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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173296
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】組立・分解玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/16 20060101AFI20241205BHJP
   A63H 3/46 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
A63H3/16
A63H3/46 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091624
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】599064214
【氏名又は名称】株式会社セガフェイブ
(74)【代理人】
【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100141483
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 生吾
(72)【発明者】
【氏名】桐越 寛仁
(72)【発明者】
【氏名】熊岡 真奈美
(72)【発明者】
【氏名】前田 英輔
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BC02
2C150CA01
2C150EH06
2C150EH09
2C150EH16
(57)【要約】
【課題】本発明は、組立・分割可能な組立・分解玩具であって、ダイナミックな分解が可能であるとともに、よりリアルな組立作業を楽しむことが可能な組立・分解玩具を提供することを課題とする。
【解決手段】組立・分割可能な組立・分解玩具であって、本体と、一又は複数の着脱パーツと、前記着脱パーツを前記本体に取り付ける取付具と、トリガー操作具と、前記トリガー操作具による操作であるトリガー操作によって前記取付具による前記着脱パーツの前記本体への取り付けを解除する解除機構と、を備え、前記着脱パーツは、前記取付具による前記本体への取り付けが解除された場合、前記本体から自動的に分離するように構成されたことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立・分割可能な組立・分解玩具であって、
本体と、
一又は複数の着脱パーツと、
前記着脱パーツを前記本体に取り付ける取付具と、
トリガー操作具と、
前記トリガー操作具による操作であるトリガー操作によって前記取付具による前記着脱パーツの前記本体への取り付けを解除する解除機構と、を備え、
前記着脱パーツは、前記取付具による前記本体への取り付けが解除された場合、前記本体から自動的に分離するように構成された
ことを特徴とする組立・分解玩具。
【請求項2】
前記着脱パーツは、前記取付具による前記本体への取り付けが解除された場合、その自重によって転がり落ちて前記本体から分離する
請求項1に記載の組立・分解玩具。
【請求項3】
前記取付具は、前記着脱パーツに穿設された挿通孔に挿通することが可能であって且つ前記本体に形成された挿入部に挿入することが可能な軸部を有し、
前記解除機構は、前記トリガー操作によって、前記軸部が前記挿入部に挿入された状態で前記本体側に取り付けられた取付状態から、該取付状態が解除されて前記挿入部からの前記軸部の抜き取りが可能な解除状態への切換を行うように構成された
請求項1に記載の組立・分解玩具。
【請求項4】
前記挿入部側に配置され且つ前記軸部を抜き取り方向に弾性的に付勢する付勢部材を備え、
前記取付具は、取付状態から解除状態への切換時、前記付勢部材の弾性的な付勢力によって、その軸部が前記挿入部から外部に排出されるように構成された
請求項3に記載の組立・分解玩具。
【請求項5】
前記挿入部は、上下方向に形成され且つ上端側が開放され、
前記付勢部材の付勢力は上方に向けられた
請求項4に記載の組立・分解玩具。
【請求項6】
