IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機ビルテクノサービス株式会社の特許一覧

特開2024-173369エレベーターのゴンドラ設置方法、及びゴンドラ装置
<>
  • 特開-エレベーターのゴンドラ設置方法、及びゴンドラ装置 図1
  • 特開-エレベーターのゴンドラ設置方法、及びゴンドラ装置 図2
  • 特開-エレベーターのゴンドラ設置方法、及びゴンドラ装置 図3
  • 特開-エレベーターのゴンドラ設置方法、及びゴンドラ装置 図4
  • 特開-エレベーターのゴンドラ設置方法、及びゴンドラ装置 図5
  • 特開-エレベーターのゴンドラ設置方法、及びゴンドラ装置 図6
  • 特開-エレベーターのゴンドラ設置方法、及びゴンドラ装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173369
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】エレベーターのゴンドラ設置方法、及びゴンドラ装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 7/00 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B66B7/00 J
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091739
(22)【出願日】2023-06-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003568
【氏名又は名称】弁理士法人加藤国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大山 雄一
【テーマコード(参考)】
3F305
【Fターム(参考)】
3F305AA21
3F305DA13
3F305DA15
(57)【要約】
【課題】揚重機によってかごを容易に吊り下げることができるエレベーターのゴンドラ設置方法、及びゴンドラ装置を提供する。
【解決手段】エレベーターのゴンドラ設置方法において、補助梁配置工程S1では、かごの上方に補助梁を配置する。主ロープ切断工程S3では、主ロープを切断することにより主ロープの一部を保持ロープとする。補助梁接続工程S4では、保持ロープを補助梁に接続する。揚重機接続工程S5では、かごの上方に固定された揚重ビームに揚重機を介して補助梁を接続する。支持解除工程S6では、補助梁から保持ロープによってかごをゴンドラとして吊り下げるとともに、揚重ビームから揚重機によって補助梁を吊り下げる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主ロープによって吊り下げられたかごの上方に補助梁を配置する補助梁配置工程と、
前記主ロープとは別の支持体によって前記かごを支持する支持工程と、
前記支持工程の後、前記主ロープを切断することにより前記主ロープの一部を保持ロープとする主ロープ切断工程と、
前記補助梁配置工程及び前記主ロープ切断工程の後、前記かごを吊り下げ可能な位置に前記保持ロープを配置するとともに、前記保持ロープを前記補助梁に接続する補助梁接続工程と、
前記補助梁配置工程の後、前記かごの上方に固定された固定部に揚重機を介して前記補助梁を接続する揚重機接続工程と、
前記補助梁接続工程及び前記揚重機接続工程の後、前記支持体による前記かごの支持を解除することにより、前記補助梁から前記保持ロープによって前記かごをゴンドラとして吊り下げるとともに、前記固定部から前記揚重機によって前記補助梁を吊り下げる支持解除工程と
を備えているエレベーターのゴンドラ設置方法。
【請求項2】
前記かごは、かご本体と、前記かご本体に設けられたかご吊り車とを有しており、
前記支持工程では、前記かご吊り車に巻き掛けられた前記主ロープとは別の前記支持体によって前記かごを支持し、
前記補助梁接続工程では、前記かご吊り車に前記保持ロープを巻き掛けた状態で、第1ロープ接続具を介して前記保持ロープの一端部を前記補助梁に接続するとともに、第2ロープ接続具を介して前記保持ロープの他端部を前記補助梁に接続する請求項1に記載のエレベーターのゴンドラ設置方法。
【請求項3】
前記支持工程を実施するときの前記主ロープは、昇降路の上部にそれぞれ設けられた第1綱止め装置及び第2綱止め装置に接続されており、
前記補助梁接続工程では、前記昇降路の上部から外した前記第1綱止め装置を前記第1ロープ接続具として前記補助梁に取り付け、前記昇降路の上部から外した前記第2綱止め装置を前記第2ロープ接続具として前記補助梁に取り付ける請求項2に記載のエレベーターのゴンドラ設置方法。
【請求項4】
前記主ロープ切断工程では、前記主ロープの第1端部及び第2端部のうち、前記第1綱止め装置に接続された前記第1端部を前記保持ロープの一端部とする請求項3に記載のエレベーターのゴンドラ設置方法。
【請求項5】
ゴンドラとしてのかごと、
前記かごの上方に配置された補助梁と、
前記補助梁から前記かごを吊り下げている保持ロープと、
前記かごの上方に固定された固定部に前記補助梁を接続しているとともに、前記固定部から前記補助梁を吊り下げており、前記補助梁を上下方向へ移動させる揚重機と
