(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173491
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】連携業務支援システム及び連携業務支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091940
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000169499
【氏名又は名称】高砂熱学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】古川 潤
(72)【発明者】
【氏名】上野 淳一郎
(72)【発明者】
【氏名】福田 航
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】建築設備の資機材の作業工程におけるBIMデータとの連携を可能とする連携業務支援システム及び連携業務支援方法を提供すること。
【解決手段】識別情報が読み取り可能に記録された識別部材を利用し、作業工程における資機材に関する情報を記録管理する集中生産システムと、BIMデータを用いて管理を行う設計支援システムと、が業務を連携する連携業務支援システムであって、資機材に貼り付けられた識別部材の識別情報を管理する手段と、作業工程において識別部材から読み取られた識別情報に従い、資機材に関する情報をデータベースから読み出して、作業者の情報処理端末に表示させる手段と、識別部材から読み取られた識別情報と対応付けられた資機材に関する情報を、作業工程の内容に応じて更新する手段と、資機材に関する情報を集中生産システムと設計支援システムとで連携する手段と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報が読み取り可能に記録された識別部材を利用し、建築設備の資機材の計画、調達、生産、加工、施工、及び運用の作業工程における前記資機材に関する情報を記録管理する集中生産システムと、BIMデータを用いて管理を行う設計支援システムと、が業務を連携する連携業務支援システムであって、
前記資機材に貼り付けられた前記識別部材の前記識別情報と、前記識別部材が貼り付けられた前記資機材に関する情報と、を対応付けるデータベースを管理するデータベース管理手段と、
前記作業工程において前記識別部材から読み取られた前記識別情報に従い、前記識別情報と対応付けられた前記資機材に関する情報を前記データベースから読み出して、前記作業工程における作業者の情報処理端末に表示させる表示制御手段と、
前記作業工程において前記識別部材から読み取られた前記識別情報に従い、前記データベースに記憶されている前記識別情報と対応付けられた前記資機材に関する情報を、前記作業工程の内容に応じて更新する資機材情報更新手段と、
前記資機材に関する情報を前記集中生産システムと前記設計支援システムとで連携する連携手段と、
を有する連携業務支援システム。
【請求項2】
前記連携手段は、前記集中生産システムが記録管理する前記資機材に関する情報を前記集中生産システムから前記設計支援システムに提供する
請求項1記載の連携業務支援システム。
【請求項3】
前記連携手段は、前記集中生産システムが記録管理する前記資機材に貼り付けられた前記識別部材の前記識別情報を前記集中生産システムから前記設計支援システムに提供する
請求項1又は2記載の連携業務支援システム。
【請求項4】
前記連携手段は、前記BIMデータを前記設計支援システムから前記集中生産システムに提供し、
前記集中生産システムは、前記BIMデータに基づき、前記資機材に関する情報を前記データベースに記録する
請求項1又は2記載の連携業務支援システム。
【請求項5】
前記資機材に関する情報には、複数の前記資機材を組み付けて一体化したユニットに関する情報が含まれ、
前記集中生産システムは、前記BIMデータに含まれていた前記ユニットに関する情報を、組み付けて一体化された前記ユニットの複数の前記資機材にばらして前記データベースに記録する
請求項4記載の連携業務支援システム。
【請求項6】
前記資機材に関する情報には、複数の前記資機材を一纏めにしたアソートに関する情報が含まれ、
前記集中生産システムは、前記BIMデータに含まれていた前記設計支援システムのグループ化の機能により纏められた複数の前記資機材の情報を利用して、前記データベースに前記アソートに関する情報を記録する
請求項4記載の連携業務支援システム。
【請求項7】
前記設計支援システムは、BIMデータを用いて管理を行うBIMシステム、又は前記BIMシステムの連携ツールである
請求項1又は2記載の連携業務支援システム。
【請求項8】
識別情報が読み取り可能に記録された識別部材を利用し、建築設備の資機材の計画、調達、生産、加工、施工、及び運用の作業工程における前記資機材に関する情報を記録管理する集中生産システムと、BIMデータを用いて管理を行う設計支援システムと、が業務を連携する連携業務支援システムが行う連携業務支援方法であって、
