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特開2024-173433集塵機用ホッパ詰まり状態検知システム、集塵機、集塵機用ホッパ詰まり状態検知方法、及び、集塵機用ホッパ詰まり抑制方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173433
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】集塵機用ホッパ詰まり状態検知システム、集塵機、集塵機用ホッパ詰まり状態検知方法、及び、集塵機用ホッパ詰まり抑制方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 53/66 20060101AFI20241205BHJP
   B01D 46/48 20060101ALI20241205BHJP
   B04C 5/18 20060101ALI20241205BHJP
   B65D 88/26 20060101ALI20241205BHJP
   B65D 88/70 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B65G53/66 C
B01D46/48
B04C5/18
B65D88/26 C
B65D88/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091846
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000229047
【氏名又は名称】日本スピンドル製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002826
【氏名又は名称】弁理士法人雄渾
(72)【発明者】
【氏名】森本 高徳
(72)【発明者】
【氏名】西嶋 誠司
(72)【発明者】
【氏名】河崎 秀夫
【テーマコード(参考)】
3E170
3F047
4D053
4D058
【Fターム(参考)】
3E170AA15
3E170AB11
3E170CA02
3E170CA03
3E170CB03
3E170CC02
3E170CC05
3F047AA03
3F047AB02
3F047CA02
3F047CA15
3F047CC01
4D053AA03
4D053AB01
4D053BA01
4D053CD25
4D053CE05
4D053CG09
4D058RA11
4D058RA17
4D058UA11
4D058UA21
(57)【要約】
【課題】ホッパ形状やホッパ下部の狭隘部であっても、設置しやすく、ホッパ詰まりの程度を正確に検出できる集塵機用ホッパ詰まり状態検知システムを提供する。
【解決手段】ホッパの内部にエアを供給するエアレーションノズルと、エアレーションノズルの背圧を測定する圧力測定部と、前記圧力測定部により測定された背圧により前記ホッパの詰まり状態を判断する判断部と、を備える。また、前記判断部により判断されたホッパの詰まり状態に応じて、前記エアレーションノズルのエア供給量を制御する制御部を備える。これにより、詰まり状態を正確に検出することが可能となる。また、ホッパ形状やホッパ下部の狭隘部であっても、設置しやすく、ホッパ詰まりを抑制することが可能となる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホッパの内部にエアを供給するエアレーションノズルと、
エアレーションノズルの背圧を測定する圧力測定部と、
前記圧力測定部により測定された背圧により前記ホッパの詰まり状態を判断する判断部と、を備えることを特徴とする、集塵機用ホッパ詰まり状態検知システム。
【請求項2】
前記判断部により判断されたホッパの詰まり状態に応じて、前記エアレーションノズルのエア供給量を制御する制御部を備えることを特徴とする、請求項1に記載の集塵機用ホッパ詰まり状態検知システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のホッパ詰まり状態検知システムを備えることを特徴とする、集塵機。
【請求項4】
エアレーションノズルによりホッパの内部にエアを供給するエア供給ステップと、
エアレーションノズルの背圧を測定する圧力測定ステップと、
前記圧力測定ステップにより測定された背圧により前記ホッパの詰まり状態を判断する判断ステップと、を備えることを特徴とする、集塵機用ホッパ詰まり状態検知方法。
【請求項5】
エアレーションノズルによりホッパの内部にエアを供給するエア供給ステップと、
エアレーションノズルの背圧を測定する圧力測定ステップと、
