(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173309
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】調理器具
(51)【国際特許分類】
A47J 43/28 20060101AFI20241205BHJP
A47J 37/04 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
A47J43/28
A47J37/04 103D
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091647
(22)【出願日】2023-06-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】302045602
【氏名又は名称】株式会社レーベン
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高部 篤
【テーマコード(参考)】
4B040
4B053
【Fターム(参考)】
4B040AA02
4B040AB20
4B040AE11
4B053AA03
4B053CA22
(57)【要約】
【課題】食材に刺し易く、食材が抜けにくい調理器具を提供する。
【解決手段】 使用者によって把持される部分である把持部と、把持部に接続し、食材に刺さる部分である刺し部と、を備え、刺し部は、複数の腕部を有し、少なくとも腕部の一つは、先端に逆鉤部を含んでいる調理器具。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者によって把持される部分である把持部と、
前記把持部に接続し、食材に刺さる部分である刺し部と、を備え、
前記刺し部は、複数の腕部を有し、
少なくとも前記腕部の一つは、先端に逆鉤部を含んでいる
調理器具。
【請求項2】
請求項1に記載の調理器具であって、
前記逆鉤部は、前記腕部の先端から前記腕部の水平面と鋭角をなす傾斜部および前記腕部が伸びる方向と略垂直な方向に伸びる抜け止め部を備える
調理器具。
【請求項3】
請求項1に記載の調理器具であって
前記刺し部は、前記食材の刺さりを停止するための停止部を有している
調理器具。
【請求項4】
請求項3に記載の調理器具であって、
前記停止部は、停止位置を変更可能な調整補助部を備えている
調理器具。
【請求項5】
請求項2に記載の調理器具であって、
前記逆鉤部の先端側が、前記腕部の水平面に対して前記傾斜部と反対側に角度を有している
調理器具。
【請求項6】
請求項2に記載の調理器具であって、
複数の前記腕部は、それぞれ複数の逆鉤部を含んでいる
調理器具。
【請求項7】
請求項2に記載の調理器具であって、
前記逆鉤部は、前記傾斜部が前記刺し部の軸に対しねじ曲がっている
調理器具。
【請求項8】
請求項1に記載の調理器具であって、
前記刺し部は、3本の前記腕部を有し、2本の前記腕部は先端に前記逆鉤部を含んでいる
調理器具。
【請求項9】
請求項8に記載の調理器具であって、
前記腕部は、段差を有している
調理器具。
【請求項10】
請求項1に記載の調理器具であって、
前記複数の腕部は、少なくとも一つの腕部が、他の腕部に対し、回動可能となっている
調理器具。
【請求項11】
請求項10に記載の調理器具であって、
前記回動可能な腕部は、前記腕部が伸びる方向と反対側にレバーを有する
調理器具。
【請求項12】
請求項10に記載の調理器具であって、
前記回動可能な腕部は、回転を停止するロック部を有する
調理器具。
【請求項13】
請求項10に記載の調理器具であって、
前記回動可能な腕部は、弾性部材により他の腕部に対し回動可能となっている
調理器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理器具に関する。
【背景技術】
【0002】
バーベキュー等で使用される食材を突き刺して保持するための串がある。
【0003】
特許文献1には、食材に突き刺して使用する差し替え式マルチツールが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、ピーラーの多様化により、ピーラーは、食材の皮をむくだけでなく、食材を加工するために食材を削ることにも用いられるようになっている。食材を加工する際に、球面を有するなど手で把持しにくい食材を安定して固定させる必要があり、食材を串などに刺して固定することがある。この場合、食材を使用者から遠ざかる方向に向けてピーラーを使用すると、ピーラーの向きによっては、食材を保持している手を怪我する恐れがある。そこで、食材を使用者側に向けてピーラーを使用すると、ピーラーを使用者側に引くことになり怪我を防止できる。
【0006】
しかし、特許文献1の差し替え式マルチツールのような串を使用して、食材を使用者側に向けると、食材が串から抜けやすくなってしまう。
【0007】