前記資機材に貼り付けられた前記識別部材の前記識別情報と、前記識別部材が貼り付けられた前記資機材に関する情報と、を対応付けるデータベースを管理するデータベース管理手順と、
前記作業工程において前記識別部材から読み取られた前記識別情報に従い、前記識別情報と対応付けられた前記資機材に関する情報を前記データベースから読み出して、前記作業工程における作業者の情報処理端末に表示させる表示制御手順と、
前記作業工程において前記識別部材から読み取られた前記識別情報に従い、前記データベースに記憶されている前記識別情報と対応付けられた前記資機材に関する情報を、前記作業工程の内容に応じて更新する資機材情報更新手順と、
前記資機材に関する情報を前記集中生産システムと前記設計支援システムとで連携する連携手順と、
を有する連携業務支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連携業務支援システム及び連携業務支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば建築物の設計において、BIM(Building Information Modeling)を実現するCAD(Computer Aided Design)が活用されている。建築物のBIMを活用することにより、設計段階、実施工段階、又は運用管理段階といった建築物のライフサイクルにおいて効率的な業務を行うことが可能になる。
【0003】
また、例えば、建設現場において建設資材や据付け機器等の製品に関して管理すべき情報としては、工場で製造した製品を建設現場に搬入して使用するまでの製品管理、及び製品を建設現場で使用する際の作業管理がある。
【0004】
従来から、工場で製造された建設資材や据付け機器等の製品が建設現場で使用されるまでの製品管理と、製品が建設現場で使用される際の作業管理とを行い、管理ミスが発生しにくいRFID(Radio Frequency Identification)タグ及びそれを用いた建設現場管理システム並びに管理方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
建築物に納入される空調システムや排煙設備等の建築設備には、機器、部材、資材、及び副資材などの多数の資機材が用いられている。多数の資機材は、計画、調達、生産、加工、又は施工等の作業者によって行われる計画、調達、生産、加工、及び施工などの種々の作業工程を経て、建築設備(建設設備)の少なくとも一部として機能する。
【0007】
しかしながら、建築設備に用いられる資機材の数は多く、又、作業者によって行われる作業工程も多岐にわたるが、それぞれの作業工程において、BIMデータとの連携ができない、という課題がある。なお、特許文献1は、上記の問題を解決するものではない。
【0008】
本発明の一実施形態は、建築設備の資機材の作業工程におけるBIMデータとの連携を可能とする連携業務支援システム及び連携業務支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態は、識別情報が読み取り可能に記録された識別部材を利用し、建築設備の資機材の計画、調達、生産、加工、施工、及び運用の作業工程における前記資機材に関する情報を記録管理する集中生産システムと、BIMデータを用いて管理を行う設計支援システムと、が業務を連携する連携業務支援システムであって、前記資機材に貼り付けられた前記識別部材の前記識別情報と、前記識別部材が貼り付けられた前記資機材に関する情報と、を対応付けるデータベースを管理するデータベース管理手段と、前記作業工程において前記識別部材から読み取られた前記識別情報に従い、前記識別情報と対応付けられた前記資機材に関する情報を前記データベースから読み出して、前記作業工程における作業者の情報処理端末に表示させる表示制御手段と、前記作業工程において前記識別部材から読み取られた前記識別情報に従い、前記データベースに記憶されている前記識別情報と対応付けられた前記資機材に関する情報を、前記作業工程の内容に応じて更新する資機材情報更新手段と、前記資機材に関する情報を前記集中生産システムと前記設計支援システムとで連携する連携手段と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、建築設備の資機材の作業工程におけるBIMとの連携を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態における連携業務支援システムの一例の構成図である。
【
図2】本実施形態における集中生産システムの一例の構成図である。
【
図3】本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【
図4】本実施形態における設計支援システムのデータフローの一例を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態に係る集中生産システムのサーバ装置の一例の処理ブロック図である。
