満たすように、介入の配信対象を決定してもよい。
【0076】
また、決定部134は、第二スコアが第二閾値以下の利用者を介入の配信対象として決定する。ここで、第二閾値は任意に設定されてよい。例えば、決定部134は、第二スコア、言い換えるとアドオンCPAが4,000円/CV以下の利用者を介入の配信対象として決定してよい。
【0077】
(配信部135について)
配信部135は、利用者端末200に所定の情報サービスにおける介入を配信する。具体的な例を挙げて説明すると、例えば、配信部135は、電子商取引サービスにおいて、商品の価格が所定の割合だけ割引になるクーポンを利用者端末200に配信する。クーポンは、例えば、コード番号によって表されるタイプや、QRコード(登録商標)によって表されるタイプ、クーポンを使用可能なWEBサイトへのリンクなどによって実現されてよい。また、配信部135は、クーポンを利用者端末200に電子メールによって配信してもよいし、所定のWEBサイトにアクセスした利用者端末200に、所定のWEBサイト上にクーポンを表示させることによってクーポンを配信してもよい。
【0078】
また、配信部135は、決定部134によって配信対象に決定された利用者の利用者端末200に介入を配信する。
【0079】
〔4.利用者端末の構成〕
次に、
図11を用いて、実施形態に係る利用者端末200の構成について説明する。
図11は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示す図である。
図11に示すように、利用者端末200は、通信部210と、入力部220と、出力部230と、制御部240を有する。
【0080】
通信部210は、例えば、NIC、無線LANカード等によって実現される。そして、通信部210は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報処理装置100との間で各種の情報の送受信を行う。
【0081】
入力部220は、利用者から各種の操作情報が入力される。例えば、入力部220は、タッチパネルにより表示面(例えば出力部230)を介して利用者からの各種操作を受け付けてもよい。また、入力部220は、利用者端末200に設けられたボタンや、利用者端末200に接続されたキーボードやマウスからの各種操作を受け付けてもよい。
【0082】
出力部230は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット型端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。つまり、利用者端末200は、入力部220がタッチパネルである場合は、出力部230である表示画面により利用者の入力を受け付け、利用者への出力も行う。また、出力部230は、スピーカーであってもよく、スピーカーにより音声を出力してよい。
【0083】
制御部240は、例えば、CPUやMPU等によって、利用者端末200に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部240は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
【0084】
図11に示すように、制御部240は、受付部241と、提供部242と、を有する。
【0085】
受付部241は、利用者の操作を受け付ける。例えば、受付部241は、利用者の所定の情報サービスを用いた行動に関する操作を受け付ける。例えば、受付部241は、利用者の電子商取引サービスにおける商品の注文に関する操作や、商品のウォッチリストへの登録といった操作を受け付ける。
【0086】
提供部242は、利用者に各種の情報を提供する。具体的な例を挙げて説明すると、例えば、提供部242は、利用者に情報処理装置100の配信部135から配信されたクーポンに関する情報を提供する。例えば、提供部242は、出力部230にクーポンのコード番号を表示させることや、クーポンのQRコード(登録商標)を表示させること、クーポンを使用可能なWEBサイトへのリンクを表示させることによって、利用者にクーポンに関する情報を提供してよい。
【0087】
〔5.情報処理のフロー〕
次に、
図12を用いて、実施形態に係る情報処理の手順について説明する。
図12は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。以下、
図12に示すフローチャートに沿って、実施形態に係る情報処理の手順について説明する。
【0088】
まず、情報処理装置100は、利用者端末200に介入を配信する(ステップS101)。次に、情報処理装置100は、利用者端末200から利用者情報と行動情報を取得する(ステップS102)。そして、情報処理装置100は、利用者情報と、行動情報に基づいて、利用者ごとに、予測CVRを予測する(ステップS103)。そして、情報処理装置100は、利用者ごとに、アドオンCVRと、アドオンCPAを算出する(ステップS104)。そして、情報処理装置100は、アドオンCVRと、アドオンCPAのうち少なくとも一つに基づいて、介入の配信対象となる利用者を決定する(ステップS105)。そして、情報処理装置100は、配信対象に決定された利用者の利用者端末200に介入を配信する(ステップS106)。
【0089】
これによれば、利用者ごとに介入を配信した場合の購入などの行動を実行する確率の増分を計算し、さらに介入の配信によるコストを計算したうえで、介入の配信による効果や費用、もしくはその両方を考慮して、介入の配信対象を決定し、介入を配信することができる。そのため、介入の配信による効果や費用、もしくはその両方を考慮して、介入を配信することができる情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することができる。
【0090】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る情報処理装置100は、例えば
