(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173233
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】スケジューリングシステム、端末装置、スケジューリング装置、及びスケジューリングプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 72/1273 20230101AFI20241205BHJP
H04W 72/23 20230101ALI20241205BHJP
H04W 72/52 20230101ALI20241205BHJP
【FI】
H04W72/1273
H04W72/23
H04W72/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091522
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牧 俊祐
(72)【発明者】
【氏名】福重 一樹
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA12
5K067DD43
5K067HH22
(57)【要約】
【課題】端末装置と基地局との間における通信帯域の逼迫を抑制する。
【解決手段】
スケジューリングシステムは、端末装置と、スケジューリング装置と、を備え、前記端末装置は、前記端末装置が接続される基地局を特定するための基地局情報を取得する第1取得部と、前記端末装置による通信の使用状況を示す使用状況情報を取得する第2取得部と、前記第1取得部によって取得された前記基地局情報及び前記第2取得部によって取得された前記使用状況情報を前記スケジューリング装置へ送信する送信部と、を含み、前記スケジューリング装置は、前記端末装置から送信された前記基地局情報及び前記使用状況情報を受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記基地局情報及び前記使用状況情報に基づいて、前記基地局を介して前記端末装置へ前記データを送信するための送信計画を作成するスケジューリング部と、を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置と、
前記端末装置へデータを送信するための送信計画を作成するスケジューリング装置と、
を備え、
前記端末装置は、
前記端末装置が接続される基地局を特定するための基地局情報を取得する第1取得部と、
前記端末装置による通信の使用状況を示す使用状況情報を取得する第2取得部と、
前記第1取得部によって取得された前記基地局情報及び前記第2取得部によって取得された前記使用状況情報を前記スケジューリング装置へ送信する送信部と、
を含み、
前記スケジューリング装置は、
前記端末装置から送信された前記基地局情報及び前記使用状況情報を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記基地局情報及び前記使用状況情報に基づいて、前記基地局を介して前記端末装置へ前記データを送信するための前記送信計画を作成するスケジューリング部と、
を含む、
スケジューリングシステム。
【請求項2】
前記スケジューリング部は、前記基地局に接続される複数の端末装置に対する前記データの送信の時間的な重複を回避するように、前記送信計画を作成する、
請求項1に記載のスケジューリングシステム。
【請求項3】
前記スケジューリング装置は、
前記基地局情報に基づいて、前記端末装置が接続される前記基地局を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された前記基地局における時間毎の通信状況を、前記使用状況情報に基づいて解析する解析部と、
をさらに含み、
前記スケジューリング部は、前記解析部による解析結果として得られた前記基地局における時間毎の通信状況に基づいて、前記送信計画を作成する、
請求項1に記載のスケジューリングシステム。
【請求項4】
前記スケジューリング部は、前記基地局における時間毎の通信状況において、前記基地局における通信の使用率が低い時間に、前記端末装置に対する前記データの送信予定時間を割り当てた前記送信計画を作成する、
請求項3に記載のスケジューリングシステム。
【請求項5】
前記解析部は、前記基地局における通信の使用率が高い時間を特定し、特定された時間を、前記端末装置に対する前記データの送信を制限する制限時間として決定する、
請求項3に記載のスケジューリングシステム。
【請求項6】
前記スケジューリング部は、前記使用状況情報に基づいて、前記端末装置に対する前記データの送信速度を、第1送信速度と、前記第1送信速度よりも低い第2送信速度とのいずれか1つに決定し、決定した前記送信速度に基づいて前記送信計画を作成する、
請求項1に記載のスケジューリングシステム。
【請求項7】
前記使用状況情報は、前記端末装置における電波の受信強度及び受信品質の少なくとも1つを含む、
請求項6に記載のスケジューリングシステム。
【請求項8】
前記スケジューリング部は、前記使用状況情報に基づいて、前記端末装置の各時間における通信量が一定の基準値以上であるか否かを判定し、前記端末装置の通信量が前記基準値未満である時間が存在する場合、前記端末装置に対する前記データの送信速度を前記第1送信速度に決定する、
請求項6に記載のスケジューリングシステム。
【請求項9】
前記スケジューリング部は、前記端末装置の通信量が前記基準値未満である時間が存在する場合、前記端末装置の通信量が前記基準値未満の時間に、前記端末装置に対する前記データの送信予定時間を割り当てる、
請求項8に記載のスケジューリングシステム。
【請求項10】
前記スケジューリング部は、前記使用状況情報に基づいて、前記端末装置の各時間における通信量が一定の基準値以上であるか否かを判定し、前記端末装置の通信量が前記基準値未満である時間が存在しない場合、前記端末装置に対する前記データの送信速度を前記第2送信速度に決定する、
請求項6に記載のスケジューリングシステム。
【請求項11】
前記スケジューリング部は、前記使用状況情報に基づいて、前記端末装置の各時間における通信量が一定の基準値以上であるか否かを判定し、前記端末装置の通信量が前記基準値未満である時間が存在しない場合、前記制限時間を含む時間に、前記端末装置に対する前記データの送信予定時間を割り当てる、
請求項5に記載のスケジューリングシステム。
【請求項12】
前記基地局情報は、前記基地局が使用する周波数帯域を示す使用帯域情報を含み、
前記スケジューリング部は、前記基地局情報における前記使用帯域情報に基づいて、前記基地局が第1搬送波及び第2搬送波を同時に使用して前記端末装置との通信を行う特定基地局であるか否かを判定し、前記基地局が前記特定基地局である場合、第1端末装置に対して割り当てる前記データの送信予定時間である第1送信予定時間と、第2端末装置に対して割り当てる前記データの送信予定時間である第2送信予定時間とを重複させた前記送信計画を作成する、
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のスケジューリングシステム。
【請求項13】
基地局を介してデータを受信する端末装置であって、
前記端末装置が接続される前記基地局を特定するための基地局情報を取得する第1取得部と、
前記端末装置による通信の使用状況を示す使用状況情報を取得する第2取得部と、
前記第1取得部によって取得された前記基地局情報及び前記第2取得部によって取得された前記使用状況情報を、前記端末装置へデータを送信するための送信計画を作成するスケジューリング装置へ送信する送信部と、
を備える、
端末装置。
【請求項14】
端末装置へデータを送信するための送信計画を作成するスケジューリング装置であって、
前記端末装置が接続される基地局を特定するための基地局情報、及び、前記端末装置による通信の使用状況を示す使用状況情報を、前記端末装置から受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記基地局情報及び前記使用状況情報に基づいて、前記基地局を介して前記端末装置へ前記データを送信するための前記送信計画を作成するスケジューリング部と、
を備える、
スケジューリング装置。
【請求項15】
端末装置へデータを送信するための送信計画を作成するためのスケジューリングプログラムであって、
コンピュータに、
前記端末装置が接続される基地局を特定するための基地局情報、及び、前記端末装置による通信の使用状況を示す使用状況情報を、前記端末装置から受信するステップと、
受信された前記基地局情報及び前記使用状況情報に基づいて、前記基地局を介して前記端末装置へ前記データを送信するための前記送信計画を作成するステップと、
を実行させるための、
スケジューリングプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スケジューリングシステム、端末装置、スケジューリング装置、及びスケジューリングプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
工場又は商業施設(以下、「産業施設」という)におけるセンサ情報の管理等の産業用途において、第5世代移動通信システム(5G)、第4世代移動通信システム(4G)等による移動通信(以下、「セルラ通信」ともいう)の活用が期待されている。
【0003】
特許文献1には、セルラ通信用の無線通信機器における無線による制御ソフトウェア(ファームウェア)の更新(FOTA:Firmware Over-The-Air)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2007-521555号公報
【特許文献2】特開2019-200620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
セルラ通信では、携帯電話機、スマートフォン等の可搬型の端末装置(移動局)が用いられるため、1つの端末装置が接続される基地局は、その端末装置の位置に応じて切り替わる。これに対し、産業施設において用いられる端末装置は、一般的には固定的に配置され、移動されるとしても施設内の小さな領域に限られる。このため、端末装置に接続される基地局は基本的に変わることがない。したがって、1つの基地局に複数の端末装置が接続されている状況で、各端末装置がファームウェアのような大きなサイズのデータを同時にダウンロードする場合、端末装置と基地局との間における通信帯域が逼迫されるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るスケジューリングシステムは、端末装置と、前記端末装置へデータを送信するための送信計画を作成するスケジューリング装置と、を備え、前記端末装置は、前記端末装置が接続される基地局を特定するための基地局情報を取得する第1取得部と、前記端末装置による通信の使用状況を示す使用状況情報を取得する第2取得部と、前記第1取得部によって取得された前記基地局情報及び前記第2取得部によって取得された前記使用状況情報を前記スケジューリング装置へ送信する送信部と、を含み、前記スケジューリング装置は、前記端末装置から送信された前記基地局情報及び前記使用状況情報を受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記基地局情報及び前記使用状況情報に基づいて、前記基地局を介して前記端末装置へ前記データを送信するための前記送信計画を作成するスケジューリング部と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、端末装置と基地局との間における通信帯域の逼迫を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係るスケジューリングシステムの構成の一例を説明するための模式図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るGW装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るスケジューリングシステムの機能の一例を示す機能ブロック図である。
【
図6】
図6は、使用状況情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、基地局とGW装置との接続状況の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、解析部による解析結果の一例を示す図である。
【
図9A】
図9Aは、スケジューリング部によって作成されたDL計画の第1例を示す図である。
【
図9B】
図9Bは、スケジューリング部によって作成されたDL計画の第2例を示す図である。
【
図9C】
図9Cは、スケジューリング部によって作成されたDL計画の第3例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係るGW装置によるFW更新制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態に係るサーバによる更新データ提供処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、スケジューリング処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、実施形態に係るスケジューリングシステムにおける通信手順の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<本開示の実施形態の概要>
以下、本開示の実施形態の概要を列記して説明する。
【0010】
(1) 本実施形態に係るスケジューリングシステムは、端末装置と、前記端末装置へデータを送信するための送信計画を作成するスケジューリング装置と、を備え、前記端末装置は、前記端末装置が接続される基地局を特定するための基地局情報を取得する第1取得部と、前記端末装置による通信の使用状況を示す使用状況情報を取得する第2取得部と、前記第1取得部によって取得された前記基地局情報及び前記第2取得部によって取得された前記使用状況情報を前記スケジューリング装置へ送信する送信部と、を含み、前記スケジューリング装置は、前記端末装置から送信された前記基地局情報及び前記使用状況情報を受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記基地局情報及び前記使用状況情報に基づいて、前記基地局を介して前記端末装置へ前記データを送信するための前記送信計画を作成するスケジューリング部と、を含む。これにより、端末装置と基地局との間における通信帯域の逼迫を抑制した送信計画を作成することができる。
【0011】
(2) 上記(1)において、前記スケジューリング部は、前記基地局に接続される複数の端末装置に対する前記データの送信の時間的な重複を回避するように、前記送信計画を作成してもよい。これにより、端末装置と基地局との間における通信帯域の逼迫を抑制することができる。
【0012】
(3) 上記(1)又は(2)において、前記スケジューリング装置は、前記基地局情報に基づいて、前記端末装置が接続される前記基地局を特定する特定部と、前記特定部によって特定された前記基地局における時間毎の通信状況を、前記使用状況情報に基づいて解析する解析部と、をさらに含み、前記スケジューリング部は、前記解析部による解析結果として得られた前記基地局における時間毎の通信状況に基づいて、前記送信計画を作成してもよい。これにより、基地局における時間毎の通信状況に基づいて、端末装置と基地局との間における通信帯域の逼迫を抑制した送信計画を作成することができる。
【0013】
(4) 上記(3)において、前記スケジューリング部は、前記基地局における時間毎の通信状況において、前記基地局における通信の使用率が低い時間に、前記端末装置に対する前記データの送信予定時間を割り当てた前記送信計画を作成してもよい。これにより、端末装置と基地局との間における通信帯域が逼迫する時間を避けて、端末装置に対するデータの送信予定時間を割り当てることができる。
【0014】
(5) 上記(3)又は(4)において、前記解析部は、前記基地局における通信の使用率が高い時間を特定し、特定された時間を、前記端末装置に対する前記データの送信を制限する制限時間として決定してもよい。これにより、制限時間を割けて端末装置に対するデータの送信予定時間を割り当てることで、端末装置と基地局との間における通信帯域の逼迫を抑制することができる。
【0015】
(6) 上記(1)から(5)のいずれか1つにおいて、前記スケジューリング部は、前記使用状況情報に基づいて、前記端末装置に対する前記データの送信速度を、第1送信速度と、前記第1送信速度よりも低い第2送信速度とのいずれか1つに決定し、決定した前記送信速度に基づいて前記送信計画を作成してもよい。これにより、端末装置による通信の使用状況に応じて、端末装置に対するデータの送信速度を決定することができる。
【0016】
(7) 上記(6)において、前記使用状況情報は、前記端末装置における電波の受信強度及び受信品質の少なくとも1つを含んでもよい。これにより、端末装置における電波の受信強度及び受信品質の少なくとも1つに基づいて、端末装置に対するデータの送信速度を決定することができる。
【0017】
