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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173415
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】蓄エネルギー装置
(51)【国際特許分類】
   F28D 20/00 20060101AFI20241205BHJP
   F22B 33/18 20060101ALI20241205BHJP
   F23G 5/02 20060101ALI20241205BHJP
   F26B 15/00 20060101ALI20241205BHJP
   F22B 1/02 20060101ALI20241205BHJP
   F23G 5/30 20060101ALI20241205BHJP
   F23G 7/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
F28D20/00 A
F22B33/18
F23G5/02 B
F26B15/00 A
F22B1/02 B
F23G5/30 E
F23G7/00 104A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091825
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 志宏
(72)【発明者】
【氏名】藤森 俊郎
(72)【発明者】
【氏名】石川 温士
(72)【発明者】
【氏名】真弓 敦
【テーマコード(参考)】
3K065
3K161
3L113
【Fターム(参考)】
3K065AA11
3K065AB01
3K065AC02
3K065CA11
3K065CA13
3K161AA02
3K161CA01
3K161DA52
3K161EA31
3K161JA24
3K161JA25
3L113AA07
3L113AB04
3L113AC08
3L113AC35
3L113AC67
3L113AC79
3L113BA37
3L113CB05
3L113DA02
(57)【要約】
【課題】効率よく蓄熱し、蓄熱した熱を効率よく利用する。
【解決手段】蓄エネルギー装置100は、蓄熱モードにおいて、電気ヒータ140によって固体粒子を加熱して高温槽180に貯留し、発電モードにおいて、電気ヒータを停止し、流動層装置130に酸素含有気体を供給し、高温槽から流動層装置に固体粒子を供給し、第1蒸気発生器160において、酸素含有気体が有する熱および固体粒子が有する熱のうちのいずれか一方または両方によって水蒸気を生成させて、蒸気タービン発電機210により発電させ、高温槽から流動層装置への固体粒子の供給が終了したら、固気分離器170によって分離された固体粒子を流動層装置に供給し、サイロ150から流動層装置に乾燥汚泥を供給して、流動層装置内で乾燥汚泥を燃焼させ、第1蒸気発生器において乾燥汚泥の燃焼熱によって水蒸気を生成させて、蒸気タービン発電機により発電させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素含有気体により不燃性の固体粒子の流動層が形成される流動層装置と、
前記流動層装置に前記酸素含有気体を供給する気体供給部と、
前記気体供給部から前記流動層装置に供給される酸素含有気体、および、前記流動層装置内の酸素含有気体のうち、いずれか一方または両方を、電力を消費して加熱する電気ヒータと、
乾燥汚泥を貯蔵するサイロと、
前記乾燥汚泥を前記流動層装置に供給する燃料供給部と、
前記流動層装置内に設けられ、前記酸素含有気体が有する熱、前記固体粒子が有する熱、および、前記乾燥汚泥の燃焼熱のうちのいずれか1または複数によって水蒸気を生成する第1蒸気発生器と、
前記流動層装置から排出された固気混合物から前記固体粒子を分離する固気分離器と、
前記固気分離器によって分離された前記固体粒子を貯留する高温槽および低温槽と、
前記高温槽に貯留された前記固体粒子を前記流動層装置に供給する高温粒子供給部と、
前記低温槽に貯留された前記固体粒子を前記流動層装置に供給する低温粒子供給部と、
前記固気分離器によって分離された前記固体粒子を、前記高温槽および前記低温槽を経由させずに、前記流動層装置に供給する固体粒子循環部と、
前記第1蒸気発生器によって生成された水蒸気により発電する蒸気タービン発電機と、
前記気体供給部、前記電気ヒータ、前記燃料供給部、前記高温粒子供給部、前記低温粒子供給部、および、前記固体粒子循環部を制御して、電気エネルギーを熱エネルギーに変換して蓄熱する蓄熱モードと、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する発電モードとを含む複数の運転モードのうち、1の運転モードに設定する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記蓄熱モードにおいて、
前記気体供給部を制御して前記流動層装置に前記酸素含有気体を供給し、
前記電気ヒータを制御して前記酸素含有気体を加熱し、
前記低温粒子供給部を制御して前記低温槽から前記流動層装置に前記固体粒子を供給して、前記流動層装置において前記酸素含有気体で前記固体粒子を加熱し、
前記固気分離器によって分離された前記固体粒子を前記高温槽に供給し、
前記発電モードにおいて、
前記電気ヒータを停止し、
前記気体供給部を制御して前記流動層装置に前記酸素含有気体を供給し、
前記高温粒子供給部を制御して前記高温槽から前記流動層装置に前記固体粒子を供給し、前記第1蒸気発生器において、前記酸素含有気体および前記固体粒子のうちのいずれか一方または両方が有する熱によって水蒸気を生成させて、前記蒸気タービン発電機により発電させ、
前記高温槽から前記流動層装置への前記固体粒子の供給が終了したら、前記固体粒子循環部を制御して、前記固気分離器によって分離された前記固体粒子を前記流動層装置に供給し、前記燃料供給部を制御して前記サイロから前記流動層装置に前記乾燥汚泥を供給して、前記流動層装置内で前記乾燥汚泥を燃焼させ、前記第1蒸気発生器において前記乾燥汚泥の燃焼熱によって水蒸気を生成させて、前記蒸気タービン発電機により発電させる、蓄エネルギー装置。
【請求項2】
前記蒸気タービン発電機に供給された水蒸気の一部を抽気して、含水汚泥を乾燥させる乾燥装置を備え、
前記サイロは、前記乾燥装置によって乾燥された前記乾燥汚泥を貯蔵する、請求項1に記載の蓄エネルギー装置。
【請求項3】
前記高温槽から前記固体粒子が供給され、前記固体粒子が有する熱によって水蒸気を生成する第2蒸気発生器を備え、
前記蒸気タービン発電機は、前記第2蒸気発生器によって生成された水蒸気により発電し、
前記高温粒子供給部は、前記高温槽に貯留された前記固体粒子を、前記第2蒸気発生器を介して前記流動層装置に供給し、
前記制御装置は、前記発電モードにおける、前記高温槽から前記流動層装置への前記固体粒子の供給が終了する前において、前記高温粒子供給部を制御して前記高温槽から前記第2蒸気発生器を介して前記流動層装置に前記固体粒子を供給し、前記第2蒸気発生器において前記固体粒子が有する熱によって水蒸気を生成させて、前記蒸気タービン発電機により発電させる、請求項1または2に記載の蓄エネルギー装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記発電モードにおける、前記高温槽から前記流動層装置への前記固体粒子の供給が終了する前において、前記第1蒸気発生器から前記蒸気タービン発電機への水蒸気の供給を停止し、前記第2蒸気発生器から前記蒸気タービン発電機へ水蒸気を供給させる、請求項3に記載の蓄エネルギー装置。
