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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173264
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】砂進入防止用カバー体
(51)【国際特許分類】
   A43B 3/18 20220101AFI20241205BHJP
【FI】
A43B3/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091580
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】594011637
【氏名又は名称】株式会社トランサポート
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】端 雅彦
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050JA01
4F050JA04
(57)【要約】
【課題】靴を履きつつカバー体を足首及び靴の双方に容易に固定することができる砂進入防止用カバー体を提供すること。
【解決手段】カバー体1は、靴2の履き口3を覆うように装着され、靴紐4を挿通可能な一対の孔部11,11を左右両端側に備え、足首30に後側から巻き付け、紐孔5,5から引き出された靴紐4の両端4a,4aを一対の孔部11,11に挿通して締めることで、足首30に後側から巻き付けられたカバー体1の左右両端部が前方に引っ張られた状態で靴2の上部に固定されるとともに、足首30の前方で左右両端側が互いに近接して足首30に巻き付くように固定されることで、靴2を履きつつ、カバー体1を足首30及び靴2の双方に容易に固定することができるため使用性が向上する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴の履き口を覆うように装着される砂進入防止用カバー体であって、
靴紐を挿通可能な一対の孔部を両端側に備え、
足首に後側から巻き付け、紐孔から引き出した靴紐の両端を前記一対の孔部に挿通することで装着されることを特徴とする砂進入防止用カバー体。
【請求項2】
前記砂進入防止用カバー体の上縁部の少なくとも一部は伸縮性を有することを特徴とする請求項1に記載の砂進入防止用カバー体。
【請求項3】
前記一対の孔部のうち少なくとも一方の近傍に、足首の前方領域を被覆可能な被覆部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の砂進入防止用カバー体。
【請求項4】
前記被覆部は、前記一対の孔部の近傍に各々設けられ、
前記被覆部同士を係止可能な係止手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の砂進入防止用カバー体。
【請求項5】
前記一対の孔部各々の近傍に、補助孔部が別個に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の砂進入防止用カバー体。
【請求項6】
前記一対の孔部は、前記砂進入防止用カバー体の両端側における上縁部の長手方向の略中央位置と下縁部の長手方向の略中央位置との間に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の砂進入防止用カバー体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴内に砂が進入することを防ぐための砂進入防止用カバー体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スポーツの競技場の一例であるテニスコートのサーフェスとしては、アスファルトの表面をゴムやアクリルなどでコーティングしてなるハードコート、土からなるクレーコート、天然芝からなるグラスコート、人工芝の上に砂を敷いた人工芝コート(所謂オムニコート)、室内型のカーペットコートなどが知られているが、日本国内においては人工芝コートが主流となってきている。
【0003】
人工芝コートでプレーすると、走ったり足を滑らしたときに砂が舞い上がり、靴の中に大量の砂が入り込んで履き心地が悪くなったり、靴下の繊維に砂が入り込むことで、靴を脱いで室内を歩いたときに床に砂が散乱したり洗濯が大変になるといった問題があった。
【0004】