を備えているゴンドラ装置。
【請求項6】
前記かごは、かご本体と、前記かご本体に設けられたかご吊り車とを有しており、
前記保持ロープは、前記かご吊り車に巻き掛けられており、
前記保持ロープの一端部を前記補助梁に接続している第1ロープ接続具と、
前記保持ロープの他端部を前記補助梁に接続している第2ロープ接続具と
を備えている請求項5に記載のゴンドラ装置。
【請求項7】
前記揚重機は、前記補助梁を吊り下げ可能な吊り体と、前記吊り体を上下方向へ移動させる揚重機本体とを有しており、
前記固定部及び前記補助梁のうち、一方には前記揚重機本体が取り付けられており、他方には前記吊り体が接続されている請求項5又は請求項6に記載のゴンドラ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、揚重機によってかごをゴンドラとして吊り下げるエレベーターのゴンドラ設置方法、及びゴンドラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、エレベーターの改修工事を行うために、作業者の足場としてかごを用いるエレベーター昇降路内工事方法が開示されている。特許文献1に開示された従来のエレベーター昇降路内工事方法では、昇降路の上方に配置された巻上機用支持梁と昇降路内のかごとを揚重機によって接続し、揚重機の駆動力によってかごを上下移動させる。これにより、巻上機などが撤去された状態でも、作業者は、かごの上部に乗ってかごを上下移動させることにより昇降路内の作業を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-2850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された従来のエレベーター昇降路内工事方法では、かごに揚重機を接続するために、かごに対する事前の調査、及び調査に基づいたかごの加工を現場において行う必要がある。このため、揚重機をかごに接続する作業に手間がかかってしまう。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するものであり、揚重機によってかごを容易に吊り下げることができるエレベーターのゴンドラ設置方法、及びゴンドラ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエレベーターのゴンドラ設置方法は、主ロープによって吊り下げられたかごの上方に補助梁を配置する補助梁配置工程と、主ロープとは別の支持体によってかごを支持する支持工程と、支持工程の後、主ロープを切断することにより主ロープの一部を保持ロープとする主ロープ切断工程と、補助梁配置工程及び主ロープ切断工程の後、かごを吊り下げ可能な位置に保持ロープを配置するとともに、保持ロープを補助梁に接続する補助梁接続工程と、補助梁配置工程の後、かごの上方に固定された固定部に揚重機を介して補助梁を接続する揚重機接続工程と、補助梁接続工程及び揚重機接続工程の後、支持体によるかごの支持を解除することにより、補助梁から保持ロープによってかごをゴンドラとして吊り下げるとともに、固定部から揚重機によって補助梁を吊り下げる支持解除工程とを備えているものである。
また、本開示に係るゴンドラ装置は、ゴンドラとしてのかごと、かごの上方に配置された補助梁と、補助梁からかごを吊り下げている保持ロープと、かごの上方に固定された固定部に補助梁を接続しているとともに、固定部から補助梁を吊り下げており、補助梁を上下方向へ移動させる揚重機とを備えているものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係るエレベーターのゴンドラ設置方法、及びゴンドラ装置によれば、揚重機によってかごを容易に吊り下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係るエレベーターのゴンドラ設置方法を実施する対象となるエレベーターを示す構成図である。
図2】実施の形態1に係るエレベーターのゴンドラ設置方法を示すフローチャートである。
図3図1のかごの上方に補助梁が配置された状態を示す構成図である。
図4図3の主ロープが切断された状態を示す構成図である。
図5図4の保持ロープが補助梁に接続された状態を示す構成図である。
図6図5の補助梁が揚重ビームに揚重機を介して接続された状態を示す構成図である。
図7】実施の形態1に係るゴンドラ装置の他の例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の対象を実施するための形態について添付の図を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。なお、本開示の対象は、以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態の任意の構成要素の変形、又は実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るエレベーターのゴンドラ設置方法を実施する対象となるエレベーターを示す構成図である。昇降路1内には、かご2及び釣合おもり3が主ロープ4によって吊り下げられている。また、昇降路1内には、一対のかごガイドレール5と、一対の釣合おもりガイドレール6とが設置されている。かご2は、一対のかごガイドレール5の間に配置されている。釣合おもり3は、一対の釣合おもりガイドレール6の間に配置されている。
