(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173275
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】反射材付きボラード及び反射板
(51)【国際特許分類】
E01F 13/02 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
E01F13/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091596
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000192615
【氏名又は名称】日鉄神鋼建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 幸裕
【テーマコード(参考)】
2D101
【Fターム(参考)】
2D101CA13
2D101EA02
2D101FA11
2D101FB01
2D101GA22
(57)【要約】
【課題】歩行者が休息のためにつかまることが安全かつ容易な反射材付きボラード及び反射板を提供する。
【解決手段】車両の歩道への侵入を阻止する反射材付きボラード1において、支柱2を備え、支柱2の頂部に、直線状の直線部21bを設け、前記直線部21bに樹脂製の反射板3を取り付け、反射板3は、直線部21bに掛け止められる所定径の円柱状の把持部32と、この把持部32から垂下する垂下部33を有し、少なくとも垂下部33の一面に、反射材31を取り付ける。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の歩道への侵入を阻止する反射材付きボラードであって、
支柱を備え、前記支柱の頂部には、直線状の直線部が設けられ、前記直線部に樹脂製の反射板が取り付けられており、
前記反射板は、前記直線部に掛け止められる所定径の円柱状の把持部と、前記把持部から垂下する垂下部を有し、少なくとも前記垂下部の一面には、反射材が取り付けられ又は形成されていること
を特徴とする反射材付きボラード。
【請求項2】
前記支柱の頂部は、前記歩道側に水平面に対して傾斜する傾斜面が形成され、前記傾斜面の上端が直線状の前記直線部となっていること
を特徴とする請求項1に記載の反射材付きボラード。
【請求項3】
前記反射板は、前記把持部の一面にも反射材が取り付けられ又は形成されていること
を特徴とする請求項1又は2に記載の反射材付きボラード。
【請求項4】
樹脂製の反射板であって、
所定径の円柱状の把持部と、前記把持部から垂下する垂下部と、を備え、
少なくとも前記垂下部の一面には、反射材が取り付けられ又は形成されていること
を特徴とする反射板。
【請求項5】
前記把持部の一面にも反射材が取り付けられ又は形成されていること
を特徴とする請求項4に記載の反射板。
【請求項6】
背面に前記ボラードの支柱に嵌め込むための嵌合部が形成されていること
を特徴とする請求項4又は5に記載の反射板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の歩道への侵入を阻止するボラードに関し、詳しくは、車両のヘッドライトの光を反射して夜間における運転者からの視認性を向上させた反射材付きボラードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
このような反射板付きボラードとしては、例えば、特許文献1には、反射材11が取り付けられた樹脂製のカバー材1で被覆された金属製の芯柱2が開示されている(特許文献1の請求項1、明細書の段落[0019]~[0026]、図面の
図1~
図3等参照)。
【0003】
このようなボラードは、車両の走行速度が低い道路脇に設置され、車両の衝突に対して抵抗しない設計であるN型ボラードと、車両の走行速度が比較的高い道路や交差点での多くの待機歩行者が予想される道路脇に設置され、車両の衝突に対して抵抗する設計であるH型ボラード(耐衝撃性ボラード)に大別される。さらに、H型ボラード(耐衝撃性ボラード)は、想定される衝突エネルギーに応じてHC種(衝突エネルギー85kJ以上)とHB種(衝突エネルギー140kJ以上)に分けられる。
【0004】
近年、交差点での右折車と直進車の事故に巻き込まれて多くの保育園児らが死傷した大津市の事故を一つの契機に、交差点の歩道で待機する歩行者等の保護対策に対するニーズも高まりつつあり、H型ボラード(耐衝撃性ボラード)への注目も集まっている。
【0005】