そこで、本発明は、食材に刺し易く、食材が抜けにくい調理器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。すなわち、本発明の一態様に係る調理器具は、使用者によって把持される部分である把持部と、前記把持部に接続し、食材に刺さる部分である刺し部と、を備え、前記刺し部は、複数の腕部を有し、少なくとも前記腕部の一つは、先端に逆鉤部を含んでいる。
【0009】
前記逆鉤部は、前記腕部の先端から前記腕部の水平面と鋭角をなす傾斜部および前記腕部が伸びる方向と略垂直な方向に伸びる抜け止め部を備えていてもよい。
【0010】
前記刺し部は、前記食材の刺さりを停止するための停止部を有していてもよい。
【0011】
前記停止部は、停止位置を変更可能な調整補助部を備えていてもよい。
【0012】
前記逆鉤部の先端側が、前記腕部の水平面に対して前記傾斜部と反対側に角度を有していてもよい。
【0013】
複数の前記腕部は、それぞれ複数の逆鉤部を含んでいてもよい。
【0014】
前記逆鉤部は、前記傾斜部が前記刺し部の軸に対しねじ曲がっていてもよい。
【0015】
前記刺し部は、3本の前記腕部を有し、2本の前記腕部は先端に前記逆鉤部を含んでいてもよい。
【0016】
前記腕部は、段差を有していてもよい。
【0017】
前記複数の腕部は、少なくとも一つの腕部が、他の腕部に対し、回動可能となっていてもよい。
【0018】
前記回動可能な腕部は、前記腕部が伸びる方向と反対側にレバーを有していてもよい。
【0019】
前記回動可能な腕部は、回転を停止するロック部を有していてもよい。
【0020】
前記回動可能な腕部は、弾性部材により他の腕部に対し回動可能となっていてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、食材に刺し易く、食材が抜けにくい調理器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施形態1に係る調理器具1の一例を示した図である。
【
図2】実施形態1に係る調理器具1の一例を示した図である。
【
図3】実施形態1に係る調理器具1の一例を示した図である。
【
図4】実施形態1の変形例1に係る調理器具1を示す図である。
【
図5】実施形態1の変形例2に係る調理器具1を示す図である。
【
図6】実施形態1の変形例3に係る調理器具1を示す図である。
【
図7】実施形態1の変形例4に係る調理器具1を示す図である。
【
図8】実施形態1の変形例4に係る調理器具1の使用の一例を示す図である。
【
図9】実施形態1の変形例5に係る調理器具1を示す図である。
【
図10】実施形態1の変形例5に係る調理器具1の使用の一例を示す図である。
【
図11】実施形態1の変形例6に係る調理器具1を示す図である。
【
図12】実施形態1の変形例6の変形例を示す図である。
【
図13】実施形態2に係る調理器具2の一例を示した図である。
【
図14】実施形態2の変形例1に係る調理器具2の一例を示した図である。
【
図15】実施形態2の変形例2に係る調理器具2の一例を示した図である。
【
図16】実施形態2の変形例2の他の使用の一例を示した図である。
【
図17】実施形態2の変形例3に係る調理器具2の一例を示した図である。
【
図18】実施形態2の変形例3に係る調理器具2の一例を示した図である。
【
図19】実施形態2の変形例4に係る調理器具2の一例を示した図である。
【
図20】実施形態2の変形例4の他の使用の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態の例を図面を用いて説明する。なお、下記実施形態において共通する構成要素については、前出の符号と同様な符号を付し説明を省略することがある。また、構成要素等の形状、位置関係等に言及する場合は、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。
【0024】
<実施形態1>
図1~
図3は、実施形態1に係る調理器具1の一例を示した図である。
図1(a)は、調理器具1の正面図、
図1(b)は、調理器具1の部分透視左側面、
図2(a)は、逆鉤部22が外側を向いている調理器具1の部分正面図、
図2(b)は、調理器具1を食材に刺した状態を示す図、
図3(a)は、逆鉤部22が内側を向いている調理器具1の部分正面図、
図3(b)は、調理器具1を食材に刺した状態を示す図である。
【0025】
調理器具1は、把持部10と、刺し部20とを備える。把持部10は、芯部をABS樹脂、ポリプロピレン樹脂などで、外皮をエラストマー、ゴムなどの弾性のあるプラスチックで構成することができる。刺し部20は、ステンレス鋼などの金属、又は比較的固めで剛性が高く、食材に刺し易い合成樹脂などで構成することができる。調理器具1は、把持部10を手で握り、刺し部20に食材を刺して固定することができるものである。
【0026】
