(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173287
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】鞍乗型車両
(51)【国際特許分類】
B62J 45/00 20200101AFI20241205BHJP
B62J 11/19 20200101ALI20241205BHJP
B62K 11/04 20060101ALI20241205BHJP
B62K 19/30 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B62J45/00
B62J11/19
B62K11/04 E
B62K19/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091610
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001531
【氏名又は名称】弁理士法人タス・マイスター
(72)【発明者】
【氏名】大石 伸明
【テーマコード(参考)】
3D011
3D212
【Fターム(参考)】
3D011AF04
3D011AK12
3D011AK14
3D011AL41
3D212BH06
3D212BH08
(57)【要約】
【課題】鞍乗型車両において、モータコントロールユニットの熱対策をするとともに、モータコントロールユニットに接続される電気ケーブルを短縮し且つスペースを有効活用できるようにする。
【解決手段】鞍乗型車両1は、クラッチモータ141及び/又はシフトモータ142を含むアクチュエータ機構14と、モータコントロールユニット15と、電気ケーブル16と、メインハーネス17と、を備える。モータコントロールユニット15は、左右中央線CLからモータコントロールユニット15までの距離L1が、左右中央線CLからモータコントロールユニット分岐部171までの距離L2よりも長くなり、且つ、少なくとも一部がフロントフォーク12よりも後ろに位置するとともにクラッチモータ141及び/又はシフトモータ142よりも前に位置するように、メインハーネス17が保持されるフレーム112に取り付けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドパイプと、上面視で前記ヘッドパイプから後ろに向かって伸びるとともに、前記ヘッドパイプを通り前後方向に伸びる左右中央線よりも左右方向にずれて配置されるフレームと、を含む車体と、
前記ヘッドパイプに支持されたフロントフォークと、
複数のギアを含む多段変速機と、
前記ヘッドパイプよりも後ろに配置されたクラッチモータ及び/又は前記ヘッドパイプよりも後ろに配置されたシフトモータを含み、前記多段変速機のギアを変更するアクチュエータ機構と、
前記クラッチモータ及び/又は前記シフトモータを制御するモータコントロールユニットと、
前記モータコントロールユニットと前記クラッチモータ及び/又は前記シフトモータとを繋ぐ電気ケーブルと、
前記電気ケーブルの途中区間を他の電気ケーブルとともに束ねるメインハーネスと、を備える鞍乗型車両であって、
前記モータコントロールユニットは、
前記左右中央線から前記モータコントロールユニットまでの前記左右方向の距離が、前記左右中央線から前記電気ケーブルの前記モータコントロールユニットに接続される端部が前記メインハーネスから分岐するモータコントロールユニット分岐部までの前記左右方向の距離よりも長くなり、且つ、
少なくとも一部が前記フロントフォークよりも後ろに位置するとともに前記クラッチモータ及び/又は前記シフトモータよりも前に位置するように、
前記メインハーネスが保持される前記フレームに取り付けられる。
【請求項2】
請求項1に記載の鞍乗型車両であって、
前記鞍乗型車両は更に、
前記ヘッドパイプに支持されるステアリングハンドルと、
前記ステアリングハンドルに設けられ、前記多段変速機のギアを変更可能なシフト操作子と、を備え、
前記モータコントロールユニットは、
少なくとも一部が前記シフト操作子よりも下に位置するとともに前記クラッチモータ及び/又は前記シフトモータよりも上に位置するように、前記メインハーネスが保持される前記フレームに取り付けられる。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の鞍乗型車両であって、
前記鞍乗型車両は、
前記ヘッドパイプに支持され、前記左右中央線を挟んで左右に配置された2つのフロントフォークを備え、
前記モータコントロールユニットは、
前記鞍乗型車両が直立無転舵の状態で、少なくとも一部が前記左右方向において前記2つのフロントフォークいずれかの外縁よりも外に位置するように、前記メインハーネスが保持される前記フレームに取り付けられる。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の鞍乗型車両であって、
前記鞍乗型車両は更に、
前記車体に取り付けられ、前記鞍乗型車両の運転者が着座するシートを備え、
前記モータコントロールユニットは、
少なくとも一部が前記フロントフォークよりも後ろに位置するとともに前記シートよりも前に配置された前記クラッチモータ及び/又は前記シートよりも前に配置された前記シフトモータよりも前に位置するように、前記メインハーネスが保持される前記フレームに取り付けられる。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の鞍乗型車両であって、
前記モータコントロールユニットは、
