(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173414
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】開封検知タグ及びタグ付き容器
(51)【国際特許分類】
G06K 19/077 20060101AFI20241205BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20241205BHJP
B65D 55/02 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G06K19/077 304
G06K19/07 160
B65D55/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091824
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】樋口 徳顕
(72)【発明者】
【氏名】山岡 経之介
(72)【発明者】
【氏名】中林 貴光
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AA32
3E084AB05
3E084BA02
3E084CA01
3E084CB01
3E084CC02
3E084CC05
3E084DA01
3E084DC02
3E084EA02
3E084EC10
3E084FA09
3E084FD08
3E084KA15
(57)【要約】
【課題】コスト増加およびはぎれの混入を抑制しつつ容易に開封を検知できる開封検知タグを提供する。
【解決手段】上側の開口部を封止し導電材で形成された封止部を有する容器に取り付けられる開封検知タグである。外部機器との非接触通信を可能にするアンテナ部と、封止部と離れて配置された電極と、アンテナ部および電極に電気的に接続され、電極と封止部との間に蓄積される静電容量を計測するICチップと、を備える。ICチップは、アンテナ部を介して外部機器と非接触通信してICチップが計測した静電容量を外部機器に送信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側の開口部を封止し導電材で形成された封止部を有する容器に取り付けられる開封検知タグであって、
外部機器との非接触通信を可能にするアンテナ部と、
前記封止部と離れて配置された電極と、
前記アンテナ部および前記電極に電気的に接続され、前記電極と前記封止部との間に蓄積される静電容量を計測するICチップと、
を備え、
前記ICチップは、前記アンテナ部を介して前記外部機器と非接触通信して前記ICチップが計測した静電容量を前記外部機器に送信する、開封検知タグ。
【請求項2】
前記電極は、前記アンテナ部との間に間隙を介して前記アンテナ部の外周に沿って延びる、
請求項1に記載の開封検知タグ。
【請求項3】
前記アンテナ部は、平面視略円形であり、
前記電極は、平面視円弧形状である、
請求項2に記載の開封検知タグ。
【請求項4】
前記封止部の上側に蓋部が設けられ、
前記蓋部に埋設されている、
請求項1に記載の開封検知タグ。
【請求項5】
前記蓋部と一体成形された成形体である、
請求項4に記載の開封検知タグ。
【請求項6】
前記蓋部および前記封止部と一体成形体である、
請求項5に記載の開封検知タグ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の開封検知タグと、
前記容器と、
を備えるタグ付き容器。
【請求項8】
前記容器は、バイアル瓶である、
請求項7に記載のタグ付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開封検知タグ及びタグ付き容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療・医薬業界において、ワクチンや治療薬は、バイアル瓶に収容されている。バイアル瓶は、例えば、瓶容器の口部にゴム栓が差し込まれ、金属および樹脂を用いた蓋部で封止されている。ワクチンや治療薬などは、世界で偽造品が出回っており、個品管理やID認証の需要が高まっている。
【0003】
また、バイアル瓶においては、安全性確保のために開封検知が行われている。
従来の開封検知としては、例えば、近距離無線通信であるNFC(Near field communication)通信用アンテナと開封検知用のループ回路を形成した開封検知タグを用い、ループ回路が断線することで開封したことを検知できる構成がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の開封検知タグにおいては、物理的にループ回路を切断しないといけないため、容器が開封する位置に開封検知タグを貼り付ける必要がある。しかし、バイアル瓶の場合、容器自体が小さいため、開封検知タグのサイズの制約が出てしまうことや、開封部に開封検知タグを付けられない場合がある。
