(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173436
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20241205BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20241205BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20241205BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241205BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/09 F
G07C5/00 Z
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091851
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松谷 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】檀野 隆一
(72)【発明者】
【氏名】池谷 淳
(72)【発明者】
【氏名】野本 雅史
(72)【発明者】
【氏名】カプラン,オラル
【テーマコード(参考)】
3E138
5H181
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3E138AA07
3E138MA01
3E138MB02
3E138MB10
3E138MC12
3E138MD05
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC12
5H181FF10
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】車両が収集したデータを、当該データを必要とするユーザに適切に提供する。
【解決手段】本開示の一態様にかかる情報処理装置100は、複数の車両からデータを収集する情報処理装置であって、情報提供を受けるユーザが希望するデータである第1データを保有する車両を複数の車両から抽出するための所定の条件を取得することと、複数の車両から収集した走行データを格納する第1データベースを参照して、複数の車両から、所定の条件を満たす走行データに対応する、1または複数の第1車両10を特定することと、第1車両10に関連付けられた端末に対して、第1データの提供依頼を送信することと、第1車両10から送信された第1データをユーザに提供することと、を実行する制御部110を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両からデータを収集する情報処理装置であって、
情報提供を受けるユーザが希望するデータである第1データを保有する車両を前記複数の車両から抽出するための所定の条件を取得することと、
前記複数の車両から収集した走行データを格納する第1データベースを参照して、前記複数の車両から、前記所定の条件を満たす走行データに対応する、1または複数の第1車両を特定することと、
前記第1車両に関連付けられた端末に対して、前記第1データの提供依頼を送信することと、
前記第1車両から送信された前記第1データを前記ユーザに提供することと、
を実行する制御部を有する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記所定の条件は、所定の日時における走行位置、または、走行速度を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1車両が収集したデータである第2データを取得し、
取得した前記第2データを解析することで、前記第1車両が前記第1データを保有しているか否かをさらに推測し、
前記第1データを保有していると推測された前記第1車両に関連付けられた前記端末に対して、前記第1データの提供依頼を送信する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2データは、前記第1車両が有するドライブレコーダの画像であり、
前記制御部は、取得した前記ドライブレコーダの前記画像を画像解析することで前記第1車両が前記第1データを保有しているか否かを推測する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1車両が前記第1データを保有しているか否かを確認する通知を、前記第1車両に関連付けられた前記端末にさらに出力し、
前記第1データを保有していると確認が取れた前記第1車両に関連付けられた前記端末に対して、前記第1データの提供依頼を送信する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両からデータを収集する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
車両からデータを収集する技術が数多く知られている。これに関して、例えば、特許文献1には、ユーザの行動を表すセンサデータを収集して匿名化し、匿名化されたセンサデータと収集された任意のセンサデータとを組み合わせてデータ収集事業者サーバに送信するセンサデータ管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、車両が収集したデータを、当該データを必要とするユーザに適切に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態の一態様は、
複数の車両からデータを収集する情報処理装置であって、
