(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173387
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】地上無線制御装置、無線制御システム及び無線制御方法
(51)【国際特許分類】
H04W 36/10 20090101AFI20241205BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20241205BHJP
B61L 3/12 20060101ALI20241205BHJP
B61L 25/02 20060101ALI20241205BHJP
H04W 4/42 20180101ALI20241205BHJP
H04W 92/22 20090101ALI20241205BHJP
【FI】
H04W36/10
H04W72/0453
B61L3/12 Z
B61L25/02 G
H04W4/42
H04W92/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091765
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 由理
(72)【発明者】
【氏名】グエン ヴァン クエト
(72)【発明者】
【氏名】藤嶋 堅三郎
【テーマコード(参考)】
5H161
5K067
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161BB03
5H161DD21
5H161FF02
5H161FF07
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
(57)【要約】
【課題】列車が隣接する地上無線制御装置の制御範囲をまたいで固定無線局をハンドオーバする際にかかる処理時間を短縮する。
【解決手段】列車に搭載される移動無線局と無線通信を行う複数の固定無線局の動作を管理する地上無線制御装置であって、当該地上無線制御装置は、当該地上無線制御装置と隣接する他の地上無線制御装置が管理する固定無線局の割当情報を保持する割当情報保持部と、前記移動無線局からの接続候補の情報に対して前記割当情報保持部が保持する割当情報から前記他の地上無線制御装置が管理する固定無線局に無線通信チャネルの割当が可能か否かを判定する切替判定部とを備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車に搭載される移動無線局と無線通信を行う複数の固定無線局の動作を管理する地上無線制御装置であって、
当該地上無線制御装置は、当該地上無線制御装置と隣接する他の地上無線制御装置が管理する固定無線局の割当情報を保持する割当情報保持部と、前記移動無線局からの接続候補の情報に対して前記割当情報保持部が保持する割当情報から前記他の地上無線制御装置が管理する固定無線局に無線通信チャネルの割当が可能か否かを判定する切替判定部とを備えることを特徴とする地上無線制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の地上無線制御装置において、
前記割当情報保持部は、当該地上無線制御装置と隣接する他の地上無線制御装置が管理する固定無線局の割当情報に対して、所定の周期で、割当情報の同期処理が行われることを特徴とする地上無線制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の地上無線制御装置において、
前記切替判定部は、当該地上無線制御装置と隣接する他の地上無線制御装置が管理する固定無線局に対して割当可能と判定した場合、前記移動無線局へ割当可能通知を送信することを特徴とする地上無線制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の地上無線制御装置において、
前記切替判定部は、当該地上無線制御装置と隣接する他の地上無線制御装置が管理する固定無線局に対して割当可能と判定した場合、前記他の地上無線制御装置へ割当可能通知を送信することを特徴とする地上無線制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載の地上無線制御装置において、
前記割当情報には、前記他の地上無線制御装置が管理する固定無線局の空き状況を示す情報が含まれることを特徴とする地上無線制御装置。
【請求項6】
列車に搭載される移動無線局と、地上に設置され前記移動無線局との通信を行う複数の固定無線局と、前記複数の前記固定無線局の動作を管理する地上無線制御装置とを備え、
前記地上無線制御装置は、第一の地上無線制御装置と、前記第一の地上無線制御装置に隣接する第二の地上無線制御装置を含む複数の地上無線制御装置で構成され、
前記第一の地上無線制御装置は、前記第二の地上無線制御装置が管理する固定無線局の割当情報を保持する割当情報保持部と、前記移動無線局からの接続候補の情報に対して前記割当情報保持部が保持する割当情報から前記第二の地上無線制御装置が管理する固定無線局に無線通信チャネルの割当が可能か否かを判定する切替判定部とを備えることを特徴とする無線制御システム。
【請求項7】
請求項6に記載の無線制御システムにおいて、