前記軸部は、その外周面に雄ネジが形成された円柱状をなし、
前記解除機構は、前記挿入部に対して交差する方向に往復スライド作動して前記挿入部に臨む進出状態と、前記挿入部から退避した退避状態とに切り換えられる進退部材と、トリガー操作によって進退部材が進出状態から退避状態に切り換えられるように該進退部材と前記トリガー操作具とを連係させる連係機構と、を有し、
前記進退部材の前記挿入部側には、該進退部材の進出状態への切換時に前記挿入部の内周面の一部を構成するように凹んだ円弧面状の構成面が形成され、
前記構成面には、前記雄ネジとネジ係合する雌ネジが、前記挿入部の軸方向で半周以下の範囲に形成され、
前記進退部材が進出状態に切り換えられた状態で、前記軸部を前記挿入部に挿入して前記雄ネジを前記雌ネジにネジ係合させることよって、取付状態への切換を行う一方で、該取付状態時、前記進退部材を進出状態から退避状態に切り換えることによって、前記解除状態への切換を行う構造とした
請求項3に記載の組立・分解玩具。
【請求項7】
一の取付具によって、複数の着脱パーツをまとめて前記本体に取り付ける構造とし、
単一のトリガー操作具による1回のトリガー操作によって、複数の取付具がまとめて取付状態から解除状態に切り換えられる構造とした
請求項1に記載の組立・分解玩具。
【請求項8】
前記本体は、操縦席を模した形状に形成され且つ所定のキャラクターの形状に成形された対象物を設置することが可能な設置部を有し、
前記設置部の上部及び周囲を覆うカバー体を、一又は複数の着脱パーツによって構成し、
前記カバー体は、取付状態から解除状態への切換時に前記本体から分離されて前記設置部が外部に露出させる構造とした
請求項1に記載の組立・分解玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立・分割可能な組立・分解玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
本体と、該本体に着脱可能に取り付けられる一又は複数の着脱パーツと、トリガー操作具と、該トリガー操作具による操作によって着脱パーツの本体への取り付けを解除する解除機構と、を備え、着脱パーツは、本体への取り付けが解除された場合、前記本体から自動的に分離する組立・分解玩具が公知になっている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
上記文献の組立・分解玩具によれば、着脱パーツ(同文献では、「接続パーツ」)を本体(同文献では、「ロックコア胴部」)に取り付ける組立作業を楽しむことが可能であるとともに、組立後は、トリガー操作具の操作(同文献では、ロックコア胴部のキー溝に差し込まれたキー部材の回動操作)によって、本体から着脱パーツが一瞬で分離し、そのダイナミックな動きを楽しむことが可能になる一方で、着脱パーツは、本体に差し込むという単純な動作によって該本体に取り付けられ、組立作業は現実の場合よりもかなり単調であるので、リアルな組立作業を楽しむという観点からは改善の余地が残る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-135935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、組立・分割可能な組立・分解玩具であって、ダイナミックな分解が可能であるとともに、よりリアルな組立作業を楽しむことが可能な組立・分解玩具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、組立・分割可能な組立・分解玩具であって、本体と、一又は複数の着脱パーツと、前記着脱パーツを前記本体に取り付ける取付具と、トリガー操作具と、前記トリガー操作具による操作であるトリガー操作によって前記取付具による前記着脱パーツの前記本体への取り付けを解除する解除機構と、を備え、前記着脱パーツは、前記取付具による前記本体への取り付けが解除された場合、前記本体から自動的に分離するように構成されたことを特徴とする。
【0007】
前記着脱パーツは、前記取付具による前記本体への取り付けが解除された場合、その自重によって転がり落ちて前記本体から分離するものとしてもよい。
【0008】