【請求項5】
前記固気分離器によって分離された気体が有する熱で、前記酸素含有気体を予熱する予熱器を備え、
前記気体供給部は、前記予熱器によって予熱された前記酸素含有気体を前記流動層装置に供給する、請求項1または2に記載の蓄エネルギー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄エネルギー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発電された電力量(以下、「発電電力量」という)と、必要とされる電力量(以下、「需要電力量」という)とは、必ずしも一致しない。このため、電力が余剰したり(つまり、発電電力量-需要電力量 > 0)、電力が足りなくなったり(つまり、発電電力量-需要電力量 < 0、例えば、電力が不足)する場合がある。特に、風力発電や太陽光発電といった再生可能エネルギーを利用した発電では、余剰する電力量や、不足する電力量が多い。
【0003】
そこで、電気ヒータが内蔵され、内部に流路が形成されたレンガブロックを備えた装置が開発されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の技術は、電力が余剰した時に電気ヒータを動作させてレンガブロックを加熱し蓄熱しておく。そして、特許文献1の技術は、電力が必要となった際(例えば、電力が不足した際)に流路に水を通過させて蓄熱した熱で加熱し、加熱された水(水蒸気)でタービンを回転させて発電する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0219651号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、電力グリッドの安定化(スマートグリッドの実現)のために、余剰した電力を熱に変換して蓄熱しておき、必要となった際に蓄熱した熱を利用する技術等の蓄熱および放熱を行う技術において、効率よく蓄熱したり、蓄熱した熱を効率よく利用したりする技術の開発が希求されている。
【0006】
本開示は、このような課題に鑑み、効率よく蓄熱し、蓄熱した熱を効率よく利用することが可能な蓄エネルギー装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る蓄エネルギー装置は、酸素含有気体により不燃性の固体粒子の流動層が形成される流動層装置と、流動層装置に酸素含有気体を供給する気体供給部と、気体供給部から流動層装置に供給される酸素含有気体、および、流動層装置内の酸素含有気体のうち、いずれか一方または両方を、電力を消費して加熱する電気ヒータと、乾燥汚泥を貯蔵するサイロと、乾燥汚泥を流動層装置に供給する燃料供給部と、流動層装置内に設けられ、酸素含有気体が有する熱、固体粒子が有する熱、および、乾燥汚泥の燃焼熱のうちのいずれか1または複数によって水蒸気を生成する第1蒸気発生器と、流動層装置から排出された固気混合物から固体粒子を分離する固気分離器と、固気分離器によって分離された固体粒子を貯留する高温槽および低温槽と、高温槽に貯留された固体粒子を流動層装置に供給する高温粒子供給部と、低温槽に貯留された固体粒子を流動層装置に供給する低温粒子供給部と、固気分離器によって分離された固体粒子を、高温槽および低温槽を経由させずに、流動層装置に供給する固体粒子循環部と、第1蒸気発生器によって生成された水蒸気により発電する蒸気タービン発電機と、気体供給部、電気ヒータ、燃料供給部、高温粒子供給部、低温粒子供給部、および、固体粒子循環部を制御して、電気エネルギーを熱エネルギーに変換して蓄熱する蓄熱モードと、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する発電モードとを含む複数の運転モードのうち、1の運転モードに設定する制御装置と、を備え、制御装置は、蓄熱モードにおいて、気体供給部を制御して流動層装置に酸素含有気体を供給し、電気ヒータを制御して酸素含有気体を加熱し、低温粒子供給部を制御して低温槽から流動層装置に固体粒子を供給して、流動層装置において酸素含有気体で固体粒子を加熱し、固気分離器によって分離された固体粒子を高温槽に供給し、発電モードにおいて、電気ヒータを停止し、気体供給部を制御して流動層装置に酸素含有気体を供給し、高温粒子供給部を制御して高温槽から流動層装置に固体粒子を供給し、第1蒸気発生器において、酸素含有気体および固体粒子のうちのいずれか一方または両方が有する熱によって水蒸気を生成させて、蒸気タービン発電機により発電させ、高温槽から流動層装置への固体粒子の供給が終了したら、固体粒子循環部を制御して、固気分離器によって分離された固体粒子を流動層装置に供給し、燃料供給部を制御してサイロから流動層装置に乾燥汚泥を供給して、流動層装置内で乾燥汚泥を燃焼させ、第1蒸気発生器において乾燥汚泥の燃焼熱によって水蒸気を生成させて、蒸気タービン発電機により発電させる。
【0008】
また、上記蓄エネルギー装置は、蒸気タービン発電機に供給された水蒸気の一部を抽気して、含水汚泥を乾燥させる乾燥装置を備え、サイロは、乾燥装置によって乾燥された乾燥汚泥を貯蔵してもよい。
【0009】
また、上記蓄エネルギー装置は、高温槽から固体粒子が供給され、固体粒子が有する熱によって水蒸気を生成する第2蒸気発生器を備え、蒸気タービン発電機は、第2蒸気発生器によって生成された水蒸気により発電し、高温粒子供給部は、高温槽に貯留された固体粒子を、第2蒸気発生器を介して流動層装置に供給し、制御装置は、発電モードにおける、高温槽から流動層装置への固体粒子の供給が終了する前において、高温粒子供給部を制御して高温槽から第2蒸気発生器を介して流動層装置に固体粒子を供給し、第2蒸気発生器において固体粒子が有する熱によって水蒸気を生成させて、蒸気タービン発電機により発電させてもよい。
【0010】
また、制御装置は、発電モードにおける、高温槽から流動層装置への固体粒子の供給が終了する前において、第1蒸気発生器から蒸気タービン発電機への水蒸気の供給を停止し、第2蒸気発生器から蒸気タービン発電機へ水蒸気を供給させてもよい。
【0011】
また、上記蓄エネルギー装置は、固気分離器によって分離された気体が有する熱で、酸素含有気体を予熱する予熱器を備え、気体供給部は、予熱器によって予熱された酸素含有気体を流動層装置に供給してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、効率よく蓄熱し、蓄熱した熱を効率よく利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本実施形態に係る蓄エネルギー装置を説明する図である。
図2図2は、本実施形態に係る第2蒸気発生器の一例を示す図である。
図3図3は、本実施形態に係る蓄熱モードにおける制御装置の処理を説明する図である。
図4図4は、本実施形態に係る第1発電モードにおける制御装置の処理を説明する図である。