この種の問題を解決する方法として、例えば、略円錐台形状をなす筒状の布製のカバー体を、上縁部に設けられた締め付け部を足首に巻き付けるように固定することで履き口を覆うとともに、カバー体の前裏に取付けたフックを靴紐に引っ掛けて靴に固定することで砂の進入を防止するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、メッシュ生地からなる円弧状のカバー体を、上縁部に設けられた布製の締結ベルトを足首に巻き付け、両端を面ファスナーにて取付けて固定することで履き口を覆うとともに、カバー体に取付けた面ファスナーを靴のかかとに取付けた面ファスナーに係合するとともに、カバー体に取付けたフックを靴紐に引っ掛けて靴に固定することで砂の進入を防止するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3237325号公報
【特許文献2】特許第5486119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1、2に記載のカバー体は、カバー体の上縁部を足首に巻き付けて固定するための固定具と、カバー体の下縁部を靴に固定するための固定具とが別個に必要であるとともに、靴を履いてからカバー体を足首及び靴の双方に固定する必要があるため、装着に手間がかかり使用性が悪いという問題があった。
【0008】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、靴を履きつつカバー体を足首及び靴の双方に容易に固定することができる砂進入防止用カバー体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明の砂進入防止用カバー体は、
靴の履き口を覆うように装着される砂進入防止用カバー体であって、
靴紐を挿通可能な一対の孔部を両端側に備え、
足首に後側から巻き付け、紐孔から引き出した靴紐の両端を前記一対の孔部に挿通することで装着されることを特徴としている。
この特徴によれば、一対の孔部に靴紐の両端を挿通して該靴紐を締めることで、足首に後側から巻き付けられた砂進入防止用カバー体の両端側が前方に引っ張られた状態で靴に固定されるとともに、両端側が互いに近接することで足首に巻き付くように固定されることで、靴を履きつつ、砂進入防止用カバー体を足首及び靴の双方に容易に固定することができるため使用性が向上する。
【0010】
前記砂進入防止用カバー体の上縁部の少なくとも一部は伸縮性を有することを特徴としている。
この特徴によれば、砂進入防止用カバー体の上縁部が足首によりフィットするため、砂の進入がより効果的に防止できる。
【0011】
前記一対の孔部のうち少なくとも一方の近傍に、足首の前方領域を被覆可能な被覆部が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、靴紐の結び目と足首との間の領域を被覆部により覆うことができるため、足首の前方からの砂の進入を防止できる。
【0012】
前記被覆部は、前記一対の孔部の近傍に各々設けられ、
前記被覆部同士を係止可能な係止手段を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、結び目と足首との間をより隙間なく覆うことができる。
【0013】
前記一対の孔部各々の近傍に、補助孔部が別個に設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、靴紐を2個の孔部に挿通してから結ぶことで、靴の紐孔と結び目との間で砂進入防止用カバー体の端部がずれ動くことを防止できる。
【0014】
前記一対の孔部は、前記砂進入防止用カバー体の両端側における上縁部の長手方向の略中央位置と下縁部の長手方向の略中央位置との間に配設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、一対の孔部に挿通した靴紐を締めることで、砂進入防止用カバー体の上縁部及び下縁部双方の長手方向の中央位置が一緒に引っ張られるため、足首及び靴にフィットさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施例としての砂進入防止用カバー体が装着された状態を示す斜視図である。
図2】砂進入防止用カバー体の外面を示す正面図である。
図3】砂進入防止用カバー体を装着する様子を示す側面図である。
図4】(a)は砂進入防止用カバー体の一対の孔部に靴紐を挿通した状態を示す平面図、(b)は靴紐を引っ張った状態を示す平面図である。
図5】(a)は砂進入防止用カバー体の装着状態を示す側面図、(b)は背面図である。
図6】砂進入防止用カバー体の装着状態を示す平面図である。
図7】(a)は靴紐を締めたときの砂進入防止用カバー体を示す側面図、(b)は靴紐を締めたときのカバー体の前部を示す平面図、(c)は靴の紐孔と砂進入防止用カバー体の孔部との位置関係を示す要部概略縦断面図である。
図8】(a)は本発明の変形例としての砂進入防止用カバー体、(b)は靴紐の通し方の変形例、(c)は変形例としての砂進入防止用カバー体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る砂進入防止用カバー体を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0017】
