(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173400
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】電子商取引承認システム、電子商取引管理システム、利用者判定システム、ログイン承認システム、電子商取引の承認方法、電子商取引の実行方法、利用者判定方法、ログインの承認方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/40 20120101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q20/40 330
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091794
(22)【出願日】2023-06-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】523210526
【氏名又は名称】Vlightup株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134809
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 亮
(72)【発明者】
【氏名】皆本 祥男
【テーマコード(参考)】
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA75
5L055AA75
(57)【要約】
【課題】暗号資産を用いた電子商取引において、個人情報の取得にも配慮しつつ、公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することが可能な電子商取引承認システムなどを提供すること。
【解決手段】承認用サーバ装置30は、電子商取引が正当な取引であるか否かを承認する承認処理を実行する際に、取引対象者の位置そのものではなく、現在位置と過去の位置との差分を用いることによって取引元又は取引先が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定することが可能な構成を有している。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引の承認を行う電子商取引承認システムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段と、
前記電子商取引を実行する情報処理装置から送信された前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者に関する取引対象者情報に基づいて、前記電子商取引の対象となる当該取引対象者を特定する特定手段と、
前記電子商取引が実行される際の前記取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段と、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記特定された取引元と前記取引先との電子商取引の承認をする承認処理を実行する承認処理手段と、
前記承認処理の結果を、前記情報処理装置に提供する提供手段と、
を備え、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とする電子商取引承認システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子商取引承認システムにおいて、
前記判定処理手段が、
前記位置情報取得処理として、前記取引実行関連タイミングとして予め定められたタイミング毎に、該当するタイミングにける取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得し、
前記取得した位置差分情報を、該当する前記利用者の履歴情報として、前記記憶手段に登録し、
前記取引実行タイミングに、前記取引対象者の履歴情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する前記条件判定処理を実行する、電子商取引承認システム。
【請求項3】
請求項1に記載の電子商取引承認システムにおいて、
前記判定処理手段が、
前記位置情報取得処理として、前記取引実行関連タイミングとして予め定められたタイミング毎に、該当するタイミングにおける特定利用者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該特定利用者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得し、
前記取得した位置差分情報を、該当する前記利用者の履歴情報として、前記記憶手段に登録し、
前記電子商取引が実行される前に、及び、当該電子商取引が実行される後のいずれか一方に、前記取引対象者の履歴情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する前記条件判定処理を実行する、電子商取引承認システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の電子商取引承認システムにおいて、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、前記条件判定処理の判定結果に基づいて、
前記電子商取引が実行される際の前記取引対象者の真正性を判定する真正性判定処理を実行する、電子商取引承認システム。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載の電子商取引承認システムにおいて、
前記判定処理手段が、
前記位置情報取得処理として、前記位置差分情報を取得する際に、前記取引実行タイミング又は前記取引実行関連タイミングにおける時刻を示す時刻情報を取得し、
前記条件判定処理として、前記時刻情報に基づく位置差分情報が、前記基準距離関連情報に対して前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する、電子商取引承認システム。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項に記載の電子商取引承認システムにおいて、
前記情報処理装置が、前記電子商取引に関する情報を電子商取引情報として複数のデータベースに分散的に登録し、
前記電子商取引情報が、前記電子商取引が承認された場合に、前記電子商取引情報を含む、複数の電子商取引情報と過去の電子商取引情報から定められたハッシュ値とに基づいてブロック化されたブロック情報によって形成されている、電子商取引承認システム。
【請求項7】
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引の承認を行うプログラムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段、
前記電子商取引を実行する情報処理装置から送信された前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者に関する取引対象者情報に基づいて、前記電子商取引の対象となる当該取引対象者を特定する特定手段、
前記電子商取引が実行される際の前記取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記特定された取引元と前記取引先との電子商取引の承認をする承認処理を実行する承認処理手段、及び、
前記承認処理の結果を、前記情報処理装置に提供する提供手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項8】
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引の承認を行う電子商取引における承認方法であって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理すること、
前記電子商取引を実行する情報処理装置から送信された前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者に関する取引対象者情報に基づいて、前記電子商取引の対象となる当該取引対象者を特定すること、
前記電子商取引が実行される際の前記取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行すること、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づい
て、前記特定された取引元と前記取引先との電子商取引の承認をする承認処理を実行すること、
前記承認処理の結果を、前記情報処理装置に提供すること、
を含み、
前記取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とする電子商取引における承認方法。
【請求項9】
取引元と取引先とによって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引を管理する電子商取引管理システムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段と、
前記取引元と前記取引先とによって前記電子商取引に関する処理を取引処理として実行する取引処理手段と、
前記電子商取引が実行される際の前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段と、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記電子商取引の承認をする承認処理を実行する承認処理手段と、
前記承認された電子商取引の電子商取引情報を複数のデータベースに分散的に登録する登録手段と、
を備え、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とする電子商取引管理システム。
【請求項10】
取引元と取引先とによって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引を管理するプログラムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段、
前記取引元と前記取引先とによって前記電子商取引に関する処理を取引処理として実行する取引処理手段、
前記電子商取引が実行される際の前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記電子商取引の承認をする承認処理を実行する承認処理手段、及び、
前記承認された電子商取引の電子商取引情報を複数のデータベースに分散的に登録する登録手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項11】
取引元と取引先とによって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引を管理する電子商取引の実行方法であって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理すること、
前記取引元と前記取引先とによって前記電子商取引に関する処理を取引処理として実行すること、
前記電子商取引が実行される際の前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行すること、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記電子商取引の承認をする承認処理を実行すること、
前記承認された電子商取引の電子商取引情報を複数のデータベースに分散的に登録すること、
を含み、
前記取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とする電子商取引の実行方法。
【請求項12】
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該利用者に関する判定を行う利用者判定システムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段と、
前記電子商取引を実行する情報処理装置から送信された前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者に関する取引対象者情報に基づいて、前記電子商取引の対象となる当該取引対象者を特定する特定手段と、
前記電子商取引が実行される際の前記取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段と、
前記判定処理の判定結果を、前記情報処理装置に提供する提供手段と、
を備え、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とする利用者判定システム。
【請求項13】
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該利用者に関する判定を行うプログラムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段、
前記電子商取引を実行する情報処理装置から送信された前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者に関する取引対象者情報に基づいて、前記電子商取引の対象となる当該取引対象者を特定する特定手段、
前記電子商取引が実行される際の前記取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段、及び、
前記判定処理の判定結果を、前記情報処理装置に提供する提供手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項14】
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該利用者に関する判定を行う利用者判定方法であって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理すること、
前記電子商取引を実行する情報処理装置から送信された前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者に関する取引対象者情報に基づいて、前記電子商取引の対象となる当該取引対象者を特定すること、
前記電子商取引が実行される際の前記取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行すること、
前記判定処理の判定結果を、前記情報処理装置に提供すること、
を含み、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とする利用者判定方法。
【請求項15】
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引を提供する電子商取引サービスにログインする際に当該ログインの承認を行うログイン承認システムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、前記ログインを承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段と、
前記ログインの要求をした情報処理装置から送信されたログインの対象の前記利用者を示すログイン対象利用者に関するログイン対象利用者情報に基づいて、当該ログイン対象利用者を特定する特定手段と、
前記ログインが実行される際の前記ログイン対象利用者が所与の利用者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段と、
前記ログインが実行されるログイン実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記ログイン対象利用者の前記電子商取引サービスへのログインを承認する承認処
理を実行する承認処理手段と、
前記承認処理の結果を、前記情報処理装置に提供する提供手段と、
を備え、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記ログイン実行タイミング又は当該ログイン実行タイミングに関連するログイン実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記ログイン対象利用者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該ログイン対象利用者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記利用者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とするログイン承認システム。
【請求項16】
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引を提供する電子商取引サービスにログインする際に当該ログインの承認を行うプログラムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、前記ログインを承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段、
前記ログインの要求をした情報処理装置から送信されたログインの対象の前記利用者を示すログイン対象利用者に関するログイン対象利用者情報に基づいて、当該ログイン対象利用者を特定する特定手段、
前記ログインが実行される際の前記ログイン対象利用者が所与の利用者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段、
