(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173331
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】係員端末、係員端末表示システム、係員端末表示方法、および係員端末表示プログラム
(51)【国際特許分類】
G07B 5/00 20060101AFI20241205BHJP
G07B 1/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G07B5/00 D
G07B1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091680
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】兼平 捷矢
(72)【発明者】
【氏名】谷中 義典
【テーマコード(参考)】
3E026
【Fターム(参考)】
3E026AA03
3E026CA03
3E026CA07
(57)【要約】
【課題】係員のボタンの押し間違えを低減させ、係員の業務効率を向上させること。
【解決手段】実施形態に係る係員が業務を実施する係員端末であって、係員の係員IDを取得し、係員IDに紐付けされた設定情報を取得する取得部と、設定情報に応じて、係員の押下ミスを低減する特徴を有する駅名ボタンを表示部に表示させる制御部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
係員が業務を実施する係員端末であって、
前記係員の係員IDを取得し、前記係員IDに紐付けされた設定情報を取得する取得部と、
前記設定情報に応じて、前記係員の押下ミスを低減する特徴を有する駅名ボタンを表示部に表示させる制御部と、
を備える、係員端末。
【請求項2】
前記係員の押下ミスを低減する特徴は、前記係員が事前に設定した駅名ボタン配置である、請求項1に記載の係員端末。
【請求項3】
前記係員の押下ミスを低減する特徴は、前記係員が事前に設定した駅名ボタンの色を他の駅名ボタンの色と異なるようにした特徴である、請求項1に記載の係員端末。
【請求項4】
前記係員の押下ミスを低減する特徴は、所定の期間の間に押下された回数が多い駅名ボタン順に左上から順に配置した特徴である、請求項1に記載の係員端末。
【請求項5】
前記係員の押下ミスを低減する特徴は、所定の期間の間に押下された回数が多い所定の数の駅名ボタンを他の駅名ボタンと異なる大きさにする特徴である、請求項1に記載の係員端末。
【請求項6】
前記係員の押下ミスを低減する特徴は、所定の期間の間に押下された回数が多い所定の数の駅名ボタンを他の駅名ボタンと異なる色にする特徴である、請求項1に記載の係員端末。
【請求項7】
前記設定情報は、前記係員が識別可能な色に設定されたボタンを表示させる情報をさらに含む、請求項1に記載の係員端末。
【請求項8】
前記設定情報は、ボタンの業務内容を表示させるメモ情報をさらに含む、請求項1に記載の係員端末。
【請求項9】
係員認証サーバと、
前記係員認証サーバに接続され、且つ係員が業務を実施する係員端末と
を備え、
前記係員認証サーバは、
前記係員の係員IDに紐付けされた設定情報を記憶する記憶部を備え、
前記係員端末は、
前記係員の係員IDを取得する取得部と、
前記係員IDを前記係員認証サーバに送信し、前記係員IDに紐付けされた設定情報を受信する送受信制御部と、
前記設定情報に応じて、前記係員の押下ミスを低減する特徴を有する駅名ボタンを表示部に表示させる制御部と、
を備える、係員端末表示システム。
【請求項10】
係員が業務を実施する係員端末のプロセッサが実施する係員端末表示方法であって、
前記係員の係員IDを取得し、前記係員IDに紐付けされた設定情報を取得することと、
前記設定情報に応じて、前記係員の押下ミスを低減する特徴を有する駅名ボタンを表示部に表示させることと、
を備える、係員端末表示方法。
【請求項11】
係員が業務を実施する係員端末のプロセッサによって実行させるための命令を備える係員端末表示プログラムであって、前記命令は、
前記係員の係員IDを取得し、前記係員IDに紐付けされた設定情報を取得することと、
前記設定情報に応じて、前記係員の押下ミスを低減する特徴を有する駅名ボタンを表示部に表示させることと、
を備える、係員端末表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、係員端末、係員端末表示システム、係員端末表示方法、および係員端末表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、窓口処理機、定期券発行機等を含む係員端末のボタン配置は、固定されている。例えば、路線を選択した後の駅を選択するためのボタンは、上り方向から下り方向に向けた駅順に配置される。
【0003】
さらに、係員端末は、係員が健常者であることを前提に作られている。さらに、係員端末は、表示されるボタンがどのような意味を持つのかを理解している係員を前提として作られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