情報提供を受けるユーザが希望するデータである第1データを保有する車両を前記複数の車両から抽出するための所定の条件を取得することと、前記複数の車両から収集した走行データを格納する第1データベースを参照して、前記複数の車両から、前記所定の条件を満たす走行データに対応する、1または複数の第1車両を特定することと、前記第1車両に関連付けられた端末に対して、前記第1データの提供依頼を送信することと、前記第1車両から送信された前記第1データを前記ユーザに提供することと、を実行する制御部を有する、情報処理装置である。
【0006】
また、他の態様として、上記の装置が実行する方法、当該方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、または、該プログラムを非一時的に記憶したコンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、車両が収集したデータを、当該データを必要とするユーザに適切に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】実施形態に係る情報処理装置が有する構成要素を説明する図。
【
図3】実施形態に係る情報処理装置の制御部が実行する処理のフローチャート。
【
図4】実施形態に係る情報処理装置の制御部が、第2データを解析することで、第1車両が第1データを保有していることを推定する処理のフローチャート。
【
図5】実施形態に係る情報処理装置の制御部が、ユーザへの問い合わせを行うことで、第1車両が第1データを保有していることを推定する処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
車両に搭載されたセンサが収集した各種データに対して適切な処理を行った上で、当該データを他の事業者等に提供する装置が知られている。
車両から収集したデータを利用することで、様々なサービスを提供することが可能になる。
【0010】
また、データを利用する事業者等(以下、ユーザと称する)の求めに応じて、特定のデータを有する車両を特定したいというニーズがある。
例えば、捜査機関が、捜査等に活用するために、車両に搭載されたドライブレコーダ等によって、特定の場所で撮影された画像データを閲覧したいというニーズがある。
【0011】
しかし、そのためには、不特定多数の車両の中から、ユーザが所望するデータを保有する車両を特定しなければならない。
さらに、当該ユーザが所望するデータを保有する車両が特定された場合であっても、当該車両の運転者やオーナーの許可なくデータを収集することは好ましくない。
【0012】
本開示では、情報処理装置が、ユーザが所望しているデータを保有していることを推定するための所定の条件を満たす車両を不特定多数の車両の中から特定し、当該データの提供を特定した車両の運転者または所有者等に依頼することで、この問題を解決する。
【0013】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、
複数の車両からデータを収集する情報処理装置であって、情報提供を受けるユーザが希望するデータである第1データを保有する車両を前記複数の車両から抽出するための所定の条件を取得することと、前記複数の車両から収集した走行データを格納する第1データベースを参照して、前記複数の車両から、前記所定の条件を満たす走行データに対応する、1または複数の第1車両を特定することと、前記第1車両に関連付けられた端末に対して、前記第1データの提供依頼を送信することと、前記第1車両から送信された前記第1データを前記ユーザに提供することと、を実行する制御部を有する。
【0014】
第1データとは、複数の車両が保有する(または、保有している可能性がある)データのうち、ユーザが閲覧または利用を希望するデータである。第1データとは、例えば、所定の日時および特定の場所において取得された、ドライブレコーダの画像、または、車両が搭載するセンサが検出したセンサデータ等を含む。
【0015】
第1データベースとは、車両の外部に設置され、複数の車両から送信された、車両の走行データを格納するデータベースである。ここで、走行データとは、車両の位置情報、車両の速度等を含むデータである。
所定の条件とは、第1データを保有する車両を抽出するための条件である。制御部は、複数の車両のうち、所定の条件を満たす走行データに対応する車両を特定する。
【0016】
これにより、本開示の一態様に係る情報処理装置は、ユーザが希望する第1データを保有する車両の候補である第1車両を特定し、特定した第1車両に対して、第1データの提供依頼を送信することができる。また、提供依頼に応じて送信された第1データをユーザに提供することができる。
【0017】
また、前記所定の条件は、所定の日時における走行位置、または、走行速度を含んでもよい。
【0018】
これにより、本開示の一態様に係る情報処理装置は、特定の日時における特定の場所にいた車両を識別する、または、特定の速度で走行していた車両を識別することができる。
【0019】
また、前記制御部は、前記第1車両が収集したデータである第2データを取得し、取得した前記第2データを解析することで、前記第1車両が前記第1データを保有しているか否かをさらに推測し、前記第1データを保有していると推測された前記第1車両に関連付けられた前記端末に対して、前記第1データの提供依頼を送信してもよい。
【0020】
これにより、本開示の一態様に係る情報処理装置は、実際に車両が保有しているデータに基づいて、ユーザが希望するデータである第1データを保有している第1車両を特定し、特定された第1車両のみに第1データの提供を依頼することができる。
【0021】
