(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173256
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】鞍乗型車両
(51)【国際特許分類】
B62M 25/06 20060101AFI20241205BHJP
B62K 23/08 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B62M25/06 A
B62K23/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091565
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】井上 祐一
(57)【要約】
【課題】弾性体製のカバーをシフトペダルから強固に抜け止めすると共に、カバーのシフトペダルへの取り付けを容易にする。
【解決手段】鞍乗型車両は、車体とシフトペダルとを備える。シフトペダルは、軸部と、アーム部と、ペダル踏部と、カバーとを備える。アーム部は、軸部から車両前後方向に延びる。ペダル踏部は、アーム部から側方に突出する。カバーは、弾性体製であり、ペダル踏部を覆う。ペダル踏部は、内側部と、外側部と、第1の切り欠きとを含む。内側部は、アーム部に接続される。第1の切り欠きは、内側部と外側部との間に配置される。外側部は、車両前後方向において、内側部と同じ幅を有する。カバーは、孔と第1凸部とを含む。孔には、ペダル踏部が挿入される。第1凸部は、孔の内面から突出する。孔内において第1凸部が第1の切り欠きに係止することで、カバーがペダル踏部に対して抜け止めされる。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
前記車体に取り付けられるシフトペダルと、
を備え、
前記シフトペダルは、
前記車体に回動可能に支持される軸部と、
前記軸部から車両前後方向に延びるアーム部と、
前記アーム部から側方に突出するペダル踏部と、
前記ペダル踏部を覆う弾性体製のカバーと、
を含み、
前記ペダル踏部は、
前記アーム部に接続される内側部と、
前記内側部よりも外側方に配置される外側部と、
前記内側部と前記外側部との間に配置される第1の切り欠きと、
を含み、
前記外側部は、車両前後方向において、前記内側部と同じ幅を有し、
前記カバーは、
前記ペダル踏部が挿入される孔と、
前記孔の内面から突出する第1凸部と、
を含み、
前記孔内において前記第1凸部が前記第1の切り欠きに係止することで、前記カバーが前記ペダル踏部に対して抜け止めされる、
鞍乗型車両。
【請求項2】
前記外側部は、前記ペダル踏部において最も外側方に位置するペダル端部を含み、
前記カバーは、前記カバーにおいて最も外側方に位置するカバー端部を含み、
前記ペダル端部は、前記カバー端部と面一、又は、前記カバー端部よりも内側方に配置される、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項3】
前記ペダル踏部は、板状の形状を有する、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項4】
前記ペダル踏部は、
車両左右方向に延びる第1縁部と、
車両左右方向に延び、前記第1縁部の反対側に配置される第2縁部と、
前記内側部と前記外側部との間に配置される第2の切り欠きと、
を含み、
前記カバーは、前記孔の内面から突出する第2凸部を含み、
前記孔内において前記第2凸部が前記第2の切り欠きに係止することで、前記カバーが前記ペダル踏部に対して抜け止めされ、
前記第1の切り欠きは、前記第1縁部に設けられ、
前記第2の切り欠きは、前記第2縁部に設けられる、
請求項3に記載の鞍乗型車両。
【請求項5】
前記外側部と前記内側部とは、車両前後方向において前記ペダル踏部における最大幅を有する、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項6】
前記第1の切り欠きは、前記ペダル踏部において車両左右方向における中央よりも外側方に配置される、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項7】
前記第1の切り欠きは、曲線状の形状を有する、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
