(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173216
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】掘削機の泥土飛散防止部材保持具及び設置方法
(51)【国際特許分類】
E02F 5/02 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
E02F5/02 E
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091475
(22)【出願日】2023-06-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-14
(71)【出願人】
【識別番号】501334442
【氏名又は名称】株式会社オーケーソイル
(74)【代理人】
【識別番号】100221855
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 康造
(72)【発明者】
【氏名】野刈家 勉
(57)【要約】
【課題】掘削機の回転軸の外周に配置出来き、機構が簡略で、風による変形が少なく、作業性に優れた、泥土飛散防止部材保持具及び設置方法を提供する。
【解決手段】掘削機の回転駆動装置5の下端から下部振止装置の上端までの回転軸6の外周に配置される伸縮自在な泥土飛散防止部材8の泥土飛散防止部材保持具9であって、回転軸に摺動可能な外装環状部材91と、泥土飛散防止部材が取り付けられる内装環状部材92と、外装環状部材と内装環状部材と連結する連結部材93とを備え、回転駆動装置直下の上部固定部泥土飛散防止部材保持具952は、最上段の泥土飛散防止部材ユニット81の上端部と連結され、最上段の泥土飛散防止部材ユニットの下端部の連結部泥土飛散防止部材保持具980は、下段の泥土飛散防止部材ユニット82の上端部と連結されて、所定長の泥土飛散防止部材を構成する、泥土飛散防止部材保持具及び設置方法。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸基部に回転軸本体が連結された回転軸を、回転駆動装置で地中に回転挿入させ掘削撹拌する掘削機の、前記回転駆動装置の下端から下部振止装置の上端までの、前記回転軸の外周に配置される、泥土飛散防止部材の泥土飛散防止部材保持具であって、
前記泥土飛散防止部材は、所定長の伸縮自在な泥土飛散防止部材ユニットが必要数連結されたものであり、
前記泥土飛散防止部材保持具は、前記回転駆動装置下端の上部固定部に設けられると共に、最上段の前記泥土飛散防止ユニットの上端部が連結される上部固定部泥土飛散防止部材保持具と、連結される前記泥土飛散防止部材ユニット間に設けられる連結部泥土飛散防止部材保持具と、で構成され、
前記上部固定部泥土飛散防止部材保持具及び前記連結部泥土飛散防止部材保持具は、前記回転軸に摺動可能な外装環状部材と、前記泥土飛散防止部材が取り付けられる内装環状部材と、前記外装環状部材と前記内装環状部材との間隔を保持する連結部材と、を備え、
前記上部固定部泥土飛散防止部材保持具の前記内装環状部材と、前記最上段の前記泥土飛散防止部材ユニットの上端部の固定フック取付け孔とは、固定フックで連結され、
前記連結される前記泥土飛散防止部材ユニットの上段に配置される前記泥土飛散防止部材ユニットの下端部の前記固定フック取付け孔と、下段に配置される前記泥土飛散防止部材ユニットの上端部の前記固定フック取付け孔とは、前記連結部泥土飛散防止部材保持具の前記内装環状部材を介して前記固定フックで連結されることを特徴とする、掘削機の泥土飛散防止部材保持具。
【請求項2】
前記回転軸本体は、前記回転軸基部と同一形状寸法のロッドで構成し、
前記外装環状部材は棒状部材で形成される外装棒状円環であり、前記内装環状部材は棒状部材で形成される内装棒状円環であり、前記連結部材は棒状部材で形成される棒状連結部材であり、前記外装棒状円環は弾性部材を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具。
【請求項3】
前記回転軸は単軸又は複数軸で構成され、前記回転軸のそれぞれに設けられることを特徴とする、請求項2に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具。
【請求項4】
前記回転軸基部はロッドで、前記回転軸本体は、オーガーで構成し、
前記上部固定部泥土飛散防止部材保持具は前記回転軸基部に対応して設けられ、前記外装環状部材は棒状部材で形成される外装棒状円環であり、前記内装環状部材は棒状部材で形成される内装棒状円環であり、前記連結部材は棒状部材で形成される棒状連結部材であり、
前記連結部泥土飛散防止部材保持具は前記回転軸本体に対応して設けられ、前記外装環状部材は前記オーガーに摺動可能な円筒部材で形成される外装円筒部材であり、前記内装環状部材は棒状部材で形成される内装棒状円環であり、前記連結部材は棒状部材で形成される棒状連結部材であり、前記外装円筒部材の外側において下方に突設された接合用円筒部材を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具。
【請求項5】
前記泥土飛散防止部材ユニットが、縮小状態を形成して、前記下部振止装置の上に、積み重ねた状態で載置された際、先に載置された前記連結部泥土飛散防止部材保持具の前記外装円筒部材の上端に、次の前記連結部泥土飛散防止部材保持具の前記接合用円筒部材が嵌合することを特徴とする、請求項4に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具。
【請求項6】
前記回転軸は単軸又は複数軸で構成され、前記回転軸のそれぞれに設けられることを特徴とする、請求項5に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具。
【請求項7】
前記回転軸基部に前記回転軸本体が連結された前記回転軸を、前記回転駆動装置で地中に回転挿入させ掘削撹拌する前記掘削機の、前記回転駆動装置の下端の前記上部固定部から前記下部振止装置の上端までの前記回転軸の外周に、前記掘削機の前記泥土飛散防止部材を設置する方法であって、
請求項1に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具を用いて、
前記上部固定部泥土飛散防止部材保持具を、前記上部固定部に取付ける工程と、
前記回転駆動装置の前記回転軸基部に前記回転軸本体を取付ける工程と、
前記最上段の前記泥土飛散防止部材ユニットの下端部の前記固定フック取付け孔と、前記連結部泥土飛散防止部材保持具の前記内装環状部材とを前記固定フックで連結し、前記下部振止装置による上昇作業の準備をする工程と、
前記上部固定部に取付けられている前記上部固定部泥土飛散防止部材保持具の前記内装環状部材と、上昇させた前記最上段の泥土飛散防止部材ユニットの上端部の前記固定フック取付け孔とを、前記固定フックで連結する工程と、
前記最上段の泥土飛散防止部材ユニットを伸展させて、前記最上段の泥土飛散防止部材ユニットの下端部に、前記連結部泥土飛散防止部材保持具を配置する工程と、
前記最上段の泥土飛散防止部材ユニットの下端部の前記固定フック取付け孔と、下段に配置される前記泥土飛散防止部材ユニットの上端部の前記固定フック取付け孔とを、前記連結部泥土飛散防止部材保持具の前記内装環状部材を介して前記固定フックで連結することを特徴とする、掘削機の泥土飛散防止部材保持具の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泥土飛散防止部材を回転軸の外周に設置し、風による泥土飛散防止部材の巻き込みがなく、掘削機の作業停止が少ない、掘削機の泥土飛散防止部材保持具及び設置方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
掘削機の掘削ロッドにより地盤を掘削する場合、回転する掘削ロッドから泥土が飛散するので掘削ロッドの外側に筒形ケーシングを配するとともに、その周囲に筒形カーテンを取付け、泥土の飛散を防止していた。そして、掘削機上部より案内ロープを垂らし、下部に重錘又は張力を掛けて筒形カーテンの巻き込み防止を行っていた。
【0003】
特許文献1の泥土飛散防止装置は、複数本の掘削ロッド1を有する多軸掘削機を対象とし、中間振止装置5と下部スクリュー振止装置6との間に3本の掘削ロッド1を取囲み筒形カーテン8が取付けてある。この筒形カーテン8は小判形であり、蛇腹状をなし伸縮自在で、複数の周方向に配したリング9で補強してある。また、中間振止装置5の周囲には6個の係止突起10が突設してあり、この突起10を介し下端に重錘11を取付けた6条の案内ロープ12が配してある。この案内ロープ12は筒形カーテン8の外周面に沿い垂下し、リング9および下部のスクリュー振止装置6の外側に突設してある係止環13を挿通して配し、リング9はこの案内ロープ12に上下方向に摺動自在に係止されている。
図12参照。
【0004】
特許文献2は、地中10に挿入される回転軸1にスクリューや撹拌羽根等の突出部2を突設し、回転軸1の突出部2よりも上方位置においてストッパ部3(振れ止め装置6)を設け、回転軸1のストッパ部3よりも上方において回転軸1が回転自在に貫挿され且つ回転軸1に対して軸方向に移動自在で且つストッパ部3により下方への移動が阻止されるカーテン保持体4を設け、カーテン保持体4に回転軸を取り囲むカーテン5の上端部を取付けた掘削機の泥土飛散防止装置である。そして、複数の回転軸1を取り囲む筒状をしたカーテン5の上端部が、カーテン保持体4の外周部に設けた保持突出部14の先端に取付けてある。筒状のカーテン5は変形自在な材料により形成してあり、上下方向に所定間隔を隔てて多数の環状線材15が固着してあり、筒状のカーテン5は蛇腹状に伸縮自在となっている。また、筒状のカーテン5の上端部と下端部との適所に保持部材8をタワー部9に上下方向にスライド自在に設け、横揺れを防止してある。
【0005】
特許文献3は、掘削軸14の駆動体13と支柱4の下端に設けた支持体58との間に上下に伸縮可能な中空蛇腹状のカバー60を取付けて、掘削軸14の下端側からドレーン59よりも上端側をカバー60で被覆した、地盤改良装置1である。そして排出させた土砂や地盤改良材をカバー60によって飛散させることなく掘削軸14に沿って直下方へ落下させることができるようになっている。
【0006】
特許文献4は、多軸回転装置の掘削軸3を囲む上下方向に伸縮自在な筒状をした飛散防止カーテン24であって、上端部に設けた保持部を掘削軸3に回転自在に被嵌してあると共に、下端部を振れ止め5の上端に接続してあり、掘削軸3の昇降に伴って飛散防止カーテン24が上下方向に伸縮し、掘削軸3の昇降の際に掘削軸3の回転に伴って上昇した泥土が飛散するのを防止するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第2835188号公報
【特許文献2】特開2001-49689号公報
【特許文献3】特許第6779550号公報
【特許文献4】特開2012-1920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の掘削機は並列する複数本の掘削ロッドを有する多軸掘削機が多用されており、多軸掘削機では筒形カーテンの機構および取扱が複雑となる欠点があった(特許文献1、特許文献2)。また、筒形カーテンの上端部を、掘削ロッド軸方向のどの位置に保持するかにより、筒形カーテンの有効範囲が変化する問題があった(特許文献1、2)。また掘削機上部より案内ロープを垂らし、下部に重錘又は張力を掛けて筒形カーテンの巻き込み防止を行い(特許文献1)、筒状のカーテン5の上端部と下端部との適所に保持部材8をタワー部9に上下方向にスライド自在に設け、横揺れを防止する必要があった(特許文献2)。
【0009】
本発明が解決する課題は、掘削機の回転軸の外周に配置出来き、機構が簡略で、風による泥土飛散防止部材の巻き込みを防止しかつ作業中断のない、案内ロープ及びリーダーとの保持部材が不要で作業性に優れた、回転軸は単軸又は複数軸で、かつロッド軸又はオーガー軸に対応出来る、掘削機の泥土飛散防止部材保持具及び泥土飛散防止部材保持具の設置方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願請求項1に係る発明は、回転軸基部に回転軸本体が連結された回転軸を、回転駆動装置で地中に回転挿入させ掘削撹拌する掘削機の、前記回転駆動装置の下端から下部振止装置の上端までの、前記回転軸の外周に配置される、泥土飛散防止部材の泥土飛散防止部材保持具であって、前記泥土飛散防止部材は、所定長の伸縮自在な泥土飛散防止部材ユニットが必要数連結されたものであり、前記泥土飛散防止部材保持具は、前記回転駆動装置下端の上部固定部に設けられると共に、最上段の前記泥土飛散防止ユニットの上端部が連結される上部固定部泥土飛散防止部材保持具と、連結される前記泥土飛散防止部材ユニット間に設けられる連結部泥土飛散防止部材保持具と、で構成され、前記上部固定部泥土飛散防止部材保持具及び前記連結部泥土飛散防止部材保持具は、前記回転軸に摺動可能な外装環状部材と、前記泥土飛散防止部材が取り付けられる内装環状部材と、前記外装環状部材と前記内装環状部材との間隔を保持する連結部材と、を備え、前記上部固定部泥土飛散防止部材保持具の前記内装環状部材と、前記最上段の前記泥土飛散防止部材ユニットの上端部の固定フック取付け孔とは、固定フックで連結され、前記連結される前記泥土飛散防止部材ユニットの上段に配置される前記泥土飛散防止部材ユニットの下端部の前記固定フック取付け孔と、下段に配置される前記泥土飛散防止部材ユニットの上端部の前記固定フック取付け孔とは、前記連結部泥土飛散防止部材保持具の前記内装環状部材を介して前記固定フックで連結されることを特徴とする、掘削機の泥土飛散防止部材保持具である。
【0011】
本願請求項2に係る発明は、前記回転軸本体は、前記回転軸基部と同一形状寸法のロッドで構成し、前記外装環状部材は棒状部材で形成される外装棒状円環であり、前記内装環状部材は棒状部材で形成される内装棒状円環であり、前記連結部材は棒状部材で形成される棒状連結部材であり、前記外装棒状円環は弾性部材を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具である。
【0012】
本願請求項3に係る発明は、前記回転軸は単軸又は複数軸で構成され、前記回転軸のそれぞれに設けられることを特徴とする、請求項2に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具である。
【0013】
本願請求項4に係る発明は、前記回転軸基部はロッドで、前記回転軸本体は、オーガーで構成し、前記上部固定部泥土飛散防止部材保持具は前記回転軸基部に対応して設けられ、前記外装環状部材は棒状部材で形成される外装棒状円環であり、前記内装環状部材は棒状部材で形成される内装棒状円環であり、前記連結部材は棒状部材で形成される棒状連結部材であり、前記連結部泥土飛散防止部材保持具は前記回転軸本体に対応して設けられ、前記外装環状部材は前記オーガーに摺動可能な円筒部材で形成される外装円筒部材であり、前記内装環状部材は棒状部材で形成される内装棒状円環であり、前記連結部材は棒状部材で形成される棒状連結部材であり、前記外装円筒部材の外側において下方に突設された接合用円筒部材を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具である。