前記取付具は、前記着脱パーツに穿設された挿通孔に挿通することが可能であって且つ前記本体に形成された挿入部に挿入することが可能な軸部を有し、前記解除機構は、前記トリガー操作によって、前記軸部が前記挿入部に挿入された状態で前記本体側に取り付けられた取付状態から、該取付状態が解除されて前記挿入部からの前記軸部の抜き取りが可能な解除状態への切換を行うように構成されたものとしてもよい。
【0009】
前記挿入部側に配置され且つ前記軸部を抜き取り方向に弾性的に付勢する付勢部材を備え、前記取付具は、取付状態から解除状態への切換時、前記付勢部材の弾性的な付勢力によって、その軸部が前記挿入部から外部に排出されるように構成されたものとしてもよい。
【0010】
前記挿入部は、上下方向に形成され且つ上端側が開放され、前記付勢部材の付勢力は上方に向けられたものとしてもよい。
【0011】
前記軸部は、その外周面に雄ネジが形成された円柱状をなし、前記解除機構は、前記挿入部に対して交差する方向に往復スライド作動して前記挿入部に臨む進出状態と、前記挿入部から退避した退避状態とに切り換えられる進退部材と、トリガー操作によって進退部材が進出状態から退避状態に切り換えられるように該進退部材と前記トリガー操作具とを連係させる連係機構と、を有し、前記進退部材の前記挿入部側には、該進退部材の進出状態への切換時に前記挿入部の内周面の一部を構成するように凹んだ円弧面状の構成面が形成され、前記構成面には、前記雄ネジとネジ係合する雌ネジが、前記挿入部の軸方向で半周以下の範囲に形成され、前記進退部材が進出状態に切り換えられた状態で、前記軸部を前記挿入部に挿入して前記雄ネジを前記雌ネジにネジ係合させることよって、取付状態への切換を行う一方で、該取付状態時、前記進退部材を進出状態から退避状態に切り換えることによって、前記解除状態への切換を行う構造としたものとしてもよい。
【0012】
一の取付具によって、複数の着脱パーツをまとめて前記本体に取り付ける構造とし、単一のトリガー操作具による1回のトリガー操作によって、複数の取付具がまとめて取付状態から解除状態に切り換えられる構造としたものとしてもよい。
【0013】
前記本体は、操縦席を模した形状に形成され且つ所定のキャラクターの形状に成形された対象物を設置することが可能な設置部を有し、前記設置部の上部及び周囲を覆うカバー体を、一又は複数の着脱パーツによって構成し、前記カバー体は、取付状態から解除状態への切換時に前記本体から分離されて前記設置部が外部に露出させる構造としたものとしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
取付具によって着脱パーツを本体に取り付ける動作は、現実の作業により近いものであるため、よりリアルな組立作業を楽しむことが可能である一方で、取付具によって本体に取り付けられた着脱パーツがトリガー操作によって一気に本体から分離するため、よりダイナミックな分解も楽しむことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明を適用した組立・分解玩具の上側斜視図である。
図2】本発明を適用した組立・分解玩具の下側斜視図である。
図3】着脱パーツを本体に取り付ける構造を示す分解斜視図である。
図4】取付パーツを着脱パーツに取り付ける構造を示す分解斜視図である。
図5】本体の内部の構造を示す斜視図である。
図6】本組立・分解玩具が分解された状態を示す背面図である。
図7】取付状態に切り換えられた解除機構の構成を示す断面図である。
図8】解除状態に切り換えられた解除機構の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1図2は本発明を適用した組立・分解玩具の上側斜視図及び下側斜視図であり、図3は着脱パーツを本体に取り付ける構造を示す分解斜視図であり、図4は取付パーツを着脱パーツに取り付ける構造を示す分解斜視図である。
【0017】
図示する組立・分解玩具は、全体として、空想上又は現実の乗り物(図示する例ではUFO)の形を模した形状に形成され、本体1と、該本体1に着脱可能に取り付け固定又は支持(本例では固定)される一又は複数(本例では複数)の着脱パーツ2,2,3,3と、着脱パーツ2,2に着脱可能に取り付け固定又は支持される一又は複数(図示する例では4つ)の取付パーツ4,4,4,4と、を備えている。ここで、上述した乗り物の前後と左右と上下とを基準として、その方向を定義する。