前記ログインが実行されるログイン実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記ログイン対象利用者の前記電子商取引サービスへのログインを承認する承認処理を実行する承認処理手段、及び、
前記承認処理の結果を、前記情報処理装置に提供する提供手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記ログイン実行タイミング又は当該ログイン実行タイミングに関連するログイン実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記ログイン対象利用者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該ログイン対象利用者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記利用者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項17】
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引を提供する電子商取引サービスにログインする際に当該ログインの承認を行うログインの承認方法であって、
記憶手段に予め登録された情報であって、前記ログインを承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理すること、
前記ログインの要求をした情報処理装置から送信されたログインの対象の前記利用者を示すログイン対象利用者に関するログイン対象利用者情報に基づいて、当該ログイン対象利用者を特定すること、
前記ログインが実行される際の前記ログイン対象利用者が所与の利用者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行すること、
前記ログインが実行されるログイン実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記ログイン対象利用者の前記電子商取引サービスへのログインを承認する承認処理を実行すること、
前記承認処理の結果を、前記情報処理装置に提供すること、
を含み、
前記判定処理として、
前記ログイン実行タイミング又は当該ログイン実行タイミングに関連するログイン実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記ログイン対象利用者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該ログイン対象利用者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記利用者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とするログインの承認方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子商取引承認システム、電子商取引管理システム、利用者判定システム、及び、ログイン承認システム、電子商取引の承認方法、電子商取引の実行方法、利用者判定方法、ログインの承認方法、及び、プログラムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、WWW(world wide web)を介したインターネットバンクサービス又はオンラインストア等のサービスにおいて、所謂、なりすましに代表される不正使用が急増している。
【0003】
また、近年、ブロックチェーン技術の発達によって、ビットコインなどの暗号資産の投資対象及び投機対象としての人気が高まっているだけでなく、当該暗号資産が、法定通貨に代えて電子商取引などの商取引に用いられることも多くなってきている。
【0004】
しかしながら、最近では、暗号資産の利用については、マネーロンダリング又は不正取引の温床にもなっているので、暗号資産に基づく電子商取引においては、暗号資産の受け取り側の住所を登録する商取引方法が要求されている(例えば、非特許文献1)。
【0005】
また、このような不正取引を防止するために、不正な取引(すなわち、トランザクション)を監視する技術も登場してきている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】一般社団法人日本暗号資産取引業協会,"当協会が定める自主規制記憶におけるトラベルルール対応についてのお知らせ",[online],2022年3月1日[2022年12月20日検索],インターネット<https://jvcea.or.jp/news/main-info/20220301-001/>
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、非特許文献1に記載の商取引方法などであっては、暗号資産の送付側、又は、受け取り側がそもそも不正利用者である場合には、暗号資産の受け取り側の住所が登録されていたとしても、マネーロンダリング又は不正取引を解消することは難しい。
【0009】
また、特許文献1のシステムであっては、個人情報を取得することによって不正取引を監視しているため、個人情報の保護の観点からは改良の余地がある。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、暗号資産を用いた電子商取引において、個人情報の取得にも配慮しつつ、公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することが可能な電子商取引承認システムなどを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上記課題を解決するため、本発明は、
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引の承認を行う電子商取引承認システムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段と、
前記電子商取引を実行する情報処理装置から送信された前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者に関する取引対象者情報に基づいて、前記電子商取引の対象となる当該取引対象者を特定する特定手段と、
前記電子商取引が実行される際の前記取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段と、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記特定された取引元と前記取引先との電子商取引の承認をする承認処理を実行する承認処理手段と、
前記承認処理の結果を、前記情報処理装置に提供する提供手段と、
を備え、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行する、構成を有している。
【0012】
この構成により、本発明は、取引対象者の位置そのものではなく、現在位置と過去の位置との差分を用いることによって取引元又は取引先が取引対象者として適正であるか否かを判定することができる。
【0013】
すなわち、本発明は、暗号資産を用いた電子商取引において、個人情報の取得にも配慮しつつ、
(A1)暗号資産について中央管理者が実存しないことによる不利益(法定通貨などの価値保証による安定性の欠落)、
(A2)非対面に基づく商取引の信用性リスクの低下(取引元及び取引先が実在するかなどの情報の信頼性の低下)、及び、
(A3)当該信用性リスクの低下に基づく不正取引の発生(資産及び資金の搾取、又は、マネーロンダリング(資金洗浄)への利用)、
などのリスクを防止することができる。
【0014】
したがって、本発明は、暗号資産を用いた電子商取引において、個人情報の取得にも配慮しつつ、公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することができる。
【0015】
なお、「暗号資産」とは、インターネットなどのネットワーク上で授受可能な財産的価値であり、商取引において代金の支払い等に使用可能、法定通貨と相互に交換可能、及び、電子的に記録され、移転可能な資産を示す。
【0016】
例えば、代表的な暗号資産としては、ビットコイン、又は、イーサリアムなどが知られている。ただし、本実施形態の「暗号資産」には、「円」、「ドル」、「ユーロ」又は「元」などのデジタル形式によって発行される法定通貨(電子的な法定通貨)が含まれてもよい。
【0017】
そして、「電子商取引」とは、ネットワーク又はコンピュータ上での電子的な手段によって、商品の売買又はサービスなどの商取引を行うこと、商品もしくはサービスの対価として、暗号資産を交換する商取引を行うこと、又は、暗号資産の取得の対価として、法定通貨に交換する商取引(すなわち、暗号資産そのものを売買する商取引)を行うことを示す。
【0018】
また、「取引元」とは、電子商取引において商品などの取引対象物の提供又は取引を提案する取引を行う利用者であり、「取引先」とは、当該電子商取引において代金の支払いと引き換えに提案された取引対象物を得る取引を行う利用者である。
【0019】
そして「情報処理装置」とは、利用者が有する端末装置であってもよいし、電子商取引の仲介する際に用いられるサーバ装置(いわゆる、取引所の機能を有するサーバ装置)であってもよい。
【0020】
さらに、「取引対象者情報」とは、例えば、予め登録されている利用者ID、又は、当該利用者ID及びパスワードなどの情報である。
【0021】
そして、「取引対象者を特定する」とは、
(B1)電子商取引が実行されるサーバ装置又は端末装置とは別の専用のサーバ装置において取引対象者を特定する場合には、当該サーバ装置又は端末装置から送信された利用者IDに基づいて、利用者を特定すること、又は、
(B2)電子商取引承認システムとして電子商取引を実行するサーバ装置において取引対象者を特定する場合には、当該サーバ装置にログインした利用者IDに基づいて、利用者を特定することが含まれる。
【0022】
上記に加えて、「電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報」とは、各利用者が過去に存在した位置から移動した場合の利用者の適正な差分(本人確認可能な位置的差分)を示す情報である。
【0023】
例えば、「基準距離関連情報」とは、経度及び緯度の差分、又は、距離的な差分であってもよく、経度及び緯度については、東西又は南北に長い地域や国土の場合には、経度又は緯度の一方が限定可能であれば、何れか一方であってもよい。
【0024】
また、「基準距離関連情報」は、高さの情報であってもよく、例えば、前回の地上高と今回の地上高との差分を示す情報を示す。
【0025】
そして、「取引実行関連タイミング」には、例えば、利用者によって指定された任意のタイミング、ランダムなタイミング、取引実行タイミングが到来する前のタイミング、及び、予め定められた期間毎に到来するタイミングなどが含まれる。
【0026】
また、「位置差分情報」とは、基準距離関連情報と同様に、例えば、経度及び緯度の2地点間の差分、又は、距離的な差分であってもよく、経度及び緯度については、東西又は南北に長い地域や国土の場合には、経度又は緯度の一方が限定可能であれば、何れか一方であってもよい。
【0027】
さらに、「取引対象者条件」には、例えば、取引元又は取引先の承認時の位置差分が、当該取引対象者として登録されている基準距離関連情報の距離範囲内に属することなどの条件が含まれる。
【0028】
(2)また、本発明は、
前記判定処理手段が、
前記位置情報取得処理として、前記取引実行関連タイミングとして予め定められたタイミング毎に、該当するタイミングにける取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得し、
前記取得した位置差分情報を、該当する前記利用者の履歴情報として、前記記憶手段に登録し、
前記取引実行タイミングに、前記取引対象者の履歴情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する前記条件判定処理を実行する、構成を有している。
【0029】
この構成により、本発明は、電子商取引の承認時に、個人情報の取得にも配慮しつつ、現在位置と過去の位置との差分を用いることによって取引元又は取引先の取引対象者としての適正を判定することができる。
【0030】
なお、「予め定められたタイミング毎」には、1日若しくは1週間に1回、又は、電子商取引を行うサービスにログインする毎などが含まれる。
【0031】
また、「条件判定処理」には、上記の取引対象者条件に加えて、又は、代えて、予め定められたタイミング毎に取得された位置差分情報の位置差分が、当該取引対象者として登録されている基準距離関連情報の距離範囲内に属することなどの条件が含まれる。
【0032】
(3)また、本発明は、
前記判定処理手段が、
前記位置情報取得処理として、前記取引実行関連タイミングとして予め定められたタイミング毎に、該当するタイミングにおける特定利用者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該特定利用者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得し、
前記取得した位置差分情報を、該当する前記利用者の履歴情報として、前記記憶手段に登録し、
前記電子商取引が実行される前に、及び、当該電子商取引が実行される後のいずれか一方に、前記取引対象者の履歴情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する前記条件判定処理を実行する、構成を有している。
【0033】
この構成により、本発明は、電子商取引の実行前又は当該電子商取引が実行される後に取引元又は取引先の取引対象者としての適正を判断することができるので、取引タイミングが重要な電子商取引においては、承認処理に関する時間を簡略化することができるとともに、その結果、利用者の希望するタイミングで的確に商取引を行うことができる。
【0034】
なお、「電子商取引が実行される前」とは、電子商取引の実行タイミング前であれば、そのタイミングには限定されない。
【0035】
(4)また、本発明は、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、前記条件判定処理の判定結果に基づいて、前記電子商取引が実行される際の前記取引対象者の真正性を判定する、構成を有している。
【0036】
この構成により、本発明は、取引元又は取引先の取引対象者としての電子商取引を承認するための手続き(指示)の正当性(すなわち、真正性)を判定することができるので、位置情報に基づいて、本人確認を行うための本人確認処理を実行することができる。
【0037】
(5)また、本発明は、
前記判定処理手段が、
前記位置情報取得処理として、前記位置差分情報を取得する際に、前記取引実行タイミング又は前記取引実行関連タイミングにおける時刻を示す時刻情報を取得し、
前記条件判定処理として、前記時刻情報に基づく位置差分情報が、前記基準距離関連情報に対して前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する、構成を有している。
【0038】
この構成により、本発明は、位置差分が生じた時刻を認識することができるので、例えば、取引対象者が一瞬で長距離移動しているような合理性の無い移動を検出することができる。
【0039】
したがって、本発明は、取引対象者の移動範囲(すなわち、活動範囲)が合理的か否かをより確実に判定することができるので、より公正かつ真正で信頼性の高い取引を実現することができる。
【0040】
なお、「時刻情報」には、例えば、GPSなどの位置情報と同期した日付を示す情報、日時を示す情報、又は、時刻を示す情報が含まれる。
【0041】
(6)また、本発明は、
前記情報処理装置が、前記電子商取引に関する情報を電子商取引情報として複数のデータベースに分散的に登録し、
前記電子商取引情報が、前記電子商取引が承認された場合に、前記電子商取引情報を含む、複数の電子商取引情報と過去の電子商取引情報から定められたハッシュ値とに基づいてブロック化されたブロック情報によって形成されている、構成を有している。
【0042】
この構成により、本発明は、ブロックチェーンなどの改ざんが困難な分散型台帳技術を用いて電子商取引情報を複数のデータベースなどに登録することができる。
【0043】
(7)また、上記課題を解決するため、本発明は、
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引の承認を行うプログラムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段、
前記電子商取引を実行する情報処理装置から送信された前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者に関する取引対象者情報に基づいて、前記電子商取引の対象となる当該取引対象者を特定する特定手段、
前記電子商取引が実行される際の前記取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記特定された取引元と前記取引先との電子商取引の承認をする承認処理を実行する承認処理手段、及び、
前記承認処理の結果を、前記情報処理装置に提供する提供手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行する、構成を有して
いる。
【0044】
この構成により、本発明は、取引対象者の位置そのものではなく、現在位置と過去の位置との差分を用いることによって取引元又は取引先が取引対象者として適正であるか否かを判定することができる。
