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特開2024-173488ロータリ圧縮機及び冷凍サイクル装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173488
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ロータリ圧縮機及び冷凍サイクル装置
(51)【国際特許分類】
   F04C 29/04 20060101AFI20241205BHJP
   F04C 18/344 20060101ALI20241205BHJP
   F04C 18/32 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
F04C29/04 Z
F04C18/344 351Q
F04C18/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091934
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】小森 啓治
【テーマコード(参考)】
3H040
3H129
【Fターム(参考)】
3H040AA09
3H040BB11
3H040CC13
3H040DD23
3H040DD28
3H129AA04
3H129AA13
3H129AA21
3H129AA32
3H129AB03
3H129BB01
3H129BB12
3H129CC06
3H129CC07
3H129CC25
3H129CC46
(57)【要約】
【課題】圧縮機構から吐出される冷媒の熱が、回転子の磁石に与える影響を低減可能なロータリ圧縮機、及び、これを備えた冷凍サイクル装置を提供する。
【解決手段】ロータリ圧縮機100は、モータ30と、圧縮機構50と、ケーシング20と、を備える。モータは、永久磁石34aが内蔵されている回転子34を有する。圧縮機構は、シリンダ60と、ピストン70と、を有する。シリンダは、シリンダ空間を形成する。ピストンは、モータにより駆動されてシリンダ空間で揺動し、シリンダ空間において冷媒を圧縮する。ケーシングは、モータ及び圧縮機構を収容する。ケーシングの下部には、冷凍機油が貯留されている。圧縮機構は、シリンダ空間から吐出される冷媒が通過し、冷媒を冷凍機油で冷却する冷却部90を有する。冷媒は、冷却部を通過した後に、圧縮機構からケーシング内の高圧空間S1へと吐出される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁石(34a)が内蔵されている回転子(34)を有するモータ(30)と、
シリンダ空間(62,162a,162b)を形成するシリンダ(60,160a,160b)と、前記モータにより駆動されて前記シリンダ空間で揺動し、前記シリンダ空間において冷媒を圧縮するピストン(70,170a,170b)と、を有する圧縮機構(50,50a,150)と、
前記モータ及び前記圧縮機構を収容する、下部に冷凍機油が貯留されているケーシング(20)と、
を備え、
前記圧縮機構は、前記シリンダ空間から吐出される前記冷媒が通過する、前記冷媒を前記冷凍機油で冷却する冷却部(90,90a,190)を有し、
前記冷媒は、前記冷却部を通過した後に、前記圧縮機構から前記ケーシング内の空間(S1)へと吐出される、
ロータリ圧縮機(100,100A,200)。
【請求項2】
前記シリンダは、前記シリンダ空間としての第1シリンダ空間(162a)を形成する第1シリンダ(160a)と、前記シリンダ空間としての第2シリンダ空間(162b)を形成する、前記第1シリンダの下方に配置される第2シリンダ(160b)と、を含み、
前記ピストンは、前記第1シリンダ空間において前記冷媒を圧縮する第1ピストン(170a)と、前記第2シリンダ空間において前記冷媒を圧縮する第2ピストン(170b)と、を含み、
前記冷却部(190)は、前記第2シリンダの下方であって、かつ、前記ケーシング内に貯留されている前記冷凍機油の油面(OL)より下方に配置される冷却空間(S12)を含み、
前記第1シリンダ空間及び前記第2シリンダ空間から吐出される前記冷媒は、前記冷却空間を通過した後に、前記圧縮機構から前記ケーシング内の空間へと吐出される、
請求項1に記載のロータリ圧縮機(200)。
【請求項3】
前記圧縮機構(50,50a)は、単一の前記シリンダ(60)と、単一の前記ピストン(70)を有し、
前記冷却部(90,90a)は、前記シリンダの下方であって、かつ、前記ケーシング内に貯留されている前記冷凍機油の油面(OL)より下方に配置される冷却空間(S2,S3)を含み、
前記シリンダ空間から吐出される前記冷媒は、前記冷却空間を通過した後に、前記圧縮機構から前記ケーシング内の空間へと吐出される、
請求項1に記載のロータリ圧縮機(100,100A)。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機を備えた、冷凍サイクル装置(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ロータリ圧縮機及びロータリ圧縮機を備えた冷凍サイクル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2010-53778号公報)のように、回転子に永久磁石が内蔵されているモータを用いたロータリ圧縮機が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1(特開2010-53778号公報)では、圧縮機構から吐出される高温の冷媒ガスがモータの回転子に向かって吹き出すため、回転子の永久磁石は高温にさらされる。高温の冷媒にさらされた永久磁石は、減磁を起こし、結果としてモータの性能が低下するおそれがある。
【0004】
このような観点から、モータの回転子の永久磁石が高温の冷媒ガスの影響を受けにくいロータリ圧縮機が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1観点に係るロータリ圧縮機は、モータと、圧縮機構と、ケーシングと、を備える。モータは、磁石が内蔵されている回転子を有する。圧縮機構は、シリンダと、ピストンと、を有する。シリンダは、シリンダ空間を形成する。ピストンは、モータにより駆動されてシリンダ空間で揺動し、シリンダ空間において冷媒を圧縮する。ケーシングは、モータ及び圧縮機構を収容する。ケーシングの下部には、冷凍機油が貯留されている。圧縮機構は、シリンダ空間から吐出される冷媒が通過する冷却部を有する。冷却部は、冷媒を冷凍機油で冷却する。冷媒は、冷却部を通過した後に、圧縮機構からケーシング内の空間へと吐出される。
【0006】
第1観点のロータリ圧縮機では、圧縮機構が、冷媒の圧縮後に、冷凍機油で冷却した冷媒をケーシング内の空間へと吐出するので、圧縮機構から吐出される冷媒の熱が磁石に与える影響を低減できる。
【0007】
第2観点に係るロータリ圧縮機は、第1観点のロータリ圧縮機であって、シリンダは、第1シリンダと、第2シリンダと、を含む。第1シリンダは、シリンダ空間としての第1シリンダ空間を形成する。第2シリンダは、シリンダ空間としての第2シリンダ空間を形成する。第2シリンダは、第1シリンダの下方に配置される。ピストンは、第1ピストンと、第2ピストンと、を含む。第1ピストンは、第1シリンダ空間において冷媒を圧縮する。第2ピストンは、第2シリンダ空間において冷媒を圧縮する。冷却部は、冷却空間を含む。冷却空間は、第2シリンダの下方であって、かつ、ケーシング内に貯留されている冷凍機油の油面より下方に配置される。第1シリンダ空間及び第2シリンダ空間から吐出される冷媒は、冷却空間を通過した後に、圧縮機構からケーシング内の空間へと吐出される。
【0008】
第2観点のロータリ圧縮機では、複数のシリンダ空間から吐出される冷媒が、冷却空間を通過した後に、ケーシング内へと吐出されるので、圧縮機構から吐出される冷媒の熱が磁石に与える影響を低減できる。
【0009】
第3観点に係るロータリ圧縮機は、第1観点のロータリ圧縮機であって、圧縮機構は、単一のシリンダと、単一のピストンと、を有する。冷却部は、冷却空間を含む。冷却空間は、シリンダの下方であって、かつ、ケーシング内に貯留されている冷凍機油の油面より下方に配置される。シリンダ空間から吐出される冷媒は、冷却空間を通過した後に、圧縮機構からケーシング内の空間へと吐出される。
【0010】
第3観点のロータリ圧縮機では、シリンダ空間から吐出される冷媒が、冷却空間を通過した後に、ケーシング内へと吐出されるので、圧縮機構から吐出される冷媒の熱が磁石に与える影響を低減できる。
【0011】
第4観点に係る冷凍サイクル装置は、第1観点から第3観点のいずれかに係るロータリ圧縮機を備える。
【0012】
第4観点の冷凍サイクル装置では、ロータリ圧縮機の回転子が磁石に与える影響を低減可能な、信頼性の高い冷凍サイクル装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】冷凍サイクル装置の一実施形態に係る空気調和装置の概略構成図である。
図2図1の空気調和装置で使用される、第1実施形態に係るロータリ圧縮機の概略縦断面図である。
図3図2のIII-III矢視の、ロータリ圧縮機の圧縮機構の概略断面図である。
図4】第1実施形態の変形例Aに係るロータリ圧縮機の概略縦断面図である。