鞍乗型車両には、シフトペダルを備えるものがある。シフトペダルは、鞍乗型車両に回動可能に取り付けられる。ライダーは、シフトペダルを足で操作することで、トランスミッションのギアのシフトチェンジを行う。例えば、ライダーは、下方から足でシフトペダルを押し上げることで、ギアのシフトアップを行う。ライダーは、上方から足でシフトペダルを押し下げることで、ギアのシフトダウンを行う。
【0003】
例えば、特許文献1のように、シフトペダルは、ペダル踏部とカバーとを含む。ペダル踏部は、車両の側方に突出しており、円筒状の形状を有する。カバーは、ゴム製であり、ペダル踏部を覆うように取り付けられる。カバーは、円筒状の形状を有する。ペダル踏部の先端は、カバーから外側方に突出しており、ペダル踏部の他の部分よりも大径の形状を有する。そのため、ペダル踏部の先端がカバーに係止することで、カバーがペダル踏部に対して抜け止めされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開WO2006/011441号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したシフトペダルでは、ペダル踏部の先端がカバーの孔よりも大径であることで、カバーがペダル踏部に対して抜け止めされる。しかし、ペダル踏部の先端がカバーの孔よりも大径であるため、カバーのペダル踏部への取り付けが容易ではない。本発明の目的は、弾性体製のカバーをシフトペダルから強固に抜け止めすると共に、カバーのシフトペダルへの取り付けを容易にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る鞍乗型車両は、車体とシフトペダルとを備える。シフトペダルは、車体に取り付けられる。シフトペダルは、軸部と、アーム部と、ペダル踏部と、カバーとを備える。軸部は、車体に回動可能に支持される。アーム部は、軸部から車両前後方向に延びる。ペダル踏部は、アーム部から側方に突出する。カバーは、弾性体製であり、ペダル踏部を覆う。ペダル踏部は、内側部と、外側部と、第1の切り欠きとを含む。内側部は、アーム部に接続される。外側部は、内側部よりも外側方に配置される。第1の切り欠きは、内側部と外側部との間に配置される。外側部は、車両前後方向において、内側部と同じ幅を有する。カバーは、孔と第1凸部とを含む。孔には、ペダル踏部が挿入される。第1凸部は、孔の内面から突出する。孔内において第1凸部が第1の切り欠きに係止することで、カバーがペダル踏部に対して抜け止めされる。
【0007】
本態様に係る鞍乗型車両では、カバーは、孔内において第1凸部が第1の切り欠きに係止することで、ペダル踏部に対して抜け止めされる。そのため、弾性体製のカバーがペダル踏部から強固に抜け止めされると共に、カバーのペダル踏部への取り付けが容易になる。
【0008】
ペダル踏部の外側部は、ペダル端部を含んでもよい。ペダル端部は、ペダル踏部において最も外側方に位置してもよい。カバーは、カバー端部を含んでもよい。カバー端部は、カバーにおいて最も外側方に位置してもよい。ペダル端部は、カバー端部と面一、又は、カバー端部よりも内側方に配置されてもよい。この場合、ペダル端部は、カバー端部と面一、又は、カバー端部よりも内側方に配置される。そのため、ライダーの足がペダル端部に当たりにくいことで、操作性が向上する。
【0009】
ペダル踏部は、板状の形状を有してもよい。この場合、ペダル踏部が円筒状である場合と比べて、挿入時の抵抗が小さくなり、取り付けが容易になる。
【0010】
ペダル踏部は、第1縁部と、第2縁部と、第2の切り欠きとを含んでもよい。第1縁部は、車両左右方向に延びていてもよい。第2縁部は、車両左右方向に延び、第1縁部の反対側に配置されてもよい。第2の切り欠きは、内側部と外側部との間に配置されてもよい。カバーは、孔の内面から突出する第2凸部を含んでもよい。孔内において第2凸部が第2の切り欠きに係止することで、カバーがペダル踏部に対して抜け止めされてもよい。第1の切り欠きは、第1縁部に設けられてもよい。第2の切り欠きは、第2縁部に設けられてもよい。この場合、2つの凸部がそれぞれ切り欠きに係止することで、抜け止めの効果が向上する。
【0011】
外側部と内側部とは、車両前後方向においてペダル踏部における最大幅を有してもよい。この場合、ペダル踏部の外側端に抜け止め用の大径部が設けられる場合と比べて、挿入時の抵抗が小さくなる。それにより、カバーの取り付けが、さらに容易になる。
【0012】
第1の切り欠きは、ペダル踏部において車両左右方向における中央よりも外側方に配置されてもよい。この場合、ペダル踏部が、ある程度まで、カバーの孔に挿入されたときに、第1凸部が第1の切り欠きに係止する。そのため、ペダル踏部をカバーに押し込みやすい。