【0045】
したがって、本発明は、暗号資産を用いた電子商取引において、個人情報の取得にも配慮しつつ、公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することができる。
【0046】
(8)また、上記課題を解決するため、本発明は、
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引の承認を行う電子商取引における承認方法であって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理すること、
前記電子商取引を実行する情報処理装置から送信された前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者に関する取引対象者情報に基づいて、前記電子商取引の対象となる当該取引対象者を特定すること、
前記電子商取引が実行される際の前記取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行すること、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記特定された取引元と前記取引先との電子商取引の承認をする承認処理を実行すること、
前記承認処理の結果を、前記情報処理装置に提供すること、
を含み、
前記取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行する、構成を有している。
【0047】
この構成により、本発明は、取引対象者の位置そのものではなく、現在位置と過去の位置との差分を用いることによって取引元又は取引先が取引対象者として適正であるか否かを判定することができる。
【0048】
したがって、本発明は、暗号資産を用いた電子商取引において、個人情報の取得にも配慮しつつ、公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することができる。
【0049】
(9)また、上記課題を解決するため、本発明は、
取引元と取引先とによって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引を管理する電子商取引管理システムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段と、
前記取引元と前記取引先とによって前記電子商取引に関する処理を取引処理として実行する取引処理手段と、
前記電子商取引が実行される際の前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段と、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づい
て、前記電子商取引の承認をする承認処理を実行する承認処理手段と、
前記承認された電子商取引の電子商取引情報を複数のデータベースに分散的に登録する登録手段と、
を備え、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行する、構成を有している。
【0050】
この構成により、本発明は、取引対象者の位置そのものではなく、現在位置と過去の位置との差分を用いることによって取引元又は取引先が取引対象者として適正であるか否かを判定することができる。
【0051】
したがって、本発明は、暗号資産を用いた電子商取引において、個人情報の取得にも配慮しつつ、公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することができる。
【0052】
(10)また、上記課題を解決するため、本発明は、
取引元と取引先とによって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引を管理するプログラムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段、
前記取引元と前記取引先とによって前記電子商取引に関する処理を取引処理として実行する取引処理手段、
前記電子商取引が実行される際の前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記電子商取引の承認をする承認処理を実行する承認処理手段、及び、
前記承認された電子商取引の電子商取引情報を複数のデータベースに分散的に登録する登録手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行する、構成を有している。
【0053】
この構成により、本発明は、取引対象者の位置そのものではなく、現在位置と過去の位置との差分を用いることによって取引元又は取引先が取引対象者として適正であるか否かを判定することができる。
【0054】
したがって、本発明は、暗号資産を用いた電子商取引において、個人情報の取得にも配慮しつつ、公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することができる。
【0055】
(11)また、上記課題を解決するため、本発明は、
取引元と取引先とによって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引を管理する電子商取引の実行方法であって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理すること、
前記取引元と前記取引先とによって前記電子商取引に関する処理を取引処理として実行すること、
前記電子商取引が実行される際の前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行すること、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記電子商取引の承認をする承認処理を実行すること、
前記承認された電子商取引の電子商取引情報を複数のデータベースに分散的に登録すること、
を含み、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行する、構成を有している。
【0056】
この構成により、本発明は、取引対象者の位置そのものではなく、現在位置と過去の位置との差分を用いることによって取引元又は取引先が取引対象者として適正であるか否かを判定することができる。
【0057】
したがって、本発明は、暗号資産を用いた電子商取引において、個人情報の取得にも配慮しつつ、公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することができる。
【0058】
(12)また、上記課題を解決するため、本発明は、
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該利用者に関する判定を行う利用者判定システムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段と、
前記電子商取引を実行する情報処理装置から送信された前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者に関する取引対象者情報に基づいて、前記電子商取引の対象となる当該取引対象者を特定する特定手段と、
前記電子商取引が実行される際の前記取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段と、
前記判定処理の判定結果を、前記情報処理装置に提供する提供手段と、
を備え、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が
前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行する、構成を有している。
【0059】
この構成により、本発明は、取引対象者の位置そのものではなく、現在位置と過去の位置との差分を用いることによって取引元又は取引先が取引対象者として適正であるか否かを判定することができる。
【0060】
したがって、本発明は、暗号資産を用いた電子商取引において、個人情報の取得にも配慮しつつ、公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することができる。
【0061】
(13)また、上記課題を解決するため、本発明は、
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該利用者に関する判定を行うプログラムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段、
前記電子商取引を実行する情報処理装置から送信された前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者に関する取引対象者情報に基づいて、前記電子商取引の対象となる当該取引対象者を特定する特定手段、
前記電子商取引が実行される際の前記取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段、及び、
前記判定処理の判定結果を、前記情報処理装置に提供する提供手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行する、構成を有している。
【0062】
この構成により、本発明は、取引対象者の位置そのものではなく、現在位置と過去の位置との差分を用いることによって取引元又は取引先が取引対象者として適正であるか否かを判定することができる。
【0063】
したがって、本発明は、暗号資産を用いた電子商取引において、個人情報の取得にも配慮しつつ、公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することができる。
【0064】
(14)また、上記課題を解決するため、本発明は、
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該利用者に関する判定を行う利用者判定方法であって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理すること、
前記電子商取引を実行する情報処理装置から送信された前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者に関する取引対象者情報に基づいて、前記電子商取引の対象となる当該取引対象者を特定すること、
前記電子商取引が実行される際の前記取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行すること、
前記判定処理の判定結果を、前記情報処理装置に提供すること、
を含み、
前記取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行する、構成を有している。
【0065】
この構成により、本発明は、取引対象者の位置そのものではなく、現在位置と過去の位置との差分を用いることによって取引元又は取引先が取引対象者として適正であるか否かを判定することができる。
【0066】
したがって、本発明は、暗号資産を用いた電子商取引において、個人情報の取得にも配慮しつつ、公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することができる。
【0067】
(15)また、上記課題を解決するため、本発明は、
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引を提供する電子商取引サービスにログインする際に当該ログインの承認を行うログイン承認システムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、前記ログインを承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段と、
前記ログインの要求をした情報処理装置から送信されたログインの対象の前記利用者を示すログイン対象利用者に関するログイン対象利用者情報に基づいて、当該ログイン対象利用者を特定する特定手段と、
前記ログインが実行される際の前記ログイン対象利用者が所与の利用者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段と、
前記ログインが実行されるログイン実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記ログイン対象利用者の前記電子商取引サービスへのログインを承認する承認処理を実行する承認処理手段と、
前記承認処理の結果を、前記情報処理装置に提供する提供手段と、
を備え、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記ログイン実行タイミング又は当該ログイン実行タイミングに関連するログイン実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記ログイン対象利用者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該ログイン対象利用者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記利用者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行する、構成を有している。
【0068】
この構成により、本発明は、ログインを希望する利用者の位置そのものではなく、現在位置と過去の位置との差分を用いることによってログイン対象利用者として適正であるか否かを判定することができる。
【0069】
したがって、本発明は、暗号資産を用いた電子商取引サービスを利用する際に、個人情報の取得にも配慮しつつ、公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することができる。
【0070】
(16)また、上記課題を解決するため、本発明は、
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引を提供する電子商取引サービスにログインする際に当該ログインの承認を行うプログラムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、前記ログインを承認するための基準となる距
離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段、
前記ログインの要求をした情報処理装置から送信されたログインの対象の前記利用者を示すログイン対象利用者に関するログイン対象利用者情報に基づいて、当該ログイン対象利用者を特定する特定手段、
前記ログインが実行される際の前記ログイン対象利用者が所与の利用者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段、
前記ログインが実行されるログイン実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記ログイン対象利用者の前記電子商取引サービスへのログインを承認する承認処理を実行する承認処理手段、及び、
前記承認処理の結果を、前記情報処理装置に提供する提供手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記ログイン実行タイミング又は当該ログイン実行タイミングに関連するログイン実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記ログイン対象利用者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該ログイン対象利用者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記利用者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行する、構成を有している。
【0071】
この構成により、本発明は、ログインを希望する利用者の位置そのものではなく、現在位置と過去の位置との差分を用いることによってログイン対象利用者として適正であるか否かを判定することができる。
【0072】
したがって、本発明は、暗号資産を用いた電子商取引サービスを利用する際に、個人情報の取得にも配慮しつつ、公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することができる。
【0073】
(17)また、上記課題を解決するため、本発明は、
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引を提供する電子商取引サービスにログインする際に当該ログインの承認を行うログインの承認方法であって、
記憶手段に予め登録された情報であって、前記ログインを承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理すること、
前記ログインの要求をした情報処理装置から送信されたログインの対象の前記利用者を示すログイン対象利用者に関するログイン対象利用者情報に基づいて、当該ログイン対象利用者を特定すること、
前記ログインが実行される際の前記ログイン対象利用者が所与の利用者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行すること、
前記ログインが実行されるログイン実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記ログイン対象利用者の前記電子商取引サービスへのログインを承認する承認処理を実行すること、
前記承認処理の結果を、前記情報処理装置に提供すること、