把持部10は、固定部分11と、貫通孔12と、滑り止め13と、を備えている。把持部10は、棒状で使用者が握りやすい形状をしている。把持部10は、一端に刺し部20が抜けないようインサート成形で固定している固定部分11を有している。固定部分11把持部10は、他端に貫通孔12を有している。貫通孔12は、極力角を少なくして丸みを帯びた形状をしている。把持部10は、外皮がエラストマー素材で形成されていることで、貫通孔12は、机などの平面に押し付けた際に弾力を有し、板状部材に傷がつくのを防止することができる。把持部10は、滑り止め13を複数有している。滑り止め13は、把持部10の表面に凸状に設けられている。滑り止め13は、把持部10を使用者が握った際に手が滑るのを防ぐことができる。なお、貫通孔12の部分は、貫通孔に代えて、滑り止め13と同様に把持部10の表面に凸状に設けられた滑り止め部であっても良い。この場合、凸状の滑り止め部は芯部と一体に形成してもよく、芯部と外皮を同一素材で形成したものであってもよい。
【0027】
刺し部20は、複数の腕部21と、複数の逆鉤部22と、停止部23と、支柱24と、を備えている。腕部21は、本実施形態では板状をしている。腕部21は、板状に限られず、使用する際に食材に刺すことができればどのような形状であってもよい。例えば、腕部21は、棒状でもよい。腕部21は、刺し部20の中途付近から支柱24が枝分かれして伸びている。本実施形態では、腕部21と支柱24は一体形成されているが、別々に形成して接続したものであってもよい。本実施形態では、刺し部20は、2本の腕部21を有している。
【0028】
逆鉤部22は、腕部21の先端に設けられている。逆鉤部22は、腕部21の先端から、腕部21の水平面と鋭角をなす傾斜部221と、腕部21が伸びる方向と略垂直な方向に伸びる抜け止め部222とを備えている。逆鉤部22は、傾斜部221を備えることで食材に差し込みやすく、また、抜け止め部222が食材中で引っ掛かることで食材から抜けにくくなっている。
【0029】
逆鉤部22は、
図2(a)に示すように、平行に伸びる2本の腕部21の外側に傾斜部221を有する場合と、
図3(a)に示すように、平行に伸びる2本の腕部21の内側に傾斜部221を有する場合がある。(なお、本明細書中では、外側に傾斜部221を有する逆鉤部22を、外側を向いている逆鉤部22、内側に傾斜部221を有する逆鉤部22を、内側を向いている逆鉤部22、という場合がある。)。
【0030】
停止部23は、刺し部20の中途付近の支柱24から腕部21が伸びる境目に設けられている。本実施形態では、停止部23は、円弧状である。ただし、停止部23は、食材外周に接して腕部21の差し込みを停止するものであるから形状は特に限定されず、例えば、直線状であってもよい。停止部23は、刺し部20が食材を貫通しない程度の位置に設けられ、刺し部20の差し込みすぎを防止している。停止部23は、段差部や傾斜部を設けてもよい。例えば、段差により徐々に食材が通過しにくくなる部分、停止し易くなる部分を設けてもよい。
【0031】
支柱24は、把持部10の固定部分11にインサート成形により接続固定され、腕部21を支えている。支柱24は、本実施形態では板状をしている。支柱24は、板状に限られず、腕部21を支えることができればどのような形状であってもよい。例えば、支柱24は、棒状でもよい。
【0032】
本実施形態の調理器具1を使用する場合は、把持部10を手で握り、刺し部20の逆鉤部22の先端を食材に当接させて位置決めをする。位置決めができたら、食材に腕部21を差し込んでいき刺し部20を食材内に固定する。腕部21を食材に差し込んで固定することで、食材を片手で安定して固定することができるので、調理がし易くなる。ここで、傾斜部221が腕部21の外側に傾斜している場合は、
図2(b)に示すように、食材Fに差し込んでいくと傾斜部221が食材に当たる抵抗で斜めにベクトルが発生し、弾性を有した腕部21が逆鉤部22の間隔が狭まる向きに力が働き、逆鉤部22のお互いの間隔が狭まる。また、差し込みが停止すると斜めに発生したベクトルが消滅し、腕部21の弾性力で元の位置に戻ろうとする力が働き外側に開こうとする。ここで、調理器具1を振る動作などを加えることで振動を与えると、腕部21は、より開いてくる。これにより、食材Fに逆鉤部22が食い込み、食材を把持する力が働く。一方、傾斜部221が腕部21の内側に傾斜している場合は、
図3(b)に示すように、上記
図2(b)の場合と同様の作用により、腕部21を食材Fに差し込んでいくと逆鉤部22の間隔が広がる。
【0033】
したがって、食材Fが固いものの場合は、傾斜部221が腕部21の外側に傾斜している調理器具1を使用すると、差し込みやすく抜けにくくなる。一方、食材Fが柔らかいものの場合は、傾斜部221が腕部21の内側に傾斜して腕部21の幅が広い調理器具1を使用することで、食材が壊れにくく、抜けにくく、また、扱いやすくなる傾向がある。この様に、調理器具1は、弾性を有した腕部21により、弾性で逆鉤部22の間隔が戻ろうとする力を利用している。また、上記の弾性力の作用を考慮すると、支柱24の形状は、好ましくは板状とすることで、逆鉤部22の開き方向が一定方向に定まりやすく、扱いやすい。
【0034】
