(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173236
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】シートスライド構造
(51)【国際特許分類】
B60N 2/07 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B60N2/07
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091527
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】390029805
【氏名又は名称】THK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120237
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 良規
(72)【発明者】
【氏名】西出 哲弘
(72)【発明者】
【氏名】見波 敏郎
(72)【発明者】
【氏名】栗林 宏臣
(72)【発明者】
【氏名】青柳 仁
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087BA02
3B087BB07
(57)【要約】
【課題】シートのスライド量を拡大すると共に、レール等のシートスライド機構を露出させることなくシート前後の足元スペースの確保が可能なシートスライド構造を提供する。
【解決手段】シートを床面に対して前後方向にスライド自在に取り付けるシートスライド構造であって、前記シートを前後方向にスライド自在に案内する第1の直動案内装置を備え、前記第1の直動案内装置は、第1のレールと第1のブロックを備え、前記第1のブロックは、前記床面に固定されることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを床面に対して前後方向にスライド自在に取り付けるシートスライド構造であって、
前記シートを前後方向にスライド自在に案内する第1の直動案内装置を備え、
前記第1の直動案内装置は、第1のレールと第1のブロックを備え、
前記第1のブロックは、前記床面に固定されることを特徴とするシートスライド構造。
【請求項2】
請求項1に記載のシートスライド構造において、
前記シートと前記床面の間に配置されるシートベースを備え、
前記第1のレールは、前記シートベースに固定され、
前記シートを前記シートベースに対して前後方向にスライド自在に案内する第2の直動案内装置を備えることを特徴とするシートスライド構造。
【請求項3】
請求項2に記載のシートスライド構造において、
前記第2の直動案内装置は、第2のレールと第2のブロックを備え、
前記第2のブロックは、前記シートベースに固定され、
前記第2のレールは、前記シートに固定されることを特徴とするシートスライド構造。
【請求項4】
請求項3に記載のシートスライド構造において、
前記シートベースを前記床面に対し前後方向に移動させる第1のアクチュエータを備え、
前記第1のアクチュエータは、前記床面の内部に配置されることを特徴とするシートスライド構造。
【請求項5】
請求項3に記載のシートスライド構造において、
前記シートベースを前記床面に対し前後方向に移動させる第1のアクチュエータを備え、
前記第1のアクチュエータと前記床面との間にはリンク機構を備え、
前記第1のアクチュエータは、前記シートベースに取り付けられることを特徴とするシートスライド構造。
【請求項6】
請求項5に記載のシートスライド構造において、
前記第1のアクチュエータ及び前記シートを前記シートベースに対し前後方向に移動させる第2のアクチュエータは、それぞれ前記シートベースの上方に配置されることを特徴とするシートスライド構造。
【請求項7】
請求項3に記載のシートスライド構造において、
前記第1のレールは、前記第2のレールよりも前後方向に短いことを特徴とするシートスライド構造。
【請求項8】
請求項2に記載のシートスライド構造において、
前記シートベースは、前記シートの下面から床面に向けて前後方向の断面において、末広がり形状に形成されることを特徴とするシートスライド構造。
【請求項9】
シートを床面に対して前後方向にスライド自在に取り付けるシートスライド構造であって、
前記シートを前後方向にスライド自在に案内する第2の直動案内装置を備え、
前記第2の直動案内装置は、第2のレールと第2のブロックを備え、
