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特開2024-173382配送計画装置、配送計画方法、および配送計画プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173382
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】配送計画装置、配送計画方法、および配送計画プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20240101AFI20241205BHJP
   G06Q 10/0631 20230101ALI20241205BHJP
【FI】
G06Q10/08
G06Q10/0631
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091760
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴田 秀哉
(72)【発明者】
【氏名】新井 士人
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L010AA16
5L049AA06
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】複数配送員による迅速な中継配送を実現するための貨物の配送計画を作成することを目的とする。
【解決手段】配送計画装置100は、依頼受信部101と計画作成部102と通知部103を備える。依頼受信部101は、貨物データと貨物の配送区間を示す区間データとを含む案件データ10を受信する。計画作成部102は、各配送員について稼働可能日時と稼働可能地域とが設定された配送員データ20と案件データ10とに基づいて、配送区間に含まれる個別区間ごとに、配送員と作業開始可能時刻と配送期限時刻とを含む配送計画を作成する。通知部103は、各個別区間に対応する配送員に作業開始可能時刻と配送期限時刻とを通知する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送対象となる貨物の属性を示す貨物データと前記貨物の配送区間を示す区間データとを含む案件データを受信する依頼受信部と、
配送を担当する配送員の一覧の各配送員について配送作業が可能な日時情報である稼働可能日時と配送作業が可能な地域情報である稼働可能地域とが設定された配送員データと、前記案件データとに基づいて、前記配送区間に含まれる複数の個別区間の個別区間ごとに、配送員と作業開始可能時刻と配送期限時刻とを含む配送計画を作成する計画作成部と、
前記個別区間に対応する配送員に、前記個別区間に対応する前記配送計画に含まれる作業開始可能時刻と配送期限時刻とを通知する通知部と
を備える配送計画装置。
【請求項2】
前記計画作成部は、
配送に利用する公共交通機関の情報を含む交通データに基づいて、個別区間ごとに、利用する交通機関と経路を示す経路情報と、乗車する便の候補である乗車候補とを決定して前記配送計画に含め、
前記通知部は、
前記個別区間に対応する配送員に、前記経路情報と前記乗車候補とを通知する請求項1に記載の配送計画装置。
【請求項3】
前記配送計画装置は、
配送員の配送実績を受信する実績受信部と、
配送員が行った配送作業に応じて報酬の基準額を決定するための報酬データと、前記配送実績に基づいて、配送員ごとの報酬を決定する報酬決定部と
を備える請求項1または請求項2に記載の配送計画装置。
【請求項4】
前記報酬決定部は、
前記配送期限時刻に対する遅延度合いに応じて、当該配送員の報酬を減額する請求項3に記載の配送計画装置。
【請求項5】
前記報酬決定部は、
前の個別区間を担当する配送員の遅延により、作業可能開始時刻を過ぎても貨物が到着していない場合に、配送をキャンセルせずに引き受けることで、当該配送員の報酬を増額する請求項3に記載の配送計画装置。
【請求項6】
前記報酬決定部は、
前の個別区間を担当する配送員の遅延を挽回した場合に、当該配送員の報酬を増額する請求項3に記載の配送計画装置。
【請求項7】
コンピュータが、配送対象となる貨物の属性を示す貨物データと前記貨物の配送区間を示す区間データとを含む案件データを受信し、
コンピュータが、配送を担当する配送員の一覧の各配送員について配送作業が可能な日時情報である稼働可能日時と配送作業が可能な地域情報である稼働可能地域とが設定された配送員データと、前記案件データとに基づいて、前記配送区間に含まれる複数の個別区間の個別区間ごとに、配送員と作業開始可能時刻と配送期限時刻とを含む配送計画を作成し、
コンピュータが、前記個別区間に対応する配送員に、前記個別区間に対応する前記配送計画に含まれる作業開始可能時刻と配送期限時刻とを通知する配送計画方法。
【請求項8】
配送対象となる貨物の属性を示す貨物データと前記貨物の配送区間を示す区間データとを含む案件データを受信する依頼受信処理と、
配送を担当する配送員の一覧の各配送員について配送作業が可能な日時情報である稼働可能日時と配送作業が可能な地域情報である稼働可能地域とが設定された配送員データと、前記案件データとに基づいて、前記配送区間に含まれる複数の個別区間の個別区間ごとに、配送員と作業開始可能時刻と配送期限時刻とを含む配送計画を作成する計画作成処理と、
前記個別区間に対応する配送員に、前記個別区間に対応する前記配送計画に含まれる作業開始可能時刻と配送期限時刻とを通知する通知処理と