を含み、
前記判定処理として、
前記ログイン実行タイミング又は当該ログイン実行タイミングに関連するログイン実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記ログイン対象利用者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該ログイン対象利用者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記利用者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行する、構成を有している。
【0074】
この構成により、本発明は、ログインを希望する利用者の位置そのものではなく、現在位置と過去の位置との差分を用いることによってログイン対象利用者として適正であるか否かを判定することができる。
【0075】
したがって、本発明は、暗号資産を用いた電子商取引サービスを利用する際に、個人情報の取得にも配慮しつつ、公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【
図1】一の実施形態における電子商取引システムの構成を示すシステム構成図である。
【
図2】一の実施形態の商取引管理サーバ装置の構成を示す機能ブロック図の一例である。
【
図3】一の実施形態の承認用サーバ装置の構成を示す機能ブロック図の一例である。
【
図4】一の実施形態の承認用サーバ装置において実行される電子商取引に関する各処理とともに、承認用サーバ装置によって実行される承認処理について説明するための図である。
【
図5】一の実施形態の位置関連情報記憶部に記憶される基準距離関連情報の一例を示す図である。
【
図6】一の実施形態の承認用サーバ装置によって実行される承認処理に関する動作を示すフローチャートである。
【
図7】一の実施形態の変形例1における電子商取引システムの構成を示すシステム構成図である。
【
図8】一の実施形態の変形例1における承認用サーバ装置によって実行される承認処理について説明するための図である。
【
図9】一の実施形態の変形例2における電子商取引システムの構成を示すシステム構成図である。
【
図10】一の実施形態の変形例7における電子商取引システムの構成を示すシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0077】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0078】
なお、以下に説明する実施の形態は、電子商取引を管理する商取引管理サーバ装置と、電子商取引を行う利用者(ユーザ)が利用する端末装置と、当該電子商取引の承認を行う承認用サーバ装置と、を有し、電子商取引の情報を分散的に複数のデータベースに登録するネットワークを利用した電子商取引システムに対して本願の電子商取引承認システム及び電子商取引管理システムなどを適用した場合の実施形態である。
【0079】
特に、本実施形態の電子商取引としては、ネットワーク又はコンピュータ上での電子的な手段によって、商品の売買又はサービスなどの商取引を行うこと、商品もしくはサービスの対価として、暗号資産を交換する商取引を行うこと、又は、暗号資産の取得の対価として、法定通貨に交換する商取引(すなわち、暗号資産そのものを売買する商取引)を行うことを例に説明する。
【0080】
[1]電子商取引システムの概要
まず、
図1を用いて本実施形態の電子商取引システムS1の概要及びシステム構成について説明する。
【0081】
なお、
図1は、本実施形態における電子商取引システムS1の構成を示すシステム構成図である。
【0082】
また、図が煩雑になることを防止するために、
図1においては、一部の利用者によって利用される端末装置20及び一部のデータベース50のみを示している。すなわち、実際の電子商取引システムS1においては、
図1に示しているよりも多数の端末装置20及びデータベース50が存在している。
【0083】
(システム概要)
本実施形態の電子商取引システムS1は、
図1に示すように、ネットワーク又はコンピュータ上での電子的な手段によって、商品の売買又はサービスなどの商取引を、暗号資産を用いて実現するためのシステムでる。
【0084】
そして、電子商取引システムS1は、電子商取引において商品などの取引対象物の提供又は取引を提案する利用者(すなわち、取引元)と、当該電子商取引において代金の支払いと引き換えに提案された取引対象物を得る取引を行う利用者(すなわち、取引先)と、の商取引を実現するための構成を有している。
【0085】
特に、本実施形態の電子商取引システムS1は、取引元及び取引先が取引対象者として適正であるか否かの判定結果に基づいて、暗号資産を用いた電子商取引が実行される際のキャッシュフロー、又は、当該電子商取引の対象になった商品の履歴(トラッキング)を確実に特定するため、暗号資産を用いた電子商取引において、公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現可能な構成を有している。
【0086】
(システム構成)
本実施形態の電子商取引システムS1は、
図1に示すように、電子商取引を管理するための各種の処理を実行する商取引管理サーバ装置10と、インターネットなどのネットワークを介して商取引管理サーバ装置10に接続され、電子商取引を行う利用者であるユーザが利用する端末装置20(例えば、端末装置20A、20B、20C)と、商取引管理サーバ装置10と連動し、電子商取引の承認を行うための各処理を実行する承認用サーバ装置30と、から構成される。
【0087】
商取引管理サーバ装置10は、例えば、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)や所定のプラットフォーム等を利用して電子商取引に関する各種の処理を実行する情報処理装置である。
【0088】
特に、商取引管理サーバ装置10は、電子商取引を実行する取引所機能を有しているととともに、利用者間において送金などが実行される際に、例えば、利用者に代わって利用者の承認をするための情報(例えば、秘密鍵)を管理するカストディアルウォレットとしての機能を有している。
【0089】
また、商取引管理サーバ装置10は、1つの装置(プロセッサ)で構成されていてもよいし、複数の装置(プロセッサ)で構成されていてもよい。
【0090】
具体的には、商取引管理サーバ装置10は、取引元と取引先との電子商取引の管理を行うとともに、承認用サーバ装置30によって電子商取引が承認された場合に、該当する電子商取引情報をデータベース(以下、「DB」ともいう。)50に登録するための構成を有している。
【0091】
また、本実施形態の商取引管理サーバ装置10は、ブロックチェーンなどの改ざんが困難な分散型台帳技術を用いて電子商取引情報を複数のデータベース50に登録する構成を有している。
【0092】
特に、商取引管理サーバ装置10は、商取引情報を、複数の電子商取引情報と過去の電子商取引情報から定められたハッシュ値とに基づいてブロック化したブロック情報を生成し、当該ブロック情報を各データベース50に登録する構成を有している。
【0093】
端末装置20は、利用者によって利用されるPC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型情報通信端末装置、スマートフォン、携帯型電話機、又は、HMDなどの情報処理装置によって構成される通信端末装置である。
【0094】
また、端末装置20は、インターネット(WAN)やLANなどのネットワークを介して商取引管理サーバ装置10に接続可能な装置であり、商取引管理サーバ装置10と有線又は無線によって通信回線を確立して各種のデータの授受を行う構成を有している。
【0095】
また、端末装置20は、利用者によって入力された入力情報などの商取引管理サーバ装置10との通信を行うための通信制御機能、利用者の現在位置を取得する機能、及び、商取引管理サーバ装置10から受信したデータを用いて表示制御を行う表示機能を備える構成を有している。
【0096】
承認用サーバ装置30は、商取引管理サーバ装置10と同様に、例えば、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)や所定のプラットフォーム等を利用して電子商取引に対して承認を行うための各種の処理を実行する情報処理装置である。
【0097】
また、承認用サーバ装置30は、商取引管理サーバ装置10と同様に、1つの(装置、プロセッサ)で構成されていてもよいし、複数の(装置、プロセッサ)で構成されていてもよい。
【0098】
そして、承認用サーバ装置30は、取引元及び取引先の位置差分情報に基づいて、当該取引元及び取引先が取引対象者として適正であるか否かを判定することによって該当する電子商取引の承認を行う承認処理を実行する構成を有している。
【0099】
データベース50は、ネットワークNに接続可能なハードディスクドライブなどの各種のデータベース(広義には記憶装置、メモリ)によって構成されていてもよいし、PC(パーソナルコンピュータ)又はサーバ装置などのネットワークNに接続される情報処理装置とともに形成されているものであってもよい。
【0100】
[2]商取引管理サーバ装置
次に、
図2を用いて本実施形態の商取引管理サーバ装置10について説明する。
【0101】
なお、
図2は、本実施形態の商取引管理サーバ装置10の構成を示す機能ブロック図の一例である。
【0102】
本実施形態の商取引管理サーバ装置10は、
図2に例示するように、処理部100と、記憶部170と、情報記憶媒体180と、通信部196と、を有している。
【0103】
なお、商取引管理サーバ装置10は、
図2の各部を全て含む必要はなく、その一部を省略した構成としてもよい。
【0104】
記憶部170は、処理部100などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などのハードウェアにより実現できる。
【0105】
具体的には、記憶部170は、各種の処理を実行する際に用いるワークエリアとして使用される主記憶部171と、ユーザ情報が記憶されたユーザ情報記憶部172と、を含む。
【0106】
なお、本実施形態の記憶部170は、主記憶部171及びユーザ情報記憶部172などの構成の一部を省略する構成としてもよい。
【0107】
情報記憶媒体180は、コンピュータにより読み取り可能であり、この情報記憶媒体180にはプログラムやデータなどが格納されている。すなわち、情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0108】
なお、処理部100は、この情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)から読み出されたデータに基づいて本実施形態の種々の処理を行うことができる。
【0109】
例えば、情報記憶媒体180は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ等のフラッシュメモリ、磁気テープ、メモリ(ROM)、又は、メモリカード等である。
【0110】
通信部196は、外部(例えば、端末装置20又は承認用サーバ装置30)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどによって構成される。
【0111】
処理部100は、記憶部170に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。
【0112】
なお、本実施形態の処理部100が、情報記憶媒体180に格納されているプログラムやデータを読み出し、読み出したプログラムやデータを一時的に記憶部170に格納し、そのプログラムやデータに基づいて処理を行ってもよい。
【0113】
また、処理部100(プロセッサ)は、記憶部170内の主記憶部171をワーク領域として各種処理を行う。そして、処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0114】
具体的には、処理部100は、通信制御部101、商取引管理制御部102、ユーザ情報管理制御部103、及び、タイマ管理部110を含む。
【0115】
通信制御部101は、ネットワークを介して端末装置20及び承認用サーバ装置30などと通信回線を確立し、相互に通信を行う。
【0116】
商取引管理制御部102は、取引先及び取引元の利用者の端末装置20と連動し、取引を管理するための処理を実行する。
【0117】
具体的には、商取引管理制御部102は、例えば、取引元の利用者から販売する商品などの取引対象物の管理をしつつ、購入を希望する取引先の利用者と取引に関する処理、当該取引が成立した場合に、対価の支払いを実行するための各種の処理を実行する。
【0118】
特に、商取引管理制御部102は、承認用サーバ装置30と連動し、例えば、商品の販売の取引などの電子商取引が実行される際に、承認用サーバ装置30における電子商取引の承認処理の結果を受信し、受信した結果に基づいて、取引が成立した後の各処理、又は
、取引が不成立に関する各処理を実行する。
【0119】
ユーザ情報管理制御部103は、取引元又は取引先の利用者(ユーザ)としての情報を管理する。
【0120】
具体的には、ユーザ情報管理制御部103は、例えば、商品などの取引対象物を販売する際に必要な各情報、及び、当該取引対象物を購入する際に必要な各情報のユーザ情報記憶部172への登録及び更新などの管理を行う。
【0121】
タイマ管理部110は、現在日時や所定のタイミングからの計測を行う機能を有しており、所定のタイミングが到来した場合に、現在時刻や計測結果を出力する。
【0122】
[3]承認用サーバ装置
次に、
図3を用いて本実施形態の承認用サーバ装置30について説明する。
【0123】
なお、
図3は、本実施形態の承認用サーバ装置30の構成を示す機能ブロック図の一例である。
【0124】
本実施形態の承認用サーバ装置30は、
図3に例示するように、処理部300と、記憶部370と、情報記憶媒体380と、通信部396と、を有している。
【0125】
なお、承認用サーバ装置30は、
図3の各部を全て含む必要はなく、その一部を省略した構成としてもよい。
【0126】
記憶部370は、処理部300などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などのハードウェアにより実現できる。
【0127】
具体的には、記憶部370は、各種の処理を実行する際に用いるワークエリアとして使用される主記憶部371と、各利用者が取引対象者として適正であるか否かを判定するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報に関する情報(以下、「基準距離関連情報」という。)、及び、所定のタイミング毎に端末装置20から取得した利用者の位置に関する情報(以下、「位置関連情報」という。)が記憶される位置関連情報記憶部372と、を含む。
【0128】
特に、位置関連情報記憶部372には、ユーザ識別情報(UID)に対応付けて、電子商取引の取引元又は取引先となる利用者毎に、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報が記憶される。
【0129】
なお、本実施形態の記憶部370は、主記憶部371及び位置関連情報記憶部372などの構成の一部を省略する構成としてもよい。
【0130】
情報記憶媒体380は、コンピュータにより読み取り可能であり、この情報記憶媒体180にはプログラムやデータなどが格納されている。すなわち、情報記憶媒体380には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0131】
なお、処理部300は、この情報記憶媒体380に格納されるプログラム(データ)から読み出されたデータに基づいて本実施形態の種々の処理を行うことができる。
【0132】
例えば、情報記憶媒体380は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO
)、磁気ディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ等のフラッシュメモリ、磁気テープ、メモリ(ROM)、又は、メモリカード等である。
【0133】
通信部396は、商取引管理サーバ装置10との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどによって構成される。
【0134】
処理部300は、記憶部170に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。なお、本実施形態の処理部300が、情報記憶媒体380に格納されているプログラムやデータを読み出し、読み出したプログラムやデータを一時的に記憶部170に格納し、そのプログラムやデータに基づいて処理を行ってもよい。
【0135】
また、処理部300(プロセッサ)は、記憶部370内の主記憶部をワーク領域として各種処理を行う。そして、処理部300の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)などのハードウェア、又は、プログラムにより実現できる。
【0136】
具体的には、処理部300は、通信制御部301、位置情報管理部302、判定処理部303、承認処理部304、タイマ管理部310及び情報提供部311を含む。
【0137】
通信制御部301は、ネットワークを介して商取引管理サーバ装置10などと通信回線を確立し、相互に通信を行う。
【0138】
位置情報管理部302は、取引元又は取引先の各利用者としての基準距離関連情報を管理し、かつ、予め定められたタイミング毎に各端末装置20から送信された各利用者の位置関連情報を履歴情報として管理する。
【0139】