前記第一の地上無線制御装置の割当情報保持部は、前記第二の地上無線制御装置が管理する固定無線局の割当情報に対して、所定の周期で、割当情報の同期処理が行われることを特徴とする無線制御システム。
【請求項8】
請求項6に記載の無線制御システムにおいて、
前記第一の地上無線制御装置の切替判定部は、前記第二の地上無線制御装置が管理する固定無線局に対して割当可能と判定した場合、前記移動無線局へ割当可能通知を送信することを特徴とする無線制御システム。
【請求項9】
請求項8に記載の無線制御システムにおいて、
前記列車は、前記割当可能通知を前記移動無線局が受信した場合、前記第二の地上無線制御装置が管理する無線通信の範囲へのハンドオーバが可能になることを特徴とする無線制御システム。
【請求項10】
請求項6に記載の無線制御システムにおいて、
前記第一の地上無線制御装置の切替判定部は、前記第二の地上無線制御装置が管理する固定無線局に対して割当可能と判定した場合、前記第二の地上無線制御装置へ割当可能通知を送信することを特徴とする無線制御システム。
【請求項11】
請求項10に記載の無線制御システムにおいて、
前記第二の地上無線制御装置は、前記第一の地上無線制御装置から受信した割当可能通知に該当する固定無線局の割当処理を行うことを特徴とする無線制御システム。
【請求項12】
請求項6に記載の無線制御システムにおいて、
前記割当情報には、前記第二の地上無線制御装置が管理する固定無線局の空き状況を示す情報が含まれることを特徴とする無線制御システム。
【請求項13】
列車に搭載される移動無線局と無線通信を行う複数の固定無線局の動作を管理する地上無線制御装置を用いた無線制御方法であって、
隣接する他の地上無線制御装置が管理する固定無線局の割当情報を保持するステップと、
前記移動無線局からの接続候補の情報に対して前記割当情報から隣接する他の地上無線制御装置が管理する固定無線局に無線通信チャネルの割当が可能か否かを判定するステップとを有することを特徴とする無線制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上無線制御装置、無線制御システム及び無線制御方法に関し、特に、列車制御に用いる無線通信システムにおける地上無線制御装置、無線制御システム及び無線制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
列車を制御する無線通信システムでは、固定無線局間で列車との間の通信を引き継ぐハンドオーバ処理が必要となる。例えば、特許文献1では、移動体の無線チャネルの受信電力に基づいて、ハンドオーバ先の固定無線局の決定する無線通信システムが開示されている。
【0003】
具体的には、特許文献1では、移動無線局の移動に伴って移動無線局の通信相手となる固定無線局を切り替えるハンドオーバを実施する際に、少なくとも一つの固定無線局との間で割り当てられている無線通信チャネルを維持し、他の前記固定無線局との間で割り当てられている無線通信チャネルを開放し、ハンドオーバ前には無線通信チャネルが割り当てられていない1又は複数の固定無線局との間で割り当てられる無線通信チャネルをハンドオーバあとに使用する構成が記載されている。さらに、特許文献1では、移動無線局は、移動体制御情報を伝送する無線チャネルの受信電力に基づいて、前記移動体制御情報の伝送先となる固定無線局を決定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載されたシステムでは、地上無線制御装置は、自装置配下の固定無線局の無線通信チャネル割り当て情報を保持するのみである。一方で、システムを拡張する際には、同システムに複数の地上無線制御装置を配置することが考えられる。このとき、列車は隣接する地上無線制御装置の制御範囲間をハンドオーバしながら走行することになる。
【0006】
このような場合、地上無線制御装置は自装置配下の固定無線局の無線チャネル割当情報のみ持つことになる。このため、列車が隣接する地上無線制御装置の制御範囲間をまたいで固定無線局をハンドオーバする場合、隣接する地上無線制御装置に空きチャネルの有無を問い合せ、応答が来るまで待つ必要が生じる。これにより、列車が隣接する地上無線制御装置の制御範囲に進入可能かどうかが判明するまでに時間を要するという問題がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みて、列車が隣接する地上無線制御装置の制御範囲をまたいで固定無線局をハンドオーバする際にかかる処理時間を短縮することができる地上無線制御装置、無線制御システム及び無線制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、代表的な本発明の地上無線制御装置の一つは、列車に搭載される移動無線局と無線通信を行う複数の固定無線局の動作を管理する地上無線制御装置であって、当該地上無線制御装置は、当該地上無線制御装置と隣接する他の地上無線制御装置が管理する固定無線局の割当情報を保持する割当情報保持部と、前記移動無線局からの接続候補の情報に対して前記割当情報保持部が保持する割当情報から前記他の地上無線制御装置が管理する固定無線局に無線通信チャネルの割当が可能か否かを判定する切替判定部とを備えることを特徴とする。
