(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173406
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】支援方法、支援装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20241205BHJP
G06Q 10/08 20240101ALI20241205BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G06Q10/08
B65G61/00 550
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091805
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】芋本 征矢
(72)【発明者】
【氏名】田崎 信昭
(72)【発明者】
【氏名】大谷 正梓
(72)【発明者】
【氏名】久原 俊介
【テーマコード(参考)】
5H181
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA15
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181BB20
5H181CC04
5H181CC11
5H181EE02
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL09
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】配達先が適切に設定されることを支援することができる支援方法等を提供する。
【解決手段】支援方法は、配達物を配達する自律移動可能な移動体における配達物の受け取り場所の設定を支援する支援装置が実行する支援方法であって、配達物の配達先の建物の住所を示す住所情報を取得し(S102)、配達先の建物の周囲の道路を示す道路情報を取得し(S103)、住所情報と道路情報とに基づいて、受け取り場所の候補である受け取り可能場所を推定し(S106)、受け取り可能場所に基づく情報を出力する(例えば、S801)。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配達物を配達する自律移動可能な移動体における前記配達物の受け取り場所の設定を支援する支援装置が実行する支援方法であって、
前記配達物の配達先の建物の住所を示す住所情報を取得し、
前記配達先の建物の周囲の道路を示す道路情報を取得し、
前記住所情報と前記道路情報とに基づいて、前記受け取り場所の候補である受け取り可能場所を推定し、
前記受け取り可能場所に基づく情報を出力する
支援方法。
【請求項2】
前記配達先の建物を含む複数の建物は、前記道路で囲まれており、
前記道路で囲まれた前記複数の建物の玄関の向きは、所定のルールに基づいて特定可能であり、
前記所定のルールに基づいて、前記配達先の建物の玄関の向きを特定し、
前記道路情報に基づいて、特定された前記玄関の向きに位置する前記道路の境界を取得し、
前記住所情報と前記境界とに基づいて、前記受け取り可能場所を推定する
請求項1に記載の支援方法。
【請求項3】
前記道路情報に基づいて、前記配達先の建物と前記道路との境界を取得し、
前記配達先の建物に駐車場があるか否かを判定し、
前記駐車場がある場合、前記住所情報及び前記境界と、前記配達先の建物における前記駐車場の位置とに基づいて、前記受け取り可能場所を推定する
請求項1に記載の支援方法。
【請求項4】
平面視において、前記配達先の建物から前記境界側に引いた直線と前記境界との交点を前記受け取り可能場所として推定する
請求項2又は3に記載の支援方法。
【請求項5】
前記直線は、前記平面視における前記配達先の建物の重心位置から前記境界側に引いた直線である
請求項4に記載の支援方法。
【請求項6】
前記配達先の建物の形状を示す情報を含む地物情報を取得し、
さらに前記地物情報に基づいて、前記受け取り可能場所を推定する
請求項2又は3に記載の支援方法。
【請求項7】
平面視において、前記地物情報に基づく前記配達先の建物の外周位置から前記境界側に引いた複数の直線それぞれと前記境界との交点に基づくエリアを前記受け取り可能場所として推定する
請求項6に記載の支援方法。
【請求項8】
前記配達先の建物を過去に撮像した画像データを取得し、
前記画像データが前記配達先の建物の玄関を含む場合、前記玄関の向きに基づいて、前記エリアのうち一部のエリアを前記受け取り可能場所として推定する
請求項7に記載の支援方法。
【請求項9】
前記平面視において、前記エリアにおける前記直線と平行な方向の長さは、前記移動体の所定方向の長さ以上である
請求項7に記載の支援方法。
【請求項10】
前記平面視において、前記配達先の建物と前記境界との間に他の建物がある場合、前記交点は、前記他の建物を通らないように引かれた前記直線と前記境界との交点である
請求項4に記載の支援方法。
【請求項11】
前記配達先の建物の住人の位置の履歴情報を取得し、
さらに前記履歴情報に基づいて、前記受け取り可能場所を推定する
請求項1~3のいずれか1項に記載の支援方法。
【請求項12】
前記受け取り場所を設定する管理者から前記受け取り場所の入力を取得し、
前記管理者から入力された前記受け取り場所が、推定された前記受け取り可能場所に含まれるか否かを判定し、
前記受け取り可能場所に基づく情報として、判定結果を出力する
請求項1~3のいずれか1項に記載の支援方法。
【請求項13】
前記受け取り可能場所に基づく情報として、推定された前記受け取り可能場所を示す情報を提示し、
前記情報を提示した後、前記受け取り場所を設定する管理者から前記受け取り場所の入力を取得する
請求項1~3のいずれか1項に記載の支援方法。
【請求項14】
配達物を配達する自律移動可能な移動体における前記配達物の受け取り場所の設定を支援する支援装置であって、
前記配達物の配達先の建物の住所を示す住所情報を取得する第1取得部と、
前記配達先の建物の周囲の道路を示す道路情報を取得する第2取得部と、
前記住所情報と前記道路情報とに基づいて、前記受け取り場所の候補である受け取り可能場所を推定する推定部と、
前記受け取り可能場所に基づく情報を出力する出力部とを備える
支援装置。
【請求項15】
請求項1~3のいずれか1項に記載の支援方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、支援方法、支援装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷物等を配送する配送ロボットが知られている。例えば、特許文献1には、荷物を目的地まで自律走行で運ぶことができる配送ロボットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、自律走行可能なロボット等が配達物を配達する場合、例えば、ロボットの配送担当者等により、配達物を受け渡す配達先(目的地)が設定されることがある。自律走行するロボット(特に屋外を自律走行するロボット)においては、配達先が適切に設定されることが望まれる。
【0005】
そこで、本開示は、配達先が適切に設定されることを支援することができる支援方法、支援装置及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る支援方法は、配達物を配達する自律移動可能な移動体における前記配達物の受け取り場所の設定を支援する支援装置が実行する支援方法であって、前記配達物の配達先の建物の住所を示す住所情報を取得し、前記配達先の建物の周囲の道路を示す道路情報を取得し、前記住所情報と前記道路情報とに基づいて、前記受け取り場所の候補である受け取り可能場所を推定し、前記受け取り可能場所に基づく情報を出力する。
【0007】
本開示の一態様に係る支援装置は、配達物を配達する自律移動可能な移動体における前記配達物の受け取り場所の設定を支援する支援装置であって、前記配達物の配達先の建物の住所を示す住所情報を取得する第1取得部と、前記配達先の建物の周囲の道路を示す道路情報を取得する第2取得部と、前記住所情報と前記道路情報とに基づいて、前記受け取り場所の候補である受け取り可能場所を推定する推定部と、前記受け取り可能場所に基づく情報を出力する出力部とを備える。
【0008】
