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  • 特開-姿勢矯正メガネ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173483
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】姿勢矯正メガネ
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/16 20060101AFI20241205BHJP
   G02C 7/02 20060101ALI20241205BHJP
   G02C 9/00 20060101ALI20241205BHJP
   G02C 7/10 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G02C7/16
G02C7/02
G02C9/00
G02C7/10
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091927
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】523211741
【氏名又は名称】西川 貴康
(74)【代理人】
【識別番号】100101351
【弁理士】
【氏名又は名称】辰巳 忠宏
(72)【発明者】
【氏名】西川 貴康
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006BE00
(57)【要約】
【課題】着座姿勢を効果的に矯正できるとともに必要に応じて手元以外を視認できる、姿勢矯正メガネを提供する。
【解決手段】姿勢矯正メガネ10は、着座姿勢専用のメガネであって、フレーム12と、フレーム12によって保持されるレンズユニット14とを備える。レンズユニット14は、遮蔽部材24と、遮蔽部材24より少なくとも下方に設けられるレンズ22とを含む。遮蔽部材24は、レンズユニット14の上縁からレンズユニット14の中心Aより下方に至るように形成され、遮蔽部材24の下縁のうち幅方向の中央部は、上方に凹むように形成される。レンズ22のうち遮蔽部材24とは重ならない箇所は、横方向に延びる横長部26と、横長部26から上方に突出する突出部28とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座姿勢専用の姿勢矯正メガネであって、
フレームと、
前記フレームによって保持されるレンズユニットとを備え、
前記レンズユニットは、遮蔽部材と、前記遮蔽部材より少なくとも下方に設けられるレンズとを含み、
前記遮蔽部材は、前記レンズユニットの上縁から前記レンズユニットの中心より下方に至るように形成され、
前記遮蔽部材の下縁のうち幅方向の中央部は、上方に凹むように形成され、
前記レンズのうち前記遮蔽部材とは重ならない箇所は、横方向に延びる横長部と、前記横長部から上方に突出する突出部とを含む、姿勢矯正メガネ。
【請求項2】
前記遮蔽部材の下縁のうち幅方向の中央部は、前記レンズユニットの中心より上方まで凹むように形成され、
前記突出部は、前記レンズユニットの中心を含むように前記横長部から上方に突出する、請求項1に記載の姿勢矯正メガネ。
【請求項3】
前記レンズは、前記フレームによって保持され、
前記遮蔽部材は、前記レンズに重なるように設けられる、請求項1または2に記載の姿勢矯正メガネ。
【請求項4】
前記遮蔽部材の面積は、前記レンズユニットの面積の4分の3以上である、請求項1から3のいずれかに記載の姿勢矯正メガネ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は姿勢矯正メガネに関し、より特定的には着座姿勢において使用される姿勢矯正メガネに関する。
【背景技術】
【0002】
椅子やソファに着座した姿勢で、携帯端末を操作したり手で書物を持ちながら読書する際、使用者は、頭部を下げて前屈みになったり、背中を丸めて猫背になりがちである。このような姿勢を継続すると、心身に悪影響を及ぼすおそれがあるので、姿勢を矯正することが望ましい。
【0003】
