(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017340
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】回路遮断器及び分電盤
(51)【国際特許分類】
H01H 73/20 20060101AFI20240201BHJP
H02B 1/40 20060101ALI20240201BHJP
H02B 1/20 20060101ALI20240201BHJP
【ＦＩ】
H01H73/20 B
H02B1/40 D
H02B1/20 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2022119901
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】毛 翔
(72)【発明者】
【氏名】宮川 紘平
(72)【発明者】
【氏名】中道 義也
(72)【発明者】
【氏名】大西 達也
【テーマコード（参考）】
5G016
5G030
5G211
【Ｆターム（参考）】
5G016DC01
5G030XX20
5G030YY04
5G211AA11
5G211AA12
5G211AA17
5G211BB09
5G211DD05
5G211EE07
5G211GG05
5G211GG10
(57)【要約】
【課題】電線の接続状態を視覚的に確認できる回路遮断器及び分電盤を提供すること。
【解決手段】回路遮断器は、１次側の電線の導体と電気的に接続される端子ブロックＢ１と、端子ブロックＢ１と２次側端子の間の電路に挿入された接点部と、接点部を開閉する開閉機構部と、を有する。端子ブロックＢ１は、端子板と、ばね部材２と、調整ねじ３と、表示部材８と、ケース５と、を備える。端子板は電路と電気的に接続されている。ばね部材２は、導体に対して端子板に接する向きの接圧力を付与する。調整ねじ３は、回転可能に配置され、回転に応じて軸方向に移動することで、ばね部材２の変形量を変化させて接圧力を調整する。表示部材８は、調整ねじ３の回転に連動して回転することで、端子板への導体の接続状態を表示する。ケース５は、端子板、ばね部材２、調整ねじ３、及び表示部材８を収容する。
【選択図】図６
【解決手段】回路遮断器は、１次側の電線の導体と電気的に接続される端子ブロックＢ１と、端子ブロックＢ１と２次側端子の間の電路に挿入された接点部と、接点部を開閉する開閉機構部と、を有する。端子ブロックＢ１は、端子板と、ばね部材２と、調整ねじ３と、表示部材８と、ケース５と、を備える。端子板は電路と電気的に接続されている。ばね部材２は、導体に対して端子板に接する向きの接圧力を付与する。調整ねじ３は、回転可能に配置され、回転に応じて軸方向に移動することで、ばね部材２の変形量を変化させて接圧力を調整する。表示部材８は、調整ねじ３の回転に連動して回転することで、端子板への導体の接続状態を表示する。ケース５は、端子板、ばね部材２、調整ねじ３、及び表示部材８を収容する。
【選択図】図６
【特許請求の範囲】
【請求項1】
１次側の電線の導体と電気的に接続される端子ブロックと、
前記端子ブロックと２次側端子の間の電路に挿入された接点部と、
前記接点部を開閉する開閉機構部と、を有し、
前記端子ブロックは、
前記電路と電気的に接続されている端子板と、
前記導体に対して前記端子板に接する向きの接圧力を付与するばね部材と、
回転可能に配置され、回転に応じて軸方向に移動することで、前記ばね部材の変形量を変化させて前記接圧力を調整する調整ねじと、
前記調整ねじの回転に連動して回転することで、前記端子板への前記導体の接続状態を表示する表示部材と、
前記端子板、前記ばね部材、前記調整ねじ、及び前記表示部材を収容するケースと、
を備える、
回路遮断器。
前記端子ブロックと２次側端子の間の電路に挿入された接点部と、
前記接点部を開閉する開閉機構部と、を有し、
前記端子ブロックは、
前記電路と電気的に接続されている端子板と、
前記導体に対して前記端子板に接する向きの接圧力を付与するばね部材と、
回転可能に配置され、回転に応じて軸方向に移動することで、前記ばね部材の変形量を変化させて前記接圧力を調整する調整ねじと、
前記調整ねじの回転に連動して回転することで、前記端子板への前記導体の接続状態を表示する表示部材と、
前記端子板、前記ばね部材、前記調整ねじ、及び前記表示部材を収容するケースと、
を備える、
回路遮断器。
【請求項2】
前記ケースは、前記表示部材の前記軸方向における移動を規制した状態で、前記表示部材を回転可能に保持する保持部を備える、
請求項１記載の回路遮断器。
請求項１記載の回路遮断器。
【請求項3】
前記表示部材及び前記調整ねじの一方は突部を有し、前記表示部材及び前記調整ねじの他方は、前記突部が前記軸方向に沿って移動可能な状態で挿入される凹部が設けられている、
請求項２記載の回路遮断器。
請求項２記載の回路遮断器。
【請求項4】
前記ケースの表面には、前記表示部材を露出する開口部が設けられている、
請求項１記載の回路遮断器。
請求項１記載の回路遮断器。
【請求項5】
前記表示部材において前記開口部から露出する部位にはマーカが設けられ、
前記ケースの表面における前記開口部の周縁部には、前記マーカの移動範囲に、前記マーカの位置に応じて前記接続状態を表示する状態表示部が設けられている、
請求項４記載の回路遮断器。
前記ケースの表面における前記開口部の周縁部には、前記マーカの移動範囲に、前記マーカの位置に応じて前記接続状態を表示する状態表示部が設けられている、
請求項４記載の回路遮断器。
【請求項6】
前記接続状態は、前記端子板と前記ばね部材との間に前記導体を挿入不可能な第１状態と、前記端子板と前記ばね部材との間に前記導体を挿入可能で、かつ、前記端子板と前記ばね部材との間に前記導体を保持していない第２状態と、前記端子板と前記ばね部材との間に前記導体を保持している第３状態と、を少なくとも含み、
前記状態表示部は、前記マーカの位置に応じて、前記第１状態、前記第２状態、及び前記第３状態のいずれの状態であるかを表示する、
請求項５記載の回路遮断器。
前記状態表示部は、前記マーカの位置に応じて、前記第１状態、前記第２状態、及び前記第３状態のいずれの状態であるかを表示する、
請求項５記載の回路遮断器。
【請求項7】
前記マーカは、前記状態表示部に近い第１端の幅が、前記第１端と反対側の第２端の幅よりも狭い、
請求項５記載の回路遮断器。
請求項５記載の回路遮断器。
【請求項8】
前記マーカの形状が、前記状態表示部に向かって先細となるＶ形である、
請求項５記載の回路遮断器。
請求項５記載の回路遮断器。
【請求項9】
前記端子板と前記ばね部材との間に前記導体を保持している状態での前記表示部材の回転量が、前記導体の太さに対応した回転量となる、
請求項１記載の回路遮断器。
請求項１記載の回路遮断器。
【請求項10】
前記端子ブロック、前記接点部、及び前記開閉機構部を収容する外ケースを更に備える、
請求項１記載の回路遮断器。
請求項１記載の回路遮断器。
【請求項11】
請求項１～１０のいずれかの回路遮断器と、
前記回路遮断器を収容するボックスと、
を備える、
分電盤。
前記回路遮断器を収容するボックスと、
を備える、
分電盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回路遮断器及び分電盤に関し、より詳細には、速結端子を有する回路遮断器、及び当該回路遮断器を備える分電盤に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献１は、電線接続用ねじ端子を備えた主幹用ブレーカ（以下、従来例という）と、電線接続用ねじ端子に接続されるねじ無し端子ユニットを開示する。