本開示の一態様に係るプログラムは、上記の支援方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様によれば、配達先が適切に設定されることを支援することができる支援方法等を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、注文の受付から配達完了までの流れを模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る支援システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係る支援システムの動作を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施の形態1に係る支援システムにおける受け取り可能場所の推定を説明するための図である。
【
図5】
図5は、実施の形態2に係る支援システムの動作を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施の形態2に係る支援システムにおける受け取り可能場所の推定を説明するための図である。
【
図7】
図7は、実施の形態3に係る支援システムの動作を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施の形態3に係る移動体が過去に撮像した第1画像データを示す図である。
【
図9】
図9は、実施の形態3に係る移動体が過去に撮像した第2画像データを示す図である。
【
図10】
図10は、実施の形態3の変形例に係る支援システムの動作を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施の形態3の変形例に係る移動体が過去に撮像した画像データを示す図である。
【
図12】
図12は、実施の形態3の変形例に係る玄関の位置の推定結果を示す図である。
【
図13】
図13は、実施の形態3の変形例に係る画像データの場合の受け取り可能エリアの推定を説明するための図である。
【
図14】
図14は、実施の形態3の変形例に係る玄関位置を登録する動作を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、実施の形態4に係る支援システムの動作を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、実施の形態4に係る駐車場の位置が特定された様子を示す図である。
【
図17】
図17は、実施の形態4に係る駐車場の位置が特定された様子の別の例を示す図である。
【
図18】
図18は、実施の形態4に係る駐車場位置を登録する動作を示すフローチャートである。
【
図19】
図19は、実施の形態5に係る支援システムにおける受け取り可能場所の推定を説明するための図である。
【
図20】
図20は、実施の形態6に係る支援システムの動作を示すフローチャートである。
【
図21】
図21は、実施の形態6に係る警告表示の一例を示す図である。
【
図22】
図22は、実施の形態6の変形例に係る支援システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本開示に至った経緯)
近年、小型配送ロボット、自動運転車両等の自律移動可能な移動体が社会実装されており、当該移動体により配達物を配達することが検討されている。このような移動体を用いた配達における注文の受付から配達が完了するまでの流れについて、
図1を参照しながら説明する。
図1は、注文の受付から配達完了までの流れを模式的に示す図である。なお、
図1では、利用者から注文を受けて、注文を受けた配達物を移動体が当該利用者に届ける場合の流れを示している。なお、注文する利用者と配達物を受け取る利用者とは同一人物であってもよいし、異なる人物であってもよい。
【0012】
図1に示すように、利用者からの注文及び配達先の住所の入力を情報端末が受け付けると、利用者からの入力に対する対応を行う運行管理者は、入力された配達先の住所を確認し、例えば、移動体が配達物を受け取る地点から、受け取り可能場所までの移動経路を含む地図(地図情報)を作成し、移動体が記憶する地図情報を更新する(
図1中のマスター登録)。
【0013】
なお、配達物は特に限定されないが、例えば、食料品等が例示される。また、配達物は、荷物、商品とも言い換えることが可能である。また、地図情報には、目的地名、座標(例えば、緯度、経度等)等を示す情報が含まれる。また、地図情報には、さらに、付帯情報として目的地までの時間、ルートパス、到着判定距離等の少なくとも1つが含まれていてもよい。
【0014】
次に、移動体による配達のための情報を設定する配送担当者は、例えば、配達住所に対する受け取り可能場所を、ロボット管理のためのFMS(フリーマネージメントシステム)に手動で入力する。ここでの受け取り可能場所の入力の正確さは配送担当者の経験に依存することがあり、また受け取り可能場所の確認作業が膨大となる。さらに、届け先が正確にわからない場合、現地確認を行うこともある。このように、配送担当者が受け取り可能場所を手動で入力することは容易ではなく、また入力ミスが発生する懸念もある。
【0015】
なお、配送担当者と運行管理者とは、異なる人物であってもよいし、同一人物であってもよい。配送担当者又は運行管理者は、管理者の一例である。
【0016】
次に、FMSは、配送担当者からの入力を取得し、当該入力及び届け先を示す情報に基づいて、移動経路及び時間を含む配達スケジュールを生成し、当該配達スケジュールを登録する。例えば、目的地データ格納部33(後述する
図2を参照)に配達スケジュールが格納される。これにより、移動体を用いた配達のための走行準備が完了する。
【0017】
次に、移動体は、配達スケジュールにおける配達開始時刻となると自律走行で配達物の配達を開始する。なお、移動体は、配達物を収容可能又は載置可能に構成され、例えば、配達開始時刻までに配達物が移動体に収容される。
【0018】
受け取り可能場所まで移動体が自律走行し、利用者が移動体から配達物を受け取った後、当該利用者が配達物を受け取ったことを示す操作をスマートフォン等の情報端末、又は、移動体に対して行うことで、移動体による配達が完了する。
【0019】
ここで、配達物のより確実な受け取りを可能にする等の観点から、配送担当者による受け取り場所(目的地)の設定は正確に行われることが望まれるが、誤った受け取り場所が設定される可能性がある。誤った受け取り場所とは、配達物の受け取りがスムーズに行えない場所又は他の車両等の走行を阻害してしまう場所であり、例えば、植栽にかかっている場所、駐車違反となる場所等が例示されるがこれに限定されない。
【0020】
特許文献1には、受け取り可能場所、つまり配達先が適切に設定されることを支援する技術については開示されていない。そこで、本願発明者らは、配達先が適切に設定されることを支援することについて鋭意検討を行い、以下に示す支援方法等を創案した。
【0021】
本開示の第1態様に係る支援方法は、配達物を配達する自律移動可能な移動体における前記配達物の受け取り場所の設定を支援する支援装置が実行する支援方法であって、前記配達物の配達先の建物の住所を示す住所情報を取得し、前記配達先の建物の周囲の道路を示す道路情報を取得し、前記住所情報と前記道路情報とに基づいて、前記受け取り場所の候補である受け取り可能場所を推定し、前記受け取り可能場所に基づく情報を出力する。
【0022】
これにより、住所情報と道路情報とを用いることで、配達先の建物の玄関がどの道路の方を向いているかを特定することが可能であるので、玄関の向きに応じた場所を受け取り可能場所に設定することが可能となる。つまり、利用者が受け取りやすい場所を受け取り可能場所に設定することが可能となる。よって、本開示の一態様に係る支援方法によれば、利用者による配達物の受け取りを容易にする観点において、配達先が適切に設定されることを支援することができる。
【0023】
また、例えば、第2態様に係る支援方法は、第1態様に係る支援方法であって、前記配達先の建物を含む複数の建物は、前記道路で囲まれており、前記道路で囲まれた前記複数の建物の玄関の向きは、所定のルールに基づいて特定可能であり、前記所定のルールに基づいて、前記配達先の建物の玄関の向きを特定し、前記道路情報に基づいて、特定された前記玄関の向きに位置する前記道路の境界を取得し、前記住所情報と前記境界とに基づいて、前記受け取り可能場所を推定してもよい。
【0024】
これにより、所定のルールに基づいて玄関の向きを容易に取得することができる。
【0025】
また、例えば、第3態様に係る支援方法は、第1態様に係る支援方法であって、前記道路情報に基づいて、前記配達先の建物と前記道路との境界を取得し、前記配達先の建物に駐車場があるか否かを判定し、前記駐車場がある場合、前記住所情報及び前記境界と、前記配達先の建物における前記駐車場の位置とに基づいて、前記受け取り可能場所を推定してもよい。