また、前記第2データは、前記第1車両が有するドライブレコーダの画像であってもよく、前記制御部は、取得した前記ドライブレコーダの前記画像を画像解析することで前記第1車両が前記第1データを保有しているか否かを推測してもよい。
【0022】
これにより、本開示の一態様に係る情報処理装置は、ドライブレコーダの画像に映っている内容に基づいて、第1車両を特定することができる。
【0023】
また、前記制御部は、前記第1車両が前記第1データを保有しているか否かを確認する通知を、前記第1車両に関連付けられた前記端末にさらに出力してもよく、前記第1データを保有していると確認が取れた前記第1車両に関連付けられた前記端末に対して、前記第1データの提供依頼を送信してもよい。
【0024】
これにより、本開示の一態様に係る情報処理装置は、車両からの回答に基づいて、ユーザが希望するデータである第1データを保有している第1車両を特定し、特定された第1車両のユーザのみに第1データの提供を依頼することができる。
【0025】
以上の構成によると、情報処理装置は、車両が収集したデータを、データを必要とするユーザに適切に提供することができる。
【0026】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。各実施形態に記載されているハードウェア構成、モジュール構成、機能構成等は、特に記載がない限りは開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0027】
(実施形態)
実施形態に係る情報処理装置が行う処理の概要について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、情報処理装置100が実行する処理の概念図である。本実施形態において、情報処理装置100は、第1車両10の外部に存在するサーバであり、第1車両10とユーザ200に関連付けられた装置と、それぞれ通信を行う。
【0028】
まず、情報処理装置100は、不特定多数の車両の中から、ユーザ200が希望するデータを保有する車両(以下、第1車両10と称する)を特定するための所定の条件を、ユーザ200から取得する。例えば、所定の条件とは、所定の日時における所定の場所を走行していた車両であること、または、所定の日時における所定の場所を所定の速度以上で走行していた車両であること等である。情報処理装置100は、上記の条件を満たす車両を特定するために、走行データを用いる。走行データは、車両から周期的に送信される位置情報データまたは速度データであって、第1データベース300に格納される。情報処理装置100は、ユーザ200に関連付けられた装置と通信し、所定の条件を取得する。
【0029】
次に、情報処理装置100は、ユーザ200から取得した所定の条件に基づいて、不特定多数の車両の中から、所定の条件を満たす1または複数の第1車両10を特定する。情報処理装置100は、不特定多数の車両の走行データを格納した第1データベース300
を参照して、所定の条件を満たす車両である第1車両10を特定する。所定の条件は、上述したように、車両の走行データに関する条件であるため、情報処理装置100は、不特定多数の車両の走行データを格納した第1データベース300を参照することで、所定の条件を満たす第1車両10を特定することができる。そして、情報処理装置100は、特定した第1車両10が、第1データを実際に保有しているか否かを推測する。
【0030】
次に、情報処理装置100は、実際に第1データを保有していると推測された第1車両10に関連付けられた端末に、第1データの提供依頼を送信する。例えば、情報処理装置100は、第1車両10の備える車載端末、または、第1車両10に関連付けられた携帯端末に、第1データをユーザ200に提供することを許諾するか否かを回答できる画面を表示してもよい。そして、情報処理装置100は、第1データをユーザ200に提供することを許諾する旨の回答を、第1車両10に関連付けられた人または機関から取得してもよい。情報処理装置100は、データの提供を許諾する旨の回答を取得した場合に、第1車両10から第1データを取得する。具体的には、情報処理装置100は、第1車両10と通信し、第1データを第1車両10から受信する。
【0031】
次いで、情報処理装置100は、取得した第1データを、ユーザ200に提供する。具体的には、情報処理装置100は、ユーザ200が情報処理装置100または専用の記憶装置に記憶された第1データを閲覧できるようにするか、第1データをユーザ200に関連付けられた装置等に送信する。
【0032】
このように、情報処理装置100は、ユーザ200から、ユーザ200が希望するデータを所有している車両を特定するための所定の条件を取得し、収集した不特定多数の車両の走行データから所定の条件を満たす第1車両10を特定する。そして、情報処理装置100は、特定された第1車両10に関連付けられた端末に、第1データのユーザ200への提供依頼を送信する。そして、第1車両10に関連付けられた人または機関が、第1データをユーザ200に提供することに同意した場合、情報処理装置100は、第1車両10から第1データを取得し、第1データをユーザ200に提供する。これにより、情報処理装置100は、車両が収集したデータを、データを必要とするユーザ200に適切に提供することができる。
【0033】
次に、システムを構成する各要素について詳しく説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理装置100を含むシステムが有する構成要素を説明する図である。
【0034】
