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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173375
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/01 20060101AFI20241205BHJP
   B60C 11/12 20060101ALI20241205BHJP
   B60C 11/03 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B60C11/01 A
B60C11/01 B
B60C11/12 C
B60C11/03 300D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091751
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100164448
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 雄輔
(72)【発明者】
【氏名】碓井 健司
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131AA34
3D131AA39
3D131BB03
3D131BC31
3D131BC34
3D131EB22V
3D131EB23V
3D131EB23X
3D131EB24V
3D131EB24X
3D131EB31V
3D131EB31X
3D131EB42Y
3D131EB43V
3D131EB43X
3D131EB43Y
3D131EB44V
3D131EB44X
3D131EB44Y
3D131EB46Y
3D131EB47V
3D131EB47X
3D131EB83V
3D131EB83W
3D131EB86W
3D131EB87X
3D131EB87Y
3D131EB91W
3D131EB94W
3D131EC24Y
3D131HA32
3D131HA35
3D131HA42
3D131KA06
3D131LA20
(57)【要約】
【課題】本発明は、偏摩耗を早期に検出可能な、空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の空気入りタイヤは、ブロックの、トレッド端よりもタイヤ幅方向外側の外側壁に、タイヤ径方向内側に同一方向に延びる複数本の浅溝をタイヤ周方向に並べて設け、タイヤ周方向に隣接する前記浅溝同士は、タイヤ径方向内側の終端位置が互いに異なる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド踏面に、タイヤ周方向に延びる1本以上の周方向主溝を有し、前記周方向主溝とトレッド端とにより幅方向最外側陸部が区画され、
前記幅方向最外側陸部は、タイヤ幅方向に延びる複数本の幅方向溝又はタイヤ幅方向に延びる複数本の幅方向サイプにより複数のブロックに区画され、
前記ブロックの、トレッド端よりもタイヤ幅方向外側の外側壁に、タイヤ径方向内側に同一方向に延びる複数本の浅溝をタイヤ周方向に並べて設け、
タイヤ周方向に隣接する前記浅溝同士は、タイヤ径方向内側の終端位置が互いに異なることを特徴とする、空気入りタイヤ。
【請求項2】
全ての前記浅溝は、同一の溝深さを有する、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
一の前記ブロック内において、前記複数本の浅溝は、タイヤ周方向一方側に位置する前記浅溝ほど、タイヤ径方向内側の終端位置がタイヤ径方向外側に位置するように設けられる、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
一の前記ブロック内において、前記複数本の浅溝は、タイヤ周方向一方側に位置する前記浅溝ほど、タイヤ径方向内側の終端位置がタイヤ径方向外側に位置するように配置された部分と、タイヤ周方向他方側に位置する前記浅溝ほど、タイヤ径方向内側の終端位置がタイヤ径方向外側に位置するように配置された部分と、を有するように設けられる、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記ブロックの前記外側壁に、タイヤ周方向に等間隔で延びるサイプをさらに設け、
各前記浅溝は、タイヤ周方向に隣接する前記サイプ間に配置されている、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記複数本の浅溝は、タイヤ周方向に等間隔に配置されている、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項7】