【0003】
ねじ無し端子ユニットは、主幹用ブレーカの電線接続用ねじ端子に接続されるねじ端子挿入バーと、ねじ端子挿入バーに電気的に接続されるねじ無し端子と、ねじ端子挿入バー及びねじ無し端子を外装する樹脂ケースとを有している。主幹用ブレーカの電線接続用ねじ端子にはねじ無し端子ユニットのねじ端子挿入バーが接続され、ねじ無し端子ユニットのねじ無し端子に電線が接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開２０００－２０１４０４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来例の主幹用ブレーカでは、ねじ無し端子ユニット（端子ブロック）のねじ無し端子に対する電線の接続状態を目視で確認することができなかった。
【0006】
本開示の目的は、端子ブロックへの電線の接続状態を視覚的に確認できる回路遮断器及び分電盤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様の回路遮断器は、１次側の電線の導体と電気的に接続される端子ブロックと、前記端子ブロックと２次側端子の間の電路に挿入された接点部と、前記接点部を開閉する開閉機構部と、を有する。前記端子ブロックは、端子板と、ばね部材と、調整ねじと、表示部材と、ケースと、を備える。前記端子板は、前記電路と電気的に接続されている。前記ばね部材は、前記導体に対して前記端子板に接する向きの接圧力を付与する。前記調整ねじは、回転可能に配置され、回転に応じて軸方向に移動することで、前記ばね部材の変形量を変化させて前記接圧力を調整する。前記表示部材は、前記調整ねじの回転に連動して回転することで、前記端子板への前記導体の接続状態を表示する。前記ケースは、前記端子板、前記ばね部材、前記調整ねじ、及び前記表示部材を収容する。
【0008】
本開示の一態様の分電盤は、前記回路遮断器と、前記回路遮断器を収容するボックスと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、端子ブロックへの電線の接続状態を視覚的に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態に係る回路遮断器及び分電盤について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
【0013】
端子ブロックＢ１は、１次側の電線Ｗ１の導体Ｗ１０と電気的に接続される（図１２及び図１５参照）。接点部Ａ１１は、端子ブロックＢ１と２次側端子Ａ１５の間の電路Ａ１６に挿入される（図４参照）。開閉機構部Ａ１２は、接点部Ａ１１を開閉する。
【0014】
【0015】
第１端子板１は、電路Ａ１６と電気的に接続されている。
【0016】
【0017】
調整ねじ３は、回転可能に配置され、回転に応じて軸方向に移動することで、ばね部材２の変形量を変化させて接圧力を調整する。
【0018】
表示部材８は、調整ねじ３の回転に連動して回転することで、第１端子板１への導体Ｗ１０の接続状態を表示する。
【0019】
ケース５は、第１端子板１、ばね部材２、調整ねじ３、及び表示部材８を収容する。
【0020】
ここにおいて、２つの部品が「接続」されるとは、２つの部品が直接接続される接続態様に限定されず、２つの部品が１又は複数の回路部品を介して接続される接続態様も含み得る。また、表示部材８が表示する「接続状態」は、第１端子板１に導体Ｗ１０が接続されている状態と、第１端子板１に導体Ｗ１０が接続されていない状態と、を少なくとも含む。表示部材８は、第１端子板１に接続されている導体Ｗ１０の太さを表示してもよい。
【0021】
なお、以下の説明では、図１、図２及び図５に矢印で示す前後、上下、左右の各方向を回路遮断器Ａ１及び端子ブロックＢ１の前後、上下、左右の各方向と定める。ただし、これらの方向は、回路遮断器Ａ１及び端子ブロックＢ１の使用状態を限定するものではない。
【0022】
実施形態に係る回路遮断器Ａ１は、例えば、住宅用分電盤（以下、住宅盤という。）の主開閉器（主幹ブレーカとも呼ばれる。）に用いられる。回路遮断器Ａ１が主開閉器として用いられる場合、回路遮断器Ａ１の２次側端子Ａ１５は、住宅盤に収容される複数の分岐開閉器に接続される。
【0023】
実施形態に係る回路遮断器Ａ１によれば、接圧力を調整する調整ねじ３の回転に連動して表示部材８が回転するので、表示部材８の位置により、第１端子板１への導体Ｗ１０の接続状態を表示することができる。したがって、本実施形態によれば、端子ブロックＢ１への電線Ｗ１の接続状態を視覚的に確認できる回路遮断器Ａ１を提供することができる。
【0024】
また、実施形態に係る分電盤Ｃ１は、実施形態に係る回路遮断器Ａ１と、実施形態に係る回路遮断器Ａ１を収容するボックスＣ１０と、を備える（図１６参照）。
【0025】
実施形態に係る分電盤Ｃ１は、実施形態に係る回路遮断器Ａ１を備えているので、回路遮断器Ａ１が備える端子ブロックＢ１への電線Ｗ１の接続状態を視覚的に確認することができる。
【0026】
（２）実施形態に係る回路遮断器の詳細
実施形態に係る回路遮断器Ａ１（以下、回路遮断器Ａ１と略す。）は、図１－図４に示すように、３つの端子ブロックＢ１と、３つの接点部Ａ１１と、開閉機構部Ａ１２と、を備える。また、回路遮断器Ａ１は、引外し装置Ａ１４と、外ケース７とを更に備える。外ケース７は、端子ブロックＢ１、接点部Ａ１１、及び開閉機構部Ａ１２を収容する。より詳細には、外ケース７は、３つの端子ブロックＢ１、３つの接点部Ａ１１、開閉機構部Ａ１２、及び引外し装置Ａ１４を収容する。回路遮断器Ａ１は、３極の中性線欠相保護機能付の漏電遮断器であり、単相３線式の住宅盤における主開閉器として用いられる。ただし、回路遮断器Ａ１は、３極未満又は４極以上の回路遮断器であってもよいし、中性線欠相保護機能及び漏電遮断機能の一方又は両方を有しない回路遮断器であってもよいし、断路器であってもよい。
実施形態に係る回路遮断器Ａ１（以下、回路遮断器Ａ１と略す。）は、図１－図４に示すように、３つの端子ブロックＢ１と、３つの接点部Ａ１１と、開閉機構部Ａ１２と、を備える。また、回路遮断器Ａ１は、引外し装置Ａ１４と、外ケース７とを更に備える。外ケース７は、端子ブロックＢ１、接点部Ａ１１、及び開閉機構部Ａ１２を収容する。より詳細には、外ケース７は、３つの端子ブロックＢ１、３つの接点部Ａ１１、開閉機構部Ａ１２、及び引外し装置Ａ１４を収容する。回路遮断器Ａ１は、３極の中性線欠相保護機能付の漏電遮断器であり、単相３線式の住宅盤における主開閉器として用いられる。ただし、回路遮断器Ａ１は、３極未満又は４極以上の回路遮断器であってもよいし、中性線欠相保護機能及び漏電遮断機能の一方又は両方を有しない回路遮断器であってもよいし、断路器であってもよい。
【0027】
接点部Ａ１１は、端子ブロックＢ１の第１端子板１と電気的に接続された固定接点と、２次側端子Ａ１５と電気的に接続された可動接点と、を有する（図４参照）。なお、端子ブロックＢ１の第１端子板１に可動接点が設けられ、２次側端子Ａ１５に固定接点が設けられていてもよい。可動接点は、固定接点に接触導通する閉極の状態と、固定接点に対して十分な絶縁距離をとって離れた開極の状態との間を移動可能である。
【0028】