【0018】
本体1は、その下面側に遊転状態で支持された複数(図示する例では4つ)の走行輪5,5,5,5によって、走行可能に構成されている。この本体1は、上下方向の円柱状に形成された主要部6と、該主要部6から後方に延設された操作部7と、該主要部6の左右の側部の夫々から外側側方に突出した左右一対の取付部8,8と、を一体的に有している。上述した走行輪5,5,5,5は、主要部6の下面側における左右の夫々の部分及び前寄り部分の3箇所と、操作部7の下面側の後部の1箇所と、にそれぞれ設けられている。
【0019】
主要部6の上面側には、所定のキャラクター(正確にはキャラクターの形状に成形されたパーツであるキャラクターパーツ(対象物)9)が乗り込む操縦席を模した形状に成形された設置部11が形成されている。この設置部11は、具体的には、主要部6の上面側に設けられた凹部6aと、該凹部6aの周囲における前方以外の部分を囲繞する平面視でコの字状に形成され且つ主要部9の上面から上方に突設された囲い部12と、を有している。この設置部11(正確には、凹部6aの底面)には前記キャラクターパーツ9が位置決め載置(着脱可能に設置)される。
【0020】
操作部7は、その高さが主要部6よりも低い上下方向の円柱状に成形され、その上面側には、モーメンタリ式にトリガースイッチ(トリガー操作具)13が、下方に押し操作可能に設けられている。
【0021】
一対の取付部8,8は、互いが左右対称な形状に形成されている。各取付部8は、平面視で半円状をなし且つ上下方向に延びる柱状をなし、その高さが主要部6よりも低くなっている。左右の取付部8,8の夫々の上面の中央部には、上下方向の挿入孔(挿入部)8a,8aが開口して形成されている。挿入穴8a,8aには、取付ボルト(取付具)14,14が挿入され、これによって左右の着脱パーツ2,2が取付部8,8に個別に取り付けられる。
【0022】
この本体1は、中空状の本体ケース1aによって外形が形成されている。この本体ケース1aは、板状のベース部材16と、該ベース部材16の直上の空間を覆う逆凹状のカバー部材17とから構成されている。カバー部材17はベース部材16に装着して固定されている。また、この本体1の正面側からはアーム部材15が前方に向かって突出形成されている。
【0023】
本体1には、主要部6の上端部の外周面から径方向外側に延設され且つ平面視で該主要部6の周囲における操作部7が形成されている真後ろ以外の範囲を囲繞するCの字状に形成された鍔部18と、設置部11の周囲及び上方を全体的にカバーするドーム状(具体的には、半球状)のカバー体19と、が着脱可能に取り付け固定している。
【0024】
鍔部18は、一又は複数(図示する例では左右一対の)の着脱パーツである鍔部構成パーツ2,2から構成されている。この鍔部18の上面は、その径方向外側に向かって下方に傾斜している。左右の鍔部構成パーツ2,2は、互いが左右対称な形状に成形されている。左右の鍔部構成パーツ2,2の夫々は、円弧状をなし、且つ、取付ボルト14によって対応する取付部8,8に各別に取り付け固定される。
【0025】
鍔部構成パーツ2の円弧形状の中途部の上面側には凹部21が形成されている。この凹部21の底面は、鍔部構成パーツ2の傾斜した上面に対して水平面状に形成され、主要部6に近い側である内側は開放されている。この凹部21の底面の中央部には取付ボルト14を挿通させる挿通孔2aが穿設されている。挿通孔2aは、挿入穴8aよりも若干径が大きい円状に形成されている。ちなみに、挿入穴8aは断面視で円形に形成されている。
【0026】
カバー体19も一又は複数(図示する例では左右一対の)の着脱パーツであるカバー体構成パーツ3,3から構成されている。このカバー体19は、その内側の設置部11及び該設置部11に設置されたキャラクターパーツ9を、その外部から目視可能なように、透明又は半透明な材料から構成されている。左右のカバー体構成パーツ3,3は、互いが左右対称な形状に成形され、上述した取付ボルト14によって、鍔部構成パーツ2,2と共に対応する取付部8,8に取り付け固定される。