しかし、横断歩道等に面した交差点開口部等に設置されるH型ボラード(耐衝撃性ボラード)は、ガードパイプ等の車両用防護柵と比べてもレールで連結されていない分、強度的に不利であり、必然的に鋼管の厚さが増大するとともに、大径化し、圧迫感があるものとなる。
【0006】
また、H型ボラード(耐衝撃性ボラード)の高さは、バンパーとの兼合いから0.7m以上0.85m以下の所定の高さに定められており、65歳以上の高齢者の割合が増加してきている現状や歩行困難者が一定数いることを鑑みると、交差点で信号待ちの間に休憩等のため、歩行者がボラードの頂部につかまって休憩することも想定する必要がある。しかし、ボラードは、耐衝撃性や費用の面から鋼製とされることが殆どで、夏季には太陽の輻射熱で熱せられて熱くつかまることが困難で、火傷を起こすおそれもある。
【0007】
例えば、特許文献2には、地上に立設された支柱から横方向に水平部材が設けられ、この水平部材の表層にオレフィン系、スチレン系、又はゴム系の合成樹脂層で被覆された休憩用ポールが開示されている(特許文献2の請求項1、図面の
図1等参照)。
【0008】
しかし、H型ボラード(耐衝撃性ボラード)は、歩道付近の交差点開口部等に設けられる関係上、水平部材を設けると通行の邪魔となる上、径が大きすぎると手で把持できず、つかまりにくいという問題もある。また、前述の特許文献1に記載のカバー材のように、支柱全体に被せることも考えられるが、ボラードの幅が増加し、さらに圧迫感が増すだけでなく、通行の邪魔でもある。
【0009】
さらに、つかまる部分を樹脂製にすると熱伝導率が低く熱く感じずつかまり易いとともに、火傷するおそれが低下するものの、紫外線による劣化が懸念され、一定期間経過後に交換することも考慮する必要があるが、特許文献1に記載の樹脂製のカバー材や特許文献2に記載の休憩用ポールは、交換することがあまり考慮されておらず、しかも交換する必要のある部分の面積が多く、交換コストが嵩むという問題もある。
【0010】
一方、特許文献3には、頂部に斜めに切り取られたような傾斜面が形成され、透明なカバーで覆われた車止めが開示されている(特許文献3の請求項1、明細書の段落[0031]~[0046]、図面の
図1~
図5等参照)。
【0011】
しかし、特許文献3に記載の車止めの頂部に傾斜面が形成されているのは、ICタグや二次元コードの読み取りのためと推測され、透明なカバーで被覆されているのもこれらの媒体を保護するためと推測され、輻射熱で熱せられて危険であることや、高齢者がつかまることを想定していないことは明らかである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2004-124443号公報
【特許文献2】特開2002-339542号公報
【特許文献3】特開2005-273194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、歩行者が休息のためにつかまることが安全かつ容易な反射材付きボラード及び反射板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1発明に係る反射材付きボラードは、車両の歩道への侵入を阻止する反射材付きボラードであって、支柱を備え、前記支柱の頂部には、直線状の直線部が設けられ、前記直線部に樹脂製の反射板が取り付けられており、前記反射板は、前記直線部に掛け止められる所定径の円柱状の把持部と、前記把持部から垂下する垂下部を有し、少なくとも前記垂下部の一面には、反射材が取り付けられ又は形成されていることを特徴とする。
【0015】
第2発明に係る反射材付きボラードは、第1発明において、前記支柱の頂部は、前記歩道側に水平面に対して傾斜する傾斜面が形成され、前記傾斜面の上端が直線状の前記直線部となっていることを特徴とする。
【0016】
第3発明に係る反射材付きボラードは、第1発明又は2発明において、前記反射板は、前記把持部の一面にも反射材が取り付けられ又は形成されていることを特徴とする。
【0017】
第4発明に係る反射板は、樹脂製の反射板であって、所定径の円柱状の把持部と、前記把持部から垂下する垂下部と、を備え、少なくとも前記垂下部の一面には、反射材が取り付けられ又は形成されていることを特徴とする。
【0018】
第5発明に係る反射板は、第4発明において、前記把持部の一面にも反射材が取り付けられ又は形成されていることを特徴とする。
【0019】
第6発明に係る反射板は、第4発明又は第5発明において、背面に前記ボラードの支柱に嵌め込むための嵌合部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