本発明の実施例としての砂進入防止用カバー体について、図1図7に基づいて説明する。尚、以下においては、図2における手前側をカバー体の前方、左右側をカバー体の左右側方、上下側をカバー体の上下方として説明する。また、図2における手前側をカバー体の外面側、反対側を内面側とする。
【0018】
図1に示すように、砂進入防止用カバー体1(以下、カバー体1と略称する)は、テニスシューズ等の靴2を履いた人の足首30に巻き付けられ、靴2の履き口3を覆うように装着されることで、砂の進入を防止する。尚、靴2は、本実施例のようなテニスシューズに限定されるものではなく、テニスシューズ以外の他のスポーツシューズでもよいし、スポーツシューズ以外のスニーカーやブーツ等でもよい。
【0019】
図2に示すように、カバー体1は、伸縮性を有するナイロン製の布地からなり、円弧状をなす上縁部1a及び下縁部1bと、上縁部1aと下縁部1bとを連結する側縁部1c,1dと、により略円弧状(略三日月形状)に形成され、展開可能な有端帯状に構成されている。
【0020】
カバー体1の生地の素材や種類は任意であり、例えば、ポリエステル製など他の布地でもよいし、ウレタン製の生地等であってもよい。また、砂が通過しない程度の目が細かいメッシュ生地等にて構成されていてもよく、このようにすることで靴2内の通気性を確保することができる。
【0021】
カバー体1の上縁部1aは、足首30に巻き付け可能な長さを有しているとともに、下縁部1bは、靴2の履き口3の周縁下方に巻き付き可能な長さを有しており、互いに略平行とされている。また、カバー体1は、上縁部1aの左右方向の中央位置P1と下縁部1bの左右方向の中央位置P2との間の上下寸法L1が最も長寸とされ、左右端側に向けて上下寸法が短寸となるとともに、上縁部1aを足首30に巻き付けたときに下縁部1bが靴2の履き口3よりも下方で靴底に到達しない程度の上下寸法を有している。
【0022】
カバー体1の左右側における側縁部1c,1dの下部近傍位置には、靴紐4を挿通可能な孔部11,11が形成されている。尚、孔部11,11の周囲にはハトメ11aが取付けられて生地の破損が防止されている。また、側縁部1c,1dと上縁部1aとの角部近傍部は、装着したときに足首30の前方において上下に重なる被覆部12,12となっているとともに、被覆部12,12には、係止手段としての一対のスナップ13a,13bが取付けられている。
【0023】
また、図2に示すように、孔部11,11は、円弧状の上縁部1aにおいて最も低位置となる左右方向の中央位置P1の略左右側方位置に設けられている。また、孔部11から上縁部1aの中央位置P1までの長さ寸法L2よりも、孔部11から下縁部1bの中央位置P2までの長さ寸法L3の方が若干長寸であるが大きな寸法差はない。このように孔部11,11は、長さ寸法L2,L3との寸法差が大きくならないように、カバー体1の左右端部における中央位置P1,P2との間に配設されることが好ましい。このようにすることで、後述するように孔部11を中心としてカバー体1の上縁部1aの中央位置P1及び下縁部1bの中央位置P2付近を略均等の力で引っ張ることができる。尚、中央位置P1,P2の略中間位置に配設されればより均等の力で引っ張ることができる。
【0024】
次に、カバー体1を装着する方法について、図3図7に基づいて説明する。
【0025】
まず、図3に示すように、使用者(図示略)は、靴紐4を解いて靴2を履く。次いで、カバー体1を、足首30の後側にて左右端部を前方に向けて湾曲させるように配置した状態で、靴2の複数の紐孔5のうち舌6側から2番目の紐孔5,5から引き出した靴紐4の両端4a,4aを、孔部11,11の外側から挿通するとともに、内側から引き出した両端4a,4aを最も舌6側の紐孔5,5に外側から挿通する。これにより、カバー体1の左右端部が靴紐4を介して靴2に取付けられる。尚、靴紐4の両端4a,4aは最も舌6側の紐孔5,5から引き出されているが、他の紐孔5,5から引き出されてもよい。
【0026】
図4(a)に示すように、カバー体1は、靴紐4の両端4a,4aが孔部11,11に挿通された状態において、靴2の履き口3及び履き口3に挿入された足首30の後方及び左右側方を覆うように平面視略U字形をなすように配置される。このとき、カバー体1の左右側の孔部11,11は、靴2の最も舌6側にある紐孔5,5から離れていてもよい。
【0027】
尚、本実施例では、履き口3に足首30を挿入した状態で靴紐4の両端4a,4aをカバー体1の孔部11,11に挿通して取付けて図4(a)に示す状態としているが、靴紐4の両端4a,4aをカバー体1の孔部11,11に挿通して図4(a)に示す状態としてから履き口3に足首30を挿入してもよい。
【0028】