【0006】
この場合、開封検知回路を長くして、開封検知回路のみを容器の開封部分に貼り付ける等の構成を採っていた。この構成を採ると開封検知タグのサイズが大きくなり製造コストが増加するとともに、開封検知回路によって容器としての意匠性も阻害されるという問題も生じる。また、バイアルの外側に開封検知タグを取り付けた場合、開封後にはぎれが混入することも考えられる。
【0007】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、コスト増加およびはぎれの混入を抑制しつつ容易に開封を検知できる開封検知タグ及びタグ付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、上側の開口部を封止し導電材で形成された封止部を有する容器に取り付けられる開封検知タグであって、外部機器との非接触通信を可能にするアンテナ部と、前記封止部と離れて配置された電極と、前記アンテナ部および前記電極に電気的に接続され、前記電極と前記封止部との間に蓄積される静電容量を計測するICチップと、を備え、前記ICチップは、前記アンテナ部を介して前記外部機器と非接触通信して前記ICチップが計測した静電容量を前記外部機器に送信する、開封検知タグである。
【0009】
本発明の第2の態様は、第1の態様の開封検知タグと、前記容器と、を備えるタグ付き容器である。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、コスト増加およびはぎれの混入を抑制しつつ容易に開封を検知できる開封検知タグ及びタグ付き容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】タグ付き容器の上側を拡大した縦断面図である。
【
図3】容器に対して蓋部が開封されたタグ付き容器の縦断面図である。
【
図7】タグ付き容器の変形例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の開封検知タグおよびタグ付き容器の実施の形態を、
図1から
図6を参照して説明する。
なお、以下の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
【0013】
[タグ付き容器10]
図1は、本発明のタグ付き容器10の縦断面図である。
図2は、タグ付き容器10の上側を拡大した縦断面図である。
図1および
図2に示すように、タグ付き容器10は、容器11と、ゴム栓12と、封止部13と、蓋部14と、開封検知タグ1を備えている。本実施形態における容器11は、一例としてガラス製のバイアル瓶である。
【0014】
容器11は、胴部2と、口部3と、を有する。胴部2は、上下方向に延びる中心軸Jを中心とする円筒状である。口部3は、胴部2の上側に形成され胴部2と同軸の円筒状である。口部3の外径は、胴部2の外径よりも小さい。口部3の上端部には、中心軸Jを中心とする径方向の外側に突出するフランジ部3aが形成されている。
【0015】
ゴム栓12は、口部3に嵌合している。ゴム栓12が口部3に嵌合することによって、容器11は密封されている。ゴム栓12の上端には、窪み12aが形成されている。窪み12aは、平面視円形状で窪んでいる。
【0016】
封止部13は、口部3における上側の開口部を封止する。封止部13は、導電材で形成されている。封止部13は、一例としてアルミニウム等の金属材で形成されている。封止部13は、上壁部13aと、下壁部13bと、側壁部13cと、を有する。上壁部13aは、フランジ部3aの上面に上側から係合する。上壁部13aは、中心軸Jを中心とする貫通孔13dを有する。下壁部13bは、フランジ部3aの下面に下側から係合する。側壁部13cは、上壁部13aと下壁部13bとを上下方向に繋ぐ。側壁部13cは、フランジ部3aの外周面に径方向の外側から係合する。
【0017】
蓋部14は、ポリプロピレン等の樹脂材で形成されている。蓋部14は、蓋部本体14aと、挟持部14bと、を有する。蓋部本体14aは、封止部13の上側に配置される円盤状である。挟持部14bは、蓋部本体14aの下面から下側に突出する。下側に突出した挟持部14bは、ゴム栓12の窪み12aに位置する。挟持部14bは、筒状部14cと、円環部14dと、を有する。
【0018】
筒状部14cは、中心軸Jを中心として蓋部本体14aから下側に延びる円筒状である。筒状部14cの外周面は、封止部13の上壁部13aにおける貫通孔13dに臨む内周面と嵌合している。筒状部14cの下端は、上壁部13aの下面よりも下側に突出している。円環部14dは、筒状部14cの下端から中心軸Jを中心とする径方向の外側に延びる円環状である。円環部14dは、上壁部13aの下面に下側から係合する。円環部14dは、蓋部本体14aとの間で上壁部13aを挟持する。
【0019】