【0027】
各カバー体構成パーツ3の円弧状をなす下縁部の中央部からは、板状の取付座部22が外側側方に一体的に延設されている。取付座部22の中央部には、上述した挿通孔2aと同一の形状をなし且つ取付ボルト14を挿通させる挿通孔3aが穿設されている。
【0028】
取付部8の上面と鍔部構成パーツ2の下面との間に取付座部22を挟み込み、2つ挿通孔2a,3aと一の挿入穴8aとの平面視での位置を一致又は略一致させた状態で、取付ボルト14の軸部23を、その上側から2つの挿通孔2a,3aに挿通させ、さらに、挿入穴8aにネジ係合させながら挿入し、締着することにより、鍔部構成パーツ2及びカバー体構成パーツ3を着脱可能に本体1に共締め固定する。
【0029】
すなわち、この組立・解体玩具では、複数の着脱パーツ2,3が、単一の取付ボルト14によって、本体1に取り付け可能な構造を有している。ちなみに、この共締め固定時、取付ボルト14のヘッド部24の下寄り部分が凹部21内に収容された状態になる。
【0030】
このようにして、本体1に取り付け固定された左右の鍔部構成パーツ2,2は、その前側の端部同士が当接又は近接して一体的に接続される。鍔部構成パーツ2,2における互いが接続される前側の端部は、相互に凹凸係合させることが可能な波形状(図示する例では矩形波状)に成形されている。鍔部構成パーツ2の内側の周縁部は、その全体に亘り、主要部6の上端部の外周面及びカバー体19の下端部の外周面に沿って近接又は当接した状態になる。
【0031】
同様にして、本体1に取り付け固定された左右のカバー体構成パーツ3,3は、その左右内側の半円状の縁部同士が全体に亘り当接又は近接して一体的に接続される。カバー体構成パーツ3,3の互いに接続される左右内側の縁部は、両者を凹凸係合させることが可能な波形状(図示する例では正弦波状)に成形されている。
【0032】
続いて、取付パーツ4の着脱パーツ2への取付構造について説明すると、取付パーツ4は取付ボルト(取付具)26によって鍔部構成パーツ2に着脱可能に取り付けられる。取付パーツ4は、複数種類設けられ、鍔部構成パーツ2から上方且つ外側に突出している。
【0033】
鍔部構成パーツ2には、両側が開放された上下方向の筒状に形成された取付部27が一体的に設けられている。取付部27の内周面側の空間は取付ボルト26がネジ係合させた状態で挿入されるネジ孔27aになる。ちなみに、この取付部27は、左右の鍔部構成パーツ2,2毎に複数(図示する例では前後一対)で設けられている。
【0034】
これに対応して、取付パーツ4の下端部側からは水平な板状をなす取付座部28が鍔部18の径方向内側に向かって一体的に延設されている。取付座部28は、取付ボルト26を挿通させる挿通孔28aが穿設されている。
【0035】
挿通孔28aに挿通させた状態の取付ボルト26をネジ孔27aにネジ係合状態で挿入して締着させることにより、取付パーツ4が鍔部構成パーツ2に着脱可能に取り付けられる。
【0036】
図示する例では、取付パーツ4としては、ロボットアームを模した形状に成形された第1取付パーツ4Aと、その先端部にラケットを持った人の手が設けられたアームを模した形状に成形された第2取付パーツ4Bと、その先端部にドリルが設けられたアームを模した形状に成形された第3取付パーツ4Cと、その先端部にレーザー砲が設けられたアームを模した形状に成形された第4取付パーツ4Dと、が設けられている。
【0037】
ちなみに、第1取付パーツ4A及び第3取付パーツ4Cは左側の鍔部構成パーツ2に取り付け固定されている。第2取付パーツ4B及び第4取付パーツ4Dは右側の鍔部構成パーツ2に取り付け固定されている。
【0038】
また、図3に仮想線で示す通り、これらの2種類の取付ボルト14,26の締着作業は、専用の手動式又は伝動式のドライバー10によって行うことも可能である。これに対応して、各取付ボルト14,26には、ドライバーの先端部が係合して差し込まれる十字穴等の差込穴14a,26aが形成される。
【0039】
図5は本体の内部の構造を示す斜視図である。図6は本組立・分解玩具が分解された状態を示す背面図である。
【0040】