主要駅または押下数の多い駅を選択するためのボタンが押し難い画面表示になっている場合があるという問題がある。また、ボタンの色が全て同一のため、押し間違い等のリスクが発生するという問題もある。
【0006】
さらに、係員が健常者でない場合、或いは、業務内容をキチンと習熟していない新人などである場合、ボタンの押し間違え、或いは、業務内容の確認等を行うことによって業務効率が低下するという問題もある。
【0007】
この発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、駅を選択するためのボタンの配置を変更可能にすることにより、係員のボタンの押し間違えを低減させ、係員の業務効率を向上させる技術を提供することにある。
【0008】
さらに、この発明の目的とするところは、係員の状態に関わらず、或いは習熟度合に応じて業務効率が低下しないように、ユニバーサルデザインとなる画面とする、或いはボタンに対して業務内容のメモを付すことにより、係員の業務効率を向上させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態に係る係員が業務を実施する係員端末は、前記係員の係員IDを取得し、前記係員IDに紐付けされた設定情報を取得する取得部と、前記設定情報に応じて、前記係員の押下ミスを低減する特徴を有する駅名ボタンを表示部に表示させる制御部と、を備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、係員端末表示システムの構成の一例を示した図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係る係員認証サーバおよび係員端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、表示部に表示される媒体購入画面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、表示部に表示される媒体購入画面の別の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、表示部に表示される媒体購入画面の別の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、表示部に表示される媒体購入画面の別の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、表示部に表示されるユニバーサル対応の媒体購入画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、表示部に表示されるボタンに対してメモを表示させた一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら係員端末について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0012】
(構成)
図1は、係員端末表示システムの構成の一例を示した図である。
係員端末表示システムは、係員認証サーバ1と、係員端末2と、パーソナルコンピュータ5(
図1ではPC(Personal Computer)として表されている)を備える。
【0013】
係員認証サーバ1は、センタに配置されるサーバである。係員認証サーバ1は、係員が係員端末2を利用する際に用いる設定情報等を記憶する。
【0014】
係員端末2は、駅コーナに配置され、係員が操作する端末である。係員端末2は、例えば、窓口処理機3、定期券発行機4等を含む。ここで、係員は、駅に配置された駅係員であって良い。すなわち、係員端末2は、係員が業務(駅務)を実施する際に使用可能な任意の端末を含む。例えば、
図1では、係員端末2が窓口処理機3および定期券発行機4の両方を含む例を示している。しかしながら、係員端末2は、窓口処理機3または定期券発行機4のいずれか1方のみを含んでいても良いし、窓口処理機3および定期券発行機4の機能を含む1つの係員端末2であっても良い。
【0015】
パーソナルコンピュータ5は、駅コーナに配置されるコンピュータである。パーソナルコンピュータ5は、係員端末2に表示されるボタン配置を係員が設定するために用いるコンピュータである。なお、パーソナルコンピュータ5で実施される設定を係員端末2で設定可能である場合、パーソナルコンピュータ5は、駅コーナに配置されていなくとも良い。
【0016】
図2は、一実施形態に係る係員認証サーバ1および係員端末2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
係員認証サーバ1は、PCなどのコンピュータによって実現される。係員認証サーバ1は、制御部11、記憶部12、入出力インタフェース13、通信インタフェース14、入力部15、および表示部16を備える。制御部11、記憶部12、入出力インタフェース13、および通信インタフェース14は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。また、入出力インタフェース13は、入力部15および表示部16と互いに通信可能に接続されている。