前記複数本の浅溝は、一の前記ブロック内において、タイヤ径方向外側の始点位置が同一である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤ、特にはトラック・バス用タイヤ等の重荷重用タイヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤにおいては、摩耗を検出するためにトレッドウェアインジケータを設けることや、トレッド部に目印を設ける技術(例えば特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-289414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特にブロックパターンを有する重荷重用タイヤにおいては、均一な表面摩耗よりも、不均一に摩耗が進む偏摩耗の影響が大きい。したがって、偏摩耗を早期に検出したいとのニーズが高い。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、偏摩耗を早期に検出することは困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、偏摩耗を早期に検出可能な、空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)トレッド踏面に、タイヤ周方向に延びる1本以上の周方向主溝を有し、前記周方向主溝とトレッド端とにより幅方向最外側陸部が区画され、
前記幅方向最外側陸部は、タイヤ幅方向に延びる複数本の幅方向溝又はタイヤ幅方向に延びる複数本の幅方向サイプにより複数のブロックに区画され、
前記ブロックの、トレッド端よりもタイヤ幅方向外側の外側壁に、タイヤ径方向内側に同一方向に延びる複数本の浅溝をタイヤ周方向に並べて設け、
タイヤ周方向に隣接する前記浅溝同士は、タイヤ径方向内側の終端位置が互いに異なることを特徴とする、空気入りタイヤ。
ここで、「トレッド踏面」とは、空気入りタイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、最大負荷荷重を負荷した際に路面と接することとなるトレッド表面のタイヤ周方向全域にわたる面をいう。「トレッド端」とは、空気入りタイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、最大負荷荷重を負荷した際の接地面のタイヤ幅方向両外側端をいう。
また、「周方向主溝」とは、タイヤ周方向に延びる主溝であって、空気入りタイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした状態(以下、基準状態とも称する)での溝幅(開口幅)が2mm以上のものをいう。「幅方向溝」とは、タイヤ幅方向に延びる溝であって、基準状態における溝幅(開口幅)が2mm以上のものをいう。「幅方向サイプ」とは、タイヤ幅方向に延びる溝であって、基準状態におけるサイプ幅(開口幅)が2mm未満のものをいう。
また、幅方向最外側陸部に関して、「ブロック」とは、幅方向溝又は幅方向サイプにより、陸部がタイヤ周方向に完全に分断されているものをいう。
【0007】
本明細書において、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA(The Tire and Rim Association,Inc.)のYEAR BOOK等に記載されているまたは将来的に記載される、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す(即ち、上記の「リム」には、現行サイズに加えて将来的に上記産業規格に含まれ得るサイズも含む。「将来的に記載されるサイズ」の例としては、ETRTO 2013年度版において「FUTURE DEVELOPMENTS」として記載されているサイズを挙げることができる。)が、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、タイヤのビード幅に対応した幅のリムをいう。また、「規定内圧」とは、上記JATMA等に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)を指し、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、「規定内圧」は、タイヤを装着する車両毎に規定される最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいうものとする。また、「最大負荷荷重」とは、上記最大負荷能力に対応する荷重をいう。
【0008】
(2)全ての前記浅溝は、同一の溝深さを有する、前記(1)に記載の空気入りタイヤ。
ここで、「溝深さ」は、基準状態での溝の最大深さをいう。
【0009】
(3)一の前記ブロック内において、前記複数本の浅溝は、タイヤ周方向一方側に位置する前記浅溝ほど、タイヤ径方向内側の終端位置がタイヤ径方向外側に位置するように設けられる、前記(1)又は(2)に記載の空気入りタイヤ。
【0010】
(4)一の前記ブロック内において、前記複数本の浅溝は、タイヤ周方向一方側に位置する前記浅溝ほど、タイヤ径方向内側の終端位置がタイヤ径方向外側に位置するように配置された部分と、タイヤ周方向他方側に位置する前記浅溝ほど、タイヤ径方向内側の終端位置がタイヤ径方向外側に位置するように配置された部分と、を有するように設けられる、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【0011】
(5)前記ブロックの前記外側壁に、タイヤ周方向に等間隔で延びるサイプをさらに設け、
各前記浅溝は、タイヤ周方向に隣接する前記サイプ間に配置されている、前記(1)~(4)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
ここで、「サイプ」とは、基準状態におけるサイプ幅(開口幅)が2mm未満のものをいう。
【0012】
(6)前記複数本の浅溝は、タイヤ周方向に等間隔に配置されている、前記(1)~(5)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
