(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173326
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】作業管理システム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/46 20240101AFI20241205BHJP
A01B 69/00 20060101ALI20241205BHJP
B64U 20/87 20230101ALI20241205BHJP
B64U 20/80 20230101ALI20241205BHJP
B64U 50/19 20230101ALI20241205BHJP
B64U 80/25 20230101ALI20241205BHJP
B64U 10/13 20230101ALI20241205BHJP
B64U 101/30 20230101ALN20241205BHJP
【FI】
G05D1/10
A01B69/00 303M
B64U20/87
B64U20/80
B64U50/19
B64U80/25
B64U10/13
B64U101:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091673
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池内 伸明
(72)【発明者】
【氏名】今井 征典
(72)【発明者】
【氏名】小山 浩二
【テーマコード(参考)】
2B043
5H301
【Fターム(参考)】
2B043AA10
2B043AB20
2B043BA02
2B043BA09
2B043BB01
2B043BB03
2B043DA04
2B043DA17
2B043DC03
2B043EA06
2B043EA13
2B043EA18
2B043EA32
2B043EB05
2B043EC02
2B043EC12
5H301AA06
5H301AA10
5H301BB01
5H301BB10
5H301CC04
5H301CC07
5H301CC10
5H301DD07
5H301DD17
5H301GG07
5H301GG09
(57)【要約】
【課題】無人飛行機を適切に飛行させ、かつ、無人飛行機による監視を容易にする作業管理システムを提供すること。
【解決手段】実施形態の一態様に係る作業管理システムは、直進工程と旋回工程とを繰り返して往復走行しつつ、作業を行う複数の作業車両と、カメラを有し、複数の作業車両の周囲を飛行可能な無人航空機と、複数の作業車両、および、無人航空機と通信する監視装置とを備える。作業車両は、自己の車両位置情報を検出する第1測位装置を備える。無人航空機は、自己の航空機位置情報を検出する第2測位装置を備える。無人航空機は、作業車両による直進工程が終了した場合に、直進工程が終了した経路を撮影するように、車両位置情報の履歴、および、航空機位置情報に基づいて飛行し、撮影した画像を監視装置に送信する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直進工程と旋回工程とを繰り返して往復走行しつつ、作業を行う複数の作業車両と、
カメラを有し、前記複数の作業車両の周囲を飛行可能な無人航空機と、
前記複数の作業車両、および、前記無人航空機と通信する監視装置と
を備え、
前記作業車両は、自己の車両位置情報を検出する第1測位装置を備え、
前記無人航空機は、自己の航空機位置情報を検出する第2測位装置を備え、
前記無人航空機は、前記作業車両による直進工程が終了した場合に、直進工程が終了した経路を撮影するように、前記車両位置情報の履歴、および、航空機位置情報に基づいて飛行し、撮影した画像を前記監視装置に送信する、作業管理システム。
【請求項2】
前記監視装置は、前記無人航空機によって撮影された画像によって前記直進工程に残耕が検出された場合、前記残耕に関する報知信号を端末装置に送信する、請求項1に記載の作業管理システム。
【請求項3】
前記無人航空機は、第1の作業車両における直進工程が終了した経路を撮影した後に、第2の作業車両における直進工程が終了した経路を撮影するように移動する、請求項1に記載の作業管理システム。
【請求項4】
前記無人航空機は、撮影対象となる直進工程が無い場合、充電基地に戻って充電する、請求項1に記載の作業管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業車両に対して所定の相対位置を飛行し、相対位置に応じてカメラの撮影方向を制御する無人飛行機を有する作業管理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術では、複数の作業車両を管理する場合、作業車両と同数の無人飛行機を飛行させる必要がある。また、複数の作業車両を監視する場合、無人飛行機を適切なタイミングで適切な場所に手動操作によって飛行させることが困難である。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、無人飛行機を適切に飛行させ、かつ、無人飛行機による監視を容易にする作業管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、実施形態の一態様に係る作業管理システム(1000)は、直進工程と旋回工程とを繰り返して往復走行しつつ、作業を行う複数の作業車両(1)と、カメラ(312)を有し、複数の作業車両(1)の周囲を飛行可能な無人航空機(300)と、複数の作業車両(1)、および、無人航空機(300)と通信する監視装置(400)とを備える。