不正姿勢を矯正するための技術として、特許文献1において姿勢矯正メガネが提案されている。この姿勢矯正用メガネは、レンズと、使用者が頭部に掛けることでレンズを使用者の眼前に保持するフレームとを備え、レンズの正面側の表面と背面側の表面とのうちの少なくとも一方におけるレンズの中心からずれた位置に、レンズを2つの領域に分ける難視領域が設けられている。
【0004】
特許文献1に開示された姿勢矯正メガネは、日常生活において特段に支障をきたすことなく普通に安全に使用できることを主目的の一つとし、そのために、難視領域は、中心からずれた位置から端部にかけて設けられるのではなく、レンズを2つの領域に分けるように設けられて、難視領域を基準としてレンズの中心側はもちろん、中心から遠い側にもレンズとして普通に使用できる領域が残されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-73485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような特許文献1に開示された姿勢矯正メガネは、レンズの上下左右の端部近傍にも通常に見える視野を確保することができ、日常生活において普通のメガネと同様に使用可能となるものであり、着座姿勢専用のメガネではない。
【0007】
それゆえにこの発明の主たる目的は、着座姿勢を効果的に矯正できるとともに必要に応じて手元以外を視認できる、姿勢矯正メガネを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、着座姿勢専用の姿勢矯正メガネであって、フレームと、フレームによって保持されるレンズユニットとを備え、レンズユニットは、遮蔽部材と、遮蔽部材より少なくとも下方に設けられるレンズとを含み、遮蔽部材は、レンズユニットの上縁からレンズユニットの中心より下方に至るように形成され、遮蔽部材の下縁のうち幅方向の中央部は、上方に凹むように形成され、レンズのうち遮蔽部材とは重ならない箇所は、横方向に延びる横長部と、横長部から上方に突出する突出部とを含む、姿勢矯正メガネが提供される。
【0009】
この発明では、レンズユニット全体としてみると、遮蔽部材によって視界が遮られ、レンズの横長部および突出部を通して物を見ることができる。椅子やソファに着座した姿勢で、携帯端末を操作したり手で書物を持ちながら読書する際、通常、使用者は目を左右に動かしながら対象物を視認する。したがって、使用者がこの発明に係る姿勢矯正メガネを掛けた状態では、目を左右に動かしても違和感なく視認できるように、レンズユニットの下部に位置して左右に延びるレンズの横長部を通して対象物を視認しようとする。この場合、視線をやや下方に落とすことになるので、手元の携帯端末を操作したり書物を読む際には、自ずと頭部をやや上げ背筋を伸ばす姿勢となり、その結果、猫背が解消され、着座姿勢を効果的に矯正できる。また、レンズの突出部は、横長部から上方に突出するので、この領域を通して、必要に応じて、手元の携帯端末や書物から目を離して、たとえば前方などの手元以外を視認でき、携帯端末の操作や読書以外の作業を行うことができる。
【0010】
好ましくは、遮蔽部材の下縁のうち幅方向の中央部は、レンズユニットの中心より上方まで凹むように形成され、突出部は、レンズユニットの中心を含むように横長部から上方に突出する。この場合、レンズの突出部を通して、手元以外をより一層視認でき、携帯端末の操作や読書以外の作業をさらに容易に行うことができる。
【0011】
また、好ましくは、レンズは、フレームによって保持され、遮蔽部材は、レンズに重なるように設けられる。この場合、フレームに保持される一般的なレンズに、遮蔽部材を重ねることによって、姿勢矯正メガネを容易に得ることができる。
【0012】
さらに、好ましくは、遮蔽部材の面積は、レンズユニットの面積の4分の3以上である。この場合、レンズのうち横長部と突出部との合計面積は、レンズユニットの面積の4分の1以下となるので、このようなレンズを通して対象物を視認するとき、頭部をやや上げ背筋を伸ばす姿勢をより意識的にとる必要が生じ、その結果、より効果的に猫背が解消され、着座姿勢を矯正できる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、着座姿勢を矯正できるとともに必要に応じて手元以外を視認できる姿勢矯正メガネが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明の一実施形態に係る姿勢矯正メガネを示す図解図である。
