(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173301
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】分析装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0211 20230101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q30/0211
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091630
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(71)【出願人】
【識別番号】523209818
【氏名又は名称】星野 崇宏
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保田 匡亮
(72)【発明者】
【氏名】星野 崇宏
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】決済サービスの利用拡大のために決済毎に抽選を発生させるキャンペーンにおいて1回当選することによる効果を明らかにする。
【解決手段】分析装置10は、取得部130a、分類部130b、及び第1算出部130dを備える。取得部130aは、キャンペーンに参加して1回以上決済を行った複数のユーザのキャンペーン期間中の決済の履歴を示す第1履歴データとキャンペーン終了後の決済の履歴を示す第2履歴データとを取得する。分類部130bは、当選までに要した決済回数に応じて複数のユーザをグループ分けする。第1算出部130dは、第1履歴データ及び第2履歴データに基づいて、j(jは1以上の整数)回目の決済時に当選したグループの決済の履歴と、1回も当選しなかったグループの決済の履歴とを比較することにより、j回目の抽選により当選したことに起因する決済動向の変化量を算出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済毎に抽選が発生するキャンペーンに参加して1回以上決済を行った複数のユーザであって、1回当選したユーザと1回も当選しなかったユーザとを含む複数のユーザの各々についての前記キャンペーンを開催中の第1期間における決済の履歴を示す第1履歴データ、及び前記キャンペーンを開催前の第2期間と前記キャンペーンを開催後の第3期間の少なくとも一方における前記複数のユーザの各々の決済の履歴を示す第2履歴データを、取得する取得部と、
前記複数のユーザを前記抽選に当選したユーザの属するグループと1回も当選しなかったユーザの属するグループとにグループ分けし、且つ前記抽選に当選したユーザのグループを当選までに要した決済回数に応じて更にグループ分けする分類部と、
前記第1履歴データ及び前記第2履歴データに基づいて、j(jは1以上の整数)回目の決済時に当選したグループに属するユーザの決済の履歴と、1回も当選しなかったグループに属するユーザの決済の履歴とを比較することにより、前記抽選に1回当選したことに起因する決済動向の変化量を算出する第1算出部と、
を有する分析装置。
【請求項2】
前記抽選に当選したとは、当選確率及び付与されるインセンティブの程度が互いに異なる複数種の賞のいずれかに当選したことであり、
前記第1算出部は、前記抽選に1回当選したことに起因する決済動向の変化量を賞毎に算出する、
請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記第1算出部は、当選に起因する決済動向の変化量を、当選するまでに要した決済回数毎に算出し、
当選するまでに要した決済回数毎に前記第1算出部により算出された変化量に、当選するまでに要した決済回数に応じたグループのユーザ数に応じた重みを付与して平均することにより、前記抽選に1回当選したことに起因する決済動向の変化量を算出する第2算出部を更に備える、
請求項1に記載の分析装置。
【請求項4】
j回目の決済時に当選したユーザの属するグループからブートストラップ法により複数のグループを生成する生成部と、
前記生成部により生成された複数のグループの各々における決済の履歴と、1回も当選しなかったユーザのグループにおける決済の履歴とに基づいて、前記抽選に1回当選したことに起因する決済動向の変化量に関する統計量を算出する第3算出部を更に備える、