図5図5は、本実施形態に係る第2発電モードにおける制御装置の処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0015】
図1は、本実施形態に係る蓄エネルギー装置100を説明する図である。図1に示すように、蓄エネルギー装置100は、気体供給部110と、予熱器120と、流動層装置130と、電気ヒータ140と、サイロ150と、燃料供給部152と、第1蒸気発生器160と、水供給部162と、水蒸気供給部164と、バルブ166と、固気分離器170と、排出管172と、切換部174と、高温槽180と、高温粒子供給部182と、第2蒸気発生器190と、水供給部200と、水蒸気供給部202と、バルブ204と、蒸気タービン発電機210と、乾燥装置220と、低温槽230と、低温粒子供給部232と、気体送出部240と、制御装置250と、を含む。なお、図1中、実線の矢印は、固体粒子、乾燥汚泥、および固気混合物の流れを示す。また、図1中、破線の矢印は、気体および液体の流れを示す。
【0016】
気体供給部110は、後述する流動層装置130の下室132bに酸素含有気体を供給する。酸素含有気体は、例えば、空気、酸素富化空気である。気体供給部110は、ブロワ112と、気体供給路114とを含む。
【0017】
ブロワ112は、酸素含有気体を吸引して下室132bに吐出する。ブロワ112の吸入側は、酸素含有気体の供給源に接続される。ブロワ112の吐出側は、気体供給路114に接続される。
【0018】
気体供給路114は、ブロワ112の吐出側と、下室132bとを接続する流路である。
【0019】
予熱器120は、気体供給路114を通過する酸素含有気体を予熱する。このため、気体供給部110は、予熱器120によって予熱された酸素含有気体を流動層装置130に供給することになる。本実施形態において、予熱器120は、後述する固気分離器170によって分離された高温の気体(酸素含有ガス、または、燃焼排ガス)と、気体供給路114を通過する酸素含有気体とを熱交換させる熱交換器である。つまり、予熱器120は、固気分離器170によって分離された高温の気体が有する熱で、酸素含有気体を予熱する。
【0020】
流動層装置130は、気体供給部110から酸素含有気体が供給され、後述する高温槽180および低温槽230から固体粒子が供給される。流動層装置130において、気体供給部110から供給された酸素含有気体により固体粒子の流動層が形成される。
【0021】
固体粒子は、不燃性である。固体粒子は、例えば、シリカ、アルミナ、バライト砂(重晶石、硫酸バリウム)、部分仮焼した粘土、ガラス球、回収石油触媒等である。固体粒子は、好ましくは、シリカ、および、アルミナのうちいずれか一方または両方である。固体粒子をシリカとする場合、固体粒子に要するコストを低減することができる。また、固体粒子(シリカ)として、砂漠の砂や、川砂を用いることにより、低コストかつ容易に入手することが可能となる。また、固体粒子を相対的に融点が高いアルミナとすることで、固体粒子を高温にすることができ、より高い蓄エネルギー密度とすることが可能となる。
【0022】
固体粒子の粒径は、例えば、0.01mm以上10mm以下である。固体粒子の形状に限定はなく、球形状であってもよいし、球形状でなくてもよい。
【0023】
本実施形態において、流動層装置130は、収容槽132と、分散板(Distributor)134とを含む。
【0024】
収容槽132は、中空形状の容器である。収容槽132は、例えば、角筒形状である。収容槽132の底部には、気体供給路114が接続される。
【0025】
分散板134は、収容槽132内に略水平に設けられる。分散板134は、複数の孔が形成された板である。複数の孔の大きさは、固体粒子が通過不可能、または、通過困難となる大きさである。分散板134は、収容槽132内を、上室132aと、下室132bとに区画する。上室132aは、収容槽132の上部に形成される。下室132bは、収容槽132内における上室132aの下方に形成される。分散板134は、上室132aの底面として機能する。また、分散板134は、下室132bの上面として機能する。
【0026】
上室132aには、後述する固体粒子循環部174a、配管184、および、配管234が接続される。固体粒子循環部174aを通じて、上室132a内を固体粒子が循環する。また、配管184を通じて、上室132aには、高温槽180から固体粒子が供給される。また、配管234を通じて、上室132aには、低温槽230から固体粒子が供給される。こうして、固体粒子が上室132aに収容される。
【0027】
また、上室132aには、後述する燃料供給管154が接続される。燃料供給管154を通じて、上室132aには、乾燥汚泥が供給される。
【0028】
下室132bには、気体供給部110(ブロワ112)から酸素含有気体が供給される。下室132bに供給された酸素含有気体は、分散板134に形成された複数の孔を通じて上室132aに供給される。
【0029】
気体供給部110によって上室132aに供給される酸素含有気体の流速は、上室132a内の固体粒子の終端速度(terminal velocity)以上である。また、固体粒子は、上室132aの底面に配される分散板134に形成された複数の孔より上方から供給される。したがって、固体粒子および酸素含有気体の固気混合物は、上室132a内を下部から上部(底面から上面)に向かって通過する。また、上室132a内において、固体粒子および酸素含有気体の流動層が形成され、また、固体粒子と酸素含有気体とが強く攪拌されることから、固体粒子と酸素含有気体とが効率よく接触する。
【0030】
電気ヒータ140は、上室132a内に設けられる。電気ヒータ140は、電力を消費して、上室132a内の酸素含有気体および固体粒子を加熱する。電気ヒータ140は、例えば、抵抗加熱装置(電力が供給された導体から生じる熱を利用する装置)である。本実施形態において、電気ヒータ140は、例えば、セラミックで被覆された電熱線(導体)を有するセラミックヒータである。
【0031】
電気ヒータ140は、例えば、再生可能エネルギーを利用した発電システム、および、タービン発電機を利用した発電システムのいずれか一方または両方で生成された電力を消費することができる。再生可能エネルギーを利用した発電システムは、例えば、太陽熱発電システム、太陽光発電システム、風力発電システム、または、水力発電システムである。電気ヒータ140が再生可能エネルギーを利用した発電システムで生成された電力を消費することで、余剰することが多い電力を効率よく熱に変換することができる。
【0032】
サイロ150は、乾燥汚泥を貯蔵する。乾燥汚泥は、後述する乾燥装置220によって乾燥された汚泥である。汚泥は、下水処理場の処理過程や工場の廃液処理過程などで生じる、有機質の最終生成物を凝集させて得られる泥状の固体である。汚泥は、例えば、下水汚泥、製紙汚泥、食品残渣である。サイロ150は、例えば、蒸気タービン発電機210によって1週間程度発電できる量の乾燥汚泥を貯蔵可能な大きさである。
【0033】
燃料供給部152は、乾燥汚泥を流動層装置130に供給する。燃料供給部152は、燃料供給管154と、流量調整機構156を含む。
【0034】
燃料供給管154は、サイロ150の下部と流動層装置130とを接続する。本実施形態において、燃料供給部152は、流動層装置130の上室132aに接続される。
