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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173342
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】収納箱およびシート
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/10 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B65D5/10 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091697
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】近藤 知広
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA05
3E060BC02
3E060BC04
3E060CA02
3E060CA25
3E060CE04
3E060CE07
3E060CE15
3E060CE18
3E060CE19
3E060CE22
3E060CF05
3E060DA11
3E060EA20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】組み立てやすく中抜けしにくい底壁を有する収納箱およびシートを提供する。
【解決手段】収納箱1Aは、第一壁4および第二壁と、周壁とを有し、収納物が配置される箱本体を備え、第一壁は、雄フラップ層401と、雌フラップ層402とを少なくとも含み、雄フラップ41は、雄本体部415と、差込部416と、頭部417とを有し、雌フラップ42は、雌本体部425を有し、雌本体部には、差込部が差し込まれる差込口426と、雌本体部の先端側の領域において差込口の第三特定方向側で差込口と繋がって形成され、差込部が差込口に差し込まれる場合に頭部を差し込んで差込口に案内する案内口427とが設けられており、頭部の第三方向の長さをY、差込部の第三方向の長さをX、差込口の第三方向の長さをW、案内口の第三方向の長さをZとした場合に、第一壁は、Y>Xを満たし、W≧Xを満たし、Y>Wを満たし、Z≧Yを満たす。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一方向と交差するように延び且つ前記第一方向において互いに並んで配置される第一壁および第二壁と、前記第一壁の周縁から前記第二壁の周縁まで延びる周壁とを有し、前記第一壁と前記第二壁と前記周壁とで囲まれた空間に収納物が配置される箱本体を備え、
前記周壁は、前記第一方向に直交する第二方向と交差するように延び且つ前記第二方向において互いに並んで配置される第三壁および第四壁を少なくとも含み、
前記第一壁は、
前記第一方向のうち前記第二壁から前記第一壁に向かう第一特定方向における前記第三壁の縁である第一接続端に接続する雄フラップによって構成される雄フラップ層と、
前記第一特定方向における前記第四壁の縁である第二接続端に接続する雌フラップによって構成される雌フラップ層と
を少なくとも含み、前記第一特定方向における前記周壁の縁が折り曲げられ、前記第一特定方向に向かって、前記雌フラップ層、前記雄フラップ層の順に積層されることで構成され、
前記雄フラップは、
前記第三壁の前記第一接続端から、前記第二方向のうち前記第三壁から前記第四壁に向かう第二特定方向に延びる雄本体部と、
前記雄本体部の先端から前記第二特定方向に突出する差込部と、
前記差込部の先端から前記第二特定方向に突出し、前記第一方向および前記第二方向と直交する第三方向に延びる頭部と
を有し、
前記雌フラップは、
前記第四壁の前記第二接続端から、前記第二方向のうち前記第四壁から前記第三壁に向かう第三特定方向に延びる雌本体部
を有し、
前記雌本体部には、
前記雌本体部の先端側の領域に形成され、前記第三方向に延び且つ前記第三方向の長さが前記雌本体部の前記第三方向の長さよりも短く、前記差込部が差し込まれる差込口と、
前記雌本体部の先端側の領域において前記差込口の前記第三特定方向側で前記差込口と繋がって形成され、前記第三方向に延び且つ前記第三方向の長さが前記差込口の前記第三方向の長さよりも長く、前記差込部が前記差込口に差し込まれる場合に前記頭部を差し込んで前記差込口に案内する案内口と
が設けられており、
前記頭部の前記第三方向の長さをY、前記差込部の前記第三方向の長さをX、前記差込口の前記第三方向の長さをW、前記案内口の前記第三方向の長さをZとした場合に、
前記第一壁は、
Y>X ・・・ (1)
を満たし、
W≧X ・・・ (2)
を満たし、
Y>W ・・・ (3)
を満たし、
Z≧Y ・・・ (4)
を満たすこと
を特徴とする収納箱。
【請求項2】
前記周壁は、前記第三方向と交差するように延び且つ前記第三方向において互いに並んで配置される第五壁および第六壁を含み、
前記第一壁は、
前記第一特定方向における前記第五壁の縁である第三接続端に接続する第一フラップと、
前記第一特定方向における前記第六壁の縁である第四接続端に接続する第二フラップと
のうちの少なくとも一方によって構成される中間フラップ層をさらに含み、
前記第一特定方向における前記周壁の縁が折り曲げられ、前記第一特定方向に向かって、前記雌フラップ層、前記中間フラップ層、前記雄フラップ層の順に積層されることで構成され、
前記第一フラップには、
前記第五壁の前記第三接続端から、前記第三方向のうち前記第五壁から前記第六壁に向かう第四特定方向に延びる第一本体部と、
前記第一本体部の先端から前記第四特定方向に突出する第一突出部と
が設けられ、
前記第二フラップには、
前記第六壁の前記第四接続端から、前記第三方向のうち前記第六壁から前記第五壁に向かう第五特定方向に延びる第二本体部と、
前記第二本体部の先端から前記第五特定方向に突出する第二突出部と
が設けられており、
前記第一フラップの前記第一突出部と、前記第二フラップの前記第二突出部とは、前記第一方向において、前記雄フラップの前記雄本体部に重なる位置に配置されること
を特徴とする請求項1に記載の収納箱。
【請求項3】
前記第一突出部および前記第二突出部の前記第二方向の長さをB、前記第一接続端から前記差込部の先端までの前記第二方向の長さをCとした場合に、
前記第一壁は、
C≧B ・・・ (5)
を満たすこと
を特徴とする請求項2に記載の収納箱。
【請求項4】
前記第一フラップの前記第一突出部は、前記第一本体部の先端における前記第二特定方向の縁よりも前記第二特定方向に突出する部位を有し、
前記第二フラップの前記第二突出部は、前記第二本体部の先端における前記第二特定方向の縁よりも前記第二特定方向に突出する部位を有すること
を特徴とする請求項3に記載の収納箱。
【請求項5】
前記雄フラップの前記頭部を前記雌フラップの前記案内口に差し込む過程で、前記雄フラップおよび前記雌フラップのそれぞれを前記第一特定方向とは反対の第六特定方向へ向けて折り曲げ、前記頭部と前記案内口とが前記第三方向に重なる配置となったとき、前記雄フラップが前記第二方向に対して前記第六特定方向側に傾く角度をαとした場合、
前記第一壁は、
B≦C・cosα ・・・ (6)
を満たすこと
を特徴とする請求項4に記載の収納箱。
【請求項6】
前記第一接続端から前記頭部が前記第三方向に最大長さとなる部分までの前記第二方向の長さをE、前記第二接続端から前記案内口の前記第三方向の長さが前記頭部の前記第三方向における最大長さと同じ長さである部分までの前記第二方向の長さをA、前記第五壁および前記第六壁の前記第二方向の長さをDとした場合に、
余弦定理より、
【数1】
を満たし、
前記第一壁は、
【数2】
を満たすこと
を特徴とする請求項5に記載の収納箱。
【請求項7】
前記雌フラップには、
前記雌本体部の先端側の領域において前記案内口の前記第三特定方向側で前記案内口と繋がって形成され、前記第三方向に延び且つ前記第三方向の長さが前記案内口の前記第三方向の長さ以下であり、前記雄フラップおよび前記雌フラップを前記第六特定方向へ向けて折り曲げた場合に、前記案内口を介して前記差込口からの前記差込口の移動を誘導する誘導口が設けられており、