請求項1に記載の分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、効果又は有用性を確かめたい予防法又は治療法を用いて介入を行った被験者のグループ(介入群)と、介入群との比較対象となる被験者のグループ(例えば、介入を行わない被験者のグループ:対照群)とを比較することにより、予防又は治療の効果を検証するランダム化比較試験についての開示がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「ランダム化比較試験とは?特徴や被験者の割り付け方法をわかりやすく解説」、オージー技術株式会社、[令和5年3月22日検索]、インターネット、<URL:https://ogw-media.com/medic/cat_clinic/3569>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モバイル決済の利用拡大のための施策の一例として、インセンティブの程度が異なる複数の賞のいずれかが当選し得る抽選を決済毎に発生させるキャンペーンを開催することが挙げられる。この種のキャンペーンでは、開催期間中に複数回の決済が行われる場合がある。キャンペーンでは、開催期間中に複数回の決済が行われた場合、決済が行われた回数分だけ抽選の機会(即ち、介入の機会)があるため、非特許文献1に開示の技術を利用して介入の効果を見極めることは困難であった。このため、決済動向の変化(例えば、決済回数の増減及び1回の決済金額の増減等)に対する各賞に当選したことの影響(即ち、決済動向の変化に対するキャンペーンの詳細な効果)は必ずしも明らかではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の好適な態様に係る分析装置は、取得部、分類部、及び第1算出部を備える。前記取得部は、決済毎に抽選が発生するキャンペーンに参加して1回以上決済を行った複数のユーザであって、1回当選したユーザと1回も当選しなかったユーザとを含む複数のユーザの各々についての前記キャンペーンを開催中の第1期間における決済の履歴を示す第1履歴データ、及び前記キャンペーンを開催前の第2期間と前記キャンペーンを開催後の第3期間の少なくとも一方における前記複数のユーザの各々の決済の履歴を示す第2履歴データを、取得する。前記分類部は、前記複数のユーザを前記抽選に当選したユーザの属するグループと1回も当選しなかったユーザの属するグループとにグループ分けし、且つ前記抽選に当選したユーザのグループを当選までに要した決済回数に応じて更にグループ分けする。前記第1算出部は、前記第1履歴データ及び前記第2履歴データに基づいて、j(jは1以上の整数)回目の決済時に当選したグループに属するユーザの決済の履歴と、1回も当選しなかったグループに属するユーザの決済の履歴とを比較することにより、前記抽選に1回当選したことに起因する決済動向の変化量を算出する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、決済サービスの利用拡大のために決済毎に抽選を発生させるキャンペーンにおける当選1回の効果が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の一実施形態による分析装置10の構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態において分析対象となるキャンペーンを説明するための図である。
【
図3】分類部130bが実行する処理を説明するための図である。
【
図4】処理装置130がプログラムPR1に従って実行する分析方法における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】分析装置10による算出結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(A:実施形態)
図1は、本開示の一実施形態による分析装置10の構成例を示す図である。分析装置10は、モバイル決済の利用拡大のための施策として開催されるキャンペーンの効果を分析するための装置である。
【0009】
図2は、当該キャンペーンを説明するための図である。当該キャンペーンを開催中の期間T1では、ユーザは、例えば500円等の所定の金額以上のモバイル決済を行う毎に、インセンティブの程度が異なる1等、2等又は3等の賞のいずれかが当選し得る抽選を受けることができる。1等に当選したことによるインセンティブは、決済金額の50%のキャッシュバックである。2等に当選したことによるインセンティブは、決済金額の25%のキャッシュバックである。3等に当選したことによるインセンティブは、決済金額の0.2%のキャッシュバックである。1等、2等又は3等の賞のいずれにも当選しなかった場合にはキャッシュバックは行われない。
【0010】
