(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173253
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】収納箱およびシート
(51)【国際特許分類】
B65D 5/54 20060101AFI20241205BHJP
B65D 5/10 20060101ALI20241205BHJP
B65D 5/52 20060101ALI20241205BHJP
B65D 75/62 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B65D5/54 301D
B65D5/10 C
B65D5/52 H
B65D75/62 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091560
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】近藤 知広
(72)【発明者】
【氏名】堀内 誉史
(72)【発明者】
【氏名】西原 佳佑
【テーマコード(参考)】
3E060
3E067
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA05
3E060BB03
3E060BC02
3E060BC04
3E060CA02
3E060CA25
3E060CE04
3E060CE07
3E060CE15
3E060CE18
3E060CE19
3E060CE22
3E060CF05
3E060DA23
3E060EA20
3E067AA11
3E067AB01
3E067AB99
3E067AC01
3E067BA06A
3E067BB01A
3E067EA01
3E067EB03
3E067EB17
3E067EE15
3E067EE59
3E067FA01
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】カセットの品質が損なわれることを抑制することに貢献する収納箱およびシートを提供する。
【解決手段】互いに向かい合う第一カセット壁および第二カセット壁を含むケースと、ケースに収納される印刷媒体とを有するカセットであって、第二カセット壁には、印刷媒体を排出する排出口が設けられるカセットと、第一方向と交差するように延び且つ第一方向において互いに並んで配置される第一壁および第二壁と、第一壁の周縁から第二壁の周縁まで延びる周壁とを有する箱本体とを備え、カセットは、第一方向において第一カセット壁が第一壁と対向する状態で、第一壁と第二壁と周壁とで囲まれた空間に配置され、第一壁には、空間に配置されたカセットを箱本体から取り出すための第一ミシン目が設けられる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに向かい合う第一カセット壁および第二カセット壁を含むケースと、前記ケースに収納される印刷媒体とを有するカセットであって、前記第二カセット壁には、前記印刷媒体を排出する排出口が設けられるカセットと、
第一方向と交差するように延び且つ前記第一方向において互いに並んで配置される第一壁および第二壁と、前記第一壁の周縁から前記第二壁の周縁まで延びる周壁とを有する箱本体とを備え、
前記カセットは、前記第一方向において前記第一カセット壁が前記第一壁と対向する状態で、前記第一壁と前記第二壁と前記周壁とで囲まれた空間に配置され、
前記第一壁には、前記空間に配置された前記カセットを前記箱本体から取り出すための第一ミシン目が設けられる
ことを特徴とする収納箱。
【請求項2】
前記第一ミシン目は、前記第一壁の周縁から延び、
前記周壁には、前記空間に配置された前記カセットを前記箱本体から取り出すための第二ミシン目が設けられ、
前記第二ミシン目は、前記第一壁の周縁にある前記第一ミシン目の端に接続し且つ前記第一方向のうち前記第一壁から前記第二壁に向かう第一特定方向に膨らむ
ことを特徴とする請求項1に記載の収納箱。
【請求項3】
前記周壁には、前記第一方向に直交する第二方向と交差するように延びる第三壁と、前記第二方向と交差するように延び且つ前記第三壁よりも前記第二方向において前記第三壁と並んで配置される第四壁とが含まれ、
前記第四壁における前記第一特定方向の端に接続するヘッダを備える
ことを特徴とする請求項2に記載の収納箱。
【請求項4】
前記第二ミシン目は、前記第四壁に設けられる
ことを特徴とする請求項3に記載の収納箱。
【請求項5】
前記周壁には、前記第一方向に直交する第二方向と交差するように延び且つ前記第二方向において互いに並んで配置される第三壁および第四壁と、前記第一方向と前記第二方向とに直交する第三方向と交差するように延び且つ前記第三方向において互いに並んで配置される第五壁および第六壁とが含まれ、
前記第一壁は、
前記第一方向のうち前記第二壁から前記第一壁に向かう第一反対方向における前記第三壁の端に接続する雌フラップで構成される雌フラップ層と、
前記第四壁における前記第一反対方向の端に接続する雄フラップで構成される雄フラップ層と、
前記第五壁における前記第一反対方向の端に接続する第一フラップ、および前記第六壁における前記第一反対方向の端に接続する第二フラップによって構成される中間フラップ層とを含み、
前記雌フラップ層、前記中間フラップ層、および前記雄フラップ層が、前記第一反対方向に向かって、前記雌フラップ層、前記中間フラップ層、前記雄フラップ層の順に積層されることで構成され、
前記雌フラップには、
前記第三壁における前記第一反対方向の端から、前記第二方向のうち前記第三壁から前記第四壁に向かう第二特定方向に延びる雌本体部と、
前記雌本体部に形成される差込口とが設けられ、
前記雄フラップには、
前記第四壁における前記第一反対方向の端から、前記第二特定方向とは反対の第二反対方向に延びる雄本体部と、
前記雄本体部における前記第一反対方向の端から、前記第二反対方向に延び、且つ前記差込口に差し込まれる第一差込部が設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の収納箱。
【請求項6】
前記第一ミシン目は、前記第一壁の周縁から延び、
前記周壁には、前記空間に配置された前記カセットを前記箱本体から取り出すための第二ミシン目が設けられ、
前記第二ミシン目は、前記第一壁の周縁にある前記第一ミシン目の端に接続し且つ前記第一反対方向とは反対の第一特定方向に膨らむ
ことを特徴とする請求項5に記載の収納箱。
【請求項7】
前記第一ミシン目は、前記雄フラップ層および前記雌フラップ層の少なくとも一方に設けられる
ことを特徴とする請求項6に記載の収納箱。
【請求項8】
前記中間フラップ層には、前記差込口に差し込まれる第二差込部が設けられる
ことを特徴とする請求項5に記載の収納箱。
【請求項9】
組み付けられることで第一方向と交差するように延び且つ前記第一方向において互いに並んで配置される第一壁および第二壁と、前記第一壁の周縁から前記第二壁の周縁まで延びる周壁とを有する箱本体とを備え、互いに向かい合う第一カセット壁および第二カセット壁を含むケースと前記ケースに収納される印刷媒体とを有し前記第二カセット壁に前記印刷媒体を排出する排出口が設けられるカセットが収納される収納箱が形成されるように構成されるシートであって、
前記カセットは、前記収納箱に、前記第一方向において前記第一カセット壁が前記第一壁と対向する状態で、前記第一壁と前記第二壁と前記周壁とで囲まれた空間に配置され、
前記第一壁には、前記空間に配置された前記カセットを前記箱本体から取り出すための第一ミシン目が設けられる
ことを特徴とするシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納箱およびシートに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の紙箱は、正面板、背面板、および下面板を備える。下面板は、正面板と背面板とに接続する。背面板と下面板とが接続する辺には、折り目が設けられる。背面板には、ミシン目線が設けられる。ミシン目線は、折り目の両端と接続し且つ折り目から離れる方向へ膨らむ形状に形成される。紙箱が開封される場合に、折り目とミシン目線とで区画された領域がユーザの指で押し込まれる。ミシン目線が裂かれることで背面板と下面板とが分断され、紙箱が開封される。