次いで、図4(b)に示すように、靴紐4の両端4a,4aを交差させるように互いに中央に向けて引っ張って靴紐4を締めることで、カバー体1の左右側の孔部11,11が、靴2の最も舌6側にある紐孔5,5に向けて引っ張られて、紐孔5,5の外面に孔部11,11が重なるように配置される。そして、靴紐4を結ぶことで、カバー体1が足首30及び靴2に保持される。
【0029】
図5(a),(b)及び図6に示すように、カバー体1は、足首30及び靴2に保持された状態において、上縁部1aは、足首30における履き口3の周縁部よりも上方にて略水平に巻き付けられるとともに、下縁部1bは、孔部11付近から後下方に向けて延設され、靴2の履き口3の周縁部より下方であって靴底よりも上方にて巻き付けられる。これにより、靴2の履き口3と足首30との間がカバー体1により外側から覆われるため、履き口3への砂の進入が防止される。
【0030】
また、靴紐4を締めたときに、カバー体1は、図7(a)に示すように、左右方向の中央部が足首30の後側に巻き付けられた状態で、孔部11,11を有する左右両端部が前方に引っ張られる(図7(a)の白矢印で示す方向)。図2にて説明したように、孔部11から上縁部1aの中央位置P1までの長さ寸法L2と、孔部11から下縁部1bの中央位置P2までの長さ寸法L3とに大きな寸法差がないことで、上縁部1aの中央位置P1付近とともに、下縁部1bの中央位置P2付近も略均等の力で前方に引っ張られるため、足首30及び靴2双方にしっかり巻き付けられてフィットする。よって、足首30や靴2との間からの砂の進入が防止されるとともに、足首30に対する上下方向の位置ずれが防止される。また、紐孔5,5は履き口3の周縁と略同じ高さ位置に配設されていることで、孔部11,11が紐孔5,5に重なることで、左右両端側が前方に引っ張られたときにカバー体1の履き口3の周縁部付近が前方に強く引っ張られるため、カバー体1の履き口3の上方近傍が足首30にフィットしやすくなる。
【0031】
また、図7(b),(c)に示すように、カバー体1は、紐孔5,5の外側に孔部11,11が重なるように配置されるとともに、カバー体1の外面における孔部11,11の近傍が靴紐4によって上方から押さえつけられ、靴2の外面における履き口3の周縁部に沿って密着するため、砂が進入しにくくなる。
【0032】
また、図6及び図7(b),(c)に示すように、左右の被覆部12,12が結び目よりも後方位置において一部が上下に重なるように配置されることで、舌6における靴紐4の結び目より履き口3側の領域、つまり、足首30の前方における孔部11,11の間の領域が左右の被覆部12,12により覆われることで、足首30の前方からの砂の進入が防止される。さらに、スナップ13a,13bを係止することで被覆部12,12の捲れが防止される。
【0033】
このように、装着状態においてカバー体1の上縁部1aが足首30に保持されるとともに、左右端側の孔部11,11が靴紐4を介して靴2に保持されることで、足首30及び靴2の双方に対する位置ずれが防止される。また、孔部11,11が紐孔5,5またはその近傍位置に保持されることで、図5(a)に示すように、靴2に対する保持位置が足首30の前側になるため、足首30を背屈または底屈させても孔部11,11の保持位置が大きく動くことがないので、足首30の動きによる位置ずれが抑制される。
【0034】
また、靴紐4の結び目を解いて弛めるだけで、孔部11,11が紐孔5,5から離れてカバー体1が足首30及び靴2から離間するため、カバー体1が邪魔になることなく靴2を脱ぐことができる。また、靴紐4を孔部11,11に挿通したままにすれば、靴紐4を締めることでカバー体1を再び簡単に装着することができる。
【0035】
以上説明したように、本実施例としてのカバー体1にあっては、靴2の履き口3を覆うように装着され、靴紐4を挿通可能な一対の孔部11,11を左右両端側に備え、足首30に後側から巻き付け、紐孔5,5から引き出された靴紐4の両端4a,4aを一対の孔部11,11に挿通することで装着される。
【0036】
これによれば、一対の孔部11,11に靴紐4の両端4a,4aを挿通して該靴紐4を締めることで、足首30に後側から巻き付けられたカバー体1の左右両端側が前方に引っ張られた状態で靴2の上部に固定されるとともに、足首30の前方で左右両端部が互いに近接して足首30に巻き付くように固定されることで、靴2を履きつつ、カバー体1を足首30及び靴2の双方に容易に固定することができるため使用性が向上する。
【0037】
また、カバー体1の上縁部1aを足首30に固定する面ファスナー等の固定具と、靴2に固定するためのフック等の固定具と、を個別に設けることなく、靴2を履くための靴紐4を利用して孔部11,11に挿通するだけで靴2及び足首30に保持することができるため、靴2を履きながらカバー体1を装着したり、靴2を脱ぎながらカバー体1を取外すことができる。
【0038】