判定処理部303は、電子商取引を実行するタイミング(以下、「取引実行タイミング」という。)、又は、当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングなどの所与のタイミングに、利用者毎に、該当する基準距離関連情報、及び、電子商取引が実行される際の対象者(以下、「取引対象者」という。)が適正(すなわち真正)であるか否かを判定する判定処理(以下、「真正性判定処理」という。)を実行する。
【0140】
承認処理部304は、電子商取引が実行された際に、真正性判定処理の結果に基づいて、電子商取引を承認するか否かを判定する承認処理を実行する。
【0141】
タイマ管理部310は、現在日時や所定のタイミングからの計測を行う機能を有しており、所定のタイミングが到来した場合に、現在時刻や計測結果を出力する。
【0142】
情報提供部311は、承認処理による判定結果を示す承認判定結果情報を商取引管理サーバ装置10に提供する。
【0143】
[4]本実施形態の手法
[4.1]概要
次に、
図4を用いて本実施形態の承認用サーバ装置30によって実行される電子商取引を実行する際の承認処理及び当該承認処理の判定基準となる真正性判定処理について説明する。
【0144】
なお、
図4は、本実施形態の承認用サーバ装置30において実行される電子商取引を実行する際の承認処理及び当該承認処理の判定基準となる真正性判定処理について説明するための図である。
【0145】
本実施形態の承認用サーバ装置30は、商取引管理サーバ装置10において電子商取引が実行される取引実行タイミング、又は、取引実行関連タイミングに、当該電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の取引対象者が適正であるか否か(すなわち、その真正性)を判定し、その結果に基づいて、電子商取引が正当な取引であるか否かを承認する承認処理を実行する構成を有している。
【0146】
すなわち、本実施形態の承認用サーバ装置30は、取引元と取引先とによってビットコイン、又は、イーサリアムなどの暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に、取引元と取引先の位置に基づいて、当該電子商取引の承認を行うための装置である。
【0147】
その一方、本実施形態の承認用サーバ装置30は、利用者の位置などの個人情報の取得を制限するために、当該利用者の位置そのものではなく、所与のタイミングに取得した利用者の2地点の位置の差分を用いることによって、取引元又は取引先の真正性を判定する構成を有している。
【0148】
すなわち、本実施形態の承認用サーバ装置30は、電子商取引が正当な取引であるか否かを承認する承認処理を実行する際に、取引対象者の位置そのものではなく、現在位置と過去の位置との差分を用いることによって取引元又は取引先の真正性を判定することが可能な構成を有している。
【0149】
具体的には、本実施形態の商取引管理サーバ装置10は、
図4に示すように、予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる基準距離関連情報を管理する構成を有している。
【0150】
特に、基準距離関連情報は、電子商取引の取引元又は取引先となる利用者毎に、各利用者に対応付けて、記憶されていることが好ましい。
【0151】
また、商取引管理サーバ装置10は、
図4に示すように、商取引管理サーバ装置10から送信された取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の対象者に関する情報(以下、「取引対象者情報」という。)に基づいて、当該取引対象者を特定する構成を有している。
【0152】
そして、商取引管理サーバ装置10は、
図4に示すように、電子商取引が実行される際の取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理(具体的には、真正性判定処理)を実行し、取引実行タイミングに、真正性判定処理の判定結果に基づいて、特定された取引元と取引先との電子商取引の承認をする承認処理を実行する構成を有している。
【0153】
さらに、商取引管理サーバ装置10は、
図4に示すように、承認処理の結果を、商取引管理サーバ装置10に提供する構成を有している。
【0154】
特に、商取引管理サーバ装置10は、
図4に示すように、
(A1)取引実行タイミング又は取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
(A2)取得した差分情報と、基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行する構成を有している。
【0155】
なお、商取引管理サーバ装置10は、電子商取引が承認されると、当該承認された電子
商取引の情報を、電子商取引情報として、複数のデータベース50に分散的に登録する構成を有している。
【0156】
特に、商取引管理サーバ装置10は、電子商取引情報として、資金若しくは商品の種別、過去の取引元及び取引先の情報を含む流通経路、過去の取引日又は日時、過去の取引量、及び、過去の取引金額などの情報を登録する、構成を有している。
【0157】
また、
図4には、GPS衛星40から送信されたGPS信号に基づく位置情報から特定された位置差分情報の取得、当該取得した位置差分情報の、商取引管理サーバ装置10を介して承認用サーバ装置30への送信、電子商取引サービスへの登録指示の送信、及び、商取引に対する取引指示の送信、承認処理の結果の受信、及び、当該商取引の取引結果の受信を行う端末装置20A及び20Bの例が示されている。
【0158】
特に、
図4には、端末装置20Aとしてノート型(ラップトップ型)パーソナルコンピュータ及び端末装置20Bとして利用者Pが所有するスマートフォンが用いられている例が示されている。
【0159】
そして、
図4には、電子商取引サービスへの登録処理、電子商取引に関する各処理を実行するために用いるユーザ関連情報の管理、及び、電子商取引に関する各処理を実行する商取引管理サーバ装置10の例が示されている。
【0160】
さらに、
図4には、商取引管理サーバ装置10からの基準距離関連情報の登録要求、端末装置20の現在位置に基づく位置差分情報の管理、取引元及び取引先の特定処理、真正性判定処理(位置情報取得処理及び条件判定処理)、電子商取引の承認処理、及び、承認処理の結果を提供する提供処理を実行する承認用サーバ装置30の例が開示されている。
【0161】
本実施形態の承認用サーバ装置30は、このような構成を有することによって、暗号資産を用いた電子商取引において、個人情報の取得にも配慮しつつ、
(B1)暗号資産について中央管理者が実存しないことによる不利益(法定通貨などの価値保証による安定性の欠落)、
(B2)非対面に基づく商取引の信用性リスクの低下(取引元及び取引先が実在するかなどの情報の信頼性の低下)、及び、
(B3)当該信用性リスクの低下に基づく不正取引の発生(資産及び資金の搾取、又は、マネーロンダリング(資金洗浄)への利用)、
などのリスクを防止することができるようになっている。
【0162】
そして、本実施形態の承認用サーバ装置30は、暗号資産を用いた電子商取引において、個人情報の取得にも配慮しつつ、公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することができるようになっている。
【0163】
なお、本実施形態では、暗号資産とは、イーサリアムなどのネットワーク上で授受可能な財産的価値であり、商取引において代金の支払い等に使用可能、法定通貨と相互に交換可能、及び、電子的に記録され、移転可能な資産を示す。
【0164】
また、例えば、代表的な暗号資産としては、ビットコイン、又は、イーサリアムなどが知られている。ただし、本実施形態の「暗号資産」には、「円」、「ドル」、「ユーロ」又は「元」などのデジタル形式によって発行される法定通貨(電子的な法定通貨)が含まれてもよい。
【0165】
[4.2]基準距離関連情報及び位置差分情報
次に、
図5を用いて本実施形態の基準距離関連情報及び位置差分情報について説明する。なお、
図5は、本実施形態の位置関連情報記憶部に記憶される基準距離関連情報の一例を示す図である。
【0166】
(基準距離関連情報)
基準距離関連情報は、電子商取引の各利用者(取引元及び取引先)の真正性を判定するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された情報であって、各利用者が過去に存在した位置から移動した場合の利用者の真正性的な差分(本人確認可能な位置的差分)を示す情報である。
【0167】
そして、基準距離関連情報は、利用者毎に、ユーザ識別情報(UID)に対応付けて、位置関連情報記憶部372に記憶されている。
【0168】
すなわち、基準距離関連情報は、取引対象者(すなわち、取引元及び取引先)の真正性を判定する際に判定基準となる情報であって、真正と判定可能な当該取引者の2地点間の最大限の移動範囲が規定されている情報である。
【0169】
例えば、基準距離関連情報は、経度及び緯度の差分、又は、距離的な差分を示す情報であってもよく、経度及び緯度については、東西又は南北に長い地域や国土の場合には、経度又は緯度の一方が限定可能であれば、何れか一方を示す情報である。
【0170】
そして、基準距離関連情報は、利用者の電子商取引サービスへの新規登録時に、商取引管理サーバ装置10を介して各利用者の端末装置20の操作入力などの下、ユーザ識別情報毎に、位置関連情報記憶部372に記憶される。
【0171】
例えば、基準距離関連情報は、
図5に示すように、
(A1)ユーザ識別情報としてのユーザID(UID)、及び、
(A2)経度及び緯度の差分、
が含まれる。
【0172】
例えば、基準距離関連情報には、経度及び緯度の差分、又は、距離的な差分を示す情報であってもよく、経度及び緯度については、東西又は南北に長い地域や国土の場合には、経度又は緯度の一方が限定可能であれば、何れか一方を示す情報である。
【0173】
なお、基準距離関連情報には、取引者の2地点間の高さの範囲が規定されていてもよい。例えば、基準距離関連情報が高さの情報を示す場合には、当該基準距離関連情報は、前回の地上高と今回の地上高との差分を示す高さの差分を示す情報となる。ただし、基準距離関連情報は、高さの情報のみであってもよいし、上述の経度及び緯度の差分、又は、距離的な差分を示す情報とともに含まれてもよい。
【0174】
また、基準距離関連情報は、利用者毎ではなく、全利用者共通、又は、利用者の属性毎に位置関連情報記憶部372に記憶されていてもよい。
【0175】
例えば、利用者の属性には、利用者の国籍、住所若しくは居所、又は、電子商取引サービスへのログイン頻度若しくは取引頻度などが含まれる。
【0176】
この場合には、例えば、利用者の国籍又は住所によって基準距離関連情報における距離差を変更してもよいし、ログイン頻度又は取引頻度が高ければ距離差を大きくしてもよい。
【0177】
(位置差分情報)
本実施形態の位置差分情報は、基準距離関連情報と同様に、例えば、経度及び緯度の2地点間の差分、又は、距離的な差分から構成される。
【0178】
特に、本実施形態の位置差分情報は、利用者の各端末装置20によって算出される位置差分の情報であって、電子商取引の取引実行タイミング又は取引実行関連タイミングに、各端末装置20から商取引管理サーバ装置10を介して、又は、直接、承認用サーバ装置30に提供される。
【0179】
例えば、位置差分情報は、前回(すなわち、直前)の電子商取引の取引実行タイミング、及び、今回の電子商取引の取引実行タイミングの端末装置20の現在位置に基づく経度及び緯度の差分、距離的な差分、高さの差分又は双方の差分である。ただし、前回の電子商取引の取引実行タイミングとしては、前々回の取引実行タイミングであってもよいし、さらにその前の取引実行タイミングであってもよく、過去のタイミングであればよい。
【0180】
また、本実施形態の位置差分情報は、各端末装置20によってGPS信号などを用いて特定され、基本的には、各端末装置20から承認用サーバ装置30に提供される。
【0181】
なお、位置差分情報は、商取引管理サーバ装置10を介して承認用サーバ装置30に提供される。ただし、位置差分情報は、各端末装置20から直接承認用サーバ装置30に提供されてもよい。
【0182】
また、基準距離関連情報と同様に、経度及び緯度の場合には、東西又は南北に長い地域や国土の場合には、経度又は緯度の一方が限定可能であれば、何れか一方であってもよい。
【0183】
そして、位置差分情報は、基準距離関連情報と同様に、利用者毎に、ユーザ識別情報(UID)に対応付けて、位置関連情報記憶部372に記憶される。
【0184】
特に、電子商取引の取引実行タイミング毎に、又は、取引実行関連タイミング毎に、各利用者の位置差分情報が取得される場合には、新たな位置差分情報が登録されると、過去に登録された位置差分情報は、履歴情報として、位置関連情報記憶部372に記憶されることになる。
【0185】
なお、取引実行関連タイミングには、例えば、利用者によって指定された任意のタイミング、ランダムなタイミング、取引実行タイミングが到来する前のタイミング、及び、予め定められた期間毎(一日毎又は1週間毎など)に到来するタイミングなどが含まれる。
【0186】
[4.3]基準距離関連情報及び位置差分情報の管理
次に、本実施形態の承認用サーバ装置30において実行される処理であって、取引元及び取引先の基準距離関連情報及び位置差分情報の管理について説明する。
【0187】
位置情報管理部302は、商取引管理サーバ装置10と連動し、例えば、利用者の電子商取引サービスへの登録時などの所与のタイミングに、電子商取引の取引元又は取引先となる利用者毎に、当該電子商取引の取引元及び取引先の真正性を判定するための基準となる基準距離関連情報を取得し、位置関連情報記憶部372に登録する。
【0188】
また、位置情報管理部302は、取引実行タイミングに、取引実行関連タイミングに、又は、取引実行関連タイミング毎に、取引対象者の位置差分情報が取得されると、当該取得された位置差分情報を、各利用者に対応付けて、位置関連情報記憶部372に登録する
。
【0189】
特に、位置情報管理部302は、取引実行タイミングに、特定処理によって取得した取引元又は取引先の利用者毎の位置差分情報を位置関連情報記憶部372に登録する。
【0190】
そして、位置情報管理部302は、新たな位置差分情報が登録されると、過去に登録された位置差分情報を、履歴情報として、更新する。
【0191】
また、位置情報管理部302は、利用者によって指定された任意のタイミング、ランダムなタイミング、取引実行タイミングが到来する前のタイミング、又は、予め定められた期間毎に到来するタイミングなど、取引実行関連タイミング毎に、取引対象者の位置差分情報が取得されると、当該取得された位置差分情報を、各利用者に対応付けて、履歴情報として、位置関連情報記憶部372に登録する。
【0192】
なお、例えば、予め定められた期間毎に到来するタイミングには、電子商取引サービス提供事業者によって要求されたタイミング(例えば、1回又は電子商取引サービスを利用するタイミング)、例えば、1日若しくは1週間に1回などの特定のタイミング、又は、電子商取引サービスにログインするタイミングなどが含まれる。
【0193】
[4.4]特定処理
次に、本実施形態の承認用サーバ装置30において実行される処理であって、電子商取引が実行される特定処理について説明する。
【0194】
位置情報管理部302は、商取引管理サーバ装置10と連動し、承認処理を実行する際、又は、真正性判定処理を実行する際に、取引元及び取引先としての利用者(すなわち、取引対象者であって、将来的に取引元及び取引先になると想定される利用者を含む。)を特定する特定処理を実行する。
【0195】
特に、位置情報管理部302は、
(A1)電子商取引が実行される商取引管理サーバ装置10又は端末装置20とは別の専用のサーバ装置において取引対象者を特定する場合には、当該サーバ装置又は端末装置から送信されたユーザIDに基づいて、利用者を特定し、又は、
(A2)電子商取引承認システムとして電子商取引を実行する商取引管理サーバ装置10において取引対象者を特定する場合には、当該商取引管理サーバ装置にログインしたユーザIDに基づいて、利用者を特定する。
【0196】
具体的には、位置情報管理部302は、通信制御部301を介して商取引管理サーバ装置10から送信された取引元としての利用者(すなわち、ユーザ)のユーザ識別情報(例えば、UID)及び取引先としての利用者(すなわち、ユーザ)のユーザ識別情報を受信する。
【0197】
また、位置情報管理部302は、受信した取引元及び取引先の利用者のユーザ識別情報(以下、「受信ユーザ識別情報(受信ユーザID)」という。)に基づいて、位置関連情報記憶部372を検索する。
【0198】
そして、位置情報管理部302は、受信ユーザ識別情報と一致するユーザ識別情報であって、位置関連情報記憶部372に記憶されているユーザ識別情報を検出すると、当該検出したユーザ識別情報を有する利用者を、取引元、又は、取引先として、特定する。
【0199】
なお、取引対象者情報とは、例えば、予め登録されているユーザID、又は、当該ユー
ザID及びパスワードなどの情報である。
【0200】
[4.5]真正性判定処理
次に、本実施形態の承認用サーバ装置30において実行される真正性判定処理について説明する。
【0201】
(真正性判定処理の概要)
判定処理部303は、電子商取引が実行される取引実行タイミングに、商取引管理サーバ装置10から送信された各電子商取引の取引対象者である取引元及び取引先が真正であるか否かを判定する。
【0202】
また、判定処理部303は、取引元及び取引先の真正性として、実社会において社会生活を営む利用者(会社などの組織も含む。)として実存し、反社会的勢力に属していない利用者であることを判定する。