上壁部13aは、円環部14dにおける外周面の位置にミシン目等の切れ目を有する。蓋部本体14aを介して挟持部14bを上側に移動させることによって、上壁部13aは、円環部14dと蓋部本体14aとの間で挟持された領域が剪断力により分離される。上壁部13aにおいて、円環部14dと蓋部本体14aとの間で挟持された領域が分離されることによって、
図3に示すように、容器11に対して蓋部14が開封される。
図3においては、上壁部13aから分離された分離片13eが図示されている。
【0020】
[開封検知タグ1]
開封検知タグ1は、蓋部14に設けられる。開封検知タグ1は、蓋部14に埋設されている。開封検知タグ1と蓋部14は、一体的に成形された成形体である。開封検知タグ1と蓋部14と封止部13は、一体的に成形された成形体である。封止部13は、円板の状態で開封検知タグ1および蓋部14と一体成形された後に、例えば、ハンドクリッパー等を使って加締める方法で密封される。
【0021】
開封検知タグ1は、例えば、UHFやNFCに対応したスマートフォンやリーダライタなどの非接触型外部機器との間で非接触型通信を行い、蓋部14が不正開封されたことを検知可能とするタグである。
図4は、開封検知タグ1の平面図である。
開封検知タグ1は、電極4と、ICチップ5と、アンテナ部6と、を備える。
【0022】
[アンテナ部6]
アンテナ部6は、ICチップ5に接続されたループ状の導体である。本実施形態のアンテナ部6は、中心軸Jを中心とする平面視略円形である。アンテナ部6は、従来公知のアンテナを使用でき、例えば、UHF帯やHF帯に対応したアンテナ長さ及びアンテナ線幅になるように設計される。なお、アンテナ部6の配置位置は、特に限定されない。
【0023】
アンテナ部6は、リーダライタや携帯電話等の非接触型外部機器との非接触型通信を可能にする。アンテナ部6によって外部機器と通信したICチップ5は、電力を供給されるとともに外部機器からコマンドを取得して、コマンドに対して応答する通信を行うことができる。
【0024】
[電極4]
電極4は、封止部13の上側に離れて配置されている。電極4は、封止部13との間に形成される静電容量を計測する検知部を構成する。電極4は、製造方法として金属板や金属箔のレーザー切断や打ち抜き、金属箔や金属層のエッチング、金属線の配置などを例示できる。電極4は、
図4に示すように、平面視円弧形状である。電極4は、第1電極4Aと、第2電極4Bとを備える。
【0025】
第1電極4Aおよび第2電極4Bは、それぞれアンテナ部6との間に間隙を介してアンテナ部6の外周に沿って周方向に延びる。第1電極4Aおよび第2電極4Bは、それぞれアンテナ部6に対して径方向の外側に離れて配置されている。第1電極4Aは、ICチップ5から反時計回り方向に延びる円弧状である。第2電極4Bは、ICチップ5から時計回り方向に延びる円弧状である。第1電極4Aおよび第2電極4Bは、それぞれ蓋部本体14aを介して封止部13における上壁部13aと上下方向に対向する。
【0026】
[ICチップ5]
ICチップ5は、アンテナ部6および電極4に電気的に接続されている。ICチップ5は、第1電極4Aおよび第2電極4Bの両方に接続される。ICチップ5は、アンテナ部6を介して外部機器と通信し、開封検知タグ1の無線通信機能を実現する。具体的には、ICチップ5は、アンテナ部6を介して電力が供給される。そして、ICチップ5は無線通信を行い、外部機器からコマンドを取得して、コマンドに対して応答する通信を行うことができる。
【0027】
本実施形態では、ICチップ5は、外部機器からコマンドを取得して、電極4と封止部13との間に蓄積される静電容量を計測する機能を有する。また、ICチップ5は、アンテナ部6を介した無線通信によって、外部機器と非接触通信してICチップが計測した静電容量を外部機器に送信する。
【0028】
また、ICチップ5は、外部機器からコマンドを取得して、電極4と封止部13との間に蓄積される静電容量の変化量によって開封状態を判別して検知することができる。具体的には、ICチップ5は、容器11に対して蓋部14が未開封であるときに計測された静電容量を固定値とする。一方、容器11に対して蓋部14が開封されたときには、例えば、上述した分離片13eが封止部13から分離されることで、封止部13における金属の量が変化する。また、例えば、一旦開封された蓋部14を未開封位置に戻したとしても、分離片13eと封止部13の接触状態が変化するため、計測された静電容量は上記の固定値とは異なる値になる。
【0029】
従って、ICチップ5は、例えば、未開封状態における静電容量の情報を固定値として記憶しておくことで、外部機器からコマンドを取得して計測した静電容量が未開封状態における固定値の静電容量から変化した場合に開封状態であるとして検知することができる。なお、ICチップ5は、未開封状態における静電容量の情報を記憶していなくてもよい。この場合は、外部機器が、アプリケーションにおいて未開封状態における静電容量の情報を記憶することで、ICチップ5から無線通信によって取得した静電容量が変化した場合に開封状態であるとして検知することができる。
【0030】
