(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173450
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091879
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 哲郎
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC17
5L050CC17
(57)【要約】
【課題】ユーザにとって好適な施設への訪問を提案することを目的とする。
【解決手段】情報処理装置は、車両の現在位置から所定の範囲内に存在し、車両のユーザに対して訪問を提案する候補である第1施設を決定する。また、情報処理装置は、第1施設の属する第1ジャンルを取得する。また、情報処理装置は、ユーザが現在までの所定の期間内に車両によって訪問した施設が属する第2ジャンルを取得する。そして、情報処理装置は、第1ジャンルが第2ジャンルと一致するか否かを判定する。このとき、情報処理装置は、第1ジャンルが第2ジャンルと一致していないと判定した場合に、ユーザに対して第1施設の訪問を提案する提案情報を出力する。また、情報処理装置は、第1ジャンルが第2ジャンルと一致していると判定した場合に、提案情報を出力しない。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在位置から所定の範囲内に存在し、前記車両のユーザに対して訪問を提案する候補である第1施設を決定することと、
前記第1施設の属する第1ジャンルを取得することと、
前記ユーザが現在までの所定の期間内に前記車両によって訪問した施設が属する第2ジャンルを取得することと、
前記第1ジャンルが前記第2ジャンルと一致するか否かを判定することと、
前記第1ジャンルが前記第2ジャンルと一致していないと判定した場合に、前記ユーザに対して前記第1施設の訪問を提案する提案情報を出力することと、
前記第1ジャンルが前記第2ジャンルと一致していると判定した場合に、前記提案情報を出力しないことと、
を実行するよう構成された制御部を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第1ジャンルは複数存在し、
前記所定の期間は、前記第1ジャンル毎に予め定められた期間として設定される、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記ユーザが前記車両によって前記第1ジャンルに属する施設を訪問した間隔を取得することと、
前記所定の期間を、始期から現在までの時間的間隔が前記間隔と一致するように決定することと、
を更に実行するように構成される、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
車両の現在位置から所定の範囲内に存在し、前記車両のユーザに対して訪問を提案する候補である第1施設を決定することと、
前記第1施設の属する第1ジャンルを取得することと、
前記ユーザが現在までの所定の期間内に前記車両によって訪問した施設が属する第2ジャンルを取得することと、
前記第1ジャンルが前記第2ジャンルと一致するか否かを判定することと、
前記第1ジャンルが前記第2ジャンルと一致していないと判定した場合に、前記ユーザに対して前記第1施設の訪問を提案する提案情報を出力することと、
前記第1ジャンルが前記第2ジャンルと一致していると判定した場合に、前記提案情報を出力しないことと、
を含む、
情報処理方法。
【請求項5】
コンピュータに情報処理方法を実行させるためのプログラムであって、
前記情報処理方法は、
車両の現在位置から所定の範囲内に存在し、前記車両のユーザに対して訪問を提案する候補である第1施設を決定することと、
前記第1施設の属する第1ジャンルを取得することと、
前記ユーザが現在までの所定の期間内に前記車両によって訪問した施設が属する第2ジャンルを取得することと、
前記第1ジャンルが前記第2ジャンルと一致するか否かを判定することと、
前記第1ジャンルが前記第2ジャンルと一致していない場合に、前記ユーザに対して前
記第1施設の訪問を提案する提案情報を出力することと、
前記第1ジャンルが前記第2ジャンルと一致している場合に、前記提案情報を出力しないことと、