【0013】
(7)前記複数本の浅溝は、一の前記ブロック内において、タイヤ径方向外側の始点位置が同一である、前記(1)~(6)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、偏摩耗を早期に検出可能な、空気入りタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤのタイヤ幅方向部分断面図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤのトレッド展開図である。
図3図2のブロックの1つの模式的な斜視図である。
図4】本発明の他の実施形態にかかる空気入りタイヤのトレッド展開図である。
図5図4のブロックの1つの模式的な斜視図である。
図6】浅溝の配置の他の例を示す模式的な斜視図である。
図7】浅溝の配置のさらに他の例を示す模式的な斜視図である。
図8】浅溝の配置の別の例を示す模式的な斜視図である。
図9】浅溝の配置のさらに別の例を示す模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に例示説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤのタイヤ幅方向部分断面図である。図1は、基準状態でのタイヤ幅方向断面を示しており、タイヤ赤道面CLを境界とするタイヤ幅方向の一方の半部のみを示しているが、他方の半部についても同様の構成である。本実施形態では、空気入りタイヤ(以下、単にタイヤとも称する)1は、重荷重用タイヤであり、特には、トラック・バス用タイヤである。タイヤの内部構造については、特に限定されないものの、一例としては、図1に示すように、タイヤ1は、一対のビード部2と、ビード部2に連なる一対のサイドウォール部3と、一対のサイドウォール部3間に連なるトレッド部4と、を備えている。
【0018】
図示例では、ビード部2には、ビードコア2aが埋設されている。ビードコア2aのタイヤ径方向外側に、ビードフィラー2bが配置されている。ビードフィラー2bは、この例では、断面略三角形状である。
【0019】
このタイヤ1は、一対のビード部2にトロイダル状に跨る1枚以上のカーカスプライからなるカーカス5をさらに備えている。この例では、カーカス5は、一対のビード部2にトロイダル状に跨るカーカス本体部と、カーカス本体部から延びてビードコア2a周りで折り返されてタイヤ径方向外側に延びるカーカス折り返し部とからなる。
【0020】
この例では、ビードコア2a周りにおいて、カーカス5の外周側にワイヤーチェーファー6が配置されている。
【0021】
カーカス5のクラウン部のタイヤ径方向外側に、1層以上(図示例で4層)のベルト層7a~7dからなるベルト7が配置されている。ベルト層の層数やベルト幅は、様々とすることができ、図示例に限定されるものではない。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤのトレッド展開図である。図2に示すように、このタイヤ1は、トレッド踏面4aに、タイヤ周方向に延びる1本以上(図示例で4本)の周方向主溝8(8a~8d)を有している。周方向主溝8は、特には限定されないが、溝幅(開口幅)を2~15mm、溝深さ(最大深さ)を5~35mmとすることができる。各周方向主溝8は、図示例では、ジグザグ状に延びているが直線状に延びていても良い。周方向主溝8は、タイヤ周方向に延び、又は、タイヤ周方向に対して5°以下の傾斜角度で延びていることが好ましい。
【0023】
周方向主溝8により陸部9が区画形成されている。図示例では、周方向主溝8a(8d)とトレッド端TEとにより幅方向最外側陸部9a(9e)が区画されている。また、幅方向最外側陸部9a(9e)のタイヤ幅方向内側に隣接して、周方向主溝8a、8b間に中間陸部9bが区画され、周方向主溝8c、8d間に中間陸部9dが区画されている。また、タイヤ赤道面CL上で、中間陸部9b、9d間で、周方向主溝8b、8c間に中央陸部9cが区画されている。
【0024】
図示例で、幅方向最外側陸部9a(9e)は、タイヤ幅方向に延びる複数本の幅方向溝10により複数のブロック11に区画されている。特には限定されないが、幅方向溝10の溝幅(開口幅)を2~20mm、溝深さ(最大深さ)を2~30mmとすることができる。また、幅方向溝10は、タイヤ幅方向に延び、又は、タイヤ幅方向に対して1~30°の傾斜角度で延びていることが好ましい。なお、ブロック11は、タイヤ幅方向に延びる複数本の幅方向サイプにより区画されていても良い。
【0025】
図示例で、中間陸部9b(9d)は、タイヤ幅方向に延びる複数本の幅方向サイプ12により複数のブロック13に区画されている。特には限定されないが、幅方向サイプ12のサイプ幅(開口幅)を0.5~2mm、サイプ深さ(最大深さ)を2~35mmとすることができる。また、幅方向サイプ12は、タイヤ幅方向に延び、又は、タイヤ幅方向に対して1~60°の傾斜角度で延びていることが好ましい。なお、ブロック13は、タイヤ幅方向に延びる複数本の幅方向溝により区画されていても良い。
【0026】