図2図1の姿勢矯正用メガネを示す側面図解図である。
図3】(a)は着座姿勢において図1の姿勢矯正メガネを使用しない状態を示す図解図であり、(b)は着座姿勢において図1の姿勢矯正メガネを使用した状態を示す図解図である。
図4】この発明の他の実施形態に係る姿勢矯正メガネを示す側面図解図である。
図5】この発明のその他の実施形態に係る姿勢矯正メガネを示す図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。
【0016】
図1を参照して、この発明の一実施形態に係る姿勢矯正メガネ10は、着座姿勢専用のメガネであって、フレーム12と、フレーム12によって保持される一対のレンズユニット14とを含む。
【0017】
フレーム12は、一対のリム16と、一対のリム16を連結するブリッジ18と、一対のリム16に折り畳み可能に取り付けられる一対のテンプル20とを含む。フレーム12としては、金属フレーム、プラスチックフレーム、枠なしフレーム等の任意のフレームを選択できるが、この実施形態では、プラスチックフレームによって構成される。
【0018】
図2をも参照して、各レンズユニット14は、フレーム12のリム16に保持されるレンズ22と、遮蔽部材24とを含む。
【0019】
遮蔽部材24は、レンズユニット14の上縁からレンズユニット14の中心Aより下方に至るように形成され、遮蔽部材24の下縁のうち幅方向の中央部は、レンズユニット14の中心Aより上方まで凹むように形成される。この実施形態では、遮蔽部材24は、レンズ22に重なるように、レンズ22の前方に設けられる。遮蔽部材24としては、レンズ22より光透過率が低く、携帯端末の画面等の対象物が視認困難となる部材が用いられる。遮蔽部材24としては、たとえばプレート状またはシート状の部材が用いられる。
【0020】
レンズ22としては、使用者の視力を矯正するためのレンズや、度の入っていないレンズが含まれる。レンズ22のうち遮蔽部材24とは重ならない箇所は、横方向に延びる横長部26と、レンズユニット14の中心Aを含むように横長部26から上方に突出する突出部28とを含む。好ましくは、遮蔽部材24の面積は、レンズユニット14の面積の4分の3以上である。言い換えれば、横長部26と突出部28との合計面積は、レンズユニット14の面積の4分の1以下である。
【0021】
このような姿勢矯正メガネ10を装着しないで椅子やソファに着座した姿勢で、携帯端末を操作したり手で書物を持ちながら読書する際、図3(a)に示すように、使用者は、頭部を下げて前屈みになったり、背中を丸めて猫背になりがちである。
【0022】
それに対して、姿勢矯正メガネ10を装着して椅子やソファに着座した姿勢で、携帯端末を操作したり手で書物を持ちながら読書する際には、図3(b)に示すように、背筋を伸ばす姿勢となる。
【0023】
すなわち、姿勢矯正メガネ10によれば、レンズユニット14全体としてみると、遮蔽部材24によって視界が遮られ、レンズ22の横長部26および突出部28を通して物を見ることができる。椅子やソファに着座した姿勢で、携帯端末を操作したり手で書物を持ちながら読書する際、通常、使用者は目を左右に動かしながら対象物を視認する。したがって、使用者が姿勢矯正メガネ10を掛けた状態では、目を左右に動かしても違和感なく視認できるように、レンズユニット14の下部に位置して左右に延びるレンズ22の横長部26を通して対象物を視認しようとする。この場合、図3(b)において実線Xで示すように、視線をやや下方に落とすことになるので、手元の携帯端末を操作したり書物を読む際には、自ずと頭部をやや上げ背筋を伸ばす姿勢となり、その結果、猫背が解消され、着座姿勢を効果的に矯正できる。また、レンズ22の突出部28は、横長部26から上方に突出するので、図3(b)において点線Yで示すように、この領域を通して、必要に応じて、手元の携帯端末や書物から目を離して、たとえば前方などの手元以外を視認でき、携帯端末の操作や読書以外の作業を行うことができる。
【0024】
レンズ22の突出部28は、レンズユニット14の中心Aを含むように横長部26から上方に突出するので、この領域を通して、手元以外をより一層視認でき、携帯端末の操作や読書以外の作業をさらに容易に行うことができる。