(8) 上記(6)又は(7)において、前記スケジューリング部は、前記使用状況情報に基づいて、前記端末装置の各時間における通信量が一定の基準値以上であるか否かを判定し、前記端末装置の通信量が前記基準値未満である時間が存在する場合、前記端末装置に対する前記データの送信速度を前記第1送信速度に決定してもよい。これにより、高速な第1送信速度で短時間にデータを送信することができる。
【0018】
(9) 上記(8)において、前記スケジューリング部は、前記端末装置の通信量が前記基準値未満である時間が存在する場合、前記端末装置の通信量が前記基準値未満の時間に、前記端末装置に対する前記データの送信予定時間を割り当ててもよい。これにより、通信量が少ない時間において、短時間にデータを送信することができる。
【0019】
(10) 上記(6)から(9)のいずれか1つにおいて、前記スケジューリング部は、前記使用状況情報に基づいて、前記端末装置の各時間における通信量が一定の基準値以上であるか否かを判定し、前記端末装置の通信量が前記基準値未満である時間が存在しない場合、前記端末装置に対する前記データの送信速度を前記第2送信速度に決定してもよい。これにより、低速な第2送信速度で長時間をかけてデータを送信することで、常時一定以上の通信量で通信を行う端末装置における通信に与える影響を抑制することができる。
【0020】
(11) 上記(5)において、前記スケジューリング部は、前記使用状況情報に基づいて、前記端末装置の各時間における通信量が一定の基準値以上であるか否かを判定し、前記端末装置の通信量が前記基準値未満である時間が存在しない場合、前記制限時間を含む時間に、前記端末装置に対する前記データの送信予定時間を割り当ててもよい。これにより、常時一定以上の通信量で通信を行う端末装置に対するデータの送信予定時間を、制限時間を無視して柔軟に割り当てることができる。
【0021】
(12) 上記(1)から(11)のいずれか1つにおいて、前記基地局情報は、前記基地局が使用する周波数帯域を示す使用帯域情報を含み、前記スケジューリング部は、前記基地局情報における前記使用帯域情報に基づいて、前記基地局が第1搬送波及び第2搬送波を同時に使用して前記端末装置との通信を行う特定基地局であるか否かを判定し、前記基地局が前記特定基地局である場合、第1端末装置に対して割り当てる前記データの送信予定時間である第1送信予定時間と、第2端末装置に対して割り当てる前記データの送信予定時間である第2送信予定時間とを重複させた前記送信計画を作成してもよい。これにより、キャリアアグリゲーションによってデータを送信可能な第1端末装置及び第2端末装置に対して、効率的にデータを送信することができる。
【0022】
(13) 本実施形態に係る端末装置は、基地局を介してデータを受信する端末装置であって、前記端末装置が接続される前記基地局を特定するための基地局情報を取得する第1取得部と、前記端末装置による通信の使用状況を示す使用状況情報を取得する第2取得部と、前記第1取得部によって取得された前記基地局情報及び前記第2取得部によって取得された前記使用状況情報を、前記端末装置へデータを送信するための送信計画を作成するスケジューリング装置へ送信する送信部と、を備える。これにより、端末装置と基地局との間における通信帯域の逼迫を抑制した送信計画を作成するために用いられる基地局情報及び使用状況情報を、スケジューリング装置に提供することができる。
【0023】
(14) 本実施形態に係るスケジューリング装置は、端末装置へデータを送信するための送信計画を作成するスケジューリング装置であって、前記端末装置が接続される基地局を特定するための基地局情報、及び、前記端末装置による通信の使用状況を示す使用状況情報を、前記端末装置から受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記基地局情報及び前記使用状況情報に基づいて、前記基地局を介して前記端末装置へ前記データを送信するための前記送信計画を作成するスケジューリング部と、を備える。これにより、端末装置と基地局との間における通信帯域の逼迫を抑制した送信計画を作成することができる。
【0024】
(15) 本実施形態に係るスケジューリングプログラムは、端末装置へデータを送信するための送信計画を作成するためのスケジューリングプログラムであって、コンピュータに、前記端末装置が接続される基地局を特定するための基地局情報、及び、前記端末装置による通信の使用状況を示す使用状況情報を、前記端末装置から受信するステップと、受信された前記基地局情報及び前記使用状況情報に基づいて、前記基地局を介して前記端末装置へ前記データを送信するための前記送信計画を作成するステップと、を実行させる。これにより、端末装置と基地局との間における通信帯域の逼迫を抑制した送信計画を作成することができる。
【0025】
本開示は、上記のような特徴的な構成を備えるスケジューリングシステム、当該スケジューリングシステムに含まれる端末装置及びスケジューリング装置、及びコンピュータをスケジューリング装置として機能させるスケジューリングプログラムとして実現することができるだけでなく、コンピュータを端末装置として機能させるコンピュータプログラムとして実現したり、端末装置の一部又は全部を半導体集積回路として実現したり、スケジューリング装置の一部又は全部を半導体集積回路として実現したりすることができる。
【0026】
<本開示の実施形態の詳細>
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態の詳細を説明する。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0027】
[1.スケジューリングシステム]
図1は、実施形態に係るスケジューリングシステムの構成の一例を説明するための模式図である。
【0028】
スケジューリングシステム10は、サーバ100と、ゲートウェイ装置(以下、「GW装置」ともいう)400_1,400_2,400_11とを含む。なお、以下の説明において、GW装置400_1,400_2,…,400_11を総称して「GW装置400」ともいう。
【0029】
基地局300_1,300_2はLTE(Long Term Evolution)又は5Gの無線基地局である。なお、以下の説明において、基地局300_1,300_2を総称して「基地局300」ともいう。
【0030】
GW装置400_1,400_2,400_11は、例えば、第5世代移動通信システム(5G)の通信端末である。GW装置400_1,400_2は、基地局300_1を経由してネットワーク200に接続される。GW装置400_11は、基地局300_2を経由してネットワーク200に接続される。なお、ここでいう「接続」とは、物理的な接続だけでなく、論理的な接続も含む。
【0031】
GW装置400_1,400_2,400_11のそれぞれには、複数のセンサ500が接続されている。センサ500は、例えば、カメラ、温度センサ、湿度センサ、人感センサ、圧力センサ、振動センサ等である。GW装置400_1,400_2,400_11及び各センサ500は、工場、商業施設などの施設内に配置される。GW装置400とセンサ500とは、例えばLAN(Local Area Network)によって接続されている。センサ500は計測によって得られたデータ(以下、「センサデータ」という)をGW装置400へ送信する。GW装置400は、センサ500から送信されたセンサデータを、ネットワーク200に接続された図示しないデータベースにアップロードする。
【0032】
サーバ100はネットワーク200に接続される。サーバ100は、GW装置400のファームウェアを格納したFOTAサーバである。サーバ100は、GW装置400と通信し、ファームウェアの更新に用いられる更新データをダウンロードするためのサービスをGW装置400に提供する。サーバ100は、「スケジューリング装置」の一例であり、更新データは「データ」の一例である。GW装置400は、「端末装置」の一例である。
【0033】
[2.サーバの構成]
図2は、実施形態に係るサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。サーバ100は、プロセッサ101と、不揮発性メモリ102と、揮発性メモリ103と、通信インタフェース(I/F)104とを備える。
【0034】
揮発性メモリ103は、例えばSRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリである。不揮発性メモリ102は、例えばフラッシュメモリ、ハードディスク、ROM(Read Only Memory)等である。不揮発性メモリ102には、コンピュータプログラムであるスケジューリングプログラム110及びスケジューリングプログラム110の実行に使用されるデータが格納される。サーバ100の各機能は、スケジューリングプログラム110がプロセッサ101によって実行されることで実現される。
【0035】