【0014】
本願請求項5に係る発明は、前記泥土飛散防止部材ユニットが、縮小状態を形成して、前記下部振止装置の上に、積み重ねた状態で載置された際、先に載置された前記連結部泥土飛散防止部材保持具の前記外装円筒部材の上端に、次の前記連結部泥土飛散防止部材保持具の前記接合用円筒部材が嵌合することを特徴とする、請求項4に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具である。
【0015】
本願請求項6に係る発明は、前記回転軸は単軸又は複数軸で構成され、前記回転軸のそれぞれに設けられることを特徴とする、請求項5に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具である。
【0016】
本願請求項7に係る発明は、前記回転軸基部に前記回転軸本体が連結された前記回転軸を、前記回転駆動装置で地中に回転挿入させ掘削撹拌する前記掘削機の、前記回転駆動装置の下端の前記上部固定部から前記下部振止装置の上端までの前記回転軸の外周に、前記掘削機の前記泥土飛散防止部材を設置する方法であって、請求項1に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具を用いて、前記上部固定部泥土飛散防止部材保持具を、前記上部固定部に取付ける工程と、前記回転駆動装置の前記回転軸基部に前記回転軸本体を取付ける工程と、前記最上段の前記泥土飛散防止部材ユニットの下端部の前記固定フック取付け孔と、前記連結部泥土飛散防止部材保持具の前記内装環状部材とを前記固定フックで連結し、前記下部振止装置による上昇作業の準備をする工程と、前記上部固定部に取付けられている前記上部固定部泥土飛散防止部材保持具の前記内装環状部材と、上昇させた前記最上段の泥土飛散防止部材ユニットの上端部の前記固定フック取付け孔とを、前記固定フックで連結する工程と、前記最上段の泥土飛散防止部材ユニットを伸展させて、前記最上段の泥土飛散防止部材ユニットの下端部に、前記連結部泥土飛散防止部材保持具を配置する工程と、前記最上段の泥土飛散防止部材ユニットの下端部の前記固定フック取付け孔と、下段に配置される前記泥土飛散防止部材ユニットの上端部の前記固定フック取付け孔とを、前記連結部泥土飛散防止部材保持具の前記内装環状部材を介して前記固定フックで連結することを特徴とする、掘削機の泥土飛散防止部材保持具の設置方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、掘削機の回転駆動装置下端から下部振止装置の上端までの回転軸の外周に、泥土飛散防止部材が配置されるので、回転軸の泥土の飛散が防止される。また、泥土飛散防止部材は、所定長の伸縮自在な泥土飛散防止部材ユニットを必要な数量を連結させることで、回転軸の長さの変更に容易に対応できる。そして、泥土飛散防止部材保持具は、回転駆動装置下端の上部固定部には上部固定部泥土飛散防止部材保持具を設け、泥土飛散防止部材ユニットの下端部には泥土飛散防止部材ユニット同士を連結可能な連結部泥土飛散防止部材保持具を設けることで、掘削機の回転駆動装置下端から回転軸の外周に泥土飛散防止部材を容易に配置できる。さらに、泥土飛散防止部材保持具は、回転軸に摺動可能な外装環状部材と、泥土飛散防止部材が取り付けられる内装環状部材と、外装環状部材と内装環状部材との間隔を保持する連結部材とを備えた簡単な機構構成により、作業性に優れ、泥土飛散防止部材は外装環状部材を介して回転軸により支持され、風による飛散防止部材の巻き込みを防止できる。さらに、最上段の泥土飛散防止部材ユニットの上端部は、上部固定部泥土飛散防止部材保持具と固定フックにより容易に連結でき、最上段の泥土飛散防止部材ユニットの下端部は、連結部泥土飛散防止部材保持具を介して、連結される泥土飛散防止部材ユニットの上端部と容易に連結され、作業性に優れている。したがって、案内ロープなしで、風による飛散防止部材の巻き込みを防止し、さらに風による横揺れに伴う作業の中断を無くすことができる。
【0018】
加えて、回転軸本体は、回転軸基部と同一形状寸法のロッドで構成し、上部固定部泥土飛散防止部材保持具及び連結部泥土飛散防止部材保持具は、ロッドに摺動可能な外装棒状円環と、泥土飛散防止部材が取り付けられる内装棒状円環と、外装棒状円環と内装棒状円環との間隔を保持する棒状連結部材とを備えた簡単な棒状の構造であり、ロッドに対応して、泥土飛散防止部材を容易に設置でき作業性に優れている。
【0019】
加えて、回転軸が単軸又は複数軸で構成されても、回転軸のそれぞれに容易に設置でき作業性に優れている。
【0020】
加えて、回転軸基部はロッドで、回転軸本体はオーガーで構成し、上部固定部泥土飛散防止部材保持具は、回転軸基部を構成するロッドに摺動可能な外装棒状円環と、泥土飛散防止部材が取り付けられる内装棒状円環と、外装棒状円環と内装棒状円環との間隔を保持する複数の棒状連結部材と、を備えた簡単な棒状の構造であり、連結部泥土飛散防止部材保持具は、回転軸本体を構成するオーガーに摺動可能な外装円筒部材と、泥土飛散防止部材が取り付けられる内装棒状円環と、外装円筒部材と内装棒状円環との間隔を保持する棒状連結部材と、外装円筒部材の外側において下方に突設された接合用円筒部材と、を備えたオーガーに対応可能な簡単な機構構成であり、回転軸基部のロッド及び回転軸本体のオーガーに対応して、泥土飛散防止部材を容易に設置でき作業性に優れている。
【0021】
加えて、外装円筒部材の外側において下方に突設された接合用円筒部材は、泥土飛散防止部材ユニットが、縮小状態を形成して下部振止装置の上に、積み重ねた状態で載置される際、先に載置された連結部泥土飛散防止部材保持具の外装円筒部材の上端に、次の連結部泥土飛散防止部材保持具の接合用円筒部材が嵌合して、縮小した泥土飛散防止部材ユニットが安定して下部振止装置の上に積み重ねることができるため、下部振止装置には泥土飛散防止部材受けが不要であり、さらに案内ロープも不要である。
【0022】
加えて、回転軸が単軸又は複数軸で構成されても、回転軸のそれぞれに容易に設置でき作業性に優れている。
【0023】
加えて、泥土飛散防止部材保持具を用いた泥土飛散防止部材の設置方法は、上部固定部泥土飛散防止部材保持具と連結部泥土飛散防止部材保持具の簡単な機構構成により、泥土飛散防止部材ユニットを固定フックにより容易に連結しながら、回転軸の外周に設置でき、作業性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2】2軸掘削機に泥土飛散防止部材を取付けた正面図である。
【
図3】回転軸本体がロッドタイプの泥土飛散防止部材保持具である。(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図4】回転軸本体がロッドタイプの上部固定部に、上部固定部泥土飛散防止部材保持具及び最上段の泥土飛散防止部材を取付けたものである。(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図5】回転軸本体がロッドタイプの連結部泥土飛散防止部材保持具を介して、上段と下段の泥土飛散防止部材ユニット同士を連結したものである。(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図6】回転軸本体がオーガータイプの泥土飛散防止部材保持具である。(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図7】回転軸本体がオーガータイプの上部固定部に、上部固定部泥土飛散防止部材保持具及び最上段の泥土飛散防止部材を取付けたものである。(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図8】回転軸本体がオーガータイプの、連結部泥土飛散防止部材保持具を介して、上段と下段の泥土飛散防止部材ユニット同士を連結したものである。(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図9】回転軸の昇降に伴う泥土飛散防止部材の伸展及び縮小状態の正面図である。(a)は伸展状態(回転軸上昇)、(b)は縮小状態(回転軸下降)である。
【
図10】回転軸本体がオーガータイプの泥土飛散防止部材が、下部振止装置上に縮小した(回転軸が下降した)正面図である。
【
図11】泥土飛散防止部材保持具及び泥土飛散防止部材を、回転軸に取付ける設置方法の図で、回転軸本体がオーガータイプの場合を例として図示している。
【
図12】従来技術である先行技術文献1の、中間振止装置5、筒形カーテン8及び案内ロープ12等の正面図及び断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照する等して説明する。本発明は、泥土飛散防止部材を回転軸の外周に設置する際、風による泥土飛散防止部材の巻き込みがなく、掘削機の作業停止が少ない、掘削機の泥土飛散防止部材保持具及び設置方法に関するものである。また、以下に記載する各部材等の材質、形状及び寸法は、実施例としての一例であり、変更することは設計的事項である。
【0026】
<用語の定義>
上、下:地盤に対して鉛直に起立した回転軸に対する地盤と反対側を「上」、地盤側を「下」とする。
軸に摺動可能な外装:軸の外周側に摺動可能に装着され、回転する軸に対して上下に昇降できること。軸に対して隙間を設けて装着すること(遊嵌状態)も含む。
部材が取り付けられる内装:部材の内周側に装着して取付けること。
【0027】
図1は掘削機の側面図で、
図2は2軸掘削機に泥土飛散防止部材を取付けた正面図であり、
図3は回転軸本体がロッドタイプの泥土飛散防止部材保持具で、
図4は回転軸本体がロッドタイプの上部固定部に、上部固定部泥土飛散防止部材保持具及び泥土飛散防止部材を取付けたもので、
図5は回転軸本体がロッドタイプの連結部泥土飛散防止部材保持具を介して、上段と下段の泥土飛散防止部材ユニット同士を連結したもので、
図6は回転軸本体がオーガータイプの泥土飛散防止部材保持具で、
図7は回転軸本体がオーガータイプの上部固定部に、上部固定部泥土飛散防止部材保持具及び最上部の泥土飛散防止部材を取付けたもので、
図8は回転軸本体がオーガータイプの連結部泥土飛散防止部材保持具を介して、上段と下下段の泥土飛散防止部材ユニット同士を連結したもので、
図9は2軸の回転軸の昇降に伴う泥土飛散防止部材の伸展及び縮小状態で、
図10は回転軸本体がオーガータイプの泥土飛散防止部材が、下部振止装置上に縮小した(回転軸が下降した)正面図で、
図11は泥土飛散防止部材保持具及び泥土飛散防止部材を、回転軸本体がオーガータイプの回転軸に取付ける設置方法の図で、
図12は従来技術である先行技術文献1の筒形カーテンの正面図及び断面図である。
【0028】
<掘削機1の回転駆動装置5と回転軸6>
図1の掘削機1は、一例として、ベースマシーン3にリーダー4を起立し、リーダー4に回転駆動装置5を吊下げて回転軸6を回転駆動させて地盤2を掘削及び撹拌するものであり、杭の設置又は地盤改良等に適用できるものである。回転駆動装置5の回転駆動装置支持部51には、上部固定部52が設けられている。回転軸6は、回転軸基部60(いわゆる、回転駆動装置の下部フランジで、一例として、公知の断面形状の棒状のロッドで構成)に回転軸本体6S(いわゆる、ロッドタイプやオーガータイプ)を嵌合固定して回転可能に連結したもので、回転軸6の下方先端には、掘削撹拌部7を備え、撹拌翼71及び掘削刃72を有している。また、回転軸6には、リーダー4に昇降可能に固定された振止装置61を備え、中間振止装置611及び下部振止装置612を有している。そして、上部固定部52の下端の回転軸基部60から回転軸本体6Sの下部振止装置612の上端までの、回転軸6の外周に、泥土飛散防止部材8が配置され、回転軸6の泥土の飛散が防止されている。掘削機1の回転駆動装置5は、単軸又は複数本の多軸が選択でき、かつ回転軸本体の形状は、一例としてロッドタイプ(いわゆる公知の断面形状の棒状の掘削軸タイプで以下、ロッド6Aという)又はオーガータイプ(いわゆるスクリュー付掘削軸で以下、オーガー6Bという)が選択できる。
【0029】
<泥土飛散防止部材8の回転軸6への設置>
図2(a)は、一例として2軸の回転軸6・6を有する回転駆動装置5を備えた掘削機1の、2軸の回転軸6・6の各回転駆動装置支持部51・51の各上部固定部52・52から、中間振止装置611を介して下部振止装置612の上端までの、回転軸6・6の外周に、案内ロープ無しで2つの泥土飛散防止部材8・8が配置された正面図である。
図2(b)、(c)の各断面図に示すように、1つの回転軸6に、それぞれ後述する泥土飛散防止部材保持具9を配置して、1つの泥土飛散防止部材8は回転軸ごとに独立して個別に設置されている。なお、3軸以上の場合も同様に独立して個別に設置される。
【0030】
<泥土飛散防止部材ユニット8M>
泥土飛散防止部材8は、所定長LSの伸縮自在な泥土飛散防止部材ユニット8M(M=1~N)を必要数N連結したものであり、泥土飛散防止部材ユニット8Mには公知の伸縮自在な蛇腹風管が使用される。
図2(a)に示すものは、一例として回転軸6(外径φ267mm)に対応した内径φS=500mm、所定長LS=5000mmの泥土飛散防止部材ユニット8Mを、一例として必要数N=3個の泥土飛散防止部材ユニット81(M=1)・82(M=2)・83(M=3)を連結して、構成したものであり、全長L=15mに形成されている。なお、掘削長に応じて所定長LS以下の調整ユニット8Tも使用できる。さらに内径φS、所定長LS及びユニット8Mの必要数Nの変更は、設計的事項である。
【0031】
<泥土飛散防止部材保持具9の配置>
図2(a)に示すように、回転軸6の回転駆動装置下端の上部固定部52には、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952(9)が回転軸基部60(6)に摺動可能に外装して(軸に対して隙間を設けて装着する遊嵌状態も含む)設けられている。そして、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952(9)を介して、最上段の泥土飛散防止部材ユニット81(M=1)の上端部が固定されている。最上段の泥土飛散防止部材ユニット81の下端部には、連結部泥土飛散防止部材保持具980(9)が回転軸本体6S(6)に摺動可能に外装して(軸に対して隙間を設けて装着する遊嵌状態も含む)設けられている。そして、連結部泥土飛散防止部材保持具980(9)を介して、連結される泥土飛散防止部材ユニットである泥土飛散防止部材ユニット82(M=2)の上端部が固定され、泥土飛散防止部材ユニット連結部800が形成される。連結される泥土飛散防止部材ユニットである泥土飛散防止部材ユニット82の下端部には、連結部泥土飛散防止部材保持具980(9)が回転軸本体6S(6)に摺動可能に外装して設けられている。そして、連結部泥土飛散防止部材保持具980(9)を介して、次に連結される泥土飛散防止部材ユニットである泥土飛散防止部材ユニット83(M=3)の上端部が固定され、泥土飛散防止部材ユニット連結部800が形成されている。次に連結される泥土飛散防止部材ユニットである泥土飛散防止部材ユニット83の下端部には、連結部泥土飛散防止部材保持具980(9)が回転軸本体6S(6)に摺動可能に外装して設けられている。そして、泥土飛散防止部材ユニットが必要数であるN=3個連結されている。したがって、泥土飛散防止部材8は、上部固定部52の上部固定部泥土飛散防止部材保持具952(9)から、2箇所の連結部800と下端部を含む3箇所の連結部泥土飛散防止部材保持具980(9)により下部振止装置612の上端まで、回転軸6の外周に配置され、泥土飛散防止部材保持具9により回転軸6に支持されることにより、案内ロープなしで、風による飛散防止部材の巻き込みを防止し、さらに風による横揺れに伴う作業の中断を無くすことができる。