作業車両(1)は、自己の車両位置情報を検出する第1測位装置(150)を備える。無人航空機(300)は、自己の航空機位置情報を検出する第2測位装置(311)を備える。無人航空機(300)は、作業車両による直進工程が終了した場合に、直進工程が終了した経路を撮影するように、車両位置情報の履歴、および、航空機位置情報に基づいて飛行し、撮影した画像を監視装置(500)に送信する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、無人飛行機を適切に飛行させ、かつ、無人飛行機による監視を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る作業管理システムを示す概略図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る作業車両を示す概略左側面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る作業車両の制御システムを示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る監視装置を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るドローンを示す概略図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るドローンの制御系を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る端末装置を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、ドローンの飛行経路を説明する図である。
【
図9】
図9は、ドローンの飛行を説明する図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る飛行経路設定処理を説明するフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態に係る飛行処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本願の開示する作業車両の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
まず、
図1を参照して実施形態に係る作業管理システムの概要について説明する。
図1は、実施形態に係る作業管理システムを示す概略図である。作業管理システムは、圃場における作業車両の作業を管理するシステムである。
【0011】
作業管理システム1000は、作業車両1と、ドローン300(無人航空機)と、端末装置400と、監視装置500とを備える。作業車両1、ドローン300、および、端末装置400は、ネットワークNを介して無線によって、監視装置500に通信可能に接続される。作業車両1、および、ドローン300と、端末装置400とは、ネットワークNを介して無線によって通信可能に接続される。ネットワークNは、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)、および、UWB(Ultra Wide Band)等による通信を含む。ドローン300と、端末装置400とは、ネットワークNを介して無線によって通信可能に接続されてもよい。作業管理システム1000は、複数の作業車両1を含む。なお、以下では、作業車両1としてトラクタ1を例に説明する。
【0012】
トラクタ1について、
図2を参照し説明する。
図2は、実施形態に係るトラクタ1を示す概略左側面図である。なお、トラクタ1は、直進時に自律走行しながら圃場で農作業を行うことが可能な農業用トラクタである。トラクタ1は、旋回時に自律走行可能な農業用トラクタであってもよい。トラクタ1は、直進工程と、旋回工程とを繰り返して往復走行しつつ、圃場の作業を行う。
【0013】
また、トラクタ1は、操縦者(作業者ともいう。)が搭乗して圃場内を走行しながら所定の作業を実行する他、後述する制御装置200(
図3参照)を中心とする制御系による各部の制御により、圃場内を自律走行しながら所定の作業を実行する。
【0014】
なお、以下の説明において、前後方向とは、トラクタ1の直進時における進行方向であり、進行方向の前方側を「前」、後方側を「後」と規定する。トラクタ1の進行方向とは、トラクタ1の直進時において後述する操縦席8からステアリングホイール9へと向かう方向である。
【0015】
また、左右方向とは、前後方向に対して水平に直交する方向である。以下では、「前」側へ向けて左右を規定する。すなわち、操縦者が操縦席8に着席して前方を向いた状態で、左手側が「左」、右手側が「右」である。上下方向とは、鉛直方向である。前後方向、左右方向および上下方向は、互いに3次元で直交する。
【0016】
図2に示すように、トラクタ1は、走行車体2と、作業機6とを備える。走行車体2は、圃場内を走行可能であり、前輪3と、後輪4とを備える。前輪3は、左右一対で設けられた操舵用の車輪(操舵輪)である。後輪4は、左右一対で設けられた駆動用の車輪(駆動輪)である。なお、走行車体2は、車輪(前輪3および後輪4の少なくともいずれか)に代えてクローラ装置を備えてもよい。この場合、走行クローラが駆動輪である。
【0017】
駆動輪である後輪4には、ボンネット5内に収容された駆動源であるエンジンEで発生した回転動力が、動力伝達装置(ミッションケース)12内に設けられた変速装置(トランスミッション)121(