図5図4のV-V矢視の、ロータリ圧縮機の圧縮機構の概略断面図である。
図6】第2実施形態に係る2シリンダ型のロータリ圧縮機の概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示のロータリ圧縮機及び、本開示のロータリ圧縮機を備える冷凍サイクル装置の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0015】
以下では、ロータリ圧縮機における位置や向きを説明するため、便宜上、「上」、「下」等の表現を用いる場合がある。また、以下では、「平行」、「直交」、「水平」、「垂直」、「同一」等の表現を用いる場合があるが、これらの表現は、厳密な意味に限定されず、実質的に「平行」、「直交」、「水平」、「垂直」、「同一」である場合を含む意味で用いられる。
【0016】
<第1実施形態>
(1)空気調和装置
ロータリ圧縮機の第1実施形態に係るロータリ圧縮機100を備えた、冷凍サイクル装置の一実施形態に係る空気調和装置1000について、図1を参照しながら説明する。図1は、空気調和装置1000の概略構成図である。
【0017】
冷凍サイクル装置は、蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用して、温度調整対象を冷却又は加熱する装置である。ここでは、冷凍サイクル装置が空気調和装置1000である場合を例に、冷凍サイクル装置を説明する。空気調和装置1000は、温度調整対象としての空調対象空間の空気を冷却したり加熱したりする。ただし、本開示の冷凍サイクル装置の種類は、空気調和装置に限定されるものではなく、給湯装置、床暖房装置、冷蔵装置等であってもよい。
【0018】
空気調和装置1000は、冷媒回路600を備える。冷媒回路600は、図1のように、ロータリ圧縮機100、流路切換機構250、熱源熱交換器300、利用熱交換器400、及び膨張機構500を有する。冷媒回路600では、ロータリ圧縮機100と、流路切換機構250と、熱源熱交換器300と、利用熱交換器400と、膨張機構500と、が、冷媒配管により接続されている。
【0019】
ロータリ圧縮機100は、冷凍サイクルにおける低圧(以後、単に低圧と呼ぶ場合がある)のガス冷媒を吸入して圧縮し、冷凍サイクルにおける高圧のガス冷媒(以後、単に高圧と呼ぶ場合がある)として吐出する装置である。ロータリ圧縮機100についての詳細は後述する。
【0020】
流路切換機構250は、冷媒回路600の状態を、冷房状態と、暖房状態と、の間で切り換える機構である。限定するものではないが、流路切換機構250は、四路切換弁である。冷媒回路600が冷房状態にある時、冷媒は、ロータリ圧縮機100、流路切換機構250、熱源熱交換器300、膨張機構500、利用熱交換器400、流路切換機構250、ロータリ圧縮機100の順に冷媒回路600を流れる(冷房状態時の、流路切換機構250による冷媒配管の接続状態については、図1の流路切換機構250内の実線参照)。冷媒回路600が暖房状態にある時、冷媒は、ロータリ圧縮機100、流路切換機構250、利用熱交換器400、膨張機構500、熱源熱交換器300、流路切換機構250、ロータリ圧縮機100の順に冷媒回路600を流れる(暖房時の、流路切換機構250による冷媒配管の接続状態については、図1の流路切換機構250内の破線参照)。
【0021】
熱源熱交換器300は、熱源となる媒体(例えば水や空気)と冷媒との間で熱交換を行わせる熱交換器である。
【0022】
利用熱交換器400は、温度調整対象(ここでは、空調対象空間の空気)と冷媒との間で熱交換を行わせる熱交換器である。
【0023】
膨張機構500は、膨張機構500を通過する高圧の冷媒を減圧し、低圧の冷媒にする。膨張機構500は、例えば電子膨張弁や、感温筒を有する温度自動膨張弁や、キャピラリチューブである。
【0024】
冷房運転時と暖房運転時との空気調和装置1000の動作について説明する。
【0025】
空気調和装置1000が冷房運転を行う場合、ロータリ圧縮機100は、低圧のガス冷媒を吸入して加圧し、高圧のガス冷媒として吐出する。ロータリ圧縮機100が吐出する高圧のガス冷媒は、流路切換機構250を通過して、凝縮器(放熱器)として機能する熱源熱交換器300に供給される。熱源熱交換器300は、熱源となる媒体と高圧のガス冷媒とを熱交換させて、高圧のガス冷媒を凝縮させ、高圧の液冷媒にする。熱源熱交換器300から流出する高圧の液冷媒は、膨張機構500を通過して低圧の気液二相冷媒となり、蒸発器(吸熱器)として機能する利用熱交換器400に供給される。利用熱交換器400は、空調対象空間の空気と低圧の気液二相冷媒とを熱交換させて、気液二相冷媒に含まれる液冷媒を蒸発させ、低圧のガス冷媒にする。この際、空調対象空間の空気は、冷媒により冷却される。利用熱交換器400から流出する低圧のガス冷媒は、流路切換機構250を通過し、ロータリ圧縮機100に再び吸入される。
【0026】
空気調和装置1000が暖房運転を行う場合、ロータリ圧縮機100は、低圧のガス冷媒を吸入して加圧し、高圧のガス冷媒として吐出する。ロータリ圧縮機100が吐出する高圧のガス冷媒は、流路切換機構250を通過して、凝縮器(放熱器)として機能する利用熱交換器400に供給される。利用熱交換器400は、空調対象空間の空気と高圧のガス冷媒とを熱交換させて、高圧のガス冷媒を凝縮させ、高圧の液冷媒にする。この際、空調対象空間の空気は、冷媒により加熱される。利用熱交換器400から流出する高圧の液冷媒は、膨張機構500を通過して低圧の気液二相冷媒となり、蒸発器(吸熱器)として機能する熱源熱交換器300に供給される。熱源熱交換器300は、熱源となる媒体と低圧の気液二相冷媒とを熱交換させて、気液二相冷媒に含まれる液冷媒を蒸発させ、低圧のガス冷媒にする。熱源熱交換器300から流出する低圧のガス冷媒は、流路切換機構250を通過し、ロータリ圧縮機100に再び吸入される。
【0027】
なお、ここでは、冷凍サイクル装置の一例としての空気調和装置1000が、冷房運転と暖房運転とを実行する装置である場合を例に説明したが、空気調和装置1000は、冷房運転と暖房運転との一方だけを行う装置であってもよい。この場合、空気調和装置1000は、流路切換機構250を有していなくてもよい。
【0028】
(2)ロータリ圧縮機の全体構成
ロータリ圧縮機100の全体構成について、図2及び図3を参照しながら説明する。図2は、ロータリ圧縮機100の概略の縦断面図である。図3は、ロータリ圧縮機100の圧縮機構50の、図2のIII-III矢視の概略断面図である。
【0029】
ロータリ圧縮機100は、空気調和装置1000の冷媒回路600から低圧の冷媒を吸入して圧縮し、高圧になった冷媒を冷媒回路600に吐出する機器である。ロータリ圧縮機100では、冷媒として例えばR32が使用される。ただし、冷媒の種類は、R32に限定されるものではなく、例えば、R410A,R1234yf、R1234ze(E)、R290,CO等であってもよい。
【0030】
ロータリ圧縮機100は、ケーシング20と、モータ30と、クランク軸40と、圧縮機構50と、を主に有する。ケーシング20には、モータ30と、クランク軸40と、圧縮機構50と、が収容されている。ケーシング20内には、モータ30がケーシング20の上下方向における中央部付近に配置されており、モータ30の下方に圧縮機構50が配置されている。
【0031】
(3)ロータリ圧縮機の詳細構成
(3-1)ケーシング
ケーシング20は、上下の端部が閉じられた、縦型円筒状の容器である。ケーシング20は、モータ30、クランク軸40、及び圧縮機構50を、内部に収容する。
【0032】
ケーシング20は、円筒部材22と、碗状の、上蓋24a及び下蓋24bと、を主に有する(図2参照)。円筒部材22は、上下が開口した円筒状の部材である。上蓋24aは、円筒部材22の上端に設けられ、円筒部材22の上側の開口端を閉じる。下蓋24bは、円筒部材22の下端に設けられ、円筒部材22の下側の開口端を閉じる。円筒部材22と、上蓋24a及び下蓋24bとは、気密を保つように溶接により固定されている。
【0033】
円筒部材22の下部には、吸入管26が設けられる(図2参照)。吸入管26は、圧縮機構50と、空気調和装置1000の冷媒回路600の配管と、を連通させる。冷媒回路600における低圧の冷媒は、冷媒回路600から、吸入管26を介して、圧縮機構50内に(具体的には、後述する圧縮機構50の圧縮室C1の低圧室C1aに)供給される。
【0034】
上蓋24aには、吐出管28が設けられている(図2参照)。吐出管28は、ケーシング20内の高圧空間S1と、冷媒回路600の配管と、を連通させる。ケーシング20内の高圧空間S1は、圧縮機構50により圧縮された高圧の冷媒が吐出される空間である。圧縮機構50により圧縮され、高圧空間S1に吐出された高圧の冷媒は、吐出管28から冷媒回路600に吐出される。
【0035】
ケーシング20の下部には、油溜空間25が形成されている(図2参照)。油溜空間25には、圧縮機構50等を潤滑するための冷凍機油が貯留される。通常の運転状態において、冷凍機油の油面OLは、圧縮機構50の後述するリアヘッド54より(リアヘッド54の下端より)高くに位置することが好ましい。例えば、冷凍機油の油面OLは、圧縮機構50のリアヘッド54の上端より高くに位置する。なお、ロータリ圧縮機100の通常の運転状態とは、ロータリ圧縮機100の運転が定常状態となった後に(始動時の運転を経た後に)、使用することが想定されている運転条件でロータリ圧縮機100が運転されている状態を意味する。