【0003】
特許文献2に記載のカートリッジは、テープおよびカートリッジ筐体を備える。テープは、例えばラベルを作成するための基材テープである。カートリッジ筐体は、テープを収納する。カートリッジ筐体には、収納したテープを排出する排出口が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-208785号公報
【特許文献2】特開2013-095047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記紙箱に、上記カートリッジが収納されることが考えられる。紙箱では、折り目とミシン目線とで区画された領域がユーザの指で押し込まれることで、開封される。このとき、押し込まれた指が、例えば排出口の近傍にあるテープに触れた場合、カートリッジが使用されて作成されるラベルの品質が損なわれる可能性がある。このように、カートリッジのようなカセットを収納する紙箱において、紙箱から取り出されたカセットの品質が損なわれる可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、カセットの品質が損なわれることを抑制することに貢献する収納箱およびシートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書は、例えば以下の態様を開示する。
【0008】
本発明の第一態様に係る収納箱は、互いに向かい合う第一カセット壁および第二カセット壁を含むケースと、前記ケースに収納される印刷媒体とを有するカセットであって、前記第二カセット壁には、前記印刷媒体を排出する排出口が設けられるカセットと、第一方向と交差するように延び且つ前記第一方向において互いに並んで配置される第一壁および第二壁と、前記第一壁の周縁から前記第二壁の周縁まで延びる周壁とを有する箱本体とを備え、前記カセットは、前記第一方向において前記第一カセット壁が前記第一壁と対向する状態で、前記第一壁と前記第二壁と前記周壁とで囲まれた空間に配置され、前記第一壁には、前記空間に配置された前記カセットを前記箱本体から取り出すための第一ミシン目が設けられることを特徴とする。
【0009】
第一態様によれば、収納箱はミシン目が裂かれることで、カセットを取出可能な状態となる。収納箱では、第一壁が第一カセット壁と第一方向に対向するので、第一壁が第二カセット壁と第一方向に対向する場合と比較して、ユーザはカセットの排出口の近傍に触れにくくなる。よって、収納箱は取り出されたカセットの品質が損なわれることを抑制することに貢献する。
【0010】
本発明の第二態様に係るシートは、組み付けられることで第一方向と交差するように延び且つ前記第一方向において互いに並んで配置される第一壁および第二壁と、前記第一壁の周縁から前記第二壁の周縁まで延びる周壁とを有する箱本体とを備え、互いに向かい合う第一カセット壁および第二カセット壁を含むケースと前記ケースに収納される印刷媒体とを有し前記第二カセット壁に前記印刷媒体を排出する排出口が設けられるカセットが収納される収納箱が形成されるように構成されるシートであって、前記カセットは、前記収納箱に、前記第一方向において前記第一カセット壁が前記第一壁と対向する状態で、前記第一壁と前記第二壁と前記周壁とで囲まれた空間に配置され、前記第一壁には、前記空間に配置された前記カセットを前記箱本体から取り出すための第一ミシン目が設けられることを特徴とする。
【0011】
第二態様は第一態様と同様に、組み付けられることで形成された収納箱において、収納箱から取り出されたカセットの品質が損なわれることを抑制することに貢献する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】収納箱1Aを右前上方から見た斜視図である。
【
図2】収納箱1Aを左後下方から見た斜視図である。
【
図5】
図3に示すV-V線矢視方向における収納箱1Aの下部の断面図である。
【
図8】台紙100Aから収納箱1Aを組み立てる流れを示す図である。
【
図10】第一の開封方法で開封された収納箱1Aを左後下方から見た斜視図である。
【
図11】収納箱1Bを左後下方から見た斜視図である。
【
図13】収納箱1Cを左後下方から見た斜視図である。
【
図14】収納箱1Dを左後下方から見た斜視図である。
【
図15】収納箱1Eを左後下方から見た斜視図である。
【
図16】差込口423が設けられる雌フラップ42の底面図である。
【
図17】差込口424が設けられる雌フラップ42の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられる。すなわち、図面に記載されている構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0014】
図1および
図2を参照し、収納箱1Aを説明する。以下では、
図1の左上方、右下方、左下方、右上方、下方、および上方を、それぞれ、収納箱1Aの左方、右方、前方、後方、下方、および上方とする。なお、本実施形態において、例えば上下方向は、説明のために便宜的に使用され、鉛直方向に限定されない。
【0015】
収納箱1Aは、例えば
図7に示す台紙100Aが組み付けられることで形成される。台紙100Aの構成および台紙100Aから収納箱1Aを組み立てる方法については後述する。収納箱1Aは箱本体2とヘッダ3とを備える。箱本体2は前後方向よりも左右方向に長く、且つ左右方向よりも上下方向に長い直方体状であり、テープカセット8Aを収納する。
【0016】
例えば箱本体2の前後方向の幅W21は、テープカセット8Aの前後方向の幅W81よりもわずかに大きい。箱本体2の前後方向、左右方向、および上下方向のそれぞれの長さの関係は、テープカセット8Aの前後方向、左右方向、および上下方向のそれぞれの長さの関係と同じである。
【0017】
箱本体2は底壁4と天壁5と周壁6とを有する。底壁4および天壁5は、それぞれ、上下方向に直交するように延び、且つ上下方向において互いに並ぶ。底壁4は箱本体2の下端に位置する。天壁5は箱本体2の上端に位置する。
【0018】
周壁6は底壁4の周縁40から天壁5の周縁50まで延びる。周壁6は四角筒状であり、前壁61と背壁62と左壁63と右壁64とを含む。前壁61および背壁62は、それぞれ、前後方向に直交するように延び、且つ前後方向において互いに並ぶ。前壁61は箱本体2の前端に位置する。背壁62は箱本体2の後端に位置する。左壁63および右壁64は、それぞれ、左右方向に直交するように延び、且つ左右方向において互いに並ぶ。左壁63は箱本体2の左端に位置する。右壁64は箱本体2の右端に位置する。
【0019】
前壁61の下端611、背壁62の下端621、左壁63の下端631、および右壁64の下端641は、底壁4の周縁40を構成する(
図2参照)。前壁61の上端612、背壁62の上端622、左壁63の上端632、および右壁64の上端642は、天壁5の周縁50を構成する(
図1参照)。
【0020】
箱本体2の内部には空間7が形成される。空間7は底壁4と天壁5と周壁6(前壁61、背壁62、左壁63、右壁64)とによって囲まれる。空間7には、テープカセット8Aが、後述の下壁85が上方から底壁4と向き合う状態で、配置される。
【0021】
ヘッダ3は箱本体2に設けられる。ヘッダ3は壁状であり、ヘッダ片31とヘッダ片32とを含む。ヘッダ片31は背壁62の上端622に接続し、背壁62の上端622から上方に延びる。
図2は、背壁62の上端622を仮想線V21によって示す。ヘッダ片32はヘッダ片31の上端311から前方に折り返されて下方に延びる。ヘッダ片32の下端321は上下方向において天壁5の位置に位置し、後述の雌本体部52(
図6参照)に接続する。
【0022】