本実施形態では、1等、2等及び3等のいずれかの賞に当選する確率は20%である。本実施形態では、1等、2等及び3等のいずれかの賞に当選する確率が20%であることはキャンペーンに参加するユーザに予め知らされているが、賞毎の当選確率はユーザには知らされていない。本実施形態では、1等、2等及び3等の賞毎の当選確率は、キャンペーンに参加するユーザに知らされていないが、賞毎の当選確率がユーザに知らされてもよい。本実施形態では、1等、2等又は3等の賞のいずれかに当選したことは「抽選に当選した」と称される。また、1等、2等及び3等のいずれにも当選しなかったことは「抽選にはずれた」又は単に「はずれ」と称される。また、キャンペーン期間中に1回以上抽選を受けたにも拘わらず、1回も当選しなかったことは「未当選」と称される。上記キャンペーンでは、開催期間中に複数回の決済が行われる場合、決済が行われた回数分だけ介入の機会があるため、非特許文献1に開示の技術を利用して介入の効果を見極めることは困難であった。分析装置10は、開催期間中に複数回の介入の機会がある状況下において、1等、2等、又は3等のいずれかの賞に1回当選したことに起因する利用拡大効果の分析を可能にする装置である。
【0011】
図1に示されるように、分析装置10は、通信装置110と、記憶装置120と、処理装置130と、バス140と、を含む。通信装置110及び記憶装置120の各々と、処理装置130とは、データ授受を仲介するバス140によって相互に接続される。バス140は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、要素間毎に異なるバスを用いて構成されてもよい。
図1では詳細な図示を省略したが、分析装置10は、分析装置10の運用管理を行う作業者の入力操作を受け付ける入力装置と、各種情報を表示する表示装置とを含む。
【0012】
通信装置110は、他の装置と通信するためのハードウェア(送受信デバイス)である。通信装置110には、分析装置10と通信する他の装置が有線又は無線により接続される。通信装置110と通信する他の装置の一例としては、決済管理サーバが挙げられる。決済管理サーバは、モバイル決済を利用するユーザが行った決済の履歴を表す履歴データを記憶する。履歴データは、決済を行ったユーザを示すユーザ識別子に対応付けられた、決済を行った日時を示す日時データ及び決済金額を示す決済金額データのリストである。また、通信装置110と通信する他の装置の他の例としては、モバイル決済の利用拡大を目的するキャンペーンの効果を分析する分析担当者の利用する端末装置が挙げられる。
【0013】
記憶装置120は、処理装置130が読み取り可能な記録媒体である。記憶装置120は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つによって構成されてもよい。記憶装置120には、プログラムPR1が予め記憶されている。
【0014】
処理装置130は、1又は複数のCPU(Central Processing Unit)を含む。処理装置130は、分析担当者の利用する端末装置からプログラムPR1の実行を指示されたことを契機として、記憶装置120からプログラムPR1を読み取る。処理装置130は、読み取ったプログラムPR1を実行する。処理装置130は、プログラムPR1を実行することによって、
図1に示される取得部130a、分類部130b、生成部130c、第1算出部130d、第2算出部130e、及び第3算出部130fとして機能する。つまり、
図1に示される取得部130a、分類部130b、生成部130c、第1算出部130d、第2算出部130e、及び第3算出部130fは、CPU等のコンピュータをプログラム等のソフトウェアに従って作動させることにより実現されるソフトウェアモジュールである。取得部130a、分類部130b、生成部130c、第1算出部130d、第2算出部130e、及び第3算出部130fの各々が担う機能は次の通りである。
【0015】
取得部130aは、
図3に示されるキャンペーンに参加して1回以上決済を行った複数のユーザの各々について期間T1における決済の履歴を示す履歴データを決済管理サーバから取得する。本実施形態では、取得部130aによる履歴データの取得対象となる複数のユーザは、1等、2等、又は3等のいずれかの賞に1回当選したユーザと、いずれの賞にも1回も当選しなかったユーザ(即ち、未当選のユーザ)とに区分けされる。つまり、上記複数のユーザには、1回当選したユーザと未当選のユーザとが含まれる。また、取得部130aは、当該キャンペーンの終了後の期間T2(
図3参照)における上記複数のユーザの各々の決済の履歴を示す履歴データを決済管理サーバから取得する。本実施形態では、期間T1の時間長は4週間であり、期間T2の時間長は、12週間である。期間T1は本開示における第1期間の一例である。期間T2は本開示における第3期間の一例である。期間T1における決済の履歴を示す履歴データは本開示における第1履歴データの一例である。期間T2における決済の履歴を示す履歴データは本開示における第2履歴データの一例である。本実施形態における第2履歴データは、上記複数のユーザの各々の期間T2(第3期間)における決済の履歴を示すデータであった。しかし、第2履歴データは、上記複数のユーザの各々のキャンペーン開催前の第2期間における決済の履歴を示すデータであってもよく、また、第2期間及び第3期間における上記複数のユーザの各々の決済の履歴を示すデータであってもよい。