前記第2のレールは、前記シートに固定されることを特徴とするシートスライド構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートスライド構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等に用いられるシートスライド構造として、シートと車体床面との間にスライドレール機構を介在させ、シートを車両前後方向にスライド自在とする構造が知られている。また、シートのスライド量を拡大して、利便性を高めることのできるシートスライド構造が知られている。このようなシートスライド構造は種々の構造が知られているが、例えば、特許文献1に記載されているように、シートクッションに対してシートバックをシート前後方向に起倒自在に連結するとともに、上記シートクッションをスライドレール機構を介して車体床面側に取り付けてなる車両用シート装置であって、上記スライドレール機構を、相対摺動自在とされた第1アッパーレールと第1ロアレールからなり該第1アッパーレールが上記シートクッションに固定された第1スライドレール機構と第2アッパーレールと第2ロアレールからなり該第2ロアレールが車体床面側に固定された第2スライドレール機構とを備え、且つ上記第1スライドレール機構の上記第1ロアレールと上記第2スライドレール機構の上記第2アッパーレールとを一体的に結合して構成するとともに、上記第1スライドレール機構のスライド最前端位置において上記シートバックが前倒されるとき該シートバックの前倒変位を受けて上記第2スライドレール機構側のロック機構を解除するロック解除機構を備えたことを特徴とする車両用シート装置が知られている。
【0003】
このような車両用シート装置によれば、スライドレール機構を第1スライドレール機構と第2スライドレール機構の2つの機構で構成し、これら2つのスライドレール機構を必要に応じて選択使用することで、1つのスライドレール機構で構成されるシートスライド構造よりもスライド量を拡大させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、自動車の前席に従来のシートスライド構造を採用した場合、後席の足元スペースを拡大するために前席を前方にスライドさせたとしても、車体床面に固定されたレールや取付けブラケット等が露出し、これらが後席の足元スペースにおいて邪魔になってしまい拡大させた足元スペースを有効に活用することができないという課題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであって、シートのスライド量を拡大すると共に、レール等のスライド機構を露出させることなくシート前後の足元スペースの確保が可能なシートスライド構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明に係るシートスライド構造は、シートを床面に対して前後方向にスライド自在に取り付けるシートスライド構造であって、前記シートを前後方向にスライド自在に案内する第1の直動案内装置を備え、前記第1の直動案内装置は、第1のレールと第1のブロックを備え、前記第1のブロックは、前記床面に固定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るシートスライド構造によれば、シートのスライド量を拡大すると共に、レール等のスライド機構を露出させることなくシート前後の足元スペースの確保をすることができる。また、本発明に係るシートスライド構造によれば、シートスライド構造をシートクッション及びシートベースカバーの内部に配置することで、シート下における床面の内部空間を有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るシートスライド構造の側面図。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係るシートスライド構造の下方から見た斜視図。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係るシートスライド構造の上方から見た斜視図。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係るシートスライド構造であって、第1のスライド機構を前方に駆動させた状態を示す下方から見た斜視図。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係るシートスライド構造であって、第1のスライド機構及び第2のスライド機構を前方に駆動させた状態を示す上方から見た斜視図。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係るシートの移動範囲を示す参考図であって、上段はシートを最後方に移動させた状態を示し、下段はシートを最前方に移動させた状態を示す参考図。
【
図8】本発明の第2の実施形態に係るシートスライド構造の側面図。
【
図9】本発明の第2の実施形態に係るシートスライド構造の上方から見た斜視図。
【
図10】本発明の第2の実施形態に係るシートスライド構造の下方から見た斜視図。
【
図12】本発明の第2の実施形態に係るシートスライド構造であって、第1のスライド機構を前方に駆動させた状態を示す上方から見た斜視図。
【
図13】本発明の第2の実施形態に係るシートスライド構造であって、第1のスライド機構及び第2のスライド機構を前方に駆動させた状態を示す上方から見た斜視図。
【
図14】本発明の第2の実施形態に係るシートの移動範囲を示す参考図であって、上段はシートを最後方に移動させた状態を示し、下段はシートを最前方に移動させた状態を示す参考図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係るシートスライド構造の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0011】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るシートスライド構造の側面図であり、