【0035】
流量調整機構156は、燃料供給管154に設けられる。流量調整機構156は、サイロ150から流動層装置130に供給される乾燥汚泥の流量を調整する。流量調整機構156は、例えば、ロータリーバルブである。
【0036】
第1蒸気発生器160は、流動層装置130内に設けられる。本実施体形において、第1蒸気発生器160は、流動層装置130の上室132a内に設けられる。第1蒸気発生器160は、例えば、上室132aにおける、燃料供給管154、固体粒子循環部174a、配管184および配管234の接続箇所と、排出管172の接続箇所との間に設けられる。本実施形態において、第1蒸気発生器160は、酸素含有気体が有する熱、固体粒子が有する熱、および、乾燥汚泥の燃焼熱のうちのいずれか1または複数によって水蒸気を生成する。
【0037】
水供給部162は、第1蒸気発生器160に、液体の水を供給する。水供給部162は、例えば、ポンプである。液体の水は、第1蒸気発生器160の通過過程において、上室132a内に形成された流動層(固体粒子および燃焼排ガス)と熱交換され、加熱されて水蒸気となる。
【0038】
水蒸気供給部164は、第1蒸気発生器160によって生成された水蒸気を、後述する蒸気タービン発電機210に供給する。水蒸気供給部164には、バルブ166が設けられる。バルブ166は、開閉バルブである。
【0039】
固気分離器170は、流動層装置130から排出された固気混合物から固体粒子を分離する。固気分離器170は、例えば、サイクロンや、フィルタである。
【0040】
排出管172は、流動層装置130の上室132aの上部と固気分離器170とを接続する。
【0041】
切換部174は、固気分離器170によって固気分離された固体粒子の供給先を、高温槽180、低温槽230、または、流動層装置130に切り換える。切換部174は、固体粒子循環部174a、配管174b、174cと、バルブ176a(固体粒子循環部)、176b、176cとを含む。バルブ176a~176cは、開閉バルブである。
【0042】
固体粒子循環部174aは、固気分離器170によって分離された固体粒子を、高温槽180および低温槽230を経由させずに、流動層装置130に供給する。固体粒子循環部174aは、例えば、固気分離器170の固体粒子の排出口と、流動層装置130の上室132aとを接続する配管である。バルブ176aは、固体粒子循環部174aに設けられる。
【0043】
配管174bは、固気分離器170の固体粒子の排出口と、高温槽180とを接続する。バルブ176bは、配管174bに設けられる。配管174cは、固気分離器170の固体粒子の排出口と、低温槽230とを接続する。バルブ176cは、配管174cに設けられる。なお、バルブ176a~176cは、後述する制御装置250によって排他的に開閉される。
【0044】
高温槽180は、固気分離器170によって固気分離された固体粒子を貯留する。高温槽180は、例えば、ホッパである。高温槽180は、例えば、蒸気タービン発電機210によって半日から1日程度発電できる量の固体粒子を貯蔵可能な大きさである。高温槽180は、例えば、サイロ150よりも小さい。
【0045】
高温粒子供給部182は、高温槽180に貯留された固体粒子を、後述する第2蒸気発生器190を介して流動層装置130に供給する。高温粒子供給部182は、配管184と、流量調整機構186とを含む。配管184は、後述する第2蒸気発生器190の容器192を介して、高温槽180の下部と、流動層装置130の上室132aとを接続する。
【0046】
流量調整機構186は、配管184に設けられる。流量調整機構186は、高温槽180から流動層装置130に供給される固体粒子の流量を調整する。流量調整機構186は、例えば、Jバルブ型ループシール、Lバルブ型ループシールである。
【0047】
第2蒸気発生器190は、配管184における、流量調整機構186と流動層装置130との間に設けられる。第2蒸気発生器190は、高温槽180から固体粒子が供給され、固体粒子が有する熱によって水蒸気を生成する。
【0048】
図2は、本実施形態に係る第2蒸気発生器190の一例を示す図である。図2に示すように、第2蒸気発生器190は、容器192と、分散板194aと、排気管194bと、流動化ガス供給部196と、伝熱管198とを含む。
【0049】
容器192は、中空形状である。容器192は、例えば、角筒形状である。分散板194aは、容器192内に略水平に設けられる。分散板194aは、複数の孔が形成された板である。複数の孔の大きさは、固体粒子が通過不可能、または、通過困難となる大きさである。分散板194aは、容器192内を、収容室192aと、風箱室192bとに区画する。収容室192aは、容器192の上部に形成される。風箱室192bは、容器192内における収容室192aの下方に形成される。分散板194aは、収容室192aの底面として機能する。また、分散板194aは、風箱室192bの上面として機能する。
【0050】
本実施形態において、高温粒子供給部182における高温槽180に接続される配管184は、容器192の上面を貫通する。高温槽180に接続される配管184の上端は、高温槽180の下部に接続される。また、高温槽180に接続される配管184の下端は、収容室192a内に配される。高温槽180に接続される配管184の下端は、流動層装置130に接続された配管184の上端よりも下方に位置する。本実施形態において、高温槽180に接続される配管184の下端は、分散板194aの近傍に位置する。
【0051】
高温槽180に貯留された固体粒子は、配管184を通じて、収容室192aに供給される。したがって、収容室192aには、固体粒子が収容される。
【0052】
流動化ガス供給部196は、例えば、ポンプ、ブロワ等である。流動化ガス供給部196の吸入側は、流動化ガスの供給源に接続される。流動化ガス供給部196の吐出側は、風箱室192bに接続される。流動化ガスは、例えば、水蒸気、空気、二酸化炭素、燃焼排ガスである。流動化ガス供給部196は、分散板194aを通じて収容室192a内に供給される流動化ガスの空塔速度が、最小流動化速度Umf以上、終端速度未満となるように、流動化ガスを風箱室192b内に供給する。これにより、高温槽180から供給された固体粒子は、流動化ガスによって流動化し、収容室192a内において流動層(気泡流動層)が形成される。また、流動化ガス供給部196によって供給される流動化ガスの空塔速度は、終端速度未満であるため、収容室192aから固体粒子が飛散することはない。
【0053】
また、高温粒子供給部182における流動層装置130に接続される配管184は、収容室192aと流動層装置130の下部とを接続する。流動層装置130に接続される配管184の上端は、容器192の側面のうち、収容室192aにおける流動層の上面近傍に接続される。流動層装置130に接続される配管184の下端は、流動層装置130における分散板134の上方に接続される。
【0054】
上記したように、収容室192a内には、固体粒子の流動層が形成される。このため、高温槽180に接続される配管184を通じて、高温槽180から固体粒子が供給されると、供給された分の固体粒子が、流動層装置130に接続される配管184に押し出される(オーバーフローする)。そして、押し出された固体粒子は、流動層装置130に接続される配管184を通じて、流動層装置130に供給される。