【
図6】本実施形態における工程管理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】本実施形態における進捗管理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】本実施形態における品質管理システム8の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】工程管理システム、進捗管理システム、及び品質管理システムの連携の一例を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る集中生産システムの作業工程の一例を概略的に示した説明図である。
【
図11】本実施形態に係る集中生産システムの作業工程の一例のフローチャートである。
【
図12】ユニット及びアソートの一例について説明するための図である。
【
図13】RFIDタグの使用例について説明するための図である。
【
図14】RFIDタグの取付例について説明するための図である。
【
図15】RFIDタグとデータベースとの関係について説明するための図である。
【
図16】本実施形態に係る集中生産システムのそれぞれの作業工程で行われる作業例を示した一例の図である。
【
図17】資機材管理の作業の一例について説明する図である。
【
図18】資機材管理の作業の一例について説明する図である。
【
図19】施工実施管理の作業の一例について説明する図である。
【
図20】試運転実施管理の作業の一例について説明する図である。
【
図21】アソート製作管理の作業手順を示した一例のフローチャートである。
【
図23】ユニット製作管理の作業手順を示した一例のフローチャートである。
【
図25】拠点におけるロケーション管理の一例の説明図である。
【
図26】作業所におけるロケーション管理の一例の説明図である。
【
図27】作業所のロケーション管理の一例のイメージ図である。
【
図28】作業所のRFIDリーダの一例の画面イメージ図である。
【
図29】作業所の施工管理の一例のイメージ図である。
【
図30】設計支援システムと集中生産システムとが資機材に関する情報を連携する処理の一例のシーケンス図である。
【
図31】設計支援システムと集中生産システムとが資機材に関する情報を連携する処理の一例のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の各実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
【0013】
<用語の定義>
本実施形態におけるBIMモデルは、属性情報を含む複数のオブジェクトを有するモデルである。本実施形態におけるBIMモデルは、3次元モデルであるが、高さの情報を含めないことで、実質的に2次元のモデルを生成又は利用してもよい。
【0014】
建築物のBIMモデルでは、オブジェクトは、例えば、梁、柱、壁、床、天井等の建築物の構造、又は、空調設備、電気設備、衛生設備、配管、配線等の設備を含む。建築物のBIMモデルでは、属性情報は、例えば、各オブジェクトの形状、材質、寸法、配設位置等に関する情報である。本実施形態における属性情報は、これらに加えて、製品情報、価格情報等の設計段階で用いる情報、及び、工程管理情報、進捗管理情報、品質管理情報等の施工段階で用いる情報を含む。
【0015】
本実施形態では、機器、部材、資材、及び副資材をまとめて、資機材と呼称する。機器とは、仕入れ先であるサプライヤが取り扱う機械製品であって、空調機、ファンコイルユニット、パッケージエアコン、自動制御盤などである。部材とは、仕入れ先であるサプライヤが取り扱う自動もしくは手動動作をする製品であって、ダンパ、バルブ、制御機器等である。
【0016】
資材とは、機器及び部材以外の工事で使用する一般的な主材料であり、ダクト材、配管材、及び保温材などである。また、副資材とは、主材料を補助する工事材料であり、ボルト、ナット、パッキン、吊りネジ、吊環、鋼材、及び接着剤などである。
【0017】
ユニットとは、資機材を予め加工し、組み付け、一体としたものである。以下では、資機材を予め加工し、組み付け、一体とする(資機材を組み付けて一体化する)ことを「ユニット化する」と呼ぶ。アソートとは、台車などを用いて単体物の資機材を予め一纏めにして、単体物の資機材の管理単位をグループへ繰り上げた集合体である。以下では、資機材を予め一纏めにすることを「アソート化する」と呼ぶ。建築設備とは、建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、冷房、暖房、消化、又は排煙などの設備であり、一例として空調システムや排煙設備などである。
【0018】
<連携業務支援システムの全体構成>
本実施形態における連携業務支援システムの全体構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態における連携業務支援システムの一例の構成図である。
【0019】