なお、腕部21は、上記の弾性力の作用を考慮すると、例えばステンレス鋼などの金属を使用する場合、板材の厚みは、1.2mm~3.0mm、好ましくは、1.4mm~2.5mmとする。腕部21の最小幅は、1.2mm~3.0mm、好ましくは、1.2mm~2.5mmとする。また、腕部21の長さは、逆鉤部22の先端から停止部23までの長さが、30mm~150mm、好ましくは、30mm~120mm、より好ましくは、30mm~100mmである。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明した。本実施形態に係る調理器具1によれば、食材に刺し易く、食材が抜けにくい調理器具が提供される。調理器具1は、逆鉤部22の傾斜部221により食材に差し込みやすく、抜け止め部222により食材から抜けにくくなっている。
【0036】
なお、上記の実施形態は、本発明の要旨を例示することを意図し、本発明を限定するものではない。本発明の技術的思想の範囲内でさらなる様々な変形が可能である。
【0037】
<変形例1>
図4は、実施形態1の変形例1に係る調理器具1を示す図である。
図4(a)は、調理器具1と、調整補助部231のそれぞれの正面図、
図4(b)は、調整補助部231を取付けた状態の調理器具1の正面図である。本変形例では、停止部23は、調整可能に構成されている。
【0038】
停止部23は、刺し部20に着脱可能な調整補助部231を有している。調整補助部231は、刺し部20に嵌め込むことができる中空の略矩形の筒状をしており、一部にねじを通せる長孔231aを有している。調整補助部231を刺し部20に嵌め込み、刺し部20に設けたネジ留め部25に長孔231aを介してネジ26で留める。ネジ26を緩めると長孔231aの長さで調整補助部231を動かすことができ、所定の箇所にネジ26で固定することができる。停止部23の位置を任意とすることができるため、腕部21の長さを調節することができる。
【0039】
<変形例2>
図5は、実施形態1の変形例2に係る調理器具1を示す図である。
図5(a)は、逆鉤部22が腕部21に対して角度を有している調理器具1の部分正面図、
図5(b)は、調理器具1を食材に差し込み始めた状態の模式図、
図5(c)は、調理器具1を停止部23まで差し込んだ状態の模式図である。本変形例では、逆鉤部22の先端側が腕部21の水平面に対して傾斜部221と反対側に角度を有するように構成されている。
【0040】
外側を向いている逆鉤部22を備えている調理器具1において、逆鉤部22の先端側を腕部21の水平面に対して傾斜部221と反対側に角度を有するように、すなわち、腕部21の内側に角度を有するように刺し部20が形成されている。逆鉤部22の先端側は、腕部21の水平面に対して内側に約0度~5度傾斜している。逆鉤部22の先端側を傾斜させることで、比較的固い食材、例えば、ジャガイモ、人参、大根、キャベツなどに刺し部20を差し込む際に、逆鉤部22の先端同士が近づくことで先端に力がかかりやすくなり、容易に差し込むことができる(
図5(b))。また、腕部21を差し込んだ後は、逆鉤部22の先端同士が離れる方向に力が働くため、しっかりと固定される(
図5(c))。
【0041】
<変形例3>
図6は、実施形態1の変形例3に係る調理器具1を示す図である。本変形例では、腕部21は、実施形態1の場合より長く形成され、腕部21の先端だけでなく、中間部分にも逆鉤部22を有している。具体的には、腕部21の先端部分に第1の逆鉤部22a、腕部21の長さの中間よりやや先端寄りに第2の逆鉤部22bが設けられている。第1の逆鉤部22a及び第2の逆鉤部22bは、向かい合う2本の腕部21の同じ位置に設けられている。腕部21を長くしたことで、厚みのある食材に用いることができる。また、逆鉤部22を2か所に設けたことで、厚みのある食材に用いた場合でも調理器具1が抜けにくくなっている。
【0042】
<変形例4>
図7は、実施形態1の変形例4に係る調理器具1を示す図である。本変形例では、第2の逆鉤部22bの位置が互いに異なるように設けられている。具体的には、2本の腕部21の先端部分にそれぞれ第1の逆鉤部22aが同じ位置になるように設けられ、一方の腕部21の長さの中間よりやや先端寄りに第2の逆鉤部22b、他方の腕部21の中間地点に第2の逆鉤部22bの抜け止め部222が位置するように設けられている。第2の逆鉤部22bを第1の逆鉤部22aとは位置を異ならせて設けることで、柔らかい食材に刺し部20を刺した際に抜けにくくすることができる。
【0043】
図8は、変形例4に係る調理器具1の使用の一例を示す図である。
図8(a)は、玉ねぎを例に、玉ねぎの繊維に平行な方向に調理器具1を刺した模式図、
図8(b)は、玉ねぎの繊維に平行な方向に調理器具1を刺してから、繊維に垂直な方向に調理器具1を押し付けて移動させた模式図、
図8(c)は、玉ねぎの繊維に垂直な方向に調理器具1を刺した模式図を示している。
図8(a)に示すように、腕部21の先端側の第1の逆鉤部22aを食材に貫通させると、第1の逆鉤部22aの抜け止め部222が食材の端に引っ掛かり、また、位置の異なる第2の逆鉤部22bの抜け止め部222が食材内で引っ掛かるため、比較的柔らかい食材(玉ねぎ、山芋など)であっても調理器具1により固定することができる。また、