【0032】
<ロッドタイプ(回転軸本体6Sがロッド6A)に取付ける泥土飛散防止部材保持具9A>
上部固定部泥土飛散防止部材保持具952A(952)(9)を取付ける回転軸6は回転軸基部60(6)であり、回転軸基部60(6)は棒状のロッド(一例として外径φ267)(6)で構成されている。連結部泥土飛散防止部材保持具980A(980)(9)を取付ける回転軸6は、回転軸本体6Sのロッド6A(6)(一例として外径φ267)となる。ロッドタイプの場合、回転軸基部60と回転軸本体6Sとは、同一形状寸法の回転軸6のロッドとなる。このため、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952A(952)(9)と、連結部泥土飛散防止部材保持具980A(980)(9)とは、同一構造寸法の泥土飛散防止部材保持具9A(9)である。
図3(a)は、ロッド6A(6)に取付ける泥土飛散防止部材保持具9A(9)の平面図、
図3(b)は、正面図である。泥土飛散防止部材保持具9A(9)は、ロッド6A(6)に摺動可能な棒状部材で形成される外装棒状円環91A(外装環状部材91)、泥土飛散防止部材8が取り付けられる棒状部材で形成される内装棒状円環92A(内装環状部材92)、及び外装棒状円環91Aと内装棒状円環92Aとの間隔を保持する棒状部材で形成される棒状連結部材93A(連結部材93)で構成されている。そして、外装棒状円環91A(外装環状部材91)と内装棒状円環92A(内装環状部材92)は、ロッド6A(6)の軸芯を中心とする同心円である。また、外装棒状円環91Aには、弾性部材911Aが取付けられて、ロッド6A(6)に摺動可能となっている。一例として、外径φ267mmのロッド6Aの場合、外装棒状円環91Aは内径φ300mm、内装棒状円環92Aは外径φ500mm(内径φ500mmの泥土飛散防止部材8が取り付けられる)、棒状連結部材93Aは4本で、外装棒状円環91A、内装棒状円環92A及び棒状連結部材93Aには、φ16mmの丸鋼を使用して、各部材を溶着して形成されている。弾性部材911Aには、一例として難燃性ポリプロピレン製スパイラルチューブが使用でき、ロッド6Aと外装棒状円環91Aとの接触に伴う消音対策として有効である。泥土飛散防止部材保持具9A(9)は、上記のように簡単な機構構成であり、ロッド6A(6)及び泥土飛散防止部材8に容易に設置でき作業性に優れている。また、ロッド6A(6)に摺動可能な外装棒状円環91Aと、泥土飛散防止部材8が取り付けられる内装棒状円環92Aと、を棒状連結部材93Aにより間隔を保持することにより、泥土飛散防止部材8は外装棒状円環91Aを介してロッド6A(6)に取り付けられて支持され、風による飛散防止部材8の巻き込みを防止する。そして風による横揺れに伴う作業の中断を無くすことができる。
【0033】
<ロッドタイプ(回転軸本体6Sがロッド6A)の上部固定部泥土飛散防止部材保持具952A>
上部固定部泥土飛散防止部材保持具952A(952)(9)を取付ける回転軸6は回転軸基部60(6)であり、回転軸基部60は棒状のロッド(一例として外径φ267)(6)で構成されている。
図4は、回転軸基部60(6)の上部固定部52A(52)に、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952A(952)(9)及び泥土飛散防止部材8(泥土飛散防止部材ユニット81)を取付けたものである。(a)は平面図、(b)は正面図である。回転駆動装置5直下には、一例として、公知の既製鋼材(一般形鋼及び丸鋼等)を加工した外周骨組部材52A01及び斜材骨組部材52A02を溶着し、斜材骨組部材52A02には保持孔52A02Hが形成された、上部固定部52A(52)が設けられ、中央に回転軸基部60(6)が挿通されている。そして、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952A(952)(9)は、外装棒状円環91A(外装環状部材91)(一例として内径φ300mm)に弾性部材911Aが取付けられて、回転軸基部60(6)(一例として外径φ267mm)に摺動可能に外装され、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952A(952)(9)の内装棒状円環92A(内装環状部材92)(一例として外径φ500mm)は、上部固定部52A(52)の斜材骨組部材52A02の保持孔52A02Hに、一例として4箇所の固定フック10・10・10・10により吊下げて固定されたものである。固定フック10は、一例として公知のCリングである(
図4(b)参照)。また、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952A(952)(9)の内装棒状円環92A(内装環状部材92)と、最上段の泥土飛散防止部材ユニット81(内径φS=500mm、所定長LS=5000mm)(8)の上端部の、一例として4箇所の固定フック取付け孔801・801・801・801とは、固定フック10・10・10・10により連結され、容易に設置でき作業性に優れている。また、最上段の泥土飛散防止部材ユニット81(8)の上端部は、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952A(952)(9)が内装配置されることにより、回転軸基部60(6)及び上部固定部52A(52)に取付けられて支持されており、風による飛散防止部材8の巻き込みを防止し、さらに風による横揺れに伴う作業の中断を無くすことができる。
【0034】
<ロッドタイプ(回転軸本体6Sがロッド6A)の連結部泥土飛散防止部材保持具980A>
連結部泥土飛散防止部材保持具980A(980)(9)を取付ける回転軸6は、回転軸本体6Sのロッド6A(6)(一例として外径φ267)となる。
図5は、連結される泥土飛散防止部材ユニットは81・82であり、連結される泥土飛散防止部材ユニットの上段に配置される泥土飛散防止部材ユニットである泥土飛散防止部材ユニット81(8)(以下、上段のユニットという)(一例として内径φS=500mm、所定長LS=5000mm)の下端部に、ロッド6A(6)に摺動可能に外装された連結部泥土飛散防止部材保持具980A(980)(9)を設けて、連結される泥土飛散防止部材ユニットの下段に配置される泥土飛散防止部材ユニットである泥土飛散防止部材ユニット82(8)(以下、下段のユニットという)の上端部を連結したものである。よって連結される泥土飛散防止部材ユニット81・82間に連結部泥土飛散防止部材保持具980A(980)(9)が設けられている。(a)は平面図、(b)は正面図である。上段のユニットの泥土飛散防止部材81(M=1)の下端部には一例として4箇所設けられた固定フック取付け孔801・801・801・801が形成されている。また、下段のユニットの土飛散防止部材82(M=2)の上端部にも一例として4箇所設けられた固定フック取付け孔801・801・801・801が形成されている。また、連結部泥土飛散防止部材保持具980A(980)(9)は、外装棒状円環91A(外装環状部材91)(一例として内径φ300mm)によりロッド6A(6)(外径φ267mm)に摺動可能に外装されており、内装棒状円環92A(内装環状部材92)(一例として外径φ500mm)は泥土飛散防止部材8(内径φS500mm)に取り付けられて、外装棒状円環91A(外装環状部材91)と内装棒状円環92A(内装環状部材92)との間隔を保持する複数の棒状連結部材93A(連結部材93)により連結されている。さらに、外装棒状円環91Aには、弾性部材911Aが取付けられて、ロッド6A(6)に対して摺動可能に外装され、かつ接触に伴う消音対策として有効となっている。そして、上段と下段の泥土飛散防止部材ユニット81・82の連結は、上段の泥土飛散防止部材ユニット81の下端部の固定フック取付け孔801・801・801・801に固定フック10・10・10・10を係止して、連結部泥土飛散防止部材保持具980A(980)(9)の内装棒状円環92A(内装環状部材92)を連結しておく。次に内装棒状円環92A(内装環状部材92)に対して、下段の泥土飛散防止部材ユニット82の上端部の固定フック取付け孔801・801・801・801に固定フック10・10・10・10を係止する。下段の泥土飛散防止部材ユニット82が無い場合は、上段の泥土飛散防止部材ユニット81の固定フック取付け孔801・801・801・801に固定フック10・10・10・10を係止して、連結部泥土飛散防止部材保持具980A(980)(9)の内装棒状円環92A(内装環状部材92)を連結した状態が、飛散防止部材8の下端部となる。このため、容易に連結して設置でき、作業性に優れている。なお、固定フック10は、一例として公知のCリングである(
図4(b)参照)。また、上段と下段の泥土飛散防止部材ユニット81・82(8)は、連結部泥土飛散防止部材保持具980A(980)の内装棒状円環92A(内装環状部材92)を介することにより、ロッド6A(6)に取付けられ、風による飛散防止部材8の巻き込みを防止し、さらに風による横揺れに伴う作業の中断を無くすことができる。
【0035】
<オーガータイプ(回転軸本体6Sがオーガー6B)に取付ける泥土飛散防止部材保持具9B>
上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)(9)を取付ける回転軸6は回転軸基部60(6)であり、回転軸基部60は棒状のロッド(一例として外径φ267)で構成されている。連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)を取付ける回転軸6は、回転軸本体6Sのオーガー6B(6)(一例として外径φ500)となる。このため、回転軸基部60と回転軸本体6Sとでは、回転軸6の形状が異なり、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)(9)と、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)とでは、異なる構造の泥土飛散防止部材保持具9B(9)となっている。
図6(a)は、オーガー6B(6)に取付ける泥土飛散防止部材保持具9B(9)の平面図、
図6(b)は、正面図である。回転軸6がオーガー6B(6)の場合、泥土飛散防止部材保持具9B(9)は、オーガー6B(6)に摺動可能な円筒部材で形成される外装円筒部材91B(外装環状部材91)、泥土飛散防止部材8が取り付けられる棒状部材で形成される内装棒状円環92B(内装環状部材92)、及び外装円筒部材91B(外装環状部材91)と内装棒状円環92B(内装環状部材92)との間隔を保持する棒状部材で形成される棒状連結部材93B(連結部材93)、及び外装円筒部材91Bの外側において下方に突設された接合用円筒部材94Bで構成されている。そして、外装円筒部材91B(外装環状部材91)、内装棒状円環92B(内装環状部材92)及び接合用円筒部材94Bは、オーガー6B(6)の軸芯を中心とする同心円である。一例として、オーガー6Bの外径φ500mmに対し、外装円筒部材91Bは外径φ618mm、高さ500mmの鋼管(t=9mm)で、内装棒状円環92Bはφ16mm丸鋼を使用して外径φ1000mmで、4本の棒状連結部材93Bはφ16mm丸鋼で、接合用円筒部材94Bは外径φ718mm、高さ100mmの鋼管(t=9mm)で、構成し、各部材を溶着して形成している。泥土飛散防止部材保持具9B(9)は、上記のように簡単な機構構成であり、オーガー6B(6)及び泥土飛散防止部材8(内径φS1000mm)に容易に設置でき作業性に優れ、オーガー6B(6)に摺動可能な外装円筒部材91B(外装環状部材91)と泥土飛散防止部材8が取り付けられる内装棒状円環92B(内装環状部材92)との間隔を保持する棒状連結部材93B(連結部材93)により、泥土飛散防止部材8の風による巻き込みを防止し、さらに風による横揺れに伴う作業の中断を無くすことができる。さらに、縮小状態となった泥土飛散防止部材ユニット8(N-1)の接合用円筒部材94B(N-1)は、先行して縮小状態となった泥土飛散防止部材ユニット8(N)の外装円筒部材91B(N)上に嵌合載置され、安定的に泥土飛散防止部材ユニット8M(M=1~N)の縮小状態が形成される。
図10参照。
【0036】
<オーガータイプ(回転軸本体6Sがオーガー6B)に取付ける上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B>
上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)(9)を取付ける回転軸6は回転軸基部60であり、回転軸基部60は棒状のロッド(一例として外径φ267)で構成されている。
図7は、回転軸基部60(6)の上部固定部52B(52)に、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)(9)及び泥土飛散防止部材8(泥土飛散防止部材ユニット81)を取付けたものである。(a)は平面図、(b)は正面図である。回転駆動装置5直下には、一例として4本の公知の既製鋼材(一般形鋼及び丸鋼等)を加工した鉛直骨組部材52B01で構成され、中央に回転軸基部60(6)が挿通された上部固定部52B(52)が設けられ、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)(9)が溶着して取付けられている。上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)(9)は、回転軸基部60(6)に摺動可能な外装棒状円環91AB(外装環状部材91)、泥土飛散防止部材8が取り付けられる内装棒状円環92AB(内装環状部材92)、及び外装棒状円環91ABと内装棒状円環92ABとの間隔を保持する棒状連結部材93AB(連結部材93)で構成されている。一例として、外装棒状円環91ABは内径φ300mm、内装棒状円環92ABは外径φ1000mmで、外装棒状円環91AB、内装棒状円環92AB及び4本の棒状連結部材93ABには、φ16mm丸鋼を使用して、各部材を溶着して形成されている。また、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)(9)の内装棒状円環92AB(92)と最上段の泥土飛散防止部材ユニット81(一例として内径φS=1000mm、所定長LS=5000mm)(8)の上端部の、一例として4箇所の固定フック取付け孔801・801・801・801とは、固定フック10・10・10・10により連結され、上部固定部52B(52)に容易に設置でき作業性に優れている。そして、最上段の泥土飛散防止部材ユニット81(8)の上端部は、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)を介して、回転軸基部60(6)及び上部固定部52B(52)に取付けられることにより、風による飛散防止部材8の巻き込みを防止し、さらに風による横揺れに伴う作業の中断を無くすことができる。