ヘッダ3には孔30が設けられる。孔30は正面視で二等辺三角形状であり、ヘッダ3の左右方向の中央に配置される。孔30はヘッダ片31、32を前後方向に貫通する。したがって、孔30はヘッダ3を前後方向に貫通する。例えば、収納箱1Aの流通市場において、収納箱1Aは、商品を吊り下げ陳列するための棒に孔30を介して挿入され、吊り下げ陳列されてもよい。
【0023】
図2~
図4を参照し、背壁62および底壁4の詳細構造を説明する。
図3は空間7から下方に向かって底壁4を見た平面図である。
図5はテープカセット8Aの図示を省略する。
【0024】
図2に示すように、背壁62は左右方向よりも上下方向に長い長方形状である。背壁62の下端621は左右方向に延びる。背壁62にはミシン目623が設けられる。ミシン目623は上方に膨らむ円弧状であり、背壁62の下部に位置する。
【0025】
点P1はミシン目623の左端を示す。点P2はミシン目623の右端を示す。点P1、P2は背壁62の下端621に位置する。点P11は背壁62の下端621の左端を示す。点P12は背壁62の下端621の右端を示す。点P1は左右方向において背壁62の下端621の中心と点P11の間に位置する。点P2は左右方向において背壁62の下端621の中心と点12との間に位置する。
【0026】
以下では、背壁62のうちミシン目623と背壁62の下端621とによって囲まれる領域を「起点領域R11」という。起点領域R11は、後述の第一の開封方法において、ユーザによって押し込まれる。
【0027】
底壁4は、いわゆる地獄底であり、雄フラップ41と雌フラップ42と左フラップ43と右フラップ44とを含む。雄フラップ41は雄本体部419と差込部410とを有する。雄本体部419は背壁62の下端621に接続し、背壁62の下端621から前方に延びる。雄本体部419は前端415と周縁413、414とを含む。
【0028】
前端415は左右方向に延びる。仮想線V22は前端415を示す。点P3は前端415の左端を示す。点P4は前端415の右端を示す。点P3は点P11よりも右方に位置し、且つ点P1よりも左方に位置する。点P4は点P12よりも左方に位置し、且つ点P2よりも右方に位置する。周縁413は点11と点P3とを結ぶ。周縁414は点12と点P4とを結ぶ。すなわち、雄本体部419は前方に向かうにつれて狭まる台形状である。
【0029】
雄本体部419には一対のミシン目411、412が設けられる。ミシン目411は、点P1から周縁413上の点P3に向かって左前方に延びる。ミシン目412は、点P2から周縁414上の点P4に向かって右前方に延びる。すなわち、ミシン目411の上端はミシン目623の左端に接続し、ミシン目412の上端は、ミシン目623の右端に接続する。また、底壁4は前後方向よりも左右方向に長い長方形状であり、ミシン目411、412は底壁4の短手方向である前後方向に沿って延びる。
【0030】
点P1、P2、P3、P4の互いの位置関係から、ミシン目411とミシン目412とは互いに交差することなく、前方に向かうにつれて互いの間隔が拡がるように延びる。以下では、雄本体部419のうち一対のミシン目411、412、前端415、および背壁62の下端621によって囲まれる領域を「開封領域R12」という。開封領域R12は、後述の第一の開封方法において、ユーザによって箱本体2から分断される。
【0031】
図3に示すように、差込部410は雄本体部419と接続し、延出部4100と突出部4101、4102とを含む。延出部4100は前後方向よりも左右方向に長い長方形状であり、雄本体部419の前端415から前方に延びる。突出部4101は、延出部4100の左前端から左方に突出する三角形状である。突出部4102は、延出部4100の右前端から右方に突出する三角形状である。
【0032】
図4に示すように、雌フラップ42は前壁61の下端611に接続し、雌本体部429を有する。雌本体部429は、雌フラップ42の全体であり、前壁61の下端611から後方に延びる。雌フラップ42は前後方向よりも左右方向に長い長方形状である。雌本体部429の左右方向の長さは、底壁4の左右方向の長さと略同じである。雌本体部429の後端425は、底壁4と接続する背壁62の下端621と、底壁4の前後方向の中心との間に位置する。
【0033】
雌本体部429には差込口421と突出部4221、4222とが設けられる。差込口421は雌本体部429の後端425と、雌本体部429の前後方向の中心との間に位置する。差込口421は前後方向よりも左右方向に長く、雌本体部429を上下方向に貫通する。底壁4において、差込口421には差込部410が差し込まれる(
図5参照)。差込口421の左右方向の長さは、差込部410における突出部4101の左端から突出部4102の右端までの距離と略同じである(
図3参照)。
【0034】
差込口421は差込口縁4210により規定される。差込口縁4210は雌本体部429の内側で閉じた環状である。ここで特定の部位「内側」とは、特定の部位の外周よりも内側の領域を意味する。例えば「雌本体部429の内側」とは、雌フラップ42の外周420よりも内側の領域である。
【0035】
差込口縁4210は縁4211を含む。縁4211は差込口421に対して前方に配置され、左右方向に延びる。点P5は縁4211の左端を示す。点P6は縁4211の右端を示す。点P5は差込口421の左端と雌本体部429の左右方向の中心との間に位置する。点P6は差込口421の右端と雌本体部429の左右方向の中心との間に位置する。
【0036】
縁4211の左右方向の長さは、差込部410における延出部4100の左右方向の長さと略同じであり、突出部4101の左端から突出部4102の右端までの距離よりも短い(
図3参照)。突出部4221は点P5から後方に突出する。突出部4222は点P6から後方に突出する。
【0037】
図3に示すように、左フラップ43は左本体部430と突出部433とを含む。左本体部430は延出部431、432を含む。延出部431は左壁63の下端631に接続し、左壁63の下端631から右方に延びる。より詳細に、延出部431は左端と右端とが底辺となる台形状である。延出部431の後端は、下端631の後端から右方に延びる。延出部431の前端は、下端631の前端から右後方に延びる。延出部431の左右方向の長さは、差込口421の左端から雌本体部429の左端までの距離と略同じである。
【0038】
延出部432は延出部431の右端に接続し、延出部431の右端から右方に延びる。延出部432は、左右方向よりも前後方向に長い長方形状である。延出部432の右端は、底壁4の左右方向の中心よりも左方に位置する。
【0039】
突出部433は延出部432の前端に接続し、延出部432の前端から前方に延びる三角形状である。突出部433は差込口421に差し込まれる。突出部433の前後方向の長さは、差込部410の前後方向の長さよりも短い。
【0040】
右フラップ44と左フラップ43とは、互いに左右対称である(
図3参照)。右フラップ44は右本体部440と突出部443とを含む。右本体部440は延出部441、442を含む。延出部441、442、突出部443は、それぞれ、延出部431、432、突出部433に対応する構成であり、説明を簡略化する。
【0041】
延出部441は右壁64の下端641に接続し、右壁64の下端641から左方に延びる台形状である。延出部442は延出部441の左端に接続し、延出部441の左端から左方に延びる長方形状である。延出部432の左端は、底壁4の左右方向の中心よりも右方に位置する。すなわち、左本体部430と、右本体部440とは上下方向において互いに重らない。
【0042】
突出部443は延出部442の前端に接続し、延出部442の前端から前方に延びる三角形状である。突出部443は差込口421に差し込まれる。
【0043】
図5に示すように、以下では、雄フラップ41によって構成される層を「雄フラップ層41A」という。雌フラップ42によって構成される層を「雌フラップ層42A」という。左フラップ43および右フラップ44によって構成される層を「サイドフラップ層46」という。
【0044】