【0011】
かご2は、かご本体21と、一対のかご吊り車22とを有している。一対のかご吊り車22は、かご本体21の下部に設けられている。
【0012】
かご本体21は、かご室23と、かご枠24とを有している。かご室23には、乗客が乗降可能になっている。かご枠24は、かご室23を囲む枠である。かご枠24は、かご室23を支持している。一対のかご吊り車22は、かご枠24の下部に水平方向へ互いに離して設けられている。
【0013】
釣合おもり3は、釣合おもり本体31と、おもり吊り車32とを有している。おもり吊り車32は、釣合おもり本体31の上部に設けられている。
【0014】
昇降路1の上部には、巻上機7と、第1綱止め装置8と、第2綱止め装置9とが設けられている。巻上機7、第1綱止め装置8及び第2綱止め装置9は、昇降路1内に固定された不図示の支持梁によって支持されている。
【0015】
巻上機7は、かご2及び釣合おもり3を移動させる駆動力を発生する駆動装置である。巻上機7は、巻上機本体71と、駆動シーブ72とを有している。
【0016】
駆動シーブ72は、巻上機本体71に回転可能に設けられている。巻上機本体71は、モータと、ブレーキとを有している。巻上機本体71のモータは、駆動シーブ72を回転させる駆動力を発生する。巻上機本体71のブレーキは、駆動シーブ72にブレーキ力を加える。
【0017】
主ロープ4は、第1端部4aと、第2端部4bとを有している。第1綱止め装置8には、主ロープ4の第1端部4aが接続されている。第2綱止め装置9には、主ロープ4の第2端部4bが接続されている。主ロープ4は、第1綱止め装置8から、一対のかご吊り車22、駆動シーブ72、おもり吊り車32の順に巻き掛けられ、第2綱止め装置9に達している。これにより、主ロープ4は、かご2及び釣合おもり3を昇降路1内に吊り下げている。即ち、本実施の形態では、主ロープ4によるかご2及び釣合おもり3の吊り下げ方式が2:1ローピング方式となっている。
【0018】
巻上機本体71の駆動力によって駆動シーブ72が回転すると、かご2及び釣合おもり3が上下方向へ移動する。かご2は、一対のかごガイドレール5に案内されながら上下方向へ移動する。釣合おもり3は、一対の釣合おもりガイドレール6に案内されながら上下方向へ移動する。
【0019】
昇降路1内には、不図示の制御装置が設けられている。制御装置は、エレベーターの運転を制御する。例えば、かご2及び釣合おもり3の移動は、制御装置による巻上機7の制御により制御される。
【0020】
かご2には、不図示の非常止め装置が設けられている。非常止め装置は、かご本体21の下部に設けられている。非常止め装置は、かご2の下方への速度が過大速度に達すると、一対のかごガイドレール5を把持する把持動作を行う。かご2は、非常止め装置の把持動作によって非常停止する。
【0021】
非常止め装置の把持動作は、手動によっても実施可能である。非常止め装置が一対のかごガイドレール5を把持することにより、かご2は非常止め装置を介して一対のかごガイドレール5に支持される。
【0022】
ここで、エレベーターにおいては、機器の老朽化などの理由によって改修工事が行われることがある。エレベーターの改修工事では、かご2の上部に乗った作業者が昇降路1内の改修作業を行う。即ち、エレベーターの改修工事では、作業者の足場としてかご2が利用される。
【0023】
エレベーターの改修工事では、例えば新しい巻上機を設置するために既設の巻上機7を撤去することがある。この場合、巻上機7の駆動力によってかご2を移動させることができないため、巻上機7とは別の揚重機によってかご2を足場用のゴンドラとして吊り下げるゴンドラ設置工事を行う。ゴンドラ設置工事の終了後には、揚重機の駆動力によってかご2が移動可能になる。作業者は、かご2の上部に乗った状態で揚重機の駆動力によってかご2を移動させることにより、昇降路1内において作業を行う。
【0024】
次に、揚重機によってかご2を足場用のゴンドラとして吊り下げるエレベーターのゴンドラ設置方法について説明する。
【0025】
図2は、実施の形態1に係るエレベーターのゴンドラ設置方法を示すフローチャートである。エレベーターのゴンドラ設置方法は、補助梁配置工程S1と、支持工程S2と、主ロープ切断工程S3と、補助梁接続工程S4と、揚重機接続工程S5と、支持解除工程S6とを有している。以下、エレベーターのゴンドラ設置方法を単に「ゴンドラ設置方法」という。
【0026】
<補助梁配置工程S1>
ゴンドラ設置方法を実施するときには、まず補助梁配置工程S1を実施する。補助梁配置工程S1では、かご2の上方に補助梁を配置する。補助梁は、建物における乗場からかご2の上方に搬入する。本実施の形態では、最上階の乗場床の高さにかご2の上部の位置を合わせてかご2を停止させた状態で、最上階の乗場からかご2の上方に補助梁を搬入する。
【0027】
図3は、図1のかご2の上方に補助梁が配置された状態を示す構成図である。かご2は、主ロープ4における第1端部4aから駆動シーブ72までの部分によって吊り下げられている。釣合おもり3は、主ロープ4における第2端部4bから駆動シーブ72までの部分によって吊り下げられている。