【0026】
これにより、駐車場の位置に応じた場所を受け取り場所に設定することが可能となる。よって、利用者による配達物の受け取りを容易にする観点において、配達先が適切に設定されることを支援することができる。
【0027】
また、例えば、第4態様に係る支援方法は、第2態様又は第3態様に係る支援方法であって、平面視において、前記配達先の建物から前記境界側に引いた直線と前記境界との交点を前記受け取り可能場所として推定してもよい。
【0028】
これにより、交点の位置を受け取り場所に設定することができる。例えば、建物と境界とを結ぶ直線の長さが短くなるように直線が引かれることで、建物からより近い位置を受け取り場所に設定することができる。よって、利用者による配達物の受け取りを容易にする観点において、配達先が適切に設定されることを支援することができる。
【0029】
また、例えば、第5態様に係る支援方法は、第4態様に係る支援方法であって、前記直線は、前記平面視における前記配達先の建物の重心位置から前記境界側に引いた直線であってもよい。
【0030】
これにより、建物と玄関との距離が大きくなることを抑制することができる。
【0031】
また、例えば、第6態様に係る支援方法は、第2態様又は第3態様に係る支援方法であって、前記配達先の建物の形状を示す情報を含む地物情報を取得し、さらに前記地物情報に基づいて、前記受け取り可能場所を推定してもよい。
【0032】
これにより、建物の形状に応じた位置を受け取り場所として設定することが可能となる。
【0033】
また、例えば、第7態様に係る支援方法は、第6態様に係る支援方法であって、平面視において、前記地物情報に基づく前記配達先の建物の外周位置から前記境界側に引いた複数の直線それぞれと前記境界との交点に基づくエリアを前記受け取り可能場所として推定してもよい。
【0034】
これにより、ある程度の広さを有するエリアを受け取り場所として設定することが可能となる。
【0035】
また、例えば、第8態様に係る支援方法は、第7態様に係る支援方法であって、前記配達先の建物を過去に撮像した画像データを取得し、前記画像データが前記配達先の建物の玄関を含む場合、前記玄関の向きに基づいて、前記エリアのうち一部のエリアを前記受け取り可能場所として推定してもよい。
【0036】
これにより、画像データに基づいて自動で建物の玄関の向きを取得することができる。
【0037】
また、例えば、第9態様に係る支援方法は、第7態様又は第8態様に係る支援方法であって、前記平面視において、前記エリアにおける前記直線と平行な方向の長さは、前記移動体の所定方向の長さ以上であってもよい。
【0038】
これにより、受け取り可能なエリアに到達した移動体が当該エリアからはみ出すことを抑制することができる。例えば、他の交通手段(例えば、車両、自転車等)の邪魔になる場所に移動体の一部が位置することを抑制することができる。よって、本開示の一態様に係る支援方法によれば、安全性の観点において、配達先が適切に設定されることを支援することができる。
【0039】
また、例えば、第10態様に係る支援方法は、第4態様又は第5態様に係る支援方法であって、前記平面視において、前記配達先の建物と前記境界との間に他の建物がある場合、前記交点は、前記他の建物を通らないように引かれた前記直線と前記境界との交点であってもよい。
【0040】
これにより、他の建物等が邪魔となり配達物の受け取りがしにくくなることを抑制することができる。
【0041】
また、例えば、第11態様に係る支援方法は、第1態様~第10態様のいずれかに係る支援方法であって、前記配達先の建物の住人の位置の履歴情報を取得し、さらに前記履歴情報に基づいて、前記受け取り可能場所を推定してもよい。
【0042】
これにより、利用者の移動経路上の位置を受け取り場所として設定することが可能となる。例えば、建物に複数の玄関がある場合、利用者がよく利用する玄関に応じた位置を受け取り場所に設定することが可能となる。
【0043】
また、例えば、第12態様に係る支援方法は、第1態様~第11態様のいずれかに係る支援方法であって、前記受け取り場所を設定する管理者から前記受け取り場所の入力を取得し、前記管理者から入力された前記受け取り場所が、推定された前記受け取り可能場所に含まれるか否かを判定し、前記受け取り可能場所に基づく情報として、判定結果を出力してもよい。
【0044】
これにより、推定された受け取り可能場所以外の場所が受け取り場所に設定されることを抑制することができる。例えば、道路上などの交通ルールに違反した場所に移動体が停止又は駐車してしまうこと、移動体が配達できない場所が受け取り場所に設定されてしまうこと、配送担当者等の作業ミスで誤った場所が受け取り場所に設定されてしまうことなどを抑制することができる。
【0045】
また、例えば、第13態様に係る支援方法は、第1態様~第12態様のいずれかに係る支援方法であって、前記受け取り可能場所に基づく情報として、推定された前記受け取り可能場所を示す情報を提示し、前記情報を提示した後、前記受け取り場所を設定する管理者から前記受け取り場所の入力を取得してもよい。
【0046】
これにより、管理者は推定された受け取り可能場所を示す情報を確認しながら、受け取り場所を設定することができる。管理者は、例えば、受け取り可能場所を示す情報を、受け取り場所を設定するための参考情報として用いることができる。よって、管理者が受け取り場所を設定することを支援することができる。
【0047】
また、第14態様に係る支援装置は、配達物を配達する自律移動可能な移動体における前記配達物の受け取り場所の設定を支援する支援装置であって、前記配達物の配達先の建物の住所を示す住所情報を取得する第1取得部と、前記配達先の建物の周囲の道路を示す道路情報を取得する第2取得部と、前記住所情報と前記道路情報とに基づいて、前記受け取り場所の候補である受け取り可能場所を推定する推定部と、前記受け取り可能場所に基づく情報を出力する出力部とを備える。また、第15態様に係るプログラムは、第1態様~第13態様のいずれかに記載の支援方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0048】
これにより、上記の支援方法と同様の効果を奏する。
【0049】
なお、これらの全般的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータで読み取り可能なCD-ROM等の非一時的記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。プログラムは、記録媒体に予め記憶されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0050】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0051】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0052】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0053】
また、本明細書において、平行、直角などの要素間の関係性を示す用語、及び、矩形、L字などの要素の形状を示す用語、並びに、数値、及び、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度(あるいは、10%程度)の差異をも含むことを意味する表現である。
【0054】
また、本明細書において、「第1」、「第2」などの序数詞は、特に断りの無い限り、構成要素の数又は順序を意味するものではなく、同種の構成要素の混同を避け、区別する目的で用いられている。
【0055】
(実施の形態1)
以下、本実施の形態に係る支援システムについて、
図2~
図4を参照しながら説明する。
【0056】
[1-1.支援システムの構成]
まず、本実施の形態に係る支援システムの構成について、
図2を参照しながら説明する。
図2は、本実施の形態に係る支援システム1の機能構成を示すブロック図である。
【0057】
図2に示すように、支援システム1は、配達物の受け取り場所の設定を支援するためのシステムであり、情報処理装置10と、端末装置20と、記憶装置30と、制御装置40と、移動体50とを備える。なお、支援システム1は、少なくとも情報処理装置10を備えていればよい。支援システム1は、例えば、配達物の配達を行う移動体50の目的地を登録する際に当該目的地の登録を支援する。