図2は、本発明の第1の実施形態に係るシートスライド構造の下方から見た斜視図であり、
図3は、
図2におけるA部拡大断面図であり、
図4は、本発明の第1の実施形態に係るシートスライド構造の上方から見た斜視図である。また、本明細書において、前後方向とは、
図1、2、4、5及び6に示す矢印の方向と、左右方向とは、
図2、4、5及び6に示す矢印の方向と定義する。
【0012】
第1の実施形態に係るシートスライド構造1は、
図1に示すように、床面F及びシートSの内部に配置され、シートSを床面Fに対して前後方向にスライド自在に取り付ける。本実施形態において、シートSは、シートクッションSC及びシートバックSBを備え、一例として、自動車の前席として使用される。
【0013】
シートスライド構造1は、
図1に示すように、床面FとシートクッションSCとの間に配置されるシートベース11を備える。また、シートスライド構造1は、床面Fに対してシートベース11を前後方向にスライド自在に取り付ける第1のスライド機構12と、シートベース11に対してシートクッションSCを前後方向にスライド自在に取り付ける第2のスライド機構13とを備える。
【0014】
シートベース11は、
図1に示すように、床面Fのよりも下方に延出し、後述する第1のスライドロッド22を回動自在に取り付ける第1のブラケット部11aを備える。第1のブラケット部11aは、
図1視における奥行方向(以下、左右方向という。)を軸方向とするヒンジピン11bを備える。
【0015】
また、シートベース11は、後述する第1のレール31を固定するレール取付け部11cと、後述する第2のブロック52を固定するブロック取付け部11dとを備える。レール取付け部11cは、シートベース11の下側に配置され、ブロック取付け部11dは、シートベース11の上側であってシートクッションSCの内部に位置するように配置される。
【0016】
また、シートベース11は、後述する第2のスライドロッド42を回動自在に取り付ける第2のブラケット部11eを備える。第2のブラケット部11eは、シートクッションSCの内部に位置するように配置され、左右方向を軸方向とするヒンジピン11fを備える。
【0017】
第1のスライド機構12は、床面Fに対してシートベース11を前後方向に駆動させる第1のアクチュエータ2と、シートベース11の前後方向の動きを案内する一対の第1の直動案内装置3とを備える。
【0018】
第1のアクチュエータ2は、軸部である第1のスライドロッド22と、第1のスライドロッド22を軸方向に直動運動させる第1のアクチュエータ本体21とを備える。第1のアクチュエータ2は、公知の直動型のアクチュエータを用いることができ、一例として、第1のアクチュエータ本体21内部に備えるモータと、第1のスライドロッド22に備えるボールねじとの組み合わせによって構成されるものであっても構わない。第1のアクチュエータ2は、図示しない蓄電装置から給電され、搭乗者によるスイッチ等の操作に応じて、第1のスライドロッド22を第1のアクチュエータ本体21に対して軸方向に伸縮させることができる。
【0019】
第1のアクチュエータ2は、
図1に示すように、床面Fの内部に配置され、第1のスライドロッド22の軸方向が略前後方向に沿うように配置される。また、第1のアクチュエータ本体21の前方側端部は、床面F内部に固定される図示しない車両側ブラケットを介して取り付けられても構わない。この場合、車両側ブラケットは、左右方向を軸方向とするヒンジピンを有し、第1のアクチュエータ本体21を、ヒンジピンを中心として回動可能に取り付けると好適である。
【0020】
第1のスライドロッド22の後方側端部は、
図1に示すように、第1のブラケット部11aを介してシートベース11に取り付けられる。また、第1のスライドロッド22は、ヒンジピン11bを中心として回動可能に取り付けられる。
【0021】
このような、第1のアクチュエータ本体21と車両側ブラケットとの取付け構造、及び、第1のスライドロッド22と第1のブラケット部11aとの取付け構造によれば、床面Fに対するシートベース11のスライド方向と、第1のスライドロッド22の伸縮方向とが一致しない場合であっても、各部が干渉することなくスムーズにシートベース11を移動させることができる。
【0022】
第1の直動案内装置3は、
図2に示すように、シートベース11のレール取付け部11cに取り付けられる第1のレール31と、床面Fに取り付けられる第1のブロック32とを備える。第1のレール31と第1のブロック32は、第1のレール31の長手方向に沿ってスライド自在に構成される。
【0023】
第1の直動案内装置3は、シートベース11の左右両側に取り付けられ、左右に位置する第1のレール31は、長手方向が前後方向に沿って配置され、互いが平行となるように配置される。
【0024】
第1のレール31は、
図3に示すように、断面形状が略矩形に形成され、左右両側に転動体転走面31aが形成された長尺部材である。転動体転走面31aは、第1のレール31の断面略矩形状の左右両側面に2条ずつ形成され、左右対称に合計4条形成されている。
【0025】
第1のレール31には、複数のボルト孔が面31bから面31cに向かって穿孔されている。本実施形態において、第1の直動案内装置3は、第1のレール31に形成されたこれら複数のボルト孔にボルトを挿通し、シートベース11のレール取付け部11cに締結されている。