をコンピュータに実行させる配送計画プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配送計画装置、配送計画方法、および配送計画プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子商取引の需要増加に伴い、物流業界における貨物の取扱い件数は増加傾向にあり、配送員の人手不足が課題となっている。このため、物流業者以外の人的資源を配送員として広く活用しようとする機運がある。他方で、働き方の多様化に伴い、遠隔地勤務あるいは遠隔会議が定着してきたことにより、公共交通機関の需要は減少傾向にある。このことから、旅客鉄道といった公共交通機関を活用した貨物の配送サービスが注目を浴びつつある。これは、公共交通機関の空きスペースに貨物を搭載し配送するもので、貨客混載と呼ばれる。
【0003】
特許文献1および特許文献2では、公共交通機関を活用した貨物配送サービスの実現手段を開示している。これらの文献では、物流業者ではない人的資源を広く募集し活用することで、配送員不足の課題に対応可能であることを示唆している。また、複数の配送員が、鉄道の駅に設置されたロッカーなどを中継地点として中継配送することを許容することで、1人当たりの配送請負区間を短縮し、配送員が気軽に配送を請け負えるよう工夫している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-003778号公報
【特許文献2】特開2018-200588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1および特許文献2の方法では、貨物の配送計画を立案する際に、納期が考慮されておらず、迅速な配送が担保されないという課題がある。具体的には、ある配送員の作業が完了すると次の配送員が作業を開始するというように、配送完了実績に基づいて次の作業が開始される。個々の配送員に対する作業納期が設定されないため、配送の全工程を早期に完了することが保証されない。
また、特許文献1および特許文献2の方法は、個々の配送員に対して、配送作業を迅速化させる動機付けを行わない。この点もまた、迅速な配送が保証されない要因である。
【0006】
本開示では、複数配送員による迅速な中継配送を実現するための貨物の配送計画を作成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る配送計画装置は、
配送対象となる貨物の属性を示す貨物データと前記貨物の配送区間を示す区間データとを含む案件データを受信する依頼受信部と、
配送を担当する配送員の一覧の各配送員について配送作業が可能な日時情報である稼働可能日時と配送作業が可能な地域情報である稼働可能地域とが設定された配送員データと、前記案件データとに基づいて、前記配送区間に含まれる複数の個別区間の個別区間ごとに、配送員と作業開始可能時刻と配送期限時刻とを含む配送計画を作成する計画作成部と、
前記個別区間に対応する配送員に、前記個別区間に対応する前記配送計画に含まれる作業開始可能時刻と配送期限時刻とを通知する通知部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る配送計画装置では、複数配送員による迅速な中継配送を実現するための貨物の配送計画を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る配送計画システムの全体構成例を示す図。
図2】実施の形態1に係る配送計画装置の構成例を示す図。
図3】実施の形態1に係る依頼受信処理の動作例を示す図。
図4】実施の形態1に係る計画作成処理の動作例を示す図。
図5】実施の形態1に係る計画作成処理の詳細動作例を示す図。
図6】実施の形態1に係る実績受信処理の動作例を示す図。
図7】実施の形態1に係る報酬決定処理の動作例を示す図。
図8】実施の形態1の変形例に係る配送計画装置の構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について、図を用いて説明する。各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。図中の矢印はデータの流れまたは処理の流れを主に示している。
【0011】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係る配送計画システム500の全体構成例を示す図である。
配送計画システム500は、配送計画装置100と、依頼者端末200と、配送員端末300とを備える。
配送計画装置100は、コンピュータで動作するプログラムによって実現される装置である。配送計画装置100は、依頼者端末200から、案件データ10を入力情報として受信する。そして、配送計画装置100は、配送計画を立案し、配送員端末300へ、経路情報61、時刻情報62、乗車候補63を出力する。また、配送計画装置100は、配送員端末300から配送実績50を受け取る。
案件データ10は、区間データ11と貨物データ12を含む。
配送実績50は、到達地点51と到達時刻52を含む。
【0012】
依頼者端末200は、配送依頼者が操作する端末装置である。例えば、PC、タブレット、およびスマートフォンといった装置である。PCは、Personal Computerの略語である。依頼者端末200は、依頼者が保有する専有端末でも良いし、複数の依頼者が利用可能な共有端末であっても良い。
【0013】
配送員端末300は、配送員が操作する端末装置である。例えば、タブレット、およびスマートフォンといった、配送員が配送時に携行可能なものを想定する。
【0014】
図2は、本実施の形態に係る配送計画装置100の構成例を示す図である。