【0009】
さらに本発明の無線制御システムの一つは、列車に搭載される移動無線局と、地上に設置され前記移動無線局との通信を行う複数の固定無線局と、前記複数の前記固定無線局の動作を管理する地上無線制御装置とを備え、前記地上無線制御装置は、第一の地上無線制御装置と、前記第一の地上無線制御装置に隣接する第二の地上無線制御装置を含む複数の地上無線制御装置で構成され、前記第一の地上無線制御装置は、前記第二の地上無線制御装置が管理する固定無線局の割当情報を保持する割当情報保持部と、前記移動無線局からの接続候補の情報に対して前記割当情報保持部が保持する割当情報から前記第二の地上無線制御装置が管理する固定無線局に無線通信チャネルの割当が可能か否かを判定する切替判定部とを備えることを特徴とする。
【0010】
さらに本発明の無線制御方法の一つは、列車に搭載される移動無線局と無線通信を行う複数の固定無線局の動作を管理する地上無線制御装置を用いた無線制御方法であって、隣接する他の地上無線制御装置が管理する固定無線局の割当情報を保持するステップと、前記移動無線局からの接続候補の情報に対して前記割当情報から隣接する他の地上無線制御装置が管理する固定無線局に無線通信チャネルの割当が可能か否かを判定するステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、列車が隣接する地上無線制御装置の制御範囲をまたいで固定無線局をハンドオーバする際にかかる処理時間を短縮することができる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態による態様を実施するためのコンピュータシステムのブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態を示すシステム構成図である。
【
図3】
図3は、本発明における地上無線制御装置と車上無線制御装置との間の無線による情報の伝送方法の例を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明における隣接する地上無線制御装置間のハンドオーバ時の固定無線局の空き検索処理の例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明における地上無線制御装置が車上無線制御装置へ送信する情報とハンドオーバ可否の例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明における隣接する地上無線制御装置間のハンドオーバ時の固定無線局の割当通知情報の伝送方法の例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明における地上無線制御装置が車上無線制御装置へ送信する情報とハンドオーバ可否の例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明における隣接する地上無線制御装置間のハンドオーバ時の固定無線局の割当処理の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を実施するための形態を説明する。
【0014】
<実施形態による態様を実施するためのコンピュータシステム>
図1は、本開示の実施形態による態様を実施するためのコンピュータシステム300のブロック図である。本明細書で開示される様々な実施形態の機構及び装置は、任意の適切なコンピューティングシステムに適用されてもよい。コンピュータシステム300の主要コンポーネントは、1つ以上のプロセッサ302、メモリ304、端末インターフェース312、ストレージインターフェース314、I/O(入出力)デバイスインターフェース316、及びネットワークインターフェース318を含む。これらのコンポーネントは、メモリバス306、I/Oバス308、バスインターフェースユニット309、及びI/Oバスインターフェースユニット310を介して、相互的に接続されてもよい。
【0015】
コンピュータシステム300は、プロセッサ302と総称される1つ又は複数の処理装置302A及び302Bを含んでもよい。各プロセッサ302は、メモリ304に格納された命令を実行し、オンボードキャッシュを含んでもよい。ある実施形態では、コンピュータシステム300は複数のプロセッサを備えてもよく、また別の実施形態では、コンピュータシステム300は単一の処理装置によるシステムであってもよい。処理装置としては、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processong Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等を適用できる。
【0016】