【0016】
分類部130bは、前述の複数のユーザを、抽選に当選したユーザのグループと、1回も当選しなかったユーザのグループと、にグループ分けする。また、分類部130bは、抽選に当選したユーザのグループを、当選までに要した決済回数に応じて更にグループ分けする。
【0017】
図3は、分類部130bが実行する処理を説明するための図である。例えば、J+1回目(Jは2以上の整数)の抽選以降に当選したユーザが居ない場合、分類部130bは、
図3に示されるように、前述の複数のユーザを対象として第1階層から第J階層までのJ個の階層について介入群と対照群とを生成する。より詳細に説明すると、分類部130bは、まず、1回目の抽選において1等、2等、又は3等のいずれかに当選したユーザのグループG(1)と、1回目の抽選において抽選にはずれたユーザであって、且つ2回目以降の抽選の当選者を除いたユーザのグループGA(1)とを上記複数のユーザから抽出する。第1階層における介入群とはグループG(1)のことであり、第1階層における対照群とはグループGA(1)のことである。
【0018】
次いで、分類部130bは、期間T1において1回以上抽選を受けた複数のユーザ(ただし、1回目の当選者を除く)から、2回目の抽選において1等、2等、又は3等のいずれかに当選したユーザのグループG(2)と、2回目の抽選においてはずれたユーザであって、且つ3回目以降の抽選の当選者を除いたユーザのグループGA(2)とを抽出する。グループG(2)は第2階層における介入群であり、グループGA(2)は第2階層における対照群である。以降、分類部130bは、第J階層まで上記グループ分けを繰り返す。第J階層まで上記グループ分けを繰り返すことにより、第j階層における介入群であるグループG(j)と第j階層における対照群であるグループGA(j)とが生成される(jは1以上且つJ以下の整数)。また、以下では、グループG(j)に属するユーザの集合とグループGA(j)とに属するユーザとの集合との和集合は「第j階層のユーザ」と称される。第j階層のユーザとは、期間T1において1回以上抽選を受けた複数のユーザのうち、j-1回目の抽選までの当選者を除いたユーザの集合である。グループG(j)とは、第j階層のユーザのうちj回目の当選において1等、2等又は3等のいずれかに当選したユーザのグループである。グループGA(j)とは、第j階層のユーザのうちj回目の当選においてはずれたユーザであって、且つj+1回目以降の抽選の当選者を除いたユーザのグループである。
【0019】
生成部130cは、グループG(1)~G(J)の各々についてブートストラップ法を適用してM個のグループを生成することにより、M個のグループ群を生成する。なお、Mは2以上の整数であり、本実施形態では1000である。M個のグループ群の各々には、1回目の決済時に当選したユーザのグループ、2回目の決済時に当選したユーザのグループ・・・J回目の決済時に当選したユーザのグループが一つずつ含まれる。ブートストラップ法によるグループの生成については既存技術が適宜採用される。以下では、m(mは1以上かつM以下の整数)番目のグループ群において、j回目の決済時に当選したユーザのグループはグループG(m、j)と表記される。同様に生成部130cは、グループGA(1)~GA(J)の各々についてブートストラップ法を適用してM個のグループを生成することにより、M個のグループ群を生成する。以下では、m番目のグループ群においてグループG(m、j)に対する対照群はグループGA(m、j)と表記される。
【0020】
第1算出部130d及び第2算出部130eは、m=1~Mの各mについて、即ちグループ群毎に、以下の処理を行う。第1算出部130dは、j=1~Jの各jについてグループG(m、j)に属するユーザの履歴データと、グループGA(m、j)に属するユーザの履歴データとに基づいて、j回目の抽選により当選したことに起因する決済動向の変化量(決済回数の合計、決済金額の合計、又は1回当たりの決済金額についての未当選の場合との差分)を算出する。本実施形態では、第1算出部130dは当選に起因する決済動向の変化量を賞毎に算出する。
【0021】
例えば、j回目の抽選において1等に当選したことに起因する決済動向の変化量については、第1算出部130dは、以下の数1に示す演算により算出する。
【数1】
数1に示す数式の右辺におけるPrize=1は1等に当選したことを表す。Prize=0は、1等、2等、及び3等のいずれにも当選しなかったことを表す。数1に示す数式の右辺第1項におけるY