【0203】
具体的には、判定処理部303は、真正性判定処理として、
(A1)取引実行タイミング又は取引実行関連タイミングに、取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理、及び、
(A2)取得した位置差分情報と、該当する取引対象者となる利用者の基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理、
を実行する。
【0204】
そして、判定処理部303は、当該実行した条件判定処理の判定結果に基づいて、当該取引対象者の真正性を判定する。
【0205】
特に、判定処理部303は、条件判定処理として、取引元の条件判定処理を実行する取引元条件判定処理と、取引先の条件判定処理を実行する取引先条件判定処理と、をそれぞれ実行する。
【0206】
そして、判定処理部303は、取引元条件判定処理の結果及び取引先条件判定処理の結果に基づいて、取引対象者としての取引元又は取引先の真正性を判定する。
【0207】
なお、判定処理部303は、取引元又は取引先の一方が公的機関などの既に真正性が判定されている利用者、又は、真正性を判定する必要のない利用者の場合には、取引元又は取引先の一方のみ真正性の判定を実行してもよい。
【0208】
(位置情報取得処理)
判定処理部303は、取引元及び取引先の利用者の端末装置20において電子商取引が実行された取引実行タイミングにおける、当該利用者の位置差分情報を商取引管理サーバ装置10から取得する。
【0209】
特に、判定処理部303は、取引先(すなわち、買い手)に対して、前回(すなわち、直前)の電子商取引の取引実行タイミング、及び、今回の電子商取引の取引実行タイミングの現在位置に基づく経度及び緯度の差分、又は、距離的な差分を、位置差分情報として、商取引管理サーバ装置10から取得する。
【0210】
また、判定処理部303は、同様に、取引元(すなわち、売り手)に対して、前回の電子商取引の取引実行タイミング、及び、今回の電子商取引の取引実行タイミングの現在位
置に基づく経度及び緯度の差分、又は、距離的な差分を、位置差分情報として、商取引管理サーバ装置10から取得する。
【0211】
なお、判定処理部303は、取引元、又は、取引先の該当する端末装置20から直接位置差分情報を取得してもよい。
【0212】
また、判定処理部303は、位置差分情報における前回の電子商取引の取引実行タイミング及び今回の電子商取引の取引実行タイミングとの差分に代えて、前回の前の回(前々回)、又は、さらにその前の回などの過去の取引実行タイミング及び今回の電子商取引の取引実行タイミングとの差分を、位置差分情報として、取得してもよい。
【0213】
さらに、判定処理部303は、取引元又は取引先のいずれか一方の真正性を判定する場合には、取引元及び取引先のうち該当する取引対象者の位置差分情報を取得すればよい。
【0214】
そして、判定処理部303は、各利用者における位置差分情報を取得する毎に、既に登録されている位置差分情報に対応付けて、位置関連情報記憶部372に登録し、既に登録されている位置差分情報を、履歴情報として、更新する。
【0215】
(取引元条件判定処理)
判定処理部303は、取引元条件判定処理としては、電子商取引が実行される取引実行タイミングに取得された取引元の位置差分情報と、取引元となる利用者に対応付けて登録されている基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が取引対象者条件(取引元条件)を具備するか否かを判定する。
【0216】
特に、判定処理部303は、取引対象者条件として、例えば、取引元の位置差分情報によって示される距離が、基準距離関連情報に規定されている距離範囲内(例えば10km以内)に属すること、などの条件を用いる。
【0217】
また、判定処理部303は、真正性判定処理として、取引対象者条件を具備した場合には、取引元が真正であると判定し、取引対象者条件を具備しなかった場合には、取引元が真正でないと判定する。
【0218】
一方、予め定められたタイミング毎に該当する取引対象者の位置差分情報が位置関連情報記憶部372に登録されている場合には、判定処理部303は、該当する取引対象者の履歴情報に基づいて、取引元条件判定処理を実行してもよい。
【0219】
この場合には、判定処理部303は、取引実行タイミングに取得された取引元の位置差分情報によって示される位置差分情報と、既に位置関連情報記憶部372に登録されている該当する取引対象者(すなわち、取引元)の履歴情報(位置差分情報)と、取引元の利用者として登録された基準距離関連情報と、に基づいて、特定利用者の真正性判定処理を実行する構成を有している。
【0220】
すなわち、この場合には、電子商取引の実行時に、取引元について継続的に活動位置を認識することができるので、個人情報の取得にも配慮しつつ、現在位置と過去の位置との差分を用いることによって取引元又は取引先の真正性を判定することができるようになっている。
【0221】
具体的には、この場合には、判定処理部303は、取引元の履歴情報として記憶されている該当する利用者の各位置差分情報と、取引元となる利用者に対応付けて登録されている基準距離関連情報と、を比較し、すべての比較の結果が所与の取引対象者条件(取引元
条件)を具備するか否かを判定する。
【0222】
また、判定処理部303は、取引対象者条件として、例えば、取引元の位置差分情報によって位置差分が、当該取引対象者として登録されている基準距離関連情報の距離範囲内に属することなどの条件を用いる。
【0223】
なお、基準距離関係情報が利用者の属性毎に記憶されている場合には、判定処理部303は、取引元条件判定処理を実行する際に、既に登録された属性に基づいて、当該取引元の属性を特定し、特定した属性に基づいて、基準距離関連情報を取得してもよい。
【0224】
例えば、既に登録された属性としては、商取引サービスへの登録時などの所与のタイミングに、各利用者によって入力された情報に基づいて特定された属性などを示す。
【0225】
(取引先条件判定処理)
判定処理部303は、取引先条件判定処理としては、取引元条件判定処理と同様に、電子商取引が実行される取引実行タイミングに取得された取引先の位置差分情報と、取引先となる利用者に対応付けて登録されている基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が取引対象者条件(取引先条件)を具備するか否かを判定する。
【0226】
特に、判定処理部303は、取引対象者条件として、例えば、取引先の位置差分情報によって示される距離が、基準距離関連情報に規定されている距離範囲内(例えば10km以内)に属すること、などの条件を用いる。
【0227】
また、判定処理部303は、真正性判定処理として、取引対象者条件を具備した場合には、取引先が真正であると判定し、取引対象者条件を具備しなかった場合には、取引先が真正でないと判定する。
【0228】
一方、予め定められたタイミング毎に該当する取引対象者の位置差分情報が位置関連情報記憶部372に登録されている場合には、判定処理部303は、取引元条件判定処理と同様に、該当する取引対象者の履歴情報に基づいて、条件判定処理を実行してもよい。
【0229】
この場合には、判定処理部303は、取引実行タイミングに取得された取引先の位置差分情報によって示される位置差分情報と、既に位置関連情報記憶部372に登録されている該当する取引対象者(すなわち、取引先)の履歴情報(位置差分情報)と、取引先の利用者として登録された基準距離関連情報と、に基づいて、取引先条件判定処理を実行する。
【0230】
すなわち、この場合には、電子商取引の実行時に、取引先について継続的に活動位置を認識することができるので、個人情報の取得にも配慮しつつ、現在位置と過去の位置との差分を用いることによって取引先の真正性を判定することができるようになっている。
【0231】
具体的には、この場合には、判定処理部303は、取引先の履歴情報として記憶されている該当する利用者の各位置差分情報と、取引先となる利用者に対応付けて登録されている基準距離関連情報と、を比較し、すべての比較の結果が所与の取引対象者条件(取引先条件)を具備するか否かを判定する。
【0232】
また、判定処理部303は、取引対象者条件として、同様に、例えば、取引元の位置差分情報によって位置差分が、当該取引対象者として登録されている基準距離関連情報の距離範囲内に属することなどの条件を用いる。
【0233】
なお、基準距離関係情報が利用者の属性毎に記憶されている場合には、取引元条件判定処理と同様に、判定処理部303は、取引先条件判定処理を実行する際に、既に登録された属性に基づいて、当該取引先の属性を特定し、特定した属性に基づいて、基準距離関連情報を取得してもよい。
【0234】
例えば、既に登録された属性としては、取引元条件判定処理と同様に、商取引サービスへの登録時などの所与のタイミングに、各利用者によって入力された情報に基づいて特定された属性などを示す。
【0235】
[4.6]承認処理
次に、本実施形態の承認用サーバ装置30において実行される承認処理について説明する。
【0236】
承認処理部304は、電子商取引が実行される取引実行タイミングに、真正性判定処理によって、当該取引元及び取引先が真正であると判定された場合に、該当する電子商取引を承認する承認処理を実行する。
【0237】
特に、承認処理部304は、真正性判定処理によって取引元及び取引先が真正であると判定された場合には、該当する電子商取引を承認し、取引元又は取引先が真正でないと判定された場合には、該当する電子商取引を承認せずに承認拒否する。
【0238】
なお、承認処理部304は、真正性判定処理によって取引元及び取引先が真正であると判定された場合には、取引元及び取引先の本人確認ができたとして、該当する電子商取引を承認し、取引元又は取引先が真正でないと判定された場合には、取引元及び取引先の本人確認ができないとして、該当する電子商取引を承認せずに承認拒否してもよい。ただし、この場合には、承認処理としての確度を上げるため、顔画像認証、2段階認証、又は、ワンタイムパスワードなどの他の本人を確認するための認証処理とともに利用してもよい。
【0239】
[4.7]提供処理
次に、本実施形態の承認用サーバ装置30において実行される承認処理の結果を、商取引管理サーバ装置10に提供する提供処理について説明する。
【0240】
情報提供部311は、承認処理によって承認拒否した場合には、当該承認処理による承認拒否の結果を示す結果情報を商取引管理サーバ装置10に提供する。
【0241】
また、情報提供部311は、承認処理によって承認が成功した場合には、当該承認処理による承認が成功した結果を示す結果情報を商取引管理サーバ装置10に提供する。
【0242】
そして、商取引管理サーバ装置10は、承認が失敗した結果情報の場合には、該当する端末装置20にその旨を通知し、該当する電子商取引を不成立として終了させる。
【0243】
一方、商取引管理サーバ装置10は、承認が成功した結果情報の場合には、該当する端末装置20にその旨を通知しつつ、該当する電子商取引を成立させて該当する電子商取引情報を所定のフォーマットに変換させて複数のデータベース50に分散登録する。
【0244】
なお、情報提供部311は、承認処理の結果情報を、商取引管理サーバ装置10を介して、又は、直接、該当する利用者(すなわち、取引元及び取引先のユーザ)の端末装置20に提供してもよい。
【0245】
また、情報提供部311は、承認処理によって承認が成功した場合には、取引元及び取引先の双方の利用者の本人確認ができたとして、その旨を商取引管理サーバ装置10に提供してもよい。ただし、この場合には、情報提供部311は、承認処理によって承認が拒否された場合には、取引元及び取引先の双方の利用者の本人確認ができなかったとして、その旨を商取引管理サーバ装置10に提供する。
【0246】
[5]本実施形態における動作
次に、
図6を用いて本実施形態の承認用サーバ装置30によって実行される承認処理に関する動作について説明する。
【0247】
なお、
図6は、本実施形態の承認用サーバ装置30によって実行される承認処理に関する動作を示すフローチャートである。
【0248】
本動作においては、複数の利用者の基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報が予め登録されているものとする。
【0249】
また、本動作において、商取引管理サーバ装置10は、該当する端末装置20と電子商取引に関する各処理を実行しているものとし、各端末装置20から取引元及び取引先の利用者の識別情報及び位置差分情報が既に取得されているものとする。
【0250】
まず、位置情報管理部302は、商取引管理サーバ装置10から電子商取引の承認要求を受信すると(ステップS101)、商取引管理サーバ装置10から取引元及び取引先を特定するためのそれぞれのユーザ識別情報を取引先情報及び取引先情報として取得する(ステップS102)。
【0251】
次いで、位置情報管理部302は、取得したユーザ識別情報に基づいて、位置関連情報記憶部372を検索し、当該ユーザ識別情報に基づく基準距離関連情報が当該位置関連情報記憶部372に記憶されているか否かを判定する(ステップS103)。
【0252】
このとき、位置情報管理部302は、取得したユーザ識別情報に対応付けて、位置関連情報記憶部372に基準距離関連情報が記憶されていると判定した場合には、ステップS104の処理に移行する。
【0253】
また、情報提供部311は、取得したユーザ識別情報のいずれかに対応付けて、位置関連情報記憶部372に基準距離関連情報が記憶されていないと判定された場合には、電子商取引の承認を拒否する旨の通知を商取引管理サーバ装置10に送信して(ステップS111)本動作を終了させる。
【0254】
次いで、位置情報管理部302は、取得したユーザ識別情報に対応付けて、位置関連情報記憶部372に基準距離関連情報が記憶されていると判定した場合に、当該ユーザ識別情報に該当する利用者を、電子商取引を実行する取引元及び取引先を示す取引対象者として、特定する特定処理を実行する(ステップS104)。
【0255】
次いで、判定処理部303は、商取引管理サーバ装置10から特定された取引対象者の電子商取引を実行する際に取得した位置差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行する(ステップS105)。
【0256】
次いで、判定処理部303は、取得した取引対象者(取引元及び取引先のそれぞれ)の位置差分情報と、基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する真正性判定処理を実行する(ステップS106)。
【0257】
このとき、判定処理部303は、比較の結果が所与の取引対象者条件を具備したと判定した場合には、ステップS107の処理に移行し、比較の結果が所与の取引対象者条件を具備していない判定したと判定した場合には、ステップS109の処理に移行する。
【0258】
次いで、承認処理部304は、真正性判定処理によって、当該取引元及び取引先が真正であると判定された場合には、該当する電子商取引を承認する承認処理を実行する(ステップS107)。
【0259】
次いで、情報提供部311は、該当する電子商取引の承認が成功したことを示す通知を商取引管理サーバ装置10に送信して(ステップS108)本動作を終了させる。
【0260】
一方、承認処理部304は、取引元又は取引先が真正でないと判定された場合には、該当する電子商取引を承認せずに承認拒否する承認処理を実行する(ステップS109)。
【0261】
次いで、情報提供部311は、該当する電子商取引の承認が成功していないことを示す通知を商取引管理サーバ装置10に送信して(ステップS111)本動作を終了させる。
【0262】
[6]変形例
[6.1]変形例1
次に、
図7及び
図8を用いて上記実施形態の変形例1として上記の電子商取引が端末装置20上で実行される場合について説明する。
【0263】
なお、
図7は、本変形例における電子商取引システムS2の構成を示すシステム構成図であり、
図8は、本変形例における承認用サーバ装置30によって実行される承認処理について説明するための図である。
【0264】
本変形例の電子商取引システムS2は、
図7及び
図8に示すように、端末装置20に登録されたウォレットアプリ(ノンカストディアルウォレット用のアプリ)を用いて電子商取引を実行するシステムである。
【0265】
特に、本変形例の電子商取引システムS2は、取引元が正規の利用者になりすまして電子商取引を実行する際に有効なシステムである。
【0266】
そして、本変形例の電子商取引システムS2は、
図7に示すように、他の端末装置20と直接電子商取引を実行する端末装置20(例えば、端末装置20A、20B、20C)と、電子商取引の承認を行うための各処理を実行する承認用サーバ装置30と、から構成される。
【0267】
具体的には、端末装置20は、取引元としての位置差分情報を承認用サーバ装置30に送信するとともに、当該端末装置20が取引元として承認された場合に、取引先に対する電子商取引に関する処理を実行する。
【0268】
このとき、承認用サーバ装置30は、予め登録された情報であって、取引元の利用者としての距離基準情報を管理する構成を有している。
【0269】
また、承認用サーバ装置30は、電子商取引を実行する端末装置20から送信された取引元となる当該端末装置20の取引対象者情報に基づいて、電子商取引の対象となる取引元としての当該取引対象者を特定する構成を有している。
【0270】
そして、承認用サーバ装置30は、
図8に示すように、
(A1)電子商取引が実行される際の取引対象者(取引元)の真正性を判定する真正性判定処理、
(A2)取引実行タイミングに、真正性判定処理の判定結果に基づいて、電子商取引の承認をする承認処理、及び、
(A3)承認処理の結果を、取引元の端末装置20に提供する提供処理、