前記誘導口の前記第三方向の長さをVとした場合に、
前記第一壁は、
V≦Y ・・・ (9)
を満たすこと
を特徴とする請求項6に記載の収納箱。
【請求項8】
前記雌本体部は、前記案内口よりも前記第一特定方向側において、前記第三方向に繋がる補強部を有し、
前記差込口および前記案内口は、前記雌本体部に開口状に形成されたこと
を特徴とする請求項7に記載の収納箱。
【請求項9】
組み付けられることで収納箱が形成されるように構成されるシートであって、
前記収納箱は、
第一方向と交差するように延び且つ前記第一方向において互いに並んで配置される第一壁および第二壁と、前記第一壁の周縁から前記第二壁の周縁まで延びる周壁とを有し、前記第一壁と前記第二壁と前記周壁とで囲まれた空間に収納物が配置される箱本体を備え、
前記周壁は、前記第一方向に直交する第二方向と交差するように延び且つ前記第二方向において互いに並んで配置される第三壁および第四壁を少なくとも含み、
前記第一壁は、
前記第一方向のうち前記第二壁から前記第一壁に向かう第一特定方向における前記第三壁の縁である第一接続端に接続する雄フラップによって構成される雄フラップ層と、
前記第一特定方向における前記第四壁の縁である第二接続端に接続する雌フラップによって構成される雌フラップ層と
を少なくとも含み、前記第一特定方向における前記周壁の縁が折り曲げられ、前記第一特定方向に向かって、前記雌フラップ層、前記雄フラップ層の順に積層されることで構成され、
前記雄フラップは、
前記第三壁の前記第一接続端から、前記第二方向のうち前記第三壁から前記第四壁に向かう第二特定方向に延びる雄本体部と、
前記雄本体部の先端から前記第二特定方向に突出する差込部と、
前記差込部の先端から前記第二特定方向に突出し、前記第一方向および前記第二方向と直交する第三方向に延びる頭部と
を有し、
前記雌フラップは、
前記第四壁の前記第二接続端から、前記第二方向のうち前記第四壁から前記第三壁に向かう第三特定方向に延びる雌本体部
を有し、
前記雌本体部には、
前記雌本体部の先端側の領域に形成され、前記第三方向に延び且つ前記第三方向の長さが前記雌本体部の前記第三方向の長さよりも短く、前記差込部が差し込まれる差込口と、
前記雌本体部の先端側の領域において前記差込口の前記第三特定方向側で前記差込口と繋がって形成され、前記第三方向に延び且つ前記第三方向の長さが前記差込口の前記第三方向の長さよりも長く、前記差込部が前記差込口に差し込まれる場合に前記頭部を差し込んで前記差込口に案内する案内口と
が設けられており、
前記頭部の前記第三方向の長さをY、前記差込部の前記第三方向の長さをX、前記差込口の前記第三方向の長さをW、前記案内口の前記第三方向の長さをZとした場合に、
前記第一壁は、
Y>X ・・・ (1)
を満たし、
W≧X ・・・ (2)
を満たし、
Y>W ・・・ (3)
を満たし、
Z≧Y ・・・ (4)
を満たすこと
を特徴とするシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納箱およびシートに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の箱体の底壁は、切り込み部を有する第1の蓋体と、突出部を有する第1のフラップと、突出部を有する第2のフラップと、両端から延びる傾斜辺の先端に頭部を有する第2の蓋体を備える。底壁は、第1の蓋体の切り込み部に第1および第2のフラップの突出部を挿入し、さらに第2の蓋体の頭部を挿入することで、いわゆる地獄底の形態として構成される。底壁は、第2の蓋体の頭部が第1および第2のフラップの突出部に咬み合い、咬み合いによる支える力によって、収容物の重量を支える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-297628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
底壁を組み立てる場合において、フラップと頭部を差し込む差込部の大きさが頭部の大きさに対して小さい場合、差込部に頭部を差し込みにくくなる。頭部を大きく湾曲させて差込部に差し込んだ場合、頭部が変形し、収容物の重量を支える強度が低下する可能性があった。また、差込部の大きさが頭部の大きさに対して大きい場合、頭部が差込部から抜けやすくなり、収容物の重量によっては底壁が中抜けする可能性があった。
【0005】
本発明の目的は、組み立てやすく中抜けしにくい底壁を有する収納箱およびシートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、例えば以下の態様を開示する。
【0007】
本発明の第一態様によれば、第一方向と交差するように延び且つ前記第一方向において互いに並んで配置される第一壁および第二壁と、前記第一壁の周縁から前記第二壁の周縁まで延びる周壁とを有し、前記第一壁と前記第二壁と前記周壁とで囲まれた空間に収納物が配置される箱本体を備え、前記周壁は、前記第一方向に直交する第二方向と交差するように延び且つ前記第二方向において互いに並んで配置される第三壁および第四壁を少なくとも含み、前記第一壁は、前記第一方向のうち前記第二壁から前記第一壁に向かう第一特定方向における前記第三壁の縁である第一接続端に接続する雄フラップによって構成される雄フラップ層と、前記第一特定方向における前記第四壁の縁である第二接続端に接続する雌フラップによって構成される雌フラップ層とを少なくとも含み、前記第一特定方向における前記周壁の縁が折り曲げられ、前記第一特定方向に向かって、前記雌フラップ層、前記雄フラップ層の順に積層されることで構成され、前記雄フラップは、前記第三壁の前記第一接続端から、前記第二方向のうち前記第三壁から前記第四壁に向かう第二特定方向に延びる雄本体部と、前記雄本体部の先端から前記第二特定方向に突出する差込部と、前記差込部の先端から前記第二特定方向に突出し、前記第一方向および前記第二方向と直交する第三方向に延びる頭部とを有し、前記雌フラップは、前記第四壁の前記第二接続端から、前記第二方向のうち前記第四壁から前記第三壁に向かう第三特定方向に延びる雌本体部を有し、前記雌本体部には、前記雌本体部の先端側の領域に形成され、前記第三方向に延び且つ前記第三方向の長さが前記雌本体部の前記第三方向の長さよりも短く、前記差込部が差し込まれる差込口と、前記雌本体部の先端側の領域において前記差込口の前記第三特定方向側で前記差込口と繋がって形成され、前記第三方向に延び且つ前記第三方向の長さが前記差込口の前記第三方向の長さよりも長く、前記差込部が前記差込口に差し込まれる場合に前記頭部を差し込んで前記差込口に案内する案内口とが設けられており、前記頭部の前記第三方向の長さをY、前記差込部の前記第三方向の長さをX、前記差込口の前記第三方向の長さをW、前記案内口の前記第三方向の長さをZとした場合に、前記第一壁は、Y>X・・・(1)を満たし、W≧X・・・(2)を満たし、Y>W・・・(3)を満たし、Z≧Y・・・(4)を満たすことを特徴とする収納箱が提供される。
【0008】
第一態様によれば、第三方向における雄フラップの頭部の長さYは雄フラップの差込部の長さXよりも長く(1)式「Y>X」を満たす。さらに、第三方向における雄フラップの頭部の長さYは、雌フラップの差込口の長さWよりも長く(3)式「Y>W」を満たす。故に第三方向の長さWが差込部の長さX以上で(2)式「W≧X」を満たす差込口に、差込部が差し込まれても、頭部は差込口に引っ掛かる。よって雄フラップは、雌フラップから抜けにくくなり、収納箱の不正開封を防止することができる。頭部は、第三方向の長さZが頭部の長さY以上で(4)式「Z≧Y」を満たす部分において、案内口に差し込むことができる。頭部に接続する差込部は、案内口に繋がる差込口に案内されることによって、差込口内に配置することができる。
【0009】