スケジューリングプログラム110は、GW装置400への更新データのダウンロード予定時間(以下、「ダウンロードを「DL」ともいう」)をスケジューリングするためのコンピュータプログラムである。
【0036】
プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。ただし、プロセッサ101は、CPUに限られない。プロセッサ101は、GPU(Graphics Processing Unit)であってもよい。プロセッサ101は、例えば、マルチコアプロセッサである。プロセッサ101は、シングルコアプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってもよいし、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスであってもよい。この場合、ASIC又はプログラマブルロジックデバイスは、スケジューリングプログラム110と同一の処理を実行可能に構成される。
【0037】
通信I/F104は、例えばイーサネットインタフェースである(「Ethernet」は登録商標)。通信I/F104は、ネットワーク200に接続される。サーバ100は、通信I/F104によって、GW装置400と通信することができる。
【0038】
不揮発性メモリ102には、基地局データベース(以下、データベースを「DB」ともいう)111、端末DB112、及びファームウェア(以下、「FW」ともいう)データベース113が設けられている。
【0039】
基地局DB111は、基地局の情報を格納する。さらに具体的には、基地局DB111は、基地局を特定するための情報である基地局情報と、基地局に接続されるGW装置400のID(以下、「端末ID」ともいう)とを対応付けて記憶する。基地局情報は、例えば、PLMN(Public Land Mobile Network)及びCELL IDを含む。PLMNは、基地局300を運営する事業者を識別するための情報であり、上3桁がMCC(Mobile Country Code)である。CELL IDは、基地局300を識別するための情報である。
【0040】
端末DB112は、GW装置400における基地局300との通信の使用状況を示す情報(使用状況情報)を格納する。さらに具体的には、端末DB112は、使用状況情報と、GW装置400の端末IDとを対応付けて記憶する。使用状況情報は、帯域使用情報、RSRP(Reference Signal Received Power)及びRSRQ(Reference Signal Received Quality)を含む。帯域使用情報は、所定の期間、例えば1日間におけるGW装置400による帯域の使用状況を示す情報であり、具体的には、特定の単位時間毎(例えば、1時間毎)の通信量を示す情報である。RSRPは、GW装置400における基地局300からの電波の受信強度を示す情報である。RSRQは、GW装置400における基地局300からの電波の受信品質を示す情報である。
【0041】
端末DB112は、例えば、GW装置400の現在のファームウェアを特定するためのFW情報を含んでもよい。FW情報は、例えば、ファームウェアの名称と、バージョンとを含む。
【0042】
FWDB113は、更新データを格納する。すなわち、FWDB113は、新たなファームウェアのデータを記憶する。
【0043】
サーバ100は、GW装置400への更新データのDL予定時間をスケジューリングし、各GW装置400への更新データのDL予定時間を示すDL計画を作成する。不揮発性メモリ102は、作成されたDL計画114を格納する。
【0044】
[3.GW装置の構成]
図3は、実施形態に係るGW装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。GW装置400は、プロセッサ401と、不揮発性メモリ402と、揮発性メモリ403と、第1通信I/F404と、第2通信I/F405とを備える。
【0045】
揮発性メモリ403は、例えばSRAM、DRAM等の半導体メモリである。不揮発性メモリ402は、例えばフラッシュメモリ、ハードディスク、ROM等である。不揮発性メモリ402には、コンピュータプログラムである制御プログラム410及び制御プログラム410の実行に使用されるデータが格納される。GW装置400の各機能は、制御プログラム410がプロセッサ401によって実行されることで実現される。
【0046】
制御プログラム410は、更新データのDL予定時間のスケジューリングに必要な情報をサーバ100へ提供するためのコンピュータプログラムである。
【0047】
プロセッサ401は、例えばCPUである。ただし、プロセッサ401は、CPUに限られない。プロセッサ401は、GPUであってもよい。プロセッサ401は、例えば、マルチコアプロセッサである。プロセッサ401は、シングルコアプロセッサであってもよい。プロセッサ401は、例えば、ASICであってもよいし、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスであってもよい。この場合、ASIC又はプログラマブルロジックデバイスは、制御プログラム410と同一の処理を実行可能に構成される。
【0048】
第1通信I/F404は、例えば5G又はLTEに準拠した無線通信インタフェースである。第1通信I/F404は、無線アンテナを含み、基地局300と無線通信することが可能である。
【0049】
第2通信I/F405は、イーサネットインタフェースである。第2通信I/F405は、LANに接続される。GW装置400は、第2通信I/F405によって、センサ500と通信することができる。
【0050】
GW装置400は、上述した基地局情報411及び使用状況情報412を取得し、取得した基地局情報411及び使用状況情報を不揮発性メモリ402に格納する。GW装置400は、更新データ413をサーバ100からダウンロードすると、ダウンロードした更新データ413を不揮発性メモリに格納する。
【0051】
[4.スケジューリングシステムの機能]
図4は、実施形態に係るスケジューリングシステムの機能の一例を示す機能ブロック図である。なお、
図4では、1つのGW装置400が示されているが、各GW装置400_1,400_2,…400_11は同一の機能を有する。
【0052】
プロセッサ101がスケジューリングプログラム110を実行することにより、サーバ100において、受信部121と、特定部122と、解析部123と、スケジューリング部124と、通知部125と、提供部126との各機能が実現される。プロセッサ401が制御プログラム410を実行することにより、GW装置400において、第1取得部421と、第2取得部422と、送信部423と、要求部424と、更新部425との各機能が実現される。
【0053】
第1取得部421は、基地局情報411を取得する。GW装置400が接続される基地局300を特定するための情報である。
【0054】
図5は、基地局情報の一例を示す図である。上述したように、基地局情報411は、PLMNと、CELL IDとを含む。
【0055】
PLMNは、通信事業者のセルラネットワークを識別する情報であり、事業者識別情報でもある。さらに具体的には、PLMNは、国又は地域を表すコードであるMCC(Mobile Country Code)と、通信事業者を表すコードであるMNC(Mobile Network Code)とを含み、MCCとMNCとの組み合わせによって、通信事業者を識別することができる。CELL IDは、基地局300を識別するための情報である。基地局300が5Gに準拠している場合、CELL IDはNCI(NR(New Radio) Cell IDentifier)であり、基地局300がLTEに準拠している場合、CELL_IDはECI(E-UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network) Cell IDentifier)である。
【0056】
基地局情報411は、使用帯域情報を含んでもよい。使用帯域情報は、基地局が使用する周波数帯域を示す情報である。
【0057】
具体的な一例では、使用帯域情報は、ARFCNと、バンドと、帯域幅とを含む。ARFCN(Absolute Radio-Frequency Channel Number)は、基地局300が使用する周波数帯域(チャネル)に割り当てられた番号である。基地局300が5Gに準拠している場合、ARFCNはNR-ARFCNであり、基地局300がLTEに準拠している場合、ARFCNはEARFCN(E-UTRAN ARFCN)である。バンドは、基地局300が使用している周波数帯域である。例えば、バンドがn77であれば3.3GHzから4.2GHzを示し、バンドがn257であれば26.5GHzから29.5GHzを示す。帯域幅は、基地局300が使用可能な最も高い周波数と最も低い周波数との差である。例えば、基地局300が3.6GHzから3.7GHzの周波数帯域を使用する場合、帯域幅は100MHzである。
