IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-飲料供給装置 図1
  • 特開-飲料供給装置 図2
  • 特開-飲料供給装置 図3
  • 特開-飲料供給装置 図4
  • 特開-飲料供給装置 図5
  • 特開-飲料供給装置 図6
  • 特開-飲料供給装置 図7
  • 特開-飲料供給装置 図8
  • 特開-飲料供給装置 図9
  • 特開-飲料供給装置 図10
  • 特開-飲料供給装置 図11
  • 特開-飲料供給装置 図12
  • 特開-飲料供給装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173225
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】飲料供給装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/44 20060101AFI20241205BHJP
   A47J 31/10 20060101ALI20241205BHJP
   B67D 1/08 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
A47J31/44 310
A47J31/10
B67D1/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091510
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒徳 拓弥
【テーマコード(参考)】
3E082
4B104
【Fターム(参考)】
3E082BB01
3E082DD03
4B104AA11
4B104BA35
4B104CA07
4B104CA30
4B104DA33
4B104EA34
(57)【要約】
【課題】容器の内容積を良好に算出して、適量の飲料を供給すること。
【解決手段】所定のステージ14に配置された容器2に対して、飲料生成部13で生成した飲料を吐出することにより供給する飲料供給装置1であって、容器2の情報を検出する情報検出部15と、情報検出部15が検出した情報をもとに容器2の内容積を算出し、算出した内容積をもとに容器2に対する適量となる飲料の吐出量を容器2に吐出させる制御部20とを備えている。上記制御部20は、情報検出部15が検出した情報をもとに、容器2の内容積を算出する内容積算出処理部20aと、内容積算出処理部20aが算出した内容積をもとに、容器2に対する飲料の吐出量を算出する吐出量算出処理部20bと、吐出量算出処理部20bにより算出された吐出量を、容器2に吐出させる吐出制御処理部20cとを備えていることが好ましい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のステージに配置された容器に対して、飲料生成部で生成した飲料を吐出することにより供給する飲料供給装置であって、
前記容器の情報を検出する情報検出部と、
前記情報検出部が検出した情報をもとに前記容器の内容積を算出し、算出した内容積をもとに前記容器に対する適量となる飲料の吐出量を前記容器に吐出させる制御部と
を備えたことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記情報検出部が検出した情報をもとに、前記容器の内容積を算出する内容積算出処理部と、
前記内容積算出処理部が算出した内容積をもとに、前記容器に対する飲料の吐出量を算出する吐出量算出処理部と、
前記吐出量算出処理部により算出された吐出量を、前記容器に吐出させる吐出制御処理部と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の飲料供給装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記容器に吐出された飲料の実際の吐出量が、前記吐出量算出処理部により算出された吐出量以上であるか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の飲料供給装置。
【請求項4】