【0036】
(3-2)モータ
モータ30は、圧縮機構50を駆動する。
【0037】
モータ30は、図2に示すように、ケーシング20の上下方向における中央部に収容されている。モータ30は、圧縮機構50の上方に配置される。
【0038】
モータ30は、主として、固定子32と、回転子34と、を有する。
【0039】
固定子32は、筒状に形成されている。固定子32は、その外周面が、円筒部材22の内面とスポット溶接により固定されている。ただし、固定子32と円筒部材22との固定方法は例示であって、これに限定されるものではない。
【0040】
回転子34は、円筒状の部材である。回転子34は、環状に形成された固定子32の内側に、固定子32とわずかな隙間を隔てて配置される。
【0041】
回転子34は、主として、円筒形状のロータコア34bと、図示されない複数の永久磁石34aと、を有している。ロータコア34bは、環状の電磁鋼板が複数積層されて形成されている。ロータコア34bの中空部には、クランク軸40が挿嵌されている。永久磁石34aは、例えば板磁石である。複数の永久磁石34aは、回転子34の回転軸(図2中のO)を取り囲むように配置されている。言い換えれば、回転子34には、永久磁石34aが内蔵されている。
【0042】
回転子34は、固定子32に巻き付けられた図示しない巻線に電流が流されることで発生する回転磁界により回転する。回転子34が回転すると、クランク軸40が回転し、クランク軸40を介して、モータ30から圧縮機構50に駆動力が付与される。
【0043】
(3-3)クランク軸
クランク軸40は、上下方向に延び、圧縮機構50と、モータ30の回転子34とを連結する(図2参照)。
【0044】
クランク軸40は、図2に示すように、その上部がモータ30の回転子34と連結されている。また、クランク軸40は、図2に示すように、モータ30の下方で、圧縮機構50と連結されている。具体的には、クランク軸40は、クランク軸40の軸心Oに対して偏心している偏心部42を有する。偏心部42は、後述する圧縮機構50のピストン70と連結されている(図2参照)。より具体的には、偏心部42は、モータ30の力を伝達可能な状態で、円筒状のピストン70の内部に嵌っている。
【0045】
クランク軸40は、後述する圧縮機構50の、フロントヘッド52の上部軸受部52a及びリアヘッド54の下部軸受部54aによって、回転自在に支持されている。
【0046】
クランク軸40は、モータ30が駆動されると、軸心O周りに回転する。軸心Oに対して偏心している偏心部42は、偏心回転し、圧縮機構50のピストン70を公転させる。
【0047】
クランク軸40の下端部には、油溜空間25の冷凍機油を汲み上げるための油ポンプ44が設けられている。クランク軸40の内部には、油ポンプ44によって汲み上げられた冷凍機油が流れる給油通路(図示省略)が形成されている。給油通路は、クランク軸40に沿って上下方向に延びる主給油通路を有する。また、給油通路は、主給油通路からクランク軸40の径方向外方へ延びる複数の副給油通路(図示省略)を有する。副給油通路は、上部軸受部52aの下端付近、下部軸受部54aの上端付近、及び偏心部42においてクランク軸40の側面に開口し、複数の給油口(図示省略)を形成する。油溜空間25から油ポンプ44によって汲み上げられた冷凍機油は、主給油通路及び副給油経路を通過して、給油口から、クランク軸40と上部軸受部52a及び下部軸受部54aとの摺動部や、圧縮機構50の摺動部に供給される。
【0048】
(3-4)圧縮機構
圧縮機構50は、吸入管26を介して吸入する冷媒を圧縮し、高圧空間S1へと吐出する機構である。圧縮機構50は、シリンダ60、フロントヘッド52、リアヘッド54、ピストン70、ブッシュ80、及び冷却部90を主に有する(図2及び図3参照)。
【0049】
(3-4-1)シリンダ
シリンダ60は、両端(上下の端部)が開口しており、内部にピストン70を収容する部材である。
【0050】
シリンダ60の中央部には、シリンダ60を上下に貫通するように、円形状のシリンダ孔61が形成されている。シリンダ孔61の内周面は、シリンダ空間62の側方を囲む。クランク軸40の軸方向視において、シリンダ孔61の内周面は、シリンダ空間62の境界を規定する。シリンダ空間62には、円筒状のピストン70が収容される。ピストン70は、モータ30により駆動されて、シリンダ空間62において揺動する。
【0051】
シリンダ60のシリンダ孔61の中心から見て、シリンダ孔61の外周側には、第1孔63aが形成されている(図3参照)。第1孔63aは、シリンダ孔61と隣接して配置され、空間64aを形成する。また、シリンダ孔61の中心から見て、第1孔63aの外周側には、第2孔63bが形成されている(図3参照)。第2孔63bは、第1孔63aと隣接して配置され、空間64bを形成する。第1孔63a及び第2孔63bは、シリンダ60を上下に貫通するように形成されている。
【0052】
空間64aには、ブッシュ80が配置される。第1孔63aは、空間64aに配置されるブッシュ80を揺動可能に保持する。
【0053】
空間64a及び空間64bは、ブレード空間64として機能する。ブレード空間64は、シリンダ空間62と連通している。ピストン70が揺動し、ピストン70がシリンダ空間62内で公転する時に、ブレード空間64には、空間64aに配置されるブッシュ80により揺動可能に支持される、ピストン70と一体に形成されている後述するブレード74が出入りする。
【0054】
また、シリンダ60には、クランク軸40の軸方向と交差する方向に、シリンダ60の外周面からシリンダ孔61まで延びる吸入通路66が形成されている(図3参照)。吸入通路66は、シリンダ空間62と連通する。吸入通路66には、吸入管26の先端部が挿入される。冷媒回路600における低圧の冷媒は、吸入管26及び吸入通路66を介して、シリンダ空間62(特には、シリンダ空間62内に形成される後述の低圧室C1a)へと導かれる。
【0055】
さらに、シリンダ60には、シリンダ60のシリンダ孔61の中心から見て、シリンダ孔61の外側に、第3孔68が形成されている(図3参照)。図3で示す第3孔68の位置は例示に過ぎず、第3孔68を配置する位置は、適宜決定されればよい。第3孔68は、シリンダ孔61や、第1孔63a及び第2孔63bとは離れて配置されている。言い換えれば、第3孔68により形成される空間は、シリンダ空間62及びブレード空間64と、直接連通していない。第3孔68は、シリンダ60を上下に貫通するように形成されている。第3孔68は、後述する冷却部90の一部を形成する。
【0056】
(3-4-2)リアヘッド
リアヘッド54は、図2に示すように、シリンダ60の下方に配置される。
【0057】
リアヘッド54は、シリンダ60の一方の(下側の)端部(端部の開口)を閉塞する。具体的には、リアヘッド54は、シリンダ60のシリンダ孔61、第1孔63a、第2孔63bの下方の開口を塞ぐ。
【0058】
リアヘッド54は、圧縮室C1の底面を形成する。圧縮室C1は、シリンダ孔61の内周面と、シリンダ空間62に配置されるピストン70の外周面70aと、フロントヘッド52と、リアヘッド54と、に囲まれて形成される。圧縮機構50では、圧縮室C1において冷媒が圧縮される。
【0059】
リアヘッド54には、リアヘッド54を上下方向に貫通して延び、圧縮室C1と連通する吐出孔55が形成されている。図3中では、吐出孔55が二点鎖線で描画されている。
【0060】
また、リアヘッド54には、リアヘッド54を上下方向に貫通して延びる第1孔54bが形成されている。リアヘッド54の第1孔54bは、前述のシリンダ60の第3孔68と連通する。具体的には、リアヘッド54の第1孔54bは、クランク軸40の軸方向に沿って見た時に、前述のシリンダ60の第3孔68と少なくとも部分的に重なる位置に配置され、シリンダ60の第3孔68と連通する。また、第1孔54bは、後述するマフラ空間S2と連通する。リアヘッド54の第1孔54bは、後述する冷却部90の一部を構成する。
【0061】
前述の圧縮室C1は、低圧室C1aと、高圧室C1bと、に分けられる。
【0062】
高圧室C1bは、圧縮室C1のうち、吐出孔55の配置される側の空間(言い換えれば、吐出孔55と連通する空間)である。また、低圧室C1aは、圧縮室C1のうち、吐出孔55の配置されない側の空間(言い換えれば、吐出孔55とは連通しない空間)である。吸入通路66から圧縮室C1に導かれる冷媒は、まず低圧室C1aに流入する。その後、冷媒は、ピストン70の回転に伴って高圧室C1bに流入する。低圧室C1a及び高圧室C1bについては、後程、さらに詳しく説明する。
【0063】
リアヘッド54の下面には、マフラ56が取り付けられている。マフラ56は、リアヘッド54の下方に、マフラ空間S2を形成する。マフラ空間S2は、吐出孔55から冷媒が吐出される際に発生する騒音を低減するために設けられる。リアヘッド54には、吐出孔55の下方に吐出弁(図示省略)が設けられている。吐出弁は、高圧室C1bの圧力と後述するマフラ空間S2の圧力との圧力差で開く。吐出弁が開くと、高圧室C1bの冷媒は、吐出孔55を通ってマフラ空間S2に流入する。
【0064】