【0013】
第1の切り欠きは、曲線状の形状を有してもよい。この場合、第1凸部が第1の切り欠きに入り込み易い。それにより、カバーの取り付けが、さらに容易になる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、弾性体製のカバーをシフトペダルから強固に抜け止めすると共に、カバーのシフトペダルへの取り付けが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図6】ペダル踏部近傍を示すペダル本体の拡大図である。
【
図7】ペダル踏部近傍を示すペダル本体の拡大図である。
【
図8】ペダル踏部近傍を示すペダル本体の拡大図である。
【
図9】カバーとペダル踏部近傍を示すシフトペダルの拡大図である。
【
図11】シフトペダルの動作方向の定義を示すシフトペダルの側面図である。
【
図12】
図9におけるシフトペダルのXII-XII断面図である。
【
図13】第1変形例に係るシフトペダルの断面図である。
【
図14】第2変形例に係るペダル踏部近傍を示すペダル本体の拡大図である。
【
図15】第2変形例に係るペダル踏部近傍を示すシフトペダルの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、実施形態に係る鞍乗型車両について説明する。
図1は、実施形態に係る鞍乗型車両1の側面図である。鞍乗型車両1は、いわゆるオフロードタイプのモーターサイクルである。
図1に示すように、鞍乗型車両1は、車体2を備える。車体2は、ステアリング装置3と、前輪4と、シート5と、パワーユニット6と、後輪7と、スイングアーム8と、車体フレーム9とを含む。なお、本実施形態において、前後左右の方向は、シート5に着座したライダーから見た前後左右の方向を意味するものとする。
【0017】
車体フレーム9は、ヘッドパイプ11とメインフレーム12とを含む。ヘッドパイプ11は、前方且つ下方へ向かって延びている。メインフレーム12は、ヘッドパイプ11に接続されている。
【0018】
ステアリング装置3は、ヘッドパイプ11に回転可能に支持される。ステアリング装置3は、ライダーによって操舵可能である。ステアリング装置3は、フロントフォーク13とハンドル部材14とを含む。フロントフォーク13は、前輪4を回転可能に支持している。フロントフォーク13は、ヘッドパイプ11に回転可能に支持される。ハンドル部材14は、フロントフォーク13に接続されている。ハンドル部材14は、ライダーによって左右に操作可能である。
【0019】
シート5は、ヘッドパイプ11の後方に配置されている。シート5は、車体フレーム9に支持されている。パワーユニット6は、シート5の下方に配置される。パワーユニット6は、メインフレーム12に支持されている。パワーユニット6は、後輪7を回転させる駆動力を発生させる。パワーユニット6は、エンジン15とトランスミッション16とを含む。
【0020】
後輪7は、パワーユニット6の後方に配置される。後輪7は、スイングアーム8を介して、メインフレーム12接続されている。スイングアーム8は、メインフレーム12に揺動可能に支持されている。後輪7は、スイングアーム8に回転可能に支持されている。
【0021】
シート5の下方には、フートステップ17とシフトペダル18とが配置されている。フートステップ17は、シフトペダル18の後方に配置される。フートステップ17には、ライダーの足が置かれる。フートステップ17は、メインフレーム12に接続されている。フートステップ17は、メインフレーム12から側方へ突出している。
【0022】
シフトペダル18は、回転可能に車体2に取り付けられている。シフトペダル18は、例えばトランスミッション16に取り付けられている。なお、シフトペダル18は、トランスミッション16に限らず、車体フレーム9などの他の部分に取り付けられてもよい。シフトペダル18は、ライダーの足によって操作される。シフトペダル18が操作されることで、トランスミッション16のギアが変更される。
【0023】
図2は、シフトペダル18の斜視図である。
図3は、シフトペダル18の上面図である。
図4は、シフトペダル18の側面図である。
図2から
図4に示すように、シフトペダル18は、ペダル本体21とカバー22とを含む。ペダル本体21は、回転可能に車体2に取り付けられる。ペダル本体21は、アルミニウムなどの金属製である。
【0024】
図5は、ペダル本体21の斜視図である。