第1発明~第6発明によれば、支柱の頂部に直線状の直線部が設けられ、その直線部に所定径の円柱状の把持部を有する樹脂製の反射板が取り付けられているので、支柱の鋭利な部分を樹脂製の円柱状の把持部で覆うこととなるため、高齢者や歩行困難者などの歩行者が休息のためにボラードにつかまることが安全かつ容易となる。しかも、第1発明~第3発明によれば、反射板は、把持部から垂下する垂下部を有し、その一面には、反射材が取り付けられ又は形成されているので、歩行者が把持部をつかんだ状態でも反射材で車両のヘッドライトの光を反射して夜間における運転者からの視認性を向上させて侵入できないことの注意喚起を促すことができる。
【0021】
特に、第2発明によれば、支柱の頂部の歩道側に、傾斜面が形成されているので、視線に近い部分の背景の透過性が高く、歩道幅員が広く見えるため、ボラードによる圧迫感を解消することができる。また、子供の目線からの遮蔽物が低減され、閉塞感を解消することができる。その上、傾斜面で冬季にも支柱の頂部に雪が積もることを防ぎ、反射材が雪で隠蔽されることを防ぐ効果が期待できる。
【0022】
特に、第3発明によれば、把持部の一面にも反射材が取り付けられ又は形成されているので、夜間における運転者からの視認性がさらに向上するとともに、反射材でT字状の反射光が視認できるので、心理的に侵入できないことを認識することができる。
【0023】
第4発明~第6発明によれば、所定径の円柱状の把持部と、この把持部から垂下する垂下部と、を備え、少なくとも前記垂下部の一面には、反射材が取り付けられ又は形成されているので、ボラードに装着した場合に、歩行者が休息のためにボラードにつかまることが安全かつ容易となる。また、歩行者が把持部をつかんだ状態でも反射材で車両のヘッドライトの光を反射して夜間における運転者からの視認性を向上させて侵入できないことの注意喚起を促すことができる。
【0024】
特に、第5発明によれば、把持部の一面にも反射材が取り付けられ又は形成されているので、夜間における運転者からの視認性がさらに向上するとともに、反射材でT字状の反射光が視認できるので、心理的に侵入できないことを認識することができる。
【0025】
特に、第6発明によれば、背面に前記ボラードの支柱に嵌め込むための嵌合部が形成されているので、ボラードへの嵌着力が高くなり、外れ難くなっており、何かが接触して反射板が外れたり、いたずらで外されたりすることが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る反射材付きボラードを車道側から見た正面図である。
【
図2】
図2は、同上の反射材付きボラードを示す右側面図である。
【
図3】
図3は、同上の反射材付きボラードを示す水平断面図である。
【
図4】
図4は、同上の反射材付きボラードの上部の正面側を示す正面写真である。
【
図5】
図5は、同上の反射材付きボラードの上部の平面側を示す背面写真である。
【
図6】
図6は、同上の反射材付きボラードの反射板を示す正面図である。
【
図8】
図8は、同上の反射板を示す鉛直断面図である。
【
図10】
図10は、同上の反射板に貼着する反射シールを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態に係る反射材付きボラードについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
[反射材付きボラード]
図1~
図5を用いて、本発明の実施形態に係る反射材付きボラード1(以下、単にボラード1ともういう)について説明する。本実施形態に係る反射材付きボラード1として、横断歩道等に面した車両用防護柵のない交差点開口部等に設置されるH型ボラード(耐衝撃性ボラード)の衝突エネルギー85kJ以上の耐久性能があるH
C種(衝突エネルギー85kJ以上の耐久性能があるもの)を例示して説明する。
【0029】
図1は、本実施形態に係る反射材付きボラード1を車道側から見た正面図であり、
図2は、反射材付きボラード1を示す右側面図であり、
図3は、本実施形態に係る反射材付きボラード1を示す平面図である。また、
図4は、反射材付きボラード1の上部の正面側を示す正面写真であり、反射材付きボラード1の上部の平面側を示す背面写真である。
【0030】
図1~
図5に示すように、反射材付きボラード1は、1000mm~1500mmの所定のピッチで立設される複数の支柱2,2と、これらの支柱2の上部に装着される複数の反射板3,3など、から構成されている。また、支柱2は、
図1,