図3参照)で適宜減速されて伝達される。後輪4は、エンジンEから伝達された回転動力によって駆動される。変速装置121は、エンジンEから伝達される回転動力を複数(たとえば、1速~8速)の変速段のうちいずれかの変速段に切り替える。
【0018】
走行車体2は、エンジンEで発生し、かつ、変速装置121で減速された動力を、4WDクラッチを介して前輪3にも伝達可能に構成される。この場合、4WDクラッチが動力を伝達すると、エンジンEから伝達される動力によって前輪3および後輪4の四輪が駆動される。また、4WDクラッチが動力の伝達を遮断すると、エンジンEから伝達される動力によって後輪4のみの二輪が駆動される。このように、走行車体2は、二輪駆動(2WD)と四輪駆動(4WD)とを切り替え可能に構成される。
【0019】
走行車体2の後部には、圃場内で作業を行う作業機6が連結され、作業機6を駆動する動力を伝達するPTO(Power take-off)軸71を有するPTO装置7が設けられる。走行車体2の中央部には、操縦者がトラクタ1を操縦する場合に座る操縦席8が設けられる。
【0020】
なお、
図2に示す例においては、作業機6がロータリ耕耘機の場合を例示している。ロータリ耕耘機は、PTO装置7のPTO軸71から伝達された動力によって耕耘爪61が回転することで、圃場面(土壌)を耕起する。作業機6は、ロータリ耕耘機に限られず、代掻きを行う作業機などであってもよい。
【0021】
操縦席8の前方には、前輪3の操舵用のハンドルであるステアリングホイール9が設けられる。なお、ステアリングホイール9や、ステアリングホイール9を駆動する駆動部などは、ステアリング装置122(
図3参照)を構成する。ステアリングホイール9は、ハンドルポスト10の上端部に設けられる。ハンドルポスト10の下方であり、操縦席8に操縦者が座った場合における操縦者の足元付近には、各種操作ペダル11(アクセルペダルやブレーキペダル、クラッチペダル)が設けられる。
【0022】
また、走行車体2の後部には、作業機6を昇降させる昇降装置13が設けられる。昇降装置13は、作業機6を上昇させることで、作業機6を非作業位置に移動させる。また、昇降装置13は、作業機6を下降させることで、作業機6を対地作業位置に移動させる。昇降装置13は、油圧式の昇降シリンダ131と、リフトアーム132と、リフトロッド133と、ロアリンク134と、トップリンク135とを備える。
【0023】
リフトアーム132は、昇降シリンダ131に作動油が供給されると、軸AXまわりに作業機6を上昇させるように回動し、昇降シリンダ131から作動油が排出されると、軸AXまわりに作業機6を下降させるように回動する。なお、リフトアーム132の基部(軸AX付近)には、リフトアーム132の回動角度を検出するリフトアームセンサ114(昇降センサ)(
図3参照)が設けられる。作業機6の高さは、リフトアームセンサ114の検出値に基づいて算出される。
【0024】
また、リフトアーム132は、リフトロッド133を介してロアリンク134に連結される。このように、昇降装置13は、ロアリンク134とトップリンク135とで、走行車体2に対して作業機6を昇降可能に連結する。
【0025】
また、トラクタ1は、制御装置200(
図3参照)を備える。制御装置200は、エンジンEを制御するとともに、走行車体2の走行速度を制御する。また、制御装置200は、作業機6を制御する。
【0026】
また、トラクタ1は、測位装置150(第1測位装置)を備える。測位装置150は、走行車体2の上部に設けられ、走行車体2の位置を所定の周期で測定し、走行車体2の自己の位置情報(たとえば、緯度および経度)を取得する。測位装置150は、たとえば、GNSS(Global Navigation Satellite System)であり、上空を周回している航法衛星Sからの電波を受信して測位および計時することができる。
【0027】
次に、
図3を参照して実施形態に係る作業車両1の制御装置200を中心とする制御系について説明する。
図3は、実施形態に係る作業車両1の制御系を示すブロック図である。
図3に示すように、制御装置200は、エンジンECU(Electronic Control Unit)201と、走行系ECU202と、作業機昇降系ECU203とを備える。
【0028】
エンジンECU201は、エンジンEの回転数を制御する。走行系ECU202は、駆動輪(後輪4)の回転を制御することで、走行車体2(
図2参照)の走行速度を制御する。作業機昇降系ECU203は、昇降装置13を制御して作業機6を昇降駆動する。
【0029】
制御装置200は、電子制御によって各部を制御することが可能であり、CPU(Central Processing Unit)などを有する処理部をはじめ、各種プログラムなどが記憶される、たとえば、ハードディスク、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などで構成される記憶部などを備える。
【0030】
図3に示すように、制御装置200には、測位装置150、回転センサ110、車速センサ111、変速センサ112、切れ角センサ113、および、リフトアームセンサ114などが接続される。また、制御装置200には、エンジンE、変速装置121、ステアリング装置122、昇降装置13などが接続される。また、制御装置200には、自律走行切替スイッチ140、基準線設定スイッチ142などが接続される。また、制御装置200は、通信ユニット123によって、ネットワークNを介して、監視装置500、および、端末装置400に無線通信によって接続される。
【0031】