前記圧力測定ステップにより測定された背圧により前記ホッパの詰まり状態を判断する判断ステップと、
前記判断ステップにより判断されたホッパの詰まり状態に応じて、前記エアレーションノズルのエア供給量を制御する制御ステップを備えることを特徴とする、集塵機用ホッパ詰まり抑制方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集塵機のダストを溜めたホッパの詰まり状態を検知するための集塵機用ホッパ詰まり状態検知システム及び集塵機用ホッパ詰まり状態検知方法に関するものである。また、本発明は、集塵機のダストを排出するためのホッパの詰まりを抑制するための集塵機用ホッパ詰まり抑制方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダストの堆積固化を効果的に抑制できダストブリッジの発生を抑制することができる集塵装置のホッパや、ダストの貯留領域の内壁面に向けてパルスエアを噴射するパルスエアノズルを設ける集塵装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-104520号公報
【特許文献2】特開2007-069056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、集塵機に配置されるホッパに溜まったダストは、ダスト排出装置(ゲート開閉装置やロータリバルブ等)によりダスト輸送管、コンベヤやダストボックス等に排出される。このホッパ内でダストがブリッジし、ホッパ詰まりを起こしているかを検知するために、レベル計を用いる場合は、レベル計が効かず、ホッパ詰まりの有無を正確に検出することは困難であるという課題がある。また、パドル式のレベル計や、その他の検出部が内部に突出するレベル計を用いた場合には、ホッパ下部の狭隘部では、この設置が困難であるという課題もある。
上記課題に鑑み、本発明の目的は、ホッパ形状やホッパ下部の狭隘部であっても、設置しやすく、ホッパ詰まりの程度を正確に検出できる集塵機用ホッパ詰まり状態検知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、ホッパ詰まりの有無を、ホッパの内部にエアを供給するエアレーションノズルの背圧により判断することにより、詰まり状態の検出精度が高まり、また、ホッパ下部の狭隘部への設置も可能な集塵機用ホッパ詰まり状態検知システムが得られることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下を特徴とする集塵機用ホッパ詰まり状態検知システム、集塵機、集塵機用ホッパ詰まり状態検知方法、及び、集塵機用ホッパ詰まり抑制方法である。
【0006】
上記課題を解決するための本発明の集塵機用ホッパ詰まり状態検知システムは、ホッパの内部にエアを供給するエアレーションノズルと、エアレーションノズルの背圧を測定する圧力測定部と、前記圧力測定部により測定された背圧により前記ホッパの詰まり状態を判断する判断部と、を備えることを特徴とする。
この特徴によれば、エアレーションノズルの背圧を測定する圧力測定部と、前記圧力測定部により測定された背圧により前記ホッパの詰まり状態を判断することにより、詰まり状態を正確に検出することが可能となる。また、エアレーションノズルのため、ホッパ形状やホッパ下部の狭隘部であっても、設置しやすい、集塵機用ホッパ詰まり状態検知システムを得ることが可能となる。
さらには、集塵機は、炉から排出するダストを収集するものであり、ダストには腐食性の高い物質を含有する。そのため、詰まり状態を検知するためのセンサ(検知針など)を設置すると、センサの稼働状況の確認によるメンテナンスの機会が増加するという問題もあるが、本発明の集塵機用ホッパ詰まり状態検知システムは、センサを設置しないため、センサ交換などのメンテナンスが不要となり、設備の管理が容易になる。
【0007】
また、本発明の一実施態様における集塵機用ホッパ詰まり状態検知システムは、前記判断部により判断されたホッパの詰まり状態に応じて、前記エアレーションノズルのエア供給量を制御する制御部を備えることを特徴とする。
この特徴によれば、ホッパ詰まりを抑制することが可能となる。
【0008】
また、本発明の一実施態様における集塵機用ホッパは、詰まり状態を正確に検出することができ、前記判断部により判断されたホッパの詰まり状態に応じて、前記エアレーションノズルのエア供給量を制御する制御部を備えることを特徴とする。
この特徴によれば、ダスト詰まりを抑制することが可能となる集塵機ホッパを提供できる。
【0009】