【0058】
情報処理装置10は、端末装置20及び記憶装置30と通信可能に構成され、配達物の受け取り場所の設定を支援するための処理を実行する。情報処理装置10は、受信部11と、届け先推定部12と、警告表示制御部13と、送信部14とを備える。情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリなどを有し、メモリに記憶されたプログラムをCPUが実行することにより、情報処理装置10が備える各機能が実現される。
【0059】
受信部11は、端末装置20及び記憶装置30から各種情報を受信する。受信部11は、端末装置20の入力部21に入力された情報を受信し、記憶装置30の住所データ格納部31から住所情報を受信する。また、受信部11は、さらに、地理データ格納部32から地物情報(後述する実施の形態2を参照)を受信してもよい。また、受信部11は、移動体50と通信可能であり、移動体50からの情報を受信してもよい。受信部11は、例えば、通信回路(通信モジュール)を含んで構成される。地物情報は、建物の形状(平面視形状)を含む情報である。
【0060】
届け先推定部12は、受信部11が受信した各種情報に基づいて、配達物の受け取り可能場所を推定する。届け先推定部12は、少なくとも住所情報と道路情報とに基づいて、受け取り可能場所を推定する。届け先推定部12は、推定部の一例である。なお、受け取り可能場所は、受け取り場所(目的地)の候補となる場所である。
【0061】
警告表示制御部13は、受信部11を介して取得された配送担当者等の入力に基づく受け取り可能場所と、届け先推定部12により推定された受け取り可能場所(例えば、受け取りエリア)とが異なるか否かを判定し、判定結果を出力部22に送信する。警告表示制御部13は、例えば、平面視において、届け先推定部12により推定された受け取り可能場所内に配送担当者等の入力に基づく受け取り可能場所が存在するか否かを判定する。
【0062】
送信部14は、情報処理装置10で生成された情報を端末装置20に送信する。送信部14は、例えば、届け先推定部12により推定された受け取り可能場所に基づく情報を端末装置20に送信してもよい。また、送信部14は、移動体50と通信可能であり、移動体50に情報を送信してもよい。送信部14は、例えば、通信回路(通信モジュール)を含んで構成される。送信部14は、出力部の一例である。
【0063】
なお、情報処理装置10は、支援装置の一例である。また、情報処理装置10は、少なくとも受信部11と届け先推定部12と、送信部14とを備えていればよい。
【0064】
端末装置20は、配達物の受け取り可能場所を設定する配送担当者等が操作する情報端末であり、入力部21と、出力部22とを有する。端末装置20は、CPU及びメモリなどを有し、メモリに記憶されたプログラムをCPUが実行することにより、端末装置20が備える各機能が実現される。
【0065】
入力部21は、配送担当者等から各種入力を受け付けるユーザインターフェースである。入力部21は、例えば、配送担当者等から受け取り可能場所の入力を受け付ける。入力部21は、タッチパネル、ボタン、マウスなどにより実現されるが、音声、ジェスチャなどにより入力を受け付ける構成であってもよい。
【0066】
出力部22は、送信部14から受信した情報を出力する。出力部22は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示部を有し、当該情報を画像として出力(表示)してもよい。また、出力部22は、例えば、スピーカを有し、当該情報を音として出力(出音)してもよい。このように、送信部14から受信した情報の提示態様は特に限定されない。
【0067】
記憶装置30は、各種情報を記憶する記憶装置である。記憶装置30は、例えば、半導体メモリ、ハードディスク等により実現される。記憶装置30は、住所データ格納部31と、地理データ格納部32と、目的地データ格納部33とを有する。
【0068】
住所データ格納部31は、配達物の配達先の建物を含む複数の建物の住所を示す住所情報を格納する。住所情報として、住所・所在地マスターデータが用いられてもよい。住所情報は、例えば、町字、街区、住居、座標(例えば、緯度、経度)等を含んでいてもよい。また、日本において、住所情報は、デジタル庁などの公的機関により管理されている情報である。建物は、内部に人が滞在可能な建物であればよく、例えば、住居、マンション、ビル、工場等であってもよい。
【0069】
地理データ格納部32は、配達先の建物の周囲の道路を示す道路情報を格納する。道路情報は、例えば、GIS(Geographic Information System:地理情報システム)で管理されており、道路地図、道路の境界線、地物、建物の面、高さなどの各座標を含む。例えば、道路情報は、道路及び建物の領域、形状等の2次元情報を含む。なお、道路情報には、建物がどの道路に面しているか等の情報は含まれない。また、日本において、道路情報は、国土交通省などの公的機関により管理されている情報である。地理データ格納部32は、地理情報システムに含まれる記憶装置であってもよい。
【0070】
目的地データ格納部33は、届け先推定部12により推定された受け取り可能場所を示す情報を格納する。
【0071】
制御装置40は、移動体50による自律移動(例えば、自律配達)を制御又は支援する装置である。制御装置40は、例えば、移動体50を遠隔監視又は遠隔操作するための装置であってもよい。制御装置40は、CPU及びメモリなどを有し、メモリに記憶されたプログラムをCPUが実行することにより、制御装置40が備える各機能が実現される。
【0072】
移動体50は、配達物を配達する自律移動可能な移動体(例えば、自走式ロボット)である。移動体50は、例えば、配送ロボット、自動運転ロボットとも言い換えることが可能である。移動体50は、例えば、制御装置40から受信した受け取り場所(目的地)を示す情報に基づいて、当該受け取り場所まで自律走行する。移動体50は、自動車が走行する道路(車道)を移動可能であってもよいし、歩道を移動可能であってもよい。また、移動体50は、屋外を移動するが、例えば、屋内を移動してもよい。
【0073】
[1-2.支援システムの動作]
続いて、上記のように構成される支援システム1の動作について、
図3及び
図4を参照しながら説明する。
図3は、本実施の形態に係る支援システム1の動作(支援方法)を示すフローチャートである。
【0074】
図3に示すように、受信部11は、入力部21等から配達住所を取得(例えば、受信)する(S101)。配達住所は、例えば、配達先の建物の住所を示す情報を含む。
【0075】
次に、受信部11は、住所データ格納部31から住所情報を取得(例えば、受信)し(S102)、地理データ格納部32から道路情報を取得(例えば、受信)する(S103)。このように、受信部11は、住所情報を取得する第1取得部及び道路情報を取得する第2取得部として機能する。
【0076】
次に、届け先推定部12は、道路情報に基づいて、住所情報に対する道路境界(後述する
図4に示す境界102)を取得する(S104)。道路情報には、道路境界を示す情報が含まれる。届け先推定部12は、道路境界として、道路101の境界を示す座標を道路情報から取得してもよい。
【0077】
図4は、本実施の形態に係る支援システム1における受け取り可能場所の推定を説明するための図である。
図4では、俯瞰画像M1を用いている。本実施の形態では、例えば、俯瞰画像M1を用いて受け取り可能場所が推定される。
【0078】
図4に示すように、届け先推定部12は、道路情報に基づいて、配達先の建物(例えば、建物103b)を含む複数の建物を囲む道路101の境界102を特定する。
【0079】
道路101で囲まれた複数の建物(例えば、建物103a、103b、103c及び103dを含む複数の建物)の玄関の位置は、所定のルールに基づいて特定可能である。所定のルールは、道路101で区切られた複数の建物において、道路101を基準に番地が設定されており、道路101に近い方から連番で番地が設定されるというルールである。また、所定のルールは、近い側の道路101に向かって玄関が設けられる、又は、番地が連続する建物の玄関は同じ方向を向いているというルールである。例えば、建物103aの玄関は、破線枠内の道路101に面する位置に設けられる。また、例えば、建物103aに対して時計回りに並んで配置される建物103c及び103dの玄関は、所定のルールに基づいて、破線枠内の道路101に面する位置に設けられる。
【0080】