前記情報検出部は、3次元イメージセンサであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の飲料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料生成部で飲料を生成し、カップ等の容器に対して飲料を注出して供給する飲料供給装置が特許文献1に提案されている。この特許文献1の飲料供給装置では、容器の口径や高さを測定してその大きさ(体積)を算出し、大きさ毎に予め定められた当該容器への注出量を決定し、該注出量だけ飲料を注出して供給するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-095393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に提案された飲料供給装置では、容器の口径や高さを測定してその大きさを算出していたので、有底円筒状の容器のみに限られ、しかも容器の厚みが側周部と底部とで異なる場合には、その内容積を算出することが難しく、結果的に、適量となる飲料を供給することが困難であった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、容器の内容積を良好に算出して、適量の飲料を供給することができる飲料供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る飲料供給装置は、所定のステージに配置された容器に対して、飲料生成部で生成した飲料を吐出することにより供給する飲料供給装置であって、前記容器の情報を検出する情報検出部と、前記情報検出部が検出した情報をもとに前記容器の内容積を算出し、算出した内容積をもとに前記容器に対する適量となる飲料の吐出量を前記容器に吐出させる制御部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記飲料供給装置において、前記制御部は、前記情報検出部が検出した情報をもとに、前記容器の内容積を算出する内容積算出処理部と、前記内容積算出処理部が算出した内容積をもとに、前記容器に対する飲料の吐出量を算出する吐出量算出処理部と、前記吐出量算出処理部により算出された吐出量を、前記容器に吐出させる吐出制御処理部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記飲料供給装置において、前記制御部は、前記容器に吐出された飲料の実際の吐出量が、前記吐出量算出処理部により算出された吐出量以上であるか否かを判定することを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記飲料供給装置において、前記情報検出部は、3次元イメージセンサであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、情報検出部が、容器の情報を検出し、制御部が、情報検出部が検出した情報をもとに容器の内容積を算出し、算出した内容積をもとに容器に対する適量となる飲料の吐出量を容器に吐出させるので、容器の内容積を良好に算出して、適量の飲料を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施の形態である飲料供給装置の構成を模式的に示すブロック図である。
図2図2は、図1に示した飲料供給装置を構成する制御部が実施する処理内容を示すフローチャートである。
図3図3は、図2における吐出量算出処理の処理内容を示すフローチャートである。
図4図4は、図3に示した吐出量算出処理において、情報検出部による容器の情報の検出を示す説明図である。
図5図5は、情報検出部により取得された点群データを示す説明図である。
図6図6の(a)及び(b)は、容器の内容積を算出する手順を示す説明図である。
図7図7の(a)及び(b)は、容器の内容積を算出する手順を示す説明図である。
図8図8は、容器の内容積を算出する手順を示す説明図である。
図9図9は、容器の内容積を算出する手順を示す説明図である。
図10図10は、容器の内容積を算出する手順を示す説明図である。
図11図11は、容器の内容積を算出する手順を示す説明図である。
図12図12は、容器の内容積を示す公式等を説明するための説明図である。
図13図13は、容器への実際の吐出量を算出する手順を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る飲料供給装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態である飲料供給装置の構成を模式的に示すブロック図である。ここで例示する飲料供給装置1は、選択部11、表示部12、飲料生成部13、情報検出部15及び制御部20を備えて構成されている。
【0014】
選択部11は、図示せぬ装置本体の前面等の接客面に配設されている。この選択部11は、飲料を選択するためのものであり、押ボタンやタッチパネル等により構成された選択手段である。かかる選択部11は、飲料の選択操作がなされた場合に、選択信号を制御部20に出力するものである。
【0015】
表示部12は、選択部11と同様に、装置本体の接客面に配設されている。この表示部12は、制御部20から与えられる指令に応じて各種情報を表示する液晶パネル等により構成されている。
【0016】
飲料生成部13は、装置本体の内部に配設されている。この飲料生成部13は、制御部20から出力される指令に応じて、例えば緑茶や紅茶、コーヒー等の飲料を生成するものである。かかる飲料生成部13で生成された飲料は、図示せぬ飲料供給ラインを流通し、装置本体の接客面に形成されたステージ14に配置された例えばカップ等の容器2に対して、吐出部であるノズル(図示せず)を通じて吐出される。