本発明の第二態様によれば、組み付けられることで収納箱が形成されるように構成されるシートであって、前記収納箱は、第一方向と交差するように延び且つ前記第一方向において互いに並んで配置される第一壁および第二壁と、前記第一壁の周縁から前記第二壁の周縁まで延びる周壁とを有し、前記第一壁と前記第二壁と前記周壁とで囲まれた空間に収納物が配置される箱本体を備え、前記周壁は、前記第一方向に直交する第二方向と交差するように延び且つ前記第二方向において互いに並んで配置される第三壁および第四壁を少なくとも含み、前記第一壁は、前記第一方向のうち前記第二壁から前記第一壁に向かう第一特定方向における前記第三壁の縁である第一接続端に接続する雄フラップによって構成される雄フラップ層と、前記第一特定方向における前記第四壁の縁である第二接続端に接続する雌フラップによって構成される雌フラップ層とを少なくとも含み、前記第一特定方向における前記周壁の縁が折り曲げられ、前記第一特定方向に向かって、前記雌フラップ層、前記雄フラップ層の順に積層されることで構成され、前記雄フラップは、前記第三壁の前記第一接続端から、前記第二方向のうち前記第三壁から前記第四壁に向かう第二特定方向に延びる雄本体部と、前記雄本体部の先端から前記第二特定方向に突出する差込部と、前記差込部の先端から前記第二特定方向に突出し、前記第一方向および前記第二方向と直交する第三方向に延びる頭部とを有し、前記雌フラップは、前記第四壁の前記第二接続端から、前記第二方向のうち前記第四壁から前記第三壁に向かう第三特定方向に延びる雌本体部を有し、前記雌本体部には、前記雌本体部の先端側の領域に形成され、前記第三方向に延び且つ前記第三方向の長さが前記雌本体部の前記第三方向の長さよりも短く、前記差込部が差し込まれる差込口と、前記雌本体部の先端側の領域において前記差込口の前記第三特定方向側で前記差込口と繋がって形成され、前記第三方向に延び且つ前記第三方向の長さが前記差込口の前記第三方向の長さよりも長く、前記差込部が前記差込口に差し込まれる場合に前記頭部を差し込んで前記差込口に案内する案内口とが設けられており、前記頭部の前記第三方向の長さをY、前記差込部の前記第三方向の長さをX、前記差込口の前記第三方向の長さをW、前記案内口の前記第三方向の長さをZとした場合に、前記第一壁は、Y>X・・・(1)を満たし、W≧X・・・(2)を満たし、Y>W・・・(3)を満たし、Z≧Y・・・(4)を満たすことを特徴とするシートが提供される。故に第二態様は第一態様と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】収納箱1Aを右前上方から見た斜視図である。
図2】収納箱1Aを左後下方から見た斜視図である。
図3】収納箱1Aの平面図である。
図4】収納箱1Aの底面図である。
図5】台紙100Aを示す展開図である。
図6】収納箱1Aの底壁4を右後下方から見た斜視図である。
図7】底壁4を組み立てる前の収納箱1Aを右後下方から見た斜視図である。
図8図7の続きであり、底壁4を組み立てる途中の収納箱1Aを右後下方から見た斜視図である。
図9図8の続きであり、底壁4を組み立てた後の収納箱1Aを右前上方から見た斜視図である。
図10】収納箱1Bを右前上方から見た斜視図である。
図11】台紙100Bを示す展開図である。
図12】台紙100C,100Dの底壁4部分の展開図である。
図13】台紙100E,100Fの底壁4部分の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられる。すなわち、図面に記載されている構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0012】
図1および図2を参照し、収納箱1Aを説明する。以下では、図1の左上方、右下方、左下方、右上方、下方、および上方を、それぞれ、収納箱1Aの左方、右方、前方、後方、下方、および上方とする。なお、本実施形態において、例えば上下方向は、説明のために便宜的に使用され、鉛直方向に限定されない。
【0013】
収納箱1Aは、例えば図5に示す台紙100Aが組み付けられることで形成される。台紙100Aの構成および台紙100Aから収納箱1Aを組み立てる方法については後述する。収納箱1Aは箱本体2とヘッダ3とを備える。箱本体2は前後方向よりも左右方向に長く、且つ左右方向よりも上下方向に長い直方体状であり、テープカセット8Aを収納する。
【0014】
例えば箱本体2の前後方向の幅W21は、テープカセット8Aの前後方向の幅W81よりもわずかに大きい。箱本体2の前後方向、左右方向、および上下方向のそれぞれの長さの関係は、テープカセット8Aの前後方向、左右方向、および上下方向のそれぞれの長さの関係と同じである。
【0015】
箱本体2は底壁4と天壁5と周壁6とを有する。底壁4および天壁5は、それぞれ、上下方向に直交するように延び、且つ上下方向において互いに並ぶ。底壁4は箱本体2の下端に位置する。天壁5は箱本体2の上端に位置する。
【0016】
周壁6は底壁4の周縁40から天壁5の周縁50まで延びる。周壁6は四角筒状であり、前壁61と背壁62と左壁63と右壁64とを含む。前壁61および背壁62は、それぞれ、前後方向に直交するように延び、且つ前後方向において互いに並ぶ。前壁61は箱本体2の前端に位置する。背壁62は箱本体2の後端に位置する。左壁63および右壁64は、それぞれ、左右方向に直交するように延び、且つ左右方向において互いに並ぶ。左壁63は箱本体2の左端に位置する。右壁64は箱本体2の右端に位置する。
【0017】
前壁61の下端611、背壁62の下端621、左壁63の下端631、および右壁64の下端641は、底壁4の周縁40を構成する(図2参照)。前壁61の上端612、背壁62の上端622、左壁63の上端632、および右壁64の上端642は、天壁5の周縁50を構成する(図1参照)。
【0018】
箱本体2の内部には空間7が形成される。空間7は底壁4と天壁5と周壁6(前壁61、背壁62、左壁63、右壁64)とによって囲まれる。空間7には、テープカセット8Aが、後述の下壁85が上方から底壁4と向き合う状態で、配置される。
【0019】
ヘッダ3は箱本体2に設けられる。ヘッダ3は壁状であり、ヘッダ片31とヘッダ片32とを含む。ヘッダ片31は背壁62の上端622に接続し、背壁62の上端622から上方に延びる。図2は、背壁62の上端622を仮想線V0によって示す。ヘッダ片32はヘッダ片31の上端311から前方に折り返されて下方に延びる。ヘッダ片32の下端321は上下方向において天壁5の位置に位置し、後述の雌フラップ52(図2参照)に接続する。
【0020】
ヘッダ3には孔30が設けられる。孔30は正面視で二等辺三角形状であり、ヘッダ3の左右方向の中央に配置される。孔30はヘッダ片31、32を前後方向に貫通する。したがって、孔30はヘッダ3を前後方向に貫通する。例えば、収納箱1Aの流通市場において、収納箱1Aは、商品を吊り下げ陳列するための棒に孔30を介して挿入され、吊り下げ陳列されてもよい。
【0021】
図1および図3を参照し、天壁5の詳細構造を説明する。天壁5は、雄フラップ51と雌フラップ52と左フラップ53と右フラップ54とを含む。雄フラップ51は、前壁61の上端612に接続し、前壁61の上端612から後方に延びる。雄フラップ51は前後方向よりも左右方向に長い長方形状である。雄フラップ51の前後方向の長さは、前壁61と背壁62との間の前後方向の距離と略同じである。
【0022】
雄フラップ51の後端511は、背壁62の前方近傍に位置し、左右方向に延びる。雄フラップ51は開口縁512を含む。開口縁512は開口513を規定する。開口513は雄フラップ51を上下方向に貫通する。開口縁512は環状に閉じられ、縁5121、5122を含む。縁5121は開口513に対して後方に配置される。縁5121は左右方向に延び、後方に膨らむ円弧状である。
【0023】
縁5122は縁5121の左端から前方に延び、右方に延び、後方に延びて縁5121の右端に接続する。縁5122は前壁61の上端612よりも後方に配置される。このため、天壁5のうち前壁61の上端612の近傍の領域は、左右方向において、開口513によって分断されることなく、連なる。
【0024】