【0026】
第1のブロック32は、
図3に示すように、第1のレール31の面31b及び左右両側面に跨るように、断面略コ字状をしており、ブロック部本体33と、このブロック部本体33の往復運動方向である両端面に取り付けられた一対の側蓋34とを備えている。
【0027】
また、第1のブロック32は、第1のレール31に対して長手方向の長さが十分に短く設定されている。
【0028】
ブロック部本体33及び側蓋34は、第1のレール31の面31bに対向する中央部と、第1のレール31の左右両側面に対向する一対の脚部とを有している。ブロック部本体33には、第1のレール31の転動体転走面31aと対向するように第1のレール31の長手方向に延びる例えば合計4条の負荷転動体転走面33aが形成されている。
【0029】
また、ブロック部本体33には、負荷転動体転走面33aと平行に延びる転動体戻し通路33bが合計4条形成されている。
【0030】
また、側蓋34には、負荷転動体転走面33aの一端と転動体戻し通路33bの一端とを繋ぐU字形状の方向転換路34aが形成されている。
【0031】
このように、第1のブロック32には、転動体転走面31aと負荷転動体転走面33aからなる負荷転動体転走路、一対の方向転換路34a及び転動体戻し通路33bとからなる無限循環路が形成される。
【0032】
本実施形態に係る第1の直動案内装置3は、転動体転走面31aと負荷転動体転走面33aとの間に転動体35が介在されているので、第1のブロック32と第1のレール31を第1のレール31の長手方向に沿って移動させると、転動体35に転がり運動を行わせることができる。負荷転動体転走路の一端まで転走した転動体35は、一方の方向転換路34aに導かれる。方向転換路34aで進行方向を転換させた転動体35は、転動体戻し通路33bを転走して、他方の方向転換路34aを経由した後、再び負荷転動体転走路に戻される。このように転動体35が転走することで無限循環を実現している。
【0033】
また、複数の転動体35は、球状に形成されたボールが好適に用いられる。さらに、複数の転動体35は、隣り合う転動体35間に配置された間座部と、その長手方向に沿って配列された間座部を繋ぐ帯状の連結帯とからなる帯状リテーナ36により保持されている。このように、転動体35間に配置された間座部により転動体35同士の衝突を防止することができる。また、転動体35は、帯状リテーナ36によって一連に連結保持されているので、転動体35を整列させたまま転走させることができる。
【0034】
なお、第1のレール31の長手方向と交差する面における断面において、転動体転走面31a及び負荷転動体転走面33aは転動体35の曲率半径よりも大きな単一の曲率半径で形成されたサーキュラアーク形状に形成されている。これにより、転動体35は、転動体転走面31aと負荷転動体転走面33aからなる負荷転動体転走路と2点で接触するため、異常な転がり抵抗の増加を示さず、荷重が加わった状態でも良好に動作する。また、転動体転走面31a及び負荷転動体転走面33aはこれに限らず、転動体35の曲率半径よりも若干大きな曲率半径の2つの円弧からなるいわゆるゴシックアーチ形状に形成しても構わない。
【0035】
なお、本実施形態において、第1のブロック32は、
図2に示すように、一本の第1のレール31に対して2つ取り付けられるが、第1のブロック32の数はこれに限らず、一本の第1のレール31に対して第1のブロック32が1つのみ取り付けられてもよく、若しくは、2つ以上取り付けられても構わない。第1のブロック32の数量は、設置スペースや、第1の直動案内装置3の耐荷重等に応じて適宜設定して構わない。
【0036】
第2のスライド機構13は、
図1に示すように、シートベース11に対してシートクッションSCを前後方向に駆動させる第2のアクチュエータ4と、シートクッションSCの前後方向の動きを案内する一対の第2の直動案内装置5とを備える。
【0037】
第2のアクチュエータ4は、軸部である第2のスライドロッド42と、第2のスライドロッド42を軸方向に直動運動させる第2のアクチュエータ本体41とを備える。本実施形態において、第2のアクチュエータ本体41は第1のアクチュエータ本体21と、第2のスライドロッド42は第1のスライドロッド22と同様の構成とすることができる。また、第2のアクチュエータ4は、第1のアクチュエータ2と同様に、図示しない蓄電装置から給電され、搭乗者によるスイッチ等の操作に応じて、第2のスライドロッド42を第2のアクチュエータ本体41に対して軸方向に伸縮させることができる。
【0038】
第2のアクチュエータ4は、
図1に示すように、シートクッションSCの内部に配置され、第2のスライドロッド42の軸方向が略前後方向となるように配置される。また、第2のアクチュエータ本体41の前方側端部は、シートクッションSCに固定されるブラケット61を介して取り付けられる。ブラケット61は、左右方向を軸方向とするヒンジピン62を有し、第2のアクチュエータ本体41は、ヒンジピン62を中心として回動可能に取り付けられる。
【0039】
第2のスライドロッド42の後方側端部は、
図1に示すように、第2のブラケット部11eを介してシートベース11に取り付けられる。また、第2のスライドロッド42は、ヒンジピン11fを中心として回動可能に取り付けられる。