図8(b)に示すように、腕部21を食材に刺してから、調理器具1を差し込んだ方向と垂直な方向(矢印の方向)に押し付けて移動させることでさらに調理器具1を固定して抜けにくくすることができる。
図8(c)に示すように、玉ねぎの繊維に垂直な方向から腕部21を刺すと第1の逆鉤部22aの抜け止め部222が食材の外側に引っ掛かり、位置の異なる第2の逆鉤部22bの抜け止め部222が食材内で引っ掛かるため抜けにくくなる。玉ねぎの繊維に垂直な方向に調理器具1を差し込むと、玉ねぎの輪切りを容易に作ることができる。
【0044】
<変形例5>
図9は実施形態1の変形例5に係る調理器具1を示す図である。
図9(a)は、調理器具1の平面図、
図9(b)は、調理器具1の部分正面図である。本変形例では、調理器具1の逆鉤部22の形状が異なっている。逆鉤部22は、抜け止め部222が腕部21との間に隙間を有するように形成されている。具体的には、
図9(b)に示すように、傾斜部221の傾斜角より狭い角度で抜け止め部222から傾斜して腕部21に接続している。また、逆鉤部22は、
図9(a)に示すように傾斜部221が刺し部20の軸に対してねじ曲がった形状をしている。したがって、一方の逆鉤部22は、
図9(b)の紙面手前側に曲がり、他方の逆鉤部22は、
図9(b)の紙面奥側に曲がって形成されている。
【0045】
図10は、変形例5に係る調理器具1の使用の一例を示す図である。
図10(a)は、人参を例に、調理器具1を差し込む前の模式図、
図10(b)は、調理器具1を差し込んだ状態の模式図を示している。
図10(a)に示すように、逆鉤部22の先端を少し人参に刺し、一方の手の指先で把持部10を摘まんで支え、他方の手で人参を握って、調理器具1と共にまな板、机などの平面を有する板状部材に把持部10の端部を強く打ち付けると、
図10(b)に示すように人参に刺し部20が固定される。把持部10の端部は、弾性を有する素材で丸みを有するように形成されており、また、貫通孔12を備えているため、打ち付けた際の衝撃が吸収されてまな板に傷がつかないようになっている。逆鉤部22がねじれるように形成されているため、刺し部20を人参に差し込むと、2つの逆鉤部22の先端が近づくように差し込まれ、最後に腕部21の有する弾性力で広がるため、刺し部20が人参をしっかりと固定することができる。
【0046】
<変形例6>
図11は、実施形態1の変形例6に係る調理器具1を示す図である。本変形例では、腕部21を3本有し、そのうち1本は逆鉤部22を備えていない。具体的には、腕部21は、先端に外側を向いている逆鉤部22を含む2本の腕部211と、先端が尖っている腕部212とからなり、2種類3本の腕部211、212がフォーク状に配置されている。腕部21のうち、中央の腕部212は、他の2本の腕部211より長めに形成され、先端から停止部23に向かい徐々に幅が広くなっている。徐々に幅が広くなるように形成することで、腕部21を食材に差し込む際に負荷がかかることで刺し過ぎを防止することができる。特に、小さな食材へ差し込み過ぎてしまうのを防止することができる。また、腕部212を他の腕部211より少し長くしているため、食材に最初に当たるので位置決めがし易くなっている。なお、腕部212を他の腕部211より短く形成して、差し込み過ぎを防止するものとしてもよい。
【0047】
図12は、変形例6の変形例を示す図である。
図12(a)は、刺し部20の正面図、
図12(b)は、本変形例の使用の一例を示す図である。本変形例では、先端が尖っている腕部212が段差を有し、他の腕部211より短く形成されている。具体的には、
図12(a)に示すように、先端が尖っている腕部212は、他の腕部211より短く形成され、長さの略中間部分Aから停止部23に向かって先端側の約倍以上幅を有するように形成されている。したがって、腕部212の先端から部分Aまでの幅と、部分Aから停止部23までの幅に差が生じ、腕部212は、段差Bを有する形状をしている。内側を向いている逆鉤部22を有する腕部211は、腕部212を軸として外側に膨らむ形状の曲線を有している。本変形例の刺し部20は、逆鉤部22を食材の外周面に当てると、逆鉤部22の傾斜部221が食材の外周に沿って進み、腕部211が徐々に広がる。腕部212の先端が食材に当たり、続いて差し込んでいくと腕部212の先端で刺す勢いを抑え、次に段差Bで刺す勢いを抑え、さらに停止部23で刺す勢いが止められるため、小さな食材に調理器具1を使用した際に差し込み過ぎを防止することができる。腕部211は、腕部212が停止したところで外側から食材に押し込んでもよい。
図12(b)に示すように、本変形例の調理器具1は、リンゴ、レモン、プラム、ニンニクなど主に外形が曲線を有する食材に用いることができる。
【0048】
<実施形態2>
図13は、本発明の実施形態2に係る調理器具2の一例を示した図である。
図13(a)は、調理器具2の腕部21の先端が閉じた状態を示す正面図、
図13(b)は、調理器具2の腕部21の先端が開いた状態を示す正面図、