【0058】
基地局300がキャリアアグリゲーションに対応している場合、使用帯域情報は、キャリアアグリゲーションにおいて使用される複数の周波数帯域を示す情報である。すなわち、2つの周波数帯域を使用する場合、使用帯域情報は、第1の周波数帯域のARFCN、バンド、及び帯域幅と、第2の周波数帯域のARFCN、バンド、及び帯域幅とを含む。
【0059】
GW装置400は、起動時において基地局300を経由して移動通信網とのコネクションを確立する。このコネクション確立時に、基地局300はGW400へPLMN、CELL ID、及び使用帯域情報を通知する。第1取得部421は、コネクション確立時に、自装置が接続される基地局300のPLMN、CELL ID、及び使用帯域情報を取得する。
【0060】
図4に戻り、第2取得部422は、使用状況情報412を取得する。
【0061】
図6は、使用状況情報の一例を示す図である。使用状況情報412は、上述したように、帯域使用情報、RSRP及びRSRQを含む。
【0062】
例えば、第2取得部422は、GW装置400の基地局300との通信量を逐次記録し、所定期間、例えば1時間毎に通信量を集計することによって、帯域使用情報を取得する。第1通信I/F404は、RSRP及びRSRQの測定機能を有する。第2取得部422は、第1通信I/F404によって測定されたRSRP及びRSRQを取得する。
【0063】
図4に戻り、送信部423は、第1取得部421によって取得された基地局情報411及び第2取得部422によって取得された使用状況情報412をサーバ100へ送信する。
【0064】
受信部121は、GW装置400から送信された基地局情報411及び使用状況情報412を受信する。
【0065】
特定部122は、基地局情報411に基づいて、GW装置400が接続される基地局300を特定する。
【0066】
解析部123は、特定部122によって特定された基地局300における時間毎の通信状況を、使用状況情報412に基づいて解析する。
【0067】
以下、解析部123による基地局300の通信状況の解析について説明する。
図7は、基地局とGW装置との接続状況の一例を示す図である。
図7において、破線で示すエリアは、基地局300_1の通信可能エリア310である。
図7に示す例では、基地局300_1に、GW装置400_1,400_2,400_3,400_4,400_5,400_6,400_7,400_8,400_9,400_10が接続されている。
【0068】
GW装置400_1,400_2,400_3,400_4,400_5,400_6,400_7,400_8,400_9,400_10のそれぞれからは、基地局情報411及び使用状況情報412が送信される。GW装置400_1,400_2,400_3,400_4,400_5,400_6,400_7,400_8,400_9,400_10から送信された基地局情報411は、全て、基地局300_1を特定するための情報である。特定部122は、GW装置400_1,400_2,400_3,400_4,400_5,400_6,400_7,400_8,400_9,400_10のそれぞれから送信された基地局情報411によって、基地局300_1を特定する。
【0069】
GW装置400_1,400_2,400_3,400_4,400_5,400_6,400_7,400_8,400_9,400_10のそれぞれから送信された使用状況情報には、GW装置400_1,400_2,400_3,400_4,400_5,400_6,400_7,400_8,400_9,400_10のそれぞれにおける通信の使用状況が示されている。例えば、GW装置400_1から送信された使用状況情報412には、GW装置400_1における帯域使用情報と、RSRPと、RSRQとが含まれ、GW装置400_2から送信された使用状況情報412には、GW装置400_2における帯域使用情報と、RSRPと、RSRQとが含まれる。
【0070】
解析部123は、GW装置400_1,400_2,400_3,400_4,400_5,400_6,400_7,400_8,400_9,400_10のそれぞれから送信された帯域使用情報を集計し、基地局300_1における通信状況を解析する。
【0071】
例えば、解析部123は、時間毎にGW装置400_1,400_2,400_3,400_4,400_5,400_6,400_7,400_8,400_9,400_10の通信量を累計し、基地局300_1の時間毎の通信量を算出する。すなわち、解析部123は、0時台におけるGW装置400_1,400_2,400_3,400_4,400_5,400_6,400_7,400_8,400_9,400_10の通信量を累計することで、基地局300_1の0時台における通信量を算出する。解析部123は、1時台におけるGW装置400_1,400_2,400_3,400_4,400_5,400_6,400_7,400_8,400_9,400_10の通信量を累計することで、基地局300_1の1時台における通信量を算出する。
【0072】
図8は、解析部による解析結果の一例を示す図である。
図8において、横軸は1日における時刻を示す。例えば、解析部123は、上述したようにして求めた時間毎の基地局300_1の通信量を、所定の基準値と比較する。解析部123は、通信量が基準値未満の時間を、基地局における通信の使用率が低い時間である第1時間に特定し、通信量が基準値以上の時間を、基地局における通信の使用率が高い時間である第2時間に特定することができる。
【0073】
解析部123は、第1時間を、更新データのダウンロードを制限しない通常時間に決定し、第2時間を、更新データのダウンロードを制限した制限時間に決定することができる。
図8において、斜線を付していない部分が通常時間を示し、斜線を付した部分が制限時間を示す。すなわち、
図8の例では、0時から9時が通常時間であり、9時から12時が制限時間であり、12時から14時が通常時間であり、14時から20時が制限時間であり、20時から24時が通常時間である。
【0074】
図4に戻り、スケジューリング部124は、受信部121によって受信された基地局情報411及び使用状況情報412に基づいて、基地局300を介してGW装置400へ更新データ413をダウンロードするためのDL計画114を作成する。DL計画114は、「送信計画」の一例である。
【0075】
具体的な一例では、スケジューリング部124は、基地局300に接続される複数のGW装置400に対する更新データのダウンロードの時間的な重複を回避するように、DL計画114を作成する。
【0076】
例えば、スケジューリング部124は、解析部123による解析結果として得られた基地局300における時間毎の通信状況に基づいて、DL計画114を作成する。
【0077】
具体的には、スケジューリング部124は、基地局300における時間毎の通信状況において、通常時間に、GW装置400に対する更新データのDL予定時間を割り当てたDL計画114を作成する。DL予定時間は、「送信予定時間」の一例である。
【0078】
例えば、スケジューリング部124は、GW装置400の使用状況情報412に基づいて、GW装置400に対する更新データのDL速度を、通常速度と、制限速度とのいずれか1つに決定する。制限速度は、通常速度よりも低い速度である。例えば、制限速度は、通常速度の数分の1の速度である。一例では、通常速度は5Mbpsであり、制限速度は1Mbpsである。スケジューリング部124は、決定したDL速度に基づいてDL計画114を作成する。
【0079】
具体的な一例では、スケジューリング部124は、RSRP及びRSRQの少なくとも1つに基づいて、GW装置400に対するDL速度を決定することができる。
【0080】
例えば、スケジューリング部124は、RSRPと第1基準値とを比較する。第1基準値は、RSRPの1つの基準値である。スケジューリング部124は、RSRPが第1基準値以上であれば、GW装置400の通信状況が良好であると判断し、DL速度を通常速度に決定することができる。スケジューリング部124は、RSRPが第1基準値未満であれば、GW装置400の通信状況が良好ではないと判断し、DL速度を制限速度に決定することができる。第1基準値は、例えば、-120dBmである。
【0081】
例えば、スケジューリング部124は、RSRQと第2基準値とを比較する。第2基準値は、RSRQの1つの基準値である。スケジューリング部124は、RSRQが第2基準値以上であれば、GW装置400の通信状況が良好であると判断し、DL速度を通常速度に決定することができる。スケジューリング部124は、RSRQが第2基準値未満であれば、GW装置400の通信状況が良好ではないと判断し、DL速度を制限速度に決定することができる。第2基準値は、例えば、-13dBである。