以上説明したように、本実施形態の開封検知タグ1およびタグ付き容器10においては、電極4と封止部13との間に蓄積される静電容量をICチップが計測し、計測した静電容量を外部機器に送信するため、開封検知回路を長くして、開封検知回路のみを容器11の開封部分に貼り付ける等の構成を採る必要がない。
【0031】
そのため、本実施形態の開封検知タグ1およびタグ付き容器10においては、コスト増加およびはぎれの混入を抑制しつつ容易に開封を検知することができる。従って、本実施形態の開封検知タグ1およびタグ付き容器10においては、例えば、医療医薬分野において小さい容器や今まで開封検知機能を取り付けることができなかった容器で個品管理のID化および不正防止を実現できる。
【0032】
また、本実施形態の開封検知タグ1およびタグ付き容器10においては、未開封状態における静電容量の情報を固定値として記憶しておくことで、外部機器が未開封状態における静電容量の情報を保持していない場合でも、未開封状態または開封状態であるかの情報を外部機器に送信することが可能になる。
【0033】
また、本実施形態の開封検知タグ1およびタグ付き容器10においては、電極4がアンテナ部6の外周に沿って延びる円弧形状であるため、例えば、電極4がアンテナ部6から中心軸Jを中心とする径方向の外側に延びる場合と比較して、開封検知タグ1の小型化および小面積化を図ることができる。
【0034】
また、本実施形態の開封検知タグ1およびタグ付き容器10においては、開封検知タグ1が蓋部14に埋設されているため、開封検知タグ1を蓋部14に固定する作業を別途行う必要がなくなり、タグ付き容器10の製造効率が向上する。
【0035】
また、本実施形態の開封検知タグ1およびタグ付き容器10においては、開封検知タグ1、蓋部14および封止部13が一体成形体であるため、これらの部材を個別に組み付ける作業が不要になり、タグ付き容器10の製造効率が向上する。
【0036】
[開封検知システム200]
次に、上記開封検知タグ1及びタグ付き容器10を用いた開封検知システム200について、
図5を参照して説明する。
【0037】
図5は、開封検知システム200の構成を示す図である。
開封検知システム200は、上述したタグ付き容器10と、サーバー300と、非接触型の外部機器400とを備えている。
【0038】
タグ付き容器10は、上記実施形態に係るタグ付き容器を用いる。タグ付き容器10は、開封検知タグ1を含む。開封検知タグ1のICチップ5は、アンテナ部6を介して外部機器400と送受信可能である。
【0039】
[サーバー300]
サーバー300は、通信可能な情報処理装置である。サーバー300は、外部機器400から送信されるリクエストに応じて動作する。サーバー300は、通信部301、記憶部302および制御部303を備える。
【0040】
通信部301は、通信インターフェースである。通信部301は、ネットワーク900を介して、外部機器400と通信する。通信部301は、例えばインターネットに接続されたルーターとの間で有線LAN等の所定のプロトコルで通信する装置であってもよい。
通信部301は、例えばインターネットに接続されたアクセスポイントとの間で無線LAN等の所定のプロトコルで通信する装置であってもよい。
【0041】
記憶部302は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部302は、サーバー300において動作するアプリケーションのプログラムデータを記憶する。記憶部302は、通信部301を介して他の外部装置と送送信するデータを記憶してもよい。
【0042】
制御部303は、CPU等のプロセッサを用いて構成される。プロセッサが記憶部302に記憶されているプログラムを実行することによって、制御部303が機能する。
【0043】
[外部機器400]
外部機器400は、例えば、ユーザーによって携帯可能な通信端末装置である。外部機器400は、例えばスマートフォン等の携帯電話、タブレット端末、携帯可能なパーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末等の装置である。外部機器400は、非接触で、タグ付き容器10と通信可能である。外部機器400は、入力部401と、表示部402と、通信部403と、外部アンテナ部404と、記憶部405と、制御部406とを備える。
【0044】
入力部401は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部は、ユーザーの指示を携帯端末装置に入力する際にユーザーによって操作される。入力部は、入力装置を外部機器400に接続するためのインターフェースであっても良い。
【0045】
表示部402は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。表示部402は、データ上方を表示する。表示部402は、画像表示装置を外部機器400に接続するためのインターフェースであってもよい。
【0046】