【0017】
制御部11は、係員認証サーバ1を制御する。制御部11は、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサを備える。
【0018】
記憶部12は、記憶媒体である。記憶部12は、例えばHDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の随時書込みおよび読出し可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部12は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OS(Operating System)やミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。
【0019】
入出力インタフェース13は、入力部15および表示部16との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。入出力インタフェース13は、有線または無線の通信インタフェースを備えても良い。すなわち、係員認証サーバ1と入力部15および表示部16とは、LANやインターネット等のネットワークを経由して情報の送受信を行っても良い。
【0020】
通信インタフェース14は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース14は、ネットワークを通じて、駅コーナに配置された係員端末2およびパーソナルコンピュータ5と有線または無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース14は、制御部11の制御の下、係員端末2およびパーソナルコンピュータ5との間で通信を行い、各種情報を送受信することができる一般的な通信モジュールを含んでよい。
【0021】
入力部15は、例えば、表示部16である表示デバイスの表示画面上に配置された、静電方式または圧力方式を採用した入力検知シートであり、入出力インタフェース13を介して、係員認証サーバ1の管理者のタッチ位置に対応した信号を制御部11に出力する。例えば、入力部15および表示部16は、入出力が一体となったタッチスクリーンであって良い。すなわち、入力部15は、タッチスクリーン上に表示されたボタン等に管理者がタッチすることで必要な情報の入力を受け付け、受け付けた情報に対応する信号を制御部11に出力しても良い。また、入力部15は、例えば、係員認証サーバ1の管理者が係員認証サーバ1に対して指示を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含んでも良い。
【0022】
表示部16は、例えば液晶、有機EL(Electro Luminescence)等を使用した表示デバイスであり、入出力インタフェース13から入力された信号に応じた画像およびメッセージを表示する。
【0023】
係員端末2は、PCなどのコンピュータによって実現される。係員端末2は、制御部21、記憶部22、入出力インタフェース23、通信インタフェース24、入力部25、表示部26、および発行部27を備える。制御部21、記憶部22、入出力インタフェース23、および通信インタフェース24は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。また、入出力インタフェース23は、入力部25、表示部26、および発行部27と互いに通信可能に接続されている。
【0024】
制御部21は、係員端末2を制御する。制御部21は、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサを備える。
【0025】
記憶部22は、記憶媒体である。記憶部22は、例えばHDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の随時書込みおよび読出し可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部22は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OS(Operating System)やミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。
【0026】
入出力インタフェース23は、入力部25、表示部26、および発行部27との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。入出力インタフェース23は、有線または無線の通信インタフェースを備えても良い。すなわち、係員端末2と入力部25および表示部26とは、LANやインターネット等のネットワークを経由して情報の送受信を行っても良い。
【0027】
通信インタフェース24は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース24は、ネットワークを通じて、センタに配置された係員認証サーバ1と有線または無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース24は、制御部21の制御の下、係員認証サーバ1との間で通信を行い、各種情報を送受信することができる一般的な通信モジュールを含んでよい。