前記モータコントロールユニット分岐部から前記モータコントロールユニットまでの前記電気ケーブルの長さが、前記モータコントロールユニット分岐部から前記クラッチモータ及び/又は前記シフトモータまでの前記電気ケーブルの長さよりも短くなるように、前記メインハーネスが保持される前記フレームに取り付けられる。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の鞍乗型車両であって、
前記モータコントロールユニットは、
前記モータコントロールユニットの全体が前記左右中央線よりも前記鞍乗型車両の左右方向にずれるように、前記メインハーネスが保持される前記フレームに取り付けられる。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の鞍乗型車両であって、
前記モータコントロールユニットは、
前記鞍乗型車両の側面視での前記モータコントロールユニットの面積が前記鞍乗型車両の正面視及び上面視での前記モータコントロールユニットの面積よりも大きくなるように、前記メインハーネスが保持される前記フレームに取り付けられる。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の鞍乗型車両であって、
前記フレームは、前記左右中央線よりも左に配置される左フレームと、前記左右中央線よりも右に配置される右フレームと、を含み、
前記モータコントロールユニットは、
前記左右中央線から前記モータコントロールユニットまでの前記左右方向の距離が、前記左右中央線から前記モータコントロールユニット分岐部までの前記左右方向の距離よりも長くなり、且つ、
少なくとも一部が前記フロントフォークよりも後ろに位置するとともに前記クラッチモータ及び/又は前記シフトモータよりも前に位置するように、
前記メインハーネスが保持される前記左フレームに取り付けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車に代表される鞍乗型車両として、各種モータを制御するモータコントロールユニットを搭載した鞍乗型車両が知られている。モータコントロールユニットを搭載した鞍乗型車両は、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1の鞍乗型車両では、モータコントロールユニットは変速機を電子制御する。具体的には、モータコントロールユニットは、シフトレバーが操作されることで送信されるシフト検出信号を受信する。モータコントロールユニットは、受信したシフト検出信号に基づいてクラッチアクチュエータ及びシフトアクチュエータを制御し、変速機のギアを変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モータコントロールユニットは、電子部品を含むため熱の影響を受けにくい場所に配置されるのが望ましい。例えば、エンジンのすぐ近く等の場所にモータコントロールユニットを配置することは避けたいところである。特許文献1の鞍乗型車両では、モータコントロールユニットは、シートの下に配置され、シートよりも前に配置されるエンジンから離れている。そのため、モータコントロールユニットは、熱の影響を受けにくい。
【0005】
しかしながら、変速機はエンジンに隣接して配置されるため、クラッチアクチュエータ及びシフトアクチュエータは必然的にエンジンの近傍に配置される。モータコントロールユニットがエンジン及び変速機と離れて配置されると、モータコントロールユニットとクラッチアクチュエータ及びシフトアクチュエータとを接続する電気ケーブルが長くなる。電気ケーブルが長くなるほど、コストや重量が増加する。
【0006】
また、鞍乗型車両ではシートの下は、小物を収容するスペースに利用されたり、ユーザが操作する車載器(例えばETCシステム用車載器)の配置スペースに利用されたりする。そのため、シートの下のスペースは、可能な限り広くするのが望ましい。
【0007】
本発明の目的は、モータコントロールユニットの熱対策をするとともに、モータコントロールユニットに接続される電気ケーブルを短縮し且つスペースを有効活用できる鞍乗型車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、モータコントロールユニットの熱対策について検討した。本発明者は、モータコントロールユニットを適切に冷却できれば、例えば特許文献1の鞍乗型車両のようにモータコントロールユニットをエンジンから十分離して配置しなくてもよいと考えた。モータコントロールユニットを冷却する手段として、走行風を利用することが考えられる。モータコントロールユニットが走行風を受けるには、鞍乗型車両の前部にモータコントロールユニットを配置すればよい。ただし、鞍乗型車両の前部には、ヘッドライト、フロントカバー、フロントフォーク等が車幅方向の中央付近に配置される。これらの部品の真後ろにモータコントロールユニットを配置すると、モータコントロールユニットに走行風が当たりにくい。
【0009】
本発明者は、モータコントロールユニットに接続される電気ケーブルの短縮について検討した。モータコントロールユニットは、電気ケーブルを介してクラッチモータ及び/又はシフトモータに接続される。モータコントロールユニットは、例えばシフト操作子からの入力に基づいてクラッチモータ等を制御する。電気ケーブルの長さは、モータコントロールユニットと、モータコントロールユニットの接続先との距離に依存する。