通信部403は、通信インターフェースである。通信部403は、ネットワーク900を介して、サーバー300と通信する。通信部403は、例えば移動体通信網に設けられた基地局との間で所定のプロトコルで無線通信する装置であってもよい。通信部403は、例えばインターネットに接続されたアクセスポイントとの間で無線LAN(Local Area Network)等の所定のプロトコルで通信する装置であってもよい。
【0047】
外部アンテナ部404は、通信インターフェースである。外部アンテナ部404は、例えばNFC(Near Field Communication)でタグ付き容器10の開封検知タグ1に備えられたアンテナ部6と無線通信する。
【0048】
記憶部405は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部405は、例えば、外部機器400において動作するアプリケーションのプログラムデータを記憶する。記憶部405は、さらに他の情報を記憶してもよい。
【0049】
制御部406は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを用いて構成される。プロセッサが記憶部405に記憶されているプログラムを実行することによって、制御部406の機能が実現される。
【0050】
次に、開封検知システム200の作用について説明する。
【0051】
本実施形態に係る開封検知システム200は、オフライン状態とオンライン状態との両方に作用する。ここで、オフラインとは、外部機器400がネットワーク900を介してサーバー300と通信していないときの状態である。オンラインとは、外部機器400がネットワーク900を介してサーバー300と通信可能である状態である。
【0052】
ユーザーは、自身が携帯する外部機器400を操作することによって、外部機器400に対して所定のアプリケーションを予めインストールする。アプリケーションにおいては、特定の識別情報における未開封状態の静電容量の情報や内容物(ワクチンや治療薬)の詳細な情報(例えば、種類、ロットなど)や、その他の情報が、ユーザーの操作によって前もって登録されていてもよい。
【0053】
[オフライン状態]
まず、オフライン状態における開封検知システム200の作用について説明する。
【0054】
ユーザーは、外部機器400を持ち、外部アンテナ部404を開封検知タグ1のアンテナ部6に近づける。すると、開封検知タグ1のICチップ5は、アンテナ部6を介して、電力を供給され、電極4と封止部13との間の静電容量を計測して、外部機器400に情報を送信することができる。また、ICチップ5は、容器11に対する識別情報を外部機器400に送信することができる。外部機器400は、取得した情報を記憶部405に記憶する。
【0055】
ここで、開封検知タグ1のICチップ5が未開封状態における静電容量の情報を記憶する場合は、容器11の開封が開封状態において、不正開封状態なのか正常開封状態なのかを検知して、その検知情報を外部機器400に送信することができる。また、外部機器400がアプリケーションにおいて未開封状態における静電容量の情報を記憶する場合は、ICチップ5は、計測した静電容量の計測値を外部機器400に送信する。外部機器400は、計測値から容器11の開封状態が不正開封状態なのか正常開封状態なのかを検知して、検知情報を生成することができる。
【0056】
ユーザーは、検知情報を、アプリケーションを介して確認することができる。具体的には、容器11が未開封の状態である場合には、制御部406は、ICチップ5によって計測された静電容量が未開封の状態であることを外部機器400の表示部402に表示させる。ユーザーは、表示部402を確認することで、未開封状態であることを確認できる。そのため、ユーザーは、安心して容器11内の内容物を使用したり、保管したりすることができる。また、容器11が不正開封状態である場合には、制御部406は、不正開封されたことを外部機器400の表示部402に表示させる。ユーザーは、表示部402を確認することで、不正開封されたことを確認することができる。さらに、容器11が正常開封状態である場合は、制御部406は、正常開封されたことを外部機器400の表示部402に表示させる。ユーザーは、表示部402を通して正常開封状態であることを確認できる。
【0057】
また、ICチップ5が容器11に対する識別情報を外部機器400に送信することで、外部機器400の制御部406は、識別情報における内容物(ワクチンや治療薬)の詳細な情報(例えば、種類、ロットなど)を表示部402に表示させることができる。ユーザーは、表示部402を確認することで、さらに、容器11に関する詳細な情報を確認することができる。
【0058】