【0082】
他の例では、スケジューリング部124は、使用状況情報412に基づいて、GW装置400の各時間における通信量が第3基準値以上であるか否かを判定する。GW装置400の通信量が第3基準値未満である時間が存在する場合、スケジューリング部124は、GW装置400に対するDL速度を通常速度に決定することができる。さらに、スケジューリング部124は、GW装置400の通信量が第3基準値未満である時間が存在する場合、GW装置400の通信量が第3基準値未満の時間に、GW装置に対する更新データのDL予定時間を割り当てることができる。
【0083】
一方、GW装置400の通信量が第3基準値未満である時間が存在しない場合、スケジューリング部124は、GW装置400に対するDL速度を制限速度に決定することができる。さらに、スケジューリング部124は、GW装置400の通信量が第3基準値未満である時間が存在しない場合、制限時間を含む時間に、GW装置400に対する更新データのDL予定時間を割り当てることができる。
【0084】
さらにスケジューリング部124は、GW装置400の使用状況情報412に基づいて、通信量が第3基準値未満の時間を特定することができる。例えば、スケジューリング部124は、通信量が第3基準値未満の時間が連続する時間帯を特定することができる。スケジューリング部124は、4時から8時までの間に通信量が第3基準値未満の時間が連続する時間帯が存在するGW装置400を、朝時間において低稼働なGW装置400と決定する。スケジューリング部124は、20時時から24時及び0時から4時までの間に通信量が第3基準値未満の時間が連続する時間帯が存在するGW装置400を、夜時間において低稼働なGW装置400と決定する。
【0085】
例えば、スケジューリング部124は、朝時間において低稼働なGW装置400に対しては、DL予定時間を朝時間(4時から8時までの間の時間帯)に割り当てることができる。例えば、スケジューリング部124は、夜時間において低稼働なGW装置400に対しては、DL予定時間を夜時間(20時時から24時までの間の時間帯及び0時から4時までの間の時間帯)に割り当てることができる。
【0086】
スケジューリング部124によるDL予定時間のスケジューリングの具体例を説明する。
図7に示す例において、GW装置400_1,400_1,400_2,400_3,400_4,400_5,400_6,400_7,400_8,400_9,400_10のそれぞれの端末番号を1,2,3,4,5,6,7,8,9,10とする。端末番号1,2,3,4,5,7,8,9のGW装置400については、通信量が第3基準値未満である時間が存在し、端末番号6,10のGW装置400については、通信量が第3基準値未満である時間が存在しない場合を想定する。
【0087】
スケジューリング部124は、端末番号1,2,3,4,5,7,8,9のGW装置400のDL速度を通常速度に決定する。スケジューリング部124は、端末番号6,10のGW装置400のDL速度を制限速度に決定する。
【0088】
スケジューリング部124は、端末番号1,2,3,7,8のGW装置400を、朝時間において低稼働なGW装置400と決定する。スケジューリング部124は、端末番号4,5,9のGW装置400を、夜時間において低稼働なGW装置400と決定する。
【0089】
図9Aは、スケジューリング部によって作成されたDL計画の第1例を示す図である。
図9Aにおいて、横軸は1日における時刻を示す。
【0090】
スケジューリング部124は、通信量が第3基準値未満である時間が存在するGW装置400である端末番号1,2,3,4,5,7,8,9の各GW装置400の更新データのダウンロードにかかる時間を、通常速度及び更新データのデータ量に基づいて推定する。例えば、スケジューリング部124は、端末番号1,2,3,4,5,7,8,9の各GW装置400の更新データのダウンロードにかかる時間を1時間と推定する。スケジューリング部124は、更新データのダウンロードにかかる時間を、通常速度及び更新データのデータ量から算出される時間に、マージンの時間を加えた値に決定することができる。
【0091】
スケジューリング部124は、端末番号1,2,3,4,5,7,8,9のGW装置400のDL予定時間を、通常時間に割り当てる。
図9Aにおいて、数字は端末番号を示し、端末番号が付された四角の枠は、当該端末番号のGW装置400に割り当てられたDL予定時間を示す。
【0092】
さらに具体的には、スケジューリング部124は、朝時間において低稼働なGW装置400である端末番号1,2,3,7,8の各GW装置400のDL予定時間を、朝時間に割り当てる。
【0093】
図9Aの例では、端末番号1のGW装置400_1のDL予定時間が4時から5時までの時間帯に割り当てられる。端末番号2のGW装置400_2のDL予定時間が5時から6時までの時間帯に割り当てられる。端末番号3のGW装置400_3のDL予定時間が6時から7時までの時間帯に割り当てられる。端末番号7のGW装置400_7のDL予定時間が7時から8時までの時間帯に割り当てられる。端末番号8のGW装置400_8のDL予定時間が8時から9時までの時間帯に割り当てられる。
【0094】
スケジューリング部124は、夜時間において低稼働なGW装置400である端末番号4,5,9の各GW装置400のDL予定時間を、夜時間に割り当てる。
【0095】
図9Aの例では、端末番号4のGW装置400_4のDL予定時間が21時から22時までの時間帯に割り当てられる。端末番号5のGW装置400_5のDL予定時間が22時から23時までの時間帯に割り当てられる。端末番号9のGW装置400_9のDL予定時間が23時から24時までの時間帯に割り当てられる。
【0096】
スケジューリング部124は、通信量が第3基準値未満である時間が存在しないGW装置400である端末番号6,10の各GW装置400の更新データのダウンロードにかかる時間を、制限速度及び更新データのデータ量に基づいて推定する。例えば、スケジューリング部124は、端末番号6,10の各GW装置400の更新データのダウンロードにかかる時間を8時間と推定する。スケジューリング部124は、更新データのダウンロードにかかる時間を、制限速度及び更新データのデータ量から算出される時間に、マージンの時間を加えた値に決定することができる。
【0097】
スケジューリング部124は、通信量が第3基準値未満である時間が存在しない端末番号6,10のGW装置400のDL予定時間を、制限時間を含む時間帯に割り当てることができる。
【0098】
図9Aの例では、端末番号6のGW装置400_6のDL予定時間が0時から4時までの時間帯及び9時から13時までの時間帯に割り当てられる。端末番号10のGW装置400_10のDL予定時間が13時から21時までの時間帯に割り当てられる。
【0099】
図9Aの例では、全てのGW装置400のDL予定時間が重複しないように割り当てられている。これにより、基地局300_1における通信容量の逼迫を抑制することができる。
【0100】
制限速度は、通常速度に比べて十分に低い速度に設定される。制限速度によって更新データをダウンロードしても、その間の他の通信に与える影響は小さい。このため、制限速度によって更新データをダウンロードする端末番号6,10のGW装置400のDL予定時間を、通常速度によって更新データをダウンロードする端末番号1,2,3,4,5,7,8,9のGW装置400のDL予定時間と重複させてもよい。
【0101】
図9Bは、スケジューリング部によって作成されたDL計画の第2例を示す図である。
図9Bにおいて、横軸は1日における時刻を示す。
【0102】
図9Bの例では、端末番号1,2,3,7,8のGW装置400のDL予定時間は
図9Aと同じである。
図9Bの例では、端末番号4のGW装置400_4のDL予定時間が20時から21時までの時間帯に割り当てられる。端末番号5のGW装置400_5のDL予定時間が21時から22時までの時間帯に割り当てられる。端末番号9のGW装置400_9のDL予定時間が22時から23時までの時間帯に割り当てられる。
【0103】
スケジューリング部124は、通信量が第3基準値未満である時間が存在しない端末番号6,10のGW装置400のDL予定時間を、通信量が第3基準値未満である時間が存在する端末番号1,2,3,4,5,7,8,9のGW装置400のDL予定時間を含む時間帯に割り当てることができる。
【0104】
図9Bの例では、端末番号6のGW装置400_6のDL予定時間が0時から8時までの時間帯に割り当てられる。端末番号10のGW装置400_10のDL予定時間が12時から20時までの時間帯に割り当てられる。
【0105】