開閉機構部Ａ１２は、操作ハンドルＡ１７の操作に応じて可動接点を移動させることで接点部Ａ１１を開閉可能である。引外し装置Ａ１４は、過負荷電流、短絡電流、及び漏電電流などの異常な電流が電路Ａ１６に流れていることを検出すると、開閉機構部Ａ１２を介して３つの接点部Ａ１１を強制的に開極させる。また、引外し装置Ａ１４は、中性線が欠相していることを検出した場合も、開閉機構部Ａ１２を介して３つの接点部Ａ１１を強制的に開極させる。
【0029】
外ケース７は、外ケース７を第２突き合わせ面ＰＬ２で分割した第３筐体７１と第４筐体７２とを備える。より詳細には、外ケース７は、外ケース７の前面と平行な第２突き合わせ面ＰＬ２に沿って外ケース７を前後に二分割した第３筐体７１と第４筐体７２とを結合して構成される（図１－図３参照）。ここにおいて、２つの面が「平行」であるとは、２つの面が完全に平行であることに限定されず、２つの面が数度程度の角度で交差している状態を含み得る。また、第２突き合わせ面ＰＬ２は１つの平面であることに限定されず、外ケース７の前面と平行な複数の平面が段々に連なったような突き合わせ面でもよい。
【0030】
第３筐体７１及び第４筐体７２は、いずれも電気絶縁性を有する合成樹脂の成形体で形成されている。第３筐体７１は、前面が開放された箱形に形成されている。第４筐体７２は、後面が開放された箱形に形成されている。第３筐体７１の前面に第４筐体７２が被せられ、ねじ止めなどの適宜の方法で第３筐体７１と第４筐体７２が結合されて外ケース７が構成される。
【0031】
上述のように、外ケース７を構成する第３筐体７１及び第４筐体７２には、３つの端子ブロックＢ１、３つの接点部Ａ１１、開閉機構部Ａ１２、引外し装置Ａ１４、２次側端子Ａ１５、電路Ａ１６、及び操作ハンドルＡ１７等が収容される。第３筐体７１の上部の前面には、３つの凹所７１１が横並びに設けられている（図３参照）。これら３つの凹所７１１には、端子ブロックＢ１が一つずつ収められる。第４筐体７２の上部の前面には、３つの窓孔７２２０が横並びに設けられている（図１―図３参照）。これら３つの窓孔７２２０から３つの端子ブロックＢ１の一部が露出する（図１及び図２参照）。また、第４筐体７２の上面には３つの電線挿入孔７２２が設けられており、これら３つの電線挿入孔７２２から３つの端子ブロックＢ１の一部が露出する。ここで、端子ブロックＢ１のケース５には、１次側の電線Ｗ１の導体Ｗ１０を挿入するための電線挿入孔５００が設けられており、３つの電線挿入孔７２２から３つの端子ブロックＢ１の電線挿入孔５００が露出する。しかして、第４筐体７２の電線挿入孔７２２に通した電線Ｗ１が端子ブロックＢ１の電線挿入孔５００から端子ブロックＢ１の内部に挿入され、第１端子板１に接続される。また、第４筐体７２の側面には引出口７２３（図３参照）が設けられており、引出口７２３から３つの端子ブロックＢ１のそれぞれの第２端子板６０（後述する）の一部が引き出される（図２参照）。
【0032】
また、回路遮断器Ａ１は、後述する送り端子ブロック６の第２端子板６０を支持する合成樹脂製の支持台７３を備えている（図１及び図２参照）。支持台７３は、３つの支持部７３０と、長方形状の取付部７３１と、を有している。３つの支持部７３０は、それぞれ高さの異なる角柱状に形成されており、取付部７３１の前面から前方へ突出している。ただし、３つの支持部７３０は、高さの高い順番に階段状に並んでいる。これら３つの支持部７３０は、３つの端子ブロックＢ１のそれぞれの第２端子板６０を一つずつ支持する（図１及び図２参照）。
【0033】
また、第３筐体７１には、第４筐体７２の側面に設けられた引出口７２３と嵌合する突壁７１２（図３参照）が設けられており、第３筐体７１と第４筐体７２とが結合された状態では、突壁７１２と引出口７２３との間に後述する第２端子板６０の一部が保持される。
【0034】
ただし、各端子ブロックＢ１の第２端子板６０（後述する送り端子ブロック６）及び支持台７３は、回路遮断器Ａ１に１次側送り端子を設ける場合に必要な構成要素である。したがって、回路遮断器Ａ１に１次送り端子が不要な場合、各端子ブロックＢ１の送り端子ブロック６及び支持台７３も不要である。
【0035】
なお、外ケース７には、外ケース７をそれぞれ前後方向に貫通する複数の貫通孔７４が設けられている（図１参照）。作業者は、複数の貫通孔７４にそれぞれ通した固定ねじを、ボックスＣ１０の底面に配置された取付板にネジ込むことによって、回路遮断器Ａ１の外ケース７を取付板に固定することができる。なお、外ケース７の後面には、ＤＩＮレール等の取り付けレールに取り付けるための取付部材が設けられていてもよく、作業者は、外ケース７を取付レールの所望の位置に取り付けることができる。
【0036】
（２－１）端子ブロック
以下に説明する端子ブロックＢ１の構成は、３つの端子ブロックＢ１に共通する構成である。
以下に説明する端子ブロックＢ１の構成は、３つの端子ブロックＢ１に共通する構成である。
【0037】
端子ブロックＢ１は、上述のように、第１端子板１と、ばね部材２と、ケース５と、を備える。端子ブロックＢ１は、調整ねじ３と、固定部材４と、送り端子ブロック６と、表示部材８と、を更に備える。
【0038】
（２－１－１）第１端子板
第１端子板１は、長方形状の接触片１０と、接触片１０の長手方向に沿った両辺から同じ向き（後向き）に突出する一対の側片１１と、を有している。なお、接触片１０と一対の側片１１は、銅又は銅合金などの金属材料によって、一体かつ角とい状に形成されている（図６及び図１１参照）。
第１端子板１は、長方形状の接触片１０と、接触片１０の長手方向に沿った両辺から同じ向き（後向き）に突出する一対の側片１１と、を有している。なお、接触片１０と一対の側片１１は、銅又は銅合金などの金属材料によって、一体かつ角とい状に形成されている（図６及び図１１参照）。
【0039】
また、接触片１０の上端部分はＶ字状に折り曲げられている。さらに、接触片１０の長手方向（上下方向）の中央における左右両端には、長方形の溝１００が一つずつ設けられている（図１１参照）。
【0040】
（２－１－２）ばね部材
ばね部材２は、第１ばね２１と、第２ばね２２と、を有する。
ばね部材２は、第１ばね２１と、第２ばね２２と、を有する。
【0041】
第１ばね２１は、Ｕ字状の主部２１０と、主部２１０の一方の先端から他方の先端に向かって突出する弧状の接圧部２１１と、を有する。なお、主部２１０と接圧部２１１は、帯状の金属板（例えば、ステンレス鋼板）によって一体に形成されている。
【0042】
接圧部２１１には角穴２１２が設けられている（図６及び図９参照）。角穴２１２は、接圧部２１１における主部２１０寄りの部分を厚み方向に貫通している。また、角穴２１２には、主部２１０の他方の先端部分と第１端子板１の接触片１０の上端部分が挿通される。しかして、第１ばね２１は、外力が加えられていないとき、接圧部２１１における角穴２１２の後端縁に接触片１０の上端部分が当たった状態に維持される（図８参照）。以下、この状態をばね部材２の第１の状態と呼ぶことがある。
【0043】
第２ばね２２は、帯状の金属板（例えば、ステンレス鋼板）がＵ字状に曲げられてトング状に形成されている。第２ばね２２は、第１ばね２１の主部２１０の内側に収められる（図６及び図８参照）。しかして、第２ばね２２は、第１ばね２１のばね力を補いつつばね部材２の耐久性の向上を図っている。
【0044】
（２－１－３）調整ねじ
調整ねじ３は、ケース５に回転可能な状態で配置されている。調整ねじ３は、回転に応じて軸方向に移動し、軸方向に移動することによって、ばね部材２を変形させる向き（図８における下向き）に移動して接圧力を調整する。