なお、外部機器400は、ユーザーが入力部401を介して入力した情報をICチップ5に送信することができる。これにより、ICチップ5は、取得した情報を追加して記録したり、更新したりすることができる。例えば、ユーザーは、識別情報における情報を追加してICチップ5に送信することができる。また、ユーザーは、外部機器400を定期的に開封検知タグ1と通信させて、通信した時間と場所、及びその時の状態を紐付けてICチップ5に記録させることができる。これにより、タグ付き容器10は、容器11を不正開封された場合に、外部機器400を介してユーザーに、どのタイミングで、どこの場所で不正行為がなされたかをある程度絞って想定させることができる。
【0059】
[オンライン状態]
次に、オンライン状態における開封検知システム200の作用について説明する。
ユーザーは、外部機器400を持ち、外部アンテナ部404を開封検知タグ1のアンテナ部6に近づける。すると、開封検知タグ1のICチップ5は、アンテナ部6を介して、電力を供給され、電極4と封止部13との間の静電容量を計測して、外部機器400に静電容量の計測値情報または検知情報を送信することができる。また、ICチップ5は、容器11に対する識別情報を外部機器400に送信することができる。
【0060】
オンライン状態の外部機器400の通信部403は、受信した情報を手動または自動でネットワーク900を介してサーバー300に送信する。
【0061】
サーバー300の制御部303は、通信部301を介して静電容量の計測値情報または検知情報及び識別情報を受信すると、これらの情報をその他の情報と紐付けて記憶部302に記憶する。具体的には、サーバー300の制御部303は、計測値情報によって容器11の開封状態が不正開封状態なのか正常開封状態なのかを検知して、検知情報を生成することができる。また、サーバー300の制御部303は、例えば、受信した識別情報によって、その識別情報の容器11の内容物(ワクチンや治療薬)の詳細な情報(例えば、種類、ロットなど)、また受信された時間(時刻を示す情報)、受信した場所(位置を示す情報)、及びその識別情報に関連のある他の容器11の情報などをまとめて開封検知情報として生成することができる。制御部303は、検知情報または開封検知情報を外部機器400に送信することができる。なお、開封検知情報が検知情報を含んでいてもよい。
【0062】
ユーザーは、外部機器400を用いて、ネットワーク900を介してアプリケーションからサーバー300にアクセスすることで検知情報または開封検知情報を取得することができる。なお、検知情報または開封検知情報は、アプリケーションに予めメールアドレスが登録されている場合にはメールを用いて外部機器400に自動送信されてもよい。また、検知情報または開封検知情報は、外部機器400のアプリケーションに対するプッシュ通知を用いて自動送信されてもよい。
【0063】
ユーザーは、検知情報または開封検知情報を、表示部402を介して確認することができる。これにより、ユーザーは、上述した開封状態を確認できることに加えて、例えば、どの時間および場所で、どのようなタイプの製品が、何本不正開封されたかや、何本正常開封されたかなど開封検知情報から確認することができる。また、例えば、ユーザーが発注の担当者である場合は、正常に開封された本数をチェックして、次に発注する本数をある程度把握することができる。
【0064】
このように、本実施形態に係る開封検知システム200は、オンラインの場合もオフラインの場合にもユーザーが外部機器400を用いて、容易に開封状態を確認することができる。また、本実施形態に係る開封検知システム200は、ユーザーが新たな情報を取得することができ、不正開封の未然防止につなげることができる。
【0065】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0066】
例えば、上記実施形態では、電極4における第1電極4Aおよび第2電極4Bがアンテナ部6の外周に沿って延びる円弧状である構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、アンテナ部が四角形等の多角形や、楕円形、長円形であり、第1電極および第2電極がアンテナ部の外周に沿って延びる構成でもよく、さらに開封検知タグ1の変形例として
図6に示すように、アンテナ部6に対して径方向の外側に延びる形状であってもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、蓋部14の開封時に封止部13の面積が変化することで、静電容量が変化する構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、タグ付き容器10の変形例として
図7に示すように、電極4と封止部13とを繋ぐ接着剤15を設ける構成であってもよい。この構成を採る場合には、容器11に対して蓋部14が開封する際に、封止部13の一部が分離するとともに、電極4が開封検知タグ1から分離するため、未開封時と開封後の静電容量の変化が大きくなり、開封検知が容易になる。
【符号の説明】
【0068】
1…開封検知タグ、 3…口部、 4…電極、 5…ICチップ、 6…アンテナ部、 10…タグ付き容器、 11…容器、 13…封止部、 14…蓋部