図2に示すように、コンクリート製の独立基礎4に形成された直径182mmの穴4aに、モルタルM及び砂Sを用いて立設されている。
【0031】
図1,2に示すように、反射材付きボラード1として、独立基礎4に支柱2が立設されたものを例示したが、複数の支柱の基礎が連続した連続基礎としてもよいし、コンクリート製の基礎がなく、支柱2が地盤に埋設されて立設された土中式としてもよいことは云うまでもない。なお、土中式とする場合は、地盤地中に1500mm以上埋設する。
【0032】
(支柱)
支柱2は、筒状鋼管からなる支柱本体20の上端に、鋼材からなるキャップ部21が六角穴付きボルトB1で接合されており、支柱本体20とキャップ部21との境界には、道路と歩道の境界を明示する視線誘導のための反射体22aを有する反射リング22が装着されている。
【0033】
支柱本体20は、
図2に示すように、直径114.3mm×高さ660mm×厚さ4.5mmの鋼管であり、その鋼管の鉄素地に亜鉛めっき、皮膜化成、ベースコート、トップコートからなる塩害防止塗装が施されている。勿論、支柱本体20には、塩害防止塗装が施されているのではなく、一般的な塗装が施されていても構わない。
【0034】
キャップ部21は、支柱本体20と同様に、塩害防止塗装が施された直径114.3mm×厚さ4.5mmの鋼管の上部が閉塞された部材であり、閉塞された上部が水平面に対して傾斜する傾斜面21aとなっている。勿論、キャップ部21には、支柱本体20と同様に塩害防止塗装が施されているのではなく、一般的な塗装が施されていてもよいことは云うまでもない。そして、支柱2は、この傾斜面21aが車道側と反対方向となる歩道側に向くように設置されている。
【0035】
このため、反射材付きボラード1は、視線に近い支柱2の上端部分の背景の透過性が高く、歩道幅員が広く見える。このため、反射材付きボラード1は、設置した場合に通行人が受ける圧迫感を解消することができる。また、子供の目線からの遮蔽物が低減され、閉塞感を解消することができる。その上、反射材付きボラード1は、傾斜面21aで冬季にも支柱2の頂部に雪が積もることを防ぎ、反射板3が雪で隠蔽されることを防ぐことが期待できる。
【0036】
また、この傾斜面21aの上端は、略水平な直線状の直線部21bとなっており、この略水平な直線部21bに樹脂製の反射板3が掛け止められて装着されている。
【0037】
次に、
図6~
図10を用いて、反射板3について説明する。
図6は、反射材付きボラード1の反射板3を示す正面図であり、
図7は、反射板3を示す背面図であり、
図8は、反射板3を示す鉛直断面図である。また、
図9は、反射板3を示す斜視図であり、
図10は、反射板3に貼着する反射シールを示す正面図である。
【0038】
本発明の実施形態に係る反射板3は、幅120.5mm×高さ115.5mmのT字状の板本体30を基体とし、この板本体30に反射材31が貼着されて反射材31で車両のヘッドライトの光を反射して夜間における運転者からの視認性を向上させて道路と歩道の境界を明示する機能を有している。
【0039】
板本体30は、リサイクル性に優れた樹脂である。例えば、板本体30は、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル-スチレン-アクリル系ゴム共重合樹脂(ASA樹脂)、アクリロニトリル-エチレン・プロピレン系ゴム-スチレン共重合樹脂(AES樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS樹脂)などからなり、または、これらリサイクル性に優れた樹脂の組み合わせからなる。板本体30は、このような樹脂であることで、反射材付きボラード1を解体処分などする際に、キャップ部21と板本体30を分離させて、リサイクルすることができるからである。この板本体30は、前述の直線部21bに掛け止められる円柱状の把持部32と、この把持部32から直線状に垂下する垂下部33を有した正面視T字状を呈したT字状の部材となっている。また、リサイクル性に優れた樹脂は、リサイクル性に加えて、耐候性に優れた樹脂としてもよい。例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル-スチレン-アクリル系ゴム共重合樹脂(ASA樹脂)、アクリロニトリル-エチレン・プロピレン系ゴム-スチレン共重合樹脂(AES樹脂)、又はこれらの組み合わせを例示することができる。常時屋外に設置される反射板3の耐久性が向上するからである。
【0040】