を含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、提供装置が開示されている。特許文献1が開示する提供装置は、訪問地の候補の中から、当該訪問地を訪問する利用者に応じた条件を満たす訪問地を選択する。そして、提供装置は、選択された訪問地を示す情報を、利用者に対して提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、ユーザにとって好適な施設への訪問を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様に係る情報処理装置は、
車両の現在位置から所定の範囲内に存在し、前記車両のユーザに対して訪問を提案する候補である第1施設を決定することと、
前記第1施設の属する第1ジャンルを取得することと、
前記ユーザが現在までの所定の期間内に前記車両によって訪問した施設が属する第2ジャンルを取得することと、
前記第1ジャンルが前記第2ジャンルと一致するか否かを判定することと、
前記第1ジャンルが前記第2ジャンルと一致していないと判定した場合に、前記ユーザに対して前記第1施設の訪問を提案する提案情報を出力することと、
前記第1ジャンルが前記第2ジャンルと一致していると判定した場合に、前記提案情報を出力しないことと、
を実行するよう構成された制御部を備える。
【0006】
本開示の第2の態様に係る情報処理方法は、
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
車両の現在位置から所定の範囲内に存在し、前記車両のユーザに対して訪問を提案する候補である第1施設を決定することと、
前記第1施設の属する第1ジャンルを取得することと、
前記ユーザが現在までの所定の期間内に前記車両によって訪問した施設が属する第2ジャンルを取得することと、
前記第1ジャンルが前記第2ジャンルと一致するか否かを判定することと、
前記第1ジャンルが前記第2ジャンルと一致していないと判定した場合に、前記ユーザに対して前記第1施設の訪問を提案する提案情報を出力することと、
前記第1ジャンルが前記第2ジャンルと一致していると判定した場合に、前記提案情報を出力しないことと、
を含む。
【0007】
本開示の第3の態様に係るプログラムは、
コンピュータに情報処理方法を実行させるためのプログラムであって、
前記情報処理方法は、
車両の現在位置から所定の範囲内に存在し、前記車両のユーザに対して訪問を提案する候補である第1施設を決定することと、
前記第1施設の属する第1ジャンルを取得することと、
前記ユーザが現在までの所定の期間内に前記車両によって訪問した施設が属する第2ジャンルを取得することと、
前記第1ジャンルが前記第2ジャンルと一致するか否かを判定することと、
前記第1ジャンルが前記第2ジャンルと一致していない場合に、前記ユーザに対して前記第1施設の訪問を提案する提案情報を出力することと、
前記第1ジャンルが前記第2ジャンルと一致している場合に、前記提案情報を出力しないことと、
を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示により、ユーザにとって好適な施設への訪問を提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、提案システムの概略構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態におけるサーバの機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図3】
図3は、施設情報データベースに保持されている施設情報のテーブル構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、履歴情報データベースに保持されている履歴情報のテーブル構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、ユーザ情報データベースに保持されているユーザ情報のテーブル構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、サーバの制御部によって実行される第1の処理のフローチャートである。
【
図7】
図7は、サーバの制御部によって実行される第2の処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
情報処理装置が、車両の現在位置から所定の範囲内に存在する施設への訪問をユーザに提案する場合を想定する。このとき、車両のユーザが同じジャンルに属する施設を最近訪問した場合、ユーザは再度同じジャンルに属する施設を訪問しなくてもよい状況となる。一方、車両のユーザが同じジャンルに属する施設を最近訪問したにも関わらず、情報処理装置が同じジャンルに属する施設への訪問を提案する場合がある。そうすると、施設の訪問について不要な提案がされてしまうこととなり、ユーザが煩わしさを感じてしまうこととなる。本開示の第1の態様に係る情報処理装置は、斯様な問題を解決する。
