(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017335
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】走行体
(51)【国際特許分類】
B60B 19/00 20060101AFI20240201BHJP
B25J 5/00 20060101ALI20240201BHJP
A63B 59/40 20150101ALN20240201BHJP
【FI】
B60B19/00 H
B25J5/00 A
A63B59/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119896
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 翔太郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 一敏
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS34
3C707AS36
3C707BS10
3C707CS08
3C707WA16
3C707WA28
3C707WM12
(57)【要約】
【課題】オムニホイールを用いた走行体の大型化を抑制しながら、台部の中心部に付属部品を配置できるようにする。
【解決手段】卓球ロボット10(走行体)は、台部12と、それぞれモータ30により駆動されるオムニホイール32を有し、台部12に搭載される少なくとも3つの駆動モジュール14と、台部12の中心部に設けられ、付属機器を搭載可能な搭載スペース16と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台部と、
それぞれモータにより駆動されるオムニホイールを有し、前記台部に搭載される少なくとも3つの駆動モジュールと、
前記台部の中心部かつ前記駆動モジュールと同じ面に設けられ、付属機器を搭載可能な搭載スペースと、
を有する走行体。
【請求項2】
前記搭載スペースに、前記付属機器として、回転軸が互いに直交するように配置された2つの従動輪と、前記従動輪の回転をそれぞれ検出する2つのロータリーエンコーダとが設けられた請求項1に記載の走行体。
【請求項3】
前記台部の上部に、水平方向を中心に回転する可動軸が設けられ、
前記可動軸にエンドエフェクタが装着された請求項1に記載の走行体。
【請求項4】
前記駆動モジュールにおいて、前記オムニホイールの軸と前記モータの軸とは互いに平行に配置され、
前記駆動モジュールは、前記モータと、前記オムニホイールの軸に設けられた第1プーリと、前記モータの軸に設けられた第2プーリと、前記第1プーリと前記第2プーリとの間で回転を伝達する伝動体を有する請求項1に記載の走行体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行体に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のオムニホイール(車輪)と、車輪用モータとが台部の周方向の6箇所に配置された走行体が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来例では、車輪用モータに囲まれたスペースが走行体の中心部に存在する。しかしながら、このスペースに対応する台部の中心部には穴が形成されており、このスペースに何らかの付属機器を搭載することは考慮されていない。また、このようなスペースを単に設けたのでは、そのスペースの分、駆動機構が大型化すると考えられる。
【0005】
本発明は、オムニホイールを用いた走行体の大型化を抑制しながら、台部の中心部に付属部品を配置できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る走行体は、台部と、それぞれモータにより駆動されるオムニホイールを有し、前記台部に搭載される少なくとも3つの駆動モジュールと、前記台部の中心部かつ前記駆動モジュールと同じ面に設けられ、付属機器を搭載可能な搭載スペースと、を有する。
【0007】
この走行体は、台部に搭載された3つの駆動モジュールにより走行可能である。また、台部の中心部かつ駆動モジュールと同じ面に付属機器を搭載可能な搭載スペースが設けられているので、別途搭載スペースを確保することなく、台部の中心部に付属部品を配置できる。これにより、走行体の大型化を抑制できる。付属部品は、例えば従動輪およびロータリーエンコーダ、バッテリ、マイクロコンピュータ、回路、アクチュエータの駆動機構であってもよい。
【0008】