加えて、モータコントロールユニットに接続される電気ケーブルは、組み立て性の向上のためにメインハーネスに束ねられる。メインハーネスに束ねられた電気ケーブルは、モータコントロールユニットの近傍においてメインハーネスから分岐し、モータコントロールユニットに接続される。一般に、メインハーネスは、フレームに固定される。フレームは、エンジン、燃料タンク等の車幅方向の中央に配置される部材を支持する。そのため、フレームは、ヘッドパイプから左右に分かれて後方に伸びることが多い。メインハーネスは、このフレームに固定されるため、車幅方向の左右のどちらかにずれて配置される。モータコントロールユニットが車幅方向の中央に配置されると、メインハーネスとモータコントロールユニットとの距離が長くなり、電気ケーブルにおけるメインハーネスから分岐する部分からモータコントロールユニットまでの区間が長くなる。
【0010】
本発明者は、スペースの有効活用について検討した。一般に、鞍乗型車両では、クランクケースにクランク軸及び変速機が収容される。鞍乗型車両に搭載される変速機としては、例えば多段変速機と無段変速機とが挙げられる。多段変速機は、無段変速機よりも構造が複雑である。そのため、多段変速機を備える鞍乗型車両のクランクケースのサイズは、無段変速機を備える鞍乗型車両よりも大きくなりやすい。また、クランクケースの上には、例えばスタータモータ、チェーンテンショナ、冷却系のサーモスタット、スロットルバルブ等が配置される。このように、鞍乗型車両では、車幅が狭いにも関わらず様々な部品が配置されるため、荷物を収容するスペースは制約される。多段変速機を備える鞍乗型車両ではなおさらである。
【0011】
以上のように、本発明者は、熱対策、モータコントロールユニットに接続される電気ケーブルを短縮及びスペースの有効活用の全てを達成できるモータコントロールユニットの配置について検討した。その結果、本発明者は、以下の本願発明を着想した。
【0012】
(1)本発明の鞍乗型車両は、ヘッドパイプと、上面視でヘッドパイプから後ろに向かって伸びるとともに、ヘッドパイプを通り前後方向に伸びる左右中央線よりも左右方向にずれて配置されるフレームと、を含む車体と、ヘッドパイプに支持されたフロントフォークと、複数のギアを含む多段変速機と、ヘッドパイプよりも後ろに配置されたクラッチモータ及び/又はヘッドパイプよりも後ろに配置されたシフトモータを含み、多段変速機のギアを変更するアクチュエータ機構と、クラッチモータ及び/又はシフトモータを制御するモータコントロールユニットと、モータコントロールユニットとクラッチモータ及び/又はシフトモータとを繋ぐ電気ケーブルと、電気ケーブルの途中区間を他の電気ケーブルとともに束ねるメインハーネスと、を備える。モータコントロールユニットは、左右中央線からモータコントロールユニットまでの左右方向の距離が、左右中央線から電気ケーブルのモータコントロールユニットに接続される端部がメインハーネスから分岐するモータコントロールユニット分岐部までの左右方向の距離よりも長くなり、且つ、少なくとも一部がフロントフォークよりも後ろに位置するとともにクラッチモータ及び/又はシフトモータよりも前に位置するように、メインハーネスが保持されるフレームに取り付けられる。
【0013】
上記の鞍乗型車両では、モータコントロールユニットは、左右方向の中央から左又は右にずれ、且つ、電気ケーブルがメインハーネスから分岐するモータコントロールユニット分岐部よりも左右方向において外方に配置される。このような構成の一例として、メインハーネスがフレームの内方に取り付けられ、モータコントロールユニットがフレームの外方に取り付けられる構成が挙げられる。このような構成により、モータコントロールユニットは、走行風を受けやすい。
また、モータコントロールユニットは、メインハーネスが保持されるフレームに取り付けられ、メインハーネスに近い位置に配置される。モータコントロールユニットは、前後方向においてフロントフォークとクラッチモータ(及び/又はシフトモータ)との間に配置される。そのため、例えばモータコントロールユニットと接続されるシフト操作子がステアリングハンドルに設けられる場合、前後方向において、モータコントロールユニットとその接続先であるシフト操作子との距離及びモータコントロールユニットとその接続先であるクラッチモータ(及び/又はシフトモータ)との距離の両方が短くなる。このような構成により、モータコントロールユニットに接続される電気ケーブルの長さが短縮される。
更に、上述の構成によりモータコントロールユニットは、例えばシート下等の空間に配置されない。そのため、モータコントロールユニットが収容スペースのサイズに与える影響を最小限にできる。
したがって、上記の鞍乗型車両によれば、モータコントロールユニットの熱対策をするとともに、モータコントロールユニットに接続される電気ケーブルを短縮し且つスペースを有効活用できる。
【0014】
(2)上記(1)の鞍乗型車両は更に、ヘッドパイプに支持されるステアリングハンドルと、ステアリングハンドルに設けられ、多段変速機のギアを変更可能なシフト操作子と、を備えていてもよい。モータコントロールユニットは、少なくとも一部がシフト操作子よりも下に位置するとともにクラッチモータ及び/又はシフトモータよりも上に位置するように、メインハーネスが保持されるフレームに取り付けられてもよい。
【0015】
上記(2)の鞍乗型車両では、モータコントロールユニットは、上下方向においてシフト操作子とクラッチモータ(及び/又はシフトモータ)との間に配置される。そのため、上下方向において、モータコントロールユニットとその接続先であるシフト操作子との距離及びモータコントロールユニットとその接続先であるクラッチモータ(及び/又はシフトモータ)との距離の両方が短くなる。つまり、電気ケーブルの前後方向の長さの短縮に加えて、上下方向の長さも短縮される。したがって、この鞍乗型車両によれば、モータコントロールユニットの熱対策をするとともに、モータコントロールユニットに接続される電気ケーブルを更に短縮し且つスペースを有効活用できる。