マフラ空間S2は、後述する冷却部90の冷却空間としても機能する。冷却空間としてのマフラ空間S2は、シリンダ60の下方に配置される。マフラ空間S2は、ロータリ圧縮機100の通常の運転状態において、少なくとも一部が冷凍機油により囲まれる。言い換えれば、マフラ空間S2を形成するマフラ56は、少なくとも一部分が冷凍機油と接している。
【0065】
好ましくは、冷却空間の一例としてのマフラ空間S2は、少なくともロータリ圧縮機100の通常の運転状態において、ケーシング20内に貯留されている冷凍機油の油面OLより下方に配置される。このように構成されることで、ロータリ圧縮機100の通常の運転状態において、マフラ空間S2を形成するマフラ56の外面の大半を冷凍機油と接触させることができる。
【0066】
より好ましくは、冷却空間の一例としてのマフラ空間S2は、常に(運転状態によらず)、ケーシング20内に貯留されている冷凍機油の油面OLより下方に配置されるように設計される。このように構成されることで、マフラ空間S2を形成するマフラ56の外面の大半を常に冷凍機油と接触させることができる。
【0067】
吐出孔55の下方に設けられている吐出弁が開くと、圧縮室C1で圧縮された冷媒は、吐出孔55を通ってマフラ空間S2に流入する。マフラ空間S2の周りには冷凍機油が存在するため、マフラ空間S2に吐出された冷媒は、冷凍機油により冷却される。
【0068】
マフラ空間S2は、前述の第1孔54bと連通している。圧縮室C1(高圧室C1b)から吐出されマフラ空間S2に流入した冷媒は、マフラ空間S2において冷凍機油により冷却され、第1孔54bを通って、シリンダ60の第3孔68へと流入する。
【0069】
リアヘッド54は、圧縮室C1の天面を形成するとともに、クランク軸40を軸支する軸受としても機能する。具体的には、リアヘッド54の下部には、クランク軸40が挿通される、円筒状の下部軸受部54aが設けられている。下部軸受部54aは、クランク軸40を回転自在に支持する。
【0070】
(3-4-3)フロントヘッド
フロントヘッド52は、図2に示すように、シリンダ60の上方に配置される。
【0071】
フロントヘッド52は、シリンダ60の一方の(上側の)端部(端部の開口)を閉塞する。具体的には、フロントヘッド52は、シリンダ60のシリンダ孔61、第1孔63a、第2孔63bの上方の開口を塞ぐ。フロントヘッド52は、圧縮室C1の天面を形成する。
【0072】
フロントヘッド52には、フロントヘッド52を上下方向に貫通して延びる第1孔52bが形成されている。フロントヘッド52の第1孔52bは、前述のシリンダ60の第3孔68と連通する。具体的には、フロントヘッド52の第1孔52bは、クランク軸40の軸方向に沿って見た時に、前述のシリンダ60の第3孔68と少なくとも部分的に重なる位置に配置され、シリンダ60の第3孔68と連通する。フロントヘッド52の第1孔52bは、圧縮機構50の外部の高圧空間S1とも連通している。フロントヘッド52の第1孔52bは、後述する冷却部90の一部を構成する。
【0073】
圧縮室C1(高圧室C1b)から吐出されマフラ空間S2に流入した冷媒は、前述のようにマフラ空間S2において冷凍機油により冷却され、リアヘッド54の第1孔54b及びシリンダ60の第3孔68を通って、フロントヘッド52の第1孔52bに流入し、第1孔52bを通って圧縮機構50からケーシング20内の(圧縮機構50の外部の)高圧空間S1へと吐出される。
【0074】
フロントヘッド52は、圧縮室C1の天面を形成するとともに、クランク軸40を軸支する軸受としても機能する。具体的には、フロントヘッド52の上部には、クランク軸40が挿通される、円筒状の上部軸受部52aが設けられている。上部軸受部52aは、クランク軸40を回転自在に支持する。
【0075】
(3-4-4)ピストン
ピストン70は、シリンダ空間62において揺動することで、冷媒を圧縮する部材である。なお、本実施形態では、ピストン70には、その外周面70aに、環状のピストン70の径方向に延びるブレード74が設けられている。ピストン70及びブレード74は、一体に形成されている。
【0076】
ピストン70は、クランク軸40の軸方向視において、環状形状を有する、円筒状の部材である。ピストン70の内部には、クランク軸40の偏心部42が嵌め込まれている(図2及び図3参照)。ピストン70は、モータ30により駆動されてクランク軸40が回転することで、シリンダ空間62において揺動する。
【0077】
ピストン70は、シリンダ60、フロントヘッド52、及びリアヘッド54と共に、圧縮室C1を形成する。クランク軸40が回転すると、ピストン70は、シリンダ孔61の内周面に沿って偏心回転運動を行い(シリンダ孔61の内周面に沿って公転し)、シリンダ60の吸入通路66を介して圧縮室C1に吸入される冷媒を圧縮する。言い換えれば、ピストン70は、圧縮室C1の形成されるシリンダ空間62において冷媒を圧縮する。
【0078】
ブレード74は、ピストン70と一体に形成されている板状の部材である。ブレード74は、ピストン70の自転を規制する機能を有する。ブレード74は、環状のピストン70の外周面70aと接続される連結部から、ピストン70から離れる方向に延びる。ブレード74は、ブレード空間64に少なくともその一部が配置される。ブレード74は、シリンダ60に形成される空間64aに配置された1対のブッシュ80により挟み込まれ、ブッシュ80により揺動可能に支持される。
【0079】
ブレード74は、圧縮室C1を、低圧室C1aと高圧室C1bとに区画する。低圧室C1aは、圧縮室C1のうち、ブレード74よりも吸入通路66側に配置される空間である。言い換えれば、低圧室C1aは、圧縮室C1のうち、吸入通路66と連通する空間である。高圧室C1bは、圧縮室C1のうち、ブレード74よりもフロントヘッド52に形成されている吐出孔55側に配置される空間である。言い換えれば、高圧室C1bは、圧縮室C1のうち、吐出孔55と連通する空間である。
【0080】
クランク軸40が回転し、シリンダ空間62においてピストン70が揺動すると、ブッシュ80により支持されるブレード74も揺動し、ピストン70の公転に応じて、ブレード74はブレード空間64を出入りする。
【0081】
(3-4-5)ブッシュ
圧縮機構50は、1対のブッシュ80を有する(図3参照)。ブッシュ80は、ブレード74を挟んで揺動可能に支持する部材である。
【0082】
ブッシュ80は、ブレード空間64の第1孔63aに配置される。各ブッシュ80は、半円筒形状(円柱を軸方向に沿って概ね2つに分割した形状)の部材である。1対のブッシュ80は、その間でブレード74を挟み、ブレード74を揺動可能に支持する。
【0083】
(3-4-6)冷却部
冷却部90は、シリンダ空間62(より具体的には、シリンダ空間62内に形成される圧縮室C1)から吐出される冷媒が通過し、冷媒を冷凍機油で冷却する。
【0084】
冷却部90は、主に、冷却空間の一例としてのマフラ空間S2と、リアヘッド54の第1孔54bと、シリンダ60の第3孔68と、フロントヘッド52の第1孔52bと、を含む。
【0085】
前述のように、マフラ空間S2は、ロータリ圧縮機100の通常の運転状態において、少なくとも一部が冷凍機油により囲まれる。好ましくは、マフラ空間S2は、少なくともロータリ圧縮機100の通常の運転状態において、ケーシング20内に貯留されている冷凍機油の油面OLより下方に配置される。より好ましくは、冷却空間の一例としてのマフラ空間S2は、常に(運転状態によらず)、ケーシング20内に貯留されている冷凍機油の油面OLより下方に配置される。高圧室C1bから冷却空間としてのマフラ空間S2に流入した冷媒は、マフラ空間S2の周りに存在する(マフラ56の周りに存在する)冷凍機油により冷却される。
【0086】
冷却部90の、リアヘッド54の第1孔54b、シリンダ60の第3孔68、及びフロントヘッド52の第1孔52bは、マフラ空間S2を通過した冷媒を、高圧空間S1(圧縮機構50から吐出される冷媒が流入するケーシング20内の空間)へと導く冷媒の通路として機能する。前述したように、シリンダ空間62の高圧室C1bから吐出される冷媒は、マフラ空間S2を通過して冷却された後に、リアヘッド54の第1孔54b、シリンダ60の第3孔68、及びフロントヘッド52の第1孔52bを通って、ケーシング20内の高圧空間S1へと吐出される。
【0087】
なお、リアヘッド54の第1孔54b、シリンダ60の第3孔68、及びフロントヘッド52の第1孔52bにより形成される空間は、これらの空間の周りに冷凍機油が存在するようにロータリ圧縮機100を設計すれば、冷媒の通路としてだけではなく、冷媒を冷却するための空間としても機能させることができる。
【0088】
また、ここでは、リアヘッド54、シリンダ60、及びフロントヘッド52に、上下方向に延びる孔(上下方向にだけ延びる冷媒の通路)が形成される場合を例に説明したが、リアヘッド54、シリンダ60、及び/又はフロントヘッド52には、上下方向だけではなく、水平方向にも延びるように、冷媒の通路が形成されてもよい。このような水平方向にも延びる冷媒の通路を設けて冷媒の流路を比較的長くし、なおかつ、このような冷媒の通路の周りに冷凍機油が存在するようにロータリ圧縮機100を設計すれば、リアヘッド54、シリンダ60、及び/又はフロントヘッド52に設けられた冷媒の通路でも、冷媒が冷却されやすくなる。
【0089】
(4)ロータリ圧縮機の動作
ロータリ圧縮機100の動作について説明する。
【0090】