図1の連携業務支援システムは、見積システム20、基幹システム30、集中生産システム40、ユーザ端末50、及び設計支援システム100が、通信ネットワークN1を介してデータ通信可能に構成されている。通信ネットワークN1は、インターネット又はLAN(Local Area Network)等である。設計支援システム100は、BIMシステムでもよいし、BIMシステムの連携ツールであってもよい。
【0020】
設計支援システム100は、自動設計システム1、見積支援システム2、引合システム3、原価検討システム4、施工図作成システム5、工程管理システム6、進捗管理システム7、品質管理システム8、運用管理システム9、及び情報共有システム10を含む。
【0021】
自動設計システム1は、設計業務を支援する。自動設計システム1は、パーソナルコンピュータ又はワークステーション等の情報処理装置である。設計業務は、建築物の仕様情報に基づいて、建築物を設計する業務である。設計業務は、設計図書の作成、施主又はゼネコン等に提出する資料の作成、協力会社の成果物の確認等を含む。
【0022】
見積支援システム2は、見積業務を支援する。見積支援システム2は、パーソナルコンピュータ又はワークステーション等の情報処理装置である。見積業務は、建築物の設計情報に基づいて、建築費の初期見積を作成する業務である。初期見積は、建築物の建築に用いる資機材の種別と、建築物の建築にかかる材料費、作業費、管理費等の概算価格とを含む。例えば見積支援システム2は、建築物の設計情報及び特記仕様書に基づいて、建築物の構造及び設備を示すBIMモデルを生成する。また、見積支援システム2は、BIMモデルに基づいて、初期見積を示す積算情報を作成する機能を有する。
【0023】
引合システム3は、引合業務を支援する。引合システム3は、パーソナルコンピュータ又はワークステーション等の情報処理装置である。引合業務は、建築物に設置する設備機器の提案情報を機器ベンダー等から収集し、設備機器に関する製品情報及び価格情報を決定する業務である。例えば引合システム3は、基幹システム30からベンダー情報を取得して、建築物に設置する設備機器の提案情報の提案依頼を機器ベンダー等に送信する機能を有する。
【0024】
原価検討システム4は、原価検討業務を支援する。原価検討システム4は、パーソナルコンピュータ又はワークステーション等の情報処理装置である。原価検討業務は、建築物の建築費を積算するための原価を管理する業務である。例えば原価検討業務は、資機材の材料費に関する原価と、作業又は管理等の人件費に関する原価とを管理する。
【0025】
例えば原価検討システム4は、見積システム20と連携することにより、引合システム3により決定された製品情報及び価格情報から原価を算出する機能を有する。また、原価検討システム4は、BIMモデルに基づいて、詳細見積を示す積算情報を作成する機能を有してもよい。
【0026】
施工図作成システム5は、設計図から施工図を作成する施工図作成業務を支援する。施工図作成システム5は、パーソナルコンピュータ又はワークステーション等の情報処理装置である。例えば施工図作成システム5は、自動設計システム1により生成されたBIMモデルに基づいて、施工図を示すBIMモデルを生成する機能を有する。
【0027】
工程管理システム6は、工程管理業務を支援する。工程管理システム6は、パーソナルコンピュータ又はワークステーション等の情報処理装置である。工程管理業務は、建築に用いる資機材の発注状況及び納期情報等を示すスケジュール情報に基づいて、建築物を建築する各工程を管理する業務である。
【0028】
例えば工程管理システム6は、施工図作成システム5により生成されたBIMモデルに基づいて、各オブジェクトの属性情報に工程情報が登録されたBIMモデルを生成する機能を有する。また、例えば工程管理システム6は、集中生産システム40から取得したスケジュール情報を含む各種情報に基づいて、BIMモデルを生成する機能を有する。さらに、工程管理システム6は、BIMモデルに基づいて工程表を生成し、スマートフォン又はタブレット端末等のユーザ端末50に表示する機能を有する。
【0029】
進捗管理システム7は、進捗管理業務を支援する。進捗管理システム7は、パーソナルコンピュータ又はワークステーション等の情報処理装置である。進捗管理業務は、建築物を建築する建築プロジェクトにおける各工程の進捗状況を管理する業務である。
【0030】
例えば進捗管理システム7は、施工図作成システム5により生成されたBIMモデルに進捗管理情報を反映する機能を有する。また、進捗管理システム7は、BIMモデルに基づいて各工程の進捗を色などにより確認可能とした建築物の仮想空間を生成し、表示する機能を有していてもよい。
【0031】
品質管理システム8は、品質管理業務を支援する。品質管理システム8は、パーソナルコンピュータ又はワークステーション等の情報処理装置である。品質管理業務は、各工程で発生するタスク(指摘事項)の対応状況を追跡して、建築物の品質を管理する業務である。例えば、品質管理システム8は、施工図作成システム5により生成されたBIMモデルに、品質管理情報を反映する機能を有する。