【0011】
本開示の第1の態様に係る情報処理装置の制御部は、第1施設を決定する。ここで、第1施設は、車両の現在位置から所定の範囲内に存在する施設であって、車両のユーザに対して訪問を提案する候補である施設である。また、情報処理装置の制御部は、第1施設の属する第1ジャンルを取得する。
【0012】
また、制御部は、ユーザが現在までの所定の期間内に車両によって訪問した施設が属する第2ジャンルを取得する。制御部は、第1ジャンルが第2ジャンルと一致するか否かを判定する。このとき、制御部は、第1ジャンルが第2ジャンルと一致していないと判定した場合に、ユーザに対して第1施設の訪問を提案する提案情報を出力する。また、制御部は、第1ジャンルが第2ジャンルと一致していると判定した場合に、提案情報を出力しない。
【0013】
以上説明した通り、本開示の第1の態様に係る情報処理装置によって、第1ジャンルが第2ジャンルと一致していない場合に、提案情報が出力される。換言すると、ユーザが所定の期間内に第1ジャンルと同じジャンルの施設を訪問していない場合に、提案情報が出力される。また、第1ジャンルが第2ジャンルと一致している場合には、提案情報が出力されない。換言すると、ユーザが所定の期間内に第1ジャンルと同じジャンルの施設を訪問している場合には、提案情報が出力されない。
【0014】
これにより、ユーザが所定の期間内に訪問していないジャンルの施設についての提案情報を出力することができる。その結果、ユーザにとって好適な施設への訪問を提案することができる。
【0015】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。各実施形態に記載されているハードウェア構成、モジュール構成、機能構成等は、特に記載がない限りは開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0016】
<実施形態>
(システムの概略)
本実施形態における提案システム1について、
図1に基づいて説明する。
図1は、提案システム1の概略構成を示す図である。提案システム1は、車載装置100及びサーバ200を含んで構成される。提案システム1においては、車載装置100とサーバ200とがネットワークN1によって相互に接続される。ネットワークN1には、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)または、携帯電話等の電話通信網が採用されてもよい。
【0017】
(車載装置)
車載装置100は、車両10に搭載される車載装置である。車載装置100は、車両10のユーザに対して様々な情報の提供を行う。車載装置100は、ネットワークN1を介して、サーバ200から提案情報を受信する。ここで、提案情報は、ユーザに対して施設の訪問を提案する情報である。車載装置100は、提案情報を受信すると、施設への訪問を提案する情報をユーザに対してディスプレイに表示する。また、車載装置は、提案情報を受信すると、施設への訪問を提案する情報を音声によってユーザに対して通知してもよい。
【0018】
また、車載装置100は、車両10の現在位置を車両10に搭載されているナビゲーションシステムから取得する。そして、車載装置100は、取得した車両10の現在位置を含む位置情報をリアルタイムでサーバ200に送信する。
【0019】
(サーバ)
サーバ200は、車両10のユーザに対して、施設の訪問の提案を行うためのサーバである。サーバ200は、車両10の位置情報をリアルタイムで車載装置100から受信する。
【0020】
ここで、サーバ200が、車両10の現在位置から所定の範囲内に存在する施設への訪問を提案する場合を想定する。このとき、車両10のユーザが同じジャンルに属する施設を最近訪問した場合、ユーザは再度同じジャンルに属する施設を訪問しなくてもよい状況となる。一方、車両10のユーザが同じジャンルに属する施設を最近訪問したにも関わらず、サーバ200が同じジャンルに属する施設への訪問を提案する場合がある。そうすると、施設の訪問について不要な提案がされてしまうこととなり、車両10のユーザが煩わしさを感じてしまうこととなる。
【0021】
例えば、ユーザが、スーパーマーケットを最近訪問し、買い物をした場合を想定する。このとき、既に買い物を済ませているにも関わらず、再びスーパーマーケットの訪問を提案されてしまうと、車両10のユーザが煩わしさを感じてしまう場合がある。
【0022】