ある実施形態では、メモリ304は、データ及びプログラムを記憶するためのランダムアクセス半導体メモリ、記憶装置、又は記憶媒体(揮発性又は不揮発性のいずれか)を含んでもよい。ある実施形態では、メモリ304は、コンピュータシステム300の仮想メモリ全体を表しており、ネットワークを介してコンピュータシステム300に接続された他のコンピュータシステムの仮想メモリを含んでもよい。メモリ304は、概念的には単一のものとみなされてもよいが、他の実施形態では、このメモリ304は、キャッシュおよび他のメモリデバイスの階層など、より複雑な構成となる場合がある。例えば、メモリは複数のレベルのキャッシュとして存在し、これらのキャッシュは機能毎に分割されてもよい。その結果、1つのキャッシュは命令を保持し、他のキャッシュはプロセッサによって使用される非命令データを保持する構成であってもよい。メモリは、いわゆるNUMA(Non-Uniform Memory Access)コンピュータアーキテクチャのように、分散され、種々の異なる処理装置に関連付けられてもよい。
【0017】
メモリ304は、本明細書で説明する機能を実施するプログラム、モジュール、及びデータ構造のすべて又は一部を格納してもよい。例えば、メモリ304は、潜在因子特定アプリケーション350を格納していてもよい。ある実施形態では、潜在因子特定アプリケーション350は、後述する機能をプロセッサ302上で実行する命令又は記述を含んでもよく、あるいは別の命令又は記述によって解釈される命令又は記述を含んでもよい。ある実施形態では、潜在因子特定アプリケーション350は、プロセッサベースのシステムの代わりに、またはプロセッサベースのシステムに加えて、半導体デバイス、チップ、論理ゲート、回路、回路カード、および/または他の物理ハードウェアデバイスを介してハードウェアで実施されてもよい。ある実施形態では、潜在因子特定アプリケーション350は、命令又は記述以外のデータを含んでもよい。
【0018】
コンピュータシステム300は、プロセッサ302、メモリ304、表示システム324、及びI/Oバスインターフェースユニット310間の通信を行うバスインターフェースユニット309を含んでもよい。I/Oバスインターフェースユニット310は、様々なI/Oユニットとの間でデータを転送するためのI/Oバス308と連結していてもよい。I/Oバスインターフェースユニット310は、I/Oバス308を介して、I/Oプロセッサ(IOP)又はI/Oアダプタ(IOA)としても知られる複数のI/Oインターフェースユニット312、314、316、及び318と通信してもよい。
【0019】
ストレージインターフェース314は、1つ又は複数のディスクドライブや直接アクセスストレージ装置322(通常は磁気ディスクドライブストレージ装置であるが、単一のディスクドライブとして見えるように構成されたディスクドライブのアレイ又は他のストレージ装置であってもよい)の取り付けが可能である。ある実施形態では、ストレージ装置322は、任意の二次記憶装置として実装されてもよい。メモリ304の内容は、ストレージ装置322に記憶され、必要に応じてストレージ装置322から読み出されてもよい。ネットワークインターフェース318は、コンピュータシステム300と他のデバイスが相互的に通信できるように、通信経路を提供してもよい。この通信経路は、例えば、ネットワーク330であってもよい。
【0020】
図1に示されるコンピュータシステム300は、プロセッサ302、メモリ304、バスインタフェース309、表示システム324、及びI/Oバスインターフェースユニット310の間の直接通信経路を提供するバス構造を備えているが、他の実施形態では、コンピュータシステム300は、階層構成、スター構成、又はウェブ構成のポイントツーポイントリンク、複数の階層バス、平行又は冗長の通信経路を含んでもよい。さらに、I/Oバスインターフェースユニット310及びI/Oバス308が単一のユニットとして示されているが、実際には、コンピュータシステム300は複数のI/Oバスインターフェースユニット310又は複数のI/Oバス308を備えてもよい。また、I/Oバス308を様々なI/Oデバイスに繋がる各種通信経路から分離するための複数のI/Oインターフェースユニットが示されているが、他の実施形態では、I/Oデバイスの一部または全部が、1つのシステムI/Oバスに直接接続されてもよい。
【0021】
ある実施形態では、コンピュータシステム300は、マルチユーザメインフレームコンピュータシステム、シングルユーザシステム、又はサーバコンピュータ等の、直接的ユーザインターフェースを有しない、他のコンピュータシステム(クライアント)からの要求を受信するデバイスであってもよい。
【0022】
<システム構成図>
図2は、本発明の一実施形態を示すシステム構成図である。
【0023】
図2に示す無線通信システムは、運行管理装置1、地上保安装置2、バックボーンネットワーク3、地上無線制御装置4、固定無線局7、アンテナ8、列車9を備えている。地上無線制御装置4は、割当情報保持部5と切替判定部6を有している。列車9は、車上無線制御装置10、移動無線局11、アンテナ12を有している。また、地上側のネットワークは、運行管理装置1、地上保安装置2、バックボーンネットワーク3、地上無線制御装置4、固定無線局7、アンテナ8が相当する。なお、地上側のネットワークは列車9以外の場所の地上側に配置されていることを示している。
【0024】
運行管理装置1は、地上側に設置され、列車9の運行を管理する装置である。例えば、ダイヤ通りに列車を走行させるための情報を送信する。
【0025】
地上保安装置2は、地上側に設置され、列車9の運行の制御を行う。具体的には、列車9には、(図示を省略した)車上保安装置が搭載されており、地上保安装置2と情報のやりとりを行いながら、列車9の制御を行う。