【0037】
<オーガータイプ(回転軸本体6Sがオーガー6B)に取付ける連結部泥土飛散防止部材保持具980B>
連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)を取付ける回転軸6は、回転軸本体6Sのオーガー6B(6)(一例として外径φ500)となる。
図8は、連結される泥土飛散防止部材ユニットは81・82であり、連結される泥土飛散防止部材ユニットの上段に配置される泥土飛散防止部材ユニットである泥土飛散防止部材ユニット81(8)(以下、上段のユニットという)(一例として内径φS=1000mm、所定長LS=5000mm)の下端部にオーガー6B(6)の連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)を設けて、連結される泥土飛散防止部材ユニットの下段に配置される泥土飛散防止部材ユニットである泥土飛散防止部材ユニット82(8)(以下、下段のユニットという)を連結したものである。よって連結される泥土飛散防止部材ユニット81・82間に連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)が設けられている。(a)は平面図、(b)は正面図である。上段のユニットの泥土飛散防止部材81(M=1)の下端部には一例として4箇所設けられた固定フック取付け孔801・801・801・801が形成されている。また、下段のユニットの泥土飛散防止部材82(M=2)の上端部にも一例として4箇所設けられた固定フック取付け孔801・801・801・801が形成されている。また、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)は、外装円筒部材91B(一例として外径φ618mm)(外装環状部材91)によりオーガー6B(6)(外径φ500)に摺動可能に外装されており、内装棒状円環92B(外径φ1000)(内装環状部材92)により泥土飛散防止部材8(内径φ1000)に取付けられ、外装円筒部材91B(外装環状部材91)と内装棒状円環92B(内装環状部材92)との間隔を保持する一例として4本の棒状連結部材93B(連結部材93)により連結され、さらに外装円筒部材91Bの外側において下方に突設された接合用円筒部材94B(一例として外径φ718mm)を有している。そして、上段と下段の泥土飛散防止部材ユニット81・82の連結は、上段のユニットの泥土飛散防止部材ユニット81の下端部の固定フック取付け孔801・801・801・801に固定フック10・10・10・10を係止して、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)の内装棒状円環92B(内装環状部材92)を連結する。次に内装棒状円環92B(内装環状部材92)に対して、下段のユニットの泥土飛散防止部材ユニット82の上端部の固定フック取付け孔801・801・801・801に固定フック10・10・10・10を係止する。下段の泥土飛散防止部材ユニット82が無い場合は、上段の泥土飛散防止部材ユニット81の固定フック取付け孔801・801・801・801に固定フック10・10・10・10を係止して、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)の内装棒状円環92B(内装環状部材92)を連結した状態が、飛散防止部材8の下端部となる。このため容易に連結して設置でき、作業性に優れている。なお、固定フック10は、一例として公知のCリングである(
図4(b)参照)。また、上段と下段の泥土飛散防止部材ユニット81・82(8)は、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)の内装棒状円環92B(内装環状部材92)を介することにより、オーガー6B(6)に取付けられ、風による飛散防止部材8の巻き込みを防止し、さらに風による横揺れに伴う作業の中断を無くすことができる。
【0038】
<回転軸6の昇降に伴う泥土飛散防止部材8の伸展及び縮小>
図9は、一例として2軸の回転軸6(6)の回転駆動装置51の上部固定部52に、泥土飛散防止部材8を固定装着し、回転軸6(6)の昇降に伴う泥土飛散防止部材8の伸展及び縮小状態を示す正面図である。(a)は伸展状態(回転軸上昇状態)、(b)は縮小状態(回転軸下降状態)である。泥土飛散防止部材8は、一例として必要数N=3の泥土飛散防止部材ユニット81・82・83で構成し、最上段の泥土飛散防止部材ユニット81の上端部に設けられた上部固定部泥土飛散防止部材保持具952と、各泥土飛散防止部材ユニット81・82・83の各下端部に設けられた連結部泥土飛散防止部材保持具980により、連結され、上部固定部52に吊下げられて伸展状態(回転軸上昇状態)を形成している。
図9(a)参照。縮小状態(回転軸下降状態)は、泥土飛散防止部材ユニット81・82・83が、順次最下端部の泥土飛散防止部材ユニット83から、折り畳まれて連結部泥土飛散防止部材保持具980に縮小状態を形成し、同様に3個の縮小状態を形成して、下部振止装置612の上に、積み重ねた状態で載置されたものである。
図9(b)参照。そして、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952及び連結部泥土飛散防止部材保持具980で構成された泥土飛散防止部材保持具(9)を採用することにより、従来技術と異なり、下部振止装置612には泥土飛散防止部材受けが不要であり、さらに案内ロープも不要である。
【0039】
<オーガー6Bの下降に伴い、折り畳まれた泥土飛散防止部材ユニット8M>
図10は、オーガー6B(6)の下降に伴い、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)を介して、泥土飛散防止部材ユニット81・82・・・8(N-2)・8(N-1)・8(N)同士が連結された泥土飛散防止部材8が、1~N個までの縮小状態を形成して、下部振止装置612の上に、積み重ねた状態で載置されたもので、最下端部の8(N-2)・8(N-1)・8(N)の3個を図示したものである。連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)は、外装円筒部材91Bがオーガー6B(6)に摺動可能に外装され、内装棒状円環92Bが泥土飛散防止部材8に取り付けられ、外装円筒部材91Bと内装棒状円環92Bとの間隔を保持する複数本の棒状連結部材93Bにより91Bと92Bは連結され、さらに外装円筒部材91Bの外側において下方に突設された接合用円筒部材94Bを有している。折り畳まれ縮小状態となった泥土飛散防止部材ユニット8Nは、複数の棒状連結部材93B(N)を底面とし、外装円筒部材91B(N)を縦壁とした箇所に収容されて、先に下部振止装置612の上に載置されている。先に下部振止装置612の上に載置された泥土飛散防止部材ユニット8Nの外装円筒部材91B(N)の上端に、次の泥土飛散防止部材ユニット8(N-1)の接合用円筒部材94B(N-1)が、嵌合載置され、同様に泥土飛散防止部材ユニット8(N-1)は折り畳まれ縮小状態となる。以下同様に繰り替えされて、泥土飛散防止部材ユニット8M(M=1~N)の縮小状態が形成される。ユニット8(N-1)である接合用円筒部材94B(N-1)が、ユニット8Nである外装円筒部材91B(N)上に嵌合載置されるため、縮小した泥土飛散防止部材ユニット8M(M=1~N)が安定して下部振止装置612の上に積み重ねることができるため、下部振止装置612には泥土飛散防止部材受けが不要であり、さらに案内ロープも不要である。
【0040】
<泥土飛散防止部材保持具9を用いて、回転軸6に泥土飛散防止部材8を設置する方法>
図11は、上記に記載した泥土飛散防止部材保持具9を用いて、回転駆動装置5の回転駆動装置支持部51の上部固定部52から下部振止装置612の上端までの、掘削機1の回転軸6の外周に、泥土飛散防止部材8を設置する方法である。
図11では、泥土飛散防止部材8として、泥土飛散防止部材ユニット8Mを2個(81・82)連結する設置方法を図示している。枚数が増加しても同様である。また、掘削機1の回転軸6のタイプはオーガー6B(6)で記載するが、タイプが変わっても同様である。さらに、回転軸6が複数の場合は、各回転軸6に
図11と同様な方法で設置することができる。
(a)上部固定部泥土飛散防止部材保持具を、上部固定部に取付ける工程;回転駆動装置5の回転駆動装置支持部51B(51)の上部固定部52B(52)に、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)(9)を取付ける。
図11(a)参照。
(b)回転駆動装置の回転軸基部に回転軸本体を取付ける工程;回転駆動装置5の回転軸基部60にオーガー6B(6)を取付ける。そして、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)及び泥土飛散防止部材ユニット81を準備する。
図11(b)参照。
(c)最上段の泥土飛散防止部材ユニットの下端部の固定フック取付け孔と、連結部泥土飛散防止部材保持具の内装環状部材とを固定フックで連結し、下部振止装置による上昇作業の準備をする工程;最上段の泥土飛散防止部材ユニット81の下端部に、オーガー6B(6)に摺動可能な外装円筒部材91B(91)及び泥土飛散防止部材8に取付ける内装棒状円環92B(92)を備えた連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)を設置し、泥土飛散防止部材ユニット81の下端部の固定フック取付け孔801と、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)の内装棒状円環92B(92)とを、固定フック10で連結する。そして、最上段の泥土飛散防止部材ユニット81を折り畳んだ状態とする(縮小状態)。次に、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)の下端に、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)を下方から嵌合支持する治具を備えた下部振止装置612を嵌合し、オーガー6B(6)の直下に配置する。
図11(c)参照。
(d)上部固定部に取付けられている上部固定部泥土飛散防止部材保持具の内装環状部材と、上昇させた最上段の泥土飛散防止部材ユニットの上端部の固定フック取付け孔とを、固定フックで連結する工程;連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)を構成する外装円筒部材91B(91)内にオーガー6B(6)を挿入して、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)を下方から嵌合支持する治具を備えた下部振止装置612を上方に巻き上げ、上部固定部52B(52)の上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)(9)に、折り畳んだ状態の最上段の泥土飛散防止部材ユニット81の上端部を近接させる。次に上部固定部52B(52)の上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)(9)の内装棒状円環92AB(92)と、折り畳んだ状態の最上段の泥土飛散防止部材ユニット81の上端部の固定フック取付け孔801とを、固定フック10で連結する。
図11(d)参照。
(e)最上段の泥土飛散防止部材ユニットを伸展させて、最上段の泥土飛散防止部材ユニットの下端部に、連結部泥土飛散防止部材保持具を配置する工程;折り畳んだ状態の最上段の泥土飛散防止部材ユニット81の上端部が最上段の上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)(9)に連結された後、折り畳んだ状態の泥土飛散防止部材ユニット81を載置した連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)は、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)を構成する外装円筒部材91B(91)内にオーガー6B(6)を挿入した状態で、下部振止装置612を下降し、最上段の泥土飛散防止部材ユニット81を伸展する。伸展させた最上段の泥土飛散防止部材ユニット81の下端には、オーガー6B(6)に摺動可能な外装円筒部材91B(91)及び泥土飛散防止部材8を支持する内装棒状円環92B(92)を備えた連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)が配置されている(伸展状態)。
図11(e)参照。
(f)最上段の泥土飛散防止部材ユニットの下端部の固定フック取付け孔と、下段に配置される泥土飛散防止部材ユニットの上端部の固定フック取付け孔とを、連結部泥土飛散防止部材保持具の内装環状部材を介して固定フックで連結する工程;伸展させた最上段の泥土飛散防止部材ユニット81の下端部の固定フック取付け孔801と、下段に配置される泥土飛散防止部材ユニット82の上端部の固定フック取付け孔801とを、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)の内装環状部材92B(92)を介して固定フック10で連結し、その後伸展されて、オーガー6B(6)への泥土飛散防止部材8の伸展状態での配置が完了する。
図11(f)参照。
【符号の説明】
【0041】
1 掘削機(地盤改良装置)
2 地盤
3 ベースマシーン
4 リーダー
5 回転駆動装置
51 回転駆動装置支持部
52 上部固定部
52A ロッドタイプの上部固定部
52A01 外周骨組部材
52A02 斜材骨組部材
52A02H 保持孔
52B オーガータイプの上部固定部
52B01 鉛直骨組部材
6 回転軸
60 回転軸基部
6S 回転軸本体
6A ロッド
6B オーガー
61 振止装置
611 中間振止装置
612 下部振止装置
7 掘削撹拌部
71 撹拌翼
72 掘削刃
8 泥土飛散防止部材
8M 泥土飛散防止部材ユニット(M=1~N)
8T 調整ユニット
800 泥土飛散防止部材ユニット連結部
801 固定フック取付け孔
9 泥土飛散防止部材保持具
952 上部固定部泥土飛散防止部材保持具
980 連結部泥土飛散防止部材保持具
91 回転軸に摺動可能な外装環状部材