雄フラップ51には一対のミシン目516、517が設けられる。ミシン目516は縁5121の左端から雄フラップ51の後端511まで、後方に向かうにつれて左方に向かって延びる。ミシン目517は縁5121の左端から雄フラップ51の後端511まで、後方に向かうにつれて右方に向かって延びる。このため、一対のミシン目516、517は、後方に向かうにつれて互いに左右方向に離れるように延びる。
【0025】
以下では、雄フラップ51のうち端5111、ミシン目516、517、および縁5121によって囲まれる領域を「開封領域R22」という。ユーザは、開封領域R22を箱本体2から分断することによって、収納箱1Aを天壁5側から開封することができる。
【0026】
雄フラップ51には差込部55が設けられる。差込部55は、雄フラップ51の後端511から下方に突出する。詳細には、差込部55は土台部57と返し部58とを含む。土台部57は差込部55のうち雄フラップ51から下方に延びる部分である。土台部57は上下方向よりも左右方向に長い長方形状である。土台部57は雄フラップ51の後端511のうち、ミシン目516,517の間の部分に接続する。返し部58は土台部57の下端に形成されるミシン目5722で後方に折り返され、上方に延びる。返し部58は前後方向において背壁62と土台部57との間に位置し、背壁62に接触する。
【0027】
雌フラップ52は背壁62の上端622にヘッダ3を介して接続し、ヘッダ片32の下端321(図5参照)から前方に延びる。雌フラップ52は前後方向よりも左右方向に長い長方形状である。雌フラップ52の前端523は前後方向において天壁5の略中央に位置する。雌フラップ52には凹部522と差込口521(図5参照)とが設けられる。凹部522は雌フラップ52の前端523において、左右方向の中央から後方に凹む。凹部522は円弧状であり、平面視で開口513と重なる。
【0028】
図5に示すように、差込口521は前後方向よりも左右方向に長く、雌フラップ52を上下方向に貫通する。差込口521は、前壁61と背壁62との前後方向の中央よりも後方に位置し、背壁62の近傍に位置する。本実施形態では、差込口521は雌フラップ52のうちヘッダ片32との接続部(雌フラップ52の後端)に位置する。差込口521には差込部55が差し込まれる。
【0029】
左フラップ53は左壁63の上端632に接続し、左壁63の上端632から右方に延びる。右フラップ54は右壁64の上端642に接続し、右壁64の上端642から左方に延びる。左フラップ53および右フラップ54は、それぞれ、前後方向よりも左右方向に長い長方形状であり、互いに左右対称である。
【0030】
図3に示すように、天壁5では、雄フラップ51と、雌フラップ52と、左フラップ53および右フラップ54とが、下方から上方に向かって雌フラップ52、左フラップ53、右フラップ54(または右フラップ54、左フラップ53)、雄フラップ51の順に並んで積層される。差込部55は、差込口521を介して雌フラップ52よりも内側に配置される。
【0031】
図2図4図6を照し、背壁62および底壁4の詳細構造を説明する。背壁62にはミシン目623が設けられる。ミシン目623は上方に膨らむ円弧状であり、背壁62の下部に位置する。ミシン目623の両端は、背壁62の下端621に位置する。以下では、背壁62のうちミシン目623と背壁62の下端621とによって囲まれる領域を「起点領域R11」という。ユーザは、収納箱1Aを底壁4側から開封する場合、起点領域R11を箱本体2内に押し込み、開封領域R12(後述)を箱本体2から分断するための起点とする。
【0032】
底壁4は、いわゆる地獄底であり、雄フラップ41と雌フラップ42と左フラップ43と右フラップ44とを含む。雄フラップ41は背壁62の下端621に接続し、背壁62の下端621から前方に延びる。雄フラップ41は、雄本体部415、差込部416および頭部417を有する。雄本体部415は背壁62の下端621から前方に延びる部分であり、前方に向かうにつれて狭まる台形状である。雄本体部415の前後方向の長さは、箱本体2の前後方向の長さ(左壁63の下端631の長さ)の略半分と同じ長さ、もしくはそれよりも若干短い。
【0033】
差込部416は雄本体部415から前方に突出する部分であり、雄本体部415の延出先端部分における左右方向の長さを維持して前方に延びる。差込部416の左右方向の長さXは、箱本体2の左右方向の長さ(背壁62の下端621の長さ)の略半分である。差込部416の前後方向の長さは、後述する差込口426および案内口427の前後方向の長さよりも長い。
【0034】
頭部417は差込部416からさらに前方に突出する部分であり、差込部416よりも左右方向に長く延びる。頭部417の左端部は差込部416の左縁よりも左方に突出し、頭部417の右端部は差込部416の右縁よりも右方に突出する。すなわち頭部417の左右方向の長さYは、差込部416の左右方向の長さXよりも長く、(1)式「Y>X」を満たす。頭部417の前後方向の長さは差込部416の前後方向の長さよりも短い。頭部417は差込部416を雌フラップ42の差込口426(後述)に差し込んだ状態で差込口426からの抜けを防止する機能を果たす部分である。
【0035】
雄フラップ41には一対のミシン目411、412が設けられる。ミシン目411は、ミシン目623の両端のうち左方の端から前方に向かうにつれて左方に向かって延びる。ミシン目412は、ミシン目623の両端のうち右方の端から前方に向かうにつれて右方に向かって延びる。以下では、雄フラップ41のうち一対のミシン目411、412、および背壁62の下端621によって囲まれる領域を「開封領域R12」という。ユーザは、開封領域R12を起点領域R11とともに箱本体2から分断することによって、収納箱1Aを底壁4側から開封することができる。
【0036】
雌フラップ42は前壁61の下端611に接続し、前壁61の下端611から後方に延びる。雌フラップ42は、雌本体部425を有し、雌本体部425に差込口426および案内口427が形成される。雌本体部425は前壁61の下端611から後方に延びる部分であり、前後方向よりも左右方向に長い長方形状である。雌フラップ42の左右方向の長さは、箱本体2の左右方向の長さ(前壁61の下端611の長さ)と略同じ大きさであり、前後方向の長さは、箱本体2の前後方向の長さ(左壁63の下端631の長さ)よりも若干短い。
【0037】
雌フラップ42には差込口426が形成される。差込口426は左右方向に長い矩形状の開口であり、雌フラップ42を上下方向に貫通する。差込口426は、雌フラップ42の前後方向中央よりも後方側に形成される。差込口426の前側の開口縁は、底壁4における前後方向略中央もしくはそれよりも若干後側に位置する。底壁4の組み立てにおいて、差込口426には雄フラップ41の差込部416が挿通される。よって、差込口426の左右方向の長さWは、差込部416の左右方向の長さX以上であり、(2)式「W≧X」を満たす。
【0038】
また、差込口426の左右両端部は、差込部416を挿通させた状態で雄フラップ41の頭部417を引っ掛けることにより、差込部416の抜けを防止する部分として機能する。よって、差込口426の左右方向の長さWは、頭部417の左右方向の長さYよりも短く、(3)式「Y>W」を満たす。
【0039】
案内口427は、差込口426の後方側に形成され、差込口426と繋がる。案内口427は差込口426よりも左右方向に長く延び、雌フラップ42を上下方向に貫通する。
案内口427は雌本体部425の後端421に接続し、後側が開放する。すなわち案内口427と差込口426は、雌本体部425の後端側において後方に開放する切欠部として形成される。案内口427の左側の縁は、差込口426の左縁の後端から雌本体部425の後端421まで、後方に向かうにつれて左方に向かって延びる。案内口427の右側の縁は、差込口426の右縁の後端から雌本体部425の後端421まで、後方に向かうにつれて右方に向かって延びる。このため、案内口427の左右両側の縁は、後方に向かうにつれて互いに左右方向に離れるように延びる。
【0040】