また、上記課題を解決するための本発明の一実施態様における集塵機用ホッパ詰まり状態検知方法は、エアレーションノズルによりホッパの内部にエアを供給するエア供給ステップと、エアレーションノズルの背圧を測定する圧力測定ステップと、前記圧力測定ステップにより測定された背圧により前記ホッパの詰まり状態を判断する判断ステップと、を備える。
【0010】
この特徴によれば、エアレーションノズルによりホッパの内部にエアを供給するエア供給ステップと、エアレーションノズルの背圧を測定する圧力測定ステップと、前記圧力測定部により測定された背圧により前記ホッパの詰まり状態を判断するステップとにより、詰まり状態を正確に検出することが可能となる。
【0011】
また、上記課題を解決するための本発明の一実施態様における集塵機用ホッパ詰まり抑制方法は、エアレーションノズルによりホッパの内部にエアを供給するエア供給ステップと、エアレーションノズルの背圧を測定する圧力測定ステップと、前記圧力測定ステップにより測定された背圧により前記ホッパの詰り状態を判断する判断ステップと、前記判断ステップにより判断されたホッパの詰まり状態に応じて、前記エアレーションノズルのエア供給量を制御する制御ステップを備えることを特徴とする。
【0012】
この特徴によれば、エアレーションノズルによりホッパの内部にエアを供給するエア供給ステップと、エアレーションノズルの背圧を測定する圧力測定ステップと、前記圧力測定ステップにより測定された背圧により前記ホッパの詰り状態を判断する判断ステップと、前記判断ステップにより判断されたホッパの詰まり状態に応じて、前記エアレーションノズルのエア供給量を制御する制御ステップとにより、ホッパ詰まりを抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、エアレーションノズルのため、ホッパ形状やホッパ下部の狭隘部であっても、設置しやすく、ホッパ詰まりの程度を正確に検知することが可能になり、また、ホッパ詰まりを抑制することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施態様における集塵機用ホッパ詰まり状態検知システムの構成図である。
図2】本発明の第1の実施態様の集塵機用ホッパ詰まり状態検知システムにおけるエア噴出に伴う背圧の測定値と経過時間の関係を示す概略説明図である。図2(a)は、付着ダスト無しの場合に判断部が測定した背圧の時間変化を示し、図2(b)は、付着ダスト有りの場合に測定した背圧の時間変化を示している。
図3】本発明のエアレーションノズルの先端部の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る集塵機用ホッパ詰まり状態検知システム、集塵機、集塵機用ホッパ詰まり状態検知方法、及び、集塵機用ホッパ詰まり抑制方法の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
集塵機は、炉から排出する排ガス中のダストを集塵するための装置であり、例えば、フィルタや、サイクロンなどの捕集部によりダストを分離し、分離されたダストは、集塵機用ホッパに回収されて排出される。
炉は、特に制限されないが、例えば、電気炉、燃焼炉、ガス化炉、焼却炉のような工業炉が挙げられる。
【0017】
(第1の実施態様)
図1は本発明の第1の実施態様における集塵機用ホッパ詰まり状態検知システムの構成図である。
本実施態様におけるホッパ詰まり検知システムは、図1に示す通り、エアレーションノズル12と、圧力測定部17と、判断部21とを備える。エアレーションノズル12は、ホッパのダストの出口部を形成する略逆角錐台状(逆円錐台状を含む)の壁面に貫通して設けられている。ホッパ壁面側のエアレーションノズル12の先端は、エア供給に必要な最小限の突出でホッパ内壁面に設けられている。エアレーションノズル12のホッパのダストの出口部を形成する略逆角錐台状の途中であり、ホッパのダストの出口部に近く、ダストのつまりが形成されやすい部分に近傍に設けることがより好ましい。
エアレーションノズル12の後端は、エア供給系のパイプに接続されている。エア供給系のパイプには、圧力測定部17と電磁バルブ13が設けられている。圧力測定部17は、エアレーションノズル12の後端に近い位置に設けられており、電磁バルブ13は、圧力測定部に対して、エアレーションノズル12の反対側の位置に設けられている。
【0018】
図示しない集塵機は、被処理ガスを通過させ、被処理ガスからダストを捕集して除去する捕集部(不図示)を有する本体部、及び該本体部の下方に固定されたホッパ11を有する。捕集部におけるダストを捕集する手段は特に限定されないが、例えば、フィルタ、サイクロン、乾式電気集塵機などが挙げられる。