【0028】
入力部25は、例えば、表示部26である表示デバイスの表示画面上に配置された、静電方式または圧力方式を採用した入力検知シートであり、入出力インタフェース23を介して、係員のタッチ位置に対応した信号を制御部21に出力する。例えば、入力部25および表示部26は、入出力が一体となったタッチスクリーンであって良い。すなわち、入力部25は、タッチスクリーン上に表示されたボタン等に係員がタッチすることで必要な情報の入力を受け付け、受け付けた情報に対応する信号を制御部21に出力しても良い。また、入力部25は、例えば、係員が係員端末2に対して指示を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含んでも良い。
【0029】
さらに、入力部25は、乗車券、定期券、ICカード等を含む媒体に記憶された各種情報を読み取るためのリーダを含んでも良い。なお、リーダは、磁気情報読取り機、ICカードリーダ、2次元コードリーダ、NFC(Near Field Communication)リーダ等であって良い。また、リーダは、媒体に各種情報を書き込むことが可能なリーダライタであっても良いのは勿論である。
【0030】
表示部26は、例えば液晶、有機EL(Electro Luminescence)等を使用した表示デバイスであり、入出力インタフェース23から入力された信号に応じた画像およびメッセージを表示する。
【0031】
発行部27は、例えば、乗車券を発券する。発行部27は、また、乗車券等の媒体表面等に必要な情報(例えば、運賃、区間等)を印刷した乗車券を発行可能なプリンタ等を含んでも良い。
【0032】
なお、パーソナルコンピュータ5は、上述した係員認証サーバ1と同様のハードウェア構成を有していて良い。
【0033】
(駅選択のボタン画面例)
以下で説明する例では、係員は、旅客から媒体の発行を依頼されており、媒体の発行を行うための所定の入力を係員端末2に対して行うものとする。例えば、係員は、最初に、種類を入力し、その後、発駅、着駅、および枚数等を入力する。以下で説明する例は、係員がこの発駅または着駅を入力する際に表示される画面の例を示す。
【0034】
(第1の画面例)
図3は、表示部26に表示される媒体購入画面の一例を示す図である。
図3の例の媒体購入画面には、入力項目である、種類101、発駅および着駅102、人数103(
図3の例では、大人または子供で表示される)を備える。種類101は、例えば、乗車券、往復券、定期券、等を選択する項目である。
【0035】
また、媒体購入画面右側には選択画面104を備える。選択画面104は、例えば、鉄道、路線、駅等を選択するための画面であり、
図3の例では、選択画面104は、鉄道事業者を選択するため鉄道選択領域1041と、路線を選択するための路線選択領域1042と、駅を選択するための駅選択領域1043と、を備える。鉄道選択領域1041は、鉄道ボタンが表示され、どの鉄道を利用するのかを選択する領域である。路線選択領域1042は、路線ボタンが表示され、どの路線を利用するのかを選択するための領域である。駅選択領域1043は、駅名ボタンが表示され、どの駅で乗降するのかを選択するための領域である。
【0036】
さらに、
図3では、入力確認ボタン211およびリセットボタン212を備える。入力確認ボタン211は、全ての項目の入力が終わった後、入力に漏れが無いか等を確認するためのボタンである。リセットボタン212は、入力した項目内容をリセットするためのボタンである。
【0037】
本実施形態では、係員端末2またはPC5を用いて選択画面104のうちの駅選択領域1043に配置される駅名ボタンをどのように表示させるかを事前に設定可能である。例えば、係員は、押下ミスが低減可能な順に駅名ボタンを配置する。例えば、係員が左利きである場合、左上から順に最もよく押下されると思われる駅から順に並べるように設定して良い。
【0038】
事前設定をする際、係員端末2またはパーソナルコンピュータ5に用意された所定のツールを用いて、事前に駅名ボタンをどのように配置するのかを設定して良い。そして、設定された設定情報は、係員の係員IDに紐付けされて係員端末2の記憶部22または係員認証サーバ1の記憶部12に記憶される。ここで、係員IDは、係員を特定するための識別情報であり、例えば、係員番号、係員認証用ICカードに記憶された係員を特定するための情報等であって良い。
【0039】
設定情報は、係員が係員端末2にログインする際に利用する。例えば、係員は、ログインするための係員IDを係員端末2に入力する或いは係員認証用ICカードをリーダに翳す等する。すなわち、取得部として動作する制御部21は、係員IDを取得する。取得部として動作する制御部21は、係員端末2の記憶部22に記憶された設定情報を取得する。そして制御部21は、取得した設定情報に応じて、
図3の例のように表示部26に表示させて良い。すなわち、制御部21は、係員の押下ミスを低減する特徴を有するような駅名ボタンを表示部26に表示させるように制御する。