底壁4の組み立てにおいて、雄フラップ41の頭部417は、案内口427の左右両側の縁の間を挿通される。頭部417が案内口427を挿通した状態で、差込部416は、案内口427に繋がる差込口426に案内され、差込口426を挿通した状態となる。よって、案内口427の両側の縁は、左右方向において、頭部417の左右方向の長さY以上となる部位を有する。案内口427の部分のうち、左右方向において頭部417が挿通可能な部分の左右方向の長さをZとしたとき、長さZと長さYは(4)式「Z≧Y」を満たす。
【0041】
左フラップ43は左壁63の下端631に接続し、左壁63の下端631から右方に延びる。右フラップ44は右壁64の下端641に接続し、右壁64の下端641から左方に延びる。左フラップ43は、左本体部435および左突出部436を有する。右フラップ44は、右本体部445および右突出部446を有する。左フラップ43および右フラップ44は、互いに左右対称形状である。
【0042】
左本体部435は、左壁63の下端631から右方に延びる略三角形状である。左本体部435の後側の縁は下端631の後端から右方に延び、前側の縁は下端631の前端から右斜め後方へ向けて延びる。左本体部435の前側の縁の右後端は、底壁4を組み立てた場合に、雌フラップ42の差込口426の左前角部近傍に配置される。
【0043】
左突出部436は左本体部435の延出先端部分から右方に突出する。左突出部436は左右方向よりも前後方向に長く延びる。左突出部436の前側の端部437は左本体部435の延出先端部分よりも若干、前方に突出する。左フラップ43の左右方向の長さは、箱本体2の左右方向の長さ(背壁62の下端621の長さ)の略半分と同じ長さ、もしくはそれよりも短い。
【0044】
右本体部445は、右壁64の下端641から左方に延びる略三角形状である。右本体部445の後側の縁は、下端641の後端から左方に延び、前側の縁は、下端641の前端から左斜め後方へ向けて延びる。右本体部445の前側の縁の左後端は、底壁4を組み立てた場合に、雌フラップ42の差込口426の右前角部近傍に配置される。
【0045】
右突出部446は右本体部445の延出先端部分から左方に突出する。右突出部446は左右方向よりも前後方向に長く延びる。右突出部446の前側の端部447は右本体部445の延出先端部分よりも若干、前方に突出する。右フラップ44の左右方向の長さは、箱本体2の左右方向の長さ(背壁62の下端621の長さ)の略半分と同じ長さ、もしくはそれよりも短い。
【0046】
以下説明において、雄フラップ41によって構成される層を「雄フラップ層401」という。本実施形態では、平面視において、雄フラップ層401の外形は、雄本体部415の外形によって規定される。雌フラップ42によって構成される層を「雌フラップ層402」という。本実施形態では、平面視において、雌フラップ層402の外形は、雌本体部425の外形によって規定される。左フラップ43と右フラップ44とによって構成される層を「サイドフラップ層403」という。本実施形態では、平面視において、サイドフラップ層403の外形は、左本体部435および右本体部445の外形によって規定される。
【0047】
底壁4において、雄フラップ層401、雌フラップ層402、およびサイドフラップ層403が、上方から下方に向かって雌フラップ層402、サイドフラップ層403、雄フラップ層401の順に並んで積層される。雄フラップ41の差込部416および頭部417は、差込口426を介して雌フラップ42の雌本体部425よりも上側、すなわち箱本体2の空間7内に配置される。
【0048】
図4に示すように、左フラップ43の左突出部436と、右フラップ44の右突出部446は、それぞれ、平面視で雄フラップ41の雄本体部415と重なる配置となる。さらに、左突出部436の端部437と、右突出部446の端部447は、それぞれ、平面視で雄フラップ41の差込部416と重なる配置となる。一方で、左突出部436と右突出部446のそれぞれは、平面視で雄フラップ41の頭部417とは重ならない。すなわち、左フラップ43の左突出部436および右フラップ44の右突出部446の前後方向の長さBは、雄フラップ41の雄本体部415および差込部416の前後方向の長さC以下であり、(5)式「C≧B」を満たす。なお、雄本体部415および差込部416の前後方向の長さCは、背壁62の下端621から前方に雄本体部415を越えて差込部416の延出先端部分に至るまでの長さをいう。
【0049】
図1を参照し、テープカセット8Aを説明する。テープカセット8Aはケース81と印刷テープ89とを備える。ケース81は前後方向よりも左右方向に長く、且つ左右方向よりも上下方向に長い直方体状である。印刷テープ89は長尺状であり、ケース81に収納される。印刷テープ89の幅方向(短手方向)は前後方向である。このため、テープカセット8Aの幅方向は前後方向となる。テープカセット8Aでは、印刷テープ89の幅方向の長さ(テープ幅)が大きくなると、ケース81の前後方向の幅W81が大きくなる。
【0050】
本実施形態では、ケース81は前壁82と後壁83と周壁84とを有する。前壁82および後壁83は、それぞれ、前後方向に直交するように延び、且つ前後方向において互いに並ぶ。前壁82はケース81の前端に位置する。後壁83はケース81の後端に位置する。
【0051】
周壁84は後壁83の周縁831から前壁82の周縁821まで延びる。周壁84は四角筒状であり、下壁85と上壁86とを含む。下壁85および上壁86は、それぞれ、上下方向に直交するように延び、且つ上下方向において互いに並ぶ。下壁85はケース81の下端に位置する。上壁86はケース81の上端に位置する。上壁86には、ケース81に収納された印刷テープ89をケース81の外に排出するための排出口88が設けられる。
【0052】
テープカセット8Aは消耗品であり、プリンタ(図示略)による印刷に使用される。例えば、テープカセット8Aは、プリンタに装着された状態で使用される。プリンタはケース81内から印刷テープ89を引き出しながら、印刷テープ89に画像を印刷する。プリンタは、画像が印刷された印刷テープ89を、排出口88を介してケース81の外に排出する。これにより、印刷テープ89に画像が印刷されたラベルが作成される。
【0053】
図5を参照し、台紙100Aを説明する。以下では、図5の左方、右方、下方、および上方を、それぞれ、台紙100AのXマイナス方向、Xプラス方向、Yマイナス方向、およびYプラス方向とする。図5では、仮想線V0、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、V9、V10、V11、V12、V13、V14は収納箱1Aの隣り合う各構成要素の境界を示す。例えば仮想線V0は背壁62とヘッダ片31との境界を示す。
【0054】
台紙100Aは所定形状に切断された1枚のシートであり、厚紙、薄紙、段ボール等である。台紙100Aは、底壁4、天壁5、周壁6、およびヘッダ3を含む。台紙100Aでは、Y方向の中央に周壁6が配置される。周壁6において、前壁61、背壁62、左壁63、および右壁64は、Xプラス方向からXマイナス方向に向かって右壁64、前壁61、左壁63、背壁62の順にそれぞれ連なって並ぶ。さらに、背壁62のXマイナス方向の隣りに、のり代65が連なる。
【0055】
底壁4は周壁6のYマイナス方向に配置される。詳細には、雄フラップ41は背壁62のYマイナス方向に配置され、背壁62と連なる。雌フラップ42は前壁61のYマイナス方向に配置され、前壁61と連なる。左フラップ43は左壁63のYマイナス方向に配置され、左壁63と連なる。右フラップ44は右壁64のYマイナス方向に配置され、右壁64と連なる。
【0056】
天壁5およびヘッダ3は周壁6のYプラス方向に配置される。詳細には、ヘッダ3において、ヘッダ片31は背壁62のYプラス方向に配置され、背壁62と連なる。ヘッダ片32はヘッダ片31のYプラス方向に配置され、ヘッダ片31と連なる。
【0057】
天壁5において、雌フラップ52はヘッダ片31のYプラス方向に配置され、ヘッダ片31と連なる。雄フラップ51は前壁61のYプラス方向に配置され、前壁61と連なる。左フラップ53は左壁63のYプラス方向に配置され、左壁63と連なる。右フラップ54は右壁64のYプラス方向に配置され、右壁64と連なる。