【0032】
品質管理情報は、施工箇所で撮影された施工写真、施工完了を示す黒板情報、及び検査項目を示す検査リスト等を含む。品質管理システム8は、BIMモデルに検査ポイントを設定し、各検査ポイントに品質管理情報を登録する機能を有してもよい。なた、品質管理システム8は、BIMモデルに基づいて、各検査ポイントに登録された進捗管理情報及び品質管理情報を比較可能に表示し、建築物の品質を遠隔地から確認可能とする機能を有していてもよい。
【0033】
運用管理システム9は、運用管理業務を支援する。運用管理システム9は、パーソナルコンピュータ又はワークステーション等の情報処理装置である。運用管理業務は、運用中の建築物を維持管理する業務である。運用管理業務は、建築物の構造及び設備の監視、修理、及び交換等を含む。例えば運用管理システム9は、施工図作成システム5により生成されたBIMモデルに、運用管理情報を反映する機能を有する。運用管理情報は、設備機器の運転データ、検査データ、及び保守データ等を識別する識別情報を含む。運転データは、設備機器が常時出力する運転状態を示すデータである。検査データは、定期的に実施される建築物の構造及び設備等の検査の結果を示すデータである。保守データは、建築物の構造及び設備等の修理及び交換等の履歴を示すデータである。
【0034】
情報共有システム10は、共有情報を共有させるように処理を行う。情報共有システム10は、パーソナルコンピュータ又はワークステーション等の情報処理装置である。共有情報は、BIMモデル、及び外部のデータソースから取得される外部情報を含む。情報共有システム10は、要求された共有情報を提供する。
【0035】
見積システム20は、要求に従い、建築物の見積もりに関する処理を行う。基幹システム30は、要求に従い、ベンダー情報又はプロジェクト情報を提供する。集中生産システム40は、後述するように、設計支援システム100と連携し、建築設備の資機材の作業工程における各種情報を記録管理し、要求に従い、スケジュール情報を含む各種情報を提供する。
【0036】
ユーザ端末50は、連携業務支援システムを利用するユーザが操作するパーソナルコンピュータ、スマートフォン、又はタブレット端末等の情報処理端末である。ユーザ端末50は、ユーザの操作に応じて、見積システム20、基幹システム30、集中生産システム40、又は設計支援システム100に接続し、所定の業務に関する処理を要求し、所定の業務に関する処理の結果を受信し、ユーザに対して出力する。ユーザ端末50は、見積システム20、基幹システム30、集中生産システム40、及び設計支援システム100とそれぞれ接続する複数台の情報処理端末であってもよい。
【0037】
なお、
図1に示した連携業務支援システムの全体構成は一例であって、用途や目的に応じて様々なシステム構成例があり得る。例えば、設計支援システム100の自動設計システム1、見積支援システム2、引合システム3、原価検討システム4、施工図作成システム5、工程管理システム6、進捗管理システム7、品質管理システム8、運用管理システム9、及び情報共有システム10の1つ以上が、設計支援システム100以外に設けられていてもよい。
【0038】
例えば、自動設計システム1、見積支援システム2、引合システム3、原価検討システム4、施工図作成システム5、工程管理システム6、進捗管理システム7、品質管理システム8、運用管理システム9、及び情報共有システム10は、複数台のコンピュータにより実現してもよいし、クラウドコンピューティングのサービスとして実現してもよい。
【0039】
図1に示す自動設計システム1、見積支援システム2、引合システム3、原価検討システム4、施工図作成システム5、工程管理システム6、進捗管理システム7、品質管理システム8、運用管理システム9、及び情報共有システム10のような設計支援システム100の区分は一例である。
【0040】
<集中生産システムの構成>
図1の集中生産システム40の構成について、
図2を参照しながら説明する。
図2は本実施形態における集中生産システムの一例の構成図である。
図2の集中生産システム40は、サーバ装置11、情報処理端末12a~12c、RFIDリーダ14a~14c、及びRFIDプリンタ16a~16bが、通信ネットワークN2を介してデータ通信可能に構成されている。通信ネットワークN2は、インターネット又はLAN等である。
図2の通信ネットワークN2は、
図1の通信ネットワークN1と同一であってもよい。
【0041】
サーバ装置11は、例えばクラウドサーバにより実現する。サーバ装置11は、情報処理端末12a~12cからアクセスされる。サーバ装置11は情報処理端末12a~12cからの各種要求を受け付け、各種要求に応じて実行した処理の結果を返す。情報処理端末12a~12cは、集中生産システム40を利用するユーザが操作するパーソナルコンピュータ、スマートフォン、又はタブレット端末等である。
【0042】