【0040】
或いは、取得部として動作する制御部21が係員IDを取得すると、送受信制御部として動作する制御部21は、通信インタフェース24を通じて係員IDを係員認証サーバ1に送信し、当該送信に応じて係員IDに紐付けられた設定情報を受信する。例えば、係員認証サーバ1の制御部11は、係員IDを受信すると、係員IDに紐付けされた設定情報を記憶部12から取得し、取得した設定情報を係員端末2に送信する。そして、制御部21は、
図3の例のように表示部26に表示させるように制御して良い。
【0041】
このように、係員が事前設定した係員自身にとって押下ミスが少なくなるような駅名ボタンの配置にすることにより、押下ミスが低減され、業務効率が向上する。
【0042】
(第2の画面例)
図4は、表示部26に表示される媒体購入画面の別の一例を示す図である。
図4の例では、駅選択領域1043の駅名ボタンの配置を主要駅順にする例を示している。例えば、〇〇駅(1)、〇〇駅(7)、〇〇駅(11)が主要駅であり、これらの駅名ボタンを左上から順に配置するように設定情報が設定されている。ここで、主要駅は、例えば、急行、特急停車駅等、1日当たりの乗降客数の多い駅であって良い。或いは、主要駅は、他の路線との接続する駅であっても良い。
【0043】
本実施形態では、上述した第1の画面例と同様に、係員端末2またはPC5を用いて事前に主要駅を設定して良い。また、設定情報を用いる動作も第1の画面例で説明したのと同様の動作であって良い。
【0044】
また、上の例では、主要駅を最初に表示する例を示したが、例えば、制御部11は、所定の期間の間の係員が駅名ボタンを押下した回数を係員端末2の記憶部22に記憶させて良い。或いは、制御部21は、押下した回数を係員認証サーバ1に送信して良い。係員認証サーバ1の制御部11は、記憶部12に記憶させる。そして、制御部11または制御部21は、所定のタイミングで押下した回数を判定し、押下した回数の多い順に駅名ボタンを配置した表示になるように設定情報を更新して良い。
【0045】
こうすることにより、係員が駅名ボタンを通常の状態と比較してより押下ミスが低減された駅名ボタンの配置にすることができる。
【0046】
(第3の画面例)
図5は、表示部26に表示される媒体購入画面の別の一例を示す図である。
図5の例では、主要駅の駅名ボタンを他の駅名ボタンと異なる色にする例を示している。
図5の例では、例えば、〇〇駅(1)、〇〇駅(7)、〇〇駅(11)の色を他の駅名ボタンと異なるように設定情報に設定された例を示している。主要駅の駅名ボタンの色は、例えば、他の駅名ボタンの色と反対色或いは他のボタンの色と明確に異なる色であって良い。また、色は、係員による押下ミスが低減するような好みの色に設定しても良い。また、駅名ボタンに用いられる色は、複数の色を用いても良い。例えば、最も利用頻度が高いと思われる駅名ボタンを赤にし、その次に利用頻度が高いと思われる駅名ボタンをオレンジ色に設定しても良い。
【0047】
本実施形態では、上述した第1の画面例と同様に、係員端末2またはPC5を用いて事前に主要駅を設定して良い。また、設定情報を用いる動作も第1の画面例で説明したのと同様の動作であって良い。
【0048】
また、上の例では、主要駅の駅名ボタンの色を他の駅名ボタンの色と異なるように表示させる例を示したが、例えば、制御部21は、所定の期間の間の係員が駅名ボタンを押下した回数を係員端末2の記憶部22に記憶させて良い。或いは、制御部21は、押下した回数を係員認証サーバ1に送信して良い。係員認証サーバ1の制御部11は、記憶部12に記憶させる。そして、制御部11または制御部21は、所定のタイミングで押下した回数を判定し、押下した回数の多い順に駅名ボタンを配置した表示になるように設定情報を更新して良い。
【0049】
こうすることにより、係員が駅名ボタンを通常の状態と比較してより押下ミスが低減された駅名ボタンの色にすることができる。
【0050】
(第4の画面例)
図6は、表示部26に表示される媒体購入画面の別の一例を示す図である。
図6の例では、主要駅の駅名ボタンを他の駅名ボタンと異なる大きさにする例を示している。例えば、〇〇駅(1)、〇〇駅(7)、〇〇駅(11)の駅名ボタンを他の駅名ボタンと比較して大きくする。なお、他の駅名ボタンの大きさを主要駅の駅名ボタンと比較して小さくする表示させても良い。
【0051】
本実施形態では、上述した第1の画面例と同様に、係員端末2またはPC5を用いて事前に主要駅を設定して良い。また、設定情報を用いる動作も第1の画面例で説明したのと同様の動作であって良い。
【0052】
また、上の例では、主要駅の駅名ボタンの大きさ変更して表示する例を示したが、例えば、制御部21は、所定の期間の間の係員が駅名ボタンを押下した回数を係員端末2の記憶部22に記憶させて良い。或いは、制御部21は、押下した回数を係員認証サーバ1に送信して良い。係員認証サーバ1の制御部11は、記憶部12に記憶させる。そして、制御部11または制御部21は、所定のタイミングで押下した回数を判定し、押下した回数の多い順に駅名ボタンの大きさを変更して表示するように設定情報を更新して良い。
【0053】