【0055】
伝熱管198は、収容室192a内に設けられる。伝熱管198の入口には、水供給部200が接続される。伝熱管198の出口には、水蒸気供給部202を介して、蒸気タービン発電機210が接続される。
【0056】
また、容器192の上面には、排気管194bが接続される。排気管194bは、例えば、不図示の熱利用機器に流動化ガスを供給する。熱利用機器は、例えば、ガスタービン発電機、蒸気タービン発電機(ボイラ)、蒸気を提供するボイラ、炉(ファーネス、キルン)、空調機器である。
【0057】
水供給部200は、伝熱管198に、液体の水を供給する。水供給部200は、例え、ポンプである。液体の水は、伝熱管198の通過過程において、収容室192a内に形成された流動層(固体粒子および流動化ガス)と熱交換され、加熱されて水蒸気となる。
【0058】
水蒸気供給部202は、第2蒸気発生器190の伝熱管198において生成された水蒸気を、蒸気タービン発電機210に供給する。水蒸気供給部202には、バルブ204が設けられる。バルブ204は、開閉バルブである。
【0059】
図1に戻って説明すると、蒸気タービン発電機210は、第1蒸気発生器160によって生成された水蒸気、および、第2蒸気発生器190によって生成された水蒸気により発電する。
【0060】
乾燥装置220は、蒸気タービン発電機210に供給された水蒸気の一部を抽気して、含水汚泥を乾燥させる。含水汚泥は、例えば、80質量%程度の水を含む汚泥である。含水汚泥は、例えば、脱水汚泥(脱水ケーキ)である。乾燥装置220によって乾燥された乾燥汚泥は、サイロ150に貯蔵される。
【0061】
水蒸気供給管222は、蒸気タービン発電機210と乾燥装置220とを接続する配管である。水蒸気供給管222には、バルブ224が設けられる。バルブ224は、開閉バルブである。
【0062】
低温槽230は、固気分離器170によって分離された固体粒子を貯留する。低温槽230には、高温槽180とタイミングを異にして固体粒子が供給される。低温槽230は、例えば、ホッパである。低温槽230は、高温槽180と略等しい大きさである。
【0063】
低温粒子供給部232は、低温槽230に貯留された固体粒子を流動層装置130に供給する。低温粒子供給部232は、配管234と、流量調整機構236とを含む。配管234は、低温槽230の下部と、流動層装置130の上室132aとを接続する。本実施形態において、配管234の上端は、低温槽230の下部に接続される。配管234の下端は、流動層装置130における分散板134の上方に接続される。
【0064】
流量調整機構236は、配管234に設けられる。流量調整機構236は、低温槽230から流動層装置130に供給される固体粒子の流量を調整する。流量調整機構236は、例えば、ロータリーバルブである。
【0065】
気体送出部240は、固気分離器170によって固気分離された気体(酸素含有ガス、または、燃焼排ガス)を予熱器120に供給する。気体送出部240は、固気分離器170の気体の排気口と、予熱器120とを接続する配管である。
【0066】
制御装置250は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成される。制御装置250は、ROMからCPUを動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出す。制御装置250は、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して、蓄エネルギー装置100全体を管理および制御する。
【0067】
本実施形態において、制御装置250は、気体供給部110(ブロワ112)、電気ヒータ140、燃料供給部152(流量調整機構156)、水供給部162、バルブ166、切換部174(バルブ176a~176c)、高温粒子供給部182(流量調整機構186)、流動化ガス供給部196、水供給部200、バルブ204、蒸気タービン発電機210、乾燥装置220、バルブ224、低温粒子供給部232(流量調整機構236)を制御する。
【0068】
本実施形態において、制御装置250は、電力が余剰(つまり、発電電力量-需要電力量 > 所定値(例えば0))する期間、余剰した電力(電気エネルギー)を熱エネルギーに変換して蓄熱する。以下、電気エネルギーを熱エネルギーに変換して蓄熱する運転モードを、蓄熱モードという。一方、制御装置250は、電力が必要なとき、蓄熱した熱エネルギーを用いて蒸気タービン発電機210を動作させる(発電させる)。以下、蒸気タービン発電機210によって熱エネルギーを電気エネルギーに変換する運転モードを、発電モードという。
【0069】
なお、初期状態において、ブロワ112、電気ヒータ140、水供給部162、200、流動化ガス供給部196は停止しており、バルブ166、176a~176c、204、224、流量調整機構156、186、236は閉じられている。また、初期状態において、固体粒子は、低温槽230に貯留されている。以下、蓄熱モードおよび発電モードそれぞれにおける制御装置250の処理について説明する。
【0070】
[蓄熱モード]
図3は、本実施形態に係る蓄熱モードにおける制御装置250の処理を説明する図である。なお、理解を容易にするために、図3中、蓄熱モードにおいて利用されない構成を省略する。
【0071】
制御装置250は、バルブ166、176a、176c、204、224および、流量調整機構156、186を閉じる。制御装置250は、水供給部162、流動化ガス供給部196、水供給部200を停止する。また、図3に示すように、制御装置250は、ブロワ112、および、電気ヒータ140を動作させる。制御装置250は、バルブ176bを開き、流量調整機構236を開いて開度を調整する。
【0072】
そうすると、電気ヒータ140によって余剰の電力が消費される。ブロワ112によって流動層装置130に供給された酸素含有気体は、電気ヒータ140によって加熱される。電気ヒータ140は、第1温度に酸素含有気体を加熱する。第1温度は、固体粒子の耐熱温度未満であり、後述する第1発電モードにおいて、蒸気タービン発電機210の要求温度を満たす温度である。流動層装置130において、第1温度の酸素含有気体と、低温槽230から供給された低温の固体粒子とが熱交換することによって、固体粒子が第2温度に加熱される。換言すれば、第1温度は、蓄熱モードにおいて、固体粒子を第2温度以上に加熱できる温度である。第2温度は、第1発電モードにおいて、第2蒸気発生器190によって、蒸気タービン発電機210の要求温度(第4温度)を満たす水蒸気を生成可能な温度である。固体粒子がシリカである場合、固体粒子の耐熱温度は、例えば、1600℃である。また、第2温度は、第1温度より低いが、温度差は小さい。第2温度と、第1温度との温度差は、例えば、50℃程度である。第1温度は、例えば、1100℃である。
【0073】
また、低温槽230から流動層装置130に低温の固体粒子が供給される。低温槽230は、例えば、常温(例えば、25℃)の固体粒子を貯留する。したがって、流動層装置130において、高温の酸素含有気体と低温の固体粒子とが強く攪拌され、高温の酸素含有気体と低温の固体粒子とで熱交換が為される。これにより、酸素含有気体によって固体粒子が加熱され、固体粒子によって酸素含有気体が冷却される。なお、流動層装置130の出口において、固体粒子の温度と酸素含有気体の温度とはほぼ等しくなる(第2温度となる)。