(j)は、グループG(m、j)に属するユーザについての期間T1における決済回数の合計、決済金額の合計又は1回の決済当たりの決済金額である。また、数1に示す数式の右辺第2項におけるY
(j)は、グループGA(m、j)に属するユーザについての期間T1における決済回数の合計、決済金額の合計又は1回の決済当たりの決済金額である。式(1)の右辺におけるE[]はグループ内での平均を意味する。本実施形態では、2等に当選したことはPrize=2と表される。従って、j回目の抽選において2等に当選したことに起因する決済動向の変化量は、数1に示す数式の右辺における「Prize=1」を「Prize=2」に置き換えた演算を行うことによって算出される。同様に、3等に当選したことはPrize=3と表され、j回目の抽選において3等に当選したことに起因する決済動向の変化量は、数1に示す数式の右辺における「Prize=1」を「Prize=3」に置き換えた演算を行うことにより算出される。
【0022】
第2算出部130eは、当選するまでに要した決済回数毎に第1算出部130dにより算出された変化量に、当選するまでに要した決済回数に応じた階層のユーザの数に応じた重みを付与して平均することにより、何回目の抽選において当選したかを問わずに、抽選に当選したことに起因する決済動向の変化量を算出する。本実施形態では、第2算出部130eは、Prize=1、2及び3の各々について、第1算出部130dにより算出された値τ(j)を用いて以下の数2に示す演算を行うことにより、1等、2等、及び3等の各賞に当選したことに起因する決済動向の変化量を算出する。なお、数2におけるN(j)は、第j階層のユーザの数(グループG(m、j)のユーザ数とグループGA(m、j)のユーザ数との和)であり、数2におけるNは第1階層から第J階層までの各階層のユーザの数の和(j=1からJまでのN(j)の和)である。
【数2】
【0023】
第3算出部130fは、M個のグループ群の各々について1等、2等、及び3等の賞毎に第2算出部130eにより算出された決済動向の変化量に基づいて、1等、2等、及び3等のいずれかの賞に当選したことに起因する決済動向の変化量の統計量(当該変化量の平均値及び標準偏差)を算出する。また、第3算出部130fは、1等、2等、及び3等のいずれかの賞に当選したことに起因する決済動向の変化量の信頼区間(信頼区間の下限値及び上限値)を上記統計量に基づいて算出する。なお、信頼区間の上限値及び下限値の算出方法については既存技術が適宜採用される。第3算出部130fにより算出された平均値、信頼区間の上限値及び下限値は賞毎の表示装置に表示させてもよいし、通信装置110を介して端末装置へ送信されてもよい。
【0024】
プログラムPR1に従って作動している処理装置130は、本開示に特有の分析方法を実行する。
図4は、本開示の分析方法における処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示されるように、本開示の分析方法には、取得処理SA110、分類処理SA120、生成処理SA130、第1算出処理SA140、第2算出処理SA150、及び第3算出処理SA160が含まれる。
図4に示される各処理の処理内容は次の通りである。
【0025】
取得処理SA110では、処理装置130は、取得部130aとして機能する。取得処理SA110では、処理装置130は、決済毎に抽選が発生するキャンペーンに参加して1回以上決済を行った複数のユーザの各々についての期間T1における決済の履歴を示す履歴データを取得する。また、取得処理SA110では、処理装置130は、期間T2における当該複数のユーザの各々の決済の履歴を示す履歴データを取得する。
【0026】
分類処理SA120では、処理装置130は、分類部130bとして機能する。分類処理SA120では、処理装置130は、複数のユーザを抽選に当選したユーザの属するグループと1回も当選しなかったユーザの属するグループとにグループ分けする。また、分類処理SA120では、処理装置130は、抽選に当選したユーザのグループを当選までに要した決済回数に応じて更にグループ分けする。本実施形態における分類処理では、前述のグループG(1)~G(J)とグループGA(1)~GA(J)とが生成される。
【0027】
生成処理SA130では、処理装置130は、生成部130cとして機能する。生成処理SA130では、処理装置130は、グループG(1)~G(J)の各々についてブートストラップ法を適用してM個のグループを生成することにより、M個のグループ群を生成する。また、生成処理SA130では、処理装置130は、グループGA(1)~GA(J)の各々についてもブートストラップ法を適用してM個のグループを生成することにより、M個のグループ群を生成する。
【0028】