【0016】
(3)上記(1)又は(2)の鞍乗型車両は、ヘッドパイプに支持され、左右中央線を挟んで左右に配置された2つのフロントフォークを備えていてもよい。モータコントロールユニットは、鞍乗型車両が直立無転舵の状態で、少なくとも一部が左右方向において2つのフロントフォークいずれかの外縁よりも外に位置するように、メインハーネスが保持されるフレームに取り付けられてもよい。
【0017】
上記(3)の鞍乗型車両では、モータコントロールユニットの少なくとも一部は、左フロントフォークよりも左又は右フロントフォークよりも右に位置する。そのため、モータコントロールユニットが走行風を受けやすい。したがって、この鞍乗型車両によれば、モータコントロールユニットの熱対策を更に向上させることができるとともに、モータコントロールユニットに接続される電気ケーブルを短縮し且つスペースを有効活用できる。
【0018】
(4)上記(1)~(3)のいずれかの鞍乗型車両は更に、車体に取り付けられ、鞍乗型車両の運転者が着座するシートを備えていてもよい。モータコントロールユニットは、少なくとも一部がフロントフォークよりも後ろに位置するとともにシートよりも前に配置されたクラッチモータ及び/又はシートよりも前に配置されたシフトモータよりも前に位置するように、メインハーネスが保持されるフレームに取り付けられてもよい。
【0019】
鞍乗型車両のシートの前端付近は、左右方向の幅が小さく、くびれている。メインハーネスは、例えばリアウィンカー、テールランプ等に接続される電気ケーブルを束ねる。そのため、メインハーネスは、車両前部からくびれ部を通り、車両後部に至る。上記(4)の鞍乗型車両では、クラッチモータ(及び/又はシフトモータ)がシートよりも前に配置されるため、モータコントロールユニットに接続される電気ケーブルがくびれ部を通らない。これにより、くびれ部を通るメインハーネスを細くすることができ、シート下の収容スペースを広くすることができる。したがって、この鞍乗型車両によれば、モータコントロールユニットの熱対策をするとともに、モータコントロールユニットに接続される電気ケーブルを短縮し且つスペースを更に有効活用できる。
【0020】
(5)上記(1)~(4)のいずれかの鞍乗型車両において、モータコントロールユニットは、モータコントロールユニット分岐部からモータコントロールユニットまでの電気ケーブルの長さが、モータコントロールユニット分岐部からクラッチモータ及び/又はシフトモータまでの電気ケーブルの長さよりも短くなるように、メインハーネスが保持されるフレームに取り付けられてもよい。
【0021】
上記(5)の鞍乗型車両では、モータコントロールユニットとモータコントロールユニット分岐部との距離が短いため、モータコントロールユニットはメインハーネスの近くに配置される。そのため、電気ケーブルの端部、すなわちモータコントロールユニット分岐部からモータコントロールユニットまでの電気ケーブルの区間が短い。したがって、この鞍乗型車両によれば、モータコントロールユニットの熱対策をするとともに、モータコントロールユニットに接続される電気ケーブルを更に短縮し且つスペースを有効活用できる。
【0022】
(6)上記(1)~(5)のいずれかの鞍乗型車両において、モータコントロールユニットは、モータコントロールユニットの全体が左右中央線よりも鞍乗型車両の左右方向にずれるように、メインハーネスが保持されるフレームに取り付けられてもよい。
【0023】
上記(6)の鞍乗型車両では、モータコントロールユニットの全体が左右方向の中央から左又は右にずれて配置される。したがって、この鞍乗型車両によれば、モータコントロールユニットの熱対策を更に向上させることができるとともに、モータコントロールユニットに接続される電気ケーブルを短縮し且つスペースを有効活用できる。
【0024】
(7)上記(1)~(6)のいずれかの鞍乗型車両において、モータコントロールユニットは、鞍乗型車両の側面視でのモータコントロールユニットの面積が鞍乗型車両の正面視及び上面視でのモータコントロールユニットの面積よりも大きくなるように、メインハーネスが保持されるフレームに取り付けられてもよい。
【0025】
鞍乗型車両では、フロントフォークとクラッチモータ(及び/又はシフトモータ)との間にエンジン、駆動系等の様々な部品が配置される。その一方で、鞍乗型車両には小型化が要求される。モータコントロールユニットが、例えば最も広い面が上下方向を向くように配置されると、フレームからの突出量が大きくなる。これに対し、上記(7)の鞍乗型車両では、モータコントロールユニットがフレームから突出量を抑えるように配置される。したがって、この鞍乗型車両によれば、上述の効果に加えて、鞍乗型車両の大型化を抑制できる。
【0026】
(8)上記(1)~(7)のいずれかの鞍乗型車両において、フレームは、左右中央線よりも左に配置される左フレームと、左右中央線よりも右に配置される右フレームと、を含んでいてもよい。モータコントロールユニットは、左右中央線からモータコントロールユニットまでの左右方向の距離が、左右中央線からモータコントロールユニット分岐部までの左右方向の距離よりも長くなり、且つ、少なくとも一部がフロントフォークよりも後ろに位置するとともにクラッチモータ及び/又はシフトモータよりも前に位置するように、メインハーネスが保持される左フレームに取り付けられてもよい。
【0027】