を実行する構成を有している。
【0271】
特に、承認用サーバ装置30は、真正性判定処理として、上記実施形態と同様に、
(A2-1)取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理、及び、
(A2-2)取得した位置差分情報と、該当する取引対象者となる利用者の基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理、
を実行し、実行した条件判定処理の判定結果に基づいて、真正性判定処理を実行する構成を有している。
【0272】
なお、
図8には、GPS衛星40から送信されたGPS信号に基づく位置情報から特定された位置差分情報の取得、当該取得した位置差分情報の承認用サーバ装置30への送信、及び、承認処理の結果を受信する端末装置20A及び20Bの例が示されている。
【0273】
また、
図8には、取引元としての端末装置20Aとしてノート型(ラップトップ型)パーソナルコンピュータ及び取引先としての端末装置20Bとして利用者Pが所有するスマートフォンが用いられている例が示されている。
【0274】
さらに、
図8には、端末装置20Aからの基準距離関連情報の登録要求、端末装置20Aの現在位置に基づく位置差分情報の管理、取引元の特定処理、真正性判定処理(位置情報取得処理及び条件判定処理)、電子商取引の承認処理、又は、承認処理の結果を提供する提供処理を実行する承認用サーバ装置30の例が開示されている。
【0275】
[6.2]変形例2
次に、
図9を用いて本実施形態の変形例2として上記の商取引管理サーバ装置10が上記実施形態における承認用サーバ装置30の各機能を有している場合について説明する。
【0276】
なお、
図9は、本実施形態における電子商取引システムS3の構成を示すシステム構成図である。
【0277】
本変形例の商取引管理サーバ装置10は、管理している利用者に関するユーザ関連情報を用いて取引元と取引先とによって電子商取引に関する処理を実行する取引処理として実行した際に、取引元又は取引先の真正性を判定する真正性判定処理、及び、当該電子商取引の承認をする承認処理を実行する構成を有している。
【0278】
具体的には、商取引管理サーバ装置10は、予め登録された情報であって、取引元又は取引先の距離基準情報を管理する構成を有している。
【0279】
また、商取引管理サーバ装置10は、
図9に示すように、
(A1)取引元と取引先とによって電子商取引に関する処理を実行する取引処理、
(A2)電子商取引が実行される際の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の取引
対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する真正性判定処理、
(A3)真正性判定処理の判定結果に基づいて、電子商取引の承認をする承認処理、及び、
(A4)承認された電子商取引の電子商取引情報を複数のデータベースに分散的に登録する登録処理、
を実行する構成を有している。
【0280】
そして、商取引管理サーバ装置10は、真正性判定処理として、上記実施形態と同様に、
(A2-1)取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理、及び、
(A2-2)取得した位置差分情報と、該当する取引対象者となる利用者の基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理、
を実行し、実行した条件判定処理の判定結果に基づいて、真正性判定処理を実行する構成を有している。
【0281】
[6.3]変形例3
次に、上記実施形態の変形例3として、商取引の実行前に予め利用者の真正性を判定し、その結果に基づいて商取引を実行する際に当該商取引の承認処理を実行する場合について説明する。
【0282】
(本変形例の特徴)
本変形例は、上記の実施形態においては、商取引の実行時に、取引元及び取引先の位置差分情報に基づいて真正性判定処理及び承認処理を実行する点に代えて、当該商取引の実行前又は実行後などの取引実行タイミングに、真正性判定処理を実行し、かつ、当該真正性判定処理の結果に基づいて、承認処理を実行する点に特徴がある。
【0283】
すなわち、本変形例の承認用サーバ装置30は、所与のタイミングに又は予め定められたタイミング毎に取得した利用者の位置差分情報に基づいて、電子商取引を実行する前の段階において、取引元又は取引先となり得る利用者の真正性について判定する構成を有している。
【0284】
具体的には、承認用サーバ装置30は、
(A1)位置情報取得処理として、取引実行関連タイミングとして予め定められたタイミング毎に、該当するタイミングにおける特定利用者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該特定利用者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得し、
(A2)取得した位置差分情報を、該当する前記利用者の履歴情報として、位置関連情報記憶部372に登録し、
(A3)電子商取引が実行される前に、及び、当該電子商取引が実行される後のいずれか一方に、取引対象者の履歴情報と、当該取引対象者としての利用者の前記登録された基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が取引対象者条件を具備するか否かを判定する真正性判定処理を実行する、
構成を有している。
【0285】
特に、電子商取引が実行される前とは、電子商取引を行う電子商取引サービス(すなわち、商取引管理サーバ装置10)にログインしたタイミング、又は、予め定められたタイミング(毎日0時などの所定の時刻)などを示す。ただし、電子商取引の実行タイミング
前であれば、そのタイミングには限定されない。
【0286】
また、承認用サーバ装置30は、真正性判定処理の結果を保持し、電子商取引を実行する際に、当該真正性判定処理の結果に基づいて、承認処理を実行する。
【0287】
一方、電子商取引が実行される後とは、例えば、仮想通貨を購入する場合におい電子商取引として当該仮想通貨の購入を電子商取引の実行をした後に、当該仮想通貨の(すなわち、取引対象物)の売買額(例えば法定通貨として)が決定したタイミングを示す。
【0288】
また、電子商取引が実行される後とは、電子商取引が抽選的若しくは又はオークション的な取引の場合、又は、当該電子商取引が仮条件で申し込んだ後に当該電子商取引が確定する場合(例えば、株式の新規公開時などのブックビルディングの申し込み後の当該株式の購入など)には、抽選若しくはオークションへの参加、又は、仮条件の申し込みが電子商取引の実行とすると、抽選に当選したタイミング、オークションにおいて落札したタイミング、又は、仮条件の申し込み後に電子商取引が確定したタイミングなどを示す。
[6.4]変形例4
次に、上記実施形態の変形例4として、上記の実施形態又は上記の変形例において、利用者の位置差分情報を取得する場合であって当該位置差分情報を取得した時刻を特定し、当該時刻を示す時刻情報を真正性判定処理に用いる場合について説明する。
【0289】
本変形例の承認用サーバ装置30は、取引実行タイミングに、取引実行関連タイミングに、又は、取引実行関連タイミング毎に、利用者の位置差分情報を取得し、その際に、当該位置差分情報を取得した際の時刻を特定する構成を有している。
【0290】
そして、本変形例の承認用サーバ装置30は、当該特定した時刻示す時刻情報を含む各位置差分情報に基づいて、真正性判定処理を実行する構成を有している。
【0291】
具体的には、判定処理部303は、位置差分情報の時刻情報を用いて取引元又は取引先に対する真正性判定処理を実行する場合に、取引元又は取引先としての利用者の移動速度、又は、加速度に矛盾の無いか否かを判定する。
【0292】
例えば、判定処理部303は、前回の位置差分情報に対応付けられた時刻情報と、今回取得した位置差分情報に対応付けられた時刻情報と、前回及び今回の位置差分情報の2地点間の距離と、に基づいて、取引対象者の移動速度又は加速度を算出する。
【0293】
そして、判定処理部303は、上記実施形態の位置差分情報と基準距離関連情報との比較結果が取引対象者条件を具備していることを条件に、算出した移動速度又は加速度が、予め定められた範囲内であるか否かを判定し、当該算出した移動速度又は加速度が、予め定められた範囲内の場合に、取引元又は取引先が真正であると判定する。
【0294】
特に、判定処理部303は、算出された移動速度又は加速度が、基準距離関連情報に対応付けられた基準となる移動速度又は加速度(すなわち、基準速度又は基準加速度)以下か否かを判定する。
【0295】
そして、判定処理部303は、算出された移動速度又は加速度が、基準移動速度又は基準加速度以下の場合に、取引元又は取引先が真正であると判定する。
【0296】
なお、本変形例の時刻情報は、位置差分情報を取得した時刻の情報に代えて、位置差分情報の距離差が生じた際の期間(以下、「位置差分期間」という。)を示す情報であってもよい。
【0297】
すなわち、前回の位置差分情報に対応付けられた時刻情報から、今回取得した位置差分情報に対応付けられた時刻情報まで、の位置差分期間の情報であってもよい。
【0298】
また、この場合においても、上述と同様に、取引対象者の移動速度又は加速度を算出する際に当該位置差分期間を用いる。
【0299】
[6.5]変形例5
次に、上記実施形態の変形例5として、上記の実施形態又は上記の変形例において、承認処理を実行せずに、真正性判定処理の判定結果に基づいて、電子商取引が実行される場合について説明する。
【0300】
本変形例の承認用サーバ装置30は、取引元、取引先又は双方が真正であると判定した場合に、その結果を、電子商取引を実行する商取引管理サーバ装置10又は端末装置20に提供する構成を有している。
【0301】
具体的には、承認用サーバ装置30は、承認用サーバ装置30は、予め登録された情報であって、取引元の距離基準情報を管理する構成を有している。
【0302】
また、承認用サーバ装置30は、電子商取引を実行する商取引管理サーバ装置10又は端末装置20から送信された取引元となる当該端末装置20の取引対象者情報に基づいて、電子商取引の対象となる取引元としての当該取引対象者を特定する構成を有している。
【0303】
そして、承認用サーバ装置30は、
(A1)電子商取引が実行される際の取引対象者(取引元)の真正性を判定する真正性判定処理、及び、
(A2)取引実行タイミングに、真正性判定処理の判定結果を、商取引管理サーバ装置10又は端末装置20に提供する提供処理、
を実行する構成を有している。
【0304】
特に、承認用サーバ装置30は、真正性判定処理として、上記実施形態と同様に、
(A2-1)取引実行タイミング又は取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理、及び、
(A2-2)取得した位置差分情報と、該当する取引対象者となる利用者の基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理、
を実行し、実行した条件判定処理の判定結果に基づいて、真正性判定処理を実行する構成を有している。
【0305】
[6.6]変形例6
次に、上記の実施形態の変形例6として、上記の実施形態又は変形例において、電子商取引の承認処理を当該電子商取引サービスへのログイン処理に用いる場合について説明する。
【0306】
本変形例の承認用サーバ装置30は、ログイン実行タイミングとして、利用者に電子商取引を実行させる電子商取引サービスにログインしたタイミングに、真正性判定処理の判定結果に基づいて、当該電子商取引サービスへのログインを承認する承認処理を実行する構成を有している。
【0307】
特に、本変形例の承認用サーバ装置30は、
(A1)位置情報取得処理として、電子商取引サービスにログインしたタイミングに、該当するタイミングにおける特定利用者(すなわち、ログインの要求をした利用者)の現在位置と、過去のタイミング(例えば、過去に当該電子商取引サービスにログインしたタイミング)における当該特定利用者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得し、
(A2)当該ログインが実行される際に、取得した位置差分情報と、当該ログインを要求した利用者(すなわち、ログイン対象利用者)の基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が利用者条件を具備するか否かを判定する真正性判定処理を実行する、
構成を有している。
【0308】
なお、本変形例の承認用サーバ装置30は、真正性判定処理を、利用者が電子商取引サービスにログインする前などのログイン実行関連タイミングに実行してもよい。
【0309】
この場合には、本変形例の承認用サーバ装置30は、当該電子商取引サービスにログインしていないタイミングなどの他のタイミングで位置差分情報を取得すればよい。
【0310】
[6.7]変形例7
次に、
図10を用いて上記実施形態の変形例7の複数のサーバ装置から構成される電子商取引システムS3について説明する。
【0311】
なお、
図10は、実施形態の変形例4における電子商取引システムS4の構成を示すシステム構成図である。
【0312】
上記実施形態又は上記の変形例においては、複数の商取引管理サーバ装置10、又は、複数の承認用サーバ装置30によって電子商取引システムS3が構成されていてもよい。
【0313】
すなわち、複数の商取引管理サーバ装置10によって電子商取引システムS1が構成されている場合には、電子商取引システムS4は、
図10に示すように、取引元及び取引先の端末装置20と上記の取引元に関する処理を実行する商取引管理サーバ装置10A及び10Bを有している。
【0314】
そして、商取引管理サーバ装置10Aと商取引管理サーバ装置10Bとは、ネットワークNを介して通信回線を確立して相互に各種の処理を連動し、電子商取引に関する各種の処理を実行する。
【0315】
また、複数の承認用サーバ装置30によって電子商取引システムS4が構成されている場合には、電子商取引システムS4は、
図10に示すように、取引元及び取引先に関する処理を実行する商取引管理サーバ装置10A及び10Bと連動して取引元又は取引先に対する承認処理を行う承認用サーバ装置30A及び30Bを有している。
【0316】
[7]その他
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0317】
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む
。
【0318】
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0319】
S :電子商取引システム
10 :商取引管理サーバ装置
20 :端末装置
30 :承認用サーバ装置
40 :GPS衛星
50 :データベース
100 :処理部
101 :通信制御部
102 :商取引管理制御部
103 :ユーザ情報管理制御部
110 :タイマ管理部
170 :記憶部
171 :主記憶部
172 :ユーザ情報記憶部
180 :情報記憶媒体
196 :通信部
300 :処理部
301 :通信制御部
302 :位置情報管理部
303 :判定処理部
304 :承認処理部
310 :タイマ管理部
311 :情報提供部
370 :記憶部
371 :主記憶部
372 :位置関連情報記憶部
380 :情報記憶媒体
396 :通信部
【手続補正書】
【提出日】2023-12-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引の承認を行う電子商取引承認システムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段と、
前記電子商取引を実行する情報処理装置から送信された前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者に関する取引対象者情報に基づいて、前記電子商取引の対象となる当該取引対象者を特定する特定手段と、
前記電子商取引が実行される際の前記取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段と、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記特定された取引元と前記取引先との電子商取引の承認をする承認処理を実行する承認処理手段と、
前記承認処理の結果を、前記情報処理装置に提供する提供手段と、
を備え、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とする電子商取引承認システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子商取引承認システムにおいて、
前記判定処理手段が、
前記位置情報取得処理として、前記取引実行関連タイミングとして予め定められたタイミング毎に、該当するタイミングにける取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得し、
前記取得した位置差分情報を、該当する前記利用者の履歴情報として、前記記憶手段に登録し、
前記取引実行タイミングに、前記取引対象者の履歴情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する前記条件判定処理を実行する、電子商取引承認システム。
【請求項3】
請求項1に記載の電子商取引承認システムにおいて、
前記判定処理手段が、
前記位置情報取得処理として、前記取引実行関連タイミングとして予め定められたタイミング毎に、該当するタイミングにおける特定利用者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該特定利用者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得し、