配送計画装置100は、コンピュータである。配送計画装置100は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0015】
配送計画装置100は、機能要素として、依頼受信部101と計画作成部102と通知部103と実績受信部104と報酬決定部105と記憶部106とを備える。記憶部106には、案件データ10と配送員データ20と交通データ30と報酬データ40と配送実績50が記憶される。
【0016】
依頼受信部101と計画作成部102と通知部103と実績受信部104と報酬決定部105との機能は、ソフトウェアにより実現される。記憶部106は、メモリ921に備えられる。なお、記憶部160は、補助記憶装置922に備えられていてもよいし、メモリ921と補助記憶装置922に分散して備えられていてもよい。
【0017】
プロセッサ910は、配送計画プログラムを実行する装置である。配送計画プログラムは、依頼受信部101と計画作成部102と通知部103と実績受信部104と報酬決定部105との機能を実現するプログラムである。
プロセッサ910は、演算処理を行うICである。プロセッサ910の具体例は、CPU、DSP、GPUである。ICは、Integrated Circuitの略語である。CPUは、Central Processing Unitの略語である。DSPは、Digital Signal Processorの略語である。GPUは、Graphics Processing Unitの略語である。
【0018】
メモリ921は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ921の具体例は、SRAM、あるいはDRAMである。SRAMは、Static Random Access Memoryの略語である。DRAMは、Dynamic Random Access Memoryの略語である。
補助記憶装置922は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置922の具体例は、HDDである。また、補助記憶装置922は、SD(登録商標)メモリカード、CF、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVDといった可搬の記憶媒体であってもよい。なお、HDDは、Hard Disk Driveの略語である。SD(登録商標)は、Secure Digitalの略語である。CFは、CompactFlash(登録商標)の略語である。DVDは、Digital Versatile Diskの略語である。
【0019】
入力インタフェース930は、マウス、キーボード、あるいはタッチパネルといった入力装置と接続されるポートである。入力インタフェース930は、具体的には、USB端子である。なお、入力インタフェース930は、LANと接続されるポートであってもよい。USBは、Universal Serial Busの略語である。LANは、Local Area Networkの略語である。図2では、1つの入力インタフェース930が記載されているが、複数の入力インタフェース930が存在してもよい。
【0020】
出力インタフェース940は、ディスプレイといった出力機器のケーブルが接続されるポートである。出力インタフェース940は、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCDである。出力インタフェース940は、表示器インタフェースともいう。HDMI(登録商標)は、High Definition Multimedia Interfaceの略語である。LCDは、Liquid Crystal Displayの略語である。図2では、1つの出力インタフェース940が記載されているが、複数の出力インタフェース940が存在してもよい。
【0021】
通信装置950は、レシーバとトランスミッタを有する。通信装置950は、LAN、インターネット、電話回線、あるいはWi-Fi(登録商標)といった通信網に接続している。通信装置950は、具体的には、通信チップまたはNICである。NICは、Network Interface Cardの略語である。
【0022】
配送計画プログラムは、配送計画装置100において実行される。配送計画プログラムは、プロセッサ910に読み込まれ、プロセッサ910によって実行される。メモリ921には、配送計画プログラムだけでなく、OSも記憶されている。OSは、Operating Systemの略語である。プロセッサ910は、OSを実行しながら、配送計画プログラムを実行する。配送計画プログラムおよびOSは、補助記憶装置922に記憶されていてもよい。補助記憶装置922に記憶されている配送計画プログラムおよびOSは、メモリ921にロードされ、プロセッサ910によって実行される。なお、配送計画プログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
【0023】
配送計画装置100は、プロセッサ910を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、配送計画プログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、プロセッサ910と同じように、配送計画プログラムを実行する装置である。
【0024】
配送計画プログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ921、補助記憶装置922、または、プロセッサ910内のレジスタあるいはキャッシュメモリに記憶される。
【0025】