調整ねじ３は、ケース５に回転可能な状態で配置されている。調整ねじ３は、回転に応じて軸方向に移動し、軸方向に移動することによって、ばね部材２を変形させる向き（図８における下向き）に移動して接圧力を調整する。
【0045】
調整ねじ３は、円柱状の本体３０と、本体３０の外周面に本体３０と一体に形成されたねじ山３１と、を有している（図６及び図８参照）。また、本体３０は、本体３０の軸方向に沿った六角穴３００を有している（図１０参照）。さらに、本体３０の外周面の一部には、本体３０の軸方向に沿って、台形状の凹部（以下、溝３０１と言う）が形成されている（図８参照）。
【0046】
（２－１－４）固定部材
固定部材４は、調整ねじ３を固定する固定位置（図８－図１０参照）と調整ねじ３を固定せずに移動可能とする非固定位置（図１１参照）との間を移動可能である。より詳細には、調整ねじ３がばね部材２を変形させる向きに移動した状態で、固定部材４が固定位置に移動して調整ねじ３を固定する。すなわち、固定部材４が固定位置に移動した状態では、調整ねじ３がばね部材２を変形させる向きに移動した状態が保持される。
固定部材４は、調整ねじ３を固定する固定位置（図８－図１０参照）と調整ねじ３を固定せずに移動可能とする非固定位置（図１１参照）との間を移動可能である。より詳細には、調整ねじ３がばね部材２を変形させる向きに移動した状態で、固定部材４が固定位置に移動して調整ねじ３を固定する。すなわち、固定部材４が固定位置に移動した状態では、調整ねじ３がばね部材２を変形させる向きに移動した状態が保持される。
【0047】
固定部材４は、操作部４０と、固定部４１と、一対のばね部４２と、を有する（図６―図８参照）。操作部４０は、直方体状に形成されている。操作部４０の背面における長手方向の両端からフランジ４００がそれぞれ突出している（図６及び図７参照）。
【0048】
一対のばね部４２はそれぞれ、長方形状に形成されている。片方のばね部４２は、操作部４０の背面における短手方向の一端から、操作部４０の背面に対して略４５度の角度に突出している。もう片方のばね部４２は、操作部４０の背面における短手方向の他端から、操作部４０の背面に対して略４５度の角度に突出している。
【0049】
固定部４１は、角柱状に形成されている。固定部４１は、操作部４０の背面から当該背面の法線方向に沿って突出している。なお、固定部４１は、操作部４０の背面の長手方向において一対のばね部４２の間に位置している（図７参照）。固定部４１の先端面が弧状に湾曲しており、先端面に沿って湾曲する弧状の爪４１０が設けられている（図７参照）。また、固定部４１の側面には突部４３が設けられている。突部４３は、角柱状に形成されて固定部４１の側面から固定部４１の長手方向に沿って突出している。なお、突部４３の一方の端面（操作部４０に近い側の端面）は、固定部４１の側面から離れるにつれて操作部４０から離れる向きに傾斜する傾斜面となっている（図７参照）。
【0050】
固定部材４の操作部４０は、ケース５の外から押操作される。固定部４１は、操作部４０が押操作されることで移動し、固定部材４が固定位置にあるときに調整ねじ３を固定する。操作部４０の少なくとも一部は、固定部材４が固定位置にいないときに収容部５１の開口５１０からケース５の外に突出する。また、端子ブロックＢ１が外ケース７に収容された状態では、固定部材４の操作部４０は、外ケース７の窓孔７２２０から露出する。すなわち、固定部材４の少なくとも一部が露出する開口（窓孔７２２０）が外ケース７に設けられており、本実施形態では開口（窓孔７２２０）から固定部材４の操作部４０が露出している。
【0051】
（２－１－５）表示部材
表示部材８は、円環状の表示部８０と、突部である台形状の脚部８１と、を有する。脚部８１は、表示部８０の後面から表示部８０の厚み方向（前後方向）に沿って突出しており、調整ねじ３の溝３０１に挿入される。表示部材８は、ケース５に対して回転可能な状態で配置されており、調整ねじ３の回転に連動して調整ねじ３と共に回転する。なお、表示部８０と脚部８１は、合成樹脂の成形体として一体に形成されている。
表示部材８は、円環状の表示部８０と、突部である台形状の脚部８１と、を有する。脚部８１は、表示部８０の後面から表示部８０の厚み方向（前後方向）に沿って突出しており、調整ねじ３の溝３０１に挿入される。表示部材８は、ケース５に対して回転可能な状態で配置されており、調整ねじ３の回転に連動して調整ねじ３と共に回転する。なお、表示部８０と脚部８１は、合成樹脂の成形体として一体に形成されている。
【0052】
表示部材８を収容するケース５の表面には、表示部材８を露出する開口部５０３０が設けられている。開口部５０３０は円形の開口であり、開口部５０３０から表示部材８の表示部８０が露出する。表示部材８において、開口部５０３０から露出する部位（表示部８０の前面）にはマーカ８２が設けられている。表示部材８は調整ねじ３の回転に連動して回転するので、表示部材８の回転に応じて表示部８０に設けられたマーカ８２が円周方向に沿って移動する。ここで、ケース５の表面における開口部５０３０の周縁部には、マーカ８２の移動範囲に、マーカ８２の位置に応じて導体Ｗ１０の接続状態を表示する状態表示部９０が設けられている。つまり、調整ねじ３の回転に連動して表示部材８が回転したときのマーカ８２と状態表示部９０との位置関係によって導体Ｗ１０の接続状態を表示することができる。
【0053】
なお、本実施形態では、表示部材８に突部（脚部８１）が設けられ、調整ねじ３に、突部（脚部８１）が挿入される凹部（溝３０１）が設けられているが、調整ねじ３に突部が設けられ、表示部材８に突部が挿入される凹部が設けられてもよい。言い換えると、表示部材８及び調整ねじ３の一方に突部が設けられ、表示部材８及び調整ねじ３の他方に、突部が軸方向に沿って移動可能な状態で挿入される凹部が設けられていればよい。これにより、調整ねじ３の回転に連動して表示部材８を回転させることができる。
【0054】
【0055】
第２端子板６０は、４角形状の主片６００と、主片６００の側端面から突出する接続片６０１と、主片６００の側端面（接続片６０１が突出する側端面と反対側の側端面）から突出する固定片６０２と、を有する（図１参照）。ただし、主片６００と接続片６０１と固定片６０２は、銅又は銅合金などの金属板が打ち抜き加工されることで一体に形成される。固定片６０２の先端部分には、固定片６０２を厚み方向に貫通する円形のねじ挿通穴が設けられている。このねじ挿通穴に固定ねじ６２のねじ部が挿通される。固定片６０２は、支持台７３の支持部７３０の前面に載置されて固定ねじ６２によって支持部７３０に固定される（図１参照）。
【0056】
第２端子板６０は、可撓性を有する金属（例えば、銅又は銅合金）によって円柱状に形成された接続導体（図示せず）を介して第１端子板１に電気的に接続される。接続導体の一端は、第１端子板１の接触片１０とはんだ付け、溶接などの適宜の方法で電気的かつ機械的に接続される。また、接続導体の他端は、第２端子板６０の接続片６０１とはんだ付け、溶接などの適宜の方法で電気的かつ機械的に接続される。なお、接続導体は、合成樹脂のような電気絶縁性を有する絶縁体で被覆されても構わない。
【0057】
（２－１－７）ケース