図13(c)は、調理器具1の使用の一例を示す模式図である。本実施例では、腕部21は、第1の腕部213と、第2の腕部214とを備え、第1の腕部213は、第2の腕部214に対し回動可能に形成されている。なお、第1の腕部213と第2の腕部214を分けて説明する必要がない場合は、腕部21として説明する。
【0049】
第1の腕部213は、第2の腕部214が伸びる支柱24に回動可能に取り付けられている。第1の腕部213が第2の腕部214に対し、例えばネジで留められている。ただし、回動可能であれば、固定の仕方は特に限定されない。また、第1の腕部213と第2の腕部214は、弾性部材(例えばバネ)を介して接続し、逆鉤部22の先端が合わさるように付勢してもよい。
【0050】
第1の腕部213は、逆鉤部22を有する腕部が伸びる方向と反対側にレバー215を有している。
図13(a)のように、腕部21の先端が閉じた状態では、レバー215は、把持部10との間に隙間を有するように配置されている。把持部10とレバー215を一緒に握り、レバー215を把持部10に近づけると、逆鉤部22の先端が開くようになっている。
【0051】
本実施形態の調理器具2は、逆鉤部22の先端が合わさっている状態で、食材に刺し部20を差し込む。この時、傾斜部221がお互いに外側を向いているため、逆鉤部22の先端が合わさった状態で食材に刺さっていく。刺し部20を差し込んだら、レバー215を握って逆鉤部22の先端を開くと、食材の中で抜け止め部222が引っ掛かり調理器具1が固定される。レバー215は、両方の腕部21が略平行になる位置まで駆動する。
【0052】
なお、本実施形態では、バネの付勢力により逆鉤部22の先端を合わせるように構成しているが、バネの付勢力で逆鉤部22の先端が開くように構成し、レバー215を握ると逆鉤部22の先端が合わさるように構成してもよい。この場合は、レバー215を握りながら刺し部20を食材に差し込み、食材に刺さったらレバー215を離して逆鉤部22の先端が開き食材中に刺し部20が固定される。
【0053】
以上、実施形態2について説明した。本実施形態の調理器具2は、第1の腕部213を第2の腕部214に対し回動可能とし、刺し部20の先端を開閉できるようにしたため、食材の中で腕部21の位置を変えることができ、より刺し部20を食材中に固定することができる。また、
図13(c)で示すように、食材を安定して保持できることにより、ピーラーで削るなどの際に食材を保持した手の方向と反対方向に削ることができ怪我を防止することができる。
【0054】
なお、調理器具2は、レバー215を握ることで、複数の腕部21の間隔を広げたり狭めたりすることができるため、レバー215を所定の位置で固定できるように、ロック部を設けてもよい。
【0055】
<変形例1>
図14は、実施形態2の変形例1に係る調理器具2の一例を示した図である。
図14(a)は、調理器具2の腕部21の先端が開いた状態の正面図、
図14(b)~(d)は、調理器具2の使用の一例を示す図である。本変形例では、第1の腕部213の回転を制限するストッパー216が設けられ、腕部21は、第1の腕部213がレバー215を有し、第2の腕部214に固定される部分で交差している。
【0056】
ストッパー216は、第1の腕部213が必要以上に回転するのを防止するために設けられている。本変形例では、第1の腕部213と第2の腕部214が略平行となる位置で逆鉤部22が開いた状態となる位置にストッパー216が配置されている。逆鉤部22が離れている状態で食材に刺し部20を差し込み、レバー215を握って食材中に刺し部20を固定する。本変形例では、外側を向いている逆鉤部22であるため、逆鉤部22を食材に差し込むと、2つの逆鉤部22は離れる方向に開いていく。その状態で、レバー215を握って逆鉤部22の先端が閉じるように腕部21を動かすことで、抜け止め部222が引っ掛かり刺し部20が食材中に固定される。
【0057】
<変形例2>
図15は、実施形態2の変形例2に係る調理器具2の一例を示した図である。
図15(a)は、調理器具2の腕部21の先端が開いた状態の図、
図15(b)~(d)は、調理器具2の使用の一例を示す図である。本変形例では、第1の腕部213と第2の腕部214の腕の長さが異なっている。
【0058】
本変形例では、第1の腕部213は、第2の腕部214より短く形成されている。腕部21の長さを異ならせることで、
図15(b)に示すように、第2の腕部214を食材に刺す際に位置決めし易く、また、第2の腕部214が先に食材に刺さることで第1の腕部213を食材に誘導し易くなる。
【0059】
第2の腕部214を食材に差し込み、続いて第1の腕部213を食材に差し込んでから、レバー215を握って第1の腕部213と第2の腕部214を近づけると2本の腕部21の間に食材の繊維などが挟み込まれ、そこに抜け止め部222が引っ掛かって固定される。
【0060】
図16は、変形例2の他の使用の一例を示した図である。