第1算出処理SA140及び第2算出処理SA150は、M個のグループ群の各々を示す変数m(mは1以上且つM以下の整数)に対して実行される処理である。第1算出処理SA140では、処理装置130は、第1算出部130dとして機能する。第1算出処理SA140では、処理装置130は、1等、2等、及び3等の賞毎に、j=1~Jの各jについて、グループG(m、j)における決済の履歴と、グループGA(m、j)における決済の履歴とに基づいて、j回目の抽選により当選したことに起因する決済動向の変化量を賞毎に算出する。
【0029】
第2算出処理SA150では、処理装置130は、第2算出部130eとして機能する。第2算出処理SA150では、処理装置130は、当選するまでに要した決済回数毎に第1算出処理SA140にて算出された変化量に、当選するまでに要した決済回数に応じた階層のユーザの数に応じた重みを付与して平均することにより、抽選に当選したことに起因する決済動向の変化量を賞毎に算出する。
【0030】
第3算出処理SA160では、処理装置130は、第3算出部130fとして機能する。第3算出処理SA160では、処理装置130は、M個のグループ群の各々について1等、2等、及び3等の賞毎に第2算出部130eにより算出された決済動向の変化量に基づいて、1等、2等、及び3等のいずれかの賞に当選したことに起因する決済動向の変化量の統計量を算出する。
【0031】
図5は、期間T1において1回以上抽選を受けた複数のユーザの全体を対象とする、当該期間T1における決済金額の合計、決済回数の合計、及び1回当たりの決済金額についての分析装置10の算出結果の一例を示す図である。
図5に示されるように、1等、2等、及び3等のいずれの賞に当選した場合も、未当選に比較して、決済金額の合計及び決済回数の合計が増加している。以下では、決済動向を表す指標(決済金額の合計、決済回数の合計、又は1回当たりの決済金額)を増加させる効果は正の効果と称される。決済金額の合計及び決済回数の合計については1等、2等、及び3等のいずれについても正の効果が認められるので、1等、2等、及び3等のいずれかに当選したことは、当選後に抽選への参加意欲を高める効果があると考えられる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態の分析装置10によれば、モバイル決済の利用拡大のために、インセンティブの程度が異なる複数の賞のいずれかが当選し得る抽選を決済毎に発生させるキャンペーンを開催した場合において、何回目の抽選において当選したかを問わずに、当選1回の利用拡大の効果が賞毎に明らかになる。
【0033】
(B:変形)
本開示は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様は以下の通りである。以下の例示から任意に選択された2以上の態様が併合されてもよい。
(B-1:変形例1)
上記実施形態では、分析装置10の記憶装置120にプログラムPR1が記憶されていたが、プログラムPR1が単体で製造又は販売されてもよい。プログラムPR1を販売する際の購入先へのプログラムPR1の提供態様としては、フラッシュROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体にプログラムPR1を書き込んで配布する態様、又は電気通信回線経由のダウンロードにより配布する態様が挙げられる。
【0034】
(B-2:変形例2)
上記実施形態における取得部130a、分類部130b、生成部130c、第1算出部130d、第2算出部130e、及び第3算出部130fはいずれもソフトウェアモジュールであった。しかし、取得部130a、分類部130b、生成部130c、第1算出部130d、第2算出部130e、及び第3算出部130fのうちのいずれか一つ、いずれか二つ、いずれか三つ、いずれか四つ、いずれか五つ又は全部はハードウェアモジュールであってもよい。ハードウェアモジュールの具体例としては、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が挙げられる。取得部130a、分類部130b、生成部130c、第1算出部130d、第2算出部130e、及び第3算出部130fのうちのいずれか一つ、いずれか二つ、いずれか三つ、いずれか四つ、いずれか五つ又は全部がハードウェアモジュールであっても、上記実施形態と同一の効果が奏される。
【0035】
(B-3:変形例3)
生成部130c及び第3算出部130fは必ずしも必須ではなく、省略可能である。例えば、統計量の算出に十分な数の履歴データを取得できるのであれば、生成部130cは不要である。また、信頼区間の算出が不要であれば、第3算出部130fは不要である。また、j回目の抽選において1等、2等及び3等のいずれかの賞に当選することに起因する効果の分析で十分な場合には、第2算出部130eは不要である。また、上記キャンペーンにおける抽選は、所定のインセンティブを付与する「当たり」と当該インセンティブを付与しない「はずれ」のいずれかを割り当てる抽選であってもよい。上記実施形態におけるキャンペーンはモバイル決済の利用拡大のためのキャンペーンであったが、本開示の分析対象となるキャンペーンは、何らかのインセンティブを付与するか否かの抽選を決済が発生する毎に行うキャンペーンであればよい。