依頼受信部101と計画作成部102と通知部103と実績受信部104と報酬決定部105との各部の「部」を「回路」、「工程」、「手順」、「処理」、あるいは「サーキットリー」に読み替えてもよい。配送計画プログラムは、依頼受信処理と計画作成処理と通知処理と実績受信処理と報酬決定処理を、コンピュータに実行させる。依頼受信処理と計画作成処理と通知処理と実績受信処理と報酬決定処理の「処理」を「プログラム」、「プログラムプロダクト」、「プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体」、または「プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体」に読み替えてもよい。また、配送計画方法は、配送計画装置100が配送計画プログラムを実行することにより行われる方法である。
配送計画プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に格納されて提供されてもよい。また、配送計画プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0026】
次に各機能要素の機能について説明する。
依頼受信部101は、依頼者端末200から、配送依頼として案件データ10を受け取り、記憶部106へ記憶する。
計画作成部102は、記憶部106に記憶されている各種データを利用して、配送計画を立案する。配送計画には、配送を担当する配送員と、その担当区間の情報が含まれる。具体的な配送計画の内容と、計画立案方法については後述する。
【0027】
通知部103は、計画作成部102が作成した配送計画に基づき、配送を担当する配送員が携行する配送員端末300に、配送に必要な情報を通知する。配送に必要な情報とは、経路情報61、時刻情報62、および乗車候補63といった情報である。通知内容の詳細については後述する。
実績受信部104は、配送員端末300より送信される配送員の配送実績50を受け取り、記憶部106へ記憶する。
報酬決定部105は、記憶部106に格納された各種データを利用して、各配送員が受け取る報酬を決定する。具体的な決定方法については後述する。
【0028】
記憶部106は、案件データ10、配送員データ20、交通データ30、報酬データ40、および配送実績50を含むデータを記憶する。なお、記憶部106については、必ずしも配送計画装置100と同一の場所に設置する必要は無く、クラウドといった装置に記憶部106を設置し、他の装置と通信する形式で実現してもよい。
【0029】
案件データ10は、配送案件に関する情報である。案件データ10は、当該配送案件の配送出発地点と配送目的地点から成る区間データ11、および当該配送案件で配送対象となる貨物の属性である重量および容積を示す貨物データ12を含む。
【0030】
配送員データ20は、配送を担当可能な配送員に関する情報である。配送員データ20は、各配送員について、当該配送員が配送作業可能である日時情報を示した稼働可能日時21、および配送作業可能な地域情報を示した稼働可能地域22を含む。稼働可能日時21の一例として、各日に対して1時間単位で空き情報を登録しておく形式がある。別の例として、配送員端末300上にインストールされた専用アプリケーションを通じて、当該配送員が現在時刻において配送請負可能な状態であることを示す形式でも良い。稼働可能地域22の一例として、特定の鉄道駅の区間情報を登録しておき、その区間内であれば配送可能とするような形式がある。別の例として、都道府県、市区町村単位など住所に基づき配送可能な地域を指定する形式でも良い。
【0031】
交通データ30は、配送に利用できる公共交通機関に関する情報である。交通データ30は、交通機関データ31、経路データ32、および時刻表データ33を含む。交通機関データ31は、鉄道やバスの路線といった、配送に利用する可能性のある交通機関を特定する情報であり、配送計画立案時には、これらの交通機関を利用した計画を立てる。経路データ32は、各交通機関の運行経路に関する情報である。例えば、鉄道の場合は、路線上の駅情報が一方の終着駅から他方の終着駅まで、順序を持った情報として記録される。同様に、バスの場合はバス停の情報、航空機や船舶の場合は各経路の出発地、到着地の情報に加え、中継地が存在する場合は中継地の情報が含まれる。時刻表データ33は、各交通機関がいつどの地点を中継するかを特定可能な情報である。具体的には、各便、各地点での出発時刻と到着時刻が含まれる。
【0032】
報酬データ40は、配送員が請け負った配送作業に応じ、報酬の基準額を決定するため情報である。報酬データ40に基づき、配送区間と配送日時に応じて、報酬の基準額が決定可能であるものとする。ただし、実際の報酬は、報酬決定部105によって決定される。
配送実績50は、配送員の配送状況を示したデータであり、各配送員について、到達地点51と当該到達地点への到達時刻52が含まれる。
【0033】
***動作の説明***
次に、図3から図7を用いて本実施の形態に係る配送計画装置100の動作について説明する。配送計画装置100の動作手順は、配送計画方法に相当する。また、配送計画装置100の動作を実現するプログラムは、配送計画プログラムに相当する。
【0034】
図3は、本実施の形態に係る依頼受信処理の動作例を示す図である。
図4および図5は、本実施の形態に係る計画作成処理の動作例を示す図である。
図6は、本実施の形態に係る実績受信処理の動作例を示す図である。
図7は、本実施の形態に係る報酬決定処理の動作例を示す図である。
【0035】
<依頼受信処理>