回転センサ110は、後輪4の回転数を検出する。車速センサ111は、走行車体2(
図2参照)の走行速度(車速)を検出する。変速センサ112は、変速装置121において複数の変速段のうちいずれの変速段であるかを検出する。切れ角センサ113は、操舵輪である前輪3(
図2参照)の切れ角を検出する。すなわち、切れ角センサ113は、ステアリングホイール9の舵角を検出する。
【0032】
自律走行切替スイッチ140は、後述する自律走行を実行するか否かを切り替えるスイッチである。自律走行切替スイッチ140が「ON」の場合、自律走行制御が有効となり自律走行制御が実行される。自律走行切替スイッチ140が「OFF」の場合、自律走行制御が無効となり、自律走行制御が実行されない。すなわち、自律走行切替スイッチ140は、自律走行制御を有効、または無効に切り替え可能なスイッチである。自律走行切替スイッチ140は、作業者によって操作される。
【0033】
自律走行による直進は、トラクタ1は、直進走行経路に沿って直進工程を走行する。直進走行経路は、設定される基準直線に平行な走行経路である。基準直線は、基準線設定スイッチ142の操作によって、走行中に基準始点、および、基準終点が設定されることで設定される。たとえば、基準直線は、基準直線の距離、および、方位に関する情報を含む。
【0034】
なお、自律走行切替スイッチ140が「ON」にされた場合であっても、所定の条件を満たさない場合には、自律走行制御は有効とはならず、自律走行制御がされないことがある。
【0035】
自律走行切替スイッチ140は、走行車体2が停止した場合、例えば、車速が予め設定された所定停止車速以下になると、「OFF」になる。すなわち、自律走行切替スイッチ140は、「ON」にされて自律走行制御を実行している場合に、走行車体2が停止すると、「ON」から「OFF」に切り替わる。所定停止車速は、走行車体2が停止していると判定可能な車速である。
【0036】
なお、自律走行切替スイッチ140は、「ON」にされて自律走行制御を実行している場合に、走行車体2が停止した場合であっても、「OFF」にはならず、「ON」に維持されてもよい。
【0037】
また、制御装置200には、昇降レバー160などが接続される。昇降レバー160は、作業機6を昇降させるレバーである。昇降レバー160は、例えば、ハンドルポスト10に設けられ、上下操作されるレバーである。例えば、昇降レバー160が上方に操作されると、作業機6が上昇する。昇降レバー160が下方に操作されると、作業機6が降下する。
【0038】
制御装置200には、測位装置150から圃場などにおける走行車体2の位置(自己位置)情報、回転センサ110から後輪4の回転数、車速センサ111から走行車体2の車速、変速センサ112から現在の変速段、切れ角センサ113から前輪3の切れ角、すなわちステアリングホイール9の舵角がそれぞれ入力される。なお、制御装置200は、走行車体2を自律走行させる場合、算出された走行車体2の方位が、設定された所定方位(直進走行経路における方位)となるように、切れ角センサ113の検出値を用いて、前輪3の切れ角をフィードバックしながらステアリングホイール9(
図2参照)に連結されたステアリングシリンダを制御することで、ステアリングホイール9を操舵する。
【0039】
また、制御装置200においては、エンジンECU201がエンジンEに接続され、走行系ECU202が変速装置121やステアリング装置122に接続され、作業機昇降系ECU203が昇降装置13に接続される。なお、作業機昇降系ECU203は、昇降レバー160の操作に応じて昇降装置13を介して作業機6を昇降させる。
【0040】
走行車体2は、圃場内において、自律走行可能である。走行車体2は、制御装置200による自律走行制御によって、直進走行経路に沿って自動直進する。制御装置200は、測位装置150によって測定された自己位置に基づき、走行車体2が直進走行経路に沿って走行するように走行車体2の舵角を調整し、自律走行制御を実行する。
【0041】
制御装置200は、トラクタ1の直進工程に関する情報を生成する。制御装置200は、トラクタ1が直進工程を終了した場合、トラクタ1が直進工程によって作業を行った経路に関する情報を、トラクタ1の直進工程に関する情報として生成する。トラクタ1の直進工程に関する情報は、トラクタ1が直進工程によって作業を開始した地点から、トラクタ1が同一の直進工程による作業を終了した地点までの経路に関する情報を含む。具体的には、トラクタ1の直進工程に関する情報は、トラクタ1が直進工程によって作業を開始した地点から、トラクタ1が同一の直進工程による作業を終了した地点までの経路の位置情報を含む。トラクタ1が直進工程によって作業を行った経路に関する情報は、トラクタ1の測位装置150によって検出されるトラクタ1の位置情報を含む。
【0042】
トラクタ1が直進工程によって作業を開始した地点は、作業機6が降下された地点、たとえば、昇降レバー160が下方に操作された地点である。また、トラクタ1が直進工程によって作業を開始した地点は、旋回が終了し、ステアリングホイール9が所定の直進位置となった地点であってもよい。
【0043】
トラクタ1が直進工程による作業を終了した地点は、作業機6が上昇された地点、たとえば、昇降レバー160が上方に操作された地点である。また、トラクタ1が直進工程による作業を終了した地点は、ステアリングホイール9が所定の直進位置から旋回位置まで操作された地点であってもよい。
【0044】
制御装置200は、トラクタ1の直進工程に関する情報を、通信ユニット123を介して監視装置500に送信する。
【0045】
監視装置500について、
図4を参照し説明する。