図1および
図6を参照し、天壁5の詳細構造を説明する。天壁5は、雄フラップ510と雌フラップ520と左フラップ530と右フラップ540とを含む。雄フラップ510は、前壁61の上端612に接続し、雄本体部51と
図6に示す差込部55とを有する。雄本体部51は前壁61の上端612から後方に延びる。雄本体部51は前後方向よりも左右方向に長い長方形状である。雄本体部51の前後方向の長さは、前壁61と背壁62との間の前後方向の距離と略同じである。
【0045】
雄本体部51の後端511は、背壁62の前方近傍に位置し、左右方向に延びる。雄本体部51の後端511は、端5111と端5112とを含む。端5111は後端511の一部であり、左右方向において、後端511の左端よりも右方の位置から後端511の右端よりも左方の位置まで延びる。
【0046】
点P21は端5111の左端を示す。点P22は端5111の右端を示す。点P21は後端511上において、後端511の左右方向の中心と、後端511の左端との間の位置である。点P22は後端511上において、後端511の左右方向の中心と、後端511の右端との間の位置である。端5112は後端511のうち端5111とは異なる他の一部であり、後端511の左端と点P21との間の部分と、後端511の右端と点P22との間の部分とを含む。
【0047】
端5111および端5112は前後方向において互いにずれた位置に配置される。本実施形態では、端5111が端5112に対して前方にずれる。したがって、前後方向において、背壁62と端5111との間には隙間G1が形成される。
【0048】
雄本体部51は開口縁512を含む。開口縁512は開口513を規定する。開口513は雄本体部51を上下方向に貫通する。開口縁512は雄本体部51の内側で環状に閉じられる。
【0049】
雄本体部51には一対のミシン目516、517が設けられる。ミシン目516は開口513の左端から点P21まで延びる。ミシン目517は開口513の右端から点P22まで延びる。差込部55は、雄本体部51に接続し、雄本体部51の後端511のうち端5111から下方に突出する。
【0050】
以下では、雄本体部51のうち端5111、ミシン目516、517、および開口縁512によって囲まれる領域を「開封領域R22」という。開封領域R22は、後述の第二の開封方法において、ユーザによって箱本体2から分断される。
【0051】
雌フラップ520は背壁62の上端622にヘッダ3を介して接続し、雌本体部52を有する。雌本体部52は、雌フラップ520の全体であり、ヘッダ片32の下端321から前方に延びる。雌本体部52は前後方向よりも左右方向に長い長方形状である。雌本体部52の前端523は前後方向において天壁5の略中央に位置する。雌本体部52には凹部522と差込口521とが設けられる。凹部522は雌本体部52の前端523において、左右方向の中央から後方に凹む。凹部522は円弧状であり、平面視で開口513と重なる(
図6参照)。
【0052】
差込口521は雌本体部52のうちヘッダ片32との接続部(雌本体部52の後端)に位置する。差込口521は前後方向よりも左右方向に長く、雌本体部52を上下方向に貫通する。差込口521には差込部55が差し込まれる。
【0053】
左フラップ530は左壁63の上端632に接続し、左本体部53を有する。左本体部53は、左フラップ530の全体であり、左壁63の上端632から右方に延びる。右フラップ540は右壁64の上端642に接続し、右本体部54を有する。右本体部54は、右フラップ540の全体であり、右壁64の上端642から左方に延びる。左本体部53および右本体部54は、それぞれ、前後方向よりも左右方向に長い長方形状であり、互いに左右対称である。
【0054】
左本体部53および右本体部54のそれぞれの左右方向の長さは、左壁63と右壁64との左右方向の間の距離よりも小さく、且つ左壁63と右壁64との左右方向の間の距離の半分よりも大きい。したがって、左本体部53の右端および右本体部54の左端の一方は、他方の上に重なる。本実施形態では、左本体部53が右本体部54の上に重なる。
【0055】
以下では、雄フラップ510によって構成される層を「雄フラップ層501」という。雌フラップ520によって構成される層を「雌フラップ層502」という。左フラップ530と右フラップ540とによって構成される層を「サイドフラップ層56」という。平面視において、サイドフラップ層56の外形は、左本体部53および右本体部54の外形によって規定される。
【0056】
本実施形態において、天壁5では、雄フラップ層501、雌フラップ層502、およびサイドフラップ層56が、下方から上方に向かって雌フラップ層502、サイドフラップ層56、雄フラップ層501の順に並んで積層される。差込部55は、差込口521を介して雌本体部52よりも内側に配置される。
【0057】
図6に示すように、開口513の全部は平面視でサイドフラップ層56と重なる。このため、サイドフラップ層56は開口513の全部を下方から覆う。サイドフラップ層56は平面視で差込口521と重ならない。
【0058】
図1を参照し、テープカセット8Aを説明する。テープカセット8Aはケース81と印刷テープ89とを備える。ケース81は前後方向よりも左右方向に長く、且つ左右方向よりも上下方向に長い直方体状である。印刷テープ89は長尺状であり、ケース81に収納される。印刷テープ89の幅方向(短手方向)は前後方向である。このため、テープカセット8Aの幅方向は前後方向となる。
【0059】
本実施形態では、ケース81は前壁82と後壁83と周壁84とを有する。前壁82および後壁83は、それぞれ、前後方向に直交するように延び、且つ前後方向において互いに並ぶ。前壁82はケース81の前端に位置する。後壁83はケース81の後端に位置する。
【0060】
周壁84は後壁83の周縁831から前壁82の周縁821まで延びる。周壁84は四角筒状であり、下壁85と上壁86とを含む。下壁85および上壁86は、それぞれ、上下方向に直交するように延び、且つ上下方向において互いに並ぶ。下壁85はケース81の下端に位置する。上壁86はケース81の上端に位置する。上壁86には、ケース81に収納された印刷テープ89をケース81の外に排出するための排出口88が設けられる。
【0061】
テープカセット8Aは消耗品であり、プリンタ(図示略)による印刷に使用される。例えば、テープカセット8Aは、プリンタに装着された状態で使用される。プリンタはケース81内から印刷テープ89を引き出しながら、印刷テープ89に画像を印刷する。プリンタは、画像が印刷された印刷テープ89を、排出口88を介してケース81の外に排出する。これにより、印刷テープ89に画像が印刷されたラベルが作成される。
【0062】
図7を参照し、台紙100Aを説明する。以下では、
図7の左方、右方、下方、および上方を、それぞれ、台紙100AのXマイナス方向、Xプラス方向、Yマイナス方向、およびYプラス方向とする。
図7では、仮想線V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、V9、V10、V11、V12、V13、V14、V21、V22は収納箱1Aの隣り合う各構成要素の境界を示す。例えば仮想線V21は背壁62とヘッダ片31との境界を示す。
【0063】
台紙100Aは所定形状に切断された1枚のシートであり、厚紙、薄紙、段ボール等である。台紙100Aは、底壁4、天壁5、周壁6、およびヘッダ3を含む。台紙100Aでは、Y方向の中央に周壁6が配置される。周壁6において、前壁61、背壁62、左壁63、および右壁64は、Xプラス方向からXマイナス方向に向かって右壁64、前壁61、左壁63、背壁62の順にそれぞれ連なって並ぶ。さらに、背壁62のXマイナス方向の隣りに、のり代65が連なる。
【0064】
底壁4は周壁6のYマイナス方向に配置される。詳細には、雄フラップ41は背壁62のYマイナス方向に配置され、背壁62と連なる。雌フラップ42は前壁61のYマイナス方向に配置され、前壁61と連なる。左フラップ43は左壁63のYマイナス方向に配置され、左壁63と連なる。右フラップ44は右壁64のYマイナス方向に配置され、右壁64と連なる。