【0017】
情報検出部15は、上記ステージ14の上方域に配設されている。この情報検出部15は、容器2の情報を検出するものであり、検出結果を制御部20に出力するものである。
【0018】
かかる情報検出部15は、例えばTOF(Time of Flight)センサなどの小型3次元イメージセンサである。TOFセンサは、光の飛行時間を計測し、対象物までの距離計測を行うセンサであり、撮像画像を3次元化することが可能である。またTOFセンサは、20fps程度で測定を行うことにより、物体の動作を3次元でトラッキングすることが可能である。
【0019】
制御部20は、選択部11、表示部12、飲料生成部13及び情報検出部15に接続されるとともに、記憶部21に接続されている。この制御部20は、記憶部21に記憶されたプログラムやデータにしたがって飲料供給装置1の動作を統括的に制御するものである。
【0020】
尚、制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現してもよい。
【0021】
そのような制御部20は、本実施の形態に特徴的なものとして、内容積算出処理部20a、吐出量算出処理部20b、吐出制御処理部20c及び吐出量判定処理部20dを有する。
【0022】
内容積算出処理部20aは、情報検出部15が検出した情報をもとに、容器2の内容積を算出するものである。吐出量算出処理部20bは、内容積算出処理部20aが算出した内容積をもとに、容器2に対する飲料の吐出量を算出するものである。吐出制御処理部20cは、吐出量算出処理部20bにより算出された吐出量を容器2に吐出させるものである。吐出量判定処理部20dは、吐出制御処理部20cを通じて容器2に吐出された飲料の吐出量が、吐出量算出処理部20bにより算出された吐出量以上であるか否かを判定するものである。
【0023】
図2は、図1に示した飲料供給装置1を構成する制御部20が実施する処理内容を示すフローチャートである。かかる処理内容を説明しながら、飲料供給装置1による飲料の供給動作について説明する。説明の前提として、ステージ14に容器2が配置されたものとする。
【0024】
制御部20は、選択部11を通じて飲料が選択されたか否かを判断する(ステップS110)。選択部11を通じて飲料が選択されない場合(ステップS110:No)、制御部20はかかる処理を繰り返す。一方、選択部11を通じて飲料が選択された場合(ステップS110:Yes)、制御部20は、吐出量算出処理を実施する(ステップS120)。
【0025】
図3は、図2における吐出量算出処理の処理内容を示すフローチャートである。この吐出量算出処理の制御部20は、情報検出部15が容器2の情報を検出したか否かを判断する(ステップS121)。情報検出部15が容器2の情報を検出していない場合(ステップS121:No)、制御部20はかかる処理を繰り返す。
【0026】
一方、情報検出部15が、図4に示すように容器2の情報を検出した場合(ステップS121:Yes)、すなわち、制御部20は、情報検出部15を通じて、図5に示すように対象物(容器2)の外観が複数のドットで示された点群データDを取得した場合、内容積算出処理部20aを通じて容器2の内部形状を判定する(ステップS122)。
【0027】
この容器2の内部形状の判定について図を用いて説明する。尚、以下においては、図5に付した座標を適宜用いて説明する。制御部20の内容積算出処理部20aは、上記点群データDから図6の(a)及び(b)に示すように、容器2の底面2Bの任意の点Btと同じZ軸上の値ZBtであるデータのみを抽出し(図7の(a)参照)、公知の画像処理等の手法(ガウシアンやメディアンフィルタ等のノイズ除去、膨張及び収縮等の処理によるエッジ部分の強調、最小二乗法を用いてフィッティングしての方程式化、例えばRamer-Douglas-Peucker法やパターンマッチング等による輪郭線判定等)を行うことにより、図7の(b)に示すように、底面2Bが円形状と検出する。
【0028】
このように底面2Bの形状を検出した後、図8に示すように、X-Y座標において、X座標の値が最小となる点P1(Xmin,Y)、X座標の値が最大となる点P2(Xmax,Y)、Y座標の値が最小となる点P3(X,Ymin)、Y座標の値が最大となる点P4(X,Ymax)を設定する。
【0029】
このようにして点P1~点P4を設定した後、図8に示したように、点P1と点P2とを結ぶ直線と、点P3と点P4とを結ぶ直線との交点である中心点C1(X,Y)を算出する。
【0030】
中心点C1を算出した後、三平方の定理を利用して、下記式(1)より底面2Bの半径r1を算出する。
【0031】
式(1) r1=√A (但し、A=(X-X+(Y-Y
【0032】