【0058】
図5図8を参照し、台紙100Aから収納箱1Aを組み立てる方法を説明する。以下では、各構成要素について、図5に示す台紙100Aのうち紙面手前を向く面を各構成要素の「表(おもて)面」といい、図5に示す台紙100Aのうち紙面奥を向く面を各構成要素の「裏面」という。
【0059】
台紙100Aにおいて互いに隣り合う一対の構成要素のそれぞれの裏面が互いに向き合う方向に、互いの境界に沿って台紙100Aを折ることを「山折り」という。台紙100Aにおいて互いに隣り合う一対の構成要素のそれぞれの表面が互いに向き合う方向に、互いの境界に沿って台紙100Aを折ることを「谷折り」という。例えば「仮想線V1に沿って台紙100Aを山折りする」とは、右壁64の裏面と前壁61の裏面とが互いに向き合う方向に、台紙100Aが仮想線V1に沿って折られることを意味する。本実施形態では、台紙100Aの表面には、仮想線V1~V14に沿って折り目筋が形成される。一方で、台紙100Aの裏面には、折り目筋が形成されない。
【0060】
図5に示すように、台紙100Aは仮想線V1、V2、V3、V4に沿って山折りされる。のり代65の表面が左壁63の裏面に貼り付けられる。これにより、図7に示すように、周壁6が四角筒状に形成される。台紙100Aは仮想線V5に沿って山折りされる。雌フラップ42は後方に折り曲げられ、周壁6の下端611,621,631,641に囲まれた領域に配置される。これにより、底壁4の最上層に、雌フラップ層402が配置される。台紙100Aは仮想線V6、V7に沿って山折りされる。左フラップ43は右方に折り曲げられ、右フラップ44は左方に折り曲げられて、周壁6の下端611,621,631,641に囲まれた領域に配置される。これにより、左フラップ43および右フラップ44は、サイドフラップ層403として、雌フラップ層402の下側に積層される。台紙100Aは仮想線V8に沿って山折りされる。雄フラップ41は前方に折り曲げられ、周壁6の下端611,621,631,641に囲まれた領域に配置される。これにより、雄フラップ41は、雄フラップ層401として、サイドフラップ層403の下側に積層され、底壁4の最下層に配置される。
【0061】
図8に示すように、この状態で、雄フラップ41が外側から内側に向けて押し込まれる。雄フラップ41が押し込まれると、左フラップ43および右フラップ44が雄フラップ41に押されて、外側から内側に向けて押し込まれる。さらに、雌フラップ42が、雄フラップ41、左フラップ43および右フラップ44に押されて、外側から内側に向けて押し込まれる。雄フラップ41、雌フラップ42、左フラップ43および右フラップ44は、それぞれ、周壁6の下端611,621,631,641から斜めに空間7内へ向けて傾斜した状態となる。
【0062】
雄フラップ41の頭部417は、左フラップ43および右フラップ44の端部437,447に引っ掛かることなく、雌フラップ42の案内口427に到達し、案内口427を通過する必要がある。すなわち、雄フラップ41を押し込み、頭部417が案内口427を通過するまでに頭部417が通過する軌道と、左フラップ43および右フラップ44の端部437,447の位置とが干渉しないように、左突出部436および右突出部446の前後方向の長さBを規定するとよい。なお、本実施形態における左突出部436および右突出部446は、後端の位置が背壁62に沿う位置にある。故に本実施形態では、背壁62から端部437,447の前端の位置までの前後方向の長さを、左突出部436および右突出部446の前後方向の長さBとして規定する。よって、左突出部436および右突出部446の後端の位置が背壁62に沿わない場合、長さBは、背壁62から端部437,447の前端の位置までの前後方向の長さによって規定すればよい。
【0063】
頭部417が案内口427を通過するときに雄フラップ41が空間7内に押し込まれ、前後方向に対して傾斜する角度をαとする。雄フラップ41の頭部417が左フラップ43および右フラップ44の端部437,447を乗り越えるためには、雄フラップ41の雄本体部415および差込部416の前後方向の長さCの前後方向成分が、左突出部436および右突出部446の前後方向の長さB以上であればよく、すなわち(6)式「B≦C×cosα」を満たす。
【0064】
案内口427は、左右両側の縁が後端421へ向けて広がる形状である。よって案内口427は、左右方向の長さZが頭部417の左右方向の長さY以上となる部分を有する。下方に押し込まれた頭部417は、少なくとも、案内口427の左右方向の長さZが頭部417の左右方向の長さYと同じ長さとなる部分において、案内口427を通過できる。頭部417の左右方向の長さYが案内口427の左右方向の長さZと同じ長さとなる場合に雄フラップ41が下方に傾斜する角度αは、余弦定理に基づき、以下の式により求めることができる。なお、雄フラップ41の傾斜方向の長さについては、前後方向における背壁62の下端621から、頭部417が左右方向に最大長さとなる部分までの長さをEとする。雌フラップ42の傾斜方向の長さについては、前後方向における前壁61の下端611から、案内口427が左右方向において頭部417の最大長さと同じ長さである部分までの長さをAとする。また、箱本体2の前後方向の長さ(左壁63の下端631または右壁64の下端641の長さ)をDとする。このとき余弦定理より、角度αは、(7)式「
【数1】
」を満たす。よって(7)式を(6)式に代入すると、(8)式「
【数2】
」を得ることができる。したがって、長さA、長さB、長さC、長さDおよび長さEのそれぞれをパラメータとして(8)式が満たされるように設計された台紙100Aを作成する。この台紙100Aを用いて底壁4を組み立てれば、組み立て過程で雄フラップ41を押し込んでも、左フラップ43および右フラップ44に干渉することなく、頭部417を案内口427に通すことができる。図6に示すように、雄フラップ41、左フラップ43および右フラップ44が、それぞれ、差込口426を介して雌フラップ42に引っかかり、地獄底形態の底壁4が形成される。
【0065】
図9に示すように、底壁4が形成された時点では、箱本体2は上方に開口する。この状態で、下壁85が上方から底壁4の裏面と向き合うように、箱本体2の上方から空間7にテープカセット8Aが収納される。
【0066】
台紙100Aは仮想線V9に沿って山折りされ、仮想線V10に沿って谷折りされる。これにより、ヘッダ3が形成され、天壁5の最下層に雌フラップ52が配置される。台紙100Aは仮想線V11、V12に沿って山折りされる。これにより、天壁5において雌フラップ52の上に左フラップ43と右フラップ54が積層される。なお、左フラップ43と右フラップ54の積層順は任意である。台紙100Aは仮想線V13に沿って山折りされ、ミシン目5722に沿って谷折りされる。これにより差込部55が形成される。
【0067】
台紙100Aは仮想線V14に沿って山折りされる。差込部55が差込口521を介して雌フラップ52よりも内側に差し込まれる。これにより、左フラップ43および右フラップ54の上に雄フラップ51が積層され、図1に示す天壁5が形成される。以上により、収納箱1Aの組み立てが完了する。
【0068】
図10図11を参照し、収納箱1Bおよび台紙100Bを説明する。以下では、収納箱1B、台紙100Bのうち、収納箱1A、台紙100Aと異なる点を主に説明する。なお、収納箱1B、台紙100Bについて、収納箱1A、台紙100Aと同様の形状または機能を有する構成に同じ符号を付しており、説明を省略または簡略化する。
【0069】