【0065】
天壁5およびヘッダ3は周壁6のYプラス方向に配置される。詳細には、ヘッダ3において、ヘッダ片31は背壁62のYプラス方向に配置され、背壁62と連なる。ヘッダ片32はヘッダ片31のYプラス方向に配置され、ヘッダ片31と連なる。
【0066】
天壁5において、雌フラップ520はヘッダ片31のYプラス方向に配置され、ヘッダ片31と連なる。雄フラップ510は前壁61のYプラス方向に配置され、前壁61と連なる。左フラップ530は左壁63のYプラス方向に配置され、左壁63と連なる。右フラップ540は右壁64のYプラス方向に配置され、右壁64と連なる。
【0067】
図7~
図9を参照し、台紙100Aから収納箱1Aを組み立てる方法を説明する。以下では、各構成要素について、
図7に示す台紙100Aのうち紙面手前を向く面を各構成要素の「表(おもて)面」といい、
図7に示す台紙100Aのうち紙面奥を向く面を各構成要素の「裏面」という。
【0068】
台紙100Aにおいて互いに隣り合う一対の構成要素のそれぞれの裏面が互いに向き合う方向に、互いの境界に沿って台紙100Aを折ることを「山折り」という。台紙100Aにおいて互いに隣り合う一対の構成要素のそれぞれの表面が互いに向き合う方向に、互いの境界に沿って台紙100Aを折ることを「谷折り」という。例えば「仮想線V1に沿って台紙100Aを山折りする」とは、右壁64の裏面と前壁61の裏面とが互いに向き合う方向に、台紙100Aが仮想線V1に沿って折られることを意味する。本実施形態では、台紙100Aの表面には、仮想線V1~V14に沿って折り目筋が形成される。一方で、台紙100Aの裏面には、折り目筋が形成されない。
【0069】
図7に示すように、台紙100Aは仮想線V1、V2、V3、V4に沿って山折りされる。のり代65の表面が左壁63の裏面に貼り付けられる。これにより、
図8、
図9に示すように、周壁6が四角筒状に形成される。台紙100Aは仮想線V5に沿って山折りされる。台紙100Aは仮想線V6、V7(
図7参照)に沿って山折りされる。台紙100Aは仮想線V8(
図7参照)に沿って山折りされる。この状態で、雄フラップ41が外側から内側に向けて押し込まれる。
【0070】
雄フラップ41が外側から内側に向けて押し込まれると、差込部410、突出部433、および突出部443のそれぞれが、差込口421を介して雌本体部429よりも内側に差し込まれる(
図5参照)。これにより、雄フラップ41、左フラップ43、および右フラップ44が、それぞれ、差込口421を介して雌フラップ42に引っかかり、
図2に示す底壁4がいわゆる地獄底として形成される。
図5に示すように、雄フラップ層41A、雌フラップ層42A、およびサイドフラップ層46が、上方から下方に向かって、雌フラップ層42A、サイドフラップ層46、雄フラップ層41Aの順に並ぶ。
【0071】
底壁4が形成された時点では、箱本体2は上方に開口する。この状態で、下壁85が上方から底壁4の裏面と向き合うように、箱本体2の上方から空間7にテープカセット8Aが収納される。
【0072】
台紙100Aは仮想線V9に沿って山折りされ、仮想線V10に沿って谷折りされる。これにより、ヘッダ3が形成され、天壁5の最下層に雌フラップ層502が配置される。台紙100Aは仮想線V11、V12に沿って山折りされる。これにより、天壁5において雌フラップ層502の上にサイドフラップ層56が積層される。台紙100Aは仮想線V13に沿って山折りされる。
【0073】
台紙100Aは仮想線V14に沿って山折りされる。差込部55が差込口521を介して雌本体部52よりも内側に差し込まれる。これにより、サイドフラップ層56の上に雄フラップ層501が積層され、
図1に示す天壁5が形成される。以上により、収納箱1Aの組み立てが完了する。
【0074】
図2、
図10を参照し、収納箱1Aの第一の開封方法を説明する。ユーザは起点領域R11を前方に向かって指で押し込んでミシン目623を裂きながら、ミシン目411、412に沿って開封領域R12を箱本体2から分断する。ここで、差込部410の突出部4101は差込口421の突出部4221に引っかかりやすく、差込部410の突出部4102は差込口421の突出部4222に引っかかりやすい。よって、ユーザは起点領域R11、開封領域R12を保持し、そのまま下方に引くことで、左フラップ43の突出部433および右フラップ44の突出部443が差込口421から抜ける。このように、起点領域R11が押し込まれてからの一連の動作で、雄フラップ層41A、雌フラップ層42A、およびサイドフラップ層46の組み合わせが解除され、箱本体2が下方に開口した状態になる(
図10参照)。ユーザは空間7から下方にテープカセット8Aを取り出す。
【0075】
図1を参照し、収納箱1Aの第二の開封方法を説明する。ユーザは開口縁512に指を引っかける。この状態でユーザは開封領域R22を後方に押し込みながら、または開封領域R22を後方に引き上げながら、ミシン目516、517に沿って開封領域R22を箱本体2から分断する。これにより、箱本体2が上方に開口した状態になる。なお、開口513の全部は平面視でサイドフラップ層56と重なるので、ユーザは開口縁512に指を引っかけにくい。したがって、第一の開封方法は第二の開封方法に比べて箱本体2を開封しやすい方法である。本実施形態において、ユーザは第一の開封方法でテープカセット8Aを取り出す。
【0076】
例えば、ユーザは第一の開封方法によってテープカセット8Aを収納箱1Aから取り出した後、第二の開封方法を行うことで、箱本体2を上方および下方の両方に開口させてもよい。この場合、箱本体2が上方および下方の両方に開口するので、ユーザは容易に箱本体2を畳むことができる。よって、収納箱1Aは、テープカセット8Aが箱本体2から取り出された後、箱本体2が嵩張ることを抑制することに貢献する。
【0077】
不正開封が行われる場合を説明する。不正開封の一例として、雄本体部51を前方につれて上方に向かう方向に移動し、ミシン目516、517を裂くことなく、差込部55を差込口521から抜こうとする場合が考えられる。ここで、差込部55が差込口521に差し込まれ、雄フラップ層501と雌フラップ層502とが係合している。これにより、ユーザは差込部55を差込口521から抜くことが困難である。このように、収納箱1Aは、雄フラップ層501と雌フラップ層502とが係合することで、箱本体2の不正開封を困難にする。
【0078】
以上説明した実施形態において、収納箱1Aの主な作用効果を説明する。台紙100Aについても、台紙100Aから収納箱1Aが形成されることで、収納箱1Aと同様の作用効果がいえる。
【0079】
(1-1)収納箱1Aでは、第一の開封方法において、ユーザはミシン目411、412に沿って開封領域R12を箱本体2から分断し、空間7から下方にテープカセット8Aを取り出す。テープカセット8Aの下壁85は上下方向においてケース81の中心に対して排出口88とは反対に位置し、且つ底壁4には下壁85が上方から対向する。このため、排出口88が底壁4から比較的離れた位置に位置する。よって、第一の開封方法では、開封領域R12が箱本体2から分断される場合に、排出口88内に存在する印刷テープ89にユーザの指および開封領域R12が当たりにくい。よって、収納箱1Aは、例えば印刷テープ89が損傷する等、取り出されたテープカセット8Aの品質が損なわれることを抑制することに貢献する。
【0080】
(1-2、1-6、2-2、3-5)収納箱1Aでは、底壁4は背壁62の下端621と接続する。ミシン目411、412は背壁62の下端621上の点P1、P2から延びる。背壁62にはミシン目623が設けられる。ミシン目623は点P1から点P2まで上方に膨らむ円弧状に延びる。これによれば、収納箱1Aの第一の開封方法において、ミシン目623と背壁62の下端621とによって囲まれる起点領域R11が押し込まれ、ミシン目623、ミシン目411、412が裂かれる。このとき、起点領域R11は、ミシン目411、412が延びる方向である前方に沿って押し込まれる。よって、収納箱1Aは容易にテープカセット8Aを取出可能な状態とすることに貢献する。