第2の態様は、第1の態様に係る走行体において、前記搭載スペースに、前記付属機器として、回転軸が互いに直交するように配置された2つの従動輪と、前記従動輪の回転をそれぞれ検出する2つのロータリーエンコーダとが設けられている。
【0009】
オムニホイールはスリップし易いため、モータの回転から推定される走行体の動きと、走行体の実際の動きに誤差が生じることがある。この走行体では、台部の中心部の搭載スペースに、付属機器としての従動輪及びロータリーエンコーダが設けられているので、走行体の実際の動きを検知してフィードバックすることにより、走行体の動きをより正確に制御することができる。
【0010】
第3の態様は、第1の態様に係る走行体において、前記台部の上部に、水平方向を中心に回転する可動軸が設けられ、前記可動軸にエンドエフェクタが装着されている。
【0011】
この走行体では、走行と、エンドエフェクタによる何らかの作業を行うことができる。エンドエフェクタには様々な役割を与えることができる。
【0012】
第4の態様は、第1の態様に係る走行体において、前記駆動モジュールにおいて、前記オムニホイールの軸と前記モータの軸とは互いに平行に配置され、前記駆動モジュールは、前記モータと、前記オムニホイールの軸に設けられた第1プーリと、前記モータの軸に設けられた第2プーリと、前記第1プーリと前記第2プーリとの間で回転を伝達する伝動体を有する。
【0013】
この走行体では、モータの回転を、第1プーリ、第2プーリ及び伝動体によりオムニホイールに伝達する構造となっているので、モータをオムニホイールの軸上に直接的に配置する場合と比較して、台部の中心部に搭載スペースを確保し易い。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、オムニホイールを用いた走行体の大型化を抑制しながら、台部の中心部に付属部品を配置できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態に係る卓球ロボットにおいて、ラケットが台部の中心部側に倒れた状態を示す斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る卓球ロボットにおいて、ラケットが起き上がった状態を示す斜視図である。
【
図3】本実施形態に係る卓球ロボットにおいて、ラケットが起き上がった状態を模式的に示す平面図である。
【
図4】本実施形態に係る卓球ロボットにおいて、駆動モジュール、従動輪及びロータリーエンコーダの配置を示す平面図である。
【
図5】本実施形態に係る卓球ロボットを示す底面図である。
【
図6】本実施形態に係る卓球ロボットのシステム構成を示すブロック図である。
【
図7】変形例1に係るエレベータ操作ロボットを模式的に示す斜視図である。
【
図8】変形例2に係る掃除ロボットを模式的に示す斜視図である。
【
図9】変形例3に係る荷物吊下げロボットを模式的に示す斜視図である。
【
図10】変形例4に係るドア開閉ロボットを模式的に示す斜視図である。
【
図11】変形例5に係る高所撮影ロボットを模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一又は同様の構成要素であることを意味する。なお、以下に説明する実施形態において重複する説明及び符号については、省略する場合がある。また、以下の説明において用いられる図面は、いずれも模式的なものであり、図面に示される、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。また、複数の図面の相互間においても、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は必ずしも一致していない。
【0017】
図1から
図5において、本実施形態に係る走行体は、例えば自走式の卓球ロボット10である。この卓球ロボット10は、台部12と、例えば3つの駆動モジュール14と、搭載スペース16と、を有している。
【0018】
台部12は、卓球ロボット10の各種部品が取り付けられるベース部材である。この台部12は、各種部品の搭載に適した形状に形成された、例えば板状部材である。台部12の形状は、円板又は円板に近い形状であってもよく、また多角形であってもよい。更に、台部12の形状は、円弧と直線が組み合わされた形状であってもよい。
図5に示されるように、台部12の底面は、例えば卓球ロボット10の底面を構成している。台部12の中心部には、例えば2つの矩形の開口部12Aが形成されている。
【0019】
台部12には、後述する各種部品の他に、例えば、卓球の球(図示せず)を検知するためのステレオカメラ18と、2つのDCモータコントローラ20,21と、マイクロコンピュータ(マイコン)22、CAN通信基板24、バッテリーケース26と、緊急停止スイッチ28とを有している。ステレオカメラ18は、例えばジャイロセンサも有している。