図示例で、中央陸部9cは、1本のタイヤ周方向に(本例ではジグザグ状に)延びる周方向細溝14により2つのブロック列15(15a、15b)に区画されている。周方向細溝14は、特には限定されないが、溝幅(開口幅)を1~15mm、溝深さ(最大深さ)を2~35mmとすることができる。各ブロック列15a(15b)は、タイヤ幅方向に延びる複数本の幅方向溝16により複数のブロック17に区画されている。特には限定されないが、幅方向溝16の溝幅(開口幅)を2~20mm、溝深さ(最大深さ)を2~30mmとすることができる。また、幅方向溝16は、タイヤ幅方向に延び、又は、タイヤ幅方向に対して1~60°の傾斜角度で延びていることが好ましい。各ブロック17は、本例では1本の幅方向サイプ18を有し、これにより、ブロック17は、2つのブロック片に区画されている。本明細書においては、中間陸部のタイヤ幅方向内側に位置する中央陸部におけるブロック列については、幅方向溝により(完全に周方向に分断されて)区画される場合のみをブロックとし、ブロックが幅方向サイプにより(完全に周方向に分断されて)区画されたものをブロック片と称する。
【0027】
図3は、図2のブロックの1つの模式的な斜視図である。図2図3に示すように、幅方向最外側陸部9a(9e)に関し、ブロック11の、トレッド端TEよりもタイヤ幅方向外側の外側壁4bに、(図示例ではトレッド端TEから)タイヤ径方向内側に同一方向(外側壁4bの表面に沿って、タイヤ周方向に直交する方向)に延びる複数本(図示例で5本)の浅溝19がタイヤ周方向に並べて設けられている。浅溝19は、溝幅(開口幅)を2~10mm、溝深さ(最大深さ)を0.5~3mmとすることができる。本例では、全ての浅溝19は、同一の溝深さを有している。ただし、浅溝19間で溝深さを異ならせることもできる。
【0028】
図2図3に示すように、タイヤ周方向に隣接する浅溝19同士は、タイヤ径方向内側の終端位置が互いに異なっている。図2図3に示す例では、タイヤ径方向外側の始端位置は全ての浅溝19で揃っており、トレッド端TEの位置である。図2図3に示す例では、一のブロック11内(同一のブロック11内)において、複数本の浅溝19は、タイヤ周方向一方側(図3では図示左側)に位置する浅溝19ほど、タイヤ径方向内側の終端位置がタイヤ径方向外側に位置するように設けられている。これにより、図示例では、複数本の浅溝19は、タイヤ周方向一方側(図3では図示左側)に位置する浅溝19ほど延在長さが短くなっている。
以下、本実施形態の空気入りタイヤの作用効果について説明する。
【0029】
本実施形態の空気入りタイヤ1では、ブロック11の、トレッド端TEよりもタイヤ幅方向外側の外側壁4bに、タイヤ径方向内側に同一方向に延びる複数本の浅溝19がタイヤ周方向に並べて設けられており、タイヤ周方向に隣接する浅溝19同士は、タイヤ径方向内側の終端位置が互いに異なっている。
このため、摩耗進展と共に浅溝19が消失していくことで、例えば残存している浅溝19の本数を数えることにより摩耗の進展を検出することができる。浅溝19が設けられているのは、幅方向最外側陸部9a(9b)の外側壁4bであるため、ユーザーがタイヤ側方から、このことを視認することができ、そのような検出が容易である。また、浅溝19が設けられているのは、幅方向最外側陸部9a(9b)の外側壁4bであるため、両側の幅方向最外側陸部9a、9eが早期に摩耗する偏摩耗であるショルダー摩耗や、タイヤ幅方向一方の幅方向最外側陸部が早期に摩耗する偏摩耗である片減り摩耗といった偏摩耗の早期検出に有効に適用することができる。特に、これらの偏摩耗では、通常、トレッド幅方向外側での摩耗量が大きくなるところ、浅溝19は(内側壁でなく)外側壁4bに設けられているため、早期での偏摩耗の検出に有利である。一方で、浅溝19のタイヤ径方向内側の終端位置を調整する(ある程度タイヤ径方向内側に位置させる)ことで、極早期の偏摩耗を検出してしまわないようにすることもできる。
また、特にトラック・バス用タイヤ等の重荷重用タイヤにおいては、ブロック11の踏み込み側が蹴り出し側対比で摩耗量が大きくなる偏摩耗や、その逆にブロック11の蹴り出し側が踏み込み側対比で摩耗量が大きくなる偏摩耗(ヒール・アンド・トウ摩耗)が生じることも知られている。前者の偏摩耗が特に生じる場合には、タイヤ周方向一方側(図3では図示左側)を踏み込み側とすることにより、そのような前者の偏摩耗を早期に検出することができ、一方で、ヒール・アンド・トウ摩耗が特に生じる場合には、タイヤ周方向一方側(図3では図示左側)を蹴り出し側とすることにより、ヒール・アンド・トウ摩耗を早期に検出することができる。
さらに、このような摩耗検出の目印となる溝を浅溝とすることにより、幅方向最外側陸部9a(9e)の剛性の低下も抑えることができる。
また、例えばタイヤローテーションや交換等のタイミングを、浅溝の消失本数等に応じてユーザーが適宜設定することができる。
【0030】
上記の実施形態のように、全ての浅溝19は、同一の溝深さを有することが好ましい。ブロック11を構成するゴムのもげが発生するのを抑制することができるからである。
【0031】
また、上記の実施形態のように、一のブロック11内において、複数本の浅溝19は、タイヤ周方向一方側に位置する浅溝19ほど、タイヤ径方向内側の終端位置がタイヤ径方向外側に位置するように設けられることが好ましい。上述したように、ブロック11の踏み込み側が蹴り出し側対比で摩耗量が大きくなる偏摩耗に対しては、タイヤ周方向一方側(図3では図示左側)を踏み込み側とし、ヒール・アンド・トウ摩耗に対しては、タイヤ周方向一方側(図3では図示左側)を蹴り出し側とすることにより、偏摩耗を早期に検出することができるからである。
【0032】