【0036】
(C:その他)
(1)上述した実施形態では、記憶装置120としてROM及びRAM等が例示されたが、記憶装置120は、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体であってもよい。
【0037】
(2)上述した実施形態において、説明した情報、信号等は、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップ等は、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0038】
(3)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0039】
(4)上述した実施形態において、判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0040】
(5)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾の無い限り、順序が入れ替えられてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素が提示されており、提示された特定の順序に限定されない。
【0041】
(6)
図1に例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線等を用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0042】
(7)上述した実施形態で例示したプログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能等を意味するよう広く解釈されるべきである。
【0043】
また、ソフトウェア、命令、情報等は、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)等)及び無線技術(赤外線、マイクロ波等)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0044】
(8)前述の各形態において、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0045】
(9)本開示において説明した情報、パラメータ等は、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0046】
(10)上述した実施形態において、携帯機器には、移動局(MS:Mobile Station)である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。また、本開示においては、「移動局」、「ユーザ端末(user terminal)」、「端末装置(UE:User Equipment)」、「端末」等の用語は、互換的に使用され得る。
【0047】
(11)上述した実施形態において、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は、「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギー等を用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0048】
(12)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0049】
(13)本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事等を含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事等を含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)等した事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」等で読み替えられてもよい。
【0050】
(14)上述した実施形態において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。更に、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0051】