図9Bの例では、端末番号6のGW装置400_6のDL予定時間が、端末番号1,2,3,7のGW装置400_1,400_2,400_3,400_7のDL予定時間に重複している。これにより、GW400のDL予定時間を柔軟に設定することができる。
【0106】
図4に戻り、スケジューリング部124は、基地局情報411における使用帯域情報に基づいて、基地局300が第1搬送波及び第2搬送波を同時に使用してGW装置400との通信を行う、すなわちキャリアアグリゲーションに対応した特定基地局であるか否かを判定する。例えば、使用帯域情報に複数の周波数帯域を示す情報が含まれる場合、スケジューリング部124は、基地局300がキャリアアグリゲーションに対応した特定基地局であると判定することができる。
【0107】
基地局300が特定基地局である場合、スケジューリング部124は、第1のGW装置(例えば、GW装置400_1)に対して割り当てる更新データのDL予定時間と、第2のGW装置(例えば、GW装置400_2)に対して割り当てる更新データのDL時間とを重複させたDL計画114を作成することができる。
【0108】
基地局300_1がキャリアアグリゲーションに対応している場合を考える。
図9Cは、スケジューリング部によって作成されたDL計画の第3例を示す図である。
図9Cにおいて、横軸は1日における時刻を示す。
【0109】
図9Cの例では、端末番号1のGW装置400_1及び端末番号2のGW装置400_2のDL予定時間が4時から5時までの時間帯に割り当てられる。すなわち、端末番号1のGW装置400_1のDL予定時間と端末番号2のGW装置400_2のDL予定時間とが重複している。端末番号3のGW装置400_3及び端末番号7のGW装置400_7のDL予定時間が5時から6時までの時間帯に割り当てられる。すなわち、端末番号3のGW装置400_3のDL予定時間と端末番号7のGW装置400_7のDL予定時間とが重複している。端末番号8のGW装置400_8のDL予定時間は6時から7時までの時間帯に割り当てられる。
【0110】
図9Cの例では、端末番号4のGW装置400_4及び端末番号5のGW装置400_5のDL予定時間が20時から21時までの時間帯に割り当てられる。すなわち、端末番号4のGW装置400_4のDL予定時間と端末番号5のGW装置400_5のDL予定時間とが重複している。端末番号9のGW装置400_9のDL予定時間は21時から22時までの時間帯に割り当てられる。
【0111】
図9Cの例では、端末番号6のGW装置400_6のDL予定時間が0時から4時までの時間帯及び6時から10時までの時間帯に割り当てられる。すなわち、6時から7時までの時間帯において、端末番号8のGW装置400_8のDL予定時間と端末番号6のGW装置400_6のDL予定時間とが重複している。端末番号10のGW装置400_10のDL予定時間が10時から18時までの時間帯に割り当てられる。
【0112】
以上のように、キャリアアグリゲーションに対応した基地局300に対して、キャリアアグリゲーションを考慮したDL予定時間のスケジューリングを行うことができる。
図9Cの例では、DL予定時間の重複数を2としたが、これに限定されない。例えば、基地局300において使用する周波数帯域の数に応じて、DL予定時間の重複数を決定することができる。
【0113】
図4に戻り、通知部125は、スケジューリング部124によって決定されたDL予定時間の開始時刻(以下、「DL開始時刻」ともいう)を、各GW装置400に通知する。例えば、通知部125は、DL予定時間が決定されたGW装置400に対して、対応するDL開始時刻を通知することができる。
【0114】
要求部424は、サーバ100から通知されたDL開始時刻が到来すると、更新データのDL要求をサーバ100へ送信する。
【0115】
提供部126は、GW装置400から更新データのDL要求を受信すると、FWDB113から更新データ413を取得し、取得した更新データ413をGW装置400へダウンロードする。
【0116】
更新部425は、サーバ100からダウンロードした更新データ413を用いて、ファームウェアを更新する。
【0117】
[5.スケジューリングシステムの動作]
以下、実施形態に係るスケジューリングシステム10の動作を説明する。
【0118】
GW装置400のプロセッサ401は、制御プログラム410を実行することにより、以下のようなFW更新制御処理を実行することができる。
図10は、実施形態に係るGW装置によるFW更新制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0119】
GW装置400の起動時において、GW装置400は基地局300とのコネクションを確立する。基地局300は、コネクション確立時に、GW装置400へ基地局情報411を送信する。GW装置400は、基地局300から送信された基地局情報411を取得(受信)する(ステップS101)。
【0120】
GW装置400のプロセッサ401は、基地局300との通信量を逐次測定する。プロセッサ401は、例えば、1日における通信量を1時間毎に集計し、帯域使用情報を生成する。
【0121】
GW装置400の第1通信I/F404は、RSRP及びRSRQを測定する。プロセッサ401は、帯域使用情報、RSRP及びRSRQによって構成される使用状況情報412を生成(取得)する(ステップS102)。使用状況情報412に含まれるRSRP及びRSRQは、測定された瞬時値であってもよいし、一定期間の測定値の平均値であってもよい。
【0122】
プロセッサ401は、更新データ413が存在するか否かの問合わせ(以下、「存在問合せ」)をサーバ100へ送信する(ステップS103)。存在問合せには、上述した基地局情報411及び使用状況情報412とGW装置400の端末IDとが含まれる。
【0123】
サーバ100からは、存在問合せに対する回答が送信される。プロセッサ401は、サーバ100から受信した回答が、更新データが存在することを示しているか否かを判定する(ステップS104)。サーバ100からの回答が、更新データが存在しないことを示している場合(ステップS104においてNO)、FW更新制御処理は終了する。
【0124】
サーバ100からの回答が、更新データが存在することを示している場合(ステップS104においてYES)、プロセッサ401は、サーバ100からDL開始時刻を受信する(ステップS105)。
【0125】
プロセッサ401は、DL開始時刻が到来したか否かを判定する(ステップS106)。DL開始時刻が到来していない場合(ステップS106においてNO)、プロセッサ401はステップS106を再び実行する。
【0126】
DL開始時刻が到来した場合(ステップS106においてYES)、プロセッサ401は、更新データ413のDL要求をサーバ100へ送信する(ステップS107)。
【0127】
サーバ100は、更新データ413のDL要求を受信すると、要求元のGW装置400への更新データ413のダウンロードを開始する。GW装置400は、更新データ413を受信する(ステップS108)。
【0128】
更新データ413のダウンロードが完了すると、プロセッサ401は、更新データ413によってファームウェアの更新を実行する(ステップS109)。以上で、FW更新制御処理が終了する。
【0129】
サーバ100のプロセッサ101は、スケジューリングプログラム110を実行することにより、以下のような更新データ提供処理を実行することができる。
図11は、実施形態に係るサーバによる更新データ提供処理の一例を示すフローチャートである。
【0130】
サーバ100は、各GW装置400から更新データの存在問合せを受信する(ステップS201)。プロセッサ101は、受信した存在問合せに含まれる基地局情報411を基地局DB111に登録し、使用状況情報412を端末DB112に登録する(ステップS202)。
【0131】
プロセッサ101は、FWDB113を参照し、更新データ413が存在するか否かを判定する(ステップS203)。
【0132】
更新データ413が存在しない場合(ステップS203においてNO)、プロセッサ101は、更新データ413が存在しないことを示す回答を、問合せ元のGW装置400へ送信する(ステップS204)。以上で、更新データ提供処理が終了する。
【0133】
更新データ413が存在する場合(ステップS203においてYES)、プロセッサ101は、更新データ413が存在することを示す回答を、問合せ元のGW装置400へ送信する(ステップS205)。
【0134】
プロセッサ101は、受信した基地局情報411に基づいて、GW装置400が接続する基地局300を特定する(ステップS206)。
【0135】
プロセッサ101は、1又は複数のGW装置400から受信した使用状況情報412に基づいて、特定した基地局300における時間毎の通信状況を解析する(ステップS207)。