届け先推定部12は、所定のルールに基づいて、配達先の建物の玄関の向きを特定し、道路情報に基づいて、特定された玄関の向きに位置する道路101の境界102を取得する。
【0081】
図3を再び参照して、届け先推定部12は、建物領域から最短の道路境界(境界102)に垂線104を追加する(S105)。例えば、垂線104は、建物領域と境界102とを最短の距離で結ぶ垂線である。
【0082】
建物領域は、
図4に示す建物103a等に示す矩形の領域であり、建物103aの建物領域をAで示し、建物103bの建物領域をBで示し、建物103cの建物領域をCで示し、建物103dの建物領域をDで示している。また、
図4では、建物領域Aから境界102に引いた垂線を104aとし、建物領域Cから境界102に引いた垂線を104cとしており、2本の垂線104が図示されている。
【0083】
なお、垂線とは、例えば、平面視において、直線状の境界102と直角に交差する(例えば、T字状となる)直線であるが、境界102と直角に交差することに限定されない。また、垂線104は、建物領域の任意の位置から道路101側に向けて引かれていてもよく、例えば、建物の平面視における重心位置から道路101側に向けて引かれていてもよい。
【0084】
次に、届け先推定部12は、垂線104と境界102との交点を受け取り可能位置に推定し(S106)、受け取り可能位置を登録する(S107)。届け先推定部12は、住所情報と境界102とに基づいて、受け取り可能場所を推定する。受け取り可能位置は、受け取り可能場所の一例である。
【0085】
例えば、
図4において、建物103aの垂線104aは、境界102と交点P1で交差しており、建物103cの垂線104cは、境界102と交点P2で交差している。届け先推定部12は、配達先が建物103aである場合、交点P1を受け取り可能位置と推定し、配達先が建物103cである場合、交点P2を受け取り可能位置と推定してもよい。
【0086】
このように、住所情報と道路情報とを用いて受け取り可能位置が推定されてもよい。
【0087】
(実施の形態2)
以下では、本実施の形態に係る支援システムについて、
図5及び
図6を参照しながら説明する。なお、以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一又は類似の内容については説明を省略又は簡略化する。本実施の形態に係る支援システムの各構成は実施の形態1(例えば、
図1)に係る支援システム1と同様であってもよく、以下では実施の形態1に係る支援システム1の符号を用いて説明する。なお、符号については、以下の実施の形態及び変形例においても同様である。
【0088】
図5は、本実施の形態に係る支援システム1の動作(支援方法)を示すフローチャートである。
図6は、本実施の形態に係る支援システム1における受け取り可能場所の推定を説明するための図である。本実施の形態では、さらに地物情報を用いて受け取り可能場所を推定する点において実施の形態1に係る支援システム1と相違する。例えば、届け先推定部12は、住所情報及び道路情報に加えて地物情報にも基づいて、受け取り可能場所を推定する。
【0089】
図5に示すように、受信部11は、地理データ格納部32から地物情報を取得(例えば、受信)する(S201)。
【0090】
次に、届け先推定部12は、地物(建物)の外周から最短の道路境界に垂線114(後述する
図6を参照)を追加する(S202)。
【0091】
図6に示すように、届け先推定部12は、平面視における建物103bの外周のうち、道路101と対向する部分から道路101側に垂線114を複数追加する。複数の垂線114は、地物情報に基づく配達先の建物103bの外周位置から境界102側に引いた複数の直線の一例である。
【0092】
図5を再び参照して、届け先推定部12は、複数の垂線114のそれぞれと境界102との交点を特定し、特定された複数の交点に基づくエリアを受け取り可能エリアP3と推定し(S203)、受け取り可能エリアを登録する(S204)。受け取り可能エリアP3は、受け取り可能場所の一例である。また、交点を特定するとは、例えば、交点の座標(例えば、緯度、経度)を特定することである。
【0093】
なお、受け取り可能エリアP3の平面視における長さL1は、例えば、建物103bの平面視における長さL3と等しくてもよいし、長さL3と異なっていてもよい。また、受け取り可能エリアP3の平面視における長さL2は、移動体50の平面視におけるサイズに応じて決定されてもよい。長さL2は、移動体50の所定方向の長さ以上である。所定方向の長さは、受け取り可能エリアP3内に入り停止した移動体50(例えば、配達物を受け渡す際の移動体50)における境界102と平行な方向の長さを意味する。
【0094】
(実施の形態3)
以下では、本実施の形態に係る支援システムについて、
図7~
図9を参照しながら説明する。なお、以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一又は類似の内容については説明を省略又は簡略化する。
【0095】
図7は、本実施の形態に係る支援システム1の動作(支援方法)を示すフローチャートである。本実施の形態では、過去に配達先の建物を撮像した画像データに基づいて、複数の受け取り可能エリアの候補から1つの受け取り可能エリアを絞る例について説明する。なお、当該画像データは、例えば、別の建物への配達時等において今回の配達先の建物を横切る等した際に移動体50に搭載された撮像装置により撮像されたものであるが、例えば、防犯カメラ等の移動体50以外の装置により撮像された画像データであってもよい。
【0096】
図7に示すように、届け先推定部12は、複数の垂線114それぞれと境界102との交点を特定し、特定された複数の交点に基づくエリアを、受け取り可能エリアの候補(複数の受け取り可能エリア)として推定する(S301)。例えば、配達先の建物が角地にある場合等において、複数の受け取り可能エリアが推定されることがある。ステップS301において、複数の受け取り可能エリアの候補が推定されたものとして以下を説明する。
【0097】
次に、届け先推定部12は、配達先の建物の周辺で撮像された1以上の画像データを含む過去データを、過去データを格納する記憶装置から取得する(S302)。届け先推定部12は、例えば、外部の記憶装置から過去データを受信部11を介して受信してもよいし、自装置の記憶部から過去データを読み出してもよい。
【0098】
次に、届け先推定部12は、画像データに配達先の建物の玄関が映っているか否かを判定する(S303)。画像データに玄関が映っているか否かの判定には、既知のいかなる方法が用いられてもよい。例えば、画像データが入力されると、画像データに玄関が映っているか否かを推論する学習済みモデルを用いて、ステップS303の判定が行われてもよい。学習済みモデルは、ディープラーニングで訓練されたニューラルネットワークである。
【0099】
図8は、本実施の形態に係る移動体50が過去に撮像した第1画像データを示す図である。
図9は、本実施の形態に係る移動体50が過去に撮像した第2画像データを示す図である。なお、画像データは、支援システム1に含まれる複数の移動体50のいずれかの移動体50で取得されればよい。
【0100】
図8に示すように、第1画像データは、移動体50の撮像装置が進行方向(
図8中の破線矢印の方向)の道路101を撮像することで得られる画像データである。第1画像データには、玄関は映っていない。
【0101】
図9に示すように、第2画像データは、移動体50の撮像装置が移動体50の側方を撮像することで得られる画像データである。第2画像データの領域R1には玄関103b1が映っている。
【0102】
届け先推定部12は、ステップS302で取得された画像データに
図9に示すような画像データが含まれる場合、ステップS303でYesと判定する。
【0103】
届け先推定部12は、画像データに配達先の建物の玄関103b1が映っていると判定した場合(S303でYes)、複数の受け取り可能エリアから玄関位置に応じた受け取り可能エリア(1つの受け取り可能エリア)を推定する(S304)。届け先推定部12は、複数の受け取り可能エリアの中から1つの受け取り可能エリアを選択するとも言える。届け先推定部12は、例えば、玄関103b1の正面にある受け取り可能エリアの候補を、受け取り可能エリアと推定してもよい。
【0104】
また、届け先推定部12は、画像データに配達先の建物の玄関103b1が映っていないと判定した場合(S303でNo)、複数の受け取り可能エリアのそれぞれが受け取り可能エリアであると推定してもよいし、任意の1つのエリアを受け取り可能エリアであると推定してもよい。