ケース５は、左右の幅が前後の幅及び上下の高さよりも十分に短い箱状に形成されている（図３及び図５参照）。ケース５は、ケース５を第１突き合わせ面ＰＬ１で分割した第１筐体５Ａと第２筐体５Ｂとを備える。より詳細には、ケース５は、ケース５を左右方向の中央を通る第１突き合わせ面ＰＬ１（図２参照）で２分割した第１筐体５Ａと第２筐体５Ｂを有する。なお、第１突き合わせ面ＰＬ１は、ケース５の前面に開口する開口部５０３０の中央を通るのが好ましいが、ケース５の左右方向の中央位置からずれていてもよい。また、本実施形態では、第１突き合わせ面ＰＬ１の法線方向と第２突き合わせ面ＰＬ２の法線方向が交差している。また、ばね部材２が１次側の電線Ｗ１の導体Ｗ１０に付与する接圧力の方向（図８に矢印Ｆ１で示す向き）は、第１突き合わせ面ＰＬ１と平行である。
ケース５は、左右の幅が前後の幅及び上下の高さよりも十分に短い箱状に形成されている（図３及び図５参照）。ケース５は、ケース５を第１突き合わせ面ＰＬ１で分割した第１筐体５Ａと第２筐体５Ｂとを備える。より詳細には、ケース５は、ケース５を左右方向の中央を通る第１突き合わせ面ＰＬ１（図２参照）で２分割した第１筐体５Ａと第２筐体５Ｂを有する。なお、第１突き合わせ面ＰＬ１は、ケース５の前面に開口する開口部５０３０の中央を通るのが好ましいが、ケース５の左右方向の中央位置からずれていてもよい。また、本実施形態では、第１突き合わせ面ＰＬ１の法線方向と第２突き合わせ面ＰＬ２の法線方向が交差している。また、ばね部材２が１次側の電線Ｗ１の導体Ｗ１０に付与する接圧力の方向（図８に矢印Ｆ１で示す向き）は、第１突き合わせ面ＰＬ１と平行である。
【0058】
ケース５は、第２筐体５Ｂに設けられた複数の係合部５７（図６参照）を第１筐体５Ａに設けられた複数の被係合部５８（図６参照）にスナップイン結合させて組み立てられる。係合部５７は、先端に爪が設けられた引掛フックである。被係合部５８は、係合部５７の先端の爪が引っ掛かる段部が設けられた係合孔である。第１筐体５Ａと第２筐体５Ｂとを第１突き合わせ面ＰＬ１で付き合わせると、複数の係合部５７が複数の被係合部５８にそれぞれスナップイン結合することで、第１筐体５Ａと第２筐体５Ｂとが結合される。
【0059】
なお、図６では、第２筐体５Ｂに、第１筐体５Ａの３箇所の被係合部５８に結合する３つの係合部５７が設けられているが、係合部５７及び被係合部５８の数は適宜変更が可能である。また、第１筐体５Ａに、第２筐体５Ｂに設けられた複数の被係合部５８とそれぞれ結合する複数の係合部５７が設けられてもよい。すなわち、第１筐体５Ａ及び第２筐体５Ｂの一方に、第１筐体５Ａ及び第２筐体５Ｂの他方に設けられた被係合部５８とスナップイン結合する係合部５７が設けられていればよく、工具を必要とせずに第１筐体５Ａ及び第２筐体５Ｂを組み立てることができる。
【0060】
ケース５内には、第１収容空間５０１、第２収容空間５０２、及び第３収容空間５０３が設けられている（図８参照）。第１収容空間５０１は、第１端子板１を収容する。第１収容空間５０１は、ケース５内の上後方部分に設けられた案内路５０によって、ケース５の上面に開口した電線挿入孔５００とつながっている。案内路５０は、電線挿入孔５００から挿入される電線Ｗ１の導体Ｗ１０を、第１端子板１の接触片１０と一対の側片１１に囲まれた空間に案内する。
【0061】
第２収容空間５０２は、ばね部材２を収容する。第２収容空間５０２には、ばね部材２を支持するばね支持部５３が設けられている（図１１参照）。ばね支持部５３は、左右方向から見て、円柱の周面から長方形の板状の部分が突出する形状に形成されている。ばね支持部５３は、第１ばね２１の主部２１０及び第２ばね２２の内側に配置されることによってばね部材２を支持する。
【0062】
第３収容空間５０３は、調整ねじ３と表示部材８を収容する。第３収容空間５０３は、ケース５の前面に開口部５０３０を有して円筒状に形成されている。また、第３収容空間５０３の内周面には、調整ねじ３のねじ山３１とはまり合うねじ溝５０４が形成されている（図８及び図９参照）。さらに、第３収容空間５０３の前端部分に、表示部材８の表示部８０を回転可能に保持する保持溝５０５が形成されている（図６及び図１０参照）。表示部材８は、表示部８０の周縁部分を保持溝５０５に挿入し、かつ、調整ねじ３の本体３０に設けられた溝３０１に脚部８１を挿入するようにして第３収容空間５０３に収容される。
【0063】
第３収容空間５０３に収容された調整ねじ３は、ケース５の外から左回り（反時計回り）に回転させられると、第３収容空間５０３から第２収容空間５０２に向かって移動する。このとき、表示部材８は、溝３０１に挿入された脚部８１を介して調整ねじ３と共に回転するが、表示部８０が保持溝５０５に回転可能に保持されているので、第３収容空間５０３から第２収容空間５０２へは移動しない。つまり、ケース５は、表示部材８の軸方向における移動を規制した状態で、表示部材８を回転可能に保持する保持部としての保持溝５０５を備えている。これにより、調整ねじ３が回転に応じて後側に移動した場合でも、表示部材８が後方に移動することはなく、開口部５０３０から表示部８０までの距離が変化しないので、表示部８０に設けられたマーカ８２が視認しにくくなる可能性を低減できる。なお、本実施形態では、保持部が保持溝５０５で実現されているが、保持部は保持溝５０５に限定されず、適宜変更可能である。
【0064】
ここで、ケース５の開口部５０３０から視認される表示部８０の回転角、つまり表示部８０に設けられたマーカ８２の回転角（移動量）は、調整ねじ３の前後方向の移動量（第３収容空間５０３と第２収容空間５０２の間を移動する量）に比例する。したがって、表示部８０は、その回転角によって調整ねじ３の前後方向の位置を表示することができる。
【0065】
ケース５の表面（前面）における開口部５０３０の周縁部には、マーカ８２の移動範囲に、マーカ８２の位置に応じて導体Ｗ１０の接続状態を表示する状態表示部９０が設けられている。状態表示部９０は、弧状に湾曲する帯状に形成されている。状態表示部９０は、例えば、印刷、刻印、シールの貼付け等の適宜の方法で形成される。
【0066】
ここにおいて、状態表示部９０が表示する導体Ｗ１０の接続状態は、第１状態と、第２状態と、第３状態とを少なくとも含む。第１状態は、第１端子板１とばね部材２との間に導体Ｗ１０を挿入不可能な状態である。第２状態は、第１端子板１とばね部材２との間に導体Ｗ１０を挿入可能で、かつ、第１端子板１とばね部材２との間に導体Ｗ１０を保持していない状態である。第３状態は、第１端子板１とばね部材２との間に導体Ｗ１０を保持している状態である。なお、第１状態及び第２状態は、第１端子板１とばね部材２との間に導体Ｗ１０が接続されていない状態であり、第３状態は、第１端子板１とばね部材２との間に導体Ｗ１０が接続されている状態である。
【0067】
図１３は、導体Ｗ１０の接続状態が第１状態であるときの端子ブロックＢ１の正面図であり、マーカ８２は移動範囲の右端に位置している。状態表示部９０において、導体Ｗ１０の接続状態が第１状態であるときのマーカ８２と対向する右端の領域が、接続状態が第１状態であることを示す第１表示領域９０Ａとなる。
【0068】
図１４は、導体Ｗ１０の接続状態が第２状態であるときの端子ブロックＢ１の正面図であり、マーカ８２は移動範囲の左端に位置している。状態表示部９０において、導体Ｗ１０の接続状態が第２状態であるときのマーカ８２と対向する左端の領域が、接続状態が第２状態であることを示す第２表示領域９０Ｂとなる。
【0069】
図１５は、導体Ｗ１０の接続状態が第３状態であるときの端子ブロックＢ１の正面図であり、状態表示部９０において第１表示領域９０Ａと第２表示領域９０Ｂとの間の第３表示領域９０Ｃにマーカ８２は対向している。ここで、導体Ｗ１０の接続状態が第３状態である場合、導体Ｗ１０の太さに応じて調整ねじ３の回転角度が変化し、導体Ｗ１０の太さが太いほど、第３表示領域９０Ｃにおいて、第２表示領域９０Ｂに近い位置にマーカ８２が位置している。つまり、第１端子板１とばね部材２との間に導体Ｗ１０を保持している状態での表示部材８の回転量が、導体Ｗ１０の太さに対応した回転量となっている。