図4は、実施形態に係る監視装置500を示すブロック図である。監視装置500は、たとえば、サーバ装置である。監視装置500は、通信ユニット501と、制御装置502とを備える。
【0046】
通信ユニット501は、ネットワークNを介して、トラクタ1、ドローン300、および、端末装置400に無線通信によって接続される。通信ユニット501は、トラクタ1から、トラクタ1の直進工程に関する情報を受信する。通信ユニット501は、ドローン300の飛行経路に関する情報を、ドローン300に送信する。通信ユニット501は、ドローン300から、カメラ312(
図5参照)によって撮影した画像を受信する。通信ユニット501は、端末装置400に、残耕に関する報知信号を送信する。
【0047】
制御装置502は、CPUなどを有する処理部をはじめ、各種プログラムなどが記憶される、たとえば、ハードディスク、ROM、RAMなどで構成される記憶部などを備える。
【0048】
制御装置502は、ドローン300の飛行経路を設定する。制御装置502は、トラクタ1から取得した直進工程に関する情報に基づいて、圃場におけるトラクタ1の作業済み領域を検出し、ドローン300の飛行経路に関する情報を生成する。具体的には、制御装置502は、トラクタ1の直進工程に関する情報に含まれるトラクタ1の位置情報に基づいて、ドローン300がトラクタ1の直進工程に沿って飛行する飛行経路を設定する。飛行経路に関する情報は、ドローン300が飛行する位置情報を含む。たとえば、ドローン300の飛行経路は、直進工程におけるトラクタ1の位置情報の履歴によって構成される経路である。
【0049】
制御装置502は、生成したドローン300の飛行経路に関する情報を、通信ユニット501を介してドローン300に送信する。制御装置502は、複数のトラクタ1における各トラクタ1の直進工程に対応するドローン300の飛行経路に関する情報を生成する。
【0050】
なお、トラクタ1の直進工程に関する情報に基づいて、飛行するドローン300は、予め設定されている。たとえば、2つのトラクタ1について、1つのドローン300が設定されており、ドローン300は、2つのトラクタ1の直進工程に関する情報に基づいて設定される飛行経路に沿って飛行可能である。
【0051】
制御装置502は、圃場における残耕を検出する。制御装置502は、ドローン300のカメラ312によって撮影された画像に基づいて、残耕を検出する。すなわち、制御装置502は、トラクタ1の直進工程における残耕を検出する。制御装置502は、画像に、予め設定された所定の画像処理を実行することで、残耕を検出する。
【0052】
制御装置502は、残耕が検出された場合に、残耕に関する報知信号を生成する。残耕に関する報知信号は、残耕が検出されたことを示す信号である。残耕に関する報知信号は、残耕の位置を示す信号、および、残耕の画像のいずれか1つを含んでもよい。制御装置502は、生成した残耕に関する信号を、通信ユニット501を介して端末装置400に送信する。
【0053】
次に、ドローン300について、
図5を参照し説明する。ドローン300は、本体部301と、回転翼302とを備える。
図5は、実施形態に係るドローン300を示す概略図である。ドローン300は、複数のトラクタ1の周囲飛行可能である。
【0054】
本体部301は、制御装置310(
図6参照)、バッテリー(不図示)、測位装置311(第2測位装置)、カメラ312、および、通信ユニット313(
図6参照)を備える。
【0055】
測位装置311は、本体部301の上部に設けられ、ドローン300の位置を所定の周期で測定し、ドローン300の自己位置の情報を取得する。測位装置311は、たとえば、GNSSであり、上空を周回している航法衛星Sからの電波を受信して測位および計時することができる。
【0056】
カメラ312は、本体部301に取り付けられて、たとえば、圃場を撮影する。カメラ312によって撮影された画像は、通信ユニット313を介して、端末装置400、および、監視装置500に送信される。
【0057】
回転翼302は、本体部301に回転可能に支持される。回転翼302は、モータによって駆動されて回転する。
【0058】
次に、
図6を参照して実施形態に係るドローン300の制御装置310を中心とする制御系について説明する。
図6は、実施形態に係るドローン300の制御系を示すブロック図である。制御装置310には、測位装置311、カメラ312、および、通信ユニット313などが接続される。
【0059】
通信ユニット313は、ネットワークNを介して、監視装置500、および、端末装置400に無線通信によって接続される。通信ユニット313は、カメラ312によって撮影された画像を端末装置400、および、監視装置500に送信する。通信ユニット313は、監視装置500から、ドローン300の飛行経路に関する情報を受信する。
【0060】
制御装置310は、電子制御によって回転翼302の回転などを制御することが可能であり、CPUなどを有する処理部をはじめ、各種プログラムなどが記憶される、たとえば、ハードディスク、ROM、RAMなどで構成される記憶部などを備える。
【0061】
制御装置310は、設定された飛行経路に沿ってドローン300が飛行するように、回転翼302の回転などを制御する。すなわち、制御装置310は、トラクタ1が直進工程によって作業を行った経路に沿ってドローン300が飛行するように、回転翼302の回転などを制御する。制御装置310は、トラクタ1の直進工程の経路に含まれるトラクタ1の位置情報の履歴、および、ドローン300の位置情報に基づいて、ドローン300が設定された飛行経路に沿って飛行するように、回転翼302の回転などを制御する。