そこで、サーバ200は、車両10のユーザが現在までの所定の期間内に車両10によって訪問した施設と異なるジャンルに属する施設への訪問を提案する。また、サーバ200は、車両10のユーザが現在までの所定の期間内に車両10によって訪問した施設と同じジャンルに属する施設についての訪問の提案は行わない。ここで、本実施形態においては、所定の期間は、例えば1日等の、予め定められた期間である。サーバ200が、車両10のユーザに対して施設の訪問の提案を行う方法の詳細については後述する。
【0023】
サーバ200は、プロセッサ210、主記憶部220、補助記憶部230、および通信インタフェース(通信I/F)240を有するコンピュータを含んで構成される。プロセッサ210は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)である。主記憶部220は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。補助記憶部230は、例えば、ROM(Read Only Memory)である。また、補助記憶部230は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、またはCD-ROM、DVDディスク、もしくはブルーレイディスクのようなディスク記録媒体である。また、補助記憶部230は、リムーバブルメディア(可搬記憶媒体)であってもよい。ここで、リムーバブルメディアとして、例えば、USBメモリまたはSDカードが例示される。通信I/F240は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、または無線通信のための無線通信回路である。
【0024】
サーバ200において、補助記憶部230には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、および各種情報テーブル等が格納されている。また、サーバ200において、プロセッサ210が、補助記憶部230に記憶されたプログラムを主記憶部220にロードして実行することによって、後述するような各種の機能を実現することができる。ただし、サーバ200における一部または全部の機能はASICまたはFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。なお、サーバ200は、必ずしも単一の物理的構成によって実現される必要はなく、互いに連携する複数台のコンピュータによって構成されてもよい。また、サーバ200と同様に、車載装置100もコンピュータを含んで構成される。
【0025】
(機能構成)
次に、本実施形態に係る提案システム1を構成するサーバ200の機能構成について、
図2から
図5に基づいて説明する。
図2は、本実施形態におけるサーバ200の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0026】
サーバ200は、制御部201、通信部202、施設情報データベース203(施設情報DB203)、履歴情報データベース204(履歴情報DB204)、及びユーザ情報データベース205(ユーザ情報DB205)を含んで構成される。
【0027】
制御部201は、サーバ200の制御をするための演算処理を行う機能を有する。制御部201は、サーバ200におけるプロセッサ210によって実現できる。通信部202は、サーバ200をネットワークN1に接続する機能を有する。通信部202は、サーバ200における通信I/F240によって実現できる。
【0028】
施設情報DB203は、施設情報を保持する機能を有する。施設情報は、所定の地域内
に存在する施設の位置、及び該施設の属するジャンルを示す情報である。施設情報DB203は、サーバ200における補助記憶部230によって実現できる。
図3は、施設情報DB203に保持されている施設情報のテーブル構成の一例を示す図である。
【0029】
図3に示すように、施設情報は、施設IDフィールド、位置フィールド、及びジャンルフィールドを有する。施設IDフィールドには、所定の地域内に存在する施設を特定するための識別子(施設ID)が格納される。位置フィールドには、施設IDフィールドに格納されている施設IDに対応する施設の位置を示す情報が格納される。ジャンルフィールドには、施設IDフィールドに格納されている施設IDに対応する施設が属するジャンルを示す情報が格納される。ジャンルフィールドには、例えば、テーマパーク、公園、レストラン、コンビニエンスストア、又はスーパーマーケット等の施設のジャンルを示す情報が格納される。
【0030】