【0020】
駆動モジュール14は、台部12に少なくとも3つ搭載されている。駆動モジュール14は、それぞれモータ30により駆動されるオムニホイール32を有している。モータ30は例えばDCモータであり、マイクロコンピュータ(マイコン)22及びDCモータコントローラ20,21により制御される。モータ30には、ロータリーエンコーダ31が設けられている。オムニホイール32は、車輪34の外周に、該車輪34の周方向に対する接線方向を中心として回転するローラ36が、周方向に複数設けられたものである。オムニホイール32は、モータ30により駆動されると回転する。一方、オムニホイール32に横力が作用した際には接地したローラ36が従動回転することで、卓球ロボット10が横力の方向に動くことを許容する。
【0021】
1つの駆動モジュール14には、例えば2つのオムニホイール32が軸方向に重ねて配置されている。2つのオムニホイール32において、ローラ36は、2つの車輪34の周方向において、互い違い(千鳥状)に設けられている。この2つのオムニホイール32は、軸受部38により回転支持され、モータ30により駆動されて一定的に回転するようになっている。オムニホイール32は、台部12の外周より外側、かつ台部12の底面より下方へ張り出した状態で設けられている。これにより、オムニホイール32と台部12との干渉が防止されるようになっている。また、台部12が、卓球ロボット10が走行する床面(図示せず)から離れた状態とされ、台部12と床面の干渉が防止されるようになっている。
【0022】
図4に示されるように、駆動モジュール14において、オムニホイール32の軸とモータ30の軸とは互いに平行に配置されている。駆動モジュール14は、例えばモータ30と、オムニホイール32の軸に設けられた第1プーリ41と、モータ30の軸に設けられた第2プーリ42と、第1プーリ41と第2プーリ42との間で回転を伝達する伝動体の一例としてのベルト40を有している。ベルト40は、第1プーリ41と第2プーリ42とに巻きかけられている。これにより、例えばモータ30と軸受部38が並んだ状態とされている。
【0023】
搭載スペース16は、台部12の中心部かつ駆動モジュール14と同じ面に設けられ、付属機器を搭載可能とされている。本実施形態では、搭載スペース16に、付属機器として、回転軸が互いに直交するように配置された2つの従動輪44,45と、従動輪44,45の回転をそれぞれ検出する2つのロータリーエンコーダ54,55とが設けられている。従動輪44,45は、車輪46にローラ48を有するオムニホイールとして構成されている。従動輪44,45及びロータリーエンコーダ54,55は、例えばブラケット50により台部12に取り付けられている。従動輪44,45は、台部12の2つの開口部12Aから台部12の下方に張り出している(
図5)。台部12の開口部12Aから下方への従動輪44,45の張出量は、例えば台部12からのオムニホイール32の張出量と同等である。これにより、オムニホイール32と従動輪44,45が同時に床面に接触し、卓球ロボット10の走行時に従動輪44,45が床面との摩擦により従動回転するようになっている。
【0024】
図1、
図2において、台部12の上部には、水平方向を中心に回転する可動軸56が設けられている。可動軸56には、エンドエフェクタの一例としてのラケット58が装着されている。具体的には、台部12の上には、例えば一対の脚部60が立設されている。可動軸56の両端は、例えば一対の脚部60の上端部に水平方向を回転軸として回動自在に支持されている。可動軸56にはプーリ62が設けられている。一対の脚部60の間における可動軸56の下方には、大プーリ64Aと小プーリ64Bが一体化されたプーリ64が設けられている。小プーリ64Bは、可動軸56のプーリ62より小径である。プーリ62と小プーリ64Bには、伝導体としてのベルト66が巻き掛けられている。一対の脚部60の間におけるプーリ64の下方には、プーリ64より小径のプーリ68が設けられている。プーリ64,68には、伝導体としてのベルト70が巻き掛けられている。
【0025】
プーリ68は、モータ72の回転軸に取り付けられている。モータ72は、例えば脚部60に取り付けられている。モータ72には、ロータリーエンコーダ73が設けられている。モータ72の回転を、プーリ68と大プーリ64Aで減速し、更に小プーリ64Bと可動軸56のプーリ62とで更に減速することで、ラケット58を揺動させるようになっている。モータ72は、例えばマイコン22及びDCモータコントローラ21により制御される。
【0026】