【0070】
上述のように、状態表示部９０は、マーカ８２の位置に応じて、第１状態、第２状態、及び第３状態のいずれの状態であるかを表示することができる。これにより、作業者は、マーカ８２の位置に基づいて、端子ブロックＢ１への導体Ｗ１０の接続状態を視覚的に確認することができ、マーカ８２の位置に基づいて導体Ｗ１０の接続状態を確認しながら端子ブロックＢ１に導体Ｗ１０を接続する作業を行うことができる。
【0071】
なお、状態表示部９０では、第１表示領域９０Ａと第２表示領域９０Ｂと第３表示領域９０Ｃとで表示態様が互いに異なっている。例えば、第１表示領域９０Ａは白色、第２表示領域９０Ｂは黄色、第３表示領域９０Ｃは赤色のように、各領域で色を変えているので、作業者は、状態表示部９０においてマーカ８２が対向している領域の色に基づいて導体Ｗ１０の接続状態を容易に確認することができる。なお、第１表示領域９０Ａと第２表示領域９０Ｂと第３表示領域９０Ｃとで色の濃淡を異ならせることで表示態様を異ならせてもよく、作業者が導体Ｗ１０の接続状態を視覚的に把握しやすくなる。
【0072】
また、表示部材８に設けられたマーカ８２は、状態表示部９０に近い第１端の幅が、第１端と反対側の第２端の幅よりも狭くなっている。図１３の例では、マーカ８２は頂点を状態表示部９０に向けた三角形であり、第１端である頂点部分の幅は、第２端である底辺部分の幅よりも狭くなっている。これにより、回路遮断器Ａ１のユーザは、状態表示部９０のどこにマーカ８２が対向しているのかを容易に把握でき、導体Ｗ１０の現在の接続状態を視覚的に把握しやすくなるという利点がある。なお、マーカ８２の形状は、例えば、状態表示部９０に向かって先細となるＶ形であることが好ましく、本実施形態では三角形である。このように、本実施形態では、マーカ８２の形状が、状態表示部９０に向かって先細となるＶ形であるから、状態表示部９０のどこにマーカ８２が対向しているのかを容易に把握できる。
【0073】
ケース５は、固定部材４を収容する収容部５１を更に有している（図６及び図８参照）。ケース５の前面には収容部５１の開口５１０が設けられている。また、収容部５１は、第３収容空間５０３とつながっている。収容部５１は、操作部４０を開口５１０からケース５の外に突出させ、固定部４１の先端（下端）を第３収容空間５０３に臨ませるように固定部材４を移動可能に収容する（図６及び図８参照）。なお、固定部材４の一対のばね部４２は、収容部５１の内壁と接触している。したがって、固定部材４は、操作部４０を開口５１０から突出させる向きの力を一対のばね部４２から受けている。ただし、ケース５は規制部５２（図１１参照）を有しており、操作部４０を開口５１０からケース５の外に突出させる向きの固定部材４の移動を規制部５２によって規制している。なお、規制部５２は、収容部５１において固定部材４の突部４３が移動可能に収容される空間の内壁で構成される。つまり、規制部５２は、固定部材４の突部４３が内壁に当たることにより、固定部材４の移動を規制する。
【0074】
また、ケース５の上面における電線挿入孔５００の前方に２つの収容凹部５４が設けられている（図３及び図５参照）。これら２つの収容凹部５４は、ケース５を左右方向に貫通する溝状に形成されている。それぞれの収容凹部５４は、送り端子ブロック６の接続導体を収容可能である。
【0075】
さらに、ケース５の左側面（第２筐体５Ｂの側面）には、接続導体が挿通される挿通穴５５が設けられている（図５参照）。
【0076】
また、ケース５の前面には、案内路５０につながる観察孔５６（図５及び図８参照）が設けられている。外ケース７には、観察孔５６の少なくとも一部（本実施形態では、観察孔５６の全体）が露出する窓孔７２２０が設けられている。図１５に示すように、観察孔５６は、電線挿入孔５００からケース５の内部に１次側の電線Ｗ１が挿入された状態で、１次側の電線Ｗ１の挿入方向（矢印ＤＲ１の方向）と交差する観察方向（矢印ＤＲ２の方向）から１次側の電線（Ｗ１）を目視可能とする。ここにおいて、観察孔５６は、絶縁体Ｗ１１が規定量だけ剥かれた電線Ｗ１が電線挿入孔５００に挿入され、電線Ｗ１の導体Ｗ１０が第１端子板１に対して所定の位置まで差し込まれた状態で、絶縁体Ｗ１１の先端部分が見える位置に設けられている。
【0077】
（２－２）端子ブロックに対する結線作業の手順
次に、端子ブロックＢ１に対して電線Ｗ１を接続する作業（結線作業）の手順を説明する。
次に、端子ブロックＢ１に対して電線Ｗ１を接続する作業（結線作業）の手順を説明する。
【0078】
端子ブロックＢ１に電線Ｗ１が接続されていない第１状態では、ばね部材２の角穴２１２の後端縁に接触片１０の上端部分が当たった状態に維持される（図１１参照）。また、表示部材８は、状態表示部９０の第１表示領域９０Ａにマーカ８２が対向する位置に回転している（図１３参照）。
【0079】
この状態から第１端子板１に電線Ｗ１の導体Ｗ１０を接続するために、作業者は、六角レンチなどの工具を使用して調整ねじ３を反時計回りに回転させる。調整ねじ３は、反時計回りに回転することで第３収容空間５０３から第２収容空間５０２に向かう向き（以下、第１の向きＤ１という。）に移動する（図１１参照）。調整ねじ３は、第１の向きＤ１に移動しながらばね部材２をたわませる。
【0080】
調整ねじ３と連動して回転する表示部８０のマーカ８２が左端の第２表示領域９０Ｂに達したら（図１４参照）、作業者は、操作部４０を押操作して固定部材４をケース５内に進入する向きに移動させる。なお、操作部４０が押操作されておらず、固定部材４が調整ねじ３から最も離れているときの固定部材４の位置を非固定位置と呼ぶ（図１１参照）。
【0081】
作業者が、操作部４０を押し込んだ状態で、工具による調整ねじ３の反時計回りの回転を停止すると、ばね部材２のばね力を受けた調整ねじ３が時計回りに回転しながら第１の向きＤ１と反対の向き（以下、第２の向きＤ２という。）に移動する。そして、第２の向きＤ２に移動した調整ねじ３の本体３０に固定部４１の爪４１０が引っ掛かる（図８－図１０参照）。その結果、調整ねじ３が固定部材４によって固定される（図８参照）。ここで、固定部材４が調整ねじ３を固定しているときの固定部材４の位置を固定位置と呼ぶ（図８参照）。固定部材４が固定位置にあるとき、ばね部材２の第１ばね２１が調整ねじ３に押されてたわんでいるため、第１ばね２１の角穴２１２がケース５の案内路５０とつながる（図９参照）。このとき、電線Ｗ１の導体Ｗ１０をばね部材２と第１端子板１との間に挿入可能な状態（第２状態）となり、表示部８０のマーカ８２は第２表示領域９０Ｂに対向している。
【0082】
作業者は、マーカ８２が第２表示領域９０Ｂに対向する位置にあることから第２状態に切り替えられたと判断すると、電線Ｗ１の導体Ｗ１０をケース５の電線挿入孔５００から案内路５０に挿入する。このとき、作業者は、観察孔５６を通して電線Ｗ１の絶縁体Ｗ１１が見えるまで電線挿入孔５００に電線Ｗ１を差し込めばよい。図１５に示すように観察孔５６を通して絶縁体Ｗ１１が目視できれば、電線Ｗ１の導体Ｗ１０は第１端子板１の内部に到達しているので、電線Ｗ１を確実に第１端子板１に接続することができる（図１２参照）。
【0083】