【0105】
このように、画像データに基づいて配達先の建物の玄関の向きが特定されることで、玄関の向きにある道路101を特定することができる。例えば、当該道路101にある受け取り可能エリアが配達先の建物に対する受け取り可能エリアであると推定される。これにより、当該配達先の建物の住人等が主に利用していると推測される道路101の近くを受け取り可能エリアと推定することができる。
【0106】
(実施の形態3の変形例)
以下では、本変形例に係る支援システムについて、
図10~
図14を参照しながら説明する。なお、以下では、実施の形態3との相違点を中心に説明し、実施の形態3と同一又は類似の内容については説明を省略又は簡略化する。
【0107】
図10は、本変形例に係る支援システム1の動作(支援方法)を示すフローチャートである。本変形例では、現在の配達より過去に配達先の建物を撮像した画像データに基づいて、より精度の高い受け取り可能エリアを推定する例について説明する。なお、ステップS302において、
図11に示す画像データが取得されているものとする。
図11は、本変形例に係る移動体50が過去に撮像した画像データを示す図である。画像データの領域R2には門103b2が映っており、領域R3には、玄関103b1が映っている。
【0108】
届け先推定部12は、画像データに配達先の建物の玄関103b1が映っていると判定した場合(S303でYes)、画像データを撮像したときの移動体50の位置を示す走行座標(例えば、緯度、経度)を取得する(S401)。例えば、走行座標は、受信部11を介して受信されてもよい。また、移動体50の撮像装置の撮像向きが任意に変更可能である場合、ステップS401において、さらに画像データを撮像したときの撮像装置の姿勢(例えば、撮像向き)を示す情報が取得(例えば、受信)されてもよい。
【0109】
次に、届け先推定部12は、走行座標及び撮像装置の姿勢を示す情報に基づいて、移動体50の撮像位置に対する玄関103b1の相対位置を算出し(S402)、算出した相対位置に基づいて、例えば、俯瞰画像(地図画像)における配達先の建物における玄関103b1の位置(又は向き)を推定する。
【0110】
図12は、本変形例に係る玄関103b1の位置の推定結果を示す図である。
【0111】
図12に示すように、走行座標から
図11に示す画像データを撮像したときに移動体50の位置が
図12に示す位置であることが算出され、かつ、撮像装置の撮像向きが破線状の矢印の方向である場合、建物103bにおける玄関103b1の位置が
図12に示す位置であると推定される。
【0112】
図10を再び参照して、次に、届け先推定部12は、玄関位置に応じた受け取り可能エリアを推定する(S403)。届け先推定部12は、例えば、玄関位置に基づいて、垂線114により推定された受け取り可能エリアP3の一部の領域を受け取り可能エリアP3aとする。届け先推定部12は、玄関103b1の位置に基づいて、受け取り可能エリアP3の中から受け取り可能エリアP3aを抽出するとも言える。
【0113】
届け先推定部12は、例えば、受け取り可能エリアP3のうち、玄関103b1の位置に近いエリアを受け取り可能エリアP3aと推定してもよい。
【0114】
図13は、本変形例に係る画像データの場合の受け取り可能エリアP3aの推定を説明するための図である。なお、便宜上、線114aを破線で示している。
【0115】
図13に示すように、届け先推定部12は、例えば、推定された玄関103b1の位置から受け取り可能エリアP3へ引いたL字状の線114aと受け取り可能エリアP3との交点(交点の座標)に基づいて、受け取り可能エリアP3の一部のエリアである受け取り可能エリアP3aを抽出する。受け取り可能エリアP3aは、例えば、当該交点を含み、かつ、平面視における面積が移動体50の平面視における面積より大きいエリアであってもよい。
【0116】
なお、例えば、配達先の建物103bと境界102との間に他の建物がある場合、線114aは、平面視において他の建物を通過しないように形成される。つまり、平面視において他の建物の建物領域と重ならないように線114aが引かれる。
【0117】
図10を再び参照して、次に、届け先推定部12は、受け取り可能エリアP3aを登録する(S204)。受け取り可能エリアP3aは、受け取り可能場所の一例である。
【0118】
なお、
図10に示すステップS402に示す玄関の相対位置(例えば、玄関位置)は予め記憶されており、ステップS402では予め記憶されている玄関位置を読み出す処理が実行されてもよい。以下では、玄関位置の登録について、
図14を参照しながら説明する。
図14は、本変形例に係る玄関位置を登録する動作(支援方法)を示すフローチャートである。
図14に示す各動作は、
図10に示す動作の開始前に実行される。
【0119】
図14に示すように、受信部11は、過去の配達中に撮像した走行画像(画像データ)を移動体50又は走行画像を記憶する記憶装置から受信する(S501)。
【0120】
次に、届け先推定部12は、走行画像に建物の玄関が映っているか否かを判定する(S303a)。玄関が映っているか否かの判定方法は、ステップS303と同様である。
【0121】
次に、届け先推定部12は、走行画像に建物の玄関が映っていると判定した場合(S303aでYes)、走行画像を撮像したときの移動体50の位置を示す走行座標(例えば、緯度、経度)を取得し(S401a)、走行座標及び撮像装置の姿勢を示す情報に基づいて、移動体50の撮像位置に対する建物の玄関位置を算出する(S402a)。ステップS401aの処理はステップS401と同様であり、ステップS402aの処理はステップS402と同様である。
【0122】
また、届け先推定部12は、走行画像に建物の玄関が映っていないと判定した場合(S303aでNo)、ステップS502に進む。
【0123】
次に、届け先推定部12は、算出した玄関位置を登録する(S502)。届け先推定部12は、例えば、算出した玄関位置を建物と対応づけて記憶装置30に格納する。
【0124】
これにより、
図10において、ステップS303でYesと判定された後、ステップS401及びS402の処理を実行しなくてもよいので、受け取り可能エリアの推定をより高速に実行可能となる。
【0125】
(実施の形態4)
以下では、本実施の形態に係る支援システムについて、
図15~
図18を参照しながら説明する。なお、以下では、実施の形態3との相違点を中心に説明し、実施の形態3と同一又は類似の内容については説明を省略又は簡略化する。
【0126】
図15は、本実施の形態に係る支援システム1の動作(支援方法)を示すフローチャートである。本実施の形態では、駐車場の位置に基づいて、複数の受け取り可能エリアの候補から受け取り可能エリアを絞る例について説明する。
【0127】
図15に示すように、届け先推定部12は、過去データ及び衛星画像データの少なくとも一方を取得する(S601)。過去データは、実施の形態3と同様のデータである。衛星画像データは、配達先の建物を含む所定範囲を撮像した俯瞰画像を含む。届け先推定部12は、外部の記憶装置から衛星画像データを受信する。なお、俯瞰画像が取得可能であれば、衛星画像であることに限定されない。
【0128】
次に、届け先推定部12は、過去データ及び衛星画像データの少なくとも一方に基づいて、配達先の建物に駐車場があるか否かを判定する(S602)。駐車場があるか否かの判定は、玄関が映っているか否かと同様、画像データに駐車場(又は自動車)が映っているか否かを推論する学習済みモデルを用いて行われてもよい。
【0129】
図16は、本実施の形態に係る駐車場の位置が特定された様子を示す図である。
図16では、配達先の建物が建物103eであるとする。
【0130】
図16に示すように、届け先推定部12は、学習済みモデルを用いた情報処理等により、画像データにおいて駐車場R4e~R4hがあることを特定する。駐車場がどの建物(例えば、どの住居)のものであるかは公的機関において対応付けられているので、複数の駐車場R4e~R4hから建物103eに対応する駐車場を特定可能である。
図16の場合、建物103eに対応する駐車場として駐車場R4eが特定される。
【0131】
図17は、本実施の形態に係る駐車場の位置が特定された様子の別の例を示す図である。
図17では、配達先の建物が建物103jであるとする。
【0132】
図17に示すように、届け先推定部12は、学習済みモデルを用いた情報処理等により、画像データにおいて駐車場R5i及びR5jがあることを特定する。
図16の場合と同様、複数の駐車場R5i及びR5jから建物103jに対応する駐車場を特定可能である。