92 泥土飛散防止部材が取り付けられる内装環状部材
93 外装環状部材と内装環状部材との間隔を保持する連結部材
9A ロッドタイプの泥土飛散防止部材保持具
952A 上部固定部泥土飛散防止部材保持具
980A 連結部泥土飛散防止部材保持具
91A ロッドに摺動可能な外装棒状円環
92A 泥土飛散防止部材が取り付けられる内装棒状円環
93A 91Aと92Aとの間隔を保持する棒状連結部材
911A 外装棒状円環に取付けられた弾性部材
9B オーガータイプの泥土飛散防止部材保持具
952B 上部固定部泥土飛散防止部材保持具
91AB 回転軸基部に摺動可能な外装棒状円環
92AB 泥土飛散防止部材が取り付けられる内装棒状円環
93AB 91ABと92ABとの間隔を保持する棒状連結部材
980B 連結部泥土飛散防止部材保持具
91B オーガーに摺動可能な外装円筒部材
92B 泥土飛散防止部材が取り付けられる内装棒状円環
93B 91Bと92Bとの間隔を保持する棒状連結部材
94B 外装円筒部材の外側において下方に突設された接合用円筒部材
10 固定フック
【手続補正書】
【提出日】2023-07-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸基部に回転軸本体が連結された回転軸を、回転駆動装置で地中に回転挿入させ掘削撹拌する掘削機の、前記回転駆動装置の下端から下部振止装置の上端までの、前記回転軸の外周に配置される、泥土飛散防止部材の泥土飛散防止部材保持具であって、
前記泥土飛散防止部材は、所定長の伸縮自在な泥土飛散防止部材ユニットが必要数連結されたものであり、
前記泥土飛散防止部材保持具は、前記回転駆動装置下端の上部固定部に設けられると共に、最上段の前記泥土飛散防止部材ユニットの上端部が連結される上部固定部泥土飛散防止部材保持具と、連結される前記泥土飛散防止部材ユニット間に設けられる連結部泥土飛散防止部材保持具と、で構成され、
前記上部固定部泥土飛散防止部材保持具及び前記連結部泥土飛散防止部材保持具は、前記回転軸に摺動可能な外装環状部材と、前記泥土飛散防止部材が取り付けられる内装環状部材と、前記外装環状部材と前記内装環状部材との間隔を保持する連結部材と、を備え、
前記上部固定部泥土飛散防止部材保持具の前記内装環状部材と、前記最上段の前記泥土飛散防止部材ユニットの上端部の固定フック取付け孔とは、固定フックで連結され、
前記連結される前記泥土飛散防止部材ユニットの上段に配置される前記泥土飛散防止部材ユニットの下端部の前記固定フック取付け孔と、下段に配置される前記泥土飛散防止部材ユニットの上端部の前記固定フック取付け孔とは、前記連結部泥土飛散防止部材保持具の前記内装環状部材を介して前記固定フックで連結されることを特徴とする、掘削機の泥土飛散防止部材保持具。
【請求項2】
前記回転軸本体は、前記回転軸基部と同一形状寸法のロッドで構成し、
前記外装環状部材は棒状部材で形成される外装棒状円環であり、前記内装環状部材は棒状部材で形成される内装棒状円環であり、前記連結部材は棒状部材で形成される棒状連結部材であり、前記外装棒状円環は弾性部材を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具。
【請求項3】
前記回転軸は単軸又は複数軸で構成され、前記回転軸のそれぞれに設けられることを特徴とする、請求項2に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具。
【請求項4】
前記回転軸基部はロッドで、前記回転軸本体は、オーガーで構成し、
前記上部固定部泥土飛散防止部材保持具は前記回転軸基部に対応して設けられ、前記外装環状部材は棒状部材で形成される外装棒状円環であり、前記内装環状部材は棒状部材で形成される内装棒状円環であり、前記連結部材は棒状部材で形成される棒状連結部材であり、
前記連結部泥土飛散防止部材保持具は前記回転軸本体に対応して設けられ、前記外装環状部材は前記オーガーに摺動可能な円筒部材で形成される外装円筒部材であり、前記内装環状部材は棒状部材で形成される内装棒状円環であり、前記連結部材は棒状部材で形成される棒状連結部材であり、前記外装円筒部材の外側において下方に突設された接合用円筒部材を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具。
【請求項5】
前記泥土飛散防止部材ユニットが、縮小状態を形成して、前記下部振止装置の上に、積み重ねた状態で載置された際、先に載置された前記連結部泥土飛散防止部材保持具の前記外装円筒部材の上端に、次の前記連結部泥土飛散防止部材保持具の前記接合用円筒部材が嵌合することを特徴とする、請求項4に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具。
【請求項6】
前記回転軸は単軸又は複数軸で構成され、前記回転軸のそれぞれに設けられることを特徴とする、請求項5に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具。
【請求項7】
前記回転軸基部に前記回転軸本体が連結された前記回転軸を、前記回転駆動装置で地中に回転挿入させ掘削撹拌する前記掘削機の、前記回転駆動装置の下端の前記上部固定部から前記下部振止装置の上端までの前記回転軸の外周に、前記掘削機の前記泥土飛散防止部材を設置する方法であって、
請求項1に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具を用いて、
前記上部固定部泥土飛散防止部材保持具を、前記上部固定部に取付ける工程と、
前記回転駆動装置の前記回転軸基部に前記回転軸本体を取付ける工程と、
前記最上段の前記泥土飛散防止部材ユニットの下端部の前記固定フック取付け孔と、前記連結部泥土飛散防止部材保持具の前記内装環状部材とを前記固定フックで連結し、前記下部振止装置による上昇作業の準備をする工程と、
前記上部固定部に取付けられている前記上部固定部泥土飛散防止部材保持具の前記内装環状部材と、上昇させた前記最上段の泥土飛散防止部材ユニットの上端部の前記固定フック取付け孔とを、前記固定フックで連結する工程と、
前記最上段の泥土飛散防止部材ユニットを伸展させて、前記最上段の泥土飛散防止部材ユニットの下端部に、前記連結部泥土飛散防止部材保持具を配置する工程と、
前記最上段の泥土飛散防止部材ユニットの下端部の前記固定フック取付け孔と、下段に配置される前記泥土飛散防止部材ユニットの上端部の前記固定フック取付け孔とを、前記連結部泥土飛散防止部材保持具の前記内装環状部材を介して前記固定フックで連結することを特徴とする、掘削機の泥土飛散防止部材保持具の設置方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泥土飛散防止部材を回転軸の外周に設置し、風による泥土飛散防止部材の巻き込みがなく、掘削機の作業停止が少ない、掘削機の泥土飛散防止部材保持具及び設置方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
掘削機の掘削ロッドにより地盤を掘削する場合、回転する掘削ロッドから泥土が飛散するので掘削ロッドの外側に筒形ケーシングを配するとともに、その周囲に筒形カーテンを取付け、泥土の飛散を防止していた。そして、掘削機上部より案内ロープを垂らし、下部に重錘又は張力を掛けて筒形カーテンの巻き込み防止を行っていた。
【0003】
特許文献1の泥土飛散防止装置は、複数本の掘削ロッド1を有する多軸掘削機を対象とし、中間振止装置5と下部スクリュー振止装置6との間に3本の掘削ロッド1を取囲み筒形カーテン8が取付けてある。この筒形カーテン8は小判形であり、蛇腹状をなし伸縮自在で、複数の周方向に配したリング9で補強してある。また、中間振止装置5の周囲には6個の係止突起10が突設してあり、この突起10を介し下端に重錘11を取付けた6条の案内ロープ12が配してある。この案内ロープ12は筒形カーテン8の外周面に沿い垂下し、リング9および下部のスクリュー振止装置6の外側に突設してある係止環13を挿通して配し、リング9はこの案内ロープ12に上下方向に摺動自在に係止されている。
図12参照。
【0004】
特許文献2は、地中10に挿入される回転軸1にスクリューや撹拌羽根等の突出部2を突設し、回転軸1の突出部2よりも上方位置においてストッパ部3(振れ止め装置6)を設け、回転軸1のストッパ部3よりも上方において回転軸1が回転自在に貫挿され且つ回転軸1に対して軸方向に移動自在で且つストッパ部3により下方への移動が阻止されるカーテン保持体4を設け、カーテン保持体4に回転軸を取り囲むカーテン5の上端部を取付けた掘削機の泥土飛散防止装置である。そして、複数の回転軸1を取り囲む筒状をしたカーテン5の上端部が、カーテン保持体4の外周部に設けた保持突出部14の先端に取付けてある。筒状のカーテン5は変形自在な材料により形成してあり、上下方向に所定間隔を隔てて多数の環状線材15が固着してあり、筒状のカーテン5は蛇腹状に伸縮自在となっている。また、筒状のカーテン5の上端部と下端部との適所に保持部材8をタワー部9に上下方向にスライド自在に設け、横揺れを防止してある。
【0005】
特許文献3は、掘削軸14の駆動体13と支柱4の下端に設けた支持体58との間に上下に伸縮可能な中空蛇腹状のカバー60を取付けて、掘削軸14の下端側からドレーン59よりも上端側をカバー60で被覆した、地盤改良装置1である。そして排出させた土砂や地盤改良材をカバー60によって飛散させることなく掘削軸14に沿って直下方へ落下させることができるようになっている。
【0006】
特許文献4は、多軸回転装置の掘削軸3を囲む上下方向に伸縮自在な筒状をした飛散防止カーテン24であって、上端部に設けた保持部を掘削軸3に回転自在に被嵌してあると共に、下端部を振れ止め5の上端に接続してあり、掘削軸3の昇降に伴って飛散防止カーテン24が上下方向に伸縮し、掘削軸3の昇降の際に掘削軸3の回転に伴って上昇した泥土が飛散するのを防止するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第2835188号公報
【特許文献2】特開2001-49689号公報
【特許文献3】特許第6779550号公報
【特許文献4】特開2012-1920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の掘削機は並列する複数本の掘削ロッドを有する多軸掘削機が多用されており、多軸掘削機では筒形カーテンの機構および取扱が複雑となる欠点があった(特許文献1、特許文献2)。また、筒形カーテンの上端部を、掘削ロッド軸方向のどの位置に保持するかにより、筒形カーテンの有効範囲が変化する問題があった(特許文献1、2)。また掘削機上部より案内ロープを垂らし、下部に重錘又は張力を掛けて筒形カーテンの巻き込み防止を行い(特許文献1)、筒状のカーテン5の上端部と下端部との適所に保持部材8をタワー部9に上下方向にスライド自在に設け、横揺れを防止する必要があった(特許文献2)。
【0009】
本発明が解決する課題は、掘削機の回転軸の外周に配置出来き、機構が簡略で、風による泥土飛散防止部材の巻き込みを防止しかつ作業中断のない、案内ロープ及びリーダーとの保持部材が不要で作業性に優れた、回転軸は単軸又は複数軸で、かつロッド軸又はオーガー軸に対応出来る、掘削機の泥土飛散防止部材保持具及び泥土飛散防止部材保持具の設置方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願請求項1に係る発明は、回転軸基部に回転軸本体が連結された回転軸を、回転駆動装置で地中に回転挿入させ掘削撹拌する掘削機の、前記回転駆動装置の下端から下部振止装置の上端までの、前記回転軸の外周に配置される、泥土飛散防止部材の泥土飛散防止部材保持具であって、前記泥土飛散防止部材は、所定長の伸縮自在な泥土飛散防止部材ユニットが必要数連結されたものであり、前記泥土飛散防止部材保持具は、前記回転駆動装置下端の上部固定部に設けられると共に、最上段の前記泥土飛散防止部材ユニットの上端部が連結される上部固定部泥土飛散防止部材保持具と、連結される前記泥土飛散防止部材ユニット間に設けられる連結部泥土飛散防止部材保持具と、で構成され、前記上部固定部泥土飛散防止部材保持具及び前記連結部泥土飛散防止部材保持具は、前記回転軸に摺動可能な外装環状部材と、前記泥土飛散防止部材が取り付けられる内装環状部材と、前記外装環状部材と前記内装環状部材との間隔を保持する連結部材と、を備え、前記上部固定部泥土飛散防止部材保持具の前記内装環状部材と、前記最上段の前記泥土飛散防止部材ユニットの上端部の固定フック取付け孔とは、固定フックで連結され、前記連結される前記泥土飛散防止部材ユニットの上段に配置される前記泥土飛散防止部材ユニットの下端部の前記固定フック取付け孔と、下段に配置される前記泥土飛散防止部材ユニットの上端部の前記固定フック取付け孔とは、前記連結部泥土飛散防止部材保持具の前記内装環状部材を介して前記固定フックで連結されることを特徴とする、掘削機の泥土飛散防止部材保持具である。
【0011】
本願請求項2に係る発明は、前記回転軸本体は、前記回転軸基部と同一形状寸法のロッドで構成し、前記外装環状部材は棒状部材で形成される外装棒状円環であり、前記内装環状部材は棒状部材で形成される内装棒状円環であり、前記連結部材は棒状部材で形成される棒状連結部材であり、前記外装棒状円環は弾性部材を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具である。
【0012】
本願請求項3に係る発明は、前記回転軸は単軸又は複数軸で構成され、前記回転軸のそれぞれに設けられることを特徴とする、請求項2に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具である。
【0013】
本願請求項4に係る発明は、前記回転軸基部はロッドで、前記回転軸本体は、オーガーで構成し、前記上部固定部泥土飛散防止部材保持具は前記回転軸基部に対応して設けられ、前記外装環状部材は棒状部材で形成される外装棒状円環であり、前記内装環状部材は棒状部材で形成される内装棒状円環であり、前記連結部材は棒状部材で形成される棒状連結部材であり、前記連結部泥土飛散防止部材保持具は前記回転軸本体に対応して設けられ、前記外装環状部材は前記オーガーに摺動可能な円筒部材で形成される外装円筒部材であり、前記内装環状部材は棒状部材で形成される内装棒状円環であり、前記連結部材は棒状部材で形成される棒状連結部材であり、前記外装円筒部材の外側において下方に突設された接合用円筒部材を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具である。
【0014】
本願請求項5に係る発明は、前記泥土飛散防止部材ユニットが、縮小状態を形成して、前記下部振止装置の上に、積み重ねた状態で載置された際、先に載置された前記連結部泥土飛散防止部材保持具の前記外装円筒部材の上端に、次の前記連結部泥土飛散防止部材保持具の前記接合用円筒部材が嵌合することを特徴とする、請求項4に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具である。
【0015】