制御部201は、車載装置100から車両10の位置情報を車載装置100からリアルタイムで受信している。そこで、制御部201は、施設情報DB203に保持されている施設情報と車両10の位置情報とを参照し、ユーザが車両10によって訪問した施設を特定する。そして、制御部201は、特定した施設についての情報を履歴情報DB204に格納する。
【0031】
履歴情報DB204は、履歴情報を保持する機能を有する。履歴情報は、ユーザが車両によって訪問した施設を示す情報である。履歴情報DB204は、サーバ200における補助記憶部230によって実現できる。
図4は、履歴情報DB204に保持されている履歴情報のテーブル構成の一例を示す図である。
【0032】
図4に示すように、履歴情報は、ユーザIDフィールド、車両IDフィールド、施設IDフィールド、日時フィールド、ジャンルフィールドを有する。ユーザIDフィールドには、ユーザを特定するための識別子(ユーザID)が格納される。車両IDフィールドには、ユーザIDフィールドに格納されているユーザIDに対応するユーザが使用する車両を特定する識別子(車両ID)が格納される。施設IDフィールドには、ユーザIDフィールドに格納されているユーザIDに対応するユーザが、車両IDフィールドに格納されている車両IDに対応する車両で訪問した施設の施設IDが格納される。
【0033】
ここで、制御部201は、車載装置100から受信した車両10の位置情報を参照することで、車両10の現在位置を把握することができる。そこで、制御部201は、施設情報DB203に保持されている施設情報を参照することで、ユーザが車両10によって訪問した施設を特定する。具体的には、制御部201は、施設情報の位置フィールドに格納されている情報が示す位置において、車両10が所定時間以上停車していることを検出した場合に、車両10が該位置に位置する施設を訪問していると特定する。制御部201は、施設情報DB203に保持されている施設情報から特定した施設の施設IDを取得する。そして、制御部201は、履歴情報における施設IDフィールドに、取得した施設IDを入力する。
【0034】
日時フィールドには、施設IDフィールドに格納されている施設をユーザが訪問した日時を示す情報が格納される。制御部201は、車載装置100から受信した車両10の位置情報を参照し、ユーザが車両10によって訪問した施設に到着した時間を特定する。そして、制御部201は、ユーザが車両10によって訪問した施設に到着した時間を示す情報を、ユーザが施設を訪問した日時を示す情報として、日時フィールドに格納する。また、制御部201は、ユーザが車両10によって訪問した施設を出発した時間、又は該施設に停車していた期間を示す情報を、ユーザが施設を訪問した日時を示す情報として、日時フィールドに格納してもよい。
【0035】
ジャンルフィールドには、施設IDフィールドに保持されている施設IDに対応する施設が属するジャンルを示す情報が格納される。制御部201は、施設情報DB203に保持されている施設情報を参照し、施設IDフィールドに保持されている施設IDに対応する施設が属するジャンルを示す情報を取得する。そして、制御部201は、履歴情報DB204に保持されている履歴情報におけるジャンルフィールドに、取得したジャンルを示す情報を格納する。
【0036】
ユーザ情報DB205は、ユーザ情報を保持する機能を有する。ユーザ情報は、ユーザに対して訪問を提案する施設のジャンルを示す情報である。ユーザ情報DB205は、サーバ200における補助記憶部230によって実現できる。
図5は、ユーザ情報DB205に保持されているユーザ情報のテーブル構成の一例を示す図である。
【0037】
図5に示すように、ユーザ情報は、ユーザIDフィールド、ジャンルフィールド、及び間隔フィールドを有する。ユーザIDフィールドには、ユーザIDが格納される。ジャンルフィールドには、ユーザIDフィールドに保持されているユーザに対して訪問を提案する施設が属するジャンルを示す情報が格納される。
【0038】
制御部201は、履歴情報DB204に保持されている履歴情報を参照し、車両10のユーザに対して訪問を提案する施設が属するジャンルを決定する。制御部201は、例えば、履歴情報において車両10のユーザが同じジャンルの施設を所定の回数以上訪問している場合に、該ジャンルを示す情報をユーザ情報DB205に保持されているユーザ情報におけるジャンルフィールドに格納する。
【0039】
また、制御部201は、例えば、履歴情報において車両10のユーザが同じジャンルの施設を所定の回数以上訪問している場合に、該ジャンルに関連するジャンルを示す情報をユーザ情報DB205に保持されているユーザ情報におけるジャンルフィールドに格納してもよい。例えば、コンビニエンスストアとスーパーマーケットとがそれぞれ販売している商品の種類は類似していることが想定される。そのため、コンビニエンスストアとスーパーマーケットとは、関連するジャンルとして予め定められていることが想定できる。そこで、制御部201は、車両10のユーザがコンビニエンスストアの施設を所定の回数以上訪問している場合に、コンビニエンスストアの他に、スーパーマーケットをユーザ情報DB205に保持されているユーザ情報におけるジャンルフィールドに格納する。