鞍乗型車両では、一般に、ブレーキレバー及びペダルは車両の右部に設けられる。そのため、ブレーキ圧を制御する油圧ユニットも車両の右部に設けられるのが望ましい。上記(8)の鞍乗型車両では、モータコントロールユニットが車両の左部に設けられる。これにより、車両の右部に油圧ユニットを配置するスペースを作ることができる。したがって、この鞍乗型車両によれば、上述の効果に加えて、ブレーキ系をコンパクトにすることができる。
【0028】
以下、本発明の各構成及び用語等について説明する。
【0029】
「鞍乗型車両」は、例えば輸送機器である。鞍乗型車両は、例えば人が運転する乗物である。鞍乗型車両は、例えば運転者がシートに跨って着座する形式の車両である。鞍乗型車両では、例えば、着座した運転者の左足は鞍乗型車両の左右方向における中央より左に位置し、右足は鞍乗型車両の左右方向における中央より右に位置する。鞍乗型車両は、例えば自動二輪車である。鞍乗型車両は、自動二輪車に限定されず、例えば自動三輪車であってもよい。鞍乗型車両は、例えば、2つ又は3つの車輪を備える。鞍乗型車両は、例えば、少なくとも1つの前輪と、少なくとも1つの後輪とを備える。鞍乗型車両の種類は、特に限定されず、例えば、モペット型、オフロード型、オンロード型である。鞍乗型車両は、車室を有していてもよい。鞍乗型車両は、例えばエンジンが生成する動力のみによって走行するエンジン車両である。鞍乗型車両は、例えばエンジン及び電気モータを搭載したハイブリッド車両であってもよい。鞍乗型車両は、例えば電気モータが生成する動力のみによって走行する電動車両であってもよい。
【0030】
「フレーム」は、例えば鞍乗型車両の骨格を形成する。フレームは、例えば金属製パイプで構成される。フレームは、例えば少なくともヘッドパイプ及びメインフレームを含む。メインフレームは、例えば上面視で鞍乗型車両の前後方向に伸びる。メインフレームは、例えば左右方向、前後方向及び上下方向それぞれにおいて、斜めに伸びていてもよいし、湾曲していてもよい。メインフレームは、例えば上面視で全体として前後方向に伸びていればよい。メインフレームは、例えば上面視で左右中央線を挟んで左右に二又状に分かれ、後ろに伸びる。左右中央線は、例えば上面視でヘッドパイプ上端の中心を通る。メインフレームは、例えば動力源貯蔵部を支持する。動力源貯蔵部は、例えば燃料タンク、バッテリである。
【0031】
フレームは、例えばメインフレームよりも下に配置されるダウンフレームを含んでいてもよい。ダウンフレームは、例えば上面視で左右中央線を挟んで左右に二又状に分かれる。ダウンフレームは、例えばヘッドパイプから後ろ且つ斜め下に伸びる。ダウンフレームは、例えばエンジンを支持するエンジン支持部を含む。
【0032】
フレームは、例えばメインフレームとダウンフレームとを繋ぐサポートフレームを含んでいてもよい。サポートフレームは、例えばクラッチモータ及び/又はシフトモータよりも前の位置でメインフレームと繋がる。サポートフレームは、例えばエンジン支持部よりもヘッドパイプに近い位置でダウンフレームと繋がる。
【0033】
フレームは、側面視で、例えばヘッドパイプ、メインフレーム、ダウンフレーム及びサポートフレームで形成するモータコントロールユニット配置領域を形成する。モータコントロールユニットは、側面視で、例えば少なくとも一部がモータコントロールユニット配置領域に位置するようにフレームに取り付けられる。モータコントロールユニットが取り付けられるフレームは、特に限定されない。モータコントロールユニットは、例えばメインフレーム、ダウンフレーム及びサポートフレームの少なくとも1つに取り付けられる。
フレームは、メインフレームよりも後ろに設けられ、シートを支持するシートフレームを含んでいてもよい。
【0034】
「アクチュエータ機構」は、例えばモータコントロールユニットからの信号に基づいて変速操作を行う。アクチュエータ機構は、例えばオートマチックトランスミッション又はセミオートマチックトランスミッションを構成する。アクチュエータ機構は、例えばクラッチモータ及びシフトモータの両方を含んでいてもよい。アクチュエータ機構は、例えばクラッチモータを含み、シフトモータを含んでいなくてもよい。アクチュエータ機構は、例えばクラッチモータを含まず、シフトモータを含んでいてもよい。要するに、アクチュエータ機構は、例えばクラッチモータ及びシフトモータの少なくともいずれかを含む。
【0035】
クラッチモータは、例えばクラッチ操作を行う。クラッチモータは、例えばクラッチの接続及び切断を行う。クラッチモータは、例えば少なくとも一部が左右中央線よりも右に位置するように配置される。シフトモータは、例えばシフト操作を行う。シフトモータは、例えば多段変速機のギアを選択する。シフトモータは、例えば少なくとも一部が左右中央線よりも左に位置するように配置される。クラッチモータ及びシフトモータはそれぞれ、例えば減速機を含んでいてもよい。アクチュエータ機構は、例えばエンジンに取り付けられる。アクチュエータ機構は、エンジンのクランクケース内に設けられてもよい。アクチュエータ機構は、例えばフレームに取り付けられてもよい。
【0036】
「モータコントロールユニット」は、例えばアクチュエータ機構を制御する。モータコントロールユニットは、例えばクラッチモータ及び/又はシフトモータと電気ケーブルで直接接続される。モータコントロールユニットは、例えばクラッチモータ及び/又はシフトモータと他のコントロールユニットを介さずに電気ケーブルで接続される。他のコントロールユニットは、例えばECU(Electronic Control Unit)等のプロセッサを含む装置である。モータコントロールユニットは、例えばクラッチモータ及び/又はシフトモータとリレーを介して電気ケーブルで接続されてもよい。モータコントロールユニットは、例えばクラッチモータ及び/又はシフトモータと中継コネクタを介して電気ケーブルで接続されてもよい。モータコントロールユニットは、例えばシフト操作子と電気ケーブルで直接接続される。モータコントロールユニットは、例えばシフト操作子からの信号を受けて、アクチュエータ機構に多段変速機のギアの変更を指示する。モータコントロールユニットは、例えばエンジンを制御するエンジンコントロールユニットやシフトセンサ等に接続されていてもよい。