図6には、卓球ロボット10のシステム構成の一例が示されている。マイコン22には、USB(Universal Serial Bus)を介してステレオカメラ18からの映像が入力される。また、マイコン22には、SPIインターフェースを介してロータリーエンコーダ54,55からの信号が入力される。
【0027】
また、マイコン22とDCモータコントローラ20,21におけるモータドライバとの間でも、USBを介して信号がやり取りされる。
【0028】
モータドライバからモータ30,72には駆動電流が供給され、モータ30,72からモータドライバへはホールセンサ信号が入力される。またロータリーエンコーダ31,73からSSI(Synchronized Serial Interface)を介して、又はA相B相信号が入力される。各モータに対応するモータドライバ同士は、CAN(Controller Area Network)でデイジーチェーン接続されている。電源としては、例えば14.8V×2のバッテリ74からモータドライバに24Vの電力が供給される。また、この24Vの電力は、DCDCコンバータ76により5Vに変換され、マイコン22に供給される。
【0029】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。
図4において、本実施形態に係る卓球ロボット10では、台部12に搭載された3つの駆動モジュール14により走行可能である。
【0030】
また、台部12の中心部に付属機器を搭載可能な搭載スペース16が設けられているので、別途搭載スペース16を確保することなく、台部12の中心部に付属部品を配置できる。これにより、卓球ロボット10の大型化を抑制できる。駆動モジュール14では、モータ30の回転を、第1プーリ41、42及びベルト40によりオムニホイール32に伝達する構造となっているので、モータ30をオムニホイール32の軸上に直接的に配置する場合と比較して、台部12の中心部に搭載スペース16を確保し易い。したがって、オムニホイール32を用いた卓球ロボット10の大型化を抑制しながら、台部12の中心部に付属部品の一例としての従動輪44,45及びロータリーエンコーダ54,55を配置できる。
【0031】
オムニホイール32はスリップし易いため、各々のモータ30の回転から推定される卓球ロボット10の動きと、卓球ロボット10の実際の動きに誤差が生じることがある。本実施形態では、台部12の中心部の搭載スペース16に、付属機器としての従動輪44,45及びロータリーエンコーダ54,55が設けられている。従動輪44,45の軸は互いに直交しているので、卓球ロボット10の例えばX方向とY方向(図示せず)の実際の動きをそれぞれ検出できる。この実際の動きを検知してマイコン22にフィードバックすることにより、卓球ロボット10の動きをより正確に制御することができる。
【0032】
また、本実施形態では、このような走行に加えて、エンドエフェクタとしてのラケット58により、卓上で卓球の球を打ち返すことができる。具体的には、マイコン22は、ステレオカメラ18により検出された球の位置や飛来方向から打ち返す方向を演算し、卓球ロボット10の位置及び向きを制御し、更にラケット58の動きを制御する。これにより、例えば人間と卓球のラリーを行うことができる。
【0033】
具体的には、
図6において、マイコン22は、DCモータコントローラ20,21に信号を送出し、オムニホイール32を駆動し、またラケット58にスイング指令を与える。この際、マイコン22は、各モータの回転数、回転速度、電流値を取得する。また、マイコン22は、ステレオカメラ18からの信号により自己位置を推定したり、移動指令位置から卓球ロボット10の移動速度を計算したり、この移動速度からオムニホイール32の回転速度を計算したりする。更に、マイコン22は、ロータリーエンコーダ54,55から従動輪44,45(
図3から
図5)の回転数や回転速度を取得し、卓球ロボット10の実際の位置を推定する。これにより、卓球ロボット10の動きをより正確に制御することができる。
【0034】
(変形例)
エンドエフェクタには、卓球の他にも様々な役割を与えることができる。
図7に示される走行体81は、エレベータ操作ロボットである。この走行体81は、エンドエフェクタの一例として、水平方向を中心に揺動するアーム90を有し、アーム90の先端にエレベータ86のボタン88の大きさに対応した突起部90Aが設けられている。このアーム90は、伸縮式であってもよい。この走行体81は、走行とアーム90の揺動の組合せにより、突起部90Aでエレベータ86の任意のボタン88を押して、エレベータ86を操作することができる。
【0035】