図4は、本発明の他の実施形態にかかる空気入りタイヤのトレッド展開図である。図5は、図4のブロックの1つの模式的な斜視図である。図4図5に示すタイヤ1は、複数本の浅溝19が設けられる態様のみが、図2図3に示したタイヤ1と異なっているため、他の部分の再度の説明は省略する。図4図5に示す例では、一のブロック11内(同一のブロック内)において、複数本の浅溝19は、タイヤ周方向一方側に位置する浅溝19ほど、タイヤ径方向内側の終端位置がタイヤ径方向外側に位置するように配置された部分(図5では、図示左側から浅溝3本分の部分)と、タイヤ周方向他方側に位置する浅溝19ほど、タイヤ径方向内側の終端位置がタイヤ径方向外側に位置するように配置された部分(図5では、図示右側から浅溝3本分の部分であり、従って、中央の浅溝1本分については、2つの部分が共有している)と、を有するように設けられている。
この構成によれば、蹴り出し側と踏み込み側とでどちらの摩耗量が大きくなっても、そのような偏摩耗を早期に検出することができる。また、ローテーション後の偏摩耗の検出も有利に行うことができる。
【0033】
ここで、図1図5に示す例では、ブロック11の外側壁に、タイヤ周方向に等間隔で延びるサイプ20がさらに設けられている。そして、各浅溝19は、タイヤ周方向に隣接するサイプ20間に配置されている。図示例では、サイプ20は、トレッド端TEからタイヤ幅方向内側に延びる部分と、ブロック11の、トレッド端TEよりもタイヤ幅方向外側の外側壁4bに、タイヤ径方向内側に同一方向(外側壁4bの表面上に沿った、タイヤ周方向に直交する方向)に延びる部分とを有している。図示例では、サイプ20は、複数本の浅溝19のうち、最もタイヤ径方向内側の終端位置がタイヤ径方向内側に位置するものと同じ位置まで延びているが、サイプ20の終端位置は、様々とすることができる。特には限定されないが、サイプ20のサイプ幅(開口幅)は、0.5~2mmとすることができ、サイプ深さ(最大深さ)は、2~30mmとすることができる。このような構成によれば、ゴムの変形に対してゴムの逃げ場を確保することができ、当該箇所の摩耗を抑制することができる。
【0034】
また、複数本の浅溝19は、タイヤ周方向に等間隔に配置されていることが好ましい。タイヤ周方向の剛性が偏ってしまうのを抑えることができるからである。また、偏摩耗を視認しやすいからである。
【0035】
また、複数本の浅溝19は、一のブロック11内(同一のブロック内)において、タイヤ径方向外側の始点位置が同一であることが好ましい。ブロック11を構成するゴムのもげの発生を抑制することができるからである。
【0036】
幅方向最外側陸部9a(9e)を区画する周方向主溝8a(8d)の溝深さは、3mm以下であることが特に好ましい。また、幅方向最外側陸部9a(9e)を区画する幅方向溝10の溝深さは、3mm以下であることが特に好ましい。このような浅い周方向主溝や幅方向溝を用いた場合には、一般的には、外観上、摩耗の検出が難しくなるが、本開示のように浅溝19を設けることにより、そのような場合にも偏摩耗の早期検出を行うことができるからである。
【0037】
各ブロック11に設ける浅溝19の本数は、3本以上とすることが好ましく、5本以上とすることがさらに好ましい。これにより、例えば浅溝19が消失した本数に応じて、ローテーションや交換のタイミングを判断する際のユーザーによる基準設定の自由度を高めることができるからである。
【0038】
ブロック11は、幅方向外側端部がテーパー処理されていることが好ましい。当該部分の摩耗量を減らして偏摩耗を抑制することができるからである。偏摩耗をより抑制するために、サイプ20は、上記テーパー処理された領域に跨って配置されていることが好ましい。
複数本の浅溝19を設けたブロック11にタイヤ周方向に隣接するブロック11には、複数本の浅溝19は設けられていないことが好ましい。偏摩耗の検出には、全てのブロック11にそのような複数本の浅溝19を設けなくても良く、上記の構成により、幅方向最外側陸部9a(9e)全体としての剛性の低下を抑えることができるからである。また、複数本の浅溝19を設けたブロック11には、他の溝やサイプを設けないことが好ましい。陸部の剛性の低下を抑制することができるからである。
【0039】
図6図9は、浅溝の配置の変形例を示す模式的な斜視図である。図3図5に示した例では、浅溝19とサイプ20とが連通していたが、図6に示すようにタイヤ周方向に間隔を空けて配置することもできる。また、図7に示すように、一のブロック11内(同一のブロック内)において、複数本の浅溝19は、タイヤ周方向一方側に位置する浅溝19ほど、タイヤ径方向内側の終端位置がタイヤ径方向内側に位置するように配置された部分(図7では、図示左側から浅溝3本分の部分)と、タイヤ周方向他方側に位置する浅溝19ほど、タイヤ径方向内側の終端位置がタイヤ径方向内側に位置するように配置された部分(図7では、図示右側から浅溝3本分の部分であり、従って、中央の浅溝1本分については、2つの部分が共有している)と、を有するように設けることもできる。また、図8に示すように、タイヤ径方向外側始端の位置をトレッド端TEよりもタイヤ幅方向外側に位置させることもできる。また、図9に示すように、タイヤ径方向外側始端の位置をトレッド端TEよりもタイヤ幅方向外側に位置させ、且つ、タイヤ周方向一方側に位置する浅溝19ほど、タイヤ径方向内側の終端位置がタイヤ径方向外側に位置するように配置された部分(図9では、図示左側から浅溝3本分の部分)と、タイヤ周方向他方側に位置する浅溝19ほど、タイヤ径方向内側の終端位置がタイヤ径方向外側に位置するように配置された部分(図9では、図示右側から浅溝3本分の部分であり、従って、中央の浅溝1本分については、2つの部分が共有している)と、を有するように設けることもできる。その他、種々の変形・変更が可能である。