本願請求項6に係る発明は、前記回転軸は単軸又は複数軸で構成され、前記回転軸のそれぞれに設けられることを特徴とする、請求項5に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具である。
【0016】
本願請求項7に係る発明は、前記回転軸基部に前記回転軸本体が連結された前記回転軸を、前記回転駆動装置で地中に回転挿入させ掘削撹拌する前記掘削機の、前記回転駆動装置の下端の前記上部固定部から前記下部振止装置の上端までの前記回転軸の外周に、前記掘削機の前記泥土飛散防止部材を設置する方法であって、請求項1に記載の掘削機の泥土飛散防止部材保持具を用いて、前記上部固定部泥土飛散防止部材保持具を、前記上部固定部に取付ける工程と、前記回転駆動装置の前記回転軸基部に前記回転軸本体を取付ける工程と、前記最上段の前記泥土飛散防止部材ユニットの下端部の前記固定フック取付け孔と、前記連結部泥土飛散防止部材保持具の前記内装環状部材とを前記固定フックで連結し、前記下部振止装置による上昇作業の準備をする工程と、前記上部固定部に取付けられている前記上部固定部泥土飛散防止部材保持具の前記内装環状部材と、上昇させた前記最上段の泥土飛散防止部材ユニットの上端部の前記固定フック取付け孔とを、前記固定フックで連結する工程と、前記最上段の泥土飛散防止部材ユニットを伸展させて、前記最上段の泥土飛散防止部材ユニットの下端部に、前記連結部泥土飛散防止部材保持具を配置する工程と、前記最上段の泥土飛散防止部材ユニットの下端部の前記固定フック取付け孔と、下段に配置される前記泥土飛散防止部材ユニットの上端部の前記固定フック取付け孔とを、前記連結部泥土飛散防止部材保持具の前記内装環状部材を介して前記固定フックで連結することを特徴とする、掘削機の泥土飛散防止部材保持具の設置方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、掘削機の回転駆動装置下端から下部振止装置の上端までの回転軸の外周に、泥土飛散防止部材が配置されるので、回転軸の泥土の飛散が防止される。また、泥土飛散防止部材は、所定長の伸縮自在な泥土飛散防止部材ユニットを必要な数量を連結させることで、回転軸の長さの変更に容易に対応できる。そして、泥土飛散防止部材保持具は、回転駆動装置下端の上部固定部には上部固定部泥土飛散防止部材保持具を設け、泥土飛散防止部材ユニットの下端部には泥土飛散防止部材ユニット同士を連結可能な連結部泥土飛散防止部材保持具を設けることで、掘削機の回転駆動装置下端から回転軸の外周に泥土飛散防止部材を容易に配置できる。さらに、泥土飛散防止部材保持具は、回転軸に摺動可能な外装環状部材と、泥土飛散防止部材が取り付けられる内装環状部材と、外装環状部材と内装環状部材との間隔を保持する連結部材とを備えた簡単な機構構成により、作業性に優れ、泥土飛散防止部材は外装環状部材を介して回転軸により支持され、風による飛散防止部材の巻き込みを防止できる。さらに、最上段の泥土飛散防止部材ユニットの上端部は、上部固定部泥土飛散防止部材保持具と固定フックにより容易に連結でき、最上段の泥土飛散防止部材ユニットの下端部は、連結部泥土飛散防止部材保持具を介して、連結される泥土飛散防止部材ユニットの上端部と容易に連結され、作業性に優れている。したがって、案内ロープなしで、風による飛散防止部材の巻き込みを防止し、さらに風による横揺れに伴う作業の中断を無くすことができる。
【0018】
加えて、回転軸本体は、回転軸基部と同一形状寸法のロッドで構成し、上部固定部泥土飛散防止部材保持具及び連結部泥土飛散防止部材保持具は、ロッドに摺動可能な外装棒状円環と、泥土飛散防止部材が取り付けられる内装棒状円環と、外装棒状円環と内装棒状円環との間隔を保持する棒状連結部材とを備えた簡単な棒状の構造であり、ロッドに対応して、泥土飛散防止部材を容易に設置でき作業性に優れている。
【0019】
加えて、回転軸が単軸又は複数軸で構成されても、回転軸のそれぞれに容易に設置でき作業性に優れている。
【0020】
加えて、回転軸基部はロッドで、回転軸本体はオーガーで構成し、上部固定部泥土飛散防止部材保持具は、回転軸基部を構成するロッドに摺動可能な外装棒状円環と、泥土飛散防止部材が取り付けられる内装棒状円環と、外装棒状円環と内装棒状円環との間隔を保持する複数の棒状連結部材と、を備えた簡単な棒状の構造であり、連結部泥土飛散防止部材保持具は、回転軸本体を構成するオーガーに摺動可能な外装円筒部材と、泥土飛散防止部材が取り付けられる内装棒状円環と、外装円筒部材と内装棒状円環との間隔を保持する棒状連結部材と、外装円筒部材の外側において下方に突設された接合用円筒部材と、を備えたオーガーに対応可能な簡単な機構構成であり、回転軸基部のロッド及び回転軸本体のオーガーに対応して、泥土飛散防止部材を容易に設置でき作業性に優れている。
【0021】
加えて、外装円筒部材の外側において下方に突設された接合用円筒部材は、泥土飛散防止部材ユニットが、縮小状態を形成して下部振止装置の上に、積み重ねた状態で載置される際、先に載置された連結部泥土飛散防止部材保持具の外装円筒部材の上端に、次の連結部泥土飛散防止部材保持具の接合用円筒部材が嵌合して、縮小した泥土飛散防止部材ユニットが安定して下部振止装置の上に積み重ねることができるため、下部振止装置には泥土飛散防止部材受けが不要であり、さらに案内ロープも不要である。
【0022】
加えて、回転軸が単軸又は複数軸で構成されても、回転軸のそれぞれに容易に設置でき作業性に優れている。
【0023】
加えて、泥土飛散防止部材保持具を用いた泥土飛散防止部材の設置方法は、上部固定部泥土飛散防止部材保持具と連結部泥土飛散防止部材保持具の簡単な機構構成により、泥土飛散防止部材ユニットを固定フックにより容易に連結しながら、回転軸の外周に設置でき、作業性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2】2軸掘削機に泥土飛散防止部材を取付けた正面図である。
【
図3】回転軸本体がロッドタイプの泥土飛散防止部材保持具である。(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図4】回転軸本体がロッドタイプの上部固定部に、上部固定部泥土飛散防止部材保持具及び最上段の泥土飛散防止部材を取付けたものである。(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図5】回転軸本体がロッドタイプの連結部泥土飛散防止部材保持具を介して、上段と下段の泥土飛散防止部材ユニット同士を連結したものである。(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図6】回転軸本体がオーガータイプの泥土飛散防止部材保持具である。(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図7】回転軸本体がオーガータイプの上部固定部に、上部固定部泥土飛散防止部材保持具及び最上段の泥土飛散防止部材を取付けたものである。(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図8】回転軸本体がオーガータイプの、連結部泥土飛散防止部材保持具を介して、上段と下段の泥土飛散防止部材ユニット同士を連結したものである。(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図9】回転軸の昇降に伴う泥土飛散防止部材の伸展及び縮小状態の正面図である。(a)は伸展状態(回転軸上昇)、(b)は縮小状態(回転軸下降)である。
【
図10】回転軸本体がオーガータイプの泥土飛散防止部材が、下部振止装置上に縮小した(回転軸が下降した)正面図である。
【
図11】泥土飛散防止部材保持具及び泥土飛散防止部材を、回転軸に取付ける設置方法の図で、回転軸本体がオーガータイプの場合を例として図示している。
【
図12】従来技術である先行技術文献1の、中間振止装置5、筒形カーテン8及び案内ロープ12等の正面図及び断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照する等して説明する。本発明は、泥土飛散防止部材を回転軸の外周に設置する際、風による泥土飛散防止部材の巻き込みがなく、掘削機の作業停止が少ない、掘削機の泥土飛散防止部材保持具及び設置方法に関するものである。また、以下に記載する各部材等の材質、形状及び寸法は、実施例としての一例であり、変更することは設計的事項である。
【0026】
<用語の定義>
上、下:地盤に対して鉛直に起立した回転軸に対する地盤と反対側を「上」、地盤側を「下」とする。
軸に摺動可能な外装:軸の外周側に摺動可能に装着され、回転する軸に対して上下に昇降できること。軸に対して隙間を設けて装着すること(遊嵌状態)も含む。
部材が取り付けられる内装:部材の内周側に装着して取付けること。
【0027】
図1は掘削機の側面図で、
図2は2軸掘削機に泥土飛散防止部材を取付けた正面図であり、
図3は回転軸本体がロッドタイプの泥土飛散防止部材保持具で、
図4は回転軸本体がロッドタイプの上部固定部に、上部固定部泥土飛散防止部材保持具及び泥土飛散防止部材を取付けたもので、
図5は回転軸本体がロッドタイプの連結部泥土飛散防止部材保持具を介して、上段と下段の泥土飛散防止部材ユニット同士を連結したもので、
図6は回転軸本体がオーガータイプの泥土飛散防止部材保持具で、
図7は回転軸本体がオーガータイプの上部固定部に、上部固定部泥土飛散防止部材保持具及び最上部の泥土飛散防止部材を取付けたもので、
図8は回転軸本体がオーガータイプの連結部泥土飛散防止部材保持具を介して、上段と下下段の泥土飛散防止部材ユニット同士を連結したもので、
図9は2軸の回転軸の昇降に伴う泥土飛散防止部材の伸展及び縮小状態で、
図10は回転軸本体がオーガータイプの泥土飛散防止部材が、下部振止装置上に縮小した(回転軸が下降した)正面図で、
図11は泥土飛散防止部材保持具及び泥土飛散防止部材を、回転軸本体がオーガータイプの回転軸に取付ける設置方法の図で、
図12は従来技術である先行技術文献1の筒形カーテンの正面図及び断面図である。
【0028】
<掘削機1の回転駆動装置5と回転軸6>
図1の掘削機1は、一例として、ベースマシーン3にリーダー4を起立し、リーダー4に回転駆動装置5を吊下げて回転軸6を回転駆動させて地盤2を掘削及び撹拌するものであり、杭の設置又は地盤改良等に適用できるものである。回転駆動装置5の回転駆動装置支持部51には、上部固定部52が設けられている。回転軸6は、回転軸基部60(いわゆる、回転駆動装置の下部フランジで、一例として、公知の断面形状の棒状のロッドで構成)に回転軸本体6S(いわゆる、ロッドタイプやオーガータイプ)を嵌合固定して回転可能に連結したもので、回転軸6の下方先端には、掘削撹拌部7を備え、撹拌翼71及び掘削刃72を有している。また、回転軸6には、リーダー4に昇降可能に固定された振止装置61を備え、中間振止装置611及び下部振止装置612を有している。そして、上部固定部52の下端の回転軸基部60から回転軸本体6Sの下部振止装置612の上端までの、回転軸6の外周に、泥土飛散防止部材8が配置され、回転軸6の泥土の飛散が防止されている。掘削機1の回転駆動装置5は、単軸又は複数本の多軸が選択でき、かつ回転軸本体の形状は、一例としてロッドタイプ(いわゆる公知の断面形状の棒状の掘削軸タイプで以下、ロッド6Aという)又はオーガータイプ(いわゆるスクリュー付掘削軸で以下、オーガー6Bという)が選択できる。
【0029】
<泥土飛散防止部材8の回転軸6への設置>
図2(a)は、一例として2軸の回転軸6・6を有する回転駆動装置5を備えた掘削機1の、2軸の回転軸6・6の各回転駆動装置支持部51・51の各上部固定部52・52から、中間振止装置611を介して下部振止装置612の上端までの、回転軸6・6の外周に、案内ロープ無しで2つの泥土飛散防止部材8・8が配置された正面図である。
図2(b)、(c)の各断面図に示すように、1つの回転軸6に、それぞれ後述する泥土飛散防止部材保持具9を配置して、1つの泥土飛散防止部材8は回転軸ごとに独立して個別に設置されている。なお、3軸以上の場合も同様に独立して個別に設置される。
【0030】
<泥土飛散防止部材ユニット8M>
泥土飛散防止部材8は、所定長LSの伸縮自在な泥土飛散防止部材ユニット8M(M=1~N)を必要数N連結したものであり、泥土飛散防止部材ユニット8Mには公知の伸縮自在な蛇腹風管が使用される。
図2(a)に示すものは、一例として回転軸6(外径φ267mm)に対応した内径φS=500mm、所定長LS=5000mmの泥土飛散防止部材ユニット8Mを、一例として必要数N=3個の泥土飛散防止部材ユニット81(M=1)・82(M=2)・83(M=3)を連結して、構成したものであり、全長L=15mに形成されている。なお、掘削長に応じて所定長LS以下の調整ユニット8Tも使用できる。さらに内径φS、所定長LS及びユニット8Mの必要数Nの変更は、設計的事項である。
【0031】
<泥土飛散防止部材保持具9の配置>
図2(a)に示すように、回転軸6の回転駆動装置下端の上部固定部52には、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952(9)が回転軸基部60(6)に摺動可能に外装して(軸に対して隙間を設けて装着する遊嵌状態も含む)設けられている。そして、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952(9)を介して、最上段の泥土飛散防止部材ユニット81(M=1)の上端部が固定されている。最上段の泥土飛散防止部材ユニット81の下端部には、連結部泥土飛散防止部材保持具980(9)が回転軸本体6S(6)に摺動可能に外装して(軸に対して隙間を設けて装着する遊嵌状態も含む)設けられている。そして、連結部泥土飛散防止部材保持具980(9)を介して、連結される泥土飛散防止部材ユニットである泥土飛散防止部材ユニット82(M=2)の上端部が固定され、泥土飛散防止部材ユニット連結部800が形成される。連結される泥土飛散防止部材ユニットである泥土飛散防止部材ユニット82の下端部には、連結部泥土飛散防止部材保持具980(9)が回転軸本体6S(6)に摺動可能に外装して設けられている。そして、連結部泥土飛散防止部材保持具980(9)を介して、次に連結される泥土飛散防止部材ユニットである泥土飛散防止部材ユニット83(M=3)の上端部が固定され、泥土飛散防止部材ユニット連結部800が形成されている。次に連結される泥土飛散防止部材ユニットである泥土飛散防止部材ユニット83の下端部には、連結部泥土飛散防止部材保持具980(9)が回転軸本体6S(6)に摺動可能に外装して設けられている。そして、泥土飛散防止部材ユニットが必要数であるN=3個連結されている。したがって、泥土飛散防止部材8は、上部固定部52の上部固定部泥土飛散防止部材保持具952(9)から、2箇所の連結部800と下端部を含む3箇所の連結部泥土飛散防止部材保持具980(9)により下部振止装置612の上端まで、回転軸6の外周に配置され、泥土飛散防止部材保持具9により回転軸6に支持されることにより、案内ロープなしで、風による飛散防止部材の巻き込みを防止し、さらに風による横揺れに伴う作業の中断を無くすことができる。
【0032】