捕集部において、被処理ガスが入口煙道を通り、ダストがフィルタやサイクロンなどにより集塵される。そして、集塵されたダストは、フィルタなどの表面から剥離させられて落下し、ホッパ11に溜められた後、ロータリーバルブ16により間歇的にダスト輸送管19を通して排出される。排出方法は、ロータリーバルブ16とダスト輸送管19との組み合わせに限らず、適宜ゲート開閉装置や、コンベヤ、ダストボックス等と組み合わせてもよい。ところで、集塵機においては、ホッパ11の壁体の内面(下の排出部の傾斜している部分)には、溜められたダストが付着するので、集塵機を長期間使用すると付着したダストが壁体の内面に堆積して残留ダスト18となり、下方に円滑に流れなくなり、ダストの抜出しが困難になってしまう。
【0019】
この課題を解決するために、本願発明によるホッパ詰まり検出システムは、パルス的にエアを噴出してダストを吹き飛ばすためのエアレーションノズル12と、ノズルの背圧を測定する圧力測定部17(例えば、半導体ピエゾ抵抗拡散 型や静電容量型等の感圧素子を用いたセンサ)と、電磁バルブ13と、制御装置20を設けている。また、制御装置20は、判断部21と制御部22を備える。図ではエアレーションノズル12、圧力測定部17、電磁バルブ13は一組だけ備えているが、必要に応じて複数組備えてもよい。
【0020】
制御部22は、間歇的に又は周期的に電磁バルブ13を開閉し、所定時間だけパルス的にエよる背圧が発生する。エア噴出中は背圧が高くなり、エア噴出を停止するとエアの排出に伴って背圧は低下する。判断部21は、この間の背圧を圧力測定部17を用いて測定する。
【0021】
ここで、図2を参照して圧力測定部17において測定される背圧と、背圧の変動に対する時間の関係をさらに詳しく説明する。図2(a)は、付着ダスト無しの場合に判断部21が圧力測定部17を用いて測定した背圧の時間変化を示し、図2(b)は、付着ダスト有りの場合に測定した背圧の時間変化を示している。
【0022】
図2(a)に示すように、ホッパ11に付着した残留ダスト18が無い状態で、制御部22は、t0からtwまでエアを噴出させた場合に、背圧のピーク値がH0、そして背圧が低下するまでの時間がT0であったとする。判断部21は、この(背圧ピーク値, 背圧低下時間)=(H0,T0)をホッパ固有値として取得する。ホッパ固有値は予め初期値(Hi,Ti)を決めておいてもよいし、運転中に測定してもよい。
そして、運転中の任意のタイミングで、制御部22は、間歇的に又は周期的に電磁バルブ13を開閉し、所定時間だけパルス的にエアレーションノズル12からはエアを噴出させる。
【0023】
図2(b)に示すように、ホッパ11に付着した残留ダスト18が有る状態で、制御部22が、t0からtwまでエアを噴出させた場合に、(背圧ピーク値, ピーク値低下時間)=(Hd,Td)が測定されるが、ダストの抵抗の影響で、Hd>H0、Td>T0となる。判断部21は、Hd-H0、Td-T0からダストの抵抗すなわちダスト詰まりの有無や、どれくらい溜まっているか等、ホッパ詰まりの程度(状態)を判定する。
なお、Tdの測定には上限値Tmaxを定めておき、強固なダスト付着等によりTmaxだけ時間が経過しても背圧が低下しなかった場合は、タイムアウトエラーと判定する。
【0024】
図3は、ノズル先端部の構成例である。図3(a)の構成のように、ノズルに圧力測定部17を設けるので、センサ棒を必要とせず、詰まりやすい低い位置にも設置できる。また、エアレーションのエア噴出の向きも、壁面に垂直方向に限らず、図3(b)の構成のように、壁面に沿った方向にする等様々な変形をしてもよい。
【0025】
続いて、制御部22は判断部21により判断されたホッパの詰まり状態に応じて、エアレーションノズル12のエア供給量(噴出量)を制御する。例えば、制御部22は、詰まりの状態に応じてエアレーションのタイミング(周期)や量(パルス幅)を変える。また、ダストが残っていたら再度エアレーションを繰り返す。これにより、ホッパ詰まりを抑制することが可能となる。
なお、制御部22は判断部21により判断されたホッパの詰まり状態に応じて、エアレーションノズル12のエア供給量(噴出量)を制御するが、これに限るものではない。他の詰まり解消手段(例えばバイブレータ等の振動発生装置、ノッカー等のハンマリング装置)と併用してもよい。
【0026】
また、制御部22は、運転中に任意のタイミングで、判断部21に(H0,T0)をさせる。判断部21は、ホッパ固有値の初期値(Hi,Ti)と測定値(H0,T0)とを比較することにより、エアレーションノズルのダスト詰まりの状態を判定する。制御部22は、判断部21により判断されたエアレーションノズルの詰まり状態に応じて、エアレーションノズル12のエア供給量(噴出量)制御し、エアレーションノズル詰まりも抑制することが可能となる。
【0027】
(第2の実施態様)