【0074】
そして、固気分離器170は、流動層装置130から排出された固気混合物を固気分離する。固気分離された高温の固体粒子(第2温度の固体粒子)は、配管174bを通じて高温槽180に供給される。高温槽180は、高温の固体粒子を貯留する。
【0075】
一方、固気分離された第2温度の酸素含有気体は、気体送出部240を通じて、予熱器120に供給される。予熱器120は、気体送出部240を通じて固気分離器170から供給された第2温度の酸素含有気体と、ブロワ112によって流動層装置130に供給される酸素含有気体とを熱交換する。したがって、ブロワ112によって流動層装置130に供給される酸素含有気体は、第2温度の酸素含有気体によって、第3温度に加熱される。第3温度は、常温より高い温度である。つまり、予熱器120は、流動層装置130から排出された酸素含有気体が有する熱で、流動層装置130に供給される前の酸素含有気体を予熱することができる。なお、固気分離器170から供給された酸素含有気体は、予熱器120において熱交換された後、不図示の熱利用機器に供給される。
【0076】
このように、蓄熱モードにおいて、余剰の電力が熱に変換されて、まず、酸素含有気体に伝熱される。そして、高温の酸素含有気体と低温の固体粒子とで熱交換が為され、熱が固体粒子に伝達される。こうして、余剰の電力が熱エネルギーに変換されて固体粒子に保持(蓄熱)される。なお、固体粒子の熱容量は酸素含有気体(空気)より大きいので、固体粒子の蓄熱密度(J/m)は酸素含有気体より高い。
【0077】
なお、制御装置250は、余剰した電力の量(以下、「余剰電力量」という)に基づいて、流量調整機構236の開度を調整する。具体的に説明すると、電気ヒータ140によって余剰電力量の電力が熱エネルギーに変換され、この熱エネルギーで(酸素含有気体を介して)固体粒子を加熱した場合に、第2温度となる固体粒子の量が決定される。したがって、制御装置250は、決定された量の固体粒子が、流動層装置130に供給されるように流量調整機構236の開度を調整する。
【0078】
これにより、余剰電力量が変動した場合(余剰電力量が時間的に変動した場合)であっても、高温槽180に貯留される固体粒子の温度を、定常的に第2温度に維持することができる。つまり、余剰電力量の変動に対応することができる。したがって、後述する第1発電モードにおいて、追加のエネルギーを使用せずとも(例えば、補助燃料を燃焼させずとも)、要求温度を満たす第4温度の水蒸気を蒸気タービン発電機210に供給することが可能となる。
【0079】
[発電モード]
本実施形態の発電モードにおいて、制御装置250は、まず、第1発電モードに運転モードを設定し、第1発電モードが終了したら第2発電モードに運転モードを設定する。
【0080】
[第1発電モード]
図4は、本実施形態に係る第1発電モードにおける制御装置250の処理を説明する図である。なお、理解を容易にするために、図4中、第1発電モードにおいて利用されない構成を省略する。
【0081】
制御装置250は、バルブ166、176a、176b、流量調整機構156、236を閉じる。制御装置250は、電気ヒータ140、水供給部162を停止する。また、図4に示すように、制御装置250は、バルブ176c、204、224を開き、流量調整機構186を開いて開度を調整する。制御装置250は、ブロワ112、流動化ガス供給部196、水供給部200、乾燥装置220を動作させる。
【0082】
そうすると、第2蒸気発生器190には、高温槽180から高温の固体粒子(第2温度の固体粒子)が供給される。また、流動化ガス供給部196によって、収容室192a内に流動化ガスが供給される。これにより、第2蒸気発生器190において、高温の固体粒子の流動層が形成される。また、水供給部200から伝熱管198に水が供給される。したがって、第2蒸気発生器190において、水と高温の固体粒子とで熱交換が為される。これにより、固体粒子によって水が加熱され、水によって固体粒子が冷却される。こうして、第2蒸気発生器190において生成された水蒸気は、蒸気タービン発電機210に供給される。これにより、蒸気タービン発電機210が電力を生成する。なお、蒸気タービン発電機210に供給される水蒸気、および、第2蒸気発生器190から排出される固体粒子の温度は、概ね等しく、第4温度である。第4温度は、蒸気タービン発電機210の要求温度を満たす所定の温度であり、第2温度より低い。
【0083】
そして、第2蒸気発生器190において、水と熱交換されることで第2温度から第4温度に冷却された固体粒子は、流動層装置130に接続される配管184を通じて、流動層装置130に供給される。また、ブロワ112から流動層装置130に酸素含有気体が供給される。したがって、流動層装置130において、低温の酸素含有気体と高温の固体粒子とで熱交換が為される。これにより、固体粒子によって酸素含有気体が加熱され、気体によって固体粒子が冷却される。こうして、流動層装置130において、固体粒子および酸素含有ガスの温度は、概ね等しくなる。例えば、固体粒子および酸素含有ガスの温度は、第4温度より低い第5温度となる。
【0084】
そして、固気分離器170は、流動層装置130から排出された固気混合物を固気分離する。固気分離された高温(第5温度)の酸素含有気体は、気体送出部240を通じて、予熱器120に供給される。予熱器120は、気体送出部240を通じて固気分離器170から供給された第5温度の酸素含有気体と、ブロワ112によって流動層装置130に供給される酸素含有気体とを熱交換する。したがって、ブロワ112によって流動層装置130に供給される酸素含有気体は、第5温度の酸素含有気体によって、第6温度に加熱される。第6温度は、常温(例えば、25℃)より高い温度である。つまり、予熱器120は、流動層装置130から排出された酸素含有気体が有する熱で、流動層装置130に供給される前の酸素含有気体を予熱することができる。なお、固気分離器170から供給された酸素含有気体は、予熱器120において熱交換された後、不図示の熱利用機器に供給される。
【0085】
一方、固気分離された第5温度の固体粒子は、配管174cを通じて低温槽230に供給される。低温槽230は、第5温度の固体粒子を貯留する。
【0086】
このように、第1発電モードでは、第2蒸気発生器190において、高温(第2温度)の固体粒子と低温の水とで熱交換が為され、水蒸気が生成される。そして、必要となった際(例えば、電力が不足している期間)において、高温(第4温度)の水蒸気を用いて、蒸気タービン発電機210により発電させることができる。
【0087】
なお、制御装置250は、蒸気タービン発電機210の要求温度および要求流量に基づいて、流量調整機構186の開度を調整する。具体的に説明すると、水供給部200が蒸気タービン発電機210の要求流量で、第2蒸気発生器190の伝熱管198に水を供給し、高温槽180に貯留された第2温度の固体粒子で水を加熱する場合に、水を加熱して第4温度の水蒸気を生成するための固体粒子の量が決定される。したがって、制御装置250は、決定された量の固体粒子が、第2蒸気発生器190に供給されるように流量調整機構186の開度を調整する。