また、カバー体1は伸縮性を有することで、カバー体1の上縁部1aが足首30によりフィットするため、砂の進入がより効果的に防止できる。
【0039】
尚、本実施例では、カバー体1の全域が伸縮を有する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上縁部1aの少なくとも一部が伸縮性を有していれば、必ずしも上縁部1a全域や、カバー体1の全域が伸縮性を有していなくてもよい。
【0040】
また、一対の孔部11,11の近傍に、足首の前方領域を被覆可能な被覆部12,12が形成されていることで、靴紐4の結び目と足首30との間の領域を被覆部12,12により覆うことができるため、足首30の前方からの砂の進入を防止できる。
【0041】
また、被覆部12,12は、一対の孔部11,11の近傍に各々設けられており、カバー体1に、一対の被覆部12,12同士を係止可能な係止手段としてのスナップ13a,13bが設けられていることで、結び目と足首30との間をより隙間なく覆うことができる。また、靴紐4を結んだあとに一対の被覆部12,12同士を係止できるため、靴紐4を結ぶときに邪魔にならない。尚、係止手段はスナップに限られるものではなく、面ファスナーやフック等であってもよい。
【0042】
また、一対の孔部11,11は、カバー体1の左右両端部における上縁部1aの長手方向の略中央位置P1と下縁部1bの長手方向の略中央位置P2との間に配設されていることで、一対の孔部11,11に挿通した靴紐4を締めることで、カバー体1の上縁部1a及び下縁部1b双方の長手方向の中央位置P1,P2が一緒に引っ張られるため、足首30及び靴2双方にフィットさせることができる。
【0043】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0044】
例えば、前記実施例では、カバー体1に一対の孔部11,11のみが設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図8(a)に示すように、一対の孔部11,11各々の近傍に、さらに別の補助孔部41,41が設けられていてもよい。このようにすることで、靴紐4の両端4a,4aを2個の孔部11,11及び補助孔部41,41に挿通してから結ぶことで、図8(b)に示すように、靴2の紐孔5,5と結び目との間で孔部11,11及び補助孔部41,41がずれ動くことを防止できる。
【0045】
また、前記実施例では、カバー体1は一対の被覆部12,12を有する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図8(c)に示すように、カバー体1の左右側に必ずしも一対の被覆部12,12が設けられていなくてもよく、上縁部1aの曲率を小さくして略半月形状に形成されていてもよい。言い換えると、図8(a)に示す被覆部12,12は、上縁部1aの左右側に上向きに突設されている。尚、左右いずれか一方の被覆部12のみが設けられていてもよいし、いずれの被覆部12も設けられていなくてもよい。
【0046】
また、一対の孔部11,11を後方に向けて各々別個に2個以上設けてもよい。このようにすることで、足首30のサイズに応じて最適な位置の孔部11を使用できるようにしてもよい。
【0047】
また、前記実施例では、カバー体1は、上縁部1a及び下縁部1bが略円弧状に形成されて略三日月形状をなす形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カバー体1の形状は種々に変形可能であり、特に図示しないが、上縁部1a及び下縁部1bは必ずしも円弧状でなくてもよく、直線状であってもよい。つまり、カバー体1は略三日月形状、略半月形状、略台形状、略長方形状等であってもよい。
【0048】
また、前記実施例では、舌6の先端側から2番目の紐孔5,5から引き出した靴紐4の両端4a,4aを、孔部11,11の外側から挿通して舌6の先端の紐孔5,5に挿通する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、舌6の先端の紐孔5,5から引き出した靴紐4の両端4a,4aを孔部11,11の内側から挿通して外側に引き出すようにしてもよい。つまり、靴紐4を孔部11,11に挿通していれば、挿通態様は種々に変更可能である。また、複数のうちいずれの紐孔5,5から引き出した両端4a,4aを孔部11,11に挿通してもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 カバー体
1a 上縁部
1b 下縁部
1c,1d 側縁部
2 靴
3 履き口
4 靴紐
4a 両端
5 紐孔
6 舌
11 孔部
12 被覆部
13a,13b スナップ(係止手段)
30 足首
41 補助孔部(孔部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8