次に、本発明の第2の実施態様における集塵用ホッパ詰まり検出方法の手順について説明する。本実施態様による集塵用ホッパ詰まり検出方法は、パルス的にエアを噴出してダストを吹き飛ばすためのエアレーションノズル12と、ノズルの背圧を測定する圧力測定部17(例えば、半導体ピエゾ抵抗拡散 型や静電容量型等の感圧素子を用いたセンサ)と、電磁バルブ13と、制御装置20を設けている。また、制御装置20は、判断部21と制御部22を備える。
【0028】
ステップ1(S1):エアレーションノズルによりホッパの内部にエアを供給する。
制御部22は、間歇的に又は周期的に電磁バルブ13を開閉し、所定時間だけパルス的にエアレーションノズル12からはエアを噴出させる。このとき配管の抵抗とダストの抵抗による背圧が発生する。エア噴出中は背圧が高くなり、エア噴出を停止するとエアの排出に伴って背圧は低下する。
【0029】
ステップ2(S2):エアレーションノズルの背圧を測定する。
判断部21は、エアレーションノズル12からはエアを噴出させてから背圧が低下する迄の間の背圧を圧力測定部17を用いて測定する。
ここで、図2を参照してさらに詳しく説明する。図2(a)は、付着ダスト無しの場合に判断部21が圧力測定部17を用いて測定した背圧の時間変化を示し、図2(b)は、付着ダスト有りの場合に測定した背圧の時間変化を示している。
【0030】
図2(a)に示すように、ホッパ11に付着した残留ダスト18が無い状態で、制御部22は、t0からtwまでエアを噴出させた場合に、背圧のピーク値がH0、そして背圧が低下するまでの時間がT0であったとする。判断部21は、この(背圧ピーク値, 背圧低下時間)=(H0,T0)をホッパ固有値として取得する。ホッパ固有値は予め初期値(Hi,Ti)を決めておいてもよいし、運転中に測定してもよい。
【0031】
そして、運転中の任意のタイミングで、制御部22は、間歇的に又は周期的に電磁バルブ13を開閉し、所定時間だけパルス的にエアレーションノズル12からはエアを噴出させる。
【0032】
図2(b)に示すように、ホッパ11に付着した残留ダスト18が有る状態で、制御部22が、t0からtwまでエアを噴出させた場合に、(背圧ピーク値, 背圧低下時間)=(Hd,Td)が測定される。
【0033】
ステップ3(S3):ステップ2で測定された背圧によりホッパの詰まり状態を判断する。
このときダストの抵抗の影響で、Hd>H0、Td>T0となる。判断部21は、Hd-H0、Td-T0からダストの抵抗すなわちダスト詰まりの有無や、どれくらい溜まっているか等、ホッパ詰まりの程度(状態)を判定する。
【0034】
なお、Tdの測定には上限値Tmaxを定めておき、強固なダスト付着等によりTmaxだけ時間が経過しても背圧が低下しなかった場合は、タイムアウトエラーと判定する。
【0035】
ステップ4(S4):ステップ3により判断されたホッパの詰まり状態に応じて、エアレーションノズル12のエア供給量を制御する。
制御部22は判断部21により判断されたホッパの詰まり状態に応じて、エアレーションノズル12のエア供給量(噴出量)を制御する。例えば、制御部22は、詰まりの状態に応じてエアレーションのタイミング(周期)や量(パルス幅)を変える。また、ダストが残っていたら再度エアレーションを繰り返す。これにより、ホッパ詰まりを抑制することが可能となる。
なお、制御部22は判断部21により判断されたホッパの詰まり状態に応じて、エアレーションノズル12のエア供給量(噴出量)を制御するが、これに限るものではない。他の詰まり解消手段(例えばバイブレータ等の振動発生装置、ノッカー等のハンマリング装置)と併用してもよい。
【0036】
また、制御部22は、運転中に任意のタイミングで、判断部21に(H0,T0)を測定させる。判断部21は、ホッパ固有値の初期値(Hi,Ti)と測定値(H0,T0)とを比較することにより、エアレーションノズルのダスト詰まりの状態を判定する。制御部22は、判断部21により判断されたエアレーションノズルの詰まり状態に応じて、エアレーションノズル12のエア供給量(噴出量)制御し、エアレーションノズル詰まりも抑制することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の集塵機用ホッパ詰まり状態検知システム、集塵機、集塵機用ホッパ詰まり状態検知方法、及び、集塵機用ホッパ詰まり抑制方法は、集塵機のダストを排出するためのホッパの詰まりの抑制に、好適に用いられる。
【符号の説明】
【0038】
11…ホッパ、12…エアレーションノズル、13…電磁バルブ、16…ロータリーバルブ、17…圧力測定部、18…残留ダスト、19…ダスト輸送管、20…制御装置、21…判断部、22…制御部

図1
図2
図3