【0088】
これにより、蒸気タービン発電機210に供給される水蒸気の温度を蒸気タービン発電機210の要求温度にすることができる。したがって、追加のエネルギーを使用せずとも(例えば、補助燃料を燃焼させずとも)、安定的に、要求温度を満たす第4温度の水蒸気を蒸気タービン発電機210に供給することが可能となる。蒸気タービン発電機210の要求温度(例えば、要求される発電量)が時間的に変動しても、固体粒子の供給量を調整して対応できる。
【0089】
また、制御装置250は、第1発電モードにおいて、バルブ224を開く。そうすると、蒸気タービン発電機210に供給された水蒸気の一部が抽気されて、乾燥装置220に供給される。
【0090】
これにより、第1発電モードにおいて、電力を消費せずに、含水汚泥を乾燥させることができる。このため、省エネルギーで乾燥汚泥を製造することが可能となる。
【0091】
また、乾燥装置220を、蒸気タービン発電機210の復水器として利用することができる。これにより、含水汚泥を乾燥させつつ、蒸気タービン発電機210による発電効率を向上させることが可能となる。
【0092】
[第2発電モード]
制御装置250は、高温槽180から第2蒸気発生器190への固体粒子の供給が終了したら、運転モードを第1発電モードから第2発電モードに切り換える。つまり、制御装置250は、高温槽180に貯留されたすべての固体粒子が第2蒸気発生器190に供給されたら(高温槽180が空になったら)、運転モードを第1発電モードから第2発電モードに切り換える。
【0093】
図5は、本実施形態に係る第2発電モードにおける制御装置250の処理を説明する図である。なお、理解を容易にするために、図5中、第2発電モードにおいて利用されない構成を省略する。
【0094】
制御装置250は、バルブ176b、176c、204流量調整機構186、236を閉じる。制御装置250は、電気ヒータ140、水供給部200を停止する。また、図5に示すように、制御装置250は、バルブ166、176a、224を開き、流量調整機構156を開いて開度を調整する。制御装置250は、ブロワ112、流動化ガス供給部196、水供給部162、乾燥装置220を動作させる。
【0095】
そうすると、固体粒子循環部174aにより、固気分離器170によって分離された固体粒子が流動層装置130に供給される。これにより、流動層装置130、固気分離器170、固体粒子循環部174aを固体粒子が循環することになる。そして、気体供給部110によって酸素含有気体が流動層装置130に供給されることにより、流動層装置130内において固体粒子の流動層が形成される。
【0096】
また、第2発電モードの初期状態において、制御装置250は、補助燃料を流動層装置130に供給し、当該補助燃料を燃焼させる。これにより、流動層装置130内の流動層が高温となる。
【0097】
そして、燃料供給部152によって、サイロ150から流動層装置130に乾燥汚泥が供給されると、流動層装置130内において高温の固体粒子の流動層によって、乾燥汚泥が燃焼される。つまり、第2発電モードにおいて、流動層装置130は、流動層燃焼炉として機能する。そうすると、乾燥汚泥の燃焼熱によって、固体粒子が加熱される。固体粒子の温度が第7温度に到達したら、制御装置250は、補助燃料の供給を停止する。第7温度は、補助燃料の供給を停止しても乾燥汚泥を燃焼可能な固体粒子の温度である。
【0098】
こうして、第7温度の固体粒子および燃焼排ガスの流動層が流動層装置130内に形成される。
【0099】
また、水供給部162から第1蒸気発生器160に水が供給される。したがって、第1蒸気発生器160において、乾燥汚泥の燃焼熱(高温の固体粒子および高温の燃焼排ガス)と、水とで熱交換が為される。これにより、固体粒子によって水が加熱され、水によって固体粒子が冷却される。こうして、第1蒸気発生器160において生成された水蒸気は、蒸気タービン発電機210に供給される。これにより、蒸気タービン発電機210が電力を生成する。なお、蒸気タービン発電機210に供給される水蒸気、および、流動層装置130から排出される固気混合物の温度は、概ね等しく、第8温度である。第8温度は、蒸気タービン発電機210の要求温度を満たす所定の温度であり、第7温度より低い。
【0100】
そして、第1蒸気発生器160において、水と熱交換されることで第7温度から第8温度に冷却された固気混合物は、固気分離器170に排出される。固気分離器170は、流動層装置130から排出された固気混合物を固気分離する。固気分離された高温(第8温度)の燃焼排ガスは、気体送出部240を通じて、予熱器120に供給される。予熱器120は、気体送出部240を通じて固気分離器170から供給された第8温度の燃焼排ガスと、ブロワ112によって流動層装置130に供給される酸素含有気体とを熱交換する。したがって、ブロワ112によって流動層装置130に供給される酸素含有気体は、第8温度の燃焼排ガスによって、第9温度に加熱される。第9温度は、常温より高い温度である。つまり、予熱器120は、流動層装置130から排出された燃焼排ガスが有する熱で、流動層装置130に供給される前の酸素含有気体を予熱することができる。なお、固気分離器170から供給された燃焼排ガスは、予熱器120において熱交換された後、不図示の熱利用機器に供給される。
【0101】
一方、固気分離された第8温度の固体粒子は、固体粒子循環部174aを通じて流動層装置130に返送される。
【0102】
このように、第2発電モードでは、乾燥汚泥を燃焼させ、この燃焼熱によって、第1蒸気発生器160において水蒸気が生成される。そして、必要となった際(例えば、電力が不足している期間)において、高温(第8温度)の水蒸気を用いて、蒸気タービン発電機210により発電させることができる。
【0103】
なお、制御装置250は、蒸気タービン発電機210の要求温度および要求流量に基づいて、流量調整機構156の開度を調整する。具体的に説明すると、水供給部162が蒸気タービン発電機210の要求流量で、第1蒸気発生器160に水を供給し、乾燥汚泥の燃焼熱で水を加熱する場合に、水を加熱して第8温度の水蒸気を生成するための乾燥汚泥の量が決定される。したがって、制御装置250は、決定された量の乾燥汚泥が、流動層装置130に供給されるように流量調整機構156の開度を調整する。
【0104】
また、制御装置250は、第2発電モードにおいて、バルブ224を開く。そうすると、蒸気タービン発電機210に供給された水蒸気の一部が抽気されて、乾燥装置220に供給される。
【0105】
これにより、第2発電モードにおいて、電力を消費せずに、含水汚泥を乾燥させることができる。このため、省エネルギーで乾燥汚泥を製造することが可能となる。
【0106】
また、乾燥装置220を、蒸気タービン発電機210の復水器として利用することができる。これにより、含水汚泥を乾燥させつつ、蒸気タービン発電機210による発電効率を向上させることが可能となる。
【0107】
以上説明したように、本実施形態にかかる蓄エネルギー装置100は、余剰の電力を熱エネルギーに変換して固体粒子に保持させておく。これにより、蓄エネルギー装置100は、余剰の電力を二次電池に蓄電する従来技術や余剰の電力を水素に転換する従来技術と比較して低コストでエネルギーを保持することが可能となる。また、蓄エネルギー装置100は、余剰の電力を水素に転換して保持しておく従来技術と比較して、必要となった際(例えば、電力が不足している場合)に、保持させたエネルギーを高速で電気エネルギーに変換することができる。