【0040】
このような、第2のアクチュエータ本体41とブラケット61との取付け構造、及び、第2のスライドロッド42と第2のブラケット部11eとの取付け構造によれば、シートベース11に対するシートクッションSCのスライド方向と、第2のスライドロッド42の伸縮方向とが一致しない場合であっても、各部が干渉することなくスムーズにシートクッションSCを移動させることができる。
【0041】
第2の直動案内装置5は、
図4に示すように、シートクッションSCに取り付けられる第2のレール51と、シートベース11のブロック取付け部11dに取り付けられる第2のブロック52とを備える。第2のレール51と第2のブロック52は、第2のレール51の長手方向に沿ってスライド自在に構成される。
【0042】
第2の直動案内装置5は、シートベース11の左右両側に取り付けられ、左右に位置する第2のレール51は、長手方向が前後方向に沿って配置され、互いが平行となるように配置される。
【0043】
本実施形態において、第2のレール51は第1のレール31と、第2のブロック52は第1のブロック32と同様の構成とすることができる。
【0044】
第2のレール51は、
図1に示すように、シートクッションSCの内部に収まる限りにおいて、全長を長く設定することができる。また、第2のレール51の全長は、第1のレール31の全長よりも長く設定しても構わない。
【0045】
なお、本実施形態において、第2のブロック52は、
図4に示すように、一本の第2のレール51に対して2つ取り付けられるが、第2のブロック52の数はこれに限らず、一本の第2のレール51に対して第2のブロック52が1つのみ取り付けられてもよく、若しくは、2つ以上取り付けられても構わない。第2のブロック52の数量は、設置スペースや、第2の直動案内装置5の耐荷重等に応じて適宜設定して構わない。
【0046】
また、床面FとシートクッションSCとの間には、
図1に示すように、シートベースカバーCを取付けても構わない。このようなシートベースカバーCを取り付けることにより、シートベース11及び第1の直動案内装置3等の構造を露出させることなくシートベースカバーCの内部に配置することができる。このため、美感に優れた車内空間を構成することができると共に、第1の直動案内装置3への異物の侵入を防ぐことができる。
【0047】
また、本実施形態に係るシートスライド構造によれば、シート下に配置されるシートベース11やシートベースカバーCをシートクッションSCから床面Fに向けて前後方向の断面において、末広がり形状とすることができ、シート剛性に安心感が生まれ、コンパクトでありながら不安を抱かせないデザインとすることができ、さらには、フロントシート下の後部側は後部座席の乗客の足を置きやすい形状になり、人間工学に基づいた形状とすることができる。
【0048】
次に、本実施形態に係るシートスライド構造1の動作例について説明を行う。
【0049】
図5は、本発明の第1の実施形態に係るシートスライド構造であって、第1のスライド機構を前方に駆動させた状態を示す下方から見た斜視図であり、
図6は、本発明の第1の実施形態に係るシートスライド構造であって、第1のスライド機構及び第2のスライド機構を前方に駆動させた状態を示す上方から見た斜視図であり、
図7は、本発明の第1の実施形態に係るシートの移動範囲を示す参考図であって、上段はシートを最後方に移動させた状態を示し、下段はシートを最前方に移動させた状態を示す参考図である。
【0050】
本実施形態に係るシートスライド構造1は、第1のスライド機構12と第2のスライド機構13をそれぞれ独立して駆動させることができ、床面Fに対するシートベース11の前後方向の移動及びシートベース11に対するシートクッションSCの前後方向の移動をそれぞれ行うことができる。
【0051】
先ず、第1のスライド機構12によるシートベース11の移動について説明を行う。
【0052】
床面Fに対してシートベース11を移動させる場合には、搭乗者によるスイッチ等の操作により、図示しない制御装置から第1のアクチュエータ本体21へ、第1のスライドロッド22を第1のアクチュエータ本体21に対して軸方向に伸縮させる信号が入力される。一例として、シートベース11を前方に移動させる場合には、
図5に示すように、第1のスライドロッド22を第1のアクチュエータ本体21に対して軸方向に縮めるように第1のアクチュエータ本体21が制御される。
【0053】
第1のアクチュエータ本体21は、床面Fの内部に固定されたブラケットを介して取り付けられ、シートベース11は、第1の直動案内装置3を介して、床面Fに対してスライド自在に取り付けられている。このため、第1のスライドロッド22の軸方向の動きに伴ってシートベース11を前方へ移動させることができる。
【0054】
なお、シートベース11を床面Fに対して後方に移動させる場合には、第1のスライドロッド22を第1のアクチュエータ本体21に対して軸方向に延ばすように第1のアクチュエータ本体21を制御させる。
【0055】
次に、第2のスライド機構13によるシートクッションSCの移動について説明を行う。
【0056】