【0026】
バックボーンネットワーク3は、運行管理装置1、地上保安装置2、地上無線制御装置4において情報のやりとりが可能なネットワークである。専用のネットワークを構成することが可能である。
【0027】
地上無線制御装置4は、地上側に設置されており、無線通信に関する制御を行う。
図2の例では、地上無線制御装置4-1とそれに隣接する地上無線制御装置4-2の2つの地上無線制御装置4を備えている。地上無線制御装置4-1と地上無線制御装置4-2は、バックボーンネットワーク3を介して、情報のやりとりが可能である。なお、
図2では、地上無線制御装置4-1には、割当情報保持部5-1と切替判定部6-1を有し、
図2では、地上無線制御装置4-2には、割当情報保持部5-2と切替判定部6-2をそれぞれ有している。地上無線制御装置4は、例えば、
図1のコンピュータシステム300を用いることができる。
【0028】
地上無線制御装置4の数は複数設けられる。これは、1つの地上無線制御装置4が管理する固定無線局7及びアンテナ8の数が多いと、制御範囲が広範囲となるため、制御処理に負荷がかかり、メンテナンスの手間もかり、コストが高くなるためである。このため、対応する固定無線局7及びアンテナ8の範囲を分けて地上無線制御装置4を複数設ける構成としている。
【0029】
地上無線制御装置4が有する割当情報保持部5は、自身の地上無線制御装置4の固定無線局7の割当情報と、隣接する地上無線制御装置4の固定無線局7の割当情報を保持する。
図2の例では、地上無線制御装置4-1は、自身と、隣接する地上無線制御装置4-2の割当情報を保持することが可能である。
【0030】
地上無線制御装置4が有する切替判定部6は、空き検索処理、割当可能通知処理、割当処理等を行うことができる。空き検索処理は、どの固定無線局7が空いているかを検索する処理である。割当可能通知は、どの固定無線局7に割当が可能かを通知する処理である。割当処理は、特定の固定無線局7に割当を行う処理である。
【0031】
固定無線局7は、地上無線制御装置4と接続されて地上側に複数(例えば、5個以上、さらには10個以上)設置されている。すなわち、1つの地上無線制御装置4に対して複数の固定無線局7が接続されている。
図2では、地上無線制御装置4-1に対して10個の固定無線局7-1から7-10が接続され、地上無線制御装置4-2に対して10個の固定無線局7-11から7-20が接続されている例を示す。地上無線制御装置4-1は、固定無線局7-1から7-10を管理し、地上無線制御装置4-2は、固定無線局7-11から7-20を管理する。固定無線局7は、対応するアンテナ8で受信する無線電波の強度を検出したり、対応するアンテナ8で受信する無線電波を信号に変換したり、対応するアンテナ8から送信するため信号を無線電波に変換したりすることができる。
【0032】
アンテナ8は、地上側に複数(例えば、5個以上、さらには10個以上)設置されて、固定無線局7に付随している。それぞれのアンテナ8は、それぞれの固定無線局7と単独または複数接続されている。
図2では、アンテナ8―1から8-20は、固定無線局7-1から7-20にそれぞれ1つずつ接続されている例を示している。アンテナ8は、アンテナ12との送受信を可能とするため、無線電波を送受信する機能を有している。複数のアンテナ8は、列車9の路線(線路等)に沿って沿線に設置されている。
図2では、アンテナ8―1~8-20がこの順番に路線に沿って設けられている例を示している。
【0033】
列車9は、路線に沿って走行する移動体である。列車9は、1又は複数でもよく、無線通信を介して地上側のネットワークと通信接続される。
【0034】
列車9が有する車上無線制御装置10は、移動無線局11の制御を行う。車上無線制御装置10は、例えば、
図1のコンピュータシステム300を用いることができる。
【0035】
列車9が有する移動無線局11は、車上無線制御装置10と接続されて、アンテナ12で受信する無線電波の強度を検出したり、アンテナ12で受信する無線電波を信号に変換したり、アンテナ12から送信するため信号を無線電波に変換したりすることができる。
【0036】
列車9が有するアンテナ12は、移動無線局11に付随し、アンテナ8との送受信を可能とするため、無線電波を送受信する機能を有している。アンテナ12は、移動無線局11と単独または複数接続されている。アンテナ12は無線電波を送受信するために列車9の適した場所に設置される。
【0037】
<無線による情報の伝送方法>
図3は、本発明における地上無線制御装置と車上無線制御装置との間の無線による情報の伝送方法の例を示す図である。具体的には、列車9の移動無線局11と地上側の複数の固定無線局7との間の、割当情報の伝送方法の例を示す図である。列車9は地上無線制御装置4-1の制御範囲から地上無線制御装置4-2の制御範囲の方向へ走行するものとする。ここでの制御範囲とは、地上無線制御装置4が管理する固定無線局7による無線通信の制御範囲である。地上無線制御装置4-1であれば、固定無線局7-1~7-10を介した無線通信の制御範囲であり、地上無線制御装置4-2であれば、固定無線局7-11~7-20を介した無線通信の制御範囲である。
【0038】