図1図2図5及び図6に示す通り、本体1に各着脱パーツ2,2,3,3が装着され且つ各取付パーツ4,4,4,4が対応する着脱パーツ2,2に装着された組立状態の組立・分解玩具に対してトリガースイッチ13を1回押し操作するトリガー操作を行った場合、本体ケース1a内に収容して配置された解除機構29によって、左右の取付ボルト14,14により左右の鍔部構成パーツ2,2及び左右のカバー体構成パーツ3,3が各別に本体1の左右の取付部8,8に取り付けられた取付状態から、左右の取付ボルト14,14による鍔部構成パーツ2,2及びカバー体構成パーツ3,3の取付部8,8への取り付けが解除される解除状態への切換が行われる。
【0041】
すなわち、単一のトリガースイッチ13の1回のトリガー操作によって、本体1への取り付けられた着脱パーツ2,2,3,3の全てが、それらの取り付けに用いられていた取付ボルト14,14と共に、一気に取付状態から解除状態に切り換えられる。このようにして取付状態から解除状態に切り換えられた着脱パーツ2,2,3,3は、その自重によって、本体1から自動的に転がり落ちて分離し、これによって組立・分解玩具が分解された状態に切り換えられる。
【0042】
この際、取付ボルト26,26,26,26による取付パーツ4,4,4,4の鍔部構成パーツ2,2への取り付けは解除されないため、該取付パーツ4,4,4,4は、鍔部構成パーツ2,2に取り付けられた状態を保持し、本体1から鍔部構成パーツ2,2と共に分離される。
【0043】
さらに、分解された状態の組立・分解玩具は、カバー体19に覆われていた設置部11及びそこに設置されたキャラクターパーツ9が外部に露出した状態になり、キャラクターパーツ9の乗り物が破壊された状態がユーモラスに表現される。
【0044】
次に、図5図7及び図8に基づいて解除機構29の構成について説明する。
【0045】
図7は取付状態に切り換えられた解除機構の構成を示す断面図であり、図8は解除状態に切り換えられた解除機構の構成を示す断面図である。
【0046】
解除機構29は、左右の挿入穴8a,8a毎に設けられ且つ該挿入穴8a,8aに対して進退する方向(図示する例では左右方向)に往復スライド可能に本体ケース1a内に支持された左右一対の進退部材31,31と、この左右の進退部材31,31をトリガー操作に連動して作動させるように該進退部材31,31とトリガースイッチ13とを機械的に連係させる連係機構32と、左右の進退部材31,31毎に設けられ且つ連係機構32における進退部材31,31側の部分と該進退部材31、31とを収容する左右一対の支持ケース33,33と、を有している。
【0047】
左右の支持ケース33,33は、本体ケース1a内においてその左右方向の中央部を境として左右対称位置に配置され、且つ、互いが左右対称な形状をなしている。具体的には、支持ケース33は、自身に近い側の取付部8内から主要部6に至る範囲において、左右方向に長い形状をなしている。
【0048】
この支持ケース33の全長方向(左右方向)の主要部6側の端部である内側端部は、その少なくとも一部が開放される。一方、支持ケース33における内側端部とは反対側の端部である外側端部側には、上方が開放された上下方向の有底円筒状に形成された筒状部34が一体的に形成されている。また、支持ケース33の内側端部寄り部分からは上下方向の両側に突出した縦ケース部36が一体的に形成されている。
【0049】
ちなみに、支持ケース33における縦ケース部36と筒状部34とを接続する部分である接続部37の内部の空間は、筒状部34の内部の空間と、縦ケース部36の内部の空間との夫々に連通している。縦ケース部36の内部の空間は、支持ケース33の内側端部の空間とも連通している。
【0050】
筒状部34の内周面側の空間は、上述した挿入穴8aの一部を構成している。具体的には、挿入穴8aが、カバー部材17における取付部8の上面を形成する部分に穿設された挿通孔17a(図3参照)と、筒状部34の内周側の空間である凹部34aとを含んでいる。
【0051】
進退部材31は、挿入穴8aの軸方向(上下方向)に対して交差(具体的には直交)し且つ水平な方向である進退方向(図示する例では左右方向)に往復スライド可能に接続部37内に嵌合収容されて支持されている。ちなみに、接続部37は、本体ケース1a内における取付部8側に位置しているため、進退部材31も同様の配置構成になる。