【0040】
間隔フィールドには、ユーザがジャンルフィールドに格納されている情報に対応するジャンルに属する施設を訪問する間隔を示す情報(以下、「間隔情報」と称する場合がある)が格納される。制御部201は、履歴情報DB204に保持されている履歴情報を参照し、施設をユーザが訪問した間隔の平均値をジャンルフィールドにおけるジャンル毎に算出する。そして、制御部201は、間隔フィールドに算出した間隔の平均値を示す情報を格納する。
【0041】
制御部201は、車両10の位置情報と、施設情報DB203に保持されている施設情報と、を参照し、車両10の現在位置から所定の範囲内に存在する一又は複数の施設を特定する。制御部201は、ユーザ情報を参照し、ユーザに対して訪問を提案する施設のジャンルを取得する。制御部201は、車両10の現在位置から所定の範囲内に存在する一又は複数の施設のうち、取得したジャンルとジャンルが一致する施設を、車両10のユーザに対して訪問を提案する候補である施設(以下、「第1施設」と称する場合がある)として決定する。また、制御部201は、施設情報を参照し、第1施設が属するジャンル(以下、「第1ジャンル」と称する場合がある)を取得する。
【0042】
制御部201は、履歴情報DB204に保持されている履歴情報を参照し、ユーザが車両10によって現在までの所定の期間内に訪問した施設(以下、「第2施設」と称する場合がある)を特定する。また、制御部201は、履歴情報を参照し、第2施設が属するジャンル(以下、「第2ジャンル」と称する場合がある)を取得する。
【0043】
制御部201は、第1ジャンルと第2ジャンルとが一致しているか否かを判定する。制御部201は、第1ジャンルと第2ジャンルとが一致していない場合に、車両10のユーザに対して第1施設を訪問することを提案する提案情報(以下、単に「提案情報」と称する場合がある)を車載装置100に対して出力する。また、制御部201は、制御部201は、第1ジャンルと第2ジャンルとが一致している場合に、車載装置100に対して提案情報を出力しない。
【0044】
ここで、ジャンルの異なる第2施設が複数存在することによって、第2ジャンルが複数存在する場合がある。この場合において、制御部201は、複数の第2ジャンルに対して、第1ジャンルとジャンルが一致するか否かを判定する。そして、制御部201は、複数の第2ジャンル全てが第1ジャンルと一致しない場合、提案情報を車載装置100に出力する。また、制御部201は、複数の第2ジャンルのうち、第1ジャンルと一致する第2ジャンルが存在する場合には、第2ジャンルに属する第2施設についての提案情報は出力しない。
【0045】
また、制御部201は、ジャンルの異なる第1施設が複数存在する場合には、各第1ジャンルに対して、第2ジャンルとジャンルが一致するか否かの判定を行う。そして、制御部201は、第2ジャンルとジャンルが一致するか否かの判定結果に基づいて、各第1ジャンルに属する第1施設についての提案情報を出力するか否かを決定する。
【0046】
(フローチャート)
次に、提案システム1において、サーバ200における制御部201によって実行される第1の処理について、
図6に基づいて説明する。
図6は、制御部201によって実行される第1の処理のフローチャートである。当該処理は、提案情報を車載装置100に対して出力するか否かを決定し、決定結果に基づいて提案情報を車載装置100に出力するための処理である。当該処理は、リアルタイムで実行される。
【0047】
図6に示す処理においては、まずS101において、車両10の位置情報、施設情報DB203に保持されている施設情報、及びユーザ情報DB205に保持されているユーザ情報が参照され、第1施設が決定される。次に、S102において、第1ジャンルが施設情報から取得される。
【0048】
次に、S103において、履歴情報DB204に保持されている履歴情報が参照され、第2施設が特定される。次に、S104において、第2ジャンルが履歴情報から取得される。次に、S105において、第1ジャンルと第2ジャンルとが一致するか否かが判別される。S105において肯定判定がされた場合、ユーザが車両10によって所定の期間内に第2ジャンルに属する施設(第2施設)を訪問している。そのため、所定の期間内に同じジャンルの施設を訪問したのにも関わらず車載装置100に対して提案情報が出力されると、ユーザが煩わしさを感じてしまうことが想定される。そこで、S105において肯定判定がされた場合、