【0081】
(1-3)収納箱1Aでは、ヘッダ3を有する。ヘッダ3のヘッダ片31は背壁62の上端622に接続し、背壁62の上端622から上方に延びる。これによれば、例えば、収納箱1Aは、商品を吊り下げ陳列するための棒にヘッダ3の孔30を介して挿入されることで、吊り下げ陳列されてもよい。よって、収納箱1Aは収納箱1Aの陳列態様を多様化することに貢献する。
【0082】
(1-4)収納箱1Aでは、ミシン目623は背壁62に設けられる。これによれば、例えば、収納箱1Aが吊り下げ陳列される場合に、前壁61は背壁62と比較して視認されやすい位置に配置される。故に、前壁61は背壁62と比較してテープカセット8Aの情報が表示されやすい。よって、収納箱1Aは、ミシン目623が前壁61に設けられる場合と比較して、多くのテープカセット8Aの情報を表示することに貢献する。
【0083】
(1-5、2-1、3-2)収納箱1Aでは、底壁4は雄フラップ層41Aと雌フラップ層42Aとサイドフラップ層46とを含む。雄フラップ層41Aは雄フラップ41によって構成される。雄フラップ41は雄本体部419と差込部410とを有する。差込部410は雄本体部419と接続し、雄本体部419の前端415から前方に延びる。雌フラップ層42Aは雌フラップ42によって構成される。雌フラップ42は雌本体部429と差込口421とを有する。差込口421は雌本体部429に設けられる。底壁4では、雄フラップ層41A、雌フラップ層42A、およびサイドフラップ層46が、上方から下方に向かって、雌フラップ層42A、サイドフラップ層46、雄フラップ層41Aの順に並び、且つ差込口421に差込部410が差し込まれて構成される。雄フラップ層41Aの雄本体部419には一対のミシン目411、412が形成される。このように、底壁4はいわゆる地獄底であり、底壁4を構成する雄フラップ層41Aに第一の開封方法のためのミシン目411、412が形成される。よって、収納箱1Aは底壁4が地獄底であってもテープカセット8Aを容易に取出可能な状態とすることに貢献する。
【0084】
(1-7、2-3、3-4)収納箱1Aでは、ミシン目411、412は雄フラップ層41Aの雄本体部419に設けられる。例えば、ミシン目411、412がサイドフラップ層46に設けられる場合がある。この場合、ミシン目411、412が裂かれても、雄フラップ層41Aと雌フラップ層42Aとの組み合わせが解除されない。一方、収納箱1Aでは、ミシン目623が裂かれたときに、ユーザの指が雌本体部429にかかりやすい。ユーザの指が雌本体部429にかかった状態で、ユーザが指を下方に引き抜くと、底壁4を構成する雄フラップ層41A、サイドフラップ層46、および雌フラップ層42Aが互いに分離される(
図10参照)。このように、収納箱1Aは容易にテープカセット8Aを取出可能な状態とすることに貢献する。
【0085】
(1-8、2-5)収納箱1Aでは、左フラップ43は突出部433を含む。右フラップ44は突出部443を含む。突出部433、443は、それぞれ差込口421を介して雌本体部429よりも内側に差し込まれる。これにより、収納箱1Aは、簡単な構成で底壁4の強度を確保することに貢献する。
【0086】
(2-4)収納箱1Aでは、底壁4は前後方向よりも左右方向に長い長方形状であり、ミシン目411、412は前方に延びる。これによれば、収納箱1Aは、ミシン目411、412の長さを短くすることができる。よって、収納箱1Aはテープカセット8Aを容易に取出可能な状態とすることに貢献する。
【0087】
(2-6、3-1)収納箱1Aでは、底壁4は雄フラップ層41Aと雌フラップ層42Aとサイドフラップ層46とを含む。雄フラップ層41Aは雄フラップ41によって構成される。雄フラップ41は雄本体部419と差込部410とを有する。差込部410は雄本体部419と接続し、雄本体部419の前端415から前方に延びる。雌フラップ層42Aは雌フラップ42によって構成される。雌フラップ42は雌本体部429と差込口421とを有する。差込口421は雌本体部429に設けられ、4210により規定される。差込口縁4210は雌本体部429の内側で環状に閉じられる。底壁4では、雄フラップ層41A、雌フラップ層42A、およびサイドフラップ層46が、上方から下方に向かって、雌フラップ層42A、サイドフラップ層46、雄フラップ層41Aの順に並び、且つ差込口421に差込部410が差し込まれて構成される。このように、底壁4はいわゆる地獄底であり、差込口421を規定する差込口縁4210は雌本体部429の内側で環状に閉じられる。差込口縁4210が雌本体部429の内側で環状に閉じられているので、雌フラップ42は変形しにくい。よって、収納箱1Aは箱本体2の強度を向上させることに貢献する。
【0088】
(2-9)不正開封の一例として、雄本体部51を前方につれて上方に向かう方向に移動し、ミシン目516、517を裂くことなく、差込部55を差込口521から抜こうとする場合が考えられる。ここで、収納箱1Aでは差込部55が差込口521に差し込まれ、雄フラップ層501と雌フラップ層502とが係合している。これにより、ユーザは差込部55を差込口521から抜くことが困難である。このように、収納箱1Aは、雄フラップ層501と雌フラップ層502とが係合することで、箱本体2の不正開封を困難にする。
【0089】
(2-10、3-8)収納箱1Aはテープカセット8Aを備える。これによれば、収納箱1Aは、箱本体2によってテープカセット8Aを保護することに貢献する。
【0090】
(3-3)収納箱1Aでは、ミシン目411の上端はミシン目623の左端に接続し、ミシン目412の上端は、ミシン目623の右端に接続する。ミシン目411、412とミシン目623とが接続しているので、第一の開封方法においてミシン目411、412とミシン目623とが連続して裂かれる。よって、収納箱1Aはテープカセット8Aを容易に取出可能な状態とすることに貢献する。
【0091】
(3-6)収納箱1Aでは、ミシン目411は、背壁62の下端621上の点P1から周縁413上の点3に向かって左前方に延びる。ミシン目412は、背壁62の下端621上の点P2から周縁414上の点P4に向かって右前方に延びる。この場合、第一の開封方法においてミシン目411、412が裂かれると、差込部410が差込口421に引っかかる。ここで、ユーザは起点領域R11、開封領域R12を保持し、そのまま下方に引くことで、雄フラップ層41A、雌フラップ層42A、およびサイドフラップ層46の組み合わせが解除され、箱本体2が下方に開口した状態になる(
図10参照)。このように、収納箱1Aは少ない操作でテープカセット8Aを取出可能な状態とすることに貢献する。
【0092】
(3-7)差込部410は延出部4100と突出部4101、4102とを含む。延出部4100は雄本体部419の前端415から前方に延びる。突出部4101は、延出部4100の左前端から左方に突出する。突出部4102は、延出部4100の右前端から右方に突出する。差込口縁4210は縁4211を含む。縁4211は差込口421に対して前方に配置され、左右方向に延びる。突出部4221は縁4211の左端である点P5から後方に突出する。突出部4222は縁4211の右端である点P6から後方に突出する。これによれば、差込部410が差込口421から引き抜かれようとした場合、突出部4101、4102がそれぞれ4221、4222に引っかかりやすい。よって、収納箱1Aは底壁4の強度を向上させることに貢献する。
【0093】
なお、上記実施形態において、下壁85が本発明の「第一カセット壁」に相当する。上壁86が本発明の「第二カセット壁」に相当する。ケース81が本発明の「ケース」に相当する。印刷テープ89が本発明の「印刷媒体」に相当する。排出口88が本発明の「排出口」に相当する。テープカセット8Aが本発明の「カセット」に相当する。
【0094】