図3に示すように、依頼受信処理はステップS101、ステップS102、およびステップS103から成る。依頼受信処理は、配送依頼者からの依頼がある度に作動する。
依頼受信処理では、依頼受信部101は、配送対象となる貨物の属性を示す貨物データ12と、貨物の配送区間を示す区間データ11とを含む案件データ10を受信する。
具体的には、以下の通りである。
【0036】
ステップS101において、配送を依頼する配送依頼者が、依頼者端末200を通して、配送計画装置100に配送を依頼する。配送依頼者は、依頼時に案件データ10を入力し、配送出発地点に配送対象の貨物を設置する。ステップS102へ進む。
具体的には、以下の通りである。
【0037】
配送出発地点として、例えば、駅のロッカーを指定する場合は、配送依頼者がロッカーまで貨物を運搬し、ロッカーに貨物を格納する。ロッカーのセキュリティに関しては、例えば、暗証番号形式の鍵をロッカーに設置しておき、配送依頼者に依頼時に暗証番号を設定させる。そして、配送者が暗証番号を参照してロッカーを開錠するといった仕組みなど、任意の技術を利用することができる。ロッカーに簡易な端末を設置しておき、これが依頼者端末200と開錠装置を兼ねるような形式であっても良い。
配送出発地点はまた、駅のロッカー以外の任意の地点でも良い。この場合、配送依頼者が当該地点まで貨物を事前に運んでおき、配送者に引き渡せるようにしておく。例えば、配送出発地点を依頼者の自宅に設定し、配送者に直接貨物を受け渡すことができる。他の例として、貨物の一時預かりと引き渡しのサービスを取り扱う特定の店舗を配送出発地点として指定する方法がある。
【0038】
ステップS102において、依頼受信部101は、案件データ10を受け付ける。ステップS103へ進む。
上述のように、案件データ10は、当該配送案件の配送出発地点と配送目的地点から成る区間データ11、および当該配送案件で配送対象となる貨物の重量および容積を示す貨物データ12を含む。
【0039】
ステップS103において、依頼受信部101は、案件データ10を記憶部106に記憶する。記憶する際には、案件データ10に、未処理であることが識別可能な情報、および依頼の受付時刻を付加する。
【0040】
<計画作成処理>
図4に示すように、計画作成処理は、ステップS201、ステップS202、ステップS203、ステップS204、およびステップS205から成る。配送計画作成処理は、1日周期あるいは1時間周期など、予め設定された周期で定期的に動作する。あるいは、配送計画の作成担当者が人手で指定した任意のタイミングで動作させても良い。
【0041】
計画作成処理では、計画作成部102は、配送員データ20と案件データ10とに基づいて、配送区間に含まれる複数の個別区間の個別区間ごとに、配送員と作業開始可能時刻と配送期限時刻とを含む配送計画を作成する。
配送員データ20には、配送を担当する配送員の一覧の各配送員について配送作業が可能な日時情報である稼働可能日時21と、配送作業が可能な地域情報である稼働可能地域22とが設定されている。
また、計画作成部102は、配送に利用する公共交通機関の情報を含む交通データ30に基づいて、個別区間ごとに利用する交通機関と乗車候補の便とを決定して配送計画に含める。
【0042】
配送計画には、個別区間を担当する配送員の情報である配送員情報60と、個別区間の配送に利用する交通機関と経路を示す経路情報61が含まれる。また、配送計画には、個別区間における配送期限時刻と作業可能開始時刻を示す時刻情報62と、個別区間に乗車すべき交通機関の便の候補である乗車候補63が含まれる。
具体的には、以下の通りである。
【0043】
ステップS201において、計画作成部102は、記憶部106より、未処理の案件データ10を取得する。ステップS202へ進む。
計画作成部102は、未処理の案件データ10を取得する際、全ての未処理案件を取得しても良いし、何らかの方法で取得する案件数を制限しても良い。例えば、取得件数に上限を定め、依頼時刻が早い順に未処理案件を取得しても良い。他の例として、10時台に依頼された案件を対象とするなど、案件が依頼された時間帯によって取得する案件を制限しても良い。
【0044】
ステップS202において、計画作成部102は、記憶部106に記録された配送員データ20のうち、稼働可能日時21を参照し、配送計画を実行する予定の時間帯に配送可能な配送員を取得する。ステップS203に進む。
上述のように、配送員データ20は、各配送員について、当該配送員が配送作業可能である日時情報を示した稼働可能日時21、および配送作業可能な地域情報を示した稼働可能地域22を含む。
【0045】
ステップS203において、計画作成部102は、ステップS201で取得した未処理の案件データ、ステップS202で取得した配送員、および記憶部106の交通データ30に基づき、配送計画を作成する。配送計画は、案件データ、すなわち案件ごとに作成される。本ステップで配送計画が作成された案件については、ステップS103で付加された未処理の識別情報を削除する。ステップS204に進む。
具体的には、以下の通りである。
【0046】
ステップS203で作成する配送計画の詳細を説明する。
配送計画は、1つの案件につき、経路情報61、時刻情報62、乗車候補63、および配送員情報60を含む。
【0047】
経路情報61は、当該案件の配送出発地点と配送目的地点の間を結ぶ配送経路に含まれる複数の個別区間に関する情報である。当該案件の配送出発地点と配送目的地点の間を結ぶ配送経路は、複数の個別区間から構成される。経路情報61には、各個別区間についてどの交通機関を利用するかの情報が含まれる。例えば、配送出発地点が駅A、配送目的地点が駅Bの場合、駅Aから中継駅Cまでの個別区間を鉄道路線1で移動し、中継駅Cから駅Bまでの個別区間を鉄道路線2で移動するという情報が経路情報61に含まれる。