図5に示すように、ペダル本体21は、軸部23と、アーム部24と、ペダル踏部25とを含む。軸部23は、車体2に回動可能に支持される。軸部23は、アーム部24から側方に突出している。アーム部24は、板状の形状を有する。アーム部24は、軸部23から前後方向に延びる。
【0025】
図6から
図8は、ペダル踏部25近傍を示すペダル本体21の拡大図である。
図6から
図8に示すように、ペダル踏部25は、アーム部24から側方に突出している。ペダル踏部25は、板金製である。ペダル踏部25は、例えば、溶接によりアーム部24に接続される。ペダル踏部25は、上方に凸に屈曲した板状の形状を有する。
【0026】
図6に示すように、ペダル踏部25は、内側部26と外側部27とを含む。内側部26は、アーム部24に接続される。外側部27は、内側部26よりも外側方に配置される。ペダル踏部25の外側部27は、ペダル端部28を含む。ペダル端部28は、ペダル踏部25において最も外側方に位置する。外側部27は、車両前後方向において、内側部26と同じ幅を有する。外側部27と内側部26とは、車両前後方向においてペダル踏部25における最大幅を有する。
【0027】
ペダル踏部25は、上面31と、底面32と、第1縁部33と、第2縁部34とを含む。上面31は、上方に凸に湾曲した曲面状の形状を有する。底面32は、上方に向かって凹んだ曲面状の形状を有する。第1縁部33と第2縁部34とは、車両左右方向に延びている。第1縁部33と第2縁部34とは、直線状に延びている。第2縁部34は、第1縁部33の反対側に配置される。第1縁部33は、ペダル踏部25において前側に位置し、第2縁部34は、ペダル踏部25において後側に位置する。
図6に示すように、第1縁部33とペダル端部28との間の角35にはアールが設けられている。第2縁部34とペダル端部28との間の角36には、アールが設けられている。
【0028】
ペダル踏部25は、第1の切り欠き37と第2の切り欠き38とを含む。第1の切り欠き37は、第1縁部33に設けられている。第1の切り欠き37は、第1縁部33から後方に凹んだ形状を有する。第1の切り欠き37は、前方を向いて配置される。第2の切り欠き38は、第2縁部34に設けられている。第2の切り欠き38は、第2縁部34から前方に凹んだ形状を有する。第2の切り欠き38は、後方を向いて配置される。
【0029】
第1の切り欠き37と第2の切り欠き38とは、内側部26と外側部27との間に配置される。第1の切り欠き37と第2の切り欠き38とは、車両前後方向に並んで配置される。第1の切り欠き37と第2の切り欠き38とは、ペダル踏部25において車両左右方向における中央よりも外側方に配置される。第1の切り欠き37と第2の切り欠き38とは、滑らかに湾曲した曲線状の形状を有する。
【0030】
ペダル本体21は、補強部材39を含む。補強部材39は、アーム部24から側方に突出している。補強部材39は、円筒状の形状を有する。補強部材39は、例えば、溶接によりアーム部24に接続される。補強部材39は、ペダル踏部25の下方に配置されている。補強部材39は、ペダル踏部25の底面32に接触している。補強部材39は、ペダル踏部25を下方から支持している。
【0031】
カバー22は、ペダル本体21と別体である。カバー22は、ペダル本体21に取り付けられる。カバー22は、ゴムなどの弾性体製である。カバー22は、ペダル踏部25を覆う。
図9は、カバー22とペダル踏部25近傍を示すシフトペダル18の拡大図である。
図10は、カバー22の斜視図である。
図9及び
図10に示すように、カバー22は、上下方向よりも前後方向に長い扁平な形状を有する。
【0032】
カバー22は、カバー端部41と孔42とを含む。カバー端部41は、カバー22において最も外側方に位置する。孔42は、左右方向に延びている。孔42は、左右方向にカバー22を貫通している。孔42は、カバー端部41において開口している。孔42は、ペダル踏部25と同様に、上方に向かって凸に屈曲した形状を有する。
【0033】
孔42は、上内面43と、下内面44と、前内面45と、後内面46とを含む。上内面43は、上方に凸に湾曲している。下内面44は、上方に凸に湾曲している。孔42は、前内面45から後内面46に向かって曲線状に延びている。孔42には、ペダル踏部25が挿入される。ペダル踏部25は、孔42に圧入される。それにより、カバー22が、ペダル本体21に取り付けられる。ペダル踏部25の上面31は、上内面43に接触する。ペダル踏部25の底面32は、下内面44に接触する。ペダル踏部25の第1縁部33は、前内面45に接触する。第2縁部34は、後内面46に接触する。