【0037】
モータコントロールユニットは、例えば少なくとも一部が多段変速機よりも前に位置するように配置される。モータコントロールユニットは、例えば少なくとも一部がエンジンよりも前に位置するように配置される。モータコントロールユニットは、例えば少なくとも一部がフレームの左右方向の最大幅位置よりも前に位置するように配置される。
【0038】
モータコントロールユニットは、例えばフロントフォークの可動領域よりも後ろに配置される。モータコントロールユニットは、例えば少なくとも一部がヘッドパイプよりも後ろに位置するように配置される。モータコントロールユニットは、鞍乗型車両が直立無転舵の状態で、例えば少なくとも一部がステアリングハンドルよりも後ろに位置するように配置される。モータコントロールユニットは、鞍乗型車両が直立無転舵の状態で、例えば少なくとも一部がシフト操作子よりも後ろに位置するように配置される。モータコントロールユニットは、例えば少なくとも一部がエンジンの前端よりも後ろに位置するように配置される。
【0039】
モータコントロールユニットは、例えば少なくとも一部がフレームよりも左右方向において外に位置するようにフレームに取り付けられる。モータコントロールユニットは、例えば少なくとも一部がモータコントロールユニット分岐部よりも左右方向において外に位置するように配置される。モータコントロールユニットは、例えば少なくとも一部がエンジンのクランクケースの左端よりも右に配置される。モータコントロールユニットは、例えば少なくとも一部がエンジンのシリンダボディの左端よりも右に配置される。
【0040】
モータコントロールユニットは、例えばステアリングハンドルの可動領域よりも下に配置される。モータコントロールユニットは、例えば少なくとも一部が動力源貯蔵部よりも下に位置するように配置される。モータコントロールユニットは、例えば少なくとも一部がフロントフォークの上端よりも下に位置するように配置される。モータコントロールユニットは、例えば少なくとも一部がヘッドパイプの上端よりも下に位置するように配置される。
【0041】
モータコントロールユニットは、例えば少なくとも一部が前輪よりも上に位置するように配置される。モータコントロールユニットは、例えば少なくとも一部がフロントフォークの下端よりも上に位置するように配置される。モータコントロールユニットは、例えば少なくとも一部がヘッドパイプの下端よりも上に位置するように配置される。モータコントロールユニットは、例えば少なくとも一部がエンジンの上端よりも上に位置するように配置される。モータコントロールユニットは、例えば少なくとも一部がフレームのエンジン支持部よりも上に位置するように配置される。エンジン支持部は、例えばエンジンがフレームに取り付けられる部分である。フレームは、例えば複数のエンジン支持部を含む。モータコントロールユニットは、例えば少なくとも一部が複数のエンジン支持部のうちの最も上に位置するエンジン支持部よりも上に位置するように配置される。
【0042】
モータコントロールユニットは、例えば箱型形状を有する。モータコントロールユニットは、例えば実質的に直方体形状を有する。モータコントロールユニットは、例えばフレームに沿うように配置される。モータコントロールユニットは、例えば最も広い面が左右方向に向くように配置される。モータコントロールユニットは、例えば最も広い面の少なくとも一部が側面視で視認できるように配置される。モータコントロールユニットは、例えば電気ケーブルが接続されるコネクタを含む。モータコントロールユニットは、例えば上面視でコネクタが視認できるように配置される。モータコントロールユニットは、例えば正面視でコネクタが視認できるように配置される。
【0043】
モータコントロールユニットは、例えばホルダに収容される。モータコントロールユニットは、例えばホルダをフレームに固定することでフレームに取り付けられる。モータコントロールユニットは、例えば少なくとも一部がサイドカウルに覆われる。モータコントロールユニットは、例えば左右方向において外面の少なくとも一部がサイドカウルに覆われるように配置される。モータコントロールユニットは、例えば正面視で前面の少なくとも一部が外部に開放されるように配置される。
【0044】
「メインハーネス」は、複数の電気ケーブルを束ねて構成される。複数の電気ケーブルは、例えば灯火器、コントロールユニット等の各種電装品に接続される電気ケーブルを含む。メインハーネスは、例えば電気ケーブルよりも太い。メインハーネスは、例えば鞍乗型車両の前後方向に伸びる。メインハーネスは、例えば鞍乗型車両のくびれ部を通る。くびれ部は、例えばシート前端に位置する。メインハーネスは、例えば車体の内部に設けられる。メインハーネスは、例えばフレームよりも内方に設けられる。メインハーネスは、例えば左フレームに保持されてもよいし、右フレームに保持されてもよい。
【0045】