続いて、作業者は、工具を使って調整ねじ３を反時計回りに回転させる。そうすると、調整ねじ３が第１の向きＤ１に移動し、固定部４１の爪４１０が本体３０から外れる。固定部材４は、固定部４１の爪４１０が調整ねじ３の本体３０から外れると、一対のばね部４２のばね力によって固定位置から非固定位置に移動する。作業者が工具による調整ねじ３の反時計回りの回転を停止すると、ばね部材２のばね力を受けて調整ねじ３が時計回りに回転しながら第２の向きＤ２に移動する。そして、第１ばね２１の接圧部２１１の角穴２１２の縁が導体Ｗ１０に当たり、ばね部材２のばね力（第１ばね２１のばね力と第２ばね２２のばね力の合成力）によって導体Ｗ１０が第１端子板１の接触片１０に押し当てられる（図１２参照）。その結果、電線Ｗ１の導体Ｗ１０と第１端子板１が電気的かつ機械的に接続されるとともに、接圧部２１１の角穴２１２の縁が導体Ｗ１０に当たることによって、電線Ｗ１が抜け止めされる。
【0084】
ここにおいて、ばね部材２の角穴２１２の縁が導体Ｗ１０に当たった位置で止まるので、調整ねじ３の回転量は導体Ｗ１０の太さに応じた回転量となり、マーカ８２が状態表示部９０の第３表示領域９０Ｃと対向する位置で表示部材８は停止する。ここで、マーカ８２の位置も、導体Ｗ１０の太さに応じた位置となり、導体Ｗ１０の太さが太いほど第２表示領域９０Ｂに近い位置に停止する。したがって、作業者は、マーカ８２の位置から、端子ブロックＢ１に接続された導体Ｗ１０の太さを把握することができる。例えば、導体Ｗ１０が撚り線であり、第１端子板１とばね部材２との間に撚り線の一部しか挿入されていない場合、導体Ｗ１０の太さから予想されるマーカ８２の位置と、マーカ８２の実際の停止位置とが異なることになる。したがって、作業者は、マーカ８２の実際の停止位置に基づいて、導体Ｗ１０の一部しか第１端子板１に接続されていない状態を把握することができる。
【0085】
以上の手順で端子ブロックＢ１に対する電線Ｗ１の結線作業が完了する。
【0086】
（２－３）実施形態に係る回路遮断器の利点
上述のように回路遮断器Ａ１において、接圧力を調整する調整ねじ３の回転に連動して表示部材８が回転するので、表示部材８の位置により、第１端子板１への導体Ｗ１０の接続状態を表示することができる。よって、回路遮断器Ａ１では、端子ブロックＢ１に対する電線Ｗ１の接続状態を作業者が視覚的に確認することができ、電線Ｗ１の接続状態を確認しながら電線Ｗ１の接続作業を行うことができる。
上述のように回路遮断器Ａ１において、接圧力を調整する調整ねじ３の回転に連動して表示部材８が回転するので、表示部材８の位置により、第１端子板１への導体Ｗ１０の接続状態を表示することができる。よって、回路遮断器Ａ１では、端子ブロックＢ１に対する電線Ｗ１の接続状態を作業者が視覚的に確認することができ、電線Ｗ１の接続状態を確認しながら電線Ｗ１の接続作業を行うことができる。
【0087】
また、ケース５には、表示部材８の表示部８０を回転可能に保持する保持溝５０５が形成されており、表示部８０が保持溝５０５に保持された状態では、表示部材８の回転を許容しつつ、表示部材８の軸方向における移動が規制される。したがって、調整ねじ３が軸方向に移動したとしても、軸方向における表示部材８の移動を抑制でき、作業者が表示部材８を見やすくなるという利点がある。
【0088】
また、表示部材８には脚部８１（突部）が設けられ、調整ねじ３には、脚部８１が軸方向に沿って移動可能な状態で挿入される溝３０１（凹部）が設けられているので、調整ねじ３の回転に連動して表示部材８を回転させることができる。
【0089】
また、回路遮断器Ａ１では、ケース５の表面に、表示部材８を露出する開口部５０３０が設けられているので、作業者は、ケース５の外部から開口部５０３０を通して表示部材８を視認することができる。
【0090】
また、表示部材８にはマーカ８２が設けられ、ケース５の表面における開口部５０３０の周縁部には状態表示部９０が設けられているので、作業者はマーカ８２の位置に応じて端子ブロックＢ１への導体Ｗ１０の接続状態を確認することができる。
【0091】
ここで、状態表示部９０が表示する接続状態は、第１状態と、第２状態と、第３状態と、を少なくとも含んでおり、作業者は、マーカ８２の位置に応じて、導体Ｗ１０の接続状態が第１状態、第２状態、及び第３状態のいずれの状態であるかを把握することができる。
【0092】
また、マーカ８２は、状態表示部９０に近い第１端の幅が、第１端と反対側の第２端の幅よりも狭いことが好ましく、マーカ８２が状態表示部９０のどこに対向しているかを把握しやすいという利点がある。
【0093】
また更に、マーカ８２の形状は、状態表示部９０に向かって先細となるＶ形であることが好ましく、マーカ８２が状態表示部９０のどこに対向しているかを把握しやすいという利点がある。
【0094】
また回路遮断器Ａ１では、第１端子板１とばね部材２との間に導体Ｗ１０を保持している状態での表示部材８の回転量が、導体Ｗ１０の太さに対応した回転量となることが好ましい。作業者は、表示部材８の回転量に基づいて、第１端子板１に接続されている導体Ｗ１０の太さを把握することができる。
【0095】
また回路遮断器Ａ１は、第１端子板１、ばね部材２、調整ねじ３、及び表示部材８をケース５に収容した端子ブロックＢ１を、接点部Ａ１１及び開閉機構部Ａ１２と共に外ケース７に収容するので、組立作業の作業性が向上するという利点がある。
【0096】
（３）実施形態に係る分電盤の詳細
実施形態に係る分電盤Ｃ１（以下、分電盤Ｃ１と略す。）は、主幹ブレーカとして使用される回路遮断器Ａ１と、回路遮断器Ａ１を収容するボックスＣ１０と、を備える（図１６参照）。なお、分電盤Ｃ１は住宅盤を例示するが、住宅盤以外の分電盤、例えば、事務所、店舗、工場などで使用されるキャビネット型の分電盤であっても構わない。
実施形態に係る分電盤Ｃ１（以下、分電盤Ｃ１と略す。）は、主幹ブレーカとして使用される回路遮断器Ａ１と、回路遮断器Ａ１を収容するボックスＣ１０と、を備える（図１６参照）。なお、分電盤Ｃ１は住宅盤を例示するが、住宅盤以外の分電盤、例えば、事務所、店舗、工場などで使用されるキャビネット型の分電盤であっても構わない。
【0097】
ボックスＣ１０は、合成樹脂によって前面が開放された長方形の箱状に形成されている。なお、ボックスＣ１０は合成樹脂製に限定されず、金属製でもよい。ボックスＣ１０は、屋内の造営材、例えば、住宅内の壁に取り付けられる。なお、図示は省略しているが、ボックスＣ１０の前面は、ボックスＣ１０に取り付けられるドアによって開閉可能に塞がれる。
【0098】
回路遮断器Ａ１は、ボックスＣ１０内の左右方向の中央から左寄りの位置に収容される。ボックスＣ１０内において、回路遮断器Ａ１の右側のスペースに３つの母線及び複数の分岐ブレーカ（分岐開閉器）が収容される。ただし、図１６においては母線及び分岐ブレーカの図示を省略している。
【0099】
３つの母線は、それぞれ銅又は銅合金によって長方形の板状に形成された導電バーで構成されている。３つの母線は、ボックスＣ１０内における上下方向の中央に、ボックスＣ１０の奥行き方向に沿って等間隔に並べて配置される。なお、３つの母線は、回路遮断器Ａ１の３つの２次側端子Ａ１５と一つずつ電気的に接続される。
【0100】
複数の分岐ブレーカは、３つの母線の上方と下方に配置され、３つの母線のうちのいずれか２つの母線に電気的に接続される。
【0101】
また、ボックスＣ１０内において、回路遮断器Ａ１の左側のスペースに、１次送り回路用のブレーカが収容される場合がある。１次送り回路用のブレーカは、例えば、漏電ブレーカであって、回路遮断器Ａ１の３つの第２端子板６０のいずれか２つの第２端子板６０と電気的に接続される。１次送り回路は、例えば、平成１７年総務省令第４０号に規定されている共同住宅用受信機への給電に使用される。