図3の状態において、列車9は、地上無線制御装置4-1の制御範囲に在線している。そして、列車9の移動無線局11と地上側の複数の固定無線局7-8、7-9、7-10との間には、列車制御情報を伝送するための無線通信チャネル13-1、13-2、13-3がそれぞれ割り当てられている状態である。これらの割当の決定については、地上無線制御装置4-1で自身が動作を管理する固定無線局7-1~7-10の割当情報(特に空き状況)を用いた検索処理により決定されたものである。
【0039】
この場合、地上無線制御装置4-1は、割り当てられた3つの無線通信チャネルを用いて無線通信を行う。例えば、3つのうちその時点で電波状態のよい1つの無線通信チャネルを用いて通信を行う制御を行う。このことで、安定した無線通信を行うことができる。
【0040】
ただし、列車9の移動無線局11との間で無線通信チャネル13が割り当てられた固定無線局7の数は、図示した3に限定されるものではない。この数は、複数であることが望ましく、例えば、3以上、さらには5以上等でもよい。
【0041】
<ハンドオーバ時の処理の説明>
図4は、本発明における隣接する地上無線制御装置間のハンドオーバ時の固定無線局の空き検索処理の例を示す図である。具体的には、地上無線制御装置4-1の制御範囲に存在する列車9が、隣接する地上無線制御装置4-2の制御範囲に接近したときの、ハンドオーバ処理の例を示す図である。また、
図5は、本発明における地上無線制御装置4が車上無線制御装置10へ送信する情報とハンドオーバ可否の例を示す図である。
【0042】
図4の現在の状態は、
図3と同様であり、列車9は地上無線制御装置4-1の制御範囲に在線している。そして、列車9の移動無線局11(アンテナ12)と固定無線局7-8、7-9、7-10(アンテナ8-8、8-9、8-10)との間には、列車制御情報を伝送するための無線通信チャネル13-1、13-2、13-3がそれぞれ割り当てられている。
【0043】
この状態から、列車9が地上無線制御装置4-2の制御範囲へ移動すると、列車9が受信する固定無線局7からの電波強度は変化していく。そのとき、列車9の車上無線制御装置10は、受信する電波強度に基づき、接続候補を決定する。
図5に示すように、現在の状態では、現在位置から最も強い電波強度を受信する3つの固定無線局7-9、7-10、7-11を接続候補としている。すなわち、現在割り当てられている固定無線局7-8、7-9、7-10のうち、固定無線局7-8の電波強度が弱くなり、7-11の電波強度が強くなっていることを示している。
【0044】
列車9の車上無線制御装置10は、固定無線局7-9、7-10、7-11の接続候補情報を割当要求として地上無線制御装置4-1に送信する。この送信は、移動無線局11から現在接続している(割り当てられている)固定無線局7-8、7-9、7-10を介して行われる。
【0045】
次に、地上無線制御装置4-1の切替判定部6-1は、接続候補から外れた固定無線局7-8に割り当てられている無線通信チャネル13-1を開放(割り当てを中止)する。一方で、割り当てを継続する固定無線局7-9、7-10の無線通信チャネルを、移動無線局11に対して割り当てる。具体的には、固定無線局7-9、7-10に対して無線通信チャネル13-1、13-2をそれぞれ割り当てる。
【0046】
一方、地上無線制御装置4-2の割当情報保持部5-2は、バックボーンネットワーク3を介して、地上無線制御装置4-1の割当情報保持部5-1に対して、自装置配下の固定無線局7-11~7-20の割当情報の同期処理(ステップS1)を行っている。これにより、地上無線制御装置4-1の割当情報保持部5-1は、隣接する地上無線制御装置4-2配下の固定無線局7-11~7-20の割当情報(特に空き情報)を保持する(ステップS2)。
【0047】
ステップS1の同期処理は、地上無線制御装置4-1の割当情報保持部5-1が、地上無線制御装置4-2の割当情報保持部5-2が有する自装置配下の固定無線局7-11~7-20の割当情報と同じ情報を保持することである。割当情報は、自装置配下の固定無線局7-11~7-20のうち、どの固定無線局が無線通信チャネルの割り当てをしており、どの固定無線局に空きがあるか(割り当てをしていないか)の情報を含む。同期処理は所定の周期で行われ、例えば、1秒以下、さらには、0.5秒以下の周期を適用できる。
【0048】
次に、地上無線制御装置4-1の切替判定部6-1は、固定無線局7-11の空き検索処理を行う(ステップS3)。これは、列車9の車上無線制御装置10から送信された接続候補のうち、固定無線局7-11は新規に無線通信チャネルを割り当てる必要があるためである。地上無線制御装置4-1の切替判定部6-1は、割当情報保持部5-1が同期により保持する隣接する地上無線制御装置4-2配下の固定無線局7-11~7-20の割当情報を参照する。このことで、地上無線制御装置4-1の切替判定部6-1は、固定無線局7-11が、空きがある(割り当てされていない)固定無線局であるか否かの検索処理を行う。すなわち、固定無線局7-11が割当可能か否かの検索を行う。
【0049】
図5に示すハンドオーバ可否の例について説明する。この時点では、検索処理を行っている最中のため、列車9側では固定無線局7-11に空きがあるか分からない。このため、列車9では、隣接する地上無線制御装置4-2の制御範囲にハンドオーバすることは不可と判定している。これにより、隣接する地上無線制御装置4-2の制御範囲に列車9が侵入することはできない。