<ロッドタイプ(回転軸本体6Sがロッド6A)に取付ける泥土飛散防止部材保持具9A>
上部固定部泥土飛散防止部材保持具952A(952)(9)を取付ける回転軸6は回転軸基部60(6)であり、回転軸基部60(6)は棒状のロッド(一例として外径φ267)(6)で構成されている。連結部泥土飛散防止部材保持具980A(980)(9)を取付ける回転軸6は、回転軸本体6Sのロッド6A(6)(一例として外径φ267)となる。ロッドタイプの場合、回転軸基部60と回転軸本体6Sとは、同一形状寸法の回転軸6のロッドとなる。このため、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952A(952)(9)と、連結部泥土飛散防止部材保持具980A(980)(9)とは、同一構造寸法の泥土飛散防止部材保持具9A(9)である。
図3(a)は、ロッド6A(6)に取付ける泥土飛散防止部材保持具9A(9)の平面図、
図3(b)は、正面図である。泥土飛散防止部材保持具9A(9)は、ロッド6A(6)に摺動可能な棒状部材で形成される外装棒状円環91A(外装環状部材91)、泥土飛散防止部材8が取り付けられる棒状部材で形成される内装棒状円環92A(内装環状部材92)、及び外装棒状円環91Aと内装棒状円環92Aとの間隔を保持する棒状部材で形成される棒状連結部材93A(連結部材93)で構成されている。そして、外装棒状円環91A(外装環状部材91)と内装棒状円環92A(内装環状部材92)は、ロッド6A(6)の軸芯を中心とする同心円である。また、外装棒状円環91Aには、弾性部材911Aが取付けられて、ロッド6A(6)に摺動可能となっている。一例として、外径φ267mmのロッド6Aの場合、外装棒状円環91Aは内径φ300mm、内装棒状円環92Aは外径φ500mm(内径φ500mmの泥土飛散防止部材8が取り付けられる)、棒状連結部材93Aは4本で、外装棒状円環91A、内装棒状円環92A及び棒状連結部材93Aには、φ16mmの丸鋼を使用して、各部材を溶着して形成されている。弾性部材911Aには、一例として難燃性ポリプロピレン製スパイラルチューブが使用でき、ロッド6Aと外装棒状円環91Aとの接触に伴う消音対策として有効である。泥土飛散防止部材保持具9A(9)は、上記のように簡単な機構構成であり、ロッド6A(6)及び泥土飛散防止部材8に容易に設置でき作業性に優れている。また、ロッド6A(6)に摺動可能な外装棒状円環91Aと、泥土飛散防止部材8が取り付けられる内装棒状円環92Aと、を棒状連結部材93Aにより間隔を保持することにより、泥土飛散防止部材8は外装棒状円環91Aを介してロッド6A(6)に取り付けられて支持され、風による飛散防止部材8の巻き込みを防止する。そして風による横揺れに伴う作業の中断を無くすことができる。
【0033】
<ロッドタイプ(回転軸本体6Sがロッド6A)の上部固定部泥土飛散防止部材保持具952A>
上部固定部泥土飛散防止部材保持具952A(952)(9)を取付ける回転軸6は回転軸基部60(6)であり、回転軸基部60は棒状のロッド(一例として外径φ267)(6)で構成されている。
図4は、回転軸基部60(6)の上部固定部52A(52)に、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952A(952)(9)及び泥土飛散防止部材8(泥土飛散防止部材ユニット81)を取付けたものである。(a)は平面図、(b)は正面図である。回転駆動装置5直下には、一例として、公知の既製鋼材(一般形鋼及び丸鋼等)を加工した外周骨組部材52A01及び斜材骨組部材52A02を溶着し、斜材骨組部材52A02には保持孔52A02Hが形成された、上部固定部52A(52)が設けられ、中央に回転軸基部60(6)が挿通されている。そして、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952A(952)(9)は、外装棒状円環91A(外装環状部材91)(一例として内径φ300mm)に弾性部材911Aが取付けられて、回転軸基部60(6)(一例として外径φ267mm)に摺動可能に外装され、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952A(952)(9)の内装棒状円環92A(内装環状部材92)(一例として外径φ500mm)は、上部固定部52A(52)の斜材骨組部材52A02の保持孔52A02Hに、一例として4箇所の固定フック10・10・10・10により吊下げて固定されたものである。固定フック10は、一例として公知のCリングである(
図4(b)参照)。また、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952A(952)(9)の内装棒状円環92A(内装環状部材92)と、最上段の泥土飛散防止部材ユニット81(内径φS=500mm、所定長LS=5000mm)(8)の上端部の、一例として4箇所の固定フック取付け孔801・801・801・801とは、固定フック10・10・10・10により連結され、容易に設置でき作業性に優れている。また、最上段の泥土飛散防止部材ユニット81(8)の上端部は、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952A(952)(9)が内装配置されることにより、回転軸基部60(6)及び上部固定部52A(52)に取付けられて支持されており、風による飛散防止部材8の巻き込みを防止し、さらに風による横揺れに伴う作業の中断を無くすことができる。
【0034】
<ロッドタイプ(回転軸本体6Sがロッド6A)の連結部泥土飛散防止部材保持具980A>
連結部泥土飛散防止部材保持具980A(980)(9)を取付ける回転軸6は、回転軸本体6Sのロッド6A(6)(一例として外径φ267)となる。
図5は、連結される泥土飛散防止部材ユニットは81・82であり、連結される泥土飛散防止部材ユニットの上段に配置される泥土飛散防止部材ユニットである泥土飛散防止部材ユニット81(8)(以下、上段のユニットという)(一例として内径φS=500mm、所定長LS=5000mm)の下端部に、ロッド6A(6)に摺動可能に外装された連結部泥土飛散防止部材保持具980A(980)(9)を設けて、連結される泥土飛散防止部材ユニットの下段に配置される泥土飛散防止部材ユニットである泥土飛散防止部材ユニット82(8)(以下、下段のユニットという)の上端部を連結したものである。よって連結される泥土飛散防止部材ユニット81・82間に連結部泥土飛散防止部材保持具980A(980)(9)が設けられている。(a)は平面図、(b)は正面図である。上段のユニットの泥土飛散防止部材81(M=1)の下端部には一例として4箇所設けられた固定フック取付け孔801・801・801・801が形成されている。また、下段のユニットの土飛散防止部材82(M=2)の上端部にも一例として4箇所設けられた固定フック取付け孔801・801・801・801が形成されている。また、連結部泥土飛散防止部材保持具980A(980)(9)は、外装棒状円環91A(外装環状部材91)(一例として内径φ300mm)によりロッド6A(6)(外径φ267mm)に摺動可能に外装されており、内装棒状円環92A(内装環状部材92)(一例として外径φ500mm)は泥土飛散防止部材8(内径φS500mm)に取り付けられて、外装棒状円環91A(外装環状部材91)と内装棒状円環92A(内装環状部材92)との間隔を保持する複数の棒状連結部材93A(連結部材93)により連結されている。さらに、外装棒状円環91Aには、弾性部材911Aが取付けられて、ロッド6A(6)に対して摺動可能に外装され、かつ接触に伴う消音対策として有効となっている。そして、上段と下段の泥土飛散防止部材ユニット81・82の連結は、上段の泥土飛散防止部材ユニット81の下端部の固定フック取付け孔801・801・801・801に固定フック10・10・10・10を係止して、連結部泥土飛散防止部材保持具980A(980)(9)の内装棒状円環92A(内装環状部材92)を連結しておく。次に内装棒状円環92A(内装環状部材92)に対して、下段の泥土飛散防止部材ユニット82の上端部の固定フック取付け孔801・801・801・801に固定フック10・10・10・10を係止する。下段の泥土飛散防止部材ユニット82が無い場合は、上段の泥土飛散防止部材ユニット81の固定フック取付け孔801・801・801・801に固定フック10・10・10・10を係止して、連結部泥土飛散防止部材保持具980A(980)(9)の内装棒状円環92A(内装環状部材92)を連結した状態が、飛散防止部材8の下端部となる。このため、容易に連結して設置でき、作業性に優れている。なお、固定フック10は、一例として公知のCリングである(
図4(b)参照)。また、上段と下段の泥土飛散防止部材ユニット81・82(8)は、連結部泥土飛散防止部材保持具980A(980)の内装棒状円環92A(内装環状部材92)を介することにより、ロッド6A(6)に取付けられ、風による飛散防止部材8の巻き込みを防止し、さらに風による横揺れに伴う作業の中断を無くすことができる。
【0035】
<オーガータイプ(回転軸本体6Sがオーガー6B)に取付ける泥土飛散防止部材保持具9B>
上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)(9)を取付ける回転軸6は回転軸基部60(6)であり、回転軸基部60は棒状のロッド(一例として外径φ267)で構成されている。連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)を取付ける回転軸6は、回転軸本体6Sのオーガー6B(6)(一例として外径φ500)となる。このため、回転軸基部60と回転軸本体6Sとでは、回転軸6の形状が異なり、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)(9)と、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)とでは、異なる構造の泥土飛散防止部材保持具9B(9)となっている。
図6(a)は、オーガー6B(6)に取付ける泥土飛散防止部材保持具9B(9)の平面図、
図6(b)は、正面図である。回転軸6がオーガー6B(6)の場合、泥土飛散防止部材保持具9B(9)は、オーガー6B(6)に摺動可能な円筒部材で形成される外装円筒部材91B(外装環状部材91)、泥土飛散防止部材8が取り付けられる棒状部材で形成される内装棒状円環92B(内装環状部材92)、及び外装円筒部材91B(外装環状部材91)と内装棒状円環92B(内装環状部材92)との間隔を保持する棒状部材で形成される棒状連結部材93B(連結部材93)、及び外装円筒部材91Bの外側において下方に突設された接合用円筒部材94Bで構成されている。そして、外装円筒部材91B(外装環状部材91)、内装棒状円環92B(内装環状部材92)及び接合用円筒部材94Bは、オーガー6B(6)の軸芯を中心とする同心円である。一例として、オーガー6Bの外径φ500mmに対し、外装円筒部材91Bは外径φ618mm、高さ500mmの鋼管(t=9mm)で、内装棒状円環92Bはφ16mm丸鋼を使用して外径φ1000mmで、4本の棒状連結部材93Bはφ16mm丸鋼で、接合用円筒部材94Bは外径φ718mm、高さ100mmの鋼管(t=9mm)で、構成し、各部材を溶着して形成している。泥土飛散防止部材保持具9B(9)は、上記のように簡単な機構構成であり、オーガー6B(6)及び泥土飛散防止部材8(内径φS1000mm)に容易に設置でき作業性に優れ、オーガー6B(6)に摺動可能な外装円筒部材91B(外装環状部材91)と泥土飛散防止部材8が取り付けられる内装棒状円環92B(内装環状部材92)との間隔を保持する棒状連結部材93B(連結部材93)により、泥土飛散防止部材8の風による巻き込みを防止し、さらに風による横揺れに伴う作業の中断を無くすことができる。さらに、縮小状態となった泥土飛散防止部材ユニット8(N-1)の接合用円筒部材94B(N-1)は、先行して縮小状態となった泥土飛散防止部材ユニット8(N)の外装円筒部材91B(N)上に嵌合載置され、安定的に泥土飛散防止部材ユニット8M(M=1~N)の縮小状態が形成される。
図10参照。
【0036】
<オーガータイプ(回転軸本体6Sがオーガー6B)に取付ける上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B>
上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)(9)を取付ける回転軸6は回転軸基部60であり、回転軸基部60は棒状のロッド(一例として外径φ267)で構成されている。
図7は、回転軸基部60(6)の上部固定部52B(52)に、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)(9)及び泥土飛散防止部材8(泥土飛散防止部材ユニット81)を取付けたものである。(a)は平面図、(b)は正面図である。回転駆動装置5直下には、一例として4本の公知の既製鋼材(一般形鋼及び丸鋼等)を加工した鉛直骨組部材52B01で構成され、中央に回転軸基部60(6)が挿通された上部固定部52B(52)が設けられ、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)(9)が溶着して取付けられている。上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)(9)は、回転軸基部60(6)に摺動可能な外装棒状円環91AB(外装環状部材91)、泥土飛散防止部材8が取り付けられる内装棒状円環92AB(内装環状部材92)、及び外装棒状円環91ABと内装棒状円環92ABとの間隔を保持する棒状連結部材93AB(連結部材93)で構成されている。一例として、外装棒状円環91ABは内径φ300mm、内装棒状円環92ABは外径φ1000mmで、外装棒状円環91AB、内装棒状円環92AB及び4本の棒状連結部材93ABには、φ16mm丸鋼を使用して、各部材を溶着して形成されている。また、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)(9)の内装棒状円環92AB(92)と最上段の泥土飛散防止部材ユニット81(一例として内径φS=1000mm、所定長LS=5000mm)(8)の上端部の、一例として4箇所の固定フック取付け孔801・801・801・801とは、固定フック10・10・10・10により連結され、上部固定部52B(52)に容易に設置でき作業性に優れている。そして、最上段の泥土飛散防止部材ユニット81(8)の上端部は、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)を介して、回転軸基部60(6)及び上部固定部52B(52)に取付けられることにより、風による飛散防止部材8の巻き込みを防止し、さらに風による横揺れに伴う作業の中断を無くすことができる。
【0037】
<オーガータイプ(回転軸本体6Sがオーガー6B)に取付ける連結部泥土飛散防止部材保持具980B>