【0040】
タイヤは、通信装置100としてのRFタグを備えてよい。RFタグは、ICチップとアンテナとを備える。RFタグは、例えば、タイヤを構成する同種又は異種の複数の部材の間の位置に挟み込まれて配置されてよい。このようにすることで、タイヤ生産時にRFタグを取り付け易く、RFタグを備えるタイヤの生産性を向上させることができる。本例では、RFタグは、例えば、ビードフィラーと、ビードフィラーに隣接するその他の部材と、の間に挟み込まれて配置されてよい。RFタグは、タイヤを構成するいずれかの部材内に埋設されていてもよい。このようにすることで、タイヤを構成する複数の部材の間の位置に挟み込まれて配置される場合と比較して、RFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。本例では、RFタグは、例えば、トレッドゴム、サイドゴム等のゴム部材内に埋設されてよい。RFタグは、タイヤ幅方向断面視でのタイヤ外面に沿う方向であるペリフェリ長さ方向において、剛性の異なる部材の境界となる位置に、配置されないことが好ましい。このようにすることで、RFタグは、剛性段差に基づき歪みが集中し易い位置に、配置されない。そのため、RFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。本例では、RFタグは、例えば、タイヤ幅方向断面視でカーカスの端部と、このカーカスの端部に隣接する部材(例えばサイドゴム等)と、の境界となる位置に配置されないことが好ましい。RFタグの数は特に限定されない。タイヤは、1個のみのRFタグを備えてもよく、2個以上のRFタグを備えてもよい。ここでは、通信装置の一例として、RFタグを例示説明しているが、RFタグとは異なる通信装置であってもよい。
【0041】
RFタグは、例えば、タイヤのトレッド部に配置されてよい。このようにすることで、RFタグは、タイヤのサイドカットにより損傷しない。RFタグは、例えば、タイヤ幅方向において、トレッド中央部に配置されてよい。トレッド中央部は、トレッド部において撓みが集中し難い位置である。このようにすることで、RFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。また、タイヤ幅方向でのタイヤの両外側からのRFタグとの通信性に差が生じることを抑制できる。本例では、RFタグは、例えば、タイヤ幅方向において、タイヤ赤道面を中心としてトレッド幅の1/2の範囲内に配置されてよい。RFタグは、例えば、タイヤ幅方向において、トレッド端部に配置されてもよい。RFタグと通信するリーダーの位置が予め決まっている場合には、RFタグは、例えば、このリーダーに近い一方側のトレッド端部に配置されてよい。本例では、RFタグは、例えば、タイヤ幅方向において、トレッド端を外端とする、トレッド幅の1/4の範囲内に配置されてよい。
【0042】
RFタグは、例えば、ビード部間に跨る、1枚以上のカーカスプライを含むカーカスより、タイヤ内腔側に配置されてよい。このようにすることで、タイヤの外部から加わる衝撃や、サイドカットや釘刺さりなどの損傷に対して、RFタグが損傷し難くなる。一例として、RFタグは、カーカスのタイヤ内腔側の面に密着して配置されてよい。別の一例として、カーカスよりタイヤ内腔側に別の部材がある場合に、RFタグは、例えば、カーカスと、このカーカスよりタイヤ内腔側に位置する別の部材と、の間に配置されてもよい。カーカスよりタイヤ内腔側に位置する別の部材としては、例えば、タイヤ内面を形成するインナーライナーが挙げられる。別の一例として、RFタグは、タイヤ内腔に面するタイヤ内面に取り付けられていてもよい。RFタグが、タイヤ内面に取り付けられる構成とすることで、RFタグのタイヤへの取り付け、及び、RFタグの点検・交換が行い易い。つまり、RFタグの取り付け性及びメンテナンス性を向上させることができる。また、RFタグが、タイヤ内面に取り付けられることで、RFタグをタイヤ内に埋設する構成と比較して、RFタグがタイヤ故障の核となることを防ぐことができる。また、カーカスが、複数枚のカーカスプライを備え、複数枚のカーカスプライが重ねられている位置がある場合に、RFタグは、重ねられているカーカスプライの間に配置されていてもよい。
【0043】
RFタグは、例えば、タイヤのトレッド部で、1枚以上のベルトプライを含むベルトより、タイヤ径方向の外側に配置されてよい。一例として、RFタグは、ベルトに対してタイヤ径方向の外側で、当該ベルトに密着して配置されてよい。また、別の一例として、補強ベルト層を備える場合、当該補強ベルト層に対してタイヤ径方向の外側で、当該補強ベルト層に密着して配置されてよい。また、別の一例として、RFタグは、ベルトよりタイヤ径方向の外側で、トレッドゴム内に埋設されていてもよい。RFタグが、タイヤのトレッド部で、ベルトよりタイヤ径方向の外側に配置されることで、タイヤ径方向でのタイヤの外側からのRFタグとの通信が、ベルトにより阻害され難い。そのため、タイヤ径方向でのタイヤの外側からのRFタグとの通信性を向上させることができる。また、RFタグは、例えば、タイヤのトレッド部で、ベルトよりタイヤ径方向の内側に配置されていてもよい。このようにすることで、RFタグのタイヤ径方向の外側がベルトに覆われるため、RFタグは、トレッド面からの衝撃や釘刺さりなどに対して損傷し難くなる。この一例として、RFタグは、タイヤのトレッド部で、ベルトと、当該ベルトよりタイヤ径方向の内側に位置するカーカスと、の間に配置されてよい。また、ベルトが、複数枚のベルトプライを備える場合に、RFタグは、タイヤのトレッド部で、任意の2枚のベルトプライの間に配置されてよい。このようにすることで、RFタグのタイヤ径方向の外側が1枚以上のベルトプライに覆われるため、RFタグは、トレッド面からの衝撃や釘刺さりなどに対して損傷し難くなる。