本実施形態に係る情報処理装置100は、制御部110と、記憶部120と、通信部130とを備える。情報処理装置100は、第1データベース300と無線通信を行い、走行データを参照する。また、情報処理装置100は、ユーザ200に関連付けられた装置と無線通信を行い、第1車両10を特定するための所定の条件を取得する。また、情報処理装置100は、特定した第1車両10と無線通信を行い、第1データの提供を依頼し、第1車両10から第1データを取得する。
【0035】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)、または、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサとメモリとで実現される。制御部110は、機能モジュールとして、条件取得部111、特定部112、提供依頼部113、および、データ提供部114を備える。これらの機能モジュールは、プログラムを制御部110によって実行することで実現されてもよい。
【0036】
条件取得部111は、第1データを保有する第1車両10を不特定多数の車両の中から抽出するための所定の条件を取得する。ここで、第1データは、情報処理装置100から情報提供を受けるユーザ200が希望するデータである。所定の条件は、車両の走行デー
タに関連する条件である。車両の走行データに関連する条件とは、例えば、車両の走行速度または車両の走行位置等である。条件取得部111は、通信部130を介して、ユーザ200に関連付けられた装置と無線または有線による通信を行い、所定の条件を取得する。
【0037】
特定部112は、第1データベース300を参照して、所定の条件を満たす1または複数の車両を、第1車両10として特定する。ここで、第1データベース300とは、不特定多数の車両から収集した走行データを格納するデータベースである。特定部112は、所定の条件を満たす走行データに対応する車両を、不特定多数の車両の中から、第1車両10として特定する。
【0038】
また、提供依頼部113は、特定部112が第1車両10を特定した後で、特定された第1車両10が、第1データを保有しているか否かを推測する。
例えば、提供依頼部113は、第1車両10から第2データを取得して、第2データを解析することで、第1車両10が第1データを保有しているか否かを推測することができる。また、提供依頼部113は、第1車両10のユーザが利用する端末に対して、第1データの保有の有無を確認する問い合わせを行い、回答を取得することで、第1車両10が第1データを保有しているか否かを推測することができる。
【0039】
提供依頼部113は、実際に第1データを保有していると推測された第1車両10に関連付けられた端末に対して、第1データの提供依頼を送信する。例えば、提供依頼部113は、第1データをユーザ200に提供することを許諾するか否かを回答できる画面を、第1車両10に関連付けられた端末に表示するように指示する信号を、第1車両10に関連付けられた端末に送信する。また、提供依頼部113は、第1データをユーザ200に提供することを許諾するか否かの回答を、第1車両10に関連付けられた端末から取得する。第1データをユーザ200に提供することを許諾する旨の回答が得られた場合、提供依頼部113は、第1データを第1車両10から取得する。
【0040】
データ提供部114は、第1データをユーザ200に提供する。具体的には、データ提供部114は、ユーザ200が記憶部120または外部の専用の記憶装置に記憶された第1データを閲覧できるようにする処理を行う。または、データ提供部114は、ユーザ200に関連付けられた装置に、第1データを送信する。
【0041】
記憶部120は、RAMまたはROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、および、リムーバブルメディア等の補助記憶装置である。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納され、そこに格納されたプログラムを実行することによって、制御部110の各部の所定の目的に合致した各機能を実現することができる。ただし、一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0042】
記憶部120は、制御部110が行う処理で使用または生成されるデータ、または第1データ等を記憶する。
【0043】
通信部130は、無線通信を行う通信回路で構成される。通信部130は、例えば、4G(4th Generation)を用いた無線通信を行う通信回路であってもよいし、5G(5th Generation)を用いた無線通信を行う通信回路であってもよい。また、通信部130は、LTE(Long Term Evolution)を用いた無線通信を行う通信回路であってもよいし、LPWA(Low Power Wide
Area)による通信を行う通信回路であってもよい。また、通信部130は、Wi-Fi(登録商標)を用いた、無線通信を行う通信回路でもよい。
【0044】
次に、情報処理装置100以外の装置について説明する。
第1データベース300は、不特定多数の車両の走行データを格納するデータベースである。第1データベース300は、ストレージ等の記憶装置で実現される。第1データベース300は、情報処理装置100の外部の専用の装置によって実現されてもよいし、情報処理装置100の記憶部120に記憶されたデータベースとして実現されてもよい。
第1車両10は、情報処理装置100と通信する機能を有する乗用車である。第1車両10は、GPSおよびドライブレコーダ等を備えていてもよい。
第1車両10は、第1車両10の位置情報または第1車両10の速度情報を含む走行データを周期的に生成し、生成した走行データを第1データベース300に送信する。
【0045】