図13に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図13は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0091】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが記憶される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0092】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0093】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0094】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0095】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0096】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、情報処理装置100の制御部130の機能を実現する。
【0097】
〔7.構成と効果〕
本開示に係る情報処理装置100は、利用者端末200から利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の所定のサービスにおける行動を示す行動情報を取得する取得部131と、利用者が所定の行動を実行する確率を予測する予測部132と、介入の配信対象を決定する根拠となる指標を算出する算出部133と、指標に基づいて、介入を配信する利用者を決定する決定部134と、を備える。
【0098】
この構成によれば、利用者ごとに介入を配信した場合の購入などの行動を実行する確率の増分を計算し、さらに介入の配信によるコストを計算したうえで、介入の配信による効果や費用、もしくはその両方を考慮して、介入の配信対象を決定し、介入を配信することができる。そのため、介入の配信による効果や費用、もしくはその両方を考慮して、介入を配信することができる情報処理装置100を提供することができる。
【0099】
本開示に係る情報処理装置100の算出部133は、指標として、利用者ごとに介入を配信した場合の所定の行動を実行する確率の増分を示す第一スコアを算出し、決定部134は、第一スコアが第一閾値以上の利用者を介入の配信対象として決定する。
【0100】
この構成によれば、介入を配信した場合に所定の行動を実行する確率の増分が第一閾値以上の利用者を介入の配信対象として決定し、決定された利用者に介入を配信することができる。
【0101】
本開示に係る情報処理装置100の算出部133は、指標として、利用者ごとに介入を配信した場合の一回の所定の行動を実行の獲得に要する費用の増分を示す第二スコアを算出し、決定部134は、第二スコアが第二閾値以下の利用者を介入の配信対象として決定する。
【0102】
この構成によれば、介入を配信した場合に利用者の一回の所定の行動の実行の獲得に要する費用の増分が第二閾値以下の利用者を介入の配信対象として決定し、決定された利用者に介入を配信することができる。
【0103】
本開示に係る情報処理方法は、利用者端末200から利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の所定のサービスにおける行動を示す行動情報を取得するステップと、利用者が所定の行動を実行する確率を予測するステップと、介入の配信対象を決定する根拠となる指標を算出するステップと、指標に基づいて、介入を配信する利用者を決定するステップと、を含む。
【0104】
この構成によれば、利用者ごとに介入を配信した場合の購入などの行動を実行する確率の増分を計算し、さらに介入の配信によるコストを計算したうえで、介入の配信による効果や費用、もしくはその両方を考慮して、介入の配信対象を決定し、介入を配信することができる。そのため、介入の配信による効果や費用を考慮して、介入を配信することができる情報処理方法を提供することができる。
【0105】
本開示に係る情報処理プログラムは、利用者端末200から利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の所定のサービスにおける行動を示す行動情報を取得するステップと、利用者が所定の行動を実行する確率を予測するステップと、介入の配信対象を決定する根拠となる指標を算出するステップと、前記指標に基づいて、介入を配信する利用者を決定するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0106】
この構成によれば、利用者ごとに介入を配信した場合の購入などの行動を実行する確率の増分を計算し、さらに介入の配信によるコストを計算したうえで、介入の配信による効果や費用、もしくはその両方を考慮して、介入の配信対象を決定し、介入を配信することができる。そのため、介入の配信による効果や費用、もしくはその両方を考慮して、介入を配信することができる情報処理プログラムを提供することができる。
【0107】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0108】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部131は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0109】
1 情報処理システム
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 利用者情報記憶部
122 行動情報記憶部
123 モデル記憶部
124 介入記憶部
130 制御部
131 取得部
132 予測部
133 算出部
134 決定部
135 配信部
200 利用者端末
210 通信部
220 入力部
230 出力部
240 制御部
241 受付部
242 提供部
N ネットワーク