「左右中央線からモータコントロールユニットまでの左右方向の距離」は、例えば左右中央線からモータコントロールユニットまでの左右方向の最短距離で特定される。左右中央線からモータコントロールユニット分岐部までの左右方向の距離についても同様である。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、モータコントロールユニットの熱対策をするとともに、モータコントロールユニットに接続される電気ケーブルを短縮し且つスペースを有効活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】
図1(A)は本実施形態の鞍乗型車両の左側面図であり、
図1(B)は本実施形態の鞍乗型車両の車体構造を模式的に示す上面図である。
【
図2】
図2は、本実施形態の鞍乗型車両の車体構造を示す右側面図である。
【
図3】
図3は、本実施形態の鞍乗型車両の車体構造を示す左側面図である。
【
図4】
図4は、本実施形態の鞍乗型車両の車体構造を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る鞍乗型車両について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、あくまでも一例である。本発明は、以下に説明する実施形態によって、何等、限定的に解釈されるものではない。図中のF、B、U、D、L、Rはそれぞれ、前、後、上、下、左、右を指す。
【0049】
図1(A)は、本実施形態の鞍乗型車両の左側面図である。鞍乗型車両1は、自動二輪車である。鞍乗型車両1は、車体11と、フロントフォーク12と、多段変速機13と、アクチュエータ機構14と、モータコントロールユニット15と、を備える。
【0050】
図1(B)は、本実施形態の鞍乗型車両の車体構造を模式的に示す上面図である。車体11は、ヘッドパイプ111と、フレーム112とを含む。ヘッドパイプ111は、ステアリングハンドルを操舵可能に支持する。
【0051】
フレーム112は、上面視でヘッドパイプ111から後ろに向かって伸びる。フレーム112は、ヘッドパイプ111を通り前後方向に伸びる左右中央線CLよりも左右方向にずれて配置される。より詳細には、フレーム112は、左右中央線CLよりも左にずれて配置される左フレーム1121と、左右中央線CLよりも右にずれて配置される右フレーム1122とを含む。
【0052】
フロントフォーク12は、ブラケットを介してヘッドパイプ111に支持される。フロントフォーク12は、上下方向に伸びる。フロントフォーク12は、図示しない前輪を支持する。
【0053】
図1(A)を参照して、多段変速機13は、ギア比が異なる複数のギアを含む。多段変速機13は、運転者が選択したギアを介してエンジン21の動力を駆動輪に伝達する。運転者は、ステアリングハンドル18に設けられたシフト操作子181を操作して多段変速機13のギアを選択する。アクチュエータ機構14は、運転者によるシフト操作子181の操作に応じて多段変速機13のギアを変更する。
【0054】
図1(B)参照して、アクチュエータ機構14は、クラッチモータ141及びシフトモータ142を含む。クラッチモータ141及びシフトモータ142は共に、ヘッドパイプ111よりも後ろに配置される。
【0055】
モータコントロールユニット15は、クラッチモータ141及びシフトモータ142を制御する。モータコントロールユニット15は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含む。モータコントロールユニット15は、プロセッサが不揮発性メモリに記録された1又は複数のプログラムを読み出して実行することで、各種制御を実行する。
【0056】
鞍乗型車両1は更に、電気ケーブル16と、メインハーネス17と、を備える。電気ケーブル16は、モータコントロールユニット15とクラッチモータ141とを繋ぐ。電気ケーブル16は、モータコントロールユニット15とシフトモータ142とを繋ぐ。本実施形態では、電気ケーブル16は、リレー161を介してモータコントロールユニット15とクラッチモータ141、及び、モータコントロールユニット15とシフトモータ142とを繋ぐ。リレー161は、図示しないバッテリに接続される。モータコントロールユニット15は、リレー161を制御することで、バッテリからクラッチモータ141及びシフトモータ142へ供給される電力を制御する。電気ケーブル16は、モータコントロールユニット15とクラッチモータ141との間に中継コネクタを含んでいてもよい。電気ケーブル16は、モータコントロールユニット15とシフトモータ142との間に中継コネクタを含んでいてもよい。
【0057】
メインハーネス17は、電気ケーブル16の途中区間を他の電気ケーブルとともに束ねる。より詳細には、メインハーネス17は、モータコントロールユニット15からリレー161までの電気ケーブル16の途中区間及びリレー161からクラッチモータ141及びシフトモータ142までの電気ケーブル16の途中区間を束ねる。メインハーネス17は、左フレーム1121に結束バンド等の保持具によって保持される。
【0058】
モータコントロールユニット15は、メインハーネス17が保持される左フレーム1121に取り付けられる。モータコントロールユニット15は、その全体が左右中央線CLよりも左にずれるように設けられる。ただし、モータコントロールユニット15は、その一部が左右中央線CLよりも左にずれるように設けられてもよい。モータコントロールユニット15は、左右中央線CLからモータコントロールユニット15までの左右方向の距離L1が、左右中央線CLからモータコントロールユニット分岐部171までの左右方向の距離L2よりも長くなるように設けられる。モータコントロールユニット分岐部171は、モータコントロールユニット15に接続される電気ケーブルの端部162がメインハーネス17から分岐する部分である。