次に、情報処理装置100が行う処理の具体的な内容について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理装置100の制御部110が実行する処理のフローチャートである。
【0046】
図3に示した処理が実行される前に、第1データベース300は、不特定多数の車両から、走行データを収集し、蓄積しているものとする。
【0047】
まず、ステップS10で、条件取得部111は、ユーザ200から所定の条件を取得する。条件取得部111は、通信部130を介して、ユーザ200に関連付けられた装置と無線または有線による通信を行い、第1車両10を特定するための条件であって、走行データに関連する条件である所定の条件を取得する。条件取得部111は、具体的には、所定の条件として、「所定の日時に、所定の場所を走行していた車両であること」、等の条件を取得する。
【0048】
次に、ステップS11で、特定部112は、ステップS10で取得した所定の条件を満たす第1車両10を特定する。特定部112は、不特定多数の車両の中から、所定の条件を満たす1または複数の車両を、第1車両10として特定する。
具体的には、所定の条件として、車両が走行していた日時と場所が指定された場合、走行データに含まれる位置情報と時刻情報等から、当該日時に当該場所を走行していた車両が、第1車両10として特定される。
【0049】
次に、ステップS12で、提供依頼部113が、ステップS11で特定した第1車両10が第1データを保有しているか否かを推測する。第1車両10が第1データを保有しているか否かを推測する具体的な方法については、後述する。
【0050】
次に、ステップS13で、提供依頼部113は、第1データを保有していることが推測される第1車両10に関連付けられた端末に、第1データの提供依頼を送信する。例えば、提供依頼部113は、第1車両10が有する車載端末に、第1データの提供依頼を送信する。または、提供依頼部113は、第1車両10に関連付けられた携帯端末に、第1データの提供依頼を送信する。第1車両10に関連付けられた携帯端末とは、例えば、第1車両10を、第1データが収集された期間に使用していた人等に関連付けられた携帯端末でもよい。また、第1データの提供依頼とは、第1データをユーザ200に提供することを許諾するか否かを回答できる画面を、第1車両10が有する車載端末、または、第1車両10に関連付けられた端末等に表示するように指示する信号でもよい。
【0051】
次に、ステップS14で、提供依頼部113は、第1データを第1車両10から取得する。提供依頼部113は、第1データをユーザ200に提供することを許諾するという回答を取得した場合、第1車両10と無線通信を行い、第1データを取得する。ここで、第1データとは、例えば、ドライブレコーダの画像データ等でもよい。提供依頼部113は、取得した第1データを記憶部120または外部の専用の記憶装置に記録する。
【0052】
次に、ステップS15で、データ提供部114は、第1データをユーザ200に提供する。データ提供部114は、ユーザ200が記憶部120または外部の専用の記憶装置に記憶された第1データを閲覧できるようにする処理を行う。または、データ提供部114は、ユーザ200に関連付けられた装置に、第1データを送信する。
【0053】
以上のように、情報処理装置100は、ユーザ200に関連付けられた装置から、希望するデータである第1データを保有する車両が満たすと考えられる条件であって、走行データに関連する条件である所定の条件を取得する。そして、不特定多数の車両の走行データを格納した第1データベース300を参照して、所定の条件を満たす走行データに対応する車両を、第1車両10として特定する。そして、情報処理装置100は、第1車両10が、第1データを保有しているか否かを推測する。これにより、情報処理装置100は、ユーザ200が希望する第1データを保有していると推測される車両を特定することができる。
【0054】
そして、情報処理装置100は、第1車両10に関連付けられた端末に、第1データの提供依頼を送信する。そして、提供された第1データをユーザ200に提供する。これにより、情報処理装置100は、提供することが許諾された第1データをユーザ200に提供することができるため、車両が収集したデータをユーザ200に適切に提供することできる。
【0055】
次に、提供依頼部113が行う、ステップS11で特定した第1車両10が第1データを保有しているか否かを推測する処理(ステップS12で実行される処理)の具体例について説明する。情報処理装置100は、第1車両10が第1データを保有しているか否かを推測し、第1データを保有していると推測された第1車両10に対して、第1データの提供依頼を送信する。
【0056】
一例として、情報処理装置100は、第1車両10が有している第2データを解析することで、第1車両10が、第1データを保有しているか否かを推測することができる。
図4は、実施形態に係る情報処理装置100の制御部110が、第2データを解析することで、第1車両10が第1データを保有していることを推定する処理のフローチャートである。第2データとは、第1データを含む、車両が収集したデータのことであり、例えば、ドライブレコーダの画像データ等である。
図4に示される処理は、
図3に示されるステップS12およびステップS13を具体化したものである。
図4に示される処理は、
図3に示されるステップS11の処理が実行された後に実行される。
【0057】
ステップS20で、提供依頼部113は、第2データを解析する。本ステップでは、提供依頼部113が、第1車両10から取得した第2データを解析する。例えば、第2データは、ドライブレコーダの画像データであり、提供依頼部113は、当該画像データに対象物が映っているか否かを画像解析してもよい。
【0058】