【0044】
RFタグは、例えば、クッションゴムと、トレッドゴムとの間やクッションゴムと、サイドゴムと、の間に挟み込まれて配置されてよい。このようにすることで、RFタグへの衝撃を、クッションゴムにより緩和できる。そのため、RFタグの耐久性を向上させることができる。また、RFタグは、例えば、クッションゴム内に埋設されていてもよい。更に、クッションゴムは、隣接する同種又は異種の複数のゴム部材から構成されてよい。かかる場合に、RFタグは、クッションゴムを構成する複数のゴム部材の間に挟み込まれて配置されてもよい。
【0045】
RFタグは、例えば、タイヤのサイドウォール部又はビード部の位置に配置されてよい。RFタグは、例えば、RFタグと通信可能なリーダーに対して近い一方側のサイドウォール部又は一方側のビード部に配置されてよい。このようにすることで、RFタグとリーダーとの通信性を高めることができる。一例として、RFタグは、カーカスと、サイドゴムと、の間やトレッドゴムとサイドゴムと、の間に配置されてよい。RFタグは、例えば、タイヤ径方向において、タイヤ最大幅となる位置と、トレッド面の位置と、の間に配置されてよい。このようにすることで、RFタグがタイヤ最大幅となる位置よりタイヤ径方向の内側に配置される構成と比較して、タイヤ径方向でのタイヤの外側からのRFタグとの通信性を高めることができる。RFタグは、例えば、タイヤ最大幅となる位置よりタイヤ径方向の内側に配置されていてもよい。このようにすることで、RFタグは、剛性の高いビード部近傍に配置される。そのため、RFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。一例として、RFタグは、ビードコアとタイヤ径方向又はタイヤ幅方向で隣接する位置に配置されてよい。ビードコア近傍は歪みが集中し難い。そのため、RFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。特に、RFタグは、タイヤ最大幅となる位置よりタイヤ径方向の内側であって、かつ、ビード部のビードコアよりタイヤ径方向の外側の位置に配置されることが好ましい。このようにすることで、RFタグの耐久性を向上させることができるとともに、RFタグとリーダーとの通信が、ビードコアにより阻害され難く、RFタグの通信性を高めることができる。また、サイドゴムがタイヤ径方向に隣接する同種又は異種の複数のゴム部材から構成されている場合に、RFタグは、サイドゴムを構成する複数のゴム部材の間に挟み込まれて配置されていてもよい。
【0046】
RFタグは、スティフナーと、このスティフナーに隣接する部材と、の間に挟み込まれて配置されてよい。このようにすることで、スティフナーを配置することにより歪みが集中し難くなった位置に、RFタグを配置することができる。そのため、RFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。RFタグは、例えば、スティフナーと、サイドゴムと、の間に挟み込まれて配置されてよい。また、RFタグは、例えば、スティフナーと、カーカスと、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。カーカスのうちスティフナーと共にRFタグを挟み込む部分は、スティフナーに対してタイヤ幅方向の外側に位置してもよく、タイヤ幅方向の内側に位置してもよい。カーカスのうちスティフナーと共にRFタグを挟み込む部分が、スティフナーに対してタイヤ幅方向の外側に位置する場合には、タイヤ幅方向のタイヤの外側からの衝撃や損傷により、RFタグに加わる負荷を、より低減できる。これにより、RFタグの耐久性を、より向上させることができる。スティフナーは、ゴムチェーファーと隣接して配置されている部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグは、スティフナーと、ゴムチェーファーと、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。スティフナーは、タイヤ幅方向の外側でハットゴムに隣接する部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグは、スティフナーと、ハットゴムと、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。スティフナーは、硬さの異なる複数のゴム部材から構成されてよい。かかる場合に、RFタグは、スティフナーを構成する複数のゴム部材の間に挟み込まれて配置されていてもよい。RFタグは、ハットゴムと、このハットゴムに隣接する部材と、の間に挟み込まれて配置されてよい。RFタグは、例えば、ハットゴムと、カーカスプライと、の間に挟み込まれて配置されてよい。このようにすることで、RFタグへの衝撃を、ハットゴムにより緩和できる。そのため、RFタグの耐久性を向上させることができる。
【0047】