【0028】
主ロープ4においてかご2を吊り下げる部分は、第1側方かご吊り部41と、下方かご吊り部42と、第2側方かご吊り部43とを有している。
【0029】
第1側方かご吊り部41は、主ロープ4における第1端部4aから一方のかご吊り車22までの部分である。下方かご吊り部42は、主ロープ4における一方のかご吊り車22から他方のかご吊り車22までの部分である。第2側方かご吊り部43は、主ロープ4における他方のかご吊り車22から駆動シーブ72までの部分である。
【0030】
主ロープ4は、第1端部4aから、第1側方かご吊り部41、下方かご吊り部42及び第2側方かご吊り部43の順に連続し、駆動シーブ72に達している。第1側方かご吊り部41及び第2側方かご吊り部43のそれぞれは、上下方向へ延びている。かご2は、第1側方かご吊り部41と第2側方かご吊り部43との間に配置されている。下方かご吊り部42は、かご2の下方において水平方向へ延びている。
【0031】
補助梁配置工程S1では、嵩上げ台などを介して補助梁10をかご本体21の上部に載せる。これにより、補助梁10は、かご2の上方に配置される。補助梁10の長さは、第1側方かご吊り部41と第2側方かご吊り部43との間の水平距離よりも長くなっている。
【0032】
<支持工程S2>
補助梁配置工程S1の後、支持工程S2を実施する。支持工程S2では、巻上機7の駆動力によってかご2を設定支持位置に移動させる。設定支持位置は、かご2の上部に乗った作業者が第1綱止め装置8、第2綱止め装置9及び後述する揚重ビームにアクセス可能なかご2の位置である。
【0033】
また、支持工程S2では、主ロープ4とは別の支持体によってかご2を設定支持位置に支持する。本実施の形態では、非常止め装置の把持動作を手動によって行うことにより、非常止め装置を介してかご2を一対のかごガイドレール5によって支持する。即ち、本実施の形態では、かご2を支持する支持体として一対のかごガイドレール5を用いる。これにより、かご2の荷重が主ロープ4に加わらないようになる。
【0034】
支持工程S2では、釣合おもり3の荷重も主ロープ4に加わらないようにする。従って、支持工程S2では、主ロープ4とは別の支持体によって釣合おもり3を支持する。
【0035】
かご2が設定支持位置に位置している状態では、釣合おもり3が昇降路1の下部に位置している。本実施の形態では、昇降路1の底面と釣合おもり3との間におもり受け台を介在させることにより、釣合おもり3をおもり受け台によって支持する。即ち、本実施の形態では、釣合おもり3を支持する支持体としておもり受け台を用いる。これにより、釣合おもり3の荷重が主ロープ4に加わらないようになる。
【0036】
<主ロープ切断工程S3>
支持工程S2の後、主ロープ切断工程S3を実施する。主ロープ切断工程S3では、主ロープ4を切断することにより主ロープ4の一部を保持ロープとする。
【0037】
図4は、図3の主ロープ4が切断された状態を示す構成図である。主ロープ切断工程S3では、第2側方かご吊り部43の中間位置を切断位置Pとし、切断位置Pにおいて主ロープ4を切断する。このとき、主ロープ4がかご2から落下しないように、第1側方かご吊り部41及び第2側方かご吊り部43のそれぞれを補助梁10に仮止めしておく。
【0038】
また、主ロープ切断工程S3では、主ロープ4のうち、切断位置Pから第1端部4aまでの部分を保持ロープ20とする。即ち、主ロープ切断工程S3では、主ロープ4のうち、切断位置Pよりもかご2側の部分を保持ロープ20とする。
【0039】
保持ロープ20の長さは、保持用設定長さとなっている。保持用設定長さは、保持ロープ20が補助梁10の一端部から、一対のかご吊り車22に順次巻き掛けられて、補助梁10の他端部に達する長さである。切断位置Pは、保持ロープ20の長さが保持用設定長さとなるように決定する。なお、主ロープ4のうち、保持ロープ20以外の部分は撤去する。
【0040】
<補助梁接続工程S4>
主ロープ切断工程S3の後、補助梁接続工程S4を実施する。補助梁接続工程S4では、かご2を吊り下げ可能な位置に保持ロープ20を配置するとともに、保持ロープ20を補助梁10に接続する。
【0041】
図5は、図4の保持ロープ20が補助梁10に接続された状態を示す構成図である。保持ロープ20には、主ロープ4の第1端部4aが保持ロープ20の一端部20aとして残っている。保持ロープ20の他端部20bは、主ロープ4の切断部である。従って、補助梁接続工程S4では、保持ロープ20の他端部20bに対してロープ端末処理を行う。
【0042】
補助梁接続工程S4では、昇降路1の上部に配置された支持梁から第1綱止め装置8及び第2綱止め装置9を外す。このとき、保持ロープ20の一端部20aを第1綱止め装置8に接続されたままにしておく。
【0043】
補助梁10には、第1取付部と、第2取付部とが含まれている。補助梁10の第1取付部は、第1綱止め装置8が取り付けられる構造を有している。補助梁10の第2取付部は、第2綱止め装置9が取り付けられる構造を有している。本実施の形態では、補助梁10の一端部が第1取付部となっており、補助梁10の他端部が第2取付部となっている。
【0044】