【0048】
時刻情報62は、配送経路を構成する個別区間ごとの、配送期限時刻と作業可能開始時刻を含む情報である。配送期限時刻とは、その時刻までに当該個別区間の配送を完了しなければならない時刻の上限である。この時刻を過ぎると、担当配送員はペナルティとして報酬が下方修正される。報酬決定の詳細は後述する。作業可能開始時刻とは、当該個別区間の出発地点に貨物が到着していることを保証する時刻の下限である。複数の配送員が当該案件を担当する場合、前の個別区間を担当する配送員の配送が完了するまで、次の配送員は配送作業を開始できない。作業可能開始時刻は、このような場合に後続の配送員がいつ配送作業準備を開始して良いかを事前判断可能とすることを意図したものである。ある個別区間の配送期限時刻は、次の個別区間の作業可能開始時刻以前でなければならない。両者は同一時刻であっても良いし、中継時間に余裕を持たせることを考慮して、差を付けて設定しても良い。
【0049】
乗車候補63は、交通機関を利用する際に、どの時刻発の便に乗車すれば良いかを示した情報である。乗車候補63に示された交通機関を利用した場合、配送期限時刻に確実に間に合うことを前提として、乗車候補63を決定する。1つの区間につき、候補は複数あっても良い。
【0050】
<<配送計画の作成の詳細>>
ステップS203の詳細を、図5を用いて説明する。ステップS203は、ステップS2031、ステップS2032、およびステップS2033に細分される。
【0051】
ステップS2031では、案件ごとに経路情報61を決定する。本ステップは、例えば通常の経路検索サービスを利用することで実現可能である。この際、経路検索サービスは、交通データ30を入力とし、交通データ30に含まれる交通機関のみを対象として経路検索を実行する。本ステップにより、各案件は複数の個別区間に分割される。ステップS2032に進む。
【0052】
ステップS2032では、ステップS2031で決定した各案件の個別区間ごとに、時刻情報62、および乗車候補63を決定する。本ステップの実現方法として、ステップS2031同様に、通常の経路検索サービスの結果を利用しても良い。あるいは、連続する区間と区間の中継時間に余裕を持たせる場合は、考慮したい中継時間の分だけ、個別区間ごとに出発時刻を遅らせ、再検索を実施することで、中継時間を考慮した時刻情報62、および乗車候補63を決定可能である。ステップS2033に進む。
【0053】
ステップS2033では、各個別区間を担当する配送員を決定する。配送員は、稼働可能地域22に示された地域が当該個別区間を含むような配送員を選定する。稼働可能地域22が連続した複数の個別区間を包含する場合には、当該連続した複数の個別区間を1人の配送員が担当しても良い。個別区間を担当可能な配送員が複数人存在する場合は、適当な優先度に従って配送員を決定する。例えば、稼働可能地域22が狭いほど、他の個別区間を担当できる可能性が低いので、そのような配送員を優先する。別の例として、連続した複数の個別区間をできるだけ多く担当できる配送員を優先する。後者の例では、少ない人数で案件を担当させることができるため、他の案件に割り当てられる配送員に余裕を持たせることができる。
【0054】
配送員不足などの原因により、全ての個別区間に配送員を割り当てることができなかった場合は例外処理を実行する。例外処理の例として、配送員が割り当てられなかった個別区間を含む案件を配送計画に含めず、未処理案件のままとし、次回の配送計画に繰り越す方法がある。別の例として、ステップS2033を再実行する方法がある。この際、配送員を選択する際の優先度を別の指標に取り換えたり、配送員を決定する個別区間の順序を変更したりするなどし、前回と違った結果を得られるようにする。一定回数の再実行を経てもなお、全ての個別区間に配送員を割り当てることができない場合は、配送員が割り当てられなかった個別区間を含む案件を配送計画に含めず未処理案件のままとし、次回の配送計画に繰り越す。
以上でステップS203の説明を終了する。
【0055】
図4の説明に戻る。
通知部103は、各個別区間に対応する配送員に、当該個別区間に対応する配送計画に含まれる作業開始可能時刻と配送期限時刻とを通知する。さらに、通知部103は、当該個別区間に対応する配送計画に含まれる経路情報61と乗車候補63とを通知する。
具体的には、以下の通りである。
【0056】
ステップS204において、通知部103は、ステップS203で作成した配送計画に基づき、配送を担当する配送員が携行する配送員端末300に、当該配送員が担当する個別区間における経路情報61、時刻情報62、および乗車候補63を通知する。ステップS205に進む。
【0057】
ステップS205では、配送情報を受け取った配送員が当該配送を請け負うか否かを、配送員端末300を通じて配送計画装置に送信する。ここで、請負を拒否された場合、あるいは一定時間返信が無かった区間については、ステップS203に戻り、未決定の個別区間について計画を再作成する。全ての個別区間について配送員が決定すれば、処理を終了する。
【0058】
<実績受信処理>
次に、図6を用いて、実績受信処理の動作を説明する。
図6に示すように、配送実績を受信する実績受信処理は、ステップS301、およびステップS302から成る。実績受信処理は、配送員が配送実績を送信する度に作動する。
実績受信処理では、実績受信部104は配送員の配送実績を受信する。
具体的には、以下の通りである。
【0059】