収納箱1Bには、テープカセット8Aに代えて、テープカセット8Bが収納される。テープカセット8Bのケース81の前後方向の幅W82は、図1に示すテープカセット8Aのケース81の前後方向の幅W81よりも小さい。この場合、収納箱1Bの箱本体2の前後方向の幅W22は、収納箱1Aの箱本体2の前後方向の幅W21よりも小さい。すなわち、収納箱1Bは、左右方向の長さについては収納箱1Aと同じであり、前後方向の長さが収納箱1Aよりも短いだけである。よって図11に示すように、収納箱1Bの組み立て前の台紙100Bにおいて、底壁4を構成する雄フラップ41、雌フラップ42、左フラップ43および右フラップ44は、収納箱1Aの台紙100Aにおける底壁4の雄フラップ41、雌フラップ42、左フラップ43および右フラップ44と同様のパラメータによって規定することができる。すなわち、長さX、長さY、長さWおよび長さZが(1)~(4)式をそれぞれ満たし、且つ、長さA、長さB、長さC、長さDおよび長さEのそれぞれをパラメータとして(5)式および(8)式が満たされるように設計された台紙100Bを作成する。この台紙100Bを用いて底壁4を組み立てれば、組み立て過程で雄フラップ41を下方に押し込んでも、左フラップ43および右フラップ44に干渉せずに、頭部417を案内口427に通すことができ、地獄底形態の底壁4が形成された収納箱1Bを得ることができる。
【0070】
以上説明した実施形態において、収納箱1Aの主な作用効果を説明する。収納箱1Bについても収納箱1Aと同様の作用効果がいえる。台紙100Aについても、台紙100Aから収納箱1Aが形成されることで、収納箱1Aと同様の作用効果がいえる。
【0071】
左右方向における雄フラップ41の頭部417の長さYは、雄フラップ41の差込部416の長さXより長く(1)式「Y>X」を満たす。さらに、左右方向における雄フラップ41の頭部417の長さYは、雌フラップ42の差込口426の長さWよりも長く(3)式「Y>W」を満たす。故に、左右方向の長さWが差込部416の長さX以上で(2)式「W≧X」を満たす差込口426に、差込部416が差し込まれても、頭部417は差込口426に引っ掛かる。よって雄フラップ41は、雌フラップ42から抜けにくくなり、収納箱1Aの不正開封を防止することができる。頭部417は、左右方向の長さZが頭部417の長さY以上で(4)式「Z≧Y」を満たす部分において案内口427に差し込むことができる。頭部417に接続する差込部416は、案内口427に繋がる差込口426に案内されることによって、差込口426内に配置することができる。
【0072】
左突出部436および右突出部446は、前後方向の長さBが、雄フラップ41の雄本体部415と差込部416の長さC以下であり(5)式「C≧B」を満たす。よって底壁4を構成した場合に、左突出部436および右突出部446は、上下方向において、雄フラップ41の雄本体部415および差込部416の領域内に配置されるので、頭部417に干渉しない。
【0073】
左フラップ43の左突出部436および右フラップ44の右突出部446は、それぞれの前側の端部437,447が左本体部435および右本体部445の延出先端部分よりも前方に突出する。よって底壁4を構成した場合に、左突出部436および右突出部446は、上下方向において雄フラップ41の雄本体部415に重なるだけでなく、端部437,447において加えて差込部416とも重なることができる。故に収納箱1Aは、テープカセット8Aによって底壁4にかかる重力に対し、摩擦力によって抗することができ、収納箱1Aの底抜けを防止することができる。また、左突出部436および右突出部446は、それぞれ端部437,447を含めても、前後方向の長さBが、雄フラップ41の雄本体部415と差込部416の長さC以下であるので、頭部417に干渉しない。
【0074】
底壁4の組立時に、雄フラップ41の頭部417を雌フラップ42の案内口427に差し込むため、雄フラップ41は、空間7内へ向けて押し込まれる。押し込みによって、雄フラップ41、雌フラップ42、左フラップ43および右フラップ44は、空間7内へ向けて(収納箱1A組み立て後の上方へ向けて)折り曲げられる。左突出部436および右突出部446は、(6)式「B≦C・cosα」を満たすことにより、上下方向において、雄フラップ41の雄本体部415と差込部416の範囲内に位置することができる。よって底壁4の組立時に、左突出部436および右突出部446は、頭部417の案内口427への差し込みの邪魔にならない。
【0075】
余弦定理に基づき得られる(7)式「
【数3】
」を(6)式に代入することで、(8)式「
【数4】
」が得られる。したがって収納箱1Aは、長さA、長さB、長さC、長さDおよび長さEの各パラメータを(8)式に基づき最適化し、雄フラップ41、雌フラップ42、左フラップ43および右フラップ44のそれぞれの適切な大きさを導出することができる。このように導出された各パラメータに従い設計された底壁4は、組立時に雄フラップ41を押し込むために折り曲げる量、すなわち角度αを、必要以上に大きくしなくとも済むので、組み付けがしやすい。また、雄フラップ41の抜け防止のため頭部417の左右方向の長さを、より長く設計する場合、パラメータ間の調整によって、底壁4は、組み付けのしやすさを維持することができる。
【0076】
なお、上記実施形態において、収納箱1A、1Bの上下方向が本発明の「第一方向」に相当する。底壁4が本発明の「第一壁」に相当する。天壁5が本発明の「第二壁」に相当する。テープカセット8A、8Bが本発明の「収納物」に相当する。収納箱1A、1Bの前後方向が本発明の「第二方向」に相当する。背壁62が本発明の「第三壁」に相当する。前壁61が本発明の「第四壁」に相当する。収納箱1A、1Bの下方が本発明の「第一特定方向」に相当する。下端621が本発明の「第一接続端」に相当する。下端611が本発明の「第二接続端」に相当する。収納箱1A、1Bの前方が本発明の「第二特定方向」に相当する。収納箱1A、1Bの左右方向が本発明の「第三方向」に相当する。収納箱1A、1Bの後方が本発明の「第三特定方向」に相当する。
【0077】
左壁63が本発明の「第五壁」に相当する。右壁64が本発明の「第六壁」に相当する。下端631が本発明の「第三接続端」に相当する。左フラップ43が本発明の「第一フラップ」に相当する。下端641が本発明の「第四接続端」に相当する。右フラップ44が本発明の「第二フラップ」に相当する。サイドフラップ層403が本発明の「中間フラップ層」に相当する。収納箱1A、1Bの右方が本発明の「第四特定方向」に相当する。左本体部435が本発明の「第一本体部」に相当する。左突出部436が本発明の「第一突出部」に相当する。収納箱1A、1Bの左方が本発明の「第四特定方向」に相当する。右本体部445が本発明の「第二本体部」に相当する。右突出部446が本発明の「第二突出部」に相当する。端部437が本発明の「第一本体部の先端における第二特定方向の縁よりも第二特定方向に突出する部位」に相当する。端部447が本発明の「第二本体部の先端における第二特定方向の縁よりも第二特定方向に突出する部位」に相当する。収納箱1A、1Bの上方が本発明の「第六特定方向」に相当する。台紙100A,100Bが本発明の「シート」に相当する。
【0078】
本発明は上記実施形態から変更されてもよい。以下説明する各種変形例は、矛盾が生じない限り、互いに組み合わされてもよく、収納箱1A、1Bのいずれに適用されてもよい。
【0079】
図12図13を参照し、変形例の収納箱を作成するための台紙100C,100D,100E,100Fについて説明する。以下では、台紙100C,100D,100E,100Fのうち台紙100A,100Bと異なる点を主に説明する。台紙100C,100D,100E,100Fについて、上記実施形態と同様の形状または機能を有する構成に同じ符号を付しており、説明を省略または簡略化する。
【0080】
図12(A)に示す台紙100Cは、左フラップ43の左突出部436が、前後方向(X方向)において、左本体部435の延出先端部分から底壁4組み立て後の前方(台紙100CにおけるXプラス方向)に突出しない形態としたものである。同様に、右フラップ44の右突出部446も、前後方向(X方向)において、右本体部445の延出先端部分から底壁4組み立て後の前方(台紙100CにおけるXマイナス方向)に突出しない。この場合、左突出部436および右突出部446は、底壁4の組み立て後において、平面視で雄フラップ41の雄本体部415と重なる配置となるが、差込部416とは重ならない。このような台紙100Cにおいても、各部の長さのパラメータを本実施形態と同様に規定することができ、組み立て後の収納箱は、底が抜けにくい地獄底形態の底壁4を構成することができる。そして、左突出部436および右突出部446が上記のように前方に突出しない構成としても、収納箱1Aは、テープカセット8Aによって底壁4にかかる重力に対し、摩擦力によって抗することができ、収納箱1Aの底抜けを防止することができる。