補助梁接続工程S4では、昇降路1の上部から外した第1綱止め装置8を第1ロープ接続具として補助梁10の第1取付部に取り付ける。本実施の形態では、保持ロープ20の一端部20aを第1綱止め装置8に接続したまま、第1綱止め装置8を補助梁10の第1取付部に取り付ける。このとき、補助梁10に対する保持ロープ20の仮止めを外して保持ロープ20を移動させながら、第1綱止め装置8を補助梁10の第1取付部に運ぶ。また、このとき、保持ロープ20が一対のかご吊り車22に巻き掛けられた状態を保ちながら、保持ロープ20を移動させる。これにより、かご2を吊り下げ可能な位置に保持ロープ20が配置される。このようにして、補助梁接続工程S4では、第1綱止め装置8を介して保持ロープ20の一端部20aを補助梁10に接続する。
【0045】
また、補助梁接続工程S4では、昇降路1の上部から外した第2綱止め装置9を第2ロープ接続具として補助梁10の第2取付部に取り付ける。この後、保持ロープ20の他端部20bを第2綱止め装置9に接続する。このようにして、補助梁接続工程では、第2綱止め装置9を介して保持ロープ20の他端部20bを補助梁10に接続する。
【0046】
即ち、補助梁接続工程S4では、一対のかご吊り車22に保持ロープ20を巻き掛けた状態で、保持ロープ20の一端部20a及び他端部20bのそれぞれを補助梁10に接続する。
【0047】
<揚重機接続工程S5>
補助梁接続工程S4の後、揚重機接続工程S5を実施する。揚重機接続工程S5では、固定部としての揚重ビームに揚重機を介して補助梁10を接続する。
【0048】
図6は、図5の補助梁10が揚重ビーム11に揚重機12を介して接続された状態を示す構成図である。揚重ビーム11は、昇降路1の上部に固定部として固定されている。従って、揚重ビーム11は、かご2の上方に固定されている。かご2が設定支持位置に位置している状態では、かご2の上部に乗った作業者が揚重ビーム11にアクセス可能になっている。本実施の形態では、揚重機接続工程S5において2つの揚重機12を介して揚重ビーム11に補助梁10を接続する。
【0049】
各揚重機12は、揚重機本体121と、揚重ロープ122と、揚重接続具123とを有している。揚重ビーム11は、揚重機本体121が取り付けられる構造を有している。
【0050】
揚重ロープ122は、揚重機本体121に設けられている。揚重ロープ122は、補助梁10を吊り下げ可能な吊り体である。揚重機12の吊り体は、チェーンであってもよい。
【0051】
揚重機本体121は、モータを有している。揚重機本体121のモータは、揚重ロープ122を移動させる駆動力を発生する。揚重機本体121は、揚重ロープ122の巻き取り及び繰り出しを行うことにより揚重ロープ122を揚重機本体121に対して移動させる。揚重機本体121には、不図示の操作部がケーブルを介して接続されている。これにより、揚重機本体121から離れた位置において操作部の操作が可能になっている。揚重機本体121は、操作部の操作に応じて動作する。
【0052】
揚重接続具123は、揚重ロープ122を補助梁10に接続する接続具である。補助梁10は、第3取付部を有している。補助梁10の第3取付部は、揚重接続具123が取り付けられる構造を有している。本実施の形態では、補助梁10の中間部が第3取付部となっている。揚重接続具123は、補助梁10の第3取付部に取り付けられる。揚重接続具123には、揚重ロープ122が接続される。これにより、揚重ロープ122は、揚重接続具123を介して補助梁10に接続される。
【0053】
揚重機接続工程S5では、揚重機本体121を揚重ビーム11に取り付ける。また、揚重機接続工程S5では、揚重機本体121から繰り出した揚重ロープ122を補助梁10の第3取付部に揚重接続具123を介して接続する。これにより、補助梁10が揚重機12を介して揚重ビーム11に接続される。
<支持解除工程S6>
揚重機接続工程S5の後、支持解除工程S6を実施する。支持解除工程S6では、支持体によるかご2の支持を解除する。即ち、支持解除工程S6では、一対のかごガイドレール5によるかご2の支持を解除する。
【0054】
一対のかごガイドレール5によるかご2の支持を解除するときには、揚重機12の駆動力によってかご2を上方へ移動させる。これにより、非常止め装置によって一対のかごガイドレール5が把持された状態が解除され、一対のかごガイドレール5によるかご2の支持が解除される。
【0055】
一対のかごガイドレール5によるかご2の支持を解除すると、揚重ビーム11から揚重機12によって補助梁10が吊り下げられるとともに、補助梁10から保持ロープ20によってかご2が足場用のゴンドラとして吊り下げられる。かご本体21の上部に載せられた嵩上げ台は、かご2の支持を解除した後に撤去する。これにより、かご2が足場用のゴンドラとして揚重機12によって吊り下げられたゴンドラ装置が設置される。
【0056】
次に、ゴンドラ設置方法によって得られたゴンドラ装置について説明する。
【0057】
ゴンドラ装置は、図6に示すように、かご2と、補助梁10と、保持ロープ20と、揚重機12とを有している。ゴンドラ装置では、かご2が足場用のゴンドラとして用いられている。
【0058】