【0062】
制御装置310は、監視装置500から受信した飛行経路のうち、飛行していない飛行経路が有るか否かを判定する。飛行していない飛行経路が無い場合には、制御装置310は、ドローン300を所定の待機場所に移動させて、待機させる。すなわち、ドローン300による撮影対象となる直進工程が無い場合には、制御装置310は、ドローン300を所定の待機場所に移動させて、待機させる。ドローン300による撮影対象となる直進工程が無いとは、たとえば、トラクタ1による圃場の作業が終了した場合、または、トラクタ1が作業中の直進工程しかない場合である。
【0063】
所定の待機場所は、たとえば、充電装置が設置された充電基地である。充電基地において、ドローン300は、充電される。なお、飛行していない飛行経路が無い場合には、ドローン300は、現在の位置でホバリングして待機してもよい。
【0064】
ドローン300が飛行していない飛行経路が有る場合には、制御装置310は、ドローン300が、飛行していない飛行経路に向けて飛行し、飛行していない飛行経路に沿って飛行するように、回転翼302などを制御する。
【0065】
制御装置310は、飛行経路に沿って飛行した後に、さらに、飛行していない飛行経路の有無を判定する。
【0066】
制御装置310は、トラクタ1の直進工程によって作業を行った圃場を、カメラ312によって撮影させる。すなわち、制御装置310は、トラクタ1の直進工程が終了した経路を撮影させる。
【0067】
制御装置310は、直進工程が終了した経路を撮影した画像を、通信ユニット313を介して、端末装置400、および、監視装置500に送信する。
【0068】
次に、
図7を参照して実施形態に係る端末装置400について説明する。
図7は、実施形態に係る端末装置400を示すブロック図である。端末装置400は、通信ユニット401と、表示部402と、制御装置403とを備える。
【0069】
通信ユニット401は、ネットワークNを介して、監視装置500、および、ドローン300に無線通信によって接続される。通信ユニット401は、ドローン300のカメラ312によって撮影された画像をドローン300から受信する。通信ユニット401は、監視装置500から送信される報知信号を受信する。
【0070】
表示部402は、たとえば、モニタである。表示部402は、ドローン300から受信した画像を表示する。また、表示部402は、監視装置500から受信した報知信号に基づく残耕を報知する。
【0071】
制御装置403は、表示部402などを制御することが可能であり、CPUなどを有する処理部をはじめ、各種プログラムなどが記憶される、たとえば、ハードディスク、ROM、RAMなどで構成される記憶部などを備える。
【0072】
また、端末装置400は、トラクタ1と通信可能であってもよく、端末装置400に操作によってトラクタ1を遠隔操作可能であってもよい。または、端末装置400は、ドローン300を操作可能であってもよい。
【0073】
ここで、ドローン300の飛行経路について、
図8を参照し説明する。
図8は、ドローン300の飛行経路を説明する図である。ここでは、2つの圃場をトラクタ1A、および、トラクタ1Bによって作業を行っており、2つの圃場FA、FB間をドローン300が飛行する一例について説明する。
図8では、トラクタ1A、または、トラクタ1Bが進んだ経路を実線の矢印で示し、ドローン300の飛行経路の一部を破線の矢印で示す。なお、複数のトラクタ1A、1Bは、同じ圃場を作業してもよい。
【0074】
トラクタ1Aは、圃場FAにおいて作業を行っており、トラクタ1Bは、圃場FBにおいて作業を行っている。ドローン300は、トラクタ1Aの直進工程が終了した経路に沿って飛行し、トラクタ1Aの直進工程が終了した経路を撮影している。ドローン300は、トラクタ1の直進工程における走行方向と、同一方向に飛行しつつ、撮影を行う。なお、撮影した画像は、端末装置400、監視装置500に送信される。
【0075】
ドローン300によって撮影された画像は、トラクタ1の走行方向と同一方向にドローン300が飛行して撮影された画像である。そのため、監視装置500における残耕検出の画像処理が容易となる。
【0076】
ドローン300は、トラクタ1Aの直進工程が終了した経路の撮影が終了した後、圃場FBに移動し、トラクタ1Bの直進工程が終了した経路に沿って飛行し、トラクタ1Bの直進工程が終了した経路の撮影を行う。
【0077】
なお、ドローン300は、トラクタ1の直進工程における走行方向に関係なく、ドローン300から近い側の直進工程の端から、直進工程に沿って飛行してもよい。
【0078】
また、ドローン300は、たとえば、トラクタ1Aの直進工程に沿った飛行経路を所定時間飛行した後に、トラクタ1Bの直進工程に沿った飛行経路を飛行するように移動してもよい。ドローン300は、トラクタ1Bの直進工程に沿った飛行経路を所定時間飛行した後に、トラクタ1Aの直進工程に沿った飛行経路を再び飛行するように移動する。
【0079】
また、ドローン300は、たとえば、トラクタ1Aの直進工程に沿った飛行経路を再び飛行するように移動した場合、前回、トラクタ1Aの直進工程に沿った飛行を中止した地点から、トラクタ1Aの直進工程に沿った飛行経路の飛行を再開する。この場合、ドローン300は、
図9に示すように、トラクタ1Aに追いつくまで、飛行してもよい。
図9は、ドローン300の飛行を説明する図である。なお、所定時間は、トラクタ1Aに追いつくように飛行する時間を含む。
【0080】