【0034】
カバー22は、上曲面47と下曲面48とを含む。上曲面47は、カバー22の上面31に設けられる。上曲面47は、上方に向かって凸に湾曲している。下曲面48は、カバー22の下面に設けられる。下曲面48は、下方に向かって凸に湾曲している。上曲面47と下曲面48とには、滑り止めの溝形状が設けられている。下曲面48の曲率は、上曲面47の曲率よりも大きい。
【0035】
カバー22は、下カバー部51と上カバー部52とを含む。下カバー部51は、ペダル踏部25の下方に位置する。下カバー部51は、ペダル踏部25の底面32に面して配置される。上カバー部52は、ペダル踏部25の上方に位置する。上カバー部52は、ペダル踏部25の上面31に面して配置される。下カバー部51の上下方向における厚さは、上カバー部52の上下方向における厚さよりも大きい。
【0036】
図11に示すように、車両側面視で、第1接線L1とカバー22との接点が、上接点P1と定義される。第1接線L1は、フートステップ17上の所定位置P3を通り、カバー22に上方から接する。所定位置P3は、例えばフートステップ17の上面の前端である。或いは、所定位置P3は、フートステップ17の上面の他の位置であってもよい。車両側面視で、第2接線L2とカバー22との接点が、下接点P2と定義される。第2接線L2は、フートステップ17上の所定位置P3を通りカバー22に下方から接する。車両側面視で、上接点P1と下接点P2とを結ぶ直線L3が延びる方向が、ライダーの足の動作方向A1と定義される。
図11に示すように、車両側面視で、カバー22の動作方向A1の寸法S1は、カバー22の動作方向A1に垂直な方向の寸法S2よりも小さい。
【0037】
図12は、
図11におけるシフトペダル18のXI-XI断面図である。
図12に示すように、ペダル踏部25は、孔42内に配置される。ペダル端部28は、カバー端部41よりも内側方に配置される。カバー22は、第1凸部53と第2凸部54とを含む。第1凸部53と第2凸部54とは、孔42の内面から突出している。第1凸部53は、前内面45から突出している。第1凸部53は、孔42内において、第1の切り欠き37に係止している。第2凸部54は、後内面46から突出している。第2凸部54は、孔42内において、第2の切り欠き38に係止している。それにより、カバー22がペダル踏部25に対して抜け止めされる。
【0038】
本実施形態に係る鞍乗型車両1によれば、カバー22は、孔42内において第1凸部53が第1の切り欠き37に係止することで、ペダル踏部25に対して抜け止めされる。そのため、弾性体製のカバー22がペダル踏部25から強固に抜け止めされると共に、カバー22のペダル踏部25への取り付けが容易になる。
【0039】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0040】
鞍乗型車両1は、オフロードタイプに限らず、ストリートタイプ、モペッドなどの他のタイプの車両であってもよい。シフトペダル18の形状は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。
図13は、第1変形例に係るシフトペダル18の断面図である。
図13に示すように、ペダル端部28は、カバー端部41と面一に配置されてもよい。
【0041】
ペダル踏部25の形状は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。カバー22の形状は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、
図14は、第2変形例に係るペダル踏部25近傍を示すペダル本体21の拡大図である。
図15は、第2変形例に係るペダル踏部25近傍を示すシフトペダル18の拡大図である。
図14及び
図15に示すように。ペダル踏部25は、円筒状の形状を有してもよい。カバー22は、円筒状の形状を有してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明によれば、弾性体製のカバーをシフトペダルから強固に抜け止めすると共に、カバーのシフトペダルへの取り付けが容易になる。
【符号の説明】
【0043】
2:車体
18:シフトペダル
22:カバー
23:軸部
24:アーム部
25:ペダル踏部
26:内側部
27:外側部
28:ペダル端部
33:第1縁部
34:第2縁部
37:第1の切り欠き
38:第2の切り欠き
41:カバー端部
42:孔
53:第1凸部
54:第2凸部