シートベース11に対してシートクッションSCを移動させる場合には、搭乗者によるスイッチ等の操作により、図示しない制御装置から第2のアクチュエータ本体41へ、第2のスライドロッド42を第2のアクチュエータ本体41に対して軸方向に伸縮させる信号が入力される。一例として、シートクッションSCを前方に移動させる場合には、
図6に示すように、第2のスライドロッド42を第2のアクチュエータ本体41に対して軸方向に延ばすように第2のアクチュエータ本体41が制御される。
【0057】
第2のアクチュエータ本体41は、シートクッションSCに固定されたブラケット61を介して取り付けられ、シートクッションSCは、第2の直動案内装置5を介して、シートベース11に対してスライド自在に取り付けられている。このため、第2のスライドロッド42の軸方向の動きに伴って前方へ移動させることができる。
【0058】
なお、シートクッションSCをシートベース11に対して後方に移動させる場合には、第2のスライドロッド42を第2のアクチュエータ本体41に対して軸方向に縮めるように第2のアクチュエータ本体41を制御させる。
【0059】
このように、本実施形態に係るシートスライド構造1によれば、
図7に示すように、第1のスライド機構12及び第2のスライド機構13によって、床面Fに対してシートSを距離D1の範囲で前後方向に移動させることができ、従来の1つのスライドレール機構で構成されるシートスライド構造よりもスライド量を拡大させることができる。
【0060】
また、本実施形態に係るシートスライド構造1は、従来のシートスライド構造のようにレール及び取付けブラケット等が床面Fに固定されている構造とは異なり、第1のブロック32が床面Fに固定され、第1のレール31がシートベース11と一体的に移動する構造である。このため、
図7に示すように、シートSを前方に移動させても、シートSの後方の範囲R1において、第1のレール31は露出することがない。また、シートSの前方においても同様に、第1のレール31は露出することがない。
【0061】
また、第2の直動案内装置5の第2のレール51も、シートクッションSCの内部に配置されているため、シートベース11に対してシートクッションSCを前後方向に移動させても、第2のレール51は露出することがない。
【0062】
このように、本実施形態に係るシートスライド構造1によれば、シートSの前後の足元に障害物のない広いスペースを確保することができる。
【0063】
[第2の実施形態]
以上説明した第1の実施形態は、第1のアクチュエータ2が床面Fの内部に配置され、第2のアクチュエータ4がシートクッションSCの内部に配置されるシートスライド構造1について説明を行った。次に説明する第2の実施形態に係るシートスライド構造1′は、第1の実施形態と異なる形態を有するシートスライド構造について説明を行う。なお、上述した第1の実施形態と同一または類似する部材については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0064】
図8は、本発明の第2の実施形態に係るシートスライド構造の側面図であり、
図9は、本発明の第2の実施形態に係るシートスライド構造の上方から見た斜視図であり、
図10は、本発明の第2の実施形態に係るシートスライド構造の下方から見た斜視図であり、
図11は、
図10におけるB部拡大断面図である。
【0065】
第2の実施形態に係るシートスライド構造1′は、
図8に示すように、シートSの内部に配置され、シートSを床面Fに対して前後方向にスライド自在に取り付ける。本実施形態において、シートSは、シートクッションSC及びシートバックSBを備え、一例として、自動車の前席として使用される。
【0066】
シートスライド構造1′は、床面FとシートクッションSCとの間に配置される図示しないシートベースを備える。また、シートスライド構造1′は、床面Fに対してシートベースを前後方向にスライド自在に取り付ける第1のスライド機構12′と、シートベースに対してシートクッションSCを前後方向にスライド自在に取り付ける第2のスライド機構13とを備える。
【0067】
シートベースは、
図9に示すように、上部前方側に、後述する第1のアクチュエータ本体21′を回動自在に取り付けるブラケット部11gを備える。ブラケット部11gは、
図8視における奥行方向(以下、左右方向という。)を軸方向とするヒンジピン11hを備える。
【0068】
また、シートベースは、第1のレール31を固定するレール取付け部と、第2のブロック52を固定するブロック取付け部とを備える。第1のレール31を固定するレール取付け部は、シートベースの下側に配置され、第2のブロック52を固定するブロック取付け部は、シートベースの上側であってシートクッションSCの内部に位置するように配置される。
【0069】
また、シートベースは、第2のスライドロッド42を回動自在に取り付ける第2のブラケット部11eとを備える。第2のブラケット部11eは、
図8に示すように、シートクッションSCの内部に配置され、左右方向を軸方向とするヒンジピン11fを備える。
【0070】
第1のスライド機構12′は、第1のアクチュエータ2′と、第1のアクチュエータ2′の動作を変換し床面Fに対してシートベースを前後方向に駆動させるリンク機構7と、シートベースの前後方向の動きを案内する一対の第1の直動案内装置3とを備える。
【0071】