【0059】
モータコントロールユニット分岐部171からモータコントロールユニット15までの電気ケーブルの長さは、モータコントロールユニット分岐部171からクラッチモータ141までの電気ケーブルの長さよりも短い。ここで、モータコントロールユニット分岐部171からクラッチモータ141までの電気ケーブルの長さは、モータコントロールユニット分岐部171からリレー161までの電気ケーブルの長さと、リレー161からクラッチモータ141までの電気ケーブルの長さとの合計である。ただし、モータコントロールユニット分岐部171からモータコントロールユニット15までの電気ケーブルの長さは、モータコントロールユニット分岐部171からクラッチモータ141までの電気ケーブルの長さと同じ又は長くてもよい。
【0060】
モータコントロールユニット分岐部171からモータコントロールユニット15までの電気ケーブルの長さは、モータコントロールユニット分岐部171からシフトモータ142までの電気ケーブルの長さよりも短い。ここで、モータコントロールユニット分岐部171からシフトモータ142までの電気ケーブルの長さは、モータコントロールユニット分岐部171からリレー161までの電気ケーブルの長さと、リレー161からシフトモータ142までの電気ケーブルの長さとの合計である。ただし、モータコントロールユニット分岐部171からモータコントロールユニット15までの電気ケーブルの長さは、モータコントロールユニット分岐部171からシフトモータ142までの電気ケーブルの長さと同じ又は長くてもよい。
【0061】
図2は、本実施形態の鞍乗型車両の車体構造を示す右側面図である。クラッチモータ141は、多段変速機13よりも上に配置される。クラッチモータ141は、少なくとも一部が左右中央線よりも右に位置するように配置される。クラッチモータ141は、運転者が着座するシート20よりも前に配置される。また、鞍乗型車両1は、右フレーム1122に取り付けられる他のコントロールユニット19を備える。他のコントロールユニット19は、特に限定されないが、例えばグループコントロールユニット等である。
【0062】
図3は、本実施形態の鞍乗型車両の車体構造を示す左側面図である。シフトモータ142は、多段変速機13よりも上に配置される。シフトモータ142は、少なくとも一部が左右中央線よりも左に位置するように配置される。シフトモータ142は、シート20よりも前に配置される。ただし、クラッチモータ141及びシフトモータ142は、少なくとも一部がシート20よりも前に位置するように配置されてもよい。モータコントロールユニット15は、少なくとも一部がフロントフォーク12よりも後ろに位置するとともにクラッチモータ141及びシフトモータ142よりも前に位置するように左フレーム1121に取り付けられる。
【0063】
より詳細には、左フレーム1121は、メインフレーム1122と、ダウンフレーム1123と、サポートフレーム1124とを含む。モータコントロールユニット15は、少なくとも一部がヘッドパイプ111、メインフレーム1122、ダウンフレーム1123及びサポートフレーム1124で形成されるモータコントロールユニット配置領域に位置するように左フレーム1121に取り付けられる。
【0064】
モータコントロールユニット15は、少なくとも一部がシフト操作子181よりも下に位置するように左フレーム1121に取り付けられる。モータコントロールユニット15は、少なくとも一部がクラッチモータ141及びシフトモータ142よりも上に位置するように左フレーム1121に取り付けられる。ただし、モータコントロールユニット15は、少なくとも一部がクラッチモータ141及びシフトモータ142よりも下に位置するように左フレーム1121に取り付けられてもよい。
【0065】
モータコントロールユニット15は、実質的に直方体形状を有する。モータコントロールユニット15は、側面視でのモータコントロールユニットの面積が鞍乗型車両の正面視及び上面視でのモータコントロールユニットの面積よりも大きくなるように、左フレーム1121に取り付けられる。
【0066】
図4は、本実施形態の鞍乗型車両の車体構造を示す正面図である。図中において、鞍乗型車両1は、直立無転舵の状態である。モータコントロールユニット15は、少なくとも一部が左右方向において左フロントフォーク121の左縁1211よりも左に位置するように、左フレーム1121に取り付けられる。ただし、モータコントロールユニット15は、少なくとも一部が左右方向において右フロントフォーク122の右縁1221よりも右に位置するように、右フレーム1122に取り付けられてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 :鞍乗型車両
11 :車体
111 :ヘッドパイプ
112 :フレーム
1121 :左フレーム
1122 :右フレーム
12 :フロントフォーク
121 :左フロントフォーク
122 :右フロントフォーク
13 :多段変速機
14 :アクチュエータ機構
141 :クラッチモータ
142 :シフトモータ
15 :モータコントロールユニット
16 :電気ケーブル
161 :リレー
162 :モータコントロールユニットに接続される電気ケーブルの端部
17 :メインハーネス
171 :モータコントロールユニット分岐部
18 :ステアリングハンドル
181 :シフト操作子
19 :他のコントロールユニット
20 :シート
21 :エンジン
CL :左右中央線
L1 :左右中央線からモータコントロールユニットまでの左右方向の距離
L2 :左右中央線からモータコントロールユニット分岐部までの左右方向の距離