前記取得した位置差分情報を、該当する前記利用者の履歴情報として、前記記憶手段に登録し、
前記電子商取引が実行される前に、及び、当該電子商取引が実行される後のいずれか一方に、前記取引対象者の履歴情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する前記条件判定処理を実行する、電子商取引承認システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の電子商取引承認システムにおいて、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、前記条件判定処理の判定結果に基づいて、前記電子商取引が実行される際の前記取引対象者の真正性を判定する真正性判定処理を実行する、電子商取引承認システム。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載の電子商取引承認システムにおいて、
前記判定処理手段が、
前記位置情報取得処理として、前記位置差分情報を取得する際に、前記取引実行タイミング又は前記取引実行関連タイミングにおける時刻を示す時刻情報を取得し、
前記条件判定処理として、前記時刻情報に基づく位置差分情報が、前記基準距離関連情報に対して前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する、電子商取引承認システム。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項に記載の電子商取引承認システムにおいて、
前記情報処理装置が、前記電子商取引に関する情報を電子商取引情報として複数のデータベースに分散的に登録し、
前記電子商取引情報が、前記電子商取引が承認された場合に、前記電子商取引情報を含む、複数の電子商取引情報と過去の電子商取引情報から定められたハッシュ値とに基づいてブロック化されたブロック情報によって形成されている、電子商取引承認システム。
【請求項7】
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引の承認を行うプログラムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段、
前記電子商取引を実行する情報処理装置から送信された前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者に関する取引対象者情報に基づいて、前記電子商取引の対象となる当該取引対象者を特定する特定手段、
前記電子商取引が実行される際の前記取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記特定された取引元と前記取引先との電子商取引の承認をする承認処理を実行する承認処理手段、及び、
前記承認処理の結果を、前記情報処理装置に提供する提供手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項8】
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際にコンピュータを用いて当該電子商取引の承認を行う電子商取引における承認方法であって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理すること、
前記電子商取引を実行する情報処理装置から送信された前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者に関する取引対象者情報に基づいて、前記電子商取引の対象となる当該取引対象者を特定すること、
前記電子商取引が実行される際の前記取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行すること、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記特定された取引元と前記取引先との電子商取引の承認をする承認処理を実行すること、
前記承認処理の結果を、前記情報処理装置に提供すること、
を含み、
前記取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とする電子商取引における承認方法。
【請求項9】
取引元と取引先とによって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引を管理する電子商取引管理システムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段と、
前記取引元と前記取引先とによって前記電子商取引に関する処理を取引処理として実行する取引処理手段と、
前記電子商取引が実行される際の前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段と、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記電子商取引の承認をする承認処理を実行する承認処理手段と、
前記承認された電子商取引の電子商取引情報を複数のデータベースに分散的に登録する登録手段と、
を備え、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行
し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とする電子商取引管理システム。
【請求項10】
取引元と取引先とによって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引を管理するプログラムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段、
前記取引元と前記取引先とによって前記電子商取引に関する処理を取引処理として実行する取引処理手段、
前記電子商取引が実行される際の前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記電子商取引の承認をする承認処理を実行する承認処理手段、及び、
前記承認された電子商取引の電子商取引情報を複数のデータベースに分散的に登録する登録手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項11】
取引元と取引先とによって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際にコンピュータを用いて当該電子商取引を管理する電子商取引の実行方法であって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理すること、
前記取引元と前記取引先とによって前記電子商取引に関する処理を取引処理として実行すること、
前記電子商取引が実行される際の前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行すること、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記電子商取引の承認をする承認処理を実行すること、
前記承認された電子商取引の電子商取引情報を複数のデータベースに分散的に登録すること、
を含み、
前記取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とする電子商取引の実行方法。
【請求項12】
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該利用者に関する判定を行う利用者判定システムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段と、
前記電子商取引を実行する情報処理装置から送信された前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者に関する取引対象者情報に基づいて、前記電子商取引の対象となる当該取引対象者を特定する特定手段と、
前記電子商取引が実行される際の前記取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段と、
前記判定処理の判定結果を、前記情報処理装置に提供する提供手段と、
を備え、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とする利用者判定システム。
【請求項13】
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該利用者に関する判定を行うプログラムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段、
前記電子商取引を実行する情報処理装置から送信された前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者に関する取引対象者情報に基づいて、前記電子商取引の対象となる当該取引対象者を特定する特定手段、
前記電子商取引が実行される際の前記取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段、及び、
前記判定処理の判定結果を、前記情報処理装置に提供する提供手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項14】
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際にコンピュータを用いて当該利用者に関する判定を行う利用者判定方法であって、
記憶手段に予め登録された情報であって、当該電子商取引を承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理すること、
前記電子商取引を実行する情報処理装置から送信された前記電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の利用者を示す取引対象者に関する取引対象者情報に基づいて、前記電子商取引の対象となる当該取引対象者を特定すること、
前記電子商取引が実行される際の前記取引対象者が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行すること、
前記判定処理の判定結果を、前記情報処理装置に提供すること、
を含み、
前記電子商取引が実行される取引実行タイミング又は当該取引実行タイミングに関連する取引実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記取引対象者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該取引対象者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とする利用者判定方法。
【請求項15】
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引を提供する電子商取引サービスにログインする際に当該ログインの承認を行うログイン承認システムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、前記ログインを承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段と、
前記ログインの要求をした情報処理装置から送信されたログインの対象の前記利用者を示すログイン対象利用者に関するログイン対象利用者情報に基づいて、当該ログイン対象利用者を特定する特定手段と、
前記ログインが実行される際の前記ログイン対象利用者が所与の利用者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段と、
前記ログインが実行されるログイン実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記ログイン対象利用者の前記電子商取引サービスへのログインを承認する承認処理を実行する承認処理手段と、
前記承認処理の結果を、前記情報処理装置に提供する提供手段と、
を備え、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記ログイン実行タイミング又は当該ログイン実行タイミングに関連するログイン実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記ログイン対象利用者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該ログイン対象利用者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記利用者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とするログイン承認システム。
【請求項16】
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引を提供する電子商取引サービスにログインする際に当該ログインの承認を行うプログラムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、前記ログインを承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理する管理手段、
前記ログインの要求をした情報処理装置から送信されたログインの対象の前記利用者を示すログイン対象利用者に関するログイン対象利用者情報に基づいて、当該ログイン対象利用者を特定する特定手段、
前記ログインが実行される際の前記ログイン対象利用者が所与の利用者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行する判定処理手段、
前記ログインが実行されるログイン実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記ログイン対象利用者の前記電子商取引サービスへのログインを承認する承認処理を実行する承認処理手段、及び、
前記承認処理の結果を、前記情報処理装置に提供する提供手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記判定処理手段が、前記判定処理として、
前記ログイン実行タイミング又は当該ログイン実行タイミングに関連するログイン実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記ログイン対象利用者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該ログイン対象利用者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取
得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記利用者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項17】
利用者によって暗号資産に基づく所与の電子商取引を提供する電子商取引サービスにログインする際にコンピュータを用いて当該ログインの承認を行うログインの承認方法であって、
記憶手段に予め登録された情報であって、前記ログインを承認するための基準となる距離又は当該距離に関連する情報が規定された基準距離関連情報を管理すること、
前記ログインの要求をした情報処理装置から送信されたログインの対象の前記利用者を示すログイン対象利用者に関するログイン対象利用者情報に基づいて、当該ログイン対象利用者を特定すること、
前記ログインが実行される際の前記ログイン対象利用者が所与の利用者条件を具備するか否かを判定する判定処理を実行すること、
前記ログインが実行されるログイン実行タイミングに、前記判定処理の判定結果に基づいて、前記ログイン対象利用者の前記電子商取引サービスへのログインを承認する承認処理を実行すること、
前記承認処理の結果を、前記情報処理装置に提供すること、
を含み、
前記判定処理として、
前記ログイン実行タイミング又は当該ログイン実行タイミングに関連するログイン実行関連タイミングに、該当するタイミングの前記ログイン対象利用者の現在位置と、過去のタイミングにおける当該ログイン対象利用者の位置と、の差分を示す位置差分情報を取得する位置情報取得処理を実行し、
前記取得した位置差分情報と、前記基準距離関連情報と、を比較し、当該比較の結果が前記利用者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行することを特徴とするログインの承認方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、暗号資産を用いた電子商取引において、個人情報の取得にも配慮しつつ、公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することが可能な電子商取引承認システムなどを提供することにある。
また、本発明のその他の目的は、電子商取引が実行される際の取引対象者の位置そのものではなく、現在位置と過去の位置との差分を用いることによって取引元若しくは取引先が取引対象者として適正であるか否かを判定することが可能な利用者判定システムなどを提供することにある。
さらに、本発明のその他の目的は、ログインを希望する利用者の位置そのものではなく、現在位置と過去の位置との差分を用いることによってログイン対象利用者として、適正であるか否かを判定することが可能なログイン承認システムなどを提供することにある。