第1のアクチュエータ2′は、軸部である第1のスライドロッド22′と、第1のスライドロッド22′を軸方向に直動運動させる第1のアクチュエータ本体21′とを備える。本実施形態において、第1のアクチュエータ本体21′及び第1のスライドロッド22′は、上述した第1の実施形態の第1のアクチュエータ本体21及び第1のスライドロッド22と同様の構成とすることができる。また、第1のアクチュエータ2′は、第1のアクチュエータ2と同様に、図示しない蓄電装置から給電され、搭乗者によるスイッチ等の操作に応じて、第1のスライドロッド22′を第1のアクチュエータ本体21′に対して軸方向に伸縮させることができる。なお、
図9に示すように第1のアクチュエータ本体21´は、シートベースの上方に第2のアクチュエータ本体41と略並列に配置される。
【0072】
第1のアクチュエータ2′は、
図8に示すように、シートクッションSCの内部に配置され、第1のスライドロッド22′の軸方向が略前後方向にとなるように配置される。また、第1のアクチュエータ本体21′の前方側端部は、
図9に示すように、シートベースのブラケット部11gを介して取り付けられ、ヒンジピン11hを中心として回動可能に取り付けられる。
【0073】
第1のスライドロッド22′の後方側端部は、
図9に示すように、後述するリンク部材71の第1のブラケット部71aを介して取り付けられ、後述するヒンジピン71bを中心として、リンク部材71に対して回動自在に取り付けられる。
【0074】
リンク機構7は、
図10に示すように、リンク部材71と、床面Fに固定される一対のブラケット81と、リンク部材71とブラケット81を連結する一対のボールスプライン9を備える。
【0075】
リンク部材71は、
図10に示すように、略コ字状の部材であって、一対の脚部71cを備え、脚部71cが床面F側に向くように、シートクッションSCと床面Fの間に配置される。また、リンク部材71は、一対の脚部71c同士を連絡する中央部71dを備え、中央部71dには、
図9に示すように、第1のスライドロッド22′を回動自在に取り付ける第1のブラケット部71aを備える。また、第1のブラケット部71aは、左右方向を軸方向とするヒンジピン71bを備える。
【0076】
一対の脚部71c同士の対向する面には、
図10に示すように、ボールスプライン9が取り付けられる。
【0077】
ボールスプライン9は、
図11に示すように、長手方向に沿ってボール転走溝91aが形成された軸部材としてのスプライン軸91と、脚部71cに固定され、スプライン軸91を軸方向に移動可能に案内する固定部材94を備える。
【0078】
固定部材94は、ボール転走溝91aに対応する負荷転走溝92aが形成されたスプラインナット92を備える。
【0079】
スプラインナット92は、ボール転走溝91aと負荷転走溝92aの間を転走する複数のボール95を介してスプライン軸91に取り付けられている。また、スプラインナット92には、長手方向に沿って無負荷転走路92bが形成されている。無負荷転走路92bの両端部は、負荷転走溝92aと連絡しており、これによってボール95がスプラインナット92内を無限循環するように構成されている。
【0080】
スプライン軸91の下側の端部は、
図10に示すように、ブラケット81を介して床面Fに取り付けられる。ブラケット81は、左右方向を軸方向とするヒンジピン82を有し、スプライン軸91は、ヒンジピン82を中心として回動可能に取り付けられる。
【0081】
なお、本実施形態において、リンク部材71は、略コ字状の部材であるとして説明を行ったが、リンク部材71の形状はこれに限らず、取付けスペース等に応じて適宜設定しても構わない。また、ボールスプライン9の取付け位置及び数量についてもリンク部材71の形状に応じて適宜設定して構わない。
【0082】
次に、本実施形態に係るシートスライド構造1′の動作例について説明を行う。
【0083】
図12は、本発明の第2の実施形態に係るシートスライド構造であって、第1のスライド機構を前方に駆動させた状態を示す上方から見た斜視図であり、
図13は、本発明の第2の実施形態に係るシートスライド構造であって、第1のスライド機構及び第2のスライド機構を前方に駆動させた状態を示す上方から見た斜視図であり、
図14は、本発明の第2の実施形態に係るシートの移動範囲を示す参考図であって、上段はシートを最後方に移動させた状態を示し、下段はシートを最前方に移動させた状態を示す参考図である。
【0084】
本実施形態に係るシートスライド構造1′は、第1のスライド機構12′と第2のスライド機構13をそれぞれ独立して駆動させることができ、床面Fに対するシートベースの前後方向の移動及びシートベースに対するシートクッションSCの前後方向の移動をそれぞれ行うことができる。
【0085】
先ず、第1のスライド機構12′によるシートベースの移動について説明を行う。
【0086】
床面Fに対してシートベースを移動させる場合には、搭乗者によるスイッチ等の操作により、図示しない制御装置から第1のアクチュエータ本体21′へ、第1のスライドロッド22′を第1のアクチュエータ本体21′に対して軸方向に伸縮させる信号が入力される。一例として、シートベースを前方移動させる場合には、第1のスライドロッド22′を第1のアクチュエータ本体21′に対して軸方向に縮めるように第1のアクチュエータ本体21′が制御される。
【0087】