補助梁10は、かご2の上方に配置されている。補助梁10は、揚重ビーム11から揚重機12によって吊り下げられている。揚重機12は、揚重ビーム11に補助梁10を接続している。即ち、補助梁10は、揚重機12を介して揚重ビーム11に接続されている。本実施の形態では、揚重機本体121が揚重ビーム11に取り付けられ、揚重ロープ122が揚重接続具123を介して補助梁10に接続されている。
【0059】
揚重機12は、揚重機本体121の駆動力によって揚重ロープ122を上下方向へ移動させる。これにより、補助梁10は、揚重ビーム11に対して上下方向へ移動する。
【0060】
かご2は、補助梁10から保持ロープ20によって吊り下げられている。これにより、かご2、保持ロープ20及び補助梁10は、揚重ビーム11から揚重機12によって吊り下げられている。
【0061】
保持ロープ20は、一対のかご吊り車22に巻き掛けられている。保持ロープ20の一端部20aは、第1ロープ接続具としての第1綱止め装置8を介して補助梁10に接続されている。保持ロープ20の他端部20bは、第2ロープ接続具としての第2綱止め装置9を介して補助梁10に接続されている。保持ロープ20は、一端部20aから、一対のかご吊り車22に順次巻き掛けられ、他端部20bに達している。
【0062】
かご2及び保持ロープ20は、補助梁10に対して移動しない。これにより、補助梁10に対するかご2の位置は、維持される。従って、足場用のゴンドラとしてのかご2は、揚重機12の駆動力によって揚重ビーム11に対して補助梁10とともに上下方向へ移動する。
【0063】
ゴンドラ装置を設置した後に作業者が昇降路1内において作業を行うときには、かご2の上部に乗った作業者が揚重機12の操作部を操作することにより、かご2を上下方向へ移動させる。
【0064】
このようなゴンドラ設置方法では、補助梁配置工程S1においてかご2の上方に補助梁10を配置し、主ロープ切断工程S3において主ロープ4を切断することにより主ロープ4の一部を保持ロープ20する。また、補助梁接続工程S4において保持ロープ20を補助梁10に接続し、揚重機接続工程S5においてかご2の上方に固定された揚重ビーム11に揚重機12を介して補助梁10を接続する。このため、補助梁10から保持ロープ20によってかご2を吊り下げた状態で補助梁10を揚重機12によって吊り下げることができる。これにより、かご2を加工することなく、揚重機12によってかご2を足場用のゴンドラとして吊り下げることができる。従って、かご2に対する事前の調査、調査に基づいたかご2の加工などを行う必要がなくなり、揚重機12によってかご2を容易に吊り下げることができる。
【0065】
また、補助梁接続工程S4では、一対のかご吊り車22に保持ロープ20を巻き掛けた状態で、保持ロープ20の一端部20a及び他端部20bのそれぞれを補助梁10に接続する。このため、主ロープ4によって吊り下げられたかご2の通常運転時の状態を、補助梁10から保持ロープ20によって吊り下げられたかご2の状態としてそのまま再現することができる。これにより、かご2の重量バランスの良い位置において保持ロープ20がかご2を吊り下げることができ、かご2の状態を安定させることができる。従って、かご2の上部に乗った作業者の作業において安定性の向上を図ることができる。
【0066】
また、支持工程S2を実施するときの主ロープ4は、昇降路1の上部にそれぞれ設けられた第1綱止め装置8及び第2綱止め装置9に接続されている。補助梁接続工程S4では、昇降路1の上部から外した第1綱止め装置8を補助梁10に取り付けることによって保持ロープ20の一端部20aを補助梁10に接続する。このため、保持ロープ20の一端部20aを補助梁10に接続する第1ロープ接続具として既存の第1綱止め装置8を流用することができる。これにより、部品コストの低減化を図ることができる。
【0067】
また、支持工程S2を実施するときの主ロープ4は、昇降路1の上部にそれぞれ設けられた第1綱止め装置8及び第2綱止め装置9に接続されている。補助梁接続工程S4では、昇降路1の上部から外した第2綱止め装置9を補助梁10に取り付けることによって保持ロープ20の他端部20bを補助梁10に接続する。このため、保持ロープ20の他端部20bを補助梁10に接続する第1ロープ接続具として既存の第2綱止め装置9を流用することができる。これにより、部品コストの低減化を図ることができる。
【0068】
また、主ロープ切断工程S3では、主ロープ4の第1端部4aを保持ロープ20の一端部20aとして残している。このため、ロープ端末処理が既に完了している状態で保持ロープ20の一端部20aを用いることができる。これにより、保持ロープ20の一端部20aに対するロープ端末処理を新たに行う必要がなくなり、保持ロープ20に対する処理作業の手間を軽減することができる。従って、揚重機12によってかご2を吊り下げる作業をさらに容易にすることができる。
【0069】
また、このようなゴンドラ装置では、補助梁10からかご2が保持ロープ20によって吊り下げられており、昇降路1の上部に配置された揚重ビーム11から揚重機12によって補助梁10が吊り下げられている。このため、かご2を加工することなく、揚重機12によってかご2を足場用のゴンドラとして吊り下げることができる。これにより、揚重機12によってかご2を容易に吊り下げることができる。
【0070】