この把持部32の円柱状の直径は、人の手で握り易い所定の径となっており、本実施形態では、直径24mm程度に設定されている。このため、人の手で握り易く、高齢者や歩行困難者などの歩行者が休息のためにこの把持部32を握ってボラード1につかまることが容易となっている。
【0041】
また、
図7,
図8に示すように、把持部32の支柱2側となる背面には、断面扇形状の欠込み34が形成されており、反射板3は、この欠込み34に、前述のキャップ部21の傾斜面21aの上端である直線部21bを掛け止めて支柱2に装着されている。
【0042】
それに加え、把持部32及び垂下部33の道路側となる正面側には、反射材31を挿置する正面視T字状の凹部35が形成されている。
【0043】
さらに、
図7,
図8に示すように、反射板3の背面には、支柱2のキャップ部21に嵌め込むための嵌合部36が形成されている。このため、反射板3は、欠込み34でキャップ部21の直線部21bに掛け止められているとともに、嵌合部36で図示しないキャップ部21の穴に嵌着されており、外れ難くなっている(
図2も参照)。よって、反射板3は、何かが接触して外れたり、いたずらで外されたりすることが少なくなっている。
【0044】
図4,
図6,
図10に示すように、本実施形態に係る反射材31は、オラフォル社製のシルバー色の反射シール(品番:AP1000DL)となっている。勿論、本発明に係る反射材は、反射シールに限られず、厚みのある樹脂製の反射体が嵌め込まれていたり、一部が光を乱反射するよう形成されていたりすればよいことは云うまでもない。
【0045】
また、反射材31として、把持部32及び垂下部33に及ぶ正面視T字状の凹部35に、この凹部35に対応する正面視T字状の反射シールが貼着されているものを例示した。しかし、凹部35及び反射材31は、いずれも少なくとも垂下部33に対応する正面側となる一面にI字状に設けられていればよい。前述のように、把持部32を歩行者(通行人)がつかんだ状態でも反射材31でヘッドライトの光を反射するためである。
【0046】
但し、反射材31は、本実施形態のように、正面視T字状とすることが好ましい。夜間における運転者からの視認性がさらに向上するとともに、反射材31でT字状の反射光が視認できるので、心理的に侵入できないことを認識することができるからである。
【0047】
以上説明した本発明の実施形態に係る反射材付きボラード1及び反射板3によれば、支柱2の頂部に直線状の直線部21bが設けられ、その直線部21bに所定径の円柱状の把持部32を有する樹脂製の反射板3が取り付けられている。このため、ボラード1及び反射板3によれば、鋭利となる支柱2の傾斜面21aの先端にあたる直線部21bを樹脂製の円柱状の把持部32で覆うこととなるため、歩行者が休息のためにボラード1につかまることが安全かつ容易となる。
【0048】
また、ボラード1及び反射板3によれば、垂下部33の一面には、ヘッドライトの光を反射する反射材31が取り付けられているので、歩行者が把持部32をつかんだ状態でも反射材31でヘッドライトの光を反射して夜間における運転者からの視認性を向上させて侵入できないことの注意喚起を促すことができる。
【0049】
さらに、ボラード1及び反射板3によれば、把持部32の一面にも反射材31が取り付けられているので、夜間における運転者からの視認性がさらに向上するとともに、反射材で31T字状の反射光が視認できるので、心理的に侵入できないことを認識することができる。
【0050】
それに加え、反射板3によれば、欠込み34でキャップ部21の直線部21bに掛け止められているとともに、嵌合部36でキャップ部21に嵌着されており、反射板3が支柱2から外れ難くなっている。よって、反射板3は、何かが接触して外れたり、いたずらで外されたりするおそれが少なくなっている。
【0051】
以上、本発明の実施形態に係る反射材付きボラード1及び反射板3について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎない。よって、例示した実施形態によって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。特に、実施形態として例示した寸法や材質は、あくまでも一例と例示したもので、適宜、設定、変更できることは云うまでもない。
【符号の説明】
【0052】
1:(反射材付き)ボラード
2:支柱
20:支柱本体
21:キャップ部
21a:傾斜面
21b:直線部
22:反射リング
22a:反射体
3:反射板
30:板本体
31:反射シール(反射材)
32:把持部
33:垂下部
34:欠込み
35:凹部
36:嵌合部
4:独立基礎
4a:穴
B1:六角穴付きボルト
M:モルタル
S:砂