ロータリ圧縮機100では、モータ30が運転され、回転子34が回転すると、クランク軸40が回転し偏心部42が偏心回転する。その結果、偏心部42が内部に嵌め込まれたピストン70がシリンダ60のシリンダ孔61に沿って公転する。ピストン70の自転は、ピストン70と一体に形成されたブレード74によって規制される。
【0091】
公転するピストン70の動きにより、以下のように、冷媒が、ロータリ圧縮機100の外部から吸入され、圧縮される。
【0092】
吸入行程について説明する。ピストン70が上死点にある状態から回転すると、吸入通路66から、低圧室C1aへの冷媒の吸入が開始される。クランク軸40の回転角が大きくなると、次第に、低圧室C1aの容積が増大し、低圧室C1aへ吸入される冷媒量が増加する。
【0093】
その後、吐出行程へと移行する。具体的には、低圧室C1aにおける冷媒の吸入が開始され、ピストン70が上死点まで回転すると、低圧室C1aにおける冷媒の閉じ込みが完了し、吸入通路66に連通していた低圧室C1aが、フロントヘッド52に形成された吐出孔55と連通する高圧室C1bとなる。高圧室C1bの冷媒の圧力は、ピストン70が回転し、高圧室C1bの体積減少に伴って上昇する。高圧室C1bの圧力とマフラ空間S2との圧力が所定の圧力関係になると、吐出孔55に設けられた図示しない吐出弁が開き、高圧室C1bの冷媒は、マフラ空間S2に吐出される。
【0094】
マフラ空間S2に吐出された冷媒は、冷却部90の冷却空間としてのマフラ空間S2の周囲に存在する冷凍機油により冷却される。マフラ空間S2で冷却された冷媒は、冷媒の通路であるリアヘッド54の第1孔54b、シリンダ60の第3孔68、及びフロントヘッド52の第1孔52bを通って、圧縮機構50の冷却部90から高圧空間S1に吐出される。高圧空間S1に流入した冷媒は、固定子32とケーシング20との間の隙間や、固定子32と回転子34との間の隙間を通って、吐出管28を介してロータリ圧縮機100の外部へと吐出される。
【0095】
(5)特徴
(5-1)
ロータリ圧縮機100は、モータ30と、圧縮機構50と、ケーシング20と、を備える。モータ30は、永久磁石34aが内蔵されている回転子34を有する。圧縮機構50は、シリンダ60と、ピストン70と、を有する。シリンダ60は、シリンダ空間62を形成する。ピストン70は、モータ30により駆動されてシリンダ空間62で揺動し、シリンダ空間62において冷媒を圧縮する。ケーシング20は、モータ30及び圧縮機構50を収容する。ケーシング20の下部には、冷凍機油が貯留されている。圧縮機構50は、シリンダ空間62から吐出される冷媒が通過する冷却部90を有する。冷却部90は、冷媒を冷凍機油で冷却する。冷媒は、冷却部90を通過した後に、圧縮機構50からケーシング20内の高圧空間S1へと吐出される。
【0096】
ロータリ圧縮機100では、圧縮機構50が、冷媒の圧縮後に、冷凍機油で冷却した冷媒をケーシング20内の高圧空間S1へと吐出するので、圧縮機構50から吐出される冷媒の熱が永久磁石34aに与える影響を低減できる。
【0097】
(5-2)
ロータリ圧縮機100では、圧縮機構50は、単一のシリンダ60と、単一のピストン70と、を有する。冷却部90は、冷却空間としてのマフラ空間S2を含む。マフラ空間S2は、シリンダ60の下方であって、かつ、ケーシング20内に貯留されている冷凍機油の油面OLより下方に配置される。シリンダ空間62から吐出される冷媒は、冷却空間としてのマフラ空間S2を通過した後に、圧縮機構50からケーシング20内の高圧空間S1へと吐出される。
【0098】
ロータリ圧縮機100では、シリンダ空間62から吐出される冷媒が、冷却空間としてのマフラ空間S2を通過した後に、ケーシング20内へと吐出されるので、圧縮機構50から吐出される冷媒の熱が永久磁石34aに与える影響を低減できる。
【0099】
(6)変形例
(6-1)変形例A
上記実施形態では、リアヘッド54に吐出孔55が設けられ、リアヘッド54の下面にマフラ56が取り付けられており、マフラ56の形成するマフラ空間S2が、冷却部90の冷却空間として機能する。
【0100】
ただし、本開示のロータリ圧縮機では、図4及び図5に示すロータリ圧縮機100Aのように、フロントヘッド52に吐出孔53が設けられ、フロントヘッド52の上部にマフラ56aが取り付けられていてもよい。なお、図4は、変形例Aに係るロータリ圧縮機100Aの概略縦断面図である。図5は、図4のV-V矢視の、ロータリ圧縮機100Aの圧縮機構50aの概略断面図である。
【0101】
このように構成される場合、マフラ56aの形成するマフラ空間S2aよりも上方に冷凍機油の油面OLが位置するような設計をすれば、マフラ空間S2aにおいて冷媒を冷却できる。ただし、マフラ56aの形成するマフラ空間S2aよりも上方に冷凍機油の油面OLを位置させる場合には、必要な冷凍機油の量が多くなる。
【0102】
そこで、冷却部の冷却空間をリアヘッド54の下方に設ける形態が考えられる。このような構成を有する圧縮機構50aを備えたロータリ圧縮機100Aについて以下に説明する。
【0103】
なお、ロータリ圧縮機100Aの、圧縮機構50a以外の構成は、ロータリ圧縮機100と同様であるため、ここでは圧縮機構50aについてのみ主に説明する。
【0104】
また、圧縮機構50aは、上記の圧縮機構50と同様な点も多いため、以下では、圧縮機構50aの、圧縮機構50との相違点を主に説明し、共通点についての説明は必要のない限り省略する。
【0105】
圧縮機構50aは、シリンダ60、フロントヘッド52、リアヘッド54、ピストン70、ブッシュ80、及び冷却部90aを主に有する(図4及び図5参照)。圧縮機構50aのピストン70及びブッシュ80は、上記実施形態の圧縮機構50におけるピストン70及びブッシュ80と同様の構成であるため、ここでは説明を省略する。
【0106】
以下では、圧縮機構50aのシリンダ60、フロントヘッド52、リアヘッド54、及び冷却部90aの、圧縮機構50のシリンダ60、フロントヘッド52、リアヘッド54、及び冷却部90との相違点について主に説明する。なお、ロータリ圧縮機100Aの説明では、ロータリ圧縮機100と概ね同様の構成については、同様の参照符号を用いる。
【0107】
(A)シリンダ
圧縮機構50aのシリンダ60は、多くの点で圧縮機構50aのシリンダ60と同様である。ただし、圧縮機構50aのシリンダ60には、シリンダ60のシリンダ孔61の中心から見て、シリンダ孔61の外側に、第3孔68に加え、第4孔69が形成されている(図4及び図5参照)。なお、図5に描画されている第3孔68及び第4孔69は、第3孔68及び第4孔69の位置を限定するものではなく、第3孔68及び第4孔69の位置は適宜決定されればよい。
【0108】
第4孔69は、シリンダ孔61、第1孔63a及び第2孔63b、及び第3孔68とは離れて配置されている。言い換えれば、第4孔69により形成される空間は、シリンダ空間62、ブレード空間64、及び第3孔68により形成される空間とは直接連通していない。第4孔69は、シリンダ60を上下に貫通するように形成されている。第4孔69は、後述する冷却部90aの一部を形成する。
【0109】
(B)リアヘッド
圧縮機構50aのリアヘッド54は、吐出孔55が形成されていない点で、圧縮機構50のリアヘッド54と相違する。
【0110】
また、圧縮機構50aのリアヘッド54には、圧縮機構50のリアヘッド54とは異なり、第1孔54bに加え、リアヘッド54を上下方向に貫通して延びる第2孔54cが形成されている。リアヘッド54の第2孔54cは、前述のシリンダ60の第4孔69と連通する。具体的には、リアヘッド54の第2孔54cは、クランク軸40の軸方向に沿って見た時に、前述のシリンダ60の第4孔69と少なくとも部分的に重なる位置に配置され、シリンダ60の第4孔69と連通する。リアヘッド54の第2孔54cは、後述する冷却部90aの一部を構成する。
【0111】
リアヘッド54の下面には、マフラ56に代えて、仕切板56bが取り付けられている。仕切板56bは、リアヘッド54の下方に、冷却空間S3を形成する。
【0112】
冷却空間S3は、リアヘッド54の第2孔54c、シリンダ60の第4孔59、及び後述するフロントヘッド52に形成される第2孔52cを介して、後述するマフラ空間S2aと連通している。また、冷却空間S3は、圧縮機構50のマフラ空間S2と同様に、リアヘッド54の第1孔54b、シリンダ60の第3孔68、及び後述するフロントヘッド52に形成される第1孔52bを介して、高圧空間S1と連通している。
【0113】
冷却空間S3は、前述の冷却部90のマフラ空間S2と異なり、騒音低減の機能は有さないが、前述の圧縮機構50のマフラ空間S2と同様に、冷却部90aの冷却空間として機能する。冷却空間S3は、シリンダ60の下方に配置される。冷却空間S3は、ロータリ圧縮機100の通常の運転状態において、少なくとも一部が冷凍機油により囲まれる。
【0114】
好ましくは、冷却空間S3は、少なくともロータリ圧縮機100の通常の運転状態において、ケーシング20内に貯留されている冷凍機油の油面OLより下方に配置される。このように構成されることで、ロータリ圧縮機100の通常の運転状態において、マフラ空間S2aを形成するリアヘッド54や仕切板56bの外面の大半を冷凍機油と接触させることができる。
【0115】