また、保持ロープ20は、一対のかご吊り車22に巻き掛けられている。このため、かご2の重量バランスの良い位置においてかご2を保持ロープ20によって吊り下げることができ、かご2の状態を安定させることができる。従って、かご2の上部に乗った作業者の作業において安定性の向上を図ることができる。
【0071】
また、揚重機本体121は、かご2の上方に固定された揚重ビーム11に取り付けられている。さらに、揚重ロープ122は、補助梁10に接続されている。このため、揚重ビーム11に揚重機12を介して補助梁10を容易に接続することができる。
【0072】
なお、上記の実施の形態では、揚重機本体121が揚重ビーム11に取り付けられており、揚重ロープ122が補助梁10に接続されている。しかし、補助梁10に揚重機本体121を取り付け、揚重ビーム11に揚重ロープ122を接続してもよい。この場合、図7に示すように、揚重ロープ122が揚重接続具123を介して揚重ビーム11に接続される。また、この場合、揚重ビーム11は、揚重接続具123が取り付けられる構造を有している。さらに、この場合、補助梁10の第3取付部は、揚重機本体121が取り付けられる構造を有している。このようにしても、揚重ビーム11に揚重機12を介して補助梁10を容易に接続することができる。
【0073】
また、昇降路1内のスペースに応じて、揚重ビーム11及び補助梁10のいずれに揚重機本体121を取り付けるかを選択することができる。これにより、揚重ビーム11に揚重機12を介して補助梁10を接続する作業をさらに容易にすることができる。
【0074】
また、上記の実施の形態では、一対のかご吊り車22に主ロープ4が巻き掛けられているエレベーターに対してゴンドラ設置方法が実施されている。即ち、主ロープ4によるかご2の吊り下げ方式が2:1ローピング方式となっているエレベーターに対してゴンドラ設置方法が実施されている。しかし、ゴンドラ設置方法が実施されるエレベーターは、これに限定されない。
【0075】
例えば、かご2の上部に主ロープ4が接続されているエレベーターに対してゴンドラ設置方法を実施してもよい。即ち、主ロープ4によるかご2の吊り下げ方式が1:1ローピング方式となっているエレベーターに対してゴンドラ設置方法を実施してもよい。この場合、主ロープ切断工程S3では、かご2の上部に接続された主ロープ4の一部を保持ロープとする。保持ロープは、かご2の上部に接続されているため、かご2を吊り下げ可能な位置に配置される。また、この場合、補助梁接続工程S4では、ロープ接続具を介して保持ロープの上端部を補助梁10に接続する。このようにしても、かご2を加工することなく、揚重機12によってかご2を足場用のゴンドラとして吊り下げることができる。
【0076】
また、ゴンドラ装置においても、補助梁10からかご2を吊り下げる保持ロープがかご2の上部に接続されていてもよい。この場合、保持ロープの上端部は、ロープ接続具を介して補助梁10に接続される。ゴンドラ装置においても、かご2を加工することなく、揚重機12によってかご2を足場用のゴンドラとして吊り下げることができる。
【0077】
また、上記の実施の形態では、巻上機7が昇降路1の上部に設けられたエレベーターに対してゴンドラ設置方法が実施されている。しかし、これに限定されず、例えば、巻上機7が昇降路1の下部に設けられたエレベーターに対してゴンドラ設置方法を実施してもよい。この場合、昇降路1の上部には、かご側返し車及び釣合おもり側返し車が設けられる。また、この場合、主ロープ4は、第1端部4aから、一対のかご吊り車22、かご側返し車、駆動シーブ72、釣合おもり側返し車、おもり吊り車32の順に巻き掛けられ、第2端部4bに達する。さらに、この場合、主ロープ切断工程S3では、主ロープ4における他方のかご吊り車22からかご側返し車までの部分の中間位置を切断位置Pとする。
【0078】
また、上記の実施の形態では、補助梁接続工程S4において、第1綱止め装置8を第1ロープ接続具として補助梁10に取り付け、第2綱止め装置9を第2ロープ接続具として補助梁10に取り付けている。しかし、第1綱止め装置8とは異なる新たなロープ接続具を第1ロープ接続具として補助梁10に取り付けてもよい。また、第2綱止め装置9とは異なる新たなロープ接続具を第2ロープ接続具として補助梁10に取り付けてもよい。
【0079】
また、上記の実施の形態では、主ロープ切断工程S3において、主ロープ4の第1端部4aを保持ロープ20の一端部20aとして残している。しかし、主ロープ4の第1端部4aを残さずに、主ロープ4における第1側方かご吊り部41及び第2側方かご吊り部43のそれぞれの中間位置において主ロープ4を切断してもよい。この場合、保持ロープ20の一端部20a及び他端部20bのそれぞれが主ロープ4の切断部となるため、保持ロープ20の一端部20a及び他端部20bのそれぞれに対してロープ端末処理を行う。このようにしても、主ロープ4の一部を保持ロープ20とすることができる。
【0080】
また、上記の実施の形態では、支持工程S2において、非常止め装置を介して一対のかごガイドレール5によってかご2を支持している。しかし、かご2を支持する支持体としてロープ、チェーンなどの索状体を用いてもよい。この場合、支持工程S2では、揚重ビーム11から下方へ垂らされた索状体をかご枠24に巻き付けてかご2に繋ぐ。かご2は、揚重ビーム11から索状体によって吊り下げられることにより支持される。このようにしても、主ロープ4によらずにかご2を支持することができる。