【0102】
しかして、分電盤Ｃ１は、回路遮断器Ａ１を備えているので、回路遮断器Ａ１に対する電線Ｗ１の接続状態を視覚的に確認することができる。
【0103】
（まとめ）
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0104】
第１の態様の回路遮断器（Ａ１）は、端子ブロック（Ｂ１）と、接点部（Ａ１１）と、開閉機構部（Ａ１２）と、を有する。端子ブロック（Ｂ１）は１次側の電線（Ｗ１）の導体（Ｗ１０）と電気的に接続される。接点部（Ａ１１）は、端子ブロック（Ｂ１）と２次側端子（Ａ１５）の間の電路（Ａ１６）に挿入されている。開閉機構部（Ａ１２）は接点部（Ａ１１）を開閉する。端子ブロック（Ｂ１）は、端子板（１）と、ばね部材（２）と、調整ねじ（３）と、表示部材（８）と、ケース（５）と、を備える。端子板（１）は、電路（Ａ１６）と電気的に接続されている。ばね部材（２）は、導体（Ｗ１０）に対して端子板（１）に接する向きの接圧力を付与する。調整ねじ（３）は、回転可能に配置され、回転に応じて軸方向に移動することで、ばね部材（２）の変形量を変化させて接圧力を調整する。表示部材（８）は、調整ねじ（３）の回転に連動して回転することで、端子板（１）への導体（Ｗ１０）の接続状態を表示する。ケース（５）は、端子板（１）、ばね部材（２）、調整ねじ（３）、及び表示部材（８）を収容する。
【0105】
この態様によれば、接圧力を調整する調整ねじ（３）の回転に連動して表示部材（８）が回転するので、表示部材（８）の位置により、端子板（１）への導体（Ｗ１０）の接続状態を表示することができる。したがって、この態様によれば、端子ブロック（Ｂ１）への電線（Ｗ１）の接続状態を視覚的に確認できる回路遮断器（Ａ１）を提供することができる。
【0106】
第２の態様の回路遮断器（Ａ１）では、第１の態様において、ケース（５）は、表示部材（８）の軸方向における移動を規制した状態で、表示部材（８）を回転可能に保持する保持部（５０５）を備える。
【0107】
この態様によれば、軸方向における表示部材（８）の位置が移動しにくいので、作業者が表示部材（８）を見やすいという利点がある。
【0108】
第３の態様の回路遮断器（Ａ１）では、第２の態様において、表示部材（８）及び調整ねじ（３）の一方は突部（８１）を有する。表示部材（８）及び調整ねじ（３）の他方には、突部（８１）が軸方向に沿って移動可能な状態で挿入される凹部（３０１）が設けられている。
【0109】
この態様によれば、調整ねじ（３）の回転に連動して表示部材（８）を回転させることができる。
【0110】
第４の態様の回路遮断器（Ａ１）では、第１～第３のいずれかの態様において、ケース（５）の表面には、表示部材（８）を露出する開口部（５０３０）が設けられている。
【0111】
この態様によれば、作業者は、ケース（５）の外部から開口部（５０３０）を通して表示部材（８）を視認することができるという利点がある。
【0112】
第５の態様の回路遮断器（Ａ１）では、第４の態様において、表示部材（８）において開口部（５０３０）から露出する部位にはマーカ（８２）が設けられている。ケース（５）の表面における開口部（５０３０）の周縁部には、マーカ（８２）の移動範囲に、マーカ（８２）の位置に応じて接続状態を表示する状態表示部（９０）が設けられている。
【0113】
この態様によれば、作業者はマーカ（８２）の位置に応じて端子板（１）への導体（Ｗ１０）の接続状態を確認することができる。
【0114】
第６の態様の回路遮断器（Ａ１）では、第５の態様において、接続状態は、第１状態と、第２状態と、第３状態と、を少なくとも含む。第１状態は、端子板（１）とばね部材（２）との間に導体（Ｗ１０）を挿入不可能な状態である。第２状態は、端子板（１）とばね部材（２）との間に導体（Ｗ１０）を挿入可能で、かつ、端子板（１）とばね部材（２）との間に導体（Ｗ１０）を保持していない状態である。第３状態は、端子板（１）とばね部材（２）との間に導体（Ｗ１０）を保持している状態である。状態表示部（９０）は、マーカ（８２）の位置に応じて、第１状態、第２状態、及び第３状態のいずれの状態であるかを表示する。
【0115】
この態様によれば、作業者は、マーカ（８２）の位置に応じて、導体（Ｗ１０）の接続状態が第１状態、第２状態、及び第３状態のいずれの状態であるかを把握することができる。
【0116】
第７の態様の回路遮断器（Ａ１）では、第５又は第６の態様において、マーカ（８２）は、状態表示部（９０）に近い第１端の幅が、第１端と反対側の第２端の幅よりも狭い。
【0117】
この態様によれば、マーカ（８２）が状態表示部（９０）のどこに対向しているかを視覚的に把握しやすいという利点がある。
【0118】
第８の態様の回路遮断器（Ａ１）では、第５又は第６の態様において、マーカ（８２）の形状が、状態表示部（９０）に向かって先細となるＶ形である。
【0119】
この態様によれば、マーカ（８２）が状態表示部（９０）のどこに対向しているかを視覚的に把握しやすいという利点がある。
【0120】
第９の態様の回路遮断器（Ａ１）では、第１～第８のいずれかの態様において、端子板（１）とばね部材（２）との間に導体（Ｗ１０）を保持している状態での表示部材（８）の回転量が、導体（Ｗ１０）の太さに対応した回転量となる。
【0121】
この態様によれば、作業者は、表示部材（８）の回転量に基づいて、端子板（１）に接続されている導体（Ｗ１０）の太さを把握することができる。
【0122】
第１０の態様の回路遮断器（Ａ１）では、第１～第９のいずれかの態様において、端子ブロック（Ｂ１）、接点部（Ａ１１）、及び開閉機構部（Ａ１２）を収容する外ケース（７）を更に備える。
【0123】
この態様によれば、端子板（１）、ばね部材（２）、調整ねじ（３）、及び表示部材（８）を収容したケース（５）を、接点部（Ａ１１）及び開閉機構部（Ａ１２）と共に外ケース（７）に収容するので、組立作業の作業性が向上するという利点がある。
【0124】
第１１の態様に係る分電盤（Ｃ１）は、第１－第１０のいずれかの態様に係る回路遮断器（Ａ１）と、回路遮断器（Ａ１）を収容するボックス（Ｃ１０）と、を備える。
【0125】
この態様によれば、回路遮断器（Ａ１）が備える端子ブロック（Ｂ１）への電線（Ｗ１）の接続状態を視覚的に確認することができる。
【0126】
第２～第１０の態様に係る構成については、回路遮断器（Ａ１）に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0127】
１ 第１端子板（端子板）
２ ばね部材
５ ケース
７ 外ケース
８ 表示部材
８１ 脚部（突部）
８２ マーカ
９０ 状態表示部
３０１ 溝（凹部）
５０５ 保持溝（保持部）
５０３０ 開口部
Ａ１ 回路遮断器
Ａ１１ 接点部
Ａ１２ 開閉機構部
Ａ１５ ２次側端子
Ａ１６ 電路
Ｂ１ 端子ブロック
Ｃ１ 分電盤
Ｃ１０ ボックス
Ｗ１ 電線
Ｗ１０ 導体
２ ばね部材
５ ケース
７ 外ケース
８ 表示部材
８１ 脚部（突部）
８２ マーカ
９０ 状態表示部
３０１ 溝（凹部）
５０５ 保持溝（保持部）
５０３０ 開口部
Ａ１ 回路遮断器
Ａ１１ 接点部
Ａ１２ 開閉機構部
Ａ１５ ２次側端子
Ａ１６ 電路
Ｂ１ 端子ブロック
Ｃ１ 分電盤
Ｃ１０ ボックス
Ｗ１ 電線
Ｗ１０ 導体
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】