図8に示される走行体82は、窓拭きロボットである。この走行体82は、エンドエフェクタとして、水平方向を中心に揺動するアーム92を有し、アーム92の先端に窓94を拭くための払拭部92Aが設けられている。このアーム92は、伸縮式であってもよい。払拭部92Aは、例えば自在継手96を介してアーム92に取り付けられている。この走行体82は、走行とアーム92の揺動を組み合わせることで、窓94を拭くことができる。
【0036】
図9に示される走行体83は、吊下げロボットである。この走行体83は、エンドエフェクタとして、水平方向を中心に揺動するアーム98を有し、アーム98の先端部102に荷物(図示せず)を吊下げるためのフック100を有している。このアーム98は、伸縮式であってもよい。この走行体83は、走行とアーム98の揺動を組み合わせることで、フック100で荷物を吊り下げて任意の方向へ移動させることができる。
【0037】
図10に示される走行体84は、ドア開閉ロボットである。この走行体84は、エンドエフェクタとして、水平方向を中心に揺動するアーム104を有し、アーム104の先端部106にドア110の開閉レバー112に上から係合可能なフック108を有している。このアーム104は、伸縮式であってもよい。この走行体84は、走行とアーム104の揺動を組み合わせることで、フック108でドア110の開閉レバー112を操作して、ドア110を開閉させることができる。
【0038】
図11に示される走行体85は、撮影ロボットである。この走行体85は、エンドエフェクタとして、水平方向を中心に揺動するアーム114を有し、アーム114の先端部116にカメラ118を有している。このアーム114は、伸縮式であってもよい。この走行体85は、走行とアーム114の揺動を組み合わせることで、カメラ118により例えばテーブル120の上側を任意の方向から撮影することができる。
【0039】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明の実施形態は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0040】
台部12の搭載スペース16に設けられる付属機器として、従動輪44,45及びロータリーエンコーダ54,55を挙げたが、付属機器はこれに限られず、例えば各種センサ、モータ30、計算機等であってもよい。
【0041】
卓球ロボット10、走行体81,82,83,84,85が、それぞれエンドエフェクタを有するものとしたが、エンドエフェクタの種類はこれらのものに限られない。また、エンドエフェクタを有しない構成であってもよい。
【0042】
駆動モジュール14が、モータ30と、第1プーリ41と、第2プーリ42と、ベルト40を有するものとしたが、駆動モジュールの構成はこれに限られず、オムニホイール32を駆動でき、かつ台部12の中心部に搭載スペース16が確保できる構成であればよい。また、伝動体の一例としてベルト40を挙げたが、伝動体はチェーン、ローラ等であってもよい。
【0043】
卓球の球を検知するためにステレオカメラ18を用いるものとしたが、これに限られず、例えば色距離センサを用いてもよい。
【0044】
(付記)
以下、本開示の態様について付記する。
(付記1)
台部と、
それぞれモータにより駆動されるオムニホイールを有し、前記台部に搭載される少なくとも3つの駆動モジュールと、
前記台部の中心部かつ前記駆動モジュールと同じ面に設けられ、付属機器を搭載可能な搭載スペースと、
を有する走行体。
【0045】
(付記2)
前記搭載スペースに、前記付属機器として、回転軸が互いに直交するように配置された2つの従動輪と、前記従動輪の回転をそれぞれ検出する2つのロータリーエンコーダとが設けられた付記1に記載の走行体。
【0046】
(付記3)
前記台部の上部に、水平方向を中心に回転する可動軸が設けられ、
前記可動軸にエンドエフェクタが装着された付記1又は2に記載の走行体。
【0047】
(付記4)
前記駆動モジュールにおいて、前記オムニホイールの軸と前記モータの軸とは互いに平行に配置され、
前記駆動モジュールは、前記モータと、前記オムニホイールの軸に設けられた第1プーリと、前記モータの軸に設けられた第2プーリと、前記第1プーリと前記第2プーリとの間で回転を伝達する伝動体を有する付記1~3の何れかに記載の走行体。
【符号の説明】
【0048】
10 卓球ロボット(走行体)
12 台部
12A 開口部
14 駆動モジュール
16 搭載スペース
30 モータ
32 オムニホイール
40 ベルト(伝動体)
41 第1プーリ
42 第2プーリ
44 従動輪
45 従動輪
54 ロータリーエンコーダ
55 ロータリーエンコーダ
56 可動軸
58 ラケット(エンドエフェクタ)
81 走行体
82 走行体
83 走行体
84 走行体
85 走行体