【0081】
また、上記の実施の形態では、補助梁配置工程S1が支持工程S2の前に実施されている。しかし、補助梁接続工程S4及び揚重機接続工程S5のそれぞれの前であればいつでも補助梁配置工程S1を実施してもよい。従って、例えば、支持工程S2の後で主ロープ切断工程S3の前に補助梁配置工程S1を実施してもよいし、主ロープ切断工程S3の後で補助梁接続工程S4の前に補助梁配置工程S1を実施してもよい。
【0082】
また、上記の実施の形態では、補助梁接続工程S4が揚重機接続工程S5の前に実施されている。しかし、揚重機接続工程S5の後で支持解除工程S6の前に補助梁接続工程S4を実施してもよい。
【0083】
また、上記の実施の形態では、揚重機接続工程S5が補助梁接続工程S4の後に実施されている。しかし、補助梁配置工程S1の後で支持解除工程S6の前であればいつでも揚重機接続工程S5を実施してもよい。
【0084】
以上、上記の実施の形態に示した構成は、本開示の内容の一例を示すものである。実施の形態は、別の公知の技術と組み合わせることが可能である。本開示の要旨を逸脱しない範囲で、実施の形態の構成の一部を省略または変更することが可能である。
【符号の説明】
【0085】
1 昇降路、2 かご、4 主ロープ、4a 第1端部、4b 第2端部、5 かごガイドレール(支持体)、8 第1綱止め装置(第1ロープ接続具)、9 第2綱止め装置(第2ロープ接続具)、10 補助梁、11 揚重ビーム(固定部)、12 揚重機、20 保持ロープ、20a 一端部、20b 他端部、21 かご本体、22 かご吊り車、121 揚重機本体、122 揚重ロープ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-12-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主ロープによって吊り下げられたかごの上方に補助梁を配置する補助梁配置工程と、
前記主ロープとは別の支持体によって前記かごを支持する支持工程と、
前記支持工程の後、前記主ロープを切断することにより前記主ロープの一部を保持ロープとする主ロープ切断工程と、
前記補助梁配置工程及び前記主ロープ切断工程の後、前記かごを吊り下げ可能な位置に前記保持ロープを配置するとともに、前記保持ロープを前記補助梁に接続する補助梁接続工程と、
前記補助梁配置工程の後、前記かごの上方に固定された固定部に揚重機を介して前記補助梁を接続する揚重機接続工程と、
前記補助梁接続工程及び前記揚重機接続工程の後、前記支持体による前記かごの支持を解除することにより、前記補助梁から前記保持ロープによって前記かごをゴンドラとして吊り下げるとともに、前記固定部から前記揚重機によって前記補助梁を吊り下げる支持解除工程と
を備えているエレベーターのゴンドラ設置方法。
【請求項2】
前記かごは、かご本体と、前記かご本体に設けられたかご吊り車とを有しており、
前記支持工程では、前記かご吊り車に巻き掛けられた前記主ロープとは別の前記支持体によって前記かごを支持し、
前記補助梁接続工程では、前記かご吊り車に前記保持ロープを巻き掛けた状態で、第1ロープ接続具を介して前記保持ロープの一端部を前記補助梁に接続するとともに、第2ロープ接続具を介して前記保持ロープの他端部を前記補助梁に接続する請求項1に記載のエレベーターのゴンドラ設置方法。
【請求項3】
前記支持工程を実施するときの前記主ロープは、昇降路の上部にそれぞれ設けられた第1綱止め装置及び第2綱止め装置に接続されており、
前記補助梁接続工程では、前記昇降路の上部から外した前記第1綱止め装置を前記第1ロープ接続具として前記補助梁に取り付け、前記昇降路の上部から外した前記第2綱止め装置を前記第2ロープ接続具として前記補助梁に取り付ける請求項2に記載のエレベーターのゴンドラ設置方法。
【請求項4】
前記主ロープ切断工程では、前記主ロープの第1端部及び第2端部のうち、前記第1綱止め装置に接続された前記第1端部を前記保持ロープの一端部とする請求項3に記載のエレベーターのゴンドラ設置方法。
【請求項5】
ゴンドラとしてのかごと、
前記かごの上方に配置された補助梁と、
前記補助梁から前記かごを吊り下げている保持ロープと、
前記かごの上方に固定された固定部に前記補助梁を接続しているとともに、前記固定部から前記補助梁を吊り下げており、前記補助梁を上下方向へ移動させる揚重機と
を備え
前記かご及び前記保持ロープは、前記補助梁に対して移動せず、
前記補助梁に対する前記かごの位置は、維持されるゴンドラ装置。
【請求項6】
前記かごは、かご本体と、前記かご本体に設けられたかご吊り車とを有しており、
前記保持ロープは、前記かご吊り車に巻き掛けられており、
前記保持ロープの一端部を前記補助梁に接続している第1ロープ接続具と、
前記保持ロープの他端部を前記補助梁に接続している第2ロープ接続具と
を備えている請求項5に記載のゴンドラ装置。
【請求項7】
前記揚重機は、前記補助梁を吊り下げ可能な吊り体と、前記吊り体を上下方向へ移動させる揚重機本体とを有しており、
前記固定部及び前記補助梁のうち、一方には前記揚重機本体が取り付けられており、他方には前記吊り体が接続されている請求項5又は請求項6に記載のゴンドラ装置。