【0108】
さらに、レンガブロックで蓄熱する従来技術と比較して、蓄エネルギー装置100は、蓄熱モードにおいて、蓄熱させる固体粒子の量を調整することで、余剰電力が変動しても、指定する第2温度の固体粒子を貯留することができる。
【0109】
また、蓄エネルギー装置100は、第2発電モードにおいて、従来廃棄されていた乾燥汚泥の燃焼熱により、発電させることができる。これにより、蓄エネルギー装置100は、低コストで発電することが可能となる。
【0110】
また、蓄エネルギー装置100は、化石燃料ではなく、乾燥汚泥の燃焼熱により、発電させることができる。これにより、蓄エネルギー装置100は、化石燃料の燃焼によって発電する場合と比較して、二酸化炭素排出量を削減することが可能となる。
【0111】
また、蓄エネルギー装置100は、含水汚泥ではなく、乾燥汚泥を燃焼させる。これにより、蓄エネルギー装置100は、汚泥の燃焼に要するエネルギーを削減することができる。
【0112】
また、蓄エネルギー装置100は、乾燥装置220およびサイロ150を備える。これにより、蓄エネルギー装置100は、乾燥汚泥を蓄エネルギー材として用いることができる。したがって、蓄エネルギー装置100は、エネルギーを熱として固体粒子に蓄熱する場合と比較して、効率よくエネルギーを蓄えておくことができる。具体的に説明すると、高温の固体粒子は、顕熱としてエネルギーを蓄えているため、時間が経過するに従って放熱されてしまう。このため、固体粒子に蓄えられた熱エネルギーは時間の経過に伴って減少する。これに対し、乾燥汚泥は、顕熱としてエネルギーを蓄えているのではなく、化学エネルギーとしてエネルギーを蓄える。このため、乾燥汚泥は、時間の経過に伴ってエネルギーが減少することはない。したがって、蓄エネルギー装置100は、蓄エネルギー材として乾燥汚泥を用いることにより、エネルギーを熱として固体粒子に蓄える場合と比較して、効率よくエネルギーを蓄えておくことが可能となる。
【0113】
以上、添付図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0114】
例えば、上述した実施形態において、気体供給部110が、ブロワ112を備える構成を例に挙げて説明した。しかし、気体供給部110は、酸素含有ガスを流動層装置130に供給できれば構成に限定はない。例えば、気体供給部110は、ブロワ112に代えて、圧縮気体源(例えば、圧縮空気源)やポンプを備えてもよい。
【0115】
また、上記実施形態において、流動層装置130の底面から気体が供給される構成を例に挙げて説明した。しかし、酸素含有ガスは、流動層装置130における固体粒子の供給箇所より下方から供給されればよい。例えば、酸素含有ガスは、流動層装置130の下部から供給されてもよい。また、気体供給部110は、常圧の酸素含有ガスを供給してもよいし、加圧した酸素含有ガスを供給してもよい。
【0116】
また、上記実施形態において、第2蒸気発生器190が固体粒子の流動層を形成する構成を例に挙げて説明した。これにより、第1発電モードにおいて、第2蒸気発生器190は、固体粒子の熱で効率よく水蒸気を生成することができる。しかし、第2蒸気発生器190は、固体粒子と水とを熱交換させて水蒸気を生成することができれば構成に限定はない。例えば、第2蒸気発生器190は、固体粒子の移動層を形成する構成であってもよい。
【0117】
また、上記実施形態において、制御装置250が、電力が余剰(発電電力量-需要電力量 > 所定値(例えば0))する期間を、蓄熱モードに設定する場合を例に挙げた。しかし、制御装置250は、電力を他のエネルギーに転換する必要があるとき(例えば、電力グリッドを安定させるために電力を消費する必要があるとき)に、蓄熱モードに設定してもよい。
【0118】
また、上記実施形態において、電気ヒータ140が流動層装置130内に設けられる場合を例に挙げた。しかし、電気ヒータ140は、気体供給部110から流動層装置130に供給される酸素含有気体を加熱してもよい。例えば、電気ヒータ140は、気体供給路114における予熱器120と流動層装置130との間に設けられてもよい。
【0119】
また、上記実施形態において、制御装置250は、蓄熱モード、第1発電モード、および、第2発電モードのいずれかに運転モードを設定する場合を例に挙げた。しかし、制御装置250は、蓄熱モード、第1発電モード、第2発電モード、および、他の運転モードを含む複数の運転モードのうち、1の運転モードに設定してもよい。
【0120】
また、上記実施形態の第1発電モードにおいて、制御装置250は、第1蒸気発生器160から蒸気タービン発電機210への水蒸気の供給を停止し、第2蒸気発生器190から蒸気タービン発電機210へ水蒸気を供給させる場合を例に挙げた。つまり、制御装置250が、第1発電モードにおいて、第1蒸気発生器160の動作を停止し、第2蒸気発生器190を動作させる場合を例に挙げた。しかし、制御装置250は、第1発電モードにおいて、第1蒸気発生器160および第2蒸気発生器190を動作させ、第1蒸気発生器160および第2蒸気発生器190から蒸気タービン発電機210へ水蒸気を供給させてもよい。これにより、蓄エネルギー装置100は、第1発電モードにおいて、蒸気タービン発電機210による発電効率を向上させることができる。
【0121】
また、上記実施形態において、蓄エネルギー装置100が、第2蒸気発生器190を備える場合を例に挙げた。しかし、第2蒸気発生器190は、必須の構成ではない。第2蒸気発生器190を備えない場合、高温粒子供給部182は、高温槽180に貯留された固体粒子を流動層装置130に直接供給する。また、この場合、制御装置250は、第1発電モードにおいて、高温粒子供給部182を制御して高温槽180から流動層装置130に固体粒子を供給し、第1蒸気発生器160において酸素含有気体が有する熱および固体粒子が有する熱によって水蒸気を生成させて、蒸気タービン発電機210により発電させる。これにより、蓄エネルギー装置100は、第2蒸気発生器190を備えずとも、第1発電モードにおいて、第1蒸気発生器160によって水蒸気を生成させることができ、当該水蒸気を用いて、蒸気タービン発電機210により発電させることができる。
【0122】
また、上記実施形態において、蓄エネルギー装置100が、乾燥装置220を備える場合を例に挙げた。しかし、乾燥装置220は、必須の構成ではない。
【0123】
本開示は、例えば、持続可能な開発目標(SDGs)の目標7「手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する」に貢献することができる。
【符号の説明】
【0124】
100 蓄エネルギー装置
110 気体供給部
120 予熱器
130 流動層装置
140 電気ヒータ
150 サイロ
152 燃料供給部
160 第1蒸気発生器
170 固気分離器
174a 固体粒子循環部
180 高温槽
182 高温粒子供給部
190 第2蒸気発生器
210 蒸気タービン発電機
220 乾燥装置
230 低温槽
232 低温粒子供給部
250 制御装置
図1
図2
図3
図4
図5