図16(a)(b)に示すように第2の腕部214を食材の略軸中心に差し込み、第1の腕部213は、食材の外周に当接させている。この状態でレバー215を握ると、第1の腕部213と第2の腕部214が近づく方向に移動するため、第1の腕部213の逆鉤部22が食材の側面に刺さる(
図16(c))。2本の腕部21によって中側と外側から食材が挟み込まれて固定されるため、調理器具2を回転させても食材が落ちることがなく、食材をピーラーで加工する際だけでなく、バーベキュー等で食材を焼く際にも用いることができる。なお、この場合、レバー215は、ロック部などにより固定されているとよい。
【0061】
<変形例3>
図17及び
図18は、実施形態2の変形例3に係る調理器具2の一例を示した図である。本変形例では、把持部10が長く形成され、第1の腕部213の回転は、第2の腕部214に近づく状態にバネで固定されている。レバー215は、把持部10から離れる方向に指で押すことで第1の腕部213と第2の腕部214が開くように構成されている。第1の腕部213は、コイルバネ等で第2の腕部214との間が狭まるように固定されている。なお、第1の腕部213と第2の腕部214の間が狭まるように固定できれば、コイルバネ等でなくてもよい。第1の腕部213と第2の腕部214の間が狭まる状態で固定されるため、調理器具2を回転させても食材が落ちることがなく、食材をピーラーで加工する際だけでなく、バーベキュー等で食材を焼く際にも用いることができる。
【0062】
図17では、トウモロコシの軸に第2の腕部214を差し込み、第1の腕部213で外側から押さえている。したがって、レバー215から手を離しても調理器具2はトウモロコシに固定されているため、調理器具2を回転させてもトウモロコシが落ちることがない。
【0063】
図18では、調理器具2は、第1の腕部213が2本に枝分かれしているため、生肉のような柔らかく差し込むには固い食材にも用いることができる。第1の腕部213は、1本だけでなく、例えば、第1の腕部213と対峙するなど連動して動くように複数本設けてもよい。
【0064】
<変形例4>
図19及び
図20は、実施形態2の変形例4に係る調理器具2の一例を示した図である。
図19(a)は、調理器具2の腕部21の先端が開いた状態の図、
図19(b)~(d)は、調理器具2の使用の一例を示す図である。本変形例では、第1の腕部213が回動可能に第2の腕部214と重なる状態で固定されている。レバー215を握ると第1の腕部213の逆鉤部22が第2の腕部214から離れる方向に回転する。
図19(b)~(d)に示すように、第1の腕部213と第2の腕部214が重なった状態で食材に刺し部20を差し込んでから、レバー215を握って第1の腕部213と第2の腕部214を開いて食材に固定する。また、2本の腕部21が重なった状態で食材に差し込まれるため、
図20(a)に示す人参のような固い食材や、
図20(b)に示す生肉のような柔らかい食材であっても差し込みやすく、しっかりと固定される。
【0065】
以上、本発明に係る調理器具の実施形態について説明したが、これらは発明の一例に過ぎず、本発明はこれらに限定されない。本発明には、以上の実施形態やその変形例を組み合わせた形態や、さらに様々な変形例が含まれる。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0066】
1、2:調理器具、10:把持部、11:固定部分、12:貫通孔、13:滑り止め、20:刺し部、21:腕部、22:逆鉤部、22a:第1の逆鉤部、22b:第2の逆鉤部、23:停止部、24:支柱、25:ネジ留め部、26:ネジ、211,212:腕部、213:第1の腕部、214:第2の腕部、215:レバー、216:ストッパー、221:傾斜部、222:抜け止め部、231:調整補助部、231a:長孔、A:略中間部分、B:段差、F:食材
【手続補正書】
【提出日】2023-11-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者によって把持される部分である把持部と、
前記把持部に接続し、食材に刺さる部分である刺し部と、を備え、
前記刺し部は、略平行に伸び弾性を有する複数の腕部を有し、
少なくとも前記腕部の一つは、先端に逆鉤部を含んでおり、
前記逆鉤部は、前記腕部の先端から鋭角をなす傾斜部および抜け止め部を備える
調理器具。
【請求項2】
請求項1に記載の調理器具であって、
前記刺し部は、前記食材の刺さりを停止するための停止部を有している
調理器具。
【請求項3】
請求項2に記載の調理器具であって、
前記停止部は、停止位置を変更可能な調整補助部を備えている
調理器具。
【請求項4】
使用者によって把持される部分である把持部と、
前記把持部に接続し、食材に刺さる部分である刺し部と、を備え、
前記刺し部は、複数の腕部を有し、
少なくとも前記腕部の一つは、先端に逆鉤部を含んでおり、
前記逆鉤部は、前記腕部の先端から鋭角をなす傾斜部および抜け止め部を備え、
前記逆鉤部の先端側が、前記腕部の先端から鋭角をなす前記傾斜部と反対側に角度を有している
調理器具。
【請求項5】
請求項1に記載の調理器具であって、