収納箱1Aの上下方向が本発明の「第一方向」に相当する。底壁4が本発明の「第一壁」に相当する。天壁5が本発明の「第二壁」に相当する。周壁6が本発明の「周壁」に相当する。箱本体2が本発明の「箱本体」に相当する。空間7が本発明の「空間」に相当する。ミシン目411、412が本発明の「第一ミシン目」に相当する。
【0095】
ミシン目623が本発明の「第二ミシン目」に相当する。収納箱1Aの上方が本発明の「第一特定方向」に相当する。収納箱1Aの前後方向が本発明の「第二方向」に相当する。前壁61が本発明の「第三壁」に相当する。背壁62が本発明の「第四壁」に相当する。ヘッダ3が本発明の「ヘッダ」に相当する。
【0096】
収納箱1Aの左右方向が本発明の「第三方向」に相当する。左壁63が本発明の「第五壁」に相当する。右壁64が本発明の「第六壁」に相当する。収納箱1Aの下方が本発明の「第一反対方向」に相当する。雄フラップ41が本発明の「雄フラップ」に相当する。雌フラップ42が本発明の「雌フラップ」に相当する。差込口421が本発明の「差込口」に相当する。差込部410が本発明の「第一差込部」に相当する。中間フラップ層が本発明の「中間フラップ層」に相当する。突出部433、443が本発明の「第二差込部」に相当する。台紙100Aが本発明の「シート」に相当する。収納箱1Aの後方が本発明の「第二特定方向」に相当する。収納箱1Aの前方が本発明の「第二反対方向」に相当する。雌フラップ層42Aが本発明の「雌フラップ層」に相当する。雄フラップ層41Aが本発明の「雄フラップ層」に相当する。左フラップ43が本発明の「第一フラップ」に相当する。右フラップ44が本発明の「第二フラップ」に相当する。雌本体部429が本発明の「雌本体部」に相当する。雄本体部419が本発明の「雄本体部」に相当する。
【0097】
本発明は上記実施形態から変更されてもよい。以下説明する各種変形例は、矛盾が生じない限り、互いに組み合わされてもよい。
【0098】
図11を参照し、変形例の収納箱1Bを説明する。収納箱1Bは、例えば
図12に示す台紙100Bが組み付けられることで形成される。以下変形例では、上記実施形態と同様の形状または機能を有する構成には同じ符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0099】
収納箱1Bの箱本体2Bはいわゆるキャラメル箱であり、底壁4の代わりに底壁400が設けられる。すなわち、箱本体2の底壁4のように地獄底に限定されない。底壁400は本体部401と延出部4161(
図12参照)を有する。本体部401は背壁62の下端621に接続し、背壁62の下端621から前方に延びる。本体部401は前後方向よりも左右方向に長い長方形状である。
【0100】
本体部401には、ミシン目4111、4121が設けられる。ミシン目4111は、点P1から点P31に向かって延びる。ミシン目412は、点P2から点P41に向かって延びる。点P31、P41は本体部401の前端4151上に位置する。点P31は、点P1よりも左方に位置し且つ前端4151の左端よりも右方に位置する。点P41は、点Pよりも右方に位置し且つ前端4151の右端よりも左方に位置する。
図12では前端4151のうち点P31と点P41との間を仮想線V23で示す。
【0101】
本体部401のうち一対のミシン目4111、4121、および前端4151によって囲まれる領域を「開封領域R121」という。開封領域R121は上記実施形態の開封領域R12に対応する構成であり、第一の開封方法においてユーザによって箱本体2Bから分断される。
【0102】
図12に示すように、延出部4161は本体部401の前端4151に接続し、本体部401の前端4151から上方に延びる(
図11では省略)。延出部4161は前後方向よりも左右方向に長い長方形状である。延出部4161には、切り込み4171、4172が設けられる。切り込み4171は前端4151の左端から点P31まで左方に延びる。切り込み4172は前端4151の右端から点P41まで右方に延びる。
【0103】
ミシン目411、412、623は上記実施形態に限定されない。
図13に示す収納箱1C、
図14に示す収納箱1D、
図15に示す収納箱1Eはミシン目411、412、623の変形例である。
【0104】
図13に示すように、変形例の収納箱1Cはミシン目411、412の代わりにミシン目4112が設けられる点で収納箱1Aと異なる。ミシン目4112は、底壁4に設けられる。ミシン目4112は点P1から点P2に向かって上方に膨らむ円弧状である。すなわち、底壁4に設けられるミシン目は上記実施形態のように2本に限定されず、1本でもよいし、3本以上でもよい。底壁4に設けられるミシン目の端は周縁413、414上に位置しなくてもよい。
【0105】
図14に示すように、変形例の収納箱1Dは、ミシン目623の代わりに、ミシン目6230が設けられる点、およびミシン目411、412の代わりにミシン目4113が設けられる点で収納箱1Aと異なる。
【0106】
ミシン目6230は背壁62に設けられる。ミシン目6230は点P1から点P10まで上方に延び、点P10から点P20まで右方に延び、点20から点30まで下方に延びる。点10、20、30は、いずれも背壁62の内側に位置する。すなわち、ミシン目6230は背壁62を略J字状に延びる。このように、背壁62に設けられるミシン目は上方に膨らんでいればよく、上記実施形態のように円弧状に限定されない。背壁62に設けられるミシン目は、例えば背壁62を略L字状に延びてもよい。また、ミシン目6230の点20のように、背壁62に設けられるミシン目の端は背壁62の下端621上に位置しなくてもよい。
【0107】
ミシン目4113は底壁4の雄本体部419に設けられる。ミシン目4113は雄本体部419上を点40から点50まで延びる。点40は、背壁62の下端621上の点1とは異なる位置にある。点50は、雄本体部419の周縁413上の点3とは異なる位置にある。このように、底壁4に設けられるミシン目と背壁62に設けられるミシン目とは互いに接続していなくてもよい。底壁4に設けられるミシン目の一端は周縁413、414上において点P3、P4以外の位置にあってもよい。
【0108】
図15に示すように、変形例の収納箱1Eは、背壁62にミシン目623が設けられない点、およびミシン目411、412の代わりにミシン目4114が設けられる点で収納箱1Aと異なる。
【0109】
ミシン目4114は底壁4の雄本体部419に設けられる。ミシン目4114は点P3から点P60まで上方に延び、点P60から点P70まで右方に延び、点70から点4まで下方に延びる。点60、70は、例えば雄本体部419の内側に位置し且つ前後方向において雌本体部429の後端425よりも後方に位置する。このように、底壁4にミシン目が設けられていればよく、背壁62にミシン目が設けられなくてもよい。
【0110】
図示はしないが、ミシン目411、412の他の変形例として、ミシン目411、412は雌フラップ層42Aに設けられてもよい。これによれば、第一の開封方法において裂かれたミシン目411、412により雌本体部429に隙間が形成される。ユーザは形成された隙間に指を入れ、上方から雌本体部429を引っかける。ユーザが指を下方に引き抜くと、底壁4を構成する雄フラップ層41A、サイドフラップ層46、および雌フラップ層42Aが互いに分離される。このように、ミシン目411、412が雌フラップ層42Aに設けられる場合でも、収納箱1Aは容易にテープカセット8Aを取出可能な状態とすることに貢献する。
【0111】
ミシン目411、412はサイドフラップ層46に設けられてもよい。例えばミシン目411が左フラップ43の左本体部430に設けられ、ミシン目412が右フラップ44の右本体部440に設けられてもよい。
【0112】
一対のミシン目411、412は前方に向かって互いに平行に延びてもよいし、前方に向かうにつれて互いに近づくように延びてもよい。一対のミシン目411、412は直線状に延びることに限定されず、例えば円弧状または波状に延びてもよい。一対のミシン目411、412が延びる方向は前後方向に沿っていなくてもよく、例えば収納箱1Aにおいて一対のミシン目411、412が左右方向に延びてもよい。すなわち一対のミシン目411、412が延びる方向は底壁4の形状と対応関係がなくてもよい。