より好ましくは、冷却空間S3は、常に(運転状態によらず)、ケーシング20内に貯留されている冷凍機油の油面OLより下方に配置されるように設計される。このように構成されることで、冷却空間S3を形成するリアヘッド54や仕切板56bの外面の大半を常に冷凍機油と接触させることができる。
【0116】
冷却空間S3は、リアヘッド54の第2孔54c、シリンダ60の第4孔69、及び後述するフロントヘッド52に形成される第2孔52cを介して、後述するマフラ空間S2aと連通している。圧縮室C1で圧縮された冷媒は、マフラ空間S2aに吐出されると、後述するフロントヘッド52に形成される第2孔52c、シリンダ60の第4孔69、リアヘッド54の第2孔54cを通って、冷却空間S3に流入する。そして、冷却空間S3に流入した冷媒は、冷凍機油により冷却される。
【0117】
また、冷却空間S3は、上記実施形態のマフラ空間S2と同様に、リアヘッド54の第1孔54bと連通している。圧縮室C1(高圧室C1b)から吐出され、マフラ空間S2a等を介して冷却空間S3に流入した冷媒は、冷却空間S3において冷凍機油により冷却され、第1孔54bを通って、シリンダ60の第3孔68へと流入する。
【0118】
(C)フロントヘッド
圧縮機構50aのフロントヘッド52は、圧縮機構50のフロントヘッド52と、フロントヘッド52を上下方向に貫通して延び、圧縮室C1と連通する吐出孔53が形成される点で相違する。図5中では、フロントヘッド52に形成されている吐出孔53が二点鎖線で描画されている。
【0119】
また、圧縮機構50aのフロントヘッド52には、圧縮機構50のフロントヘッド52とは異なり、第1孔52bに加え、フロントヘッド52を上下方向に貫通して延びる第2孔52cが形成されている。フロントヘッド52の第2孔52cは、前述のシリンダ60の第4孔69と連通する。具体的には、フロントヘッド52の第2孔52cは、クランク軸40の軸方向に沿って見た時に、前述のシリンダ60の第4孔69と少なくとも部分的に重なる位置に配置され、シリンダ60の第4孔69と連通する。フロントヘッド52の第2孔52cは、後述する冷却部90aの一部を構成する。
【0120】
また、圧縮機構50aのフロントヘッド52の上面には、圧縮機構50のフロントヘッド52とは異なり、マフラ56aが取り付けられている。マフラ56aは、フロントヘッド52の上方に、マフラ空間S2aを形成する。マフラ空間S2aは、吐出孔53から冷媒が吐出される際に発生する騒音を低減するために設けられる。またフロントヘッド52には、吐出孔55の上方に吐出弁(図示省略)が設けられている。吐出弁は、高圧室C1bの圧力と後述するマフラ空間S2aの圧力との圧力差で開く。吐出弁が開くと、高圧室C1bの冷媒は、吐出孔53を通ってマフラ空間S2aに流入する。
【0121】
マフラ空間S2aは、冷却部90aの冷却空間としての機能は有さなくてもよい。
【0122】
マフラ空間S2aは、フロントヘッド52の第2孔52cと連通している。圧縮室C1(高圧室C1b)から吐出されマフラ空間S2aに流入した冷媒は、第2孔52cを通って、シリンダ60の第4孔69へと流入する。シリンダ60の第4孔69に流入した冷媒は、リアヘッド54の第2孔54cを通って冷却空間S3に流入する。
【0123】
(D)冷却部
冷却部90aは、シリンダ空間62(より具体的には、シリンダ空間62内に形成される圧縮室C1)から吐出される冷媒が通過し、冷媒を冷凍機油で冷却する。
【0124】
冷却部90aは、主に、冷却空間S3と、フロントヘッド52の第2孔52cと、シリンダ60の第4孔69と、リアヘッド54の第2孔54cと、リアヘッド54の第1孔54bと、シリンダ60の第3孔68と、フロントヘッド52の第1孔52bと、を含む。
【0125】
冷却部90aの、フロントヘッド52の第2孔52c、シリンダ60の第4孔69、及びリアヘッド54の第2孔54cは、マフラ空間S2aの冷媒を、冷却空間S3へと導く冷媒の通路として機能する。
【0126】
冷却空間S3は、ロータリ圧縮機100の通常の運転状態において、少なくとも一部が冷凍機油により囲まれる。好ましくは、冷却空間S3は、少なくともロータリ圧縮機100の通常の運転状態において、ケーシング20内に貯留されている冷凍機油の油面OLより下方に配置される。より好ましくは、冷却空間S3は、常に(運転状態によらず)、ケーシング20内に貯留されている冷凍機油の油面OLより下方に配置される。高圧室C1bからマフラ空間S2を経て冷却空間S3に流入した冷媒は、冷却空間S3の周りに存在する冷凍機油により冷却される。
【0127】
冷却部90の、リアヘッド54の第1孔54b、シリンダ60の第3孔68、及びフロントヘッド52の第1孔52bは、冷却空間S3を通過した冷媒を、ケーシング20内であって圧縮機構50の外部の高圧空間S1へと導く冷媒の通路として機能する。
【0128】
なお、フロントヘッド52の第2孔52cと、シリンダ60の第4孔69と、リアヘッド54の第2孔54cと、リアヘッド54の第1孔54b、シリンダ60の第3孔68、及びフロントヘッド52の第1孔52bのそれぞれにより形成される空間は、これらの空間の周りに冷凍機油が存在するようにロータリ圧縮機100を設計することで、冷媒の通路としてだけではなく、冷媒を冷却するための空間としても機能させることができる。
【0129】
また、ここでは、リアヘッド54、シリンダ60、及びフロントヘッド52に、上下方向に延びる孔(上下方向にだけ延びる冷媒の通路)が形成される場合を例に説明したが、リアヘッド54、シリンダ60、及び/又はフロントヘッド52には、上下方向だけではなく、水平方向にも延びるように、冷媒の通路が形成されてもよい。このような水平方向にも延びる冷媒の通路を設けて冷媒の流路を比較的長くし、なおかつ、このような冷媒の通路の周りに冷凍機油が存在するようにロータリ圧縮機100を設計すれば、リアヘッド54、シリンダ60、及び/又はフロントヘッド52に設けられた冷媒の通路でも、冷媒を冷却することが容易になる。
【0130】
<第2実施形態>
ロータリ圧縮機の第1実施形態に係るロータリ圧縮機200について説明する。なお、ロータリ圧縮機200の使用される冷凍サイクル装置は、第1実施形態のロータリ圧縮機100の使用される冷凍サイクル装置と同様であるので、ロータリ圧縮機200以外についての説明は省略する。
【0131】
(1)ロータリ圧縮機の全体構成
ロータリ圧縮機200の全体構成について、図6を参照しながら説明する。図6は、ロータリ圧縮機200の概略縦断面図である。
【0132】
ロータリ圧縮機200は、2シリンダ型のロータリ圧縮機である点で、第1実施形態のロータリ圧縮機100と異なる。
【0133】
ロータリ圧縮機200は、ケーシング120と、モータ30と、クランク軸140と、圧縮機構150と、を主に有する。
【0134】
ケーシング120は、円筒部材22の下部に、2本の吸入管26(吸入管26a及び吸入管26b)が挿入される点を除き、第1実施形態のロータリ圧縮機100のケーシング20と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0135】
モータ30は、第1実施形態のロータリ圧縮機100のモータ30と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0136】
クランク軸140は、図6に示すように、2つの偏心部42a,42bを有する。その他の点については、クランク軸140は、第1実施形態のロータリ圧縮機100のクランク軸40と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0137】
(2)圧縮機構
圧縮機構150は、2つのシリンダ160a,160bを有する2シリンダ型の圧縮機構である。圧縮機構150は、吸入管26a,26bから吸入された冷媒を圧縮して吐出する。以下では、冷却部190に関係する内容以外をまず説明し、その後に冷却部190について説明する。
【0138】
なお、圧縮機構150は、2つのシリンダ160a,160b及び2つのピストン170a,170bを有する点以外は、圧縮機構50との共通点も多い。また、2シリンダ型の圧縮機構の基本的な構造や機能については、一般に知られている。そのため、冷却部190については詳述するが、圧縮機構150については簡単に説明する。
【0139】
圧縮機構150は、図1のように、第1シリンダ160a、第1ピストン170a、第2シリンダ160b、第2ピストン170b、フロントヘッド152、ミドルプレート155、リアヘッド154、フロントマフラ156a、及びリアマフラ156bを主に有する。第1シリンダ160a及び第1ピストン170aは、フロントヘッド152の下方に配置される。ミドルプレート155は、第1シリンダ160a及び第1ピストン170aと、第2シリンダ160b及びピストン170bと、の間に配置される。リアヘッド154は、第2シリンダ160b及びピストン170bの下方に配置される。フロントマフラ156aは、フロントヘッド152の上部に取り付けられる。リアマフラ156bは、リアヘッド154の下部に取り付けられる。
【0140】
(2-1)第1シリンダ
第1シリンダ160aには、第1実施形態のシリンダ60のシリンダ孔61、吸入通路66、第1孔63a、及び第2孔63bと同様の孔・通路が形成されている。第1シリンダ160aには、第1実施形態のシリンダ60のシリンダ空間62と同様のシリンダ空間162aが形成されている。また、第1シリンダ160aには、第1実施形態のブレード空間64と同様の空間が形成されている。第1シリンダ160aの吸入通路には、2本の吸入管26のうち、吸入管26aが接続される。