また、ドローン300は、たとえば、トラクタ1Aの直進工程に沿った飛行経路を所定時間飛行した後に、向かうべき飛行経路が複数ある場合、たとえば、トラクタ1Bの直進工程に沿った飛行経路に加えて、トラクタ1A、および、トラクタ1Bとは異なるトラクタ1の直進工程に沿った飛行経路がある場合、向かうべき飛行経路に対応するトラクタ1に番号を付し、番号順に対応する飛行経路を飛行するように移動する。
【0081】
また、ドローン300は、たとえば、トラクタ1Aの直進工程に沿った飛行経路を所定時間飛行した後に、向かうべき飛行経路が複数ある場合、ドローン300から最も近い位置にいるトラクタ1の直進工程に沿った飛行経路を飛行するように移動する。なお、飛行済みの飛行経路にはマークを付し、マークが付されていない飛行経路を飛行するように移動する。マークが付された全ての飛行経路を飛行した場合、マークは解除される。
【0082】
次に、実施形態に係る飛行経路設定処理について、
図10を参照し説明する。
図10は、実施形態に係る飛行経路設定処理を説明するフローチャートである。飛行経路設定処理は、監視装置500によって実行される。
【0083】
制御装置502は、通信ユニット501を介して、トラクタ1から、トラクタ1の直進工程に関する情報を取得する(S100)。
【0084】
制御装置502は、ドローン300の飛行経路を設定する(S101)。制御装置502は、トラクタ1の直進工程に関する情報に含まれるトラクタ1の位置情報に基づいて、ドローン300がトラクタ1の直進工程に沿って飛行する飛行経路を設定する。
【0085】
制御装置502は、通信ユニット501を介して、ドローン300に飛行経路に関する情報を送信する(S102)。
【0086】
次に、実施形態に係る飛行処理について、
図11を参照し説明する。
図11は、実施形態に係る飛行処理を説明するフローチャートである。飛行処理は、ドローン300によって実行される。
【0087】
制御装置310は、監視装置500から受信した飛行経路のうち、飛行していない飛行経路が有るか否かを判定する(S200)。飛行していない飛行経路が無い場合(S200:No)、制御装置310は、ドローン300を、所定の待機場所に移動させて(S201)、今回の処理を終了する。
【0088】
飛行していない飛行経路が有る場合(S200:Yes)、制御装置310は、飛行していない飛行経路を飛行するように、ドローン300を移動させる(S202)。
【0089】
制御装置310は、飛行経路にドローン300を飛行させる(S203)。すなわち、制御装置310は、トラクタ1が直進工程によって作業を行った経路に沿ってドローン300を飛行させる。
【0090】
制御装置310は、カメラ312によって、トラクタ1が直進工程によって作業を行った経路を撮影させる(S204)。制御装置310は、撮影した画像を監視装置500に送信する(S205)。
【0091】
制御装置310は、飛行経路の飛行が終了したか否かを判定する(S206)。飛行経路の飛行が終了していない場合(S206:No)、制御装置310は、飛行経路に沿った飛行を継続する(S203)。
【0092】
飛行経路の飛行が終了した場合(S206:Yes)、制御装置310は、今回の処理を終了する。
【0093】
作業管理システム1000は、複数のトラクタ1と、ドローン300と、監視装置500とを備える。トラクタ1は、直進工程と旋回工程とを繰り返して往復走行しつつ、作業を行う。ドローン300は、カメラ312を有し、複数のトラクタ1の周囲を飛行可能である。トラクタ1は、測位装置150を備える。測位装置150は、トラクタ1の位置情報を検出する。ドローン300は、測位装置311を備える。測位装置311は、ドローン300の位置情報を検出する。ドローン300は、トラクタ1による直進工程が終了した場合に、直進工程が終了した経路を撮影するように、トラクタ1の位置情報の履歴、および、ドローン300の位置情報に基づいて飛行し、撮影した画像を監視装置500に送信する。
【0094】
これにより、作業管理システム1000は、ドローン300を適切に飛行させて、複数のトラクタ1による圃場の作業状態を撮影することができる。すなわち、作業管理システム1000は、複数のトラクタ1による圃場の作業の仕上がり具合を、ドローン300によって撮影し、遠隔監視することできる。ドローン300は、トラクタ1において直進工程が終了すると、終了した直進工程の経路を撮影するため、作業管理システム1000は、トラクタ1の作業の仕上がりを容易に遠隔監視することができる。
【0095】
監視装置500は、ドローン300によって撮影された画像によって直進工程に残耕が検出された場合、残耕に関する報知信号を端末装置400に送信する。
【0096】
これにより、作業者は、残耕の確認を容易に行うことができる。たとえば、作業者は、トラクタ1を操作することで、圃場に残耕が残ることを抑制することができる。すなわち、作業管理システム1000は、圃場における未作業領域が残ることを抑制することができる。
【0097】
ドローン300は、或るトラクタ1における直進工程が終了した経路を撮影した後に、他のトラクタ1における直進工程が終了した経路を撮影するように移動する。
【0098】
これにより、作業管理システム1000は、複数のトラクタ1の作業を管理する場合、各トラクタ1によって作業が行われた経路をドローン300によって撮影することができ、複数のトラクタ1の作業の管理を容易に行うことができる。
【0099】
ドローン300は、撮影対象となるトラクタ1の直進工程が無い場合、たとえば、充電基地に戻って充電する。
【0100】
これにより、作業管理システム1000は、ドローン300のバッテリーの残量不足が発生することを抑制しつつ、トラクタ1の直進工程が終了した経路を、ドローン300によって素早く撮影することができる。