【0025】
遮蔽部材24の面積は、レンズユニット14の面積の4分の3以上であるので、レンズ22のうち横長部26と突出部28との合計面積は、レンズユニット14の面積の4分の1以下となる。したがって、このようなレンズ22を通して対象物を視認するとき、頭部をやや上げ背筋を伸ばす姿勢をより意識的にとる必要が生じ、その結果、より効果的に猫背が解消され、着座姿勢を矯正できる。
【0026】
後述の姿勢矯正メガネ10a~10cにおいても、上述と同様の効果が得られる。
【0027】
レンズ22は、フレーム12によって保持され、遮蔽部材24は、レンズ22に重なるように設けられる。このように、フレーム12に保持される一般的なレンズ22に、遮蔽部材24を重ねることによって、姿勢矯正メガネ10を容易に得ることができる。後述の姿勢矯正メガネ10a,10cにおいても同様の効果が得られる。
【0028】
また、姿勢矯正メガネは、図4(a),(b)に示すように構成されてもよい。
【0029】
図4(a)に示す姿勢矯正メガネ10aは、レンズユニット14に代えてレンズユニット14aを用いる点において、姿勢矯正メガネ10と異なる。レンズユニット14aは、レンズ22の後方に遮蔽部材24が設けられる点において、レンズユニット14と異なる。姿勢矯正メガネ10aのその他の構成ついては、姿勢矯正メガネ10と同様である。
【0030】
図4(b)に示す姿勢矯正メガネ10bは、レンズユニット14に代えてレンズユニット14bを用いる点において、姿勢矯正メガネ10と異なる。レンズユニット14bは、遮蔽部材24bの下方にレンズ22bが設けられる点において、レンズユニット14と異なる。すなわち、レンズ22bは遮蔽部材24bによって覆われず、上側に遮蔽部材24b、下側にレンズ22bがそれぞれ位置し、遮蔽部材24bおよびレンズ22bはともにリム16の内側に嵌められる。姿勢矯正メガネ10bのその他の構成ついては、姿勢矯正メガネ10と同様である。
【0031】
このように、この発明に係る姿勢矯正メガネのレンズは、遮蔽部材より少なくとも下方に設けられればよい。
【0032】
さらに、姿勢矯正メガネは、図5に示すように構成されてもよい。
【0033】
図5に示す姿勢矯正メガネ10cは、レンズユニット14に代えてレンズユニット14cを用いる点において、姿勢矯正メガネ10と異なる。レンズユニット14cは、レンズ22および遮蔽部材24に代えてレンズ22cおよび遮蔽部材24cを用いる点において、レンズユニット14と異なる。遮蔽部材24cは、レンズユニット14cの上縁からレンズユニット14cの中心Aより下方に至るように形成され、遮蔽部材24cの下縁のうち幅方向の中央部は、レンズユニット14cの中心Aより上方まで凹むように形成される。遮蔽部材24cは、レンズ22cに重なるように、レンズ22cの前方に設けられる。また、遮蔽部材24cの下縁は、波打ち状に形成される。レンズ22c自体は、レンズ22と同様に構成されるが、レンズ22cのうち遮蔽部材24cとは重ならない箇所は、横方向に延びかつ波打ち状の上縁を有する横長部26cと、レンズユニット14cの中心Aを含むように横長部26cから上方に突出する突出部28cとを含む。姿勢矯正メガネ10cのその他の構成ついては、姿勢矯正メガネ10と同様である。
【0034】
なお、上述の実施形態では、遮蔽部材の下縁のうち幅方向の中央部は、レンズユニットの中心より上方まで凹むように形成され、レンズの突出部は、レンズユニットの中心を含むように横長部から上方に突出するように形成されたが、これに限定されない。遮蔽部材の下縁のうち幅方向の中央部は、上方に凹むように形成され、レンズの突出部は、横長部から上方に突出するように形成されればよい。
【0035】
この発明に係る姿勢矯正メガネは、携帯端末を操作したり手で書物を持ちながら読書する際だけではなく、普通に机で読み書きする際にも用いることができる。
【符号の説明】
【0036】
10,10a,10b,10c 姿勢矯正メガネ
12 フレーム
14,14a,14b,14c レンズユニット
22,22b,22c レンズ
24,24b,24c 遮蔽部材
26,26c 横長部
28,28c 突出部
A レンズユニットの中心
図1
図2
図3
図4
図5