図17の場合、建物103jに対応する駐車場として駐車場R5jが特定される。
【0133】
また、
図17の例では、建物103i~103lが一列に並んで配置されており、かつ、上下方向の道路101a及び101bで建物103i~103lが挟まれている。このような場合、適切な受け取り可能場所を特定する観点から、建物103i~103lの玄関が道路101a及び101bのいずれに面しているかを特定することが望まれる。
図17の例では、建物103i及び103jの玄関のそれぞれが道路101aに面して配置されている。
【0134】
また、建物103i~103lの玄関は、共通の道路に面していることが多いので、
図17の例では、建物103i~103lの玄関は、道路101a側に配置されていると推定可能である。言い換えると、
図17の例では、建物103i~103lの玄関は、道路101aを向いていると推定可能である。これにより、駐車場がない建物103k及び103lの玄関が道路101a側に配置されていることを推定可能である。
【0135】
図15を再び参照して、次に、届け先推定部12は、駐車場があると判定した場合(S602でYes)、駐車場位置に応じた受け取り可能エリアを推定する(S603)。届け先推定部12は、複数の受け取り可能エリアの中から1つの受け取り可能エリアを選択する。届け先推定部12は、例えば駐車場が面する道路101に設けられた受け取り可能エリアを、当該建物に対する受け取り可能エリアと推定してもよい。
【0136】
また、届け先推定部12は、駐車場の位置から想定される車両の走行経路とは重ならないエリアを受け取り可能エリアと推定してもよい。届け先推定部12は、例えば、駐車場と道路101との間の領域を含まないエリアを受け取り可能エリアと推定してもよい。これにより、移動体50が車両の出入りの邪魔になることを抑制することができる。
【0137】
また、届け先推定部12は、駐車場がないと判定した場合(S602でNo)、受け取り可能エリアの候補が受け取り可能エリアであると推定してもよいし、任意の1つのエリアを受け取り可能エリアであると推定してもよい。
【0138】
なお、
図15に示すステップS602で用いられる駐車場の相対位置(駐車場位置)は予め記憶されており、ステップS602では予め記憶されている駐車場位置を読み出すことで判定が行われてもよい。以下では、駐車場位置の登録について、
図18を参照しながら説明する。
図18は、本実施の形態に係る駐車場位置を登録する動作(支援方法)を示すフローチャートである。
図18に示す各動作は、
図15に示す動作の開始前に実行される。
【0139】
図18に示すように、受信部11は、移動体50が配達中に撮像した過去データ(例えば、走行画像)、及び、衛星画像データの少なくとも一方を取得(例えば受信)する(S601)。
【0140】
次に、届け先推定部12は、過去データ及び衛星画像データの少なくとも一方に基づいて、配達先の建物に駐車場があるか否かを判定する(S602a)。駐車場があるか否かの判定方法は、ステップS602と同様である。
【0141】
次に、届け先推定部12は、駐車場があると判定した場合(S602aでYes)、走行画像を撮像したときの移動体50の位置を示す走行座標(例えば、緯度、経度)を取得し(S401b)、走行座標及び撮像装置の姿勢を示す情報に基づいて、移動体50の撮像位置に対する建物の駐車場の相対位置を算出する(S603)。ステップS401bの処理はステップS401と同様である。また、駐車場の相対位置は、玄関の相対位置と同様の方法で算出可能である。
【0142】
次に、届け先推定部12は、算出した駐車場の相対位置に基づく駐車場位置を登録する(S604)。届け先推定部12は、例えば、算出した駐車場の相対位置を駐車場位置として建物と対応づけて記憶装置30に格納してもよいし、駐車場の実空間上での座標(例えば、緯度、経度)を駐車場位置として建物と対応づけて記憶装置30に格納してもよい。
【0143】
なお、ステップS401b及びS603の処理は、ステップS602aにおいて走行画像が用いられた場合に実行される。
【0144】
また、届け先推定部12は、駐車場がないと判定した場合(S602aでNo)、処理を終了する。届け先推定部12は、駐車場がないと判定した場合、当該建物には駐車場がないことを示す情報を記憶装置30に格納してもよい。
【0145】
(実施の形態5)
以下では、本実施の形態に係る支援システムについて、
図19を参照しながら説明する。なお、以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一又は類似の内容については説明を省略又は簡略化する。
【0146】
図19は、本実施の形態に係る支援システム1における受け取り可能場所の推定を説明するための図である。本実施の形態では、玄関位置等を用いずに受け取り可能場所の推定を実行する。
【0147】
届け先推定部12は、
図19に示すような利用者の位置データログFm及びFnに基づいて、受け取り可能場所を推定する。届け先推定部12は、例えば、利用者のスマートフォンなどから位置データログFm又はFnを受信してもよい。位置データログFmは、建物103mの住人の移動経路を示しており、位置データログFnは、建物103nの住人の移動経路を示している。例えば、建物の住所情報と利用者とが対応付けられており、配達先の建物の住所情報から当該建物に対応する利用者を特定し、特定された利用者のスマートフォンから位置データログFm又はFnを受信してもよい。
【0148】
届け先推定部12は、例えば、位置データログFmと道路101の境界(図示しない)との交点を、建物103mに対する受け取り可能位置として推定してもよい。また、届け先推定部12は、例えば、位置データログFnと道路101の境界(図示しない)との交点を、建物103nに対する受け取り可能位置として推定してもよい。例えば、建物103nがマンション等であり、出入り口が複数存在する場合、位置データログFnを用いることで、当該利用者がよく利用する出入り口に応じた受け取り可能位置を推定することができる。
【0149】
このように、届け先推定部12は、配達先の建物内にいる人(例えば、建物の住人であり、利用者)の位置の履歴情報を取得し、さらに履歴情報に基づいて、受け取り可能場所を推定する。例えば、利用者が玄関を出てからどの道路101に向かうか(どの道路101をよく利用するか)が履歴情報から取得可能であるので、利用者がよく利用する道路101の境界102を用いて受け取り可能場所が推定されることで、当該利用者に応じた受け取り可能場所を推定することができる。
【0150】
(実施の形態6)
以下では、本実施の形態に係る支援システムについて、
図20及び
図21を参照しながら説明する。なお、以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一又は類似の内容については説明を省略又は簡略化する。
【0151】
図20は、本実施の形態に係る支援システム1の動作(支援方法)を示すフローチャートである。本実施の形態では、推定された受け取り可能場所の利用方法を説明する。
【0152】
図20に示すように、受信部11は、配送担当者が入力部21に入力した、地図上での届け先(例えば、緯度、経度)を指定した情報を端末装置20から取得(例えば、受信)する(S701)。ここでの届け先とは、利用者が移動体50から配達物を受け取る受け取り場所であり、当該緯度及び経度に到達すると移動体50が停止する場所である。
【0153】
次に、届け先推定部12は、ステップS701で取得された届け先(受け取り場所)が、推定した受け取り可能場所内であるか否かを判定する(S702)。届け先推定部12は、例えば、届け先の緯度及び経度が、推定した受け取り可能エリア内に含まれるか否かを判定する。
【0154】
次に、届け先推定部12は、届け先が受け取り可能場所内であると判定した場合(S702でYes)、当該届け先を受け取り場所として登録する(S703)。届け先推定部12は、例えば、配達先の建物に対応する受け取り場所(つまり、移動体50の目的地)としてステップS701で取得された届け先を、目的地データ格納部33に格納する。
【0155】
これにより、制御装置40は、届け先を示す情報を目的地データ格納部33から取得し、取得された届け先を示す情報に基づいて移動体50を自律走行させることが可能となる。
【0156】