RFタグは、例えば、ゴムチェーファーと、サイドゴムと、の間に挟み込まれて配置されてよい。このようにすることで、ゴムチェーファーを配置することにより歪みが集中し難くなった位置に、RFタグを配置することができる。そのため、RFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。RFタグは、例えば、ゴムチェーファーと、カーカスと、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。このようにすることで、リムから加わる衝撃や損傷により、RFタグに加わる負荷を低減できる。そのため、RFタグの耐久性を向上させることができる。
【0048】
RFタグは、ナイロンチェーファーと、このナイロンチェーファーのタイヤ幅方向の外側又は内側で隣接する別の部材と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。このようにすることで、タイヤ変形時に、RFタグの位置が変動し難くなる。そのため、タイヤ変形時にRFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。ナイロンチェーファーは、例えば、タイヤ幅方向外側で、ゴムチェーファーと隣接する部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグは、ナイロンチェーファーと、ゴムチェーファーと、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。ナイロンチェーファーは、例えば、タイヤ幅方向外側で、サイドゴムと隣接する部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグは、ナイロンチェーファーと、サイドゴムと、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。ナイロンチェーファーは、例えば、タイヤ幅方向内側で、スティフナーと隣接する部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグは、ナイロンチェーファーと、スティフナーと、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。また、ナイロンチェーファーは、例えば、タイヤ幅方向内側で、ハットゴムと隣接する部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグは、ナイロンチェーファーと、ハットゴムと、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。更に、ナイロンチェーファーは、例えば、タイヤ幅方向内側で、カーカスと隣接する部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグは、ナイロンチェーファーと、カーカスと、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。更に、ナイロンチェーファーは、例えば、タイヤ幅方向内側で、ワイヤーチェーファーと隣接する部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグは、ナイロンチェーファーと、ワイヤーチェーファーと、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。このように、RFタグは、ナイロンチェーファーと、このナイロンチェーファーのタイヤ幅方向の外側又は内側で隣接する別の部材と、の間に挟み込まれて配置されていてよい。特に、RFタグのタイヤ幅方向外側が、ナイロンチェーファーに覆われることで、タイヤ幅方向でのタイヤの外側からの衝撃や損傷により、RFタグに加わる負荷を、より低減できる。そのため、RFタグの耐久性を、より向上させることができる。
【0049】
RFタグは、ワイヤーチェーファーと、このワイヤーチェーファーのタイヤ幅方向の内側又は外側で隣接する別の部材と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。このようにすることで、タイヤ変形時に、RFタグの位置が変動し難くなる。そのため、タイヤ変形時にRFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。ワイヤーチェーファーがタイヤ幅方向の内側又は外側で隣接する別の部材は、例えば、ゴムチェーファーなどのゴム部材であってよい。また、ワイヤーチェーファーがタイヤ幅方向の内側又は外側で隣接する別の部材は、例えば、カーカスであってもよい。
【0050】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
持続可能な社会の実現に向けて、SDGsが提唱されている。本発明の一実施形態は「No.12_つくる責任、つかう責任」および「No.13_気候変動に具体的な対策を」などに貢献する技術となり得ると考えられる。
【符号の説明】
【0051】
1:空気入りタイヤ、 2:ビード部、 3:サイドウォール部、
4:トレッド部、 5:カーカス、 6:ワイヤーチェーファー、
7:ベルト、 8:周方向主溝、 9:陸部、
10:幅方向溝、 11:ブロック、 12:幅方向サイプ、
13:ブロック、 14:周方向細溝、 15:ブロック列、
16:幅方向溝、 17:ブロック、 18:幅方向サイプ、
19:浅溝、 20:サイプ、 100:通信装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9