【0113】
雄フラップ層41Aを含む底壁4にはミシン目411、412が設けられなくてもよい。この場合、箱本体2は第一の開封方法および第二の開封方法とは異なる方法で開封されるように構成されてもよい。例えば、底壁4の雌本体部429には下方に延びる紐が接続されてもよい。この場合、ユーザは紐を下方に引くことで、底壁4を構成する雄フラップ層41A、サイドフラップ層46、および雌フラップ層42Aが互いに分離され、箱本体2が開封される。
【0114】
ミシン目623は周壁6のいずれかに設けられればよい。ミシン目623は上方に膨らんで延びることに限定されず、例えば下方に膨らんで延びてもよいし、直線状または波状に延びてもよい。背壁62を含む周壁6にはミシン目623が設けられなくてもよい。
【0115】
差込口421は上記実施形態に限定されない。
図16に示す差込口423、
図17に示す差込口424は差込口421の変形例である。
【0116】
図16に示すように、変形例の差込口423は、差込口縁4230により規定される。差込口縁4230は雌本体部429の後端425上の点P51から、後端425上の点61まで延びる。
【0117】
より詳細に、差込口縁4230は点P51から点P52まで後方に延び、点P51から点P62まで右方に延び、点62から点61まで前方に延びる。点P51は、後端425の左端と後端425の中心との間に位置する。点61は、後端425の右端と後端425の中心との間に位置する。点52、62は、雌本体部429の内側に位置する。すなわち、差込口423は、差込口縁4230が後方に開いた溝である。
【0118】
これによれば、収納箱1Aでは差込口423は溝であるので、孔である差込口421と比べて差込部410が抜けやすくなる。したがって、ユーザは容易に箱本体2を畳むことができる。よって、収納箱1Aはテープカセット8Aが箱本体2から取り出された後、箱本体2が嵩張ることを抑制することに貢献する。ここで、差込口縁4230は、後方に開いていればよく、例えば後方および右方に開いてもよい。この場合、差込口423は、雌本体部429の右後端に設けられる切り欠きである。
【0119】
図17に示すように、変形例の差込口424は、差込口縁4240により規定される。差込口縁4230は点P53から点63まで左右方向に延びる。点53、63は、雌本体部429の内側に位置する。すなわち、差込口424は、切り込みである。
【0120】
これによれば、収納箱1Aでは差込口424は切り込みであるので、孔である差込口421と比べて、差込部410と雌本体部429との間の摩擦力を向上させることができる。収納箱1Aは底壁4の強度を向上させることに貢献する。ここで、差込口縁4230は雌本体部429の内側で左右方向に延びていればよく、例えばL字状に延びてもよいし、U字状に延びてもよい。
【0121】
図示しないが、差込口421を規定する差込口縁4210は雌本体部429の内側で環状に閉じていればよく、差込口縁4210を以下のように変形させてもよい。差込口縁4210は左右方向に延びることに限定されず、例えば前後方向に延びてもよい。差込口縁4210により規定される差込口421は例えば平面視で円形状や三角形状の孔でもよい。雌本体部429には差込口421から延びる切り込みが設けられてもよい。
【0122】
雌本体部429には突出部4221、4222のいずれか一方が設けられなくてもよい。雌本体部429には突出部4221、4222が設けられなくてもよい。雌本体部429には、点P5、P6以外の差込口縁4210から突出する突出部が設けられてもよい。
【0123】
他の変形例を説明する。差込部410の形状は上記実施形態に限定されない。差込部410は突出部4101、4102のいずれか一方を含まなくてもよい。差込部410は突出部4101、4102を含まなくてもよい。突出部4101、4102の形状は適宜変更してもよく、例えば前後方向よりも左右方向に長い長方形状であってもよい。延出部4100に対する突出部4101、4102の位置は適宜変更してもよい。例えば、突出部4101は延出部4100の左後端に設けられてもよい。延出部4100の形状は適宜変更してもよい。例えば、延出部4100は前方に向かうにつれて左右方向の幅が狭まる台形状であってもよい。
【0124】
左フラップ43は突出部433を含まなくてもよい。右フラップ44は突出部443を含まなくてもよい。左本体部430と右本体部440とが上下方向において互いに重なってもよい。左フラップ43および右フラップ44の一方または両方は省略されてもよい。すなわち、サイドフラップ層46は左フラップ43および右フラップ44の一方によって構成されてもよいし、両方が省略されてもよい。
【0125】
箱本体2の上下方向、左右方向、および前後方向のそれぞれの長さ関係は、上記実施形態に限定されない。例えば、箱本体2の前後方向の長さは、箱本体2の左右方向の長さよりも大きくてもよい。箱本体2の形状は上記実施形態のような直方体状に限定されず、例えば円柱状、八面体状、いわゆるピローカートン状などでもよい。
【0126】
上記実施形態において、台紙100Aは、組み付けられることで収納箱1Aが形成されるように構成されれば、上記実施形態の形状に限定されない。折り曲げられることができ、且つ折り曲げられた状態を維持できるシートであれば、台紙100Aに代えてプラスチックシート等が用いられてもよい。
【0127】
上記実施形態において、空間7にはテープカセット8Aに代えて他の収納物が収納されてもよい。他の収納物は例えば、印刷に使用される消耗品であり、インクタンク、インクカートリッジ、またはインクリボンカセットである。他の収納物は印刷以外に使用される消耗品であってもよい。他の収納物は消耗品でなくてもよく、食品等であってもよい。
【0128】
上記実施形態では、テープカセット8Aは下壁85が底壁4と向き合う状態で空間7に配置される。これに対し、テープカセット8Aは下壁85とは異なる壁、例えば上壁86が底壁4と向き合う状態で空間7に配置されてもよい。
【0129】
上記実施形態において、周壁6は、例えば左壁63および右壁64を省略してもよい。すなわち、前壁61の左端と背壁62の左端とが互いに直接接続し、前壁61の右端と背壁62の右端とが互いに直接接続してもよい。この場合、例えば前壁61が前方に膨らむように湾曲し、背壁62が後方に膨らむように湾曲するとよい。周壁6は前壁61、背壁62、左壁63、および右壁64に加えて1または複数の壁をさらに備えてもよい。
【0130】
天壁5の構成は適宜変更してもよい。天壁5は例えば底壁4と同様に地獄底に形成されてもよい。上記実施形態では、差込部55が差込口521に差し込まれ、雄フラップ層501と雌フラップ層502とが係合した。これに対し、雄フラップ層501と雌フラップ層502とが係合しなくてもよい。この場合、雄フラップ510に差込部55を有していなくてもよい。
【0131】
上記実施形態では、雌本体部52はヘッダ3を介して背壁62の上端622に接続する。これに対し、雌本体部52は背壁62の上端622に直接接続してもよい。この場合、ヘッダ3は省略されてもよいし、左壁63の上端632または右壁64の上端642に接続してもよい。
【0132】
上記実施形態では、ヘッダ3はヘッダ片31、32を有する。これに対し、ヘッダ3はヘッダ片31およびヘッダ片32のいずれか一方によって構成されてもよい。孔30の個数および形状は上記実施形態に限定されない。ヘッダ3には孔30が設けられなくてもよい。
【符号の説明】
【0133】
1A、1B、1C、1D、1E:収納箱
2 :箱本体
3 :ヘッダ
4 :底壁
5 :天壁
6 :周壁
8A :テープカセット
41 :雄フラップ
41A :雄フラップ層
42 :雌フラップ
42A :雌フラップ層
43 :左フラップ
44 :右フラップ
46 :サイドフラップ層
61 :前壁
62 :背壁
85 :下壁
86 :上壁
88 :排出口
100A、100B :台紙
410 :差込部
419 :雄本体部
421 :差込口
429 :雌本体部
4210 :差込口縁