【0141】
第1シリンダ160aのシリンダ空間162aは、第1シリンダ160a、フロントヘッド152及びミドルプレート155により周囲を囲まれる空間である。第1シリンダ160aのシリンダ空間162a内には、第1ピストン170aが配置され、これによりシリンダ空間162aには圧縮室C11が形成される。
【0142】
第1シリンダ160aの第1孔には、第1実施形態のシリンダ60の第1孔63aに配置されるブッシュ80と同様のブッシュが揺動可能に配置されている。
【0143】
(2-2)第1ピストン
第1ピストン170aが、第1シリンダ160a内に配置されることで、第1シリンダ160aのシリンダ空間162a内には圧縮室C11が形成される。第1ピストン170aが、偏心回転運動することで、圧縮室C11の低圧室(第1実施形態における低圧室C1aに相当)に吸入された冷媒が、圧縮室C11の高圧室(第1実施形態における高圧室C1bに相当)で圧縮される。
【0144】
第1ピストン170aは、第1実施形態におけるピストン70と同様の形状・構造を有する。ここでは詳細な説明は省略する。
【0145】
第1ピストン170aには、クランク軸40の第1偏心部42aが挿嵌される。クランク軸40が回転すると、第1ピストン170aは、第1シリンダ160aのシリンダ空間162a内で揺動し、圧縮室C11において冷媒が圧縮される。圧縮室C11で圧縮された冷媒は、後述するフロントヘッド152に形成された吐出孔(第1実施形態の変形例Aにおける吐出孔53と同様の孔)から、後述するマフラ空間S11に吐出される。
【0146】
(2-3)第2シリンダ
第2シリンダ160bには、第1実施形態のシリンダ60のシリンダ孔61、吸入通路66、第1孔63a、及び第2孔63bと同様の孔・通路が形成されている。第2シリンダ160bには、第1実施形態のシリンダ60のシリンダ空間62と同様のシリンダ空間162bが形成されている。また、第2シリンダ160bには、第1実施形態のブレード空間64と同様の空間が形成されている。第2シリンダ160bの吸入通路には、2本の吸入管26のうち、吸入管26bが接続される。
【0147】
第2シリンダ160bのシリンダ空間162bは、第2シリンダ160b、ミドルプレート155及びリアヘッド154により周囲を囲まれる空間である。第2シリンダ160bのシリンダ空間162b内には、第2ピストン170bが配置され、これによりシリンダ空間162bには圧縮室C12が形成される。
【0148】
第2シリンダ160bの第1孔には、第1実施形態のシリンダ60の第1孔63aに配置されるブッシュ80と同様のブッシュが揺動可能に配置されている。
【0149】
(2-4)第2ピストン
第2ピストン170bが、第2シリンダ160b内に配置されることで、第2シリンダ160bのシリンダ空間162b内には圧縮室C12が形成される。第2ピストン170bが、偏心回転運動することで、圧縮室C12の低圧室(第1実施形態における低圧室C1aに相当)に吸入された冷媒が、圧縮室C12の高圧室(第1実施形態における高圧室C1bに相当)で圧縮される。
【0150】
第2ピストン170bは、第2実施形態におけるピストン70と同様の形状・構造を有する。ここでは詳細な説明は省略する。
【0151】
第2ピストン170bには、クランク軸40の第2偏心部42bが挿嵌される。クランク軸40が回転すると、第2ピストン170bは、第2シリンダ160bのシリンダ空間162b内で揺動し、圧縮室C12において冷媒が圧縮される。圧縮室C12で圧縮された冷媒は、後述するリアヘッド154に形成された吐出孔(第1実施形態における吐出孔55と同様の孔)から、後述するマフラ空間S12に吐出される。
【0152】
(2-5)ミドルプレート
ミドルプレート155は、図1のように、第1シリンダ160aと第2シリンダ160bとの間に配置される。ミドルプレート155は、第1シリンダ160aのシリンダ空間162aの下方の開口を閉塞し、第2シリンダ160bのシリンダ空間162bの上方の開口を閉塞する。
【0153】
(2-6)フロントヘッド
フロントヘッド152は、第1シリンダ160aの上方に配置される。フロントヘッド152は、第1シリンダ160aのシリンダ空間162aの上方の開口を閉塞する。また、フロントヘッド152には、上下方向に延びるクランク軸40を軸支する上部軸受部152aが一体に形成されている。
【0154】
フロントヘッド152には、第1ピストン170aの揺動によって圧縮された、第1シリンダ160aの圧縮室C11の高圧室内の冷媒を、後述するマフラ空間S11に吐出させるための吐出孔(第1実施形態の変形例Aにおける吐出孔53に相当)が形成されている。吐出孔は、フロントヘッド152を上下方向に貫通するように形成され、この上方には、図示しない吐出弁が配置される。
【0155】
(2-7)リアヘッド
リアヘッド154は、第2シリンダ160bの下方に配置される。リアヘッド154は、第2シリンダ160bのシリンダ空間162bの下方の開口を閉塞する。また、リアヘッド154には、上下方向に延びるクランク軸40を軸支する下部軸受部154aが一体に形成されている。
【0156】
リアヘッド154には、第2ピストン170bの揺動によって圧縮された、第2シリンダ160bの圧縮室C12の高圧室内の冷媒を、後述するマフラ空間S12に吐出させるための吐出孔(第1実施形態における吐出孔55に相当)が形成されている。吐出孔は、リアヘッド154を上下方向に貫通するように形成され、この下方には、図示しない吐出弁が配置される。
【0157】
(2-8)フロントマフラ
フロントマフラ156aは、フロントヘッド152の上方に設けられ、フロントマフラ156aとフロントヘッド152との間にマフラ空間S11を形成する。マフラ空間S11が形成されることで、第1シリンダ160aの圧縮室C11からの冷媒の吐出に伴う騒音が低減される。
【0158】
(2-9)リアマフラ
リアマフラ156bは、リアヘッド154の下方に設けられ、リアマフラ156bとリアヘッド154との間にマフラ空間S12を形成する。マフラ空間S12が形成されることで、第2シリンダ160bの圧縮室C12からの冷媒の吐出に伴う騒音が低減される。
【0159】
なお、マフラ空間S12は、冷却部190における冷却空間として機能する。
【0160】
(2-10)冷却部
冷却部190は、第1シリンダ160aのシリンダ空間162a及び第2シリンダ160bのシリンダ空間162b(より具体的には、シリンダ空間162a,162b内に形成される圧縮室C11,C12)から吐出される冷媒が通過し、冷媒を冷凍機油で冷却する。
【0161】
冷却部90は、主に、冷却空間の一例としてのマフラ空間S12と、フロントヘッド152の第2孔152c、第1シリンダ160aの第4孔69a、ミドルプレート155の第2孔155b、第2シリンダ160bの第4孔69b、リアヘッド154の第2孔154c、リアヘッド154の第1孔154b、第2シリンダ160bの第3孔68b、ミドルプレート155の第1孔155a、第1シリンダ160aの第3孔68a、及びフロントヘッド152の第1孔152bを含む。第2孔152c、第4孔69a、第2孔155b、第4孔69b、第2孔154c、第1孔154b、第3孔68b、第1孔155a、第3孔68a、及び第1孔152bは、いずれも、孔の形成されている部材を上下方向に延びる孔である。第2孔152c、第4孔69a、第2孔155b、第4孔69b、第2孔154c、第1孔154b、第3孔68b、第1孔155a、第3孔68a、及び第1孔152bは、圧縮室C11,C12とは直接連通しておらず、後述するように、マフラ空間S11からマフラ空間S12へと冷媒を導く冷媒の通路、又は、マフラ空間S12から高圧空間S1へと冷媒を導く冷媒の通路として機能する。
【0162】
フロントヘッド152の第2孔152c、第1シリンダ160aの第4孔69a、ミドルプレート155の第2孔155b、第2シリンダ160bの第4孔69b、リアヘッド154の第2孔154cは、互いに連通している。詳細に言えば、第2孔152cは第4孔69aと連通し、第4孔69aは第2孔155bと連通し、第2孔155bは第4孔69bと連通し、第4孔69bは第2孔154cと連通している。フロントヘッド152の第2孔152c、第1シリンダ160aの第4孔69a、ミドルプレート155の第2孔155b、第2シリンダ160bの第4孔69b、リアヘッド154の第2孔154cは、第1シリンダ160aの圧縮室C11(圧縮室C11の高圧室)からマフラ空間S11に流入した冷媒を、マフラ空間S12に導く冷媒の通路として機能し、マフラ空間S11から流出する冷媒は、第2孔152c、第4孔69a、第2孔155b、第4孔69b、第2孔154cをこの順番で流れて、マフラ空間S12へと流入する。
【0163】
マフラ空間S12は、第1実施形態のマフラ空間S2と同様に、ロータリ圧縮機200の通常の運転状態において、少なくとも一部が冷凍機油により囲まれる。好ましくは、マフラ空間S12は、少なくともロータリ圧縮機100の通常の運転状態において、ケーシング20内に貯留されている冷凍機油の油面OLより下方に配置される。例えば、冷凍機油の油面OLは、少なくともロータリ圧縮機100の通常の運転状態において、第2シリンダ160bの下面より上方に位置する。より好ましくは、冷却空間の一例としてのマフラ空間S2は、常に(運転状態によらず)、ケーシング20内に貯留されている冷凍機油の油面OLより下方に配置される。圧縮室C11からマフラ空間S11を介して冷却空間としてのマフラ空間S12に流入する冷媒と、圧縮室C12からマフラ空間S12に流入する冷媒とは、マフラ空間S2の周りに存在する(マフラ56の周りに存在する)冷凍機油により冷却される。