ステップS301において、配送を担当する配送員が、配送員端末300を通して、配送計画装置100に配送実績50を送信する。配送実績50の送信は、ある個別区間の配送が完了した際に実行する。また、鉄道の遅延など不慮の要因で配送が遅延する場合など、配送員が、連絡が必要と判断した状況において、適宜、配送実績50の送信が可能である。ステップS302へ進む。
【0060】
ステップS302において、実績受信部104は配送実績50を受信し、記憶部106に記憶する。
【0061】
<報酬決定処理>
次に、図7を用いて、報酬決定処理の動作を説明する。
図7に示すように、報酬決定処理はステップS401、およびステップS402から成る。報酬決定処理は、ある配送員の配送完了後に、当該配送員の報酬を決定する処理として実行される。
【0062】
報酬決定処理では、報酬決定部105は、報酬データ40と配送実績とに基づいて、配送員ごとの報酬を決定する。報酬データ40は、配送員が行った配送作業に応じて報酬の基準額を決定するためのデータである。
例えば、報酬決定部105は、配送期限時刻に対する遅延度合いに応じて、当該配送員の報酬を減額する。
例えば、報酬決定部105は、前の個別区間を担当する配送員の遅延により、作業可能開始時刻を過ぎても貨物が到着していない場合に、配送をキャンセルせずに引き受けることで、当該配送員の報酬を増額してもよい。
例えば、報酬決定部105は、前の個別区間を担当する配送員の遅延を挽回した場合に、当該配送員の報酬を増額してもよい。
具体的には、以下の通りである。
【0063】
ステップS401では、報酬決定部105は、配送員の担当区間、および配送日時の情報に基づき、報酬データ40を参照して、当該配送員の報酬基準額を決定する。ステップS402に進む。
【0064】
ステップS402では、報酬決定部105は、配送員の配送実績に応じて、報酬基準額からの差分額を決定する。差分額の決定方法について、幾つかの例を挙げる。配送員が配送期限時刻を超過した場合には、超過度合いに応じて報酬を減額する。ただし、配送員が乗車候補63で指定された便に乗車していたにも関わらず、交通機関側の事情で遅延が発生した場合など、不慮の遅延の場合には、報酬は減額されない。配送を一度請け負った配送員が、配送をキャンセルした場合、当該配送員には報酬を支払わず、逆にペナルティの料金を徴収する。ただし、事前に通知した作業可能開始時刻までに、前の配送員の作業が完了していなかった場合は、配送をキャンセルしてもペナルティは発生しない。このような場合に、配送をキャンセルせずに配送を請け負った場合、報酬を増額する。前の配送員の遅延を挽回できた場合には、さらに報酬を増額する。
【0065】
***本実施の形態の効果の説明***
以上のように、本実施の形態に係る配送計画装置100では、公共交通機関を活用した配送を実施する配送計画において、納期に関する情報を配送計画に盛り込むとともに、配送計画を配送員に遵守させる動機となる報酬を決定する方式を備える。これにより、公共交通機関を活用した複数配送員による迅速な中継配送を実現することができる。
【0066】
本実施の形態に係る配送計画装置100では、計画作成部と通知部により、配送を担当する配送員に対して、時刻情報、および乗車候補を含む配送計画を提示可能となる。このため、迅速な配送の実現可能性を高めることができる。また、実績受信部と報酬決定部により、配送員の配送実績に応じて報酬を増減させることで、配送員に時刻情報を遵守させる動機を与えることができる。また、各配送員は、自律的に迅速な配送を達成するよう稼働するようになることが期待される。
【0067】
***他の構成***
本実施の形態では、依頼受信部101と計画作成部102と通知部103と実績受信部104と報酬決定部105との機能がソフトウェアで実現される。変形例として、依頼受信部101と計画作成部102と通知部103と実績受信部104と報酬決定部105との機能がハードウェアで実現されてもよい。
具体的には、配送計画装置100は、プロセッサ910に替えて電子回路909を備える。
【0068】
図8は、本実施の形態の変形例に係る配送計画装置100の構成を示す図である。
電子回路909は、依頼受信部101と計画作成部102と通知部103と実績受信部104と報酬決定部105との機能を実現する専用の電子回路である。電子回路909は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略語である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略語である。
【0069】
依頼受信部101と計画作成部102と通知部103と実績受信部104と報酬決定部105との機能は、1つの電子回路で実現されてもよいし、複数の電子回路に分散して実現されてもよい。
【0070】
別の変形例として、依頼受信部101と計画作成部102と通知部103と実績受信部104と報酬決定部105との一部の機能が電子回路で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。また、依頼受信部101と計画作成部102と通知部103と実績受信部104と報酬決定部105との一部またはすべての機能がファームウェアで実現されてもよい。
【0071】
プロセッサと電子回路の各々は、プロセッシングサーキットリとも呼ばれる。つまり、依頼受信部101と計画作成部102と通知部103と実績受信部104と報酬決定部105との機能は、プロセッシングサーキットリにより実現される。
【0072】
以上の実施の形態1では、配送計画装置の各部を独立した機能ブロックとして説明した。しかし、配送計画装置の構成は、上述した実施の形態のような構成でなくてもよい。配送計画装置の機能ブロックは、上述した実施の形態で説明した機能を実現することができれば、どのような構成でもよい。また、配送計画装置は、1つの装置でなく、複数の装置から構成されたシステムでもよい。