【0052】
進退部材31は、進退方向における挿入穴8a側(図示する例では、左右方向外側であり、以下「進出側」)にスライド移動させることによって、挿入穴8a(凹部34a)側に臨んだ進出状態に切り換えられる一方で、進退方向における挿入穴8a側と反対側(図示する例では、左右方向内側であり、以下「退避側」)にスライド移動させることによって、挿入穴8a(凹部34a)から退避した退避状態に切り換えられる。
【0053】
進退部材31の進出側(挿入穴8a側)の端面は、凹んだ円弧面状の構成面38から構成されている。進出状態に切り換えられた進退部材31の構成面38は、挿入穴8a(凹部34a)の内周面の一部を構成する。この構成面38には、取付ボルト14の軸部23の外周面に形成された螺旋状の雄ネジ23aとネジ係合する雌ネジ38aが形成されている。構成面38及び雌ネジ38aは、挿入穴8aの軸方向視(平面視)で、該挿入穴8aの内周面の半周以下の範囲に形成され、挿入穴8aの内周面における構成面38から遠い側半部には、雌ネジ38aが形成されていない状態になる。
【0054】
このため、進退部材31が進出状態に切り換えられ且つその場に固定された状態で、取付ボルト14を挿入穴8aにネジ係合状態で挿入することによって、該取付ボルト14が着脱パーツ2,3と共に取付状態に切り換えられる一方で、取付状態時、進退部材31を退避状態に切り換えることによって、該取付状態が解除された解除状態に切り換えられる。
【0055】
解除状態への切換時、取付ボルト14が挿入穴8aから自動的に抜き取られて該挿入穴8aの軸方向の開放側(真上側)に排出されるように、該挿入穴8aには、取付ボルト14を、該取付ボルト14の抜き取り側である真上側に弾性的に付勢する付勢部材39が設けられている。
【0056】
付勢部材39は、図示する例では、挿入穴8aの軸方向に形成された圧縮スプリングである。この圧縮スプリング39の支持構造について説明すると、凹部34aの底面の中心部からは、挿入穴8aの軸方向に形成された棒状の支持部41が、上方に向かって一体的に突出形成される。圧縮スプリング39は、その下部の内周面側の空間に支持部41が挿入されるようにして、挿入穴8aに位置決め収容されることにより、自身の軸方向に伸縮可能な状態で、挿入穴8a内に支持される。
【0057】
また、挿入穴8a内には、圧縮スプリング39と同一軸心をなす円筒状に形成され且つ挿入穴8aの開放側の端部である上端部が閉塞された当接部材42が設けられている。この当接部材42の内周面側の空間に、圧縮スプリング39の上部が嵌合状態で挿入されている。取付ボルト14は、その軸部23におけるヘッド部24から遠い側の端部である先端部が、当接部材42の閉塞された端面に当接し且つ圧縮スプリング39の付勢力に抗して、挿入穴8aにネジ係合されながら挿入され、これによって該挿入穴8aに固定される。
【0058】
該構成によれば、取付状態時において進退部材31が退避状態に切り換えられた場合、圧縮スプリング39からの付勢力によって、取付ボルト14が挿入穴8aから自動的に抜き取られ、真上側に排出される。この際、取付ボルト14は、重力に逆らう方向である上方に排出されるため、その勢いが弱まる。このため、取付ボルト14が勢いよく挿入穴8aから排出されて遊戯者にぶつかるような事態を効率的に防止できる。
【0059】
連係機構32は、本体ケース1a内における操作部7から主要部6に至る範囲に配置された前後方向のシーソーアーム43と、本体ケース1a内における一対の支持ケース33,33の間に昇降可能に支持され且つシーソーアーム43の主要部6側に端部に連結された連結部材44と、左右の支持ケース33,33における縦ケース部36,36の夫々に昇降可能に支持された昇降部材46,46と、を備えている。
【0060】
シーソーアーム43は、本体ケース1a内においてシーソーアーム43の中途側に配置された支持部材47を支点として該支持部材47に上下揺動可能に取り付け支持されている。シーソーアーム43の操作部7側の端部である操作側端部43aの上面側には、トリガースイッチ13が配置される一方で、主要部6側の端部である作動側端部43bには単一の連結部材44が連結されている。
【0061】