(15)本開示において、例えば、英語でのa,an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0052】
(16)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBが夫々Cと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0053】
(17)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0054】
(D:上述の形態又は変形例から把握される態様)
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。上述の実施形態又は変形例の少なくとも1つから以下の態様が把握される。
【0055】
本開示の第1の態様による分析装置は、取得部、分類部、及び第1算出部を備える。前記取得部は、決済毎に抽選が発生するキャンペーンに参加して1回以上決済を行った複数のユーザあって、1回当選したユーザと1回も当選しなかったユーザとを含む複数のユーザの各々についての前記キャンペーンを開催中の第1期間における決済の履歴を示す第1履歴データ、及び前記キャンペーンを開催前の第2期間と前記キャンペーンを開催後の第3期間の少なくとも一方における前記複数のユーザの各々の決済の履歴を示す第2履歴データを、取得する。前記分類部は、前記複数のユーザを前記抽選に当選したユーザの属するグループと1回も当選しなかったユーザの属するグループとにグループ分けし、且つ前記抽選に当選したユーザのグループを当選までに要した決済回数に応じて更にグループ分けする。前記第1算出部は、前記第1履歴データ及び前記第2履歴データに基づいて、j(jは1以上の整数)回目の決済時に当選したグループに属するユーザの決済の履歴と、1回も当選しなかったグループに属するユーザの決済の履歴とを比較することにより、前記抽選に1回当選したことに起因する決済動向の変化量を算出する。第1の態様の分析装置によれば、j回目の抽選により当選したことに起因する決済動向の変化量が算出されるので、決済サービスの利用拡大のために決済毎に抽選を発生させるキャンペーンにおいて1回当選したこと、より詳細にはj回目の抽選において当選したことによる利用拡大の効果が明らかになる。
【0056】
本開示の第2の態様(第1の態様の例)では、前記抽選に当選したとは、当選確率及び付与されるインセンティブの程度が互いに異なる複数種の賞のいずれかに当選したことである。この第2の態様に係る分析装置における前記第1算出部は、前記抽選に1回当選したことに起因する決済動向の変化量を賞毎に算出する。第2の態様の分析装置によれば、j回目の抽選により当選したことに起因する決済動向の変化量が賞毎に算出されるので、決済サービスの利用拡大のためにインセンティブの程度が異なる複数の賞のいずれかが当選し得る抽選を決済毎に発生させるキャンペーンにおいてj回目の抽選で当選したことに起因する利用拡大の効果が賞毎に明らかになる。
【0057】
本開示の第3の態様(第1の態様の例、又は第2の態様の例)の分析装置における前記第1算出部は、当選に起因する決済動向の変化量を、当選するまでに要した決済回数毎に算出する。この第3の態様に係る分析装置は、第2算出部を更に備える。前記第2算出部は、当選するまでに要した決済回数毎に前記第1算出部により算出された変化量に、当選するまでに要した決済回数に応じたグループのユーザ数に応じた重みを付与して平均することにより、前記抽選に1回当選したことに起因する決済動向の変化量を算出する。第3の態様の分析装置によれば、決済サービスの利用拡大のために決済毎に抽選を発生させるキャンペーンにおいて、何回目の抽選において当選したかを問わずに、1回当選したことに起因する効果が明らかになる。
【0058】
本開示の第4の態様(第1の態様の例、第2の態様の例、又は第3の態様の例)の分析装置は、生成部と、第3算出部と、を備える。生成部は、j回目の決済時に当選したユーザの属するグループからブートストラップ法により複数のグループを生成する。第3算出部は、前記生成部により生成された複数のグループの各々における決済の履歴と、1回も当選しなかったユーザのグループにおける決済の履歴とに基づいて、前記抽選に1回当選したことに起因する決済動向の変化量に関する統計量を算出する。第4の態様の分析装置によれば、決済サービスの利用拡大のために決済毎に抽選を発生させるキャンペーンにおいて1回当選したことに起因する決済動向の変化量に関する統計量の算出が可能になる。
【符号の説明】
【0059】
10…分析装置、110…通信装置、120…記憶装置、130…処理装置、130a…取得部、130b…分類部、130c…生成部、130d…第1算出部、130e…第2算出部、130f…第3算出部、140…バス、PR1…プログラム。