また、実施の形態1のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、この実施の形態のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、この実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
すなわち、実施の形態1では、実施の形態の部分の自由な組み合わせ、あるいは実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【0073】
なお、上述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本開示の範囲、本開示の適用物の範囲、および本開示の用途の範囲を制限することを意図するものではない。上述した実施の形態は、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、フロー図あるいはシーケンス図を用いて説明した手順は、適宜に変更してもよい。
【0074】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0075】
(付記1)
配送対象となる貨物の属性を示す貨物データと前記貨物の配送区間を示す区間データとを含む案件データを受信する依頼受信部と、
配送を担当する配送員の一覧の各配送員について配送作業が可能な日時情報である稼働可能日時と配送作業が可能な地域情報である稼働可能地域とが設定された配送員データと、前記案件データとに基づいて、前記配送区間に含まれる複数の個別区間の個別区間ごとに、配送員と作業開始可能時刻と配送期限時刻とを含む配送計画を作成する計画作成部と、
前記個別区間に対応する配送員に、前記個別区間に対応する前記配送計画に含まれる作業開始可能時刻と配送期限時刻とを通知する通知部と
を備える配送計画装置。
(付記2)
前記計画作成部は、
配送に利用する公共交通機関の情報を含む交通データに基づいて、個別区間ごとに、利用する交通機関と経路を示す経路情報と、乗車する便の候補である乗車候補とを決定して前記配送計画に含め、
前記通知部は、
前記個別区間に対応する配送員に、前記経路情報と前記乗車候補とを通知する付記1に記載の配送計画装置。
(付記3)
前記配送計画装置は、
配送員の配送実績を受信する実績受信部と、
配送員が行った配送作業に応じて報酬の基準額を決定するための報酬データと、前記配送実績に基づいて、配送員ごとの報酬を決定する報酬決定部と
を備える付記1または付記2に記載の配送計画装置。
(付記4)
前記報酬決定部は、
前記配送期限時刻に対する遅延度合いに応じて、当該配送員の報酬を減額する付記3に記載の配送計画装置。
(付記5)
前記報酬決定部は、
前の個別区間を担当する配送員の遅延により、作業可能開始時刻を過ぎても貨物が到着していない場合に、配送をキャンセルせずに引き受けることで、当該配送員の報酬を増額する付記3または付記4に記載の配送計画装置。
(付記6)
前記報酬決定部は、
前の個別区間を担当する配送員の遅延を挽回した場合に、当該配送員の報酬を増額する付記3または付記4に記載の配送計画装置。
(付記7)
コンピュータが、配送対象となる貨物の属性を示す貨物データと前記貨物の配送区間を示す区間データとを含む案件データを受信し、
コンピュータが、配送を担当する配送員の一覧の各配送員について配送作業が可能な日時情報である稼働可能日時と配送作業が可能な地域情報である稼働可能地域とが設定された配送員データと、前記案件データとに基づいて、前記配送区間に含まれる複数の個別区間の個別区間ごとに、配送員と作業開始可能時刻と配送期限時刻とを含む配送計画を作成し、
コンピュータが、前記個別区間に対応する配送員に、前記個別区間に対応する前記配送計画に含まれる作業開始可能時刻と配送期限時刻とを通知する配送計画方法。
(付記8)
配送対象となる貨物の属性を示す貨物データと前記貨物の配送区間を示す区間データとを含む案件データを受信する依頼受信処理と、
配送を担当する配送員の一覧の各配送員について配送作業が可能な日時情報である稼働可能日時と配送作業が可能な地域情報である稼働可能地域とが設定された配送員データと、前記案件データとに基づいて、前記配送区間に含まれる複数の個別区間の個別区間ごとに、配送員と作業開始可能時刻と配送期限時刻とを含む配送計画を作成する計画作成処理と、
前記個別区間に対応する配送員に、前記個別区間に対応する前記配送計画に含まれる作業開始可能時刻と配送期限時刻とを通知する通知処理と
をコンピュータに実行させる配送計画プログラム。
【符号の説明】
【0076】
10 案件データ、11 区間データ、12 貨物データ、20 配送員データ、21 稼働可能日時、22 稼働可能地域、30 交通データ、31 交通機関データ、32 経路データ、33 時刻表データ、40 報酬データ、50 配送実績、51 到達地点、52 到達時刻、60 配送員情報、61 経路情報、62 時刻情報、63 乗車候補、100 配送計画装置、101 依頼受信部、102 計画作成部、103 通知部、104 実績受信部、105 報酬決定部、106 記憶部、200 依頼者端末、300 配送員端末、500 配送計画システム、909 電子回路、910 プロセッサ、921 メモリ、922 補助記憶装置、930 入力インタフェース、940 出力インタフェース、950 通信装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8