複数の前記腕部は、それぞれ複数の逆鉤部を含んでいる
調理器具。
【請求項6】
使用者によって把持される部分である把持部と、
前記把持部に接続し、食材に刺さる部分である刺し部と、を備え、
前記刺し部は、複数の腕部を有し、
少なくとも前記腕部の一つは、先端に逆鉤部を含んでおり、
前記逆鉤部は、前記腕部の先端から鋭角をなす傾斜部および抜け止め部を備え、
前記逆鉤部は、前記傾斜部が前記刺し部の軸に対しねじ曲がっている
調理器具。
【請求項7】
請求項1に記載の調理器具であって、
前記刺し部は、3本の前記腕部を有し、2本の前記腕部は先端に前記逆鉤部を含んでいる
調理器具。
【請求項8】
請求項7に記載の調理器具であって、
前記腕部は、段差を有している
調理器具。
【請求項9】
使用者によって把持される部分である把持部と、
前記把持部に接続し、食材に刺さる部分である刺し部と、を備え、
前記刺し部は、同一平面内に、複数の腕部を有し、少なくとも前記腕部の一つは、先端に逆鉤部を含んでおり、
前記逆鉤部は、前記腕部の先端から鋭角をなす傾斜部および抜け止め部を備え、
前記複数の腕部は、少なくとも一つの腕部が、他の腕部に対し、前記同一平面内で、回動可能となっている
調理器具。
【請求項10】
請求項9に記載の調理器具であって、
前記回動可能な腕部は、前記腕部が伸びる方向と反対側にレバーを有する
調理器具。
【請求項11】
請求項9に記載の調理器具であって、
前記回動可能な腕部は、回転を停止するロック部を有する
調理器具。
【請求項12】
請求項9に記載の調理器具であって、
前記回動可能な腕部は、弾性部材により他の腕部に対し回動可能となっている
調理器具。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材を切削加工する際に使用者により前記食材を刺した状態で保持するために用いられる調理器具であって、
切削加工時に前記使用者によって把持される部分である把持部と、
前記把持部に接続し、食材に刺さる部分である刺し部と、を備え、
前記刺し部は、略平行に伸び、前記食材に刺す過程で互いに近づく方向または離れる方向に曲がる弾性を有する複数の腕部を有し、
少なくとも前記腕部の一つは、先端に逆鉤部を含んでおり、
前記逆鉤部は、切削加工時に前記食材に引っ掛かり保持する部分であり、前記腕部の先端から鋭角をなす傾斜部および抜け止め部を備え、
前記腕部には、前記傾斜部を前記食材に差し込むと前記食材に当たる抵抗で斜めに発生するベクトルにより、互いに近づく方向または離れる方向に曲がり、前記傾斜部の差し込みを停止すると前記ベクトルが消滅し、元の位置に戻ろうとする力が働く
調理器具。
【請求項2】
請求項1に記載の調理器具であって、
前記刺し部は、前記食材の刺さりを停止するための停止部を有している
調理器具。
【請求項3】
請求項2に記載の調理器具であって、
前記停止部は、停止位置を変更可能な調整補助部を備えている
調理器具。
【請求項4】
使用者によって把持される部分である把持部と、
前記把持部に接続し、食材に刺さる部分である刺し部と、を備え、
前記刺し部は、複数の腕部を有し、
少なくとも前記腕部の一つは、先端に逆鉤部を含んでおり、
前記逆鉤部は、前記腕部の先端から鋭角をなす傾斜部および抜け止め部を備え、
前記逆鉤部の先端側が、前記腕部の先端から鋭角をなす前記傾斜部と反対側に角度を有している
調理器具。
【請求項5】
請求項1に記載の調理器具であって、
複数の前記腕部は、それぞれ複数の逆鉤部を含んでいる
調理器具。
【請求項6】
使用者によって把持される部分である把持部と、
前記把持部に接続し、食材に刺さる部分である刺し部と、を備え、
前記刺し部は、複数の腕部を有し、
少なくとも前記腕部の一つは、先端に逆鉤部を含んでおり、
前記逆鉤部は、前記腕部の先端から鋭角をなす傾斜部および抜け止め部を備え、
前記逆鉤部は、前記傾斜部が前記刺し部の軸に対しねじ曲がっている
調理器具。
【請求項7】
請求項1に記載の調理器具であって、
前記刺し部は、3本の前記腕部を有し、2本の前記腕部は先端に前記逆鉤部を含んでいる
調理器具。
【請求項8】
請求項7に記載の調理器具であって、
前記腕部は、段差を有している
調理器具。
【請求項9】
使用者によって把持される部分である把持部と、
前記把持部に接続し、食材に刺さる部分である刺し部と、を備え、
前記刺し部は、同一平面内に、複数の腕部を有し、少なくとも前記腕部の一つは、先端に逆鉤部を含んでおり、
前記逆鉤部は、前記腕部の先端から鋭角をなす傾斜部および抜け止め部を備え、
前記複数の腕部は、少なくとも一つの腕部が、他の腕部に対し、前記同一平面内で、回動可能となっている
調理器具。
【請求項10】
請求項9に記載の調理器具であって、
前記回動可能な腕部は、前記腕部が伸びる方向と反対側にレバーを有する
調理器具。
【請求項11】
請求項9に記載の調理器具であって、
前記回動可能な腕部は、回転を停止するロック部を有する
調理器具。
【請求項12】
請求項9に記載の調理器具であって、
前記回動可能な腕部は、弾性部材により他の腕部に対し回動可能となっている
調理器具。