このようにして底面2Bの形状や中心点C1、半径r1を算出した後、内容積算出処理部20aは、図6の(a)及び(b)に示すように、点群データDから容器2の上面開口縁部2Tの任意の点Tと同じZ軸上の値Zとなるデータのみを抽出するとともに公知の画像処理の手法を行うことにより、図9に示すように、上面開口縁部2Tが円環形状と検出する。
【0033】
このように上面開口縁部2Tの形状を検出した後、X-Y座標において、X座標の値が最小となる点P5(Xmin,Y)、X座標の値が最大となる点P6(Xmax,Y)、Y座標の値が最小となる点P7(X,Ymin)、Y座標の値が最大となる点P8(X,Ymax)を設定する。
【0034】
点P5~点P8を設定した後、点P5をX方向へ変位させて内縁部分を点P5′(X,Y)と設定する。この点P5と同様に、点P6をX方向へ変位させて内縁部分を点P6′(X,Y)と設定する。また、点P7をY方向へ変位させて内縁部分を点P7′(X,Y)と設定する。この点P7と同様に、点P8をY方向へ変位させて内縁部分を点P8′(X,Y)と設定する。
【0035】
このようにして点P5′~点P8′を設定した後、図10に示すように、点P5′と点P6′とを結ぶ直線と、点P7′と点P8′とを結ぶ直線との交点である中心点C1(X,Y)を算出する。
【0036】
中心点C1を算出した後、三平方の定理を利用して、下記式(2)より上面開口の半径r2を算出する。
【0037】
式(2) r2=√B (但し、B=(X-X+(Y-Y
【0038】
このようにして上面開口縁部2Tの形状や中心点C1、半径r2を算出した後、内容積算出処理部20aは、次のようにして側面形状を検出する。すなわち、中心点C1を通過する任意のZ-X平面上の断面において、図11の(a)及び(b)に示すように、底面2Bと重なる点PBt1と、上面開口縁部2Tの内縁部分と重なる点PT1とのZ-X平面上の傾きを、最小二乗法の1次元近似や微分等を適宜用いて算出する。このようにして任意のZ-X平面上の断面における点PBt1と点PT1との傾きを算出した後、内容積算出処理部20aは、図11の(a)に示すように所定角度θ(例えば1°程度)だけ変化させて点PBt2と点PT2との傾きを算出し、これを全周に亘って算出する。この結果、傾きの値が一定であれば容器2の内部形状が円錐台形状であると判定する。
【0039】
このようにして容器2の内部形状を判定した制御部20は、内容積算出処理部20aを通じて容器2の内容積を算出する(ステップS123)。この容器2の内容積の算出について説明する。内容積算出処理部20aは、図6の(b)に示すように、底面2Bの任意の点BtのZ軸上の値ZBtと、上面開口縁部2Tの任意の点TのZ軸上の値Zとから容器2の高さh1を算出する。そして、内容積算出処理部20aは、中心点C1、底面2Bの半径r1、上面開口の半径r2及び高さh1を、図12に示した公式により、容器2の内容積Vを算出する。
【0040】
内容積算出処理部20aを通じて容器2の内容積Vを算出した制御部20は、吐出量算出処理部20bを通じて、内容積Vをもとに、予め設定された手法により容器2に対する飲料の吐出量(内容積Vの65~80%程度の量)を算出し(ステップS124)、その後に手順をリターンさせて今回の吐出量算出処理を終了する。
【0041】
このようにして、吐出量算出処理を実施した制御部20は、吐出制御処理部20cを通じて、飲料生成部13にてステップS110で選択された飲料を生成させるとともに、容器2に対する吐出を行う(ステップS130)。そして、制御部20は、飲料の吐出を開始してから予め設定された設定時間が経過するまでに上記ステップS124で算出した吐出量の飲料の吐出が終了であるか否かを判断する(ステップS140,ステップS150)。
【0042】
設定時間が経過するまでに、算出した吐出量の飲料の吐出が終了であると判断した場合(ステップS140:Yes,ステップS150:No)、制御部20は、実際の吐出量を算出する(ステップS160)。この実際の吐出量の算出について説明する。
【0043】
制御部20は、図13に示すように、情報検出部15により検出された飲料の水面までの高さ距離hsを利用して、飲料の高さhw(hw=hb-hs)を算出する。また、円錐台であることを利用して高さhwにおける半径rwを求め、これらを利用して実際の吐出量を算出する。
【0044】
このようにして実際の吐出量を算出した制御部20は、吐出量判定処理部20dを通じて実際の吐出量が算出吐出量(ステップS124で算出した吐出量)以上であるか否かを判断する(ステップS170)。実際の吐出量が算出吐出量以上である場合(ステップS170:Yes)、制御部20は、表示部12に飲料の供給が終了した旨の表示を行い(ステップS180)、その後に今回の処理を終了する。
【0045】
これによれば、容器2に適正な量の飲料を供給することができ、飲料を選択した利用者が容器2を把持して飲料を取得することができる。