【0101】
変形例に係る作業管理システム1000において、残耕が検出された場合、監視装置500、または、トラクタ1は、残耕の上を耕耘する耕耘経路を作成してもよい。作成された耕耘経路は、作業時間の変更などの情報とともに、端末装置400に送信される。作業者によって耕耘経路の承認操作が端末装置400によって行われた場合、承認情報がトラクタ1に送信されて、トラクタ1は、耕耘経路に沿って作業を行う。
【0102】
変形例に係る作業管理システム1000において、ドローン300は、金属探知装置を備えてもよい。ドローン300は、直進工程を行うトラクタ1の前方を飛行し、圃場の金属を探知する。ドローン300は、金属を探知した場合、金属を探知したことを示す報知信号を、端末装置400、および、監視装置500に送信する。
【0103】
これにより、金属が有る箇所を、トラクタ1が通過する前に、たとえば、トラクタ1を停止させて、金属によって劣化することを抑制することができる。
【0104】
ドローン300は、金属を探知した場合、金属を探知したことを示す報知信号を、トラクタ1に送信してもよい。トラクタ1は、たとえば、金属が探知された箇所よりも所定距離手前の地点で停止する。また、トラクタ1は、金属が除去されたことを示す解除信号が、端末装置400から送信された場合、停止せずに直進を継続する。この場合、トラクタ1は、解除信号が、端末装置400から送信されない場合、金属が探知された箇所よりも所定距離手前の地点で停止する。
【0105】
ドローン300は、たとえば、或るトラクタ1が作業を予定している直進工程を飛行した後に、他のトラクタ1が作業を予定している直進工程を飛行し、各直進工程における金属を探知してもよい。
【0106】
これにより、作業管理システム1000は、少ないドローン300によって、複数のトラクタ1の作業予定の経路における金属の有無を調べることができる。
【0107】
トラクタ1の旋回後の次工程における経路において金属探知を行っていないトラクタ1が複数ある場合、ドローン300は、旋回までの距離が最も短いトラクタ1の次工程の経路を飛行するように移動する。直進工程を半分以上まで進んだトラクタ1が無い場合、ドローン300は、充電基地に移動し、充電されてもよい。
【0108】
変形例に係る作業管理システム1000は、圃場におけるトラクタ1の作業が終了した場合に、ドローン300によって作業が終了した圃場を撮影し、残耕を検出してもよい。この場合、ドローン300は、圃場におけるトラクタ1の作業が終了するまで、たとえば、充電基地に待機する。また、圃場における残耕の有無の判定が終了するまで、トラクタ1は、他の圃場に移動せずに、作業を行った圃場に待機する。残耕が検出された場合、残耕の情報に基づいて、残耕を耕耘する走行経路が設定される。たとえば、トラクタ1は、設定された走行経路に沿って走行し、残耕を耕耘する。
【0109】
ドローン300は、圃場におけるトラクタ1の作業終了範囲が、所定値、たとえば、90%以上となるまで、充電基地に待機してもよい。圃場における残耕の有無の判定は、トラクタ1が圃場における作業を終了するまでに行われる。
【0110】
トラクタ1に取り付けられる作業機6は、防除機であってもよい。この場合、ドローン300は、防除機における薬品などが散布された圃場を、カメラ312によって撮影する。監視装置500は、カメラ312によって撮影された画像に基づいて、画像処理を行い、作物の濡れ具合などから散布状態を検出する。そして、監視装置500は、散布状態にムラがある場合、たとえば、散布量が所定値以下である場合、散布状態にムラがあることを示す報知信号を生成し、端末装置400に送信する。これにより、端末装置400よって、警告が行われる。
【0111】
上記実施形態、および、変形例では、作業車両としてトラクタ1を一例に説明したが、これに限られることはない。作業車両は、コンバインであってもよく、苗移植機であってもよい。ドローン300の飛行制御は、コンバイン、および、苗移植機にも適用可能である。
【0112】
たとえば、作業車両が苗移植機である場合、監視装置500は、ドローン300によって撮影された画像に基づいて、欠株や、浮き苗などを検出する。欠株や、浮き苗などが検出された場合、欠株や、浮き苗などの検出を報知する報知信号が端末装置400に送信される。
【0113】
また、作業車両が苗移植機である場合、ドローン300は、水深センサを備えてもよい。水深センサは、光学、音響、および、電波などを用いて圃場の水深を検出する。ドローン300は、苗移植機の前方を飛行し、水深センサによって苗移植機が作業を行う圃場の水深を検出する。検出された圃場の水深が、予め設定された所定値以上である場合、端末装置400に、水深が深いことを示す報知信号が送信されて、警告が行われる。
【0114】
また、圃場の水深が、所定値以上である場合、苗移植機を停止させて、たとえば、管理装置によって圃場の水位を管理する水位管理装置を操作する水位管理信号が生成されて、水位管理信号が水位管理装置に送信される。そして、水位管理装置によって、圃場の水位が、適切な水位となるように調整される。
【0115】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0116】
1 作業車両(トラクタ)
150 測位装置(第1測位装置)
200 制御装置
300 ドローン(無人航空機)
310 制御装置
311 測位装置(第2測位装置)
312 カメラ
400 端末装置
402 表示部
403 制御装置
500 監視装置
502 制御装置
1000 作業管理システム