第1のスライドロッド22′の後方側端部は、リンク部材71の第1のブラケット部71aに回動自在に取り付けられるため、リンク機構7は、
図12に示すように、第1のスライドロッド22′に動きに伴いヒンジピン82を中心に前方に傾斜するように回動する。また、ヒンジピン82を有するブラケット81は、床面Fに固定されており、シートベースは、第1の直動案内装置3を介して、床面Fに対してスライド自在に取り付けられている。このため、シートベースは、リンク機構7の傾斜に伴って、第1のアクチュエータ本体21′と一体的に前方に移動することができる。
【0088】
なお、シートベースを後方に移動させる場合には、第1のスライドロッド22′を第1のアクチュエータ本体21′に対して軸方向に延ばすように第1のアクチュエータ本体21′を制御する。このとき、リンク機構7は、ヒンジピン82を中心に後方に傾斜するように回動し、リンク機構7の後方への傾斜に伴ってシートベースは後方に移動することができる。
【0089】
また、第1のアクチュエータ本体21′は、ヒンジピン11hによってシートベースに対して回動自在に取り付けられ、リンク部材71は、ボールスプライン9によってスプライン軸91に沿ってスライド自在に取り付けられている。このため、第1のスライド機構12′は、リンク機構7を傾斜させてシートベースを移動させる一連の動作について、各部を干渉させることなくスムーズに行うことができる。
【0090】
次に、第2のスライド機構13によるシートクッションSCの移動について説明を行う。
【0091】
シートベースに対してシートクッションSCを移動させる場合には、搭乗者によるスイッチ等の操作により、図示しない制御装置から第2のアクチュエータ本体41へ、第2のスライドロッド42を第2のアクチュエータ本体41に対して軸方向に伸縮させる信号が入力される。一例として、シートクッションSCを前方移動させる場合には、
図13に示すように、第2のスライドロッド42を第2のアクチュエータ本体41に対して軸方向に延ばすように第2のアクチュエータ本体41が制御される。
【0092】
第2のアクチュエータ本体41は、シートクッションSCに固定されたブラケット61を介して取り付けられ、シートクッションSCは、第2の直動案内装置5を介して、シートベースに対してスライド自在に取り付けられている。このため、第2のスライドロッド42の軸方向の動きに伴って前方へ移動させることができる。
【0093】
なお、シートクッションSCをシートベースに対して後方に移動させる場合には、第2のスライドロッド42を第2のアクチュエータ本体41に対して軸方向に縮めるように第2のアクチュエータ本体41が制御させる。
【0094】
このように、本実施形態に係るシートスライド構造1′によれば、
図14に示すように、第1のスライド機構12′及び第2のスライド機構13によって、床面Fに対してシートSを距離D2の範囲で前後方向に移動させることができ、従来の1つのスライドレール機構で構成されるシートスライド構造よりもスライド量を拡大させることができる。
【0095】
また、本実施形態に係るシートスライド構造1′は、従来のシートスライド構造のようにレール及び取付けブラケットが床面Fに固定されている構造とは異なり、第1のブロック32が床面Fに固定され、第1のレール31がシートベースと一体的に移動する構造である。このため、
図14に示すように、シートSを前方に移動させても、範囲R2において、第1のレール31は露出することがない。また、シートSの前方においても同様に、第1のレール31は露出することがない。
【0096】
また、第2の直動案内装置5の第2のレール51も、シートクッションSCの内部に固定されているため、シートベースに対してシートクッションSCを前後方向に移動させても、第2のレール51は露出することがない。
【0097】
このように、本実施形態に係るシートスライド構造1′によれば、シートSの前後の足元に障害物のない広いスペースを確保することができる。
【0098】
また、本実施形態に係るシートスライド構造1′は、第1のアクチュエータ2′がシートクッションSCの内部に配置されているため、シートS下における床面Fの内部空間を有効に活用することができる。このため、床面Fの内部空間にバッテリが設置されるような電気自動車においては、バッテリ容量を大きくすることが可能となり、航続距離を伸ばすことが可能となる。
【0099】
なお、上述した本実施形態に係るシートスライド構造1、1′は、自動車の前席として使用されるシートSに搭載される場合について説明を行ったが、シートスライド構造1、1′が搭載されるシートSはこれに限らず、自動車の2列目以降の後席であっても構わない。また、シートSは、自動車用シートに限らず、列車、船舶または航空機等の各種の乗物用シートであっても構わない。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれうることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0100】
1 シートスライド構造、 2 第1のアクチュエータ、 3 第1の直動案内装置、 5 第2の直動案内装置、 7 リンク機構、 11 シートベース、 31 第1のレール、 32 第1のブロック、 51 第2のレール、 52 第2のブロック、 S シート、 F 床面。