こうすることにより、係員が駅名ボタンを通常の状態と比較してより押下ミスが低減された駅名ボタンにすることができる。
【0054】
(第5の画面例)
係員の中には色覚異常のような人も存在し得る。例えば、係員に色覚異常がある場合、特定の色が見えにくいため、押し間違えが発生しやすくなる場合がある。
【0055】
図7は、表示部26に表示されるユニバーサル対応の媒体購入画面の一例を示す図である。
図7では、選択画面104の代わりに収受金額105が表示されて、さらに確定ボタン106が表示される例を示している。
【0056】
図7(a)では、ユニバーサル対応をしていない通常の画面の例を示している。
図7(a)では、例えば、確定ボタン106が緑色でリセットボタン212が赤色で表示されているとする。このような場合、例えば、係員が赤緑色盲である(赤色と緑色が灰色に見えてしまう)場合、確定ボタン106とリセットボタン212の色が同じに見えてしまう。このような係員が業務を実施すると、確定ボタン106とリセットボタン212が近くにあり、且つ同じ色に見えるため、押下ミスが発生する確率が高くなる。そこで、係員の障害によってボタンの色を認識できない場合、当該係員が認識可能なボタンの色になるように各種ボタンを事前に設定情報に含めて良い。
【0057】
図7(b)の例では、確定ボタン106を黄色で表示させ、リセットボタン212を赤色で表示させるように設定情報に事前設定しておく。事前設定の方法は、第1の画面例で説明したのと同様の方法で良い。このように、設定情報に係員の障害に対応した情報を含めることにより、例えば、係員が赤緑色盲であっても、係員は、確定ボタン106とリセットボタン212を異なる色として識別可能である。そのため、障害のある係員による押下ミスが低減されることになる。
【0058】
(第6の画面例)
係員の中には画面に表示されたボタンの意味を十分に理解していない、或いは、どのような意味があるボタンなのか忘れてしまう場合等がある。そこで、第6の画面例では、ボタンの業務内容のメモを張り付けることを可能にする。
【0059】
図8は、表示部26に表示されるボタンに対してメモを表示させた一例を示す図である。
図8(a)は、種類101および発駅および着駅102の代わりに金額108が表示され、さらに領収書ボタン109が表示された例を示している。そして、
図8(a)は、インボイスの対応のために領収書ボタン109に対してメモを表示させた一例である。今後インボイス制度が開始されることが決定している。インボイス対応のために領収書を発行し忘れて入力確認ボタン211を押下してしまうと、他の業務で領収書を発行する必要があり、業務効率が低下してしまう。そのため、領収書ボタン109に対してインボイス対応で領収書発行確認というメモを表示させ、押下忘れをしないようにする。
【0060】
図8(b)は、ICSF払戻ボタン110およびIC情報クリアボタン111が表示された例を示している。例えば、係員がICSFという業務がどのような業務であるか忘れてしまう場合がある。そこで、ICSF払戻ボタン110に対して、ICSF払戻という業務がICカード払戻時に、SF額の払戻、デポジットの返却を行う業務であること示すメモを表示させておき、この業務内容を係員が実施し忘れないようにする。
【0061】
上述したように、必要なボタンにメモを表示させることにより、係員による押下忘れを防止する、或いは押下した際の業務の確認をすることができ、係員の業務効率が向上することができる。
【0062】
(実施形態の作用効果)
以上説明した実施形態によれば、係員端末2の制御部21は、設定情報に応じて係員の押下ミスを低減する特徴を有する駅名ボタンを表示部26に表示させるように制御する。これにより、係員が駅名を選択する際に駅名ボタンの押下ミスを低減させることができ、業務効率が向上する。
【0063】
また、制御情報に障害のある係員が識別可能な色となるボタンを表示させる情報およびボタンの業務内容を表示させるメモ情報をさらに含む。これにより、係員は、押下ミス或いは押下忘れを防止でき、業務効率が向上する。
【0064】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第2の画面例乃至第6の画面例は、組み合わせることが可能である。例えば、主要駅を左上から順に表示させつつ色を他の駅名ボタンと異なるように表示させても良い。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1…係員認証サーバ
11…制御部
12…記憶部
13…入出力インタフェース
14…通信インタフェース
15…入力部
16…表示部
2…係員端末
21…制御部
22…記憶部
23…入出力インタフェース
24…通信インタフェース
25…入力部
26…表示部
27…発行部
3…窓口処理機
4…定期券発行機
5…パーソナルコンピュータ
101…種類
102…発駅および着駅
103…人数
104…選択画面
1041…鉄道選択領域
1042…路線選択領域
1043…駅選択領域
105…収受金額
106…確定ボタン
108…金額
109…領収書ボタン
110…ICSF払戻ボタン
111…IC情報クリアボタン
211…入力確認ボタン
212…リセットボタン