連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)を取付ける回転軸6は、回転軸本体6Sのオーガー6B(6)(一例として外径φ500)となる。
図8は、連結される泥土飛散防止部材ユニットは81・82であり、連結される泥土飛散防止部材ユニットの上段に配置される泥土飛散防止部材ユニットである泥土飛散防止部材ユニット81(8)(以下、上段のユニットという)(一例として内径φS=1000mm、所定長LS=5000mm)の下端部にオーガー6B(6)の連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)を設けて、連結される泥土飛散防止部材ユニットの下段に配置される泥土飛散防止部材ユニットである泥土飛散防止部材ユニット82(8)(以下、下段のユニットという)を連結したものである。よって連結される泥土飛散防止部材ユニット81・82間に連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)が設けられている。(a)は平面図、(b)は正面図である。上段のユニットの泥土飛散防止部材81(M=1)の下端部には一例として4箇所設けられた固定フック取付け孔801・801・801・801が形成されている。また、下段のユニットの泥土飛散防止部材82(M=2)の上端部にも一例として4箇所設けられた固定フック取付け孔801・801・801・801が形成されている。また、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)は、外装円筒部材91B(一例として外径φ618mm)(外装環状部材91)によりオーガー6B(6)(外径φ500)に摺動可能に外装されており、内装棒状円環92B(外径φ1000)(内装環状部材92)により泥土飛散防止部材8(内径φ1000)に取付けられ、外装円筒部材91B(外装環状部材91)と内装棒状円環92B(内装環状部材92)との間隔を保持する一例として4本の棒状連結部材93B(連結部材93)により連結され、さらに外装円筒部材91Bの外側において下方に突設された接合用円筒部材94B(一例として外径φ718mm)を有している。そして、上段と下段の泥土飛散防止部材ユニット81・82の連結は、上段のユニットの泥土飛散防止部材ユニット81の下端部の固定フック取付け孔801・801・801・801に固定フック10・10・10・10を係止して、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)の内装棒状円環92B(内装環状部材92)を連結する。次に内装棒状円環92B(内装環状部材92)に対して、下段のユニットの泥土飛散防止部材ユニット82の上端部の固定フック取付け孔801・801・801・801に固定フック10・10・10・10を係止する。下段の泥土飛散防止部材ユニット82が無い場合は、上段の泥土飛散防止部材ユニット81の固定フック取付け孔801・801・801・801に固定フック10・10・10・10を係止して、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)の内装棒状円環92B(内装環状部材92)を連結した状態が、飛散防止部材8の下端部となる。このため容易に連結して設置でき、作業性に優れている。なお、固定フック10は、一例として公知のCリングである(
図4(b)参照)。また、上段と下段の泥土飛散防止部材ユニット81・82(8)は、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)の内装棒状円環92B(内装環状部材92)を介することにより、オーガー6B(6)に取付けられ、風による飛散防止部材8の巻き込みを防止し、さらに風による横揺れに伴う作業の中断を無くすことができる。
【0038】
<回転軸6の昇降に伴う泥土飛散防止部材8の伸展及び縮小>
図9は、一例として2軸の回転軸6(6)の回転駆動装置51の上部固定部52に、泥土飛散防止部材8を固定装着し、回転軸6(6)の昇降に伴う泥土飛散防止部材8の伸展及び縮小状態を示す正面図である。(a)は伸展状態(回転軸上昇状態)、(b)は縮小状態(回転軸下降状態)である。泥土飛散防止部材8は、一例として必要数N=3の泥土飛散防止部材ユニット81・82・83で構成し、最上段の泥土飛散防止部材ユニット81の上端部に設けられた上部固定部泥土飛散防止部材保持具952と、各泥土飛散防止部材ユニット81・82・83の各下端部に設けられた連結部泥土飛散防止部材保持具980により、連結され、上部固定部52に吊下げられて伸展状態(回転軸上昇状態)を形成している。
図9(a)参照。縮小状態(回転軸下降状態)は、泥土飛散防止部材ユニット81・82・83が、順次最下端部の泥土飛散防止部材ユニット83から、折り畳まれて連結部泥土飛散防止部材保持具980に縮小状態を形成し、同様に3個の縮小状態を形成して、下部振止装置612の上に、積み重ねた状態で載置されたものである。
図9(b)参照。そして、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952及び連結部泥土飛散防止部材保持具980で構成された泥土飛散防止部材保持具(9)を採用することにより、従来技術と異なり、下部振止装置612には泥土飛散防止部材受けが不要であり、さらに案内ロープも不要である。
【0039】
<オーガー6Bの下降に伴い、折り畳まれた泥土飛散防止部材ユニット8M>
図10は、オーガー6B(6)の下降に伴い、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)を介して、泥土飛散防止部材ユニット81・82・・・8(N-2)・8(N-1)・8(N)同士が連結された泥土飛散防止部材8が、1~N個までの縮小状態を形成して、下部振止装置612の上に、積み重ねた状態で載置されたもので、最下端部の8(N-2)・8(N-1)・8(N)の3個を図示したものである。連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)は、外装円筒部材91Bがオーガー6B(6)に摺動可能に外装され、内装棒状円環92Bが泥土飛散防止部材8に取り付けられ、外装円筒部材91Bと内装棒状円環92Bとの間隔を保持する複数本の棒状連結部材93Bにより91Bと92Bは連結され、さらに外装円筒部材91Bの外側において下方に突設された接合用円筒部材94Bを有している。折り畳まれ縮小状態となった泥土飛散防止部材ユニット8Nは、複数の棒状連結部材93B(N)を底面とし、外装円筒部材91B(N)を縦壁とした箇所に収容されて、先に下部振止装置612の上に載置されている。先に下部振止装置612の上に載置された泥土飛散防止部材ユニット8Nの外装円筒部材91B(N)の上端に、次の泥土飛散防止部材ユニット8(N-1)の接合用円筒部材94B(N-1)が、嵌合載置され、同様に泥土飛散防止部材ユニット8(N-1)は折り畳まれ縮小状態となる。以下同様に繰り替えされて、泥土飛散防止部材ユニット8M(M=1~N)の縮小状態が形成される。ユニット8(N-1)である接合用円筒部材94B(N-1)が、ユニット8Nである外装円筒部材91B(N)上に嵌合載置されるため、縮小した泥土飛散防止部材ユニット8M(M=1~N)が安定して下部振止装置612の上に積み重ねることができるため、下部振止装置612には泥土飛散防止部材受けが不要であり、さらに案内ロープも不要である。
【0040】
<泥土飛散防止部材保持具9を用いて、回転軸6に泥土飛散防止部材8を設置する方法>
図11は、上記に記載した泥土飛散防止部材保持具9を用いて、回転駆動装置5の回転駆動装置支持部51の上部固定部52から下部振止装置612の上端までの、掘削機1の回転軸6の外周に、泥土飛散防止部材8を設置する方法である。
図11では、泥土飛散防止部材8として、泥土飛散防止部材ユニット8Mを2個(81・82)連結する設置方法を図示している。枚数が増加しても同様である。また、掘削機1の回転軸6のタイプはオーガー6B(6)で記載するが、タイプが変わっても同様である。さらに、回転軸6が複数の場合は、各回転軸6に
図11と同様な方法で設置することができる。
(a)上部固定部泥土飛散防止部材保持具を、上部固定部に取付ける工程;回転駆動装置5の回転駆動装置支持部51B(51)の上部固定部52B(52)に、上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)(9)を取付ける。
図11(a)参照。
(b)回転駆動装置の回転軸基部に回転軸本体を取付ける工程;回転駆動装置5の回転軸基部60にオーガー6B(6)を取付ける。そして、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)及び泥土飛散防止部材ユニット81を準備する。
図11(b)参照。
(c)最上段の泥土飛散防止部材ユニットの下端部の固定フック取付け孔と、連結部泥土飛散防止部材保持具の内装環状部材とを固定フックで連結し、下部振止装置による上昇作業の準備をする工程;最上段の泥土飛散防止部材ユニット81の下端部に、オーガー6B(6)に摺動可能な外装円筒部材91B(91)及び泥土飛散防止部材8に取付ける内装棒状円環92B(92)を備えた連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)を設置し、泥土飛散防止部材ユニット81の下端部の固定フック取付け孔801と、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)の内装棒状円環92B(92)とを、固定フック10で連結する。そして、最上段の泥土飛散防止部材ユニット81を折り畳んだ状態とする(縮小状態)。次に、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)の下端に、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)を下方から嵌合支持する治具を備えた下部振止装置612を嵌合し、オーガー6B(6)の直下に配置する。
図11(c)参照。
(d)上部固定部に取付けられている上部固定部泥土飛散防止部材保持具の内装環状部材と、上昇させた最上段の泥土飛散防止部材ユニットの上端部の固定フック取付け孔とを、固定フックで連結する工程;連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)を構成する外装円筒部材91B(91)内にオーガー6B(6)を挿入して、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)を下方から嵌合支持する治具を備えた下部振止装置612を上方に巻き上げ、上部固定部52B(52)の上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)(9)に、折り畳んだ状態の最上段の泥土飛散防止部材ユニット81の上端部を近接させる。次に上部固定部52B(52)の上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)(9)の内装棒状円環92AB(92)と、折り畳んだ状態の最上段の泥土飛散防止部材ユニット81の上端部の固定フック取付け孔801とを、固定フック10で連結する。
図11(d)参照。
(e)最上段の泥土飛散防止部材ユニットを伸展させて、最上段の泥土飛散防止部材ユニットの下端部に、連結部泥土飛散防止部材保持具を配置する工程;折り畳んだ状態の最上段の泥土飛散防止部材ユニット81の上端部が最上段の上部固定部泥土飛散防止部材保持具952B(952)(9)に連結された後、折り畳んだ状態の泥土飛散防止部材ユニット81を載置した連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)は、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)を構成する外装円筒部材91B(91)内にオーガー6B(6)を挿入した状態で、下部振止装置612を下降し、最上段の泥土飛散防止部材ユニット81を伸展する。伸展させた最上段の泥土飛散防止部材ユニット81の下端には、オーガー6B(6)に摺動可能な外装円筒部材91B(91)及び泥土飛散防止部材8を支持する内装棒状円環92B(92)を備えた連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)が配置されている(伸展状態)。
図11(e)参照。
(f)最上段の泥土飛散防止部材ユニットの下端部の固定フック取付け孔と、下段に配置される泥土飛散防止部材ユニットの上端部の固定フック取付け孔とを、連結部泥土飛散防止部材保持具の内装環状部材を介して固定フックで連結する工程;伸展させた最上段の泥土飛散防止部材ユニット81の下端部の固定フック取付け孔801と、下段に配置される泥土飛散防止部材ユニット82の上端部の固定フック取付け孔801とを、連結部泥土飛散防止部材保持具980B(980)(9)の内装環状部材92B(92)を介して固定フック10で連結し、その後伸展されて、オーガー6B(6)への泥土飛散防止部材8の伸展状態での配置が完了する。
図11(f)参照。
【符号の説明】
【0041】
1 掘削機(地盤改良装置)
2 地盤
3 ベースマシーン
4 リーダー
5 回転駆動装置
51 回転駆動装置支持部
52 上部固定部
52A ロッドタイプの上部固定部
52A01 外周骨組部材
52A02 斜材骨組部材
52A02H 保持孔
52B オーガータイプの上部固定部
52B01 鉛直骨組部材
6 回転軸
60 回転軸基部
6S 回転軸本体
6A ロッド
6B オーガー
61 振止装置
611 中間振止装置
612 下部振止装置
7 掘削撹拌部
71 撹拌翼
72 掘削刃
8 泥土飛散防止部材
8M 泥土飛散防止部材ユニット(M=1~N)
8T 調整ユニット
800 泥土飛散防止部材ユニット連結部
801 固定フック取付け孔
9 泥土飛散防止部材保持具
952 上部固定部泥土飛散防止部材保持具
980 連結部泥土飛散防止部材保持具
91 回転軸に摺動可能な外装環状部材
92 泥土飛散防止部材が取り付けられる内装環状部材
93 外装環状部材と内装環状部材との間隔を保持する連結部材
9A ロッドタイプの泥土飛散防止部材保持具
952A 上部固定部泥土飛散防止部材保持具
980A 連結部泥土飛散防止部材保持具
91A ロッドに摺動可能な外装棒状円環
92A 泥土飛散防止部材が取り付けられる内装棒状円環
93A 91Aと92Aとの間隔を保持する棒状連結部材
911A 外装棒状円環に取付けられた弾性部材
9B オーガータイプの泥土飛散防止部材保持具
952B 上部固定部泥土飛散防止部材保持具
91AB 回転軸基部に摺動可能な外装棒状円環
92AB 泥土飛散防止部材が取り付けられる内装棒状円環
93AB 91ABと92ABとの間隔を保持する棒状連結部材
980B 連結部泥土飛散防止部材保持具
91B オーガーに摺動可能な外装円筒部材
92B 泥土飛散防止部材が取り付けられる内装棒状円環
93B 91Bと92Bとの間隔を保持する棒状連結部材
94B 外装円筒部材の外側において下方に突設された接合用円筒部材
10 固定フック