シーソーアーム43は、水平な姿勢(非操作姿勢)が、トリガースイッチ13がトリガー操作されていない状態である一方で、非操作姿勢と比較して、操作側端部43aが下方に位置し且つ作動側端部43bが上方に位置した揺動姿勢(操作姿勢)が、トリガースイッチ13がトリガー操作された状態である。シーソーアーム43の非操作姿勢への切換時、連結部材44は、上述した作動側端部43aと共に、下方位置に下降する一方で、シーソーアーム43の操作姿勢への切換時、連結部材44は、上述した作動側端部43aと共に、上方位置に上昇する。
【0062】
連結部材44の上部側にはシーソーアーム43が連結される一方で、その下端部には、フランジ状の当接部44aが一体的に延設されている。
【0063】
昇降部材46には、縦ケース部36の内部における底部から天井部に至る範囲に形成された上下方向の支持軸48が挿通される挿通孔46aが穿設されている。この他、昇降部材46の下端側からは、連結部材44の当接部44aの上面に当接する当接部46bが、連結部材44側に向かって一体的に延設されている。
【0064】
支持軸48が挿通孔46aに挿通された状態の昇降部材46は、該支持軸48の軸方向であって且つ連結部材44の移動方向に平行な方向である上下方向にスライド移動可能に該支持軸48に支持された状態になる。また、昇降部材46を、その当接部46bが連結部材44の当接部44aと当接する側である下方に弾力的に付勢する付勢部材49が、縦ケース部36内に設けられている。
【0065】
この付勢部材49は、支持軸48に外装された圧縮スプリングである。この圧縮スプリング49によって、シーソーアーム43も非操作姿勢への切換側に弾力的に付勢され、これに伴って、トリガースイッチ13もトリガー操作である押し操作が解除される側である上方側に弾力的に付勢され、その結果、トリガースイッチ13は上述したモーメンタリ式のスイッチとして機能する。
【0066】
昇降部材46は、圧縮スプリング49による当接部44a,46b同士の当接の維持を条件として、連結部材44と一体的に昇降作動される。具体的には、シーソーアーム43の非操作姿勢への切換時、昇降部材46は、連結部材44と共に、その昇降範囲の下限位置である進出操作位置に下降作動する一方で、シーソーアーム43の操作姿勢への切換時、昇降部材46は、連結部材44と共に、その昇降範囲の上限位置である退避操作位置に上昇作動する。
【0067】
昇降部材46の進出側の端面51は、進退部材31の退避側の端面における昇降部材46側に膨出した当接部31aと当接する。この端面51の上部は進出側に位置する進出操作面51aであり、その下部は退避側に位置する退避操作面51bであり、その中途部は進出操作面51aと退避操作面51bとを連接するように下方に向かって退避側に傾斜した作動面51cである。
【0068】
トリガー操作によって昇降部材46が退避操作位置に上昇した際、進退部材31の当接部31aにおける端面51との当接位置が退避操作面51bに変位し、進退部材31が退避状態に切り換えられる(図8参照)。その後、このトリガー操作の解除によって昇降部材46が進出操作位置に下降した際、進退部材31の当接部31aにおける端面51との当接位置が進出操作面51aに変位し、進退部材31が進出状態に切り換えられる(図7参照)。
【0069】
ちなみに、昇降部材46の端面51と当接部31aとを安定的に当接させるため、進退部材31を退避側に弾力的に付勢する図示しない付勢部材を設けてもよいが、取付ボルト14からの作用や、圧縮スプリング39からの弾力的な付勢力によって、両者の当接をある程度は安定させることが可能であるため、この付勢部材は省略してもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 本体
2 着脱パーツ
2a 挿通孔
3 着脱パーツ
3a 挿通孔
8a 挿入穴(挿入部)
9 キャラクターパーツ(対象物)
11 設置部
13 トリガースイッチ(トリガー操作具)
14 取付ボルト(取付具)
19 カバー体
23 軸部
23a 雄ネジ
29 解除機構
31 進退部材
32 連係機構
38 構成面
38a 雌ネジ
39 圧縮スプリング(付勢部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8