【0046】
一方、実際の吐出量が算出吐出量未満である場合(ステップS170:No)、制御部20は、ステップS130以降の処理を繰り返す。
【0047】
これによれば、不足分の飲料を生成して吐出することにより、容器2に適正な量の飲料を供給することができ、飲料を選択した利用者が容器2を把持して飲料を取得することができる。
【0048】
一方、算出した吐出量の飲料の吐出が終了せずに所定時間が経過した場合(ステップS140:No,ステップS150:Yes)、制御部20は、表示部12に異常が発生した旨を表示する等の報知動作を行い(ステップS190)、その後に今回の処理を終了する。
【0049】
これによれば、容器2に対する飲料の供給に異常が発生したことを利用者等に認識させることができ、飲料供給装置1を管理する者による修理作業等を促すことができる。
【0050】
以上説明したように、本発明の実施の形態である飲料供給装置1によれば、情報検出部15が容器2の情報を検出し、内容積算出処理部20aが、情報検出部15が検出した情報をもとに、容器2の内容積を算出し、吐出量算出処理部20bが、内容積算出処理部20aが算出した内容積をもとに、容器2に対する飲料の吐出量を算出し、吐出制御処理部20cが、吐出量算出処理部20bにより算出された吐出量を適量として容器2に吐出させるので、容器2の内容積を良好に算出して、適量の飲料を供給することができる。
【0051】
上記飲料供給装置1によれば、容器2の内容積を1つの情報検出部15の検出結果により算出することができるので、容器2の情報を取得するために複数のセンサ等が不要であり、これにより製造コストの低減化を図ることができる。
【0052】
上記飲料供給装置1によれば、制御部20は、容器2に吐出された飲料の実際の吐出量が、吐出量算出処理部20bにより算出された吐出量以上であるか否かを判定するので、実際の吐出量が算出吐出量未満であっても不足分を容器2に吐出することにより、容器2に適正な量の飲料を供給することができる。
【0053】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0054】
上述した実施の形態では、容器2の内部形状が1つの円錐台であったが、容器2の内部形状が複数の円柱形状と円錐台形状との組み合わせと判定した場合には、それぞれの形状の内容積を算出した後に算出した内容積を合算することにより、容器2の内容積を算出することができる。
【0055】
上述した実施の形態では、情報検出部15がステージ14の上方域であって容器2の直上となる位置に配設されていたが、容器の形状によっては、容器の直上位置では容器の内部形状を算出できない場合もある。そのため、情報検出部は、容器の斜め上方となる位置に配設されて容器の内部情報を取得するようにしてもよい。このように容器の斜め上方に情報検出部が配設される場合、容器の外側部の一部が検出されることがあるが、検出された外側部の一部の情報について無効化し、取得した容器の内部の情報だけを利用して内部形状等を算出するようにしてもよい。
【0056】
上述した実施の形態では、飲料選択されたことを条件として吐出量算出処理を行ったが、本発明においては、飲料選択の前に容器が載置されたことを条件として吐出量算出処理を行ってもよい。
【0057】
上記底面2Bの中心点C1及び半径r1の算出、並びに上面開口縁部2Tにおける上面開口の半径r2の算出について、本発明においては、上述した手法に限られず、公知の画像処理手法(例えばハフ変換等)を用いて行ってもよい。
【0058】
上述した上面開口縁部2Tの内縁部分の算出について、本発明においては、上述した手法に限られず、公知のエッジ抽出処理(例えば微分、Sobelフィルタ、Canny法等)により内縁部分を算出してもよい。
【0059】
上述した実施の形態では、ステップS170において、実際の吐出量が算出吐出量以上であるか否かを判断していたが、本発明においては、実際の吐出量≒算出吐出量であるか否かを判断してもよい。すなわち、本発明においては、ステップS170の処理に代えて、実際の吐出量が「算出吐出量-α」以上で「算出吐出量+α」以下であるか否かを判断してもよい。ここでαは所定値である。
【0060】
上述した実施の形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置及び構成要素の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【符号の説明】
【0061】
1…飲料供給装置、2…容器、11…選択部、12…表示部、13…飲料生成部、14…ステージ、15…情報検出部、20…制御部、20a…内容積算出処理部、20b…吐出量算出処理部、20c…吐出制御処理部、20d…吐出量判定処理部、21…記憶部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13