【0136】
次にプロセッサ101は、スケジューリング処理を実行する(ステップS208)。
【0137】
図12は、スケジューリング処理の一例を示すフローチャートである。
【0138】
まず、プロセッサ101は、基地局300及びキャリアアグリゲーションの対応可否によって、GW装置400をグループ分けする(ステップS221)。すなわち、同一の基地局300に接続されるGW装置400によって1つのグループが形成される。キャリアアグリゲーションに対応している基地局300(特定基地局)に接続されるGW装置400によって1つのグループが形成される。
【0139】
プロセッサ101は、グループ毎に、各GW装置400のDL速度を決定する(ステップS222)。すなわち、プロセッサ101は、RSRPと第1基準値とを比較し、RSRPが第1基準値以上である場合に、GW装置400のDL速度を通常速度に決定する。プロセッサ101は、RSRPが第1基準値未満である場合に、GW装置400のDL速度を制限速度に決定する。プロセッサ101は、RSRQと第2基準値とを比較し、RSRQが第2基準値以上である場合に、GW装置400のDL速度を通常速度に決定する。プロセッサ101は、RSRQが第2基準値未満である場合に、GW装置400のDL速度を制限速度に決定する。ここで、プロセッサ101は、RSRPが第1基準値以上であること、及び、RSRQが第2基準値以上であることのいずれか1つが満たされている場合に、DL速度を通常速度に決定し、RSRPが第1基準値以上であること、及び、RSRQが第2基準値以上であることの両方が満たされない場合に、DL速度を制限速度に決定する。
【0140】
ステップS222において、プロセッサ101は、さらに、使用状況情報412に基づいて、GW装置400の各時間における通信量が第3基準値以上であるか否かを判定する。GW装置400の通信量が第3基準値未満である時間が存在する場合、プロセッサ101は、GW装置400に対するDL速度を通常速度に決定する。GW装置400の通信量が第3基準値未満である時間が存在しない場合、プロセッサ101は、GW装置400に対するDL速度を制限速度に決定する。
【0141】
次にプロセッサ101は、使用帯域情報に基づいて、基地局300を通じた最大DL速度を推定する(ステップS223)。
【0142】
プロセッサ101は、グループ毎に、各GW装置400のDL予定時間を決定する(ステップS224)。1つのグループにおける全てのGW装置400のDL予定時間を決定すると、プロセッサ101は、当該グループ(基地局300)におけるDL計画114を作成する。全てのグループに対するDL計画114が作成されると、スケジューリング処理が終了する。
【0143】
図11に戻り、プロセッサ101は、GW装置400にDL開始時刻を通知する(ステップS209)。
【0144】
GW装置400は、DL開始時刻が到来すると、更新データ413のDL要求をサーバ100へ送信する。プロセッサ101は、更新データ413のDL要求を受信したか否かを判定する(ステップS210)。更新データ413のDL要求を受信していない場合(ステップS210においてNO)、プロセッサ101はステップS210を再度実行する。
【0145】
更新データ413のDL要求を受信した場合(ステップS210においてYES)、プロセッサ101は、要求元のGW装置400への更新データ413のダウンロードを開始する(ステップS211)。更新データ413のダウンロードが完了すると、更新データ提供処理が終了する。
【0146】
図13は、実施形態に係るスケジューリングシステムにおける通信手順の一例を示すシーケンス図である。
【0147】
GW装置400_1,400_2,400_3,…は、基地局300とのコネクションを確立する(ステップS11,S12,S13)。基地局300は、コネクション確立の際に、GW装置400_1,400_2,400_3,…へ基地局情報411を送信する(ステップS14,S15,S16)。なお、
図13ではGW装置400_1,400_2,400_3,…と基地局300とのコネクション確立を同時刻に行っているように示しているが、実際には基地局300とのコネクション確立はGW装置400_1,400_2,400_3,…毎に任意の時刻に行われる。
【0148】
GW装置400_1,400_2,400_3,…は、サーバ100へ更新データ413の存在問合せを送信する(ステップS17,S18,S19)。更新データ413の存在問合せは、例えば定期的に行われる。
【0149】
サーバ100は、更新データ413の存在問合せに対する回答を送信する(ステップS20,S21,S22)。
図13には、GW装置400_1,400_2,400_3…のファームウェアの更新データ413が存在する例を示している。
【0150】
サーバ100は、基地局情報411に基づいて基地局300を特定し(ステップS23)、基地局300の通信状況を解析する(ステップS24)。さらにサーバ100は、スケジューリング処理を実行する(ステップS25)。
【0151】
サーバ100は、GW装置400_1,400_2,400_3…へDL開始時刻を通知する(ステップS26,S27,S28)。
【0152】
GW装置400_1は、DL開始時刻が到来すると、更新データ413のDL要求を送信する(ステップS29)。サーバ100は、DL要求を受信すると、更新データ413をダウンロードする(ステップS30)。GW装置400_1は、ダウンロードした更新データ413によりファームウェアを更新する(ステップS31)。GW装置400_2,400_3,…も同様に、DL開始時刻が到来すると、更新データ413のDL要求を送信する(ステップS32,S35)。サーバ100は、更新データ413をGW装置400_2,400_3,…へダウンロードする(ステップS33,S36)。GW装置400_2,400_3,…は、ダウンロードした更新データ413によりファームウェアを更新する(ステップS34,S37)。
【0153】
[6.変形例]
上述した実施形態では、ダウンロードの対象をファームウェアの更新データ413としたが、これに限定されない。複数のGW装置400へダウンロードされるデータであれば、更新データ413ではなくてもよい。
【0154】
上述した実施形態では、端末装置をGW装置400としたが、これに限定されない。産業施設において使用される移動通信の端末装置であれば、GW装置400ではなくてもよい。
【0155】
上述した実施形態では、サーバ100が、DL予定時間のスケジューリングを行うスケジューリング装置として機能したが、これに限定されない。FOTAサーバとは異なるサーバがスケジューリング装置として機能してもよいし、GW装置400のうちの1つがスケジューリング装置として機能してもよい。
【0156】
上述した実施形態では、更新データ413のDL速度を、通常速度と制限速度とのいずれかに決定したが、これに限定されない。例えば、DL速度を多段階又は無段階で決定してもよい。例えば、GW装置400のDL予定時間における過去の通信量が小さければDL速度を高くし、通信量が大きければDL速度を低くするようにすることができる。
【0157】
[7.補記]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的ではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及びその範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0158】
10 スケジューリングシステム
100 サーバ(スケジューリング装置)
101 プロセッサ
102 不揮発性メモリ
103 揮発性メモリ
104 通信インタフェース(通信I/F)
110 スケジューリングプログラム
111 基地局データベース(基地局DB)
112 端末データベース(端末DB)
113 ファームウェアデータベース(FWDB)
114 ダウンロード計画(DL計画、送信計画)
121 受信部
122 特定部
123 解析部
124 スケジューリング部
125 通知部
126 提供部
200 ネットワーク
300,300_1,300_2 基地局
310 通信可能エリア
400,400_1,400_2,400_3,400_4,400_5,400_6,400_7,400_8,400_9,400_10,400_11 ゲートウェイ装置(GW装置、端末装置)
401 プロセッサ
402 不揮発性メモリ
403 揮発性メモリ
404 第1通信インタフェース(第1通信I/F)
405 第2通信インタフェース(第2通信I/F)
410 制御プログラム
411 基地局情報
412 使用状況情報
413 更新データ
421 第1取得部
422 第2取得部
423 送信部
424 要求部
425 更新部
500 センサ