【0050】
なお、ハンドオーバは、固定無線局7を切り替えることを示す。しかし、本実施形態では、特に地上無線制御装置4-1と隣接する地上無線制御装置4-2の境界において、地上無線制御装置4-1の制御範囲の固定無線局7から、隣接する地上無線制御装置4-2の制御範囲の固定無線局7へ切り替える場合のハンドオーバについて説明している。
【0051】
図6は、本発明における隣接する地上無線制御装置間のハンドオーバ時の固定無線局の割当通知情報の伝送方法の例を示す図である。
図6は、
図4に示す処理で、固定無線局7-11に空きがある場合の処理の例を示す図である。
【0052】
図4のステップS3で、固定無線局7-11の空き検索処理を行った結果、地上無線制御装置4-1の切替判定部6-1が固定無線局7-11に空きがあることを判定する。この場合、地上無線制御装置4-1の切替判定部6-1は、固定無線局7-11の割当可能通知を、列車9の車上無線制御装置10に送信する(ステップS4)。ここでの送信は、現在割り当てられている固定無線局7-9、7-10を介する無線通信チャネル13-1、13-2により移動無線局11を介して行われる。
【0053】
図7は、本発明における地上無線制御装置4が車上無線制御装置10へ送信する情報とハンドオーバ可否の例を示す図である。
【0054】
図7の状態は、
図6のステップS4で、固定無線局7-11の割当可能通知を列車9が受信した状態である。この時点で、列車9は、隣接する地上無線制御装置4-2配下の固定無線局7-11に空きがあり割当可能であることを認識する。これにより、列車9は、地上無線制御装置4-2の制御範囲にハンドオーバ可能と判定する。この判定により、隣接する地上無線制御装置4-2の制御範囲に列車9が侵入することが可能となる。
【0055】
図8は、本発明における隣接する地上無線制御装置間のハンドオーバ時の固定無線局の割当処理の例を示す図である。
図8は、
図6、7に示すハンドオーバ動作における、固定無線局7-11の割当処理の例を示す。
【0056】
図6のステップS4の状態では、地上無線制御装置4-1が固定無線局7-11の割当可能通知を列車9に行った状態であり、実際に地上無線制御装置4-2が固定無線局7-11の割当を行った状態ではない。このため、以下の割当処理を行う。
【0057】
地上無線制御装置4-1の切替判定部6-1は、固定無線局7-11の割当可能通知を、隣接する地上無線制御装置4-2に送信する(ステップS5)。次に、地上無線制御装置4-2の切替判定部6-2は、固定無線局7-11の割当可能通知を地上無線制御装置4-1から受信する。そして、地上無線制御装置4-2の切替判定部6-2は、列車9の移動無線局11に対して、固定無線局7-11の割当処理を行う(ステップS6)。具体的には、固定無線局7-11に対して無線通信チャネル13-3が割り当てられる。
【0058】
これにより、列車9の移動無線局11(アンテナ12)と固定無線局7-9、7-10、7-11(アンテナ8-9、8-10、8-11)との間には、列車制御情報を伝送するための無線通信チャネル13-1、13-2、13-3がそれぞれ割り当てられている状態となる。
【0059】
なお、ステップS5で示した地上無線制御装置4-2に送信する割当可能通知は、ステップS4(
図6)で示した列車9に送信する割当可能通知と同時に行うことが可能である。
【0060】
<効果>
以上のような実施形態により、地上無線制御装置が、隣接する地上無線制御装置の割当情報を同期により保持することで、隣接する地上無線制御装置に関する固定無線局の空き検索を可能とする。これにより、隣接する地上無線制御装置に問い合わせ処理を行うことなく、割当可能通知をいち早く列車に送信することが可能となる。そして、列車は割当可能通知に基づきハンドオーバの可否を短時間で判定できる。さらに、割当可能通知を隣接する地上無線制御装置に送信することで、隣接する地上無線制御装置で判定処理をすることなく割当処理を行うことができる。このようなことから、地上無線制御装置の制御範囲をまたいで固定無線局をハンドオーバする際にかかる処理時間を短縮することが可能となる。
【0061】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0062】
例えば、上記実施形態では、地上無線制御装置4の数は2個の例を示したが、これに限らず2個以上、さらには3個以上でもよい。その際、隣接する地上無線制御装置同士の間で上述した
図2~8の処理を実施可能となる。
【0063】
また、固定無線局7とアンテナ8の数は、1つの地上無線制御装置に対して10個の例を示したが、これに限らず複数から適用可能である。例えば、1つの地上無線制御装置に対して固定無線局7とアンテナ8の数を、5個以上、さらには10個以上、さらには20個以上としてもよい。
【0064】
本明細書には以下の態様の開示も含まれる。
(態様1)
列車に搭載される移動無線局と無線通信を行う複数の固定無線局の動作を管理する地上無線制御装置であって、