【0164】
リアヘッド154の第1孔154b、第2シリンダ160bの第3孔68b、ミドルプレート155の第1孔155a、第1シリンダ160aの第3孔68a、及びフロントヘッド152の第1孔152bは、互いに連通している。詳細に言えば、第1孔154bは第3孔68bと連通し、第3孔68bは第1孔155aと連通し、第1孔155aは第3孔68aと連通し、第3孔68aは第1孔152bと連通している。リアヘッド154の第1孔154b、第2シリンダ160bの第3孔68b、ミドルプレート155の第1孔155a、第1シリンダ160aの第3孔68a、及びフロントヘッド152の第1孔152bは、マフラ空間S12で冷却された冷媒を、ケーシング20内の(圧縮機構150外の)高圧空間S1へと導く冷媒の通路として機能する。マフラ空間S12の冷媒は、第1孔154b、第3孔68b、第1孔155a、第3孔68a、第1孔152bをこの順番で流れて、高圧空間S1へと流入する。
【0165】
なお、フロントヘッド152の第2孔152c、第1シリンダ160aの第4孔69a、ミドルプレート155の第2孔155b、第2シリンダ160bの第4孔69b、リアヘッド154の第2孔154c、リアヘッド154の第1孔154b、第2シリンダ160bの第3孔68b、ミドルプレート155の第1孔155a、第1シリンダ160aの第3孔68a、及びフロントヘッド152の第1孔152bにより形成される空間は、これらの空間の周りに冷凍機油が存在するようにロータリ圧縮機200を設計することで、冷媒の通路としてだけではなく、冷媒を冷却するための空間としても機能させることができる。
【0166】
また、ここでは、フロントヘッド152、第1シリンダ160a、ミドルプレート155、第2シリンダ160b、及びリアヘッド154に、上下方向に延びる孔(上下方向にだけ延びる冷媒の通路)が形成される場合を例に説明したが、フロントヘッド152、第1シリンダ160a、ミドルプレート155、第2シリンダ160b、及び/又はリアヘッド154には、上下方向だけではなく、水平方向にも延びるように、冷媒の通路が形成されてもよい。このような水平方向にも延びる冷媒の通路を設けて冷媒の流路を比較的長くし、なおかつ、このような冷媒の通路の周りに冷凍機油が存在するようにロータリ圧縮機200を設計すれば、フロントヘッド152、第1シリンダ160a、ミドルプレート155、第2シリンダ160b、及び/又はリアヘッド154に設けられた冷媒の通路でも、冷媒を冷却することができる。
【0167】
また、ここでは、マフラ空間S12を冷却部190の冷却空間として使用する場合を例に説明したが、圧縮機構50aには、圧縮機構50aの下部に、マフラ空間S12とは別に、シリンダ空間162a及びシリンダ空間162bから吐出された冷媒を受け取り、冷凍機油で冷媒を冷却する冷却部190の冷却空間が設けられてもよい。
【0168】
(3)ロータリ圧縮機の動作
ロータリ圧縮機200の動作について説明する。
【0169】
ロータリ圧縮機200では、モータ30が運転され、回転子34が回転すると、クランク軸40が回転し偏心部42a,42bが偏心回転する。その結果、第1偏心部42aが内部に嵌め込まれた第1ピストン170aが第1シリンダ160aのシリンダ孔に沿って公転する。第2偏心部42bが内部に嵌め込まれた第2ピストン170bが第2シリンダ160bのシリンダ孔に沿って公転する。ピストン170a,170bの自転は、ピストン170a,170bと一体に形成されたブレードによって規制される。
【0170】
公転するピストン170a,170bの動きにより、圧縮室C11では吸入管26aから流入した冷媒が、圧縮室C12では吸入管26bから流入した冷媒が、それぞれ圧縮される。
【0171】
圧縮室C11で圧縮された冷媒は、マフラ空間S11に吐出される。マフラ空間S11に吐出された冷媒は、フロントヘッド152の第2孔152c、第1シリンダ160aの第4孔69a、ミドルプレート155の第2孔155b、第2シリンダ160bの第4孔69b、リアヘッド154の第2孔154cを通って、マフラ空間S12に流入する。また、圧縮室C12で圧縮された冷媒は、マフラ空間S12に流入する。
【0172】
マフラ空間S12に流入した冷媒は、冷却部90の冷却空間としてのマフラ空間S12の周囲に存在する冷凍機油により冷却される。マフラ空間S12で冷却された冷媒は、冷媒の通路であるリアヘッド154の第1孔154b、第2シリンダ160bの第3孔68b、ミドルプレート155の第1孔155a、第1シリンダ160aの第3孔68a、及びフロントヘッド152の第1孔152bを通って、圧縮機構150の冷却部190から高圧空間S1に吐出される。高圧空間S1に流入した冷媒は、固定子32とケーシング20との隙間や、固定子32と回転子34との隙間を通って、吐出管28を介してロータリ圧縮機100の外部へと吐出される。
【0173】
(4)特徴
(4-1)
ロータリ圧縮機200は、モータ30と、圧縮機構150と、ケーシング120と、を備える。モータ30は、永久磁石34aが内蔵されている回転子34を有する。圧縮機構150は、シリンダ160a,160bと、ピストン170a,170bと、を有する。シリンダ160a,160bは、シリンダ空間162a,162bを形成する。ピストン170a,170bは、モータ30により駆動されてシリンダ空間162a,162bで揺動し、シリンダ空間162a,162bにおいて冷媒を圧縮する。ケーシング120は、モータ30及び圧縮機構150を収容する。ケーシング20の下部には、冷凍機油が貯留されている。圧縮機構150は、シリンダ空間162a,162bから吐出される冷媒が通過する冷却部190を有する。冷却部190は、冷媒を冷凍機油で冷却する。冷媒は、冷却部190を通過した後に、圧縮機構150からケーシング120内の高圧空間S1へと吐出される。
【0174】
ロータリ圧縮機200では、圧縮機構150が、冷媒の圧縮後に、冷凍機油で冷却した冷媒をケーシング120内の高圧空間S1へと吐出するので、圧縮機構150から吐出される冷媒の熱が永久磁石34aに与える影響を低減できる。
【0175】
(4-2)
ロータリ圧縮機100では、シリンダは、第1シリンダ160aと、第2シリンダ160bと、を含む。第1シリンダ160aは、シリンダ空間としての第1シリンダ空間162aを形成する。第2シリンダ160bは、シリンダ空間としての第2シリンダ空間162bを形成する。第2シリンダ160bは、第1シリンダ160aの下方に配置される。ピストンは、第1ピストン170aと、第2ピストン170bと、を含む。第1ピストン170aは、第1シリンダ空間162aにおいて冷媒を圧縮する。第2ピストン170bは、第2シリンダ空間162bにおいて冷媒を圧縮する。冷却部190は、冷却空間の一例としてのマフラ空間S12を含む。マフラ空間S12は、第2シリンダ160bの下方であって、かつ、ケーシング20内に貯留されている冷凍機油の油面OLより下方に配置される。第1シリンダ空間162a及び第2シリンダ空間162bから吐出される冷媒は、マフラ空間S12を通過した後に、圧縮機構150からケーシング20内の高圧空間S1へと吐出される。
【0176】
ロータリ圧縮機100では、複数のシリンダ空間162a,162bから吐出される冷媒が、冷却空間としてのマフラ空間S12を通過した後に、ケーシング120内へと吐出されるので、圧縮機構150から吐出される冷媒の熱が永久磁石34aに与える影響を低減できる。
【0177】
(5)変形例
第1実施形態及び第2実施形態では、ピストンとブレードとが一体化されたロータリ圧縮機100,100A,200を例に説明をしたが、本開示のロータリ圧縮機は、このようなタイプに限定されるものではない。本開示のロータリ圧縮機は、ピストンと、ピストンとは別体で、弾性力によりピストンの外周に押圧されるベーンと、を備えたロータリ圧縮機であってもよい。
【0178】
<付記>
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0179】
20 ケーシング
30 モータ
34 回転子
34a 永久磁石
50 圧縮機構
50a 圧縮機構
60 シリンダ
62 シリンダ空間
70 ピストン
90 冷却部
90a 冷却部
100 ロータリ圧縮機
100A ロータリ圧縮機
150 圧縮機構
160a 第1シリンダ(シリンダ)
160b 第2シリンダ(シリンダ)
162a シリンダ空間(第1シリンダ空間)
162b シリンダ空間(第2シリンダ空間)
170a 第1ピストン(ピストン)
170b 第2ピストン(ピストン)
190 冷却部
200 ロータリ圧縮機
S1 高圧空間(ケーシング内の空間)
S2 マフラ空間(冷却空間)
S3 冷却空間
S12 マフラ空間(冷却空間)
1000 空気調和装置(冷凍サイクル装置)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0180】
【特許文献1】特開2010-53778号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6