図6に示す処理は一旦終了される。
【0049】
S105において否定判定がされた場合、ユーザが車両10によって所定の期間内に第1ジャンルに属する施設(第1施設)を訪問していない。そのため、車載装置100に対して提案情報が出力される。そして、
図6に示す処理は一旦終了される。
【0050】
以上説明した通り、提案システム1においては、第1ジャンルが第2ジャンルと一致していない場合に、提案情報が出力される。換言すると、ユーザが所定の期間内に第1ジャンルと同じジャンルの施設を訪問していない場合に、提案情報が出力される。また、提案システム1においては、第1ジャンルが第2ジャンルと一致している場合には、提案情報が出力されない。換言すると、ユーザが車両10によって所定の期間内に第1ジャンルと同じジャンルの施設を訪問している場合には、提案情報が出力されない。これにより、ユーザが所定の期間内に訪問していないジャンルの施設についての提案情報を出力することができる。その結果、ユーザにとって好適な施設への訪問を提案することができる。
【0051】
(変形例1)
ジャンルが異なると、ユーザが該ジャンルに属する施設を訪問する間隔が異なることが想定される。そこで、本変形例においては、所定の期間は、第1ジャンル毎に予め定められた期間として設定される。このように、ジャンル毎に属する施設に訪問する間隔が異なっていたとしても、ジャンル毎に所定の期間が決定されていることによって、サーバ200がユーザにとって第1施設への訪問をするのに好適な時期に提案情報を車載装置100に対して出力することができる。
【0052】
(変形例2)
また、サーバ200は、ユーザ情報DB205に保持されているユーザ情報の間隔フィールドに格納されている間隔情報を参照し、所定の期間を決定してもよい。この場合において、サーバ200は、所定の期間を、始期から現在までの時間的間隔が間隔情報の示す間隔と一致するように決定する。
【0053】
(フローチャート)
次に、提案システム1において、サーバ200における制御部201によって実行される第2の処理について、
図7に基づいて説明する。
図7は、制御部201によって実行される第2の処理のフローチャートである。当該処理は、第1ジャンルに対して、所定の期間を決定するための処理である。当該処理は、
図6に示すS102の処理が実行された後に実行が開始される。
【0054】
図7に示す処理においては、S201において、
図6に示す処理におけるS102で取得された第1ジャンルに対応する間隔情報がユーザ情報DB205に保持されているユーザ情報から取得される。次にS202において、間隔情報が参照され、
図6に示す処理におけるS102で取得された第1ジャンルに対応する所定の期間が決定される。そして、
図7に示す処理は終了され、
図6に示すS103の処理が実行される。ここで、ユーザが車両10によって第1ジャンルに対応する所定の期間内に訪問した施設が第2施設として特定される。
【0055】
このようにしても、第1ジャンル毎に所定の期間を定めることができる。その結果、サーバ200がユーザにとって第1施設への訪問をするのに好適な時期に提案情報を車載装置100に対して出力することができる。
【0056】
<その他の実施形態>
上述の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、本開示において説明した処理および手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0057】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハード
ウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0058】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、またはハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、またはブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、または光学式カードのような、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0059】
1・・提案システム
10・・車両
100・・車載装置
200・・サーバ
201・・制御部
202・・通信部
203・・施設情報DB
204・・履歴情報DB
205・・ユーザ情報DB