【0081】
図12(B)に示す台紙100Dは、雌フラップ42の先端部分に補強部428を設けたものである。台紙100A(図5参照)の雌フラップ42は、差込口426に繋がる案内口427の左右両側の縁が後端421へ向けて広がり、雌本体部425の後端421において開放する構成である。これに対して台紙100Dは、後端421に設けた補強部428によって案内口427の開放部分を閉じ、差込口426および案内口427を雌本体部425において貫通する穴状に形成する。なお、補強部428を設ける際に、案内口427は、左右方向の長さZが雄フラップ41の頭部417の左右方向の長さY以上となる部分を確保する。このような台紙100Dにおいても、各部の長さのパラメータを本実施形態と同様に規定することができ、組み立て後の収納箱は、底が抜けにくい地獄底形態の底壁4を構成することができる。そして、補強部428が設けられたことによって、雌フラップ42は、雌本体部425の剛性を確保することができる。よって雌フラップ42は、変形や、差込口426や案内口427の左右方向の長さが広げられたりすることを防止できる。故に雌フラップ42は、収納箱1Aの不正開封を防止することができる。
【0082】
また、図13(A)に示す台紙100Eは、台紙100D(図12(B)参照)の雌フラップ42において、雌本体部425に補強部428を設けた上で形成される案内口427が、必ずしも、左右両側の縁が後端421へ向けて広がる形状でない例を示すものである。案内口427の左右両側の縁は、例として、内向きの円弧状である。案内口427の形状は問わず、例えば矩形でもよく、案内口427の左右方向の長さZが頭部417の長さY以上の長さを確保できれば足りる。このような台紙100Dにおいても、各部の長さのパラメータを本実施形態と同様に規定することができ、組み立て後の収納箱は、底が抜けにくい地獄底形態の底壁4を構成することができる。
【0083】
図13(B)に示す台紙100Fは、台紙100D(図12(B)参照)の雌フラップ42において、案内口427につなげて案内口427の後側に、左右方向の長さVが案内口427の長さZ以下の長さの誘導口429を形成したものである。誘導口429は、案内口427に頭部417が挿通された状態で雄フラップ41がさらに押し込まれた場合に、差込部416が差込口426とは反対側に一時的に退避でき、且つ、頭部417が案内口427から抜けることを抑制するための部分である。誘導口429は頭部417の抜けを抑制するため、案内口427の左右方向の長さVが、頭部417の左右方向の長さY以下であること、すなわち(9)式「V≧Y」を満たすことが望ましい。雄フラップ41の押し込みが解除されると、差込部416は誘導口429から差込口426へ移動する。このとき、頭部417が雌フラップ42の空間7側に位置する状態で移動するため、差込部416は、案内口427の部分を素通りして、誘導口429から差込口426へ移動できる。
【0084】
このような台紙100Fにおいても、各部の長さのパラメータを本実施形態と同様に規定することができ、組み立て後の収納箱は、底が抜けにくい地獄底形態の底壁4を構成することができる。そして組み立て過程で雄フラップ41を空間7内へ向けて(収納箱1A組み立て後の上方へ向けて)押し込んだ場合、雄フラップ41の差込部416は、差込口426から案内口427へ移動し、さらに案内口427に繋がる誘導口429へ誘導される。誘導口429の左右方向の長さは頭部417より短いので、頭部417は誘導口429に引っ掛かる。故に雄フラップ41は、雌フラップ42から抜けにくく、収納箱1Aの不正開封を防止することができる。
【0085】
他の変形例を説明する。箱本体2の上下方向、左右方向、および前後方向のそれぞれの長さ関係は、上記実施形態に限定されない。例えば、箱本体2の前後方向の長さは、箱本体2の左右方向の長さよりも大きくてもよい。
【0086】
上記実施形態において、台紙100Aは、組み付けられることで収納箱1Aが形成されるように構成されれば、上記実施形態の形状に限定されない。折り曲げられることができ、且つ折り曲げられた状態を維持できるシートであれば、台紙100Aに代えてプラスチックシート等が用いられてもよい。
【0087】
上記実施形態において、空間7にはテープカセット8Aに代えて他の収納物が収納されてもよい。他の収納物は例えば、印刷に使用される消耗品であり、インクタンク、インクカートリッジ、またはインクリボンカセットである。他の収納物は印刷以外に使用される消耗品であってもよい。他の収納物は消耗品でなくてもよく、食品等であってもよい。
【0088】
上記実施形態では、テープカセット8Aは下壁85が底壁4と向き合う状態で空間7に配置される。これに対し、テープカセット8Aは下壁85とは異なる壁、例えば上壁86が底壁4と向き合う状態で空間7に配置されてもよい。
【0089】
上記実施形態において、周壁6は、例えば左壁63および右壁64を省略してもよい。すなわち、前壁61の左端と背壁62の左端とが互いに直接接続し、前壁61の右端と背壁62の右端とが互いに直接接続してもよい。この場合、例えば前壁61が前方に膨らむように湾曲し、背壁62が後方に膨らむように湾曲するとよい。周壁6は前壁61、背壁62、左壁63、および右壁64に加えて1または複数の壁をさらに備えてもよい。
【0090】
上記実施形態では、雌フラップ52はヘッダ3を介して背壁62の上端622に接続する。これに対し、雌フラップ52は背壁62の上端622に直接接続してもよい。この場合、ヘッダ3は省略されてもよいし、左壁63の上端632または右壁64の上端642に接続してもよい。
【0091】
上記実施形態では、ヘッダ3はヘッダ片31、32を有する。これに対し、ヘッダ3はヘッダ片31およびヘッダ片32のいずれか一方によって構成されてもよい。孔30の個数および形状は上記実施形態に限定されない。ヘッダ3には孔30が設けられなくてもよい。
【0092】
上記実施形態において、左フラップ43および右フラップ44の一方または両方は省略されてもよい。すなわち、サイドフラップ層403は左フラップ43および右フラップ44の一方によって構成されてもよいし、省略されてもよい。また、左フラップ43の右端および右フラップ44の左端は上下方向において互い重なる配置となってもよい。
【0093】
図13(A)に示すように、雄フラップ41の頭部417は、両端部の左右方向の長さが延出先端部分へ向けて互いに狭まる形状であってもよい。この場合、底壁4を組み立てる過程において頭部417を案内口427に挿入しやすくできる。また、差込部416の延出先端部分において頭部417と差込部416との左右方向の長さの差違が大きくなる。故に、底壁4の組み立て過程において、頭部417は、案内口427を通過した直後から案内口427に引っ掛かりやすくなり、抜けにくくなる。
【符号の説明】
【0094】
1A,1B 収納箱
2 箱本体
3 ヘッダ
4 底壁
5 天壁
6 周壁
7 空間
8A,8B テープカセット
40 周縁
41 雄フラップ
42 雌フラップ
43 左フラップ
44 右フラップ
50 周縁
61 前壁
62 背壁
63 左壁
64 右壁
100A,100B,100C,100D,100E,100F 台紙
401 雄フラップ層
402 雌フラップ層
403 サイドフラップ層
415 雄本体部
416 差込部
417 頭部
425 雌本体部
426 差込口
427 案内口
428 補強部
429 誘導口
435 左本体部
436 左突出部
437,447 端部
445 右本体部
446 右突出部
611,621,631,641 下端
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図13