当該地上無線制御装置は、当該地上無線制御装置と隣接する他の地上無線制御装置が管理する固定無線局の割当情報を保持する割当情報保持部と、前記移動無線局からの接続候補の情報に対して前記割当情報保持部が保持する割当情報から前記他の地上無線制御装置が管理する固定無線局に無線通信チャネルの割当が可能か否かを判定する切替判定部とを備えることを特徴とする地上無線制御装置。
【0065】
(態様2)
態様1に記載の地上無線制御装置において、
前記割当情報保持部は、当該地上無線制御装置と隣接する他の地上無線制御装置が管理する固定無線局の割当情報に対して、所定の周期で、割当情報の同期処理が行われることを特徴とする地上無線制御装置。
【0066】
(態様3)
態様1又は態様2に記載の地上無線制御装置において、
前記切替判定部は、当該地上無線制御装置と隣接する他の地上無線制御装置が管理する固定無線局に対して割当可能と判定した場合、前記移動無線局へ割当可能通知を送信することを特徴とする地上無線制御装置。
【0067】
(態様4)
態様1から態様3のいずれかに記載の地上無線制御装置において、
前記切替判定部は、当該地上無線制御装置と隣接する他の地上無線制御装置が管理する固定無線局に対して割当可能と判定した場合、前記他の地上無線制御装置へ割当可能通知を送信することを特徴とする地上無線制御装置。
【0068】
(態様5)
態様1から態様4のいずれかに記載の地上無線制御装置において、
前記割当情報には、前記他の地上無線制御装置が管理する固定無線局の空き状況を示す情報が含まれることを特徴とする地上無線制御装置。
【0069】
(態様6)
列車に搭載される移動無線局と、地上に設置され前記移動無線局との通信を行う複数の固定無線局と、前記複数の前記固定無線局の動作を管理する地上無線制御装置とを備え、
前記地上無線制御装置は、第一の地上無線制御装置と、前記第一の地上無線制御装置に隣接する第二の地上無線制御装置を含む複数の地上無線制御装置で構成され、
前記第一の地上無線制御装置は、前記第二の地上無線制御装置が管理する固定無線局の割当情報を保持する割当情報保持部と、前記移動無線局からの接続候補の情報に対して前記割当情報保持部が保持する割当情報から前記第二の地上無線制御装置が管理する固定無線局に無線通信チャネルの割当が可能か否かを判定する切替判定部とを備えることを特徴とする無線制御システム。
【0070】
(態様7)
態様6に記載の無線制御システムにおいて、
前記第一の地上無線制御装置の割当情報保持部は、前記第二の地上無線制御装置が管理する固定無線局の割当情報に対して、所定の周期で、割当情報の同期処理が行われることを特徴とする無線制御システム。
【0071】
(態様8)
態様6又は態様7に記載の無線制御システムにおいて、
前記第一の地上無線制御装置の切替判定部は、前記第二の地上無線制御装置が管理する固定無線局に対して割当可能と判定した場合、前記移動無線局へ割当可能通知を送信することを特徴とする無線制御システム。
【0072】
(態様9)
態様8に記載の無線制御システムにおいて、
前記列車は、前記割当可能通知を前記移動無線局が受信した場合、前記第二の地上無線制御装置が管理する無線通信の範囲へのハンドオーバが可能になることを特徴とする無線制御システム。
【0073】
(態様10)
態様6から態様9のいずれかに記載の無線制御システムにおいて、
前記第一の地上無線制御装置の切替判定部は、前記第二の地上無線制御装置が管理する固定無線局に対して割当可能と判定した場合、前記第二の地上無線制御装置へ割当可能通知を送信することを特徴とする無線制御システム。
【0074】
(態様11)
態様10に記載の無線制御システムにおいて、
前記第二の地上無線制御装置は、前記第一の地上無線制御装置から受信した割当可能通知に該当する固定無線局の割当処理を行うことを特徴とする無線制御システム。
【0075】
(態様12)
態様6から態様11のいずれかに記載の無線制御システムにおいて、
前記割当情報には、前記第二の地上無線制御装置が管理する固定無線局の空き状況を示す情報が含まれることを特徴とする無線制御システム。
【0076】
(態様13)
列車に搭載される移動無線局と無線通信を行う複数の固定無線局の動作を管理する地上無線制御装置を用いた無線制御方法であって、
隣接する他の地上無線制御装置が管理する固定無線局の割当情報を保持するステップと、
前記移動無線局からの接続候補の情報に対して前記割当情報から隣接する他の地上無線制御装置が管理する固定無線局に無線通信チャネルの割当が可能か否かを判定するステップとを有することを特徴とする無線制御方法。
【符号の説明】
【0077】
1…運行管理装置、2…地上保安装置、3…バックボーンネットワーク、4…地上無線制御装置、5…割当情報保持部、6…切替判定部、7…固定無線局、8…アンテナ、9…列車、10…車上無線制御装置、11…移動無線局、12…アンテナ、13…無線通信チャネル、300…コンピュータシステム、302…プロセッサ、302A、302B…処理装置、304…メモリ、306…メモリバス、308…I/Oバス、309…バスインターフェースユニット、310…I/Oバスインターフェースユニット、312…端末インターフェースユニット、314…ストレージインターフェース、316…I/Oデバイスインターフェース、318…ネットワークインターフェース、320…ユーザI/Oデバイス、322…ストレージ装置、324…表示システム、326…表示装置、330…ネットワーク、350…潜在因子特定アプリケーション