また、警告表示制御部13は、届け先推定部12により、届け先が受け取り可能場所内ではないと判定された場合(S702でNo)、届け先の入力ミス等の可能性があるので、警告表示を出力部22に行わせる(S704)。警告表示制御部13は、例えば、送信部14を介して端末装置20に警告を表示することを示す制御情報を送信する。入力ミスがある場合、利用者が配達物を受け取ることができない可能性があるので、警告表示を行うことで、より確実に利用者が配達物を受け取ることが可能となり、配達効率が向上し得る。
【0157】
このように、情報処理装置10は、受け取り可能場所を設定する配送担当者から受け取り場所(届け先)の入力を取得し、配送担当者から入力された受け取り場所が、推定された受け取り可能場所に含まれるか否かを判定し、受け取り場所に基づく情報として判定結果を出力する。
【0158】
図21は、本実施の形態に係る警告表示の一例を示す図である。
【0159】
図21に示すように、警告表示制御部13は、出力部22に警告表示を行わせる。警告表示は、例えば、住所があっているかを配送担当者に確認させる表示、届け先が交通の邪魔になっていないかを配送担当者に確認させる表示、及び、位置(届け先)が正しいかを確認させる表示等が例示されるが、表示内容はこれらに限定されない。
【0160】
そして、受信部11は、端末装置20から届け先を再度取得してもよい。
【0161】
このように、推定された受け付け可能場所は、管理者により入力された届け先が正しいか否かを判定するために用いられてもよい。
【0162】
(実施の形態6の変形例)
以下では、本変形例に係る支援システムについて、
図22を参照しながら説明する。なお、以下では、実施の形態6との相違点を中心に説明し、実施の形態6と同一又は類似の内容については説明を省略又は簡略化する。
【0163】
図22は、本変形例に係る支援システム1の動作(支援方法)を示すフローチャートである。本変形例では、推定された受け取り可能場所の利用方法の別の例を説明する。
【0164】
図22に示すように、情報処理装置10は、管理者が入力部21に対して届け先を入力する前に、推定した受け取り可能場所を示す情報を出力部22に表示させる(S801)。当該情報は、出力部22が表示している地図上に重畳して表示される。配送担当者は、地図上に表示された受け取り可能場所を示す情報を確認しつつ、届け先を入力部21に入力することができる。ステップS801は、推定された受け取り可能場所を示す情報を提示することの一例である。
【0165】
次に、受信部11は、配送担当者が入力部21に入力した、地図上での届け先(例えば、緯度、経度)を指定した情報を端末装置20から取得(例えば、受信)する(S701)。
【0166】
このように、推定された受け付け可能場所は、管理者が届け先を入力することを支援するために用いられてもよい。これにより、受け取り場所を設定することに対する配送担当者の負担を軽減することができる。また、受け取り可能場所を示す情報を提示した後、配送担当者から受け取り場所の入力が取得される。
【0167】
なお、推定した受け取り可能場所の利用方法は上記に限定されず、例えば推定した受け取り可能場所が受け取り場所として目的地データ格納部33に格納されてもよい。つまり、情報処理装置10は、届け先を自動で登録してもよい。
【0168】
(その他の実施の形態)
以上、一つ又は複数の態様に係る支援方法等について、各実施の形態等に基づいて説明したが、本開示は、この各実施の形態等に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示に含まれてもよい。
【0169】
例えば、上記各実施の形態等では、配達物を配達する際の受け取り可能場所を推定する例について説明したが、例えば、配達物を回収する際の受け取り可能場所(回収場所)を推定する際に本開示の技術が用いられてもよい。
【0170】
また、上記各実施の形態等における住所情報及び道路情報は、民間機関により管理されている情報であってもよい。
【0171】
また、上記各実施の形態等では、受け取り可能場所は利用者が配達物の受け取りを行う場所である例について説明したが、例えば、置き配ボックス等が配置された場所であってもよい。例えば、走行画像等により置き配ボックス等の位置が取得可能である。これにより、移動体は置き配にも対応可能となる。なお、置き配は、配達先において、配達物を利用者が受け取らずに、指定された場所に置いておくことである。
【0172】
また、上記各実施の形態等において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0173】
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が他のステップと同時(並列)に実行されてもよいし、上記ステップの一部は実行されなくてもよい。
【0174】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0175】
また、上記各実施の形態等に係る情報処理装置は、単一の装置として実現されてもよいし、複数の装置により実現されてもよい。情報処理装置が複数の装置によって実現される場合、当該情報処理装置が有する各構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。情報処理装置が複数の装置で実現される場合、当該複数の装置間の通信方法は、特に限定されず、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。また、装置間では、無線通信及び有線通信が組み合わされてもよい。
【0176】
また、上記各実施の形態等で説明した各構成要素は、ソフトウェアとして実現されても良いし、典型的には、集積回路であるLSIとして実現されてもよい。これらは、個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路(専用のプログラムを実行する汎用回路)又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)又は、LSI内部の回路セルの接続若しくは設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。更には、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて構成要素の集積化を行ってもよい。
【0177】
システムLSIは、複数の処理部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含んで構成されるコンピュータシステムである。ROMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0178】
また、本開示の一態様は、
図3、5、7、10、14、15、18、20及び22のいずれかに示される支援方法に含まれる特徴的な各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであってもよい。
【0179】
また、例えば、プログラムは、コンピュータに実行させるためのプログラムであってもよい。また、本開示の一態様は、そのようなプログラムが記録された、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体であってもよい。例えば、そのようなプログラムを記録媒体に記録して頒布又は流通させてもよい。例えば、頒布されたプログラムを、他のプロセッサを有する装置にインストールして、そのプログラムをそのプロセッサに実行させることで、その装置に、上記各処理を行わせることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0180】
本開示は、配送ロボット等の自律走行を管理する管理装置等に有用である。
【符号の説明】
【0181】
1 支援システム
10 情報処理装置(支援装置)
11 受信部(第1取得部、第2取得部)
12 届け先推定部(推定部)
13 警告表示制御部
14 送信部(出力部)
20 端末装置
21 入力部
22 出力部
30 記憶装置
31 住所データ格納部
32 地理データ格納部
33 目的地データ格納部
40 制御装置
50 移動体
101、101a、101b 道路
102 境界
103a、103b、103c、103d、103e、103i、103j、103k、103l、103m、103n 建物
103b1 玄関
103b2 門
104、104a、104c、114 垂線
114a 線
A、B、C、D 建物領域
Fm、Fn 位置データログ
L1、L2、L3 長さ
M1 俯瞰画像
P1、P2 交点
P3、P3a 受け取り可能エリア
R1、R2、R3 領域
R4e、R4f、R4g、R4h、R5i、R5j 駐車場