次に、ステップS21で、提供依頼部113は、第1車両10が第1データを保有しているか否かを推測する。提供依頼部113は、第2データを解析して、第2データに第1データが含まれているか、すなわち、第1車両10が第1データを保有しているか否かを推測する。
【0059】
次に、ステップS22で、提供依頼部113は、第1車両10が第1データを保有しているか否かを判定する。提供依頼部113が、第1車両10が第1データを保有していると判定した場合、本ステップは肯定判定となる。
【0060】
本ステップで肯定判定となった場合、処理は、ステップS23に遷移する。
【0061】
本ステップで否定判定となった場合、処理は、終了する。すなわち、提供依頼部113は、第1車両10に関連付けられた端末に第1データの提供依頼を送信しない。
【0062】
処理がステップS23に遷移した場合、提供依頼部113は、第1車両10に関連付けられた端末に第1データの提供依頼を送信する。例えば、提供依頼部113は、第1車両10が有する車載端末に、第1データの提供依頼を送信する。または、提供依頼部113は、第1車両10に関連付けられた携帯端末に、第1データの提供依頼を送信する。ステップS23の処理は、ステップS13の処理と同様である。ステップS23の処理が終了した後、
図3に示されるステップS14~ステップS15の処理が実行される。
【0063】
図4の処理によると、情報処理装置100は、第1車両10が保有するデータを解析することで、第1車両10が、ユーザ200が所望するデータである第1データを保有しているか否かを推測する。これにより、第1データを保有していると推測された第1車両10のみに対して、第1データの提供依頼を送信することができる。
【0064】
次に、
図4で説明された処理の別の例について説明する。
図4で説明された処理の代わりに、情報処理装置100が、第1車両10が第1データを保有しているか否かを第1車両10の運転者等に確認し、第1データを保有していると確認された第1車両10に対して、第1データの提供依頼を送信する処理が実行されてもよい。
図5は、実施形態に係る情報処理装置100の制御部110が、ユーザ200への問い合わせを行うことで、第1車両10が第1データを保有していることを推定する処理のフローチャートである。
図5に示される処理は、
図3に示されるステップS12およびステップS13を具体化したものである。
図5に示される処理は、
図3に示されるステップS11の処理が実行された後に実行される。
【0065】
ステップS30で、提供依頼部113は、第1車両10に関連付けられた端末に、第1データの保有を確認する通知を出力する。具体的には、提供依頼部113は、第1車両10に関連付けられた端末と通信して、第1車両10に関連付けられた端末の表示部に、第1車両10の運転者または所有者等が、第1データを保有しているか否かを回答することができるインターフェースを出力してもよい。
【0066】
次に、ステップS31で、提供依頼部113は、第1車両10に関連付けられた端末から、第1車両10が第1データを保有しているか否かに関する回答を取得する。
【0067】
次に、ステップS32で、提供依頼部113は、第1車両10が第1データを保有しているか否かを推測する。提供依頼部113が、第1車両10が第1データを保有していると推測した場合、本ステップは肯定判定となる。
【0068】
本ステップで肯定判定となった場合、処理は、ステップS33に遷移する。
【0069】
本ステップで否定判定となった場合、処理は、終了する。すなわち、提供依頼部113は、第1車両10に関連付けられた端末に第1データの提供依頼を送信しない。
【0070】
処理がステップS33に遷移した場合、提供依頼部113は、第1車両10に関連付けられた端末に第1データの提供依頼を送信する。例えば、提供依頼部113は、第1車両10が有する車載端末に、第1データの提供依頼を送信する。または、提供依頼部113は、第1車両10に関連付けられた携帯端末に、第1データの提供依頼を送信する。ステップS33の処理は、ステップS13の処理と同様である。ステップS33の処理が終了
した後、
図3に示されるステップS14~ステップS15の処理が実行される。
【0071】
図5の処理によると、情報処理装置100は、第1車両10の運転者または所有者等に確認を取ることで、第1車両10が、ユーザ200が所望するデータである第1データを保有しているか否かを推測し、第1データを保有していると推測された第1車両10のみに対して、第1データの提供依頼を送信することができる。
【0072】
(変形例)
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。例えば、情報処理装置100は、第1車両10の外部に設置されたサーバではなく、第1車両10に搭載された車載装置として実現されてもよい。
【0073】
例えば、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0074】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0075】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク・ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0076】
10・・・第1車両
14・・・車載端末
15・・・ECU
100・・・情報処理装置
11,110・・・制御部
111・・・故障診断部
112・・・情報送信部
113・・・通話提案部
114・・・通話制御部
115・・・結果通知部
12,120・・・記憶部
13,130・・・通信部
300・・・販売店
400・・・故障解析サーバ