図2の集中生産システム40において、情報処理端末12aは資機材の仕入れ先であるサプライヤにおいて利用される。情報処理端末12aは、RFIDリーダ14a及びRFIDプリンタ16aを有線又は無線通信により接続できる。例えば無線通信には、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信を利用できる。
【0043】
RFIDリーダ14aは、RFIDタグに記録された識別情報を読み取り、情報処理端末12aに提供する。なお、RFIDタグは識別情報が読み取り可能に記録された識別部材の一例である。RFIDタグに記録されるタグIDは識別部材に記録された識別情報の一例である。なお、RFIDリーダ14aは、二次元コードで記録された識別情報を読み取り、情報処理端末12aに提供してもよい。RFIDプリンタ16aは、情報処理端末12aからの要求に従い、タグIDを記録したRFIDタグを発行する。RFIDプリンタ16aは情報処理端末12aからの要求に従い、例えばタグIDの二次元コードを印刷したRFIDタグを発行してもよい。
【0044】
情報処理端末12aは、例えばWebアプリ、RFID発行アプリ、RFIDリーダアプリ、などのアプリケーションを実行することで、後述するような各種機能を実現することができる。
【0045】
図2の集中生産システム40において、情報処理端末12bはサプライヤからの資機材の納品管理、資機材の加工管理、又は作業所への出荷管理などを行う拠点において利用される。情報処理端末12bは、RFIDリーダ14b及びRFIDプリンタ16bを有線又は無線通信により接続できる。RFIDリーダ14bは、RFIDタグに記録された識別情報を読み取り、情報処理端末12bに提供する。RFIDプリンタ16bは、情報処理端末12bからの要求に従い、タグIDを記録したRFIDタグを発行する。
【0046】
情報処理端末12bは、例えばWebアプリ、RFID発行アプリ、RFIDリーダアプリ、などのアプリケーションを実行することで、後述するような各種機能を実現することができる。
【0047】
図2の集中生産システム40において、情報処理端末12cは拠点からの資機材の納品管理、資機材の施工実施管理、又は試運転実施管理などを行う作業所(現場)において利用される。現場とは、建築設備が納入される納入先(例えばオフィスビル)である。情報処理端末12cは、RFIDリーダ14cを有線又は無線通信により接続できる。RFIDリーダ14cは、RFIDタグに記録された識別情報を読み取り、情報処理端末12cに提供する。情報処理端末12cは、例えばWebアプリ、RFIDリーダアプリ、などのアプリケーションを実行することで、後述するような各種機能を実現できる。
【0048】
なお、以下の説明では、情報処理端末12a~12cを、情報処理端末12と総称する場合がある。また、RFIDリーダ14a~14cは、RFIDリーダ14と総称する場合がある。また、RFIDプリンタ16a~16bは、RFIDプリンタ16と総称する場合がある。
【0049】
集中生産システム40は、資機材計画、納期管理、加工管理、資機材管理、施工管理などに利用される。資機材計画では、選定した資機材の情報、ユニット化の情報、アソート化の情報、拠点のヤード使用計画の情報などを資機材計画の情報としてサーバ装置11に登録する。納期管理では資機材計画の情報を基に、サプライヤから拠点への納期、拠点から作業所への納期を管理する。例えば集中生産システム40では、サプライヤから拠点へ出荷する資機材にRFIDタグが貼付されている。また、集中生産システム40では拠点から作業所に出荷するユニット及びアソートにRFIDタグが貼付されている。
【0050】
また、加工管理では、拠点での単品の資機材の保管と、ユニット化の加工状況及び保管のロケーション(場所)と、アソート化の加工状況と保管のロケーションと、をRFIDタグの利用により管理する。資機材管理は、作業所での単品の資機材、ユニット、及びアソートの受け入れ、仮置き場等におけるロケーションを、RFIDタグの利用により管理する。施工管理は、作業所での単品の資機材、ユニット、及びアソートの施工状況を、RFIDタグの利用により管理する。
【0051】
なお、
図2に示したサーバ装置11の構成は一例である。例えばサーバ装置11は複数のコンピュータに分散して構成するようにしてもよい。サーバ装置11の機能の少なくとも一部は情報処理端末12の機能として実現する構成であってもよい。情報処理端末12の機能の一部は、サーバ装置11の機能として実現する構成であってもよい。
【0052】
例えばサーバ装置11は、
図1の設計支援システム100から作業所の建築物のBIMモデルの情報(例えばBIMデータ)を取得する機能を有する。例えば特開2020-77198号公報には、CADデータ及び属性情報データに基づいて生成されるBIMモデルの一例が記載されている。
図2の集中生産システム40は、設計支援システム100から作業所の建築物のBIMモデルの情報を取得し、設計支援システム100のBIMモデルの情報と連携するように、資機材計画、納期管理、加工管理、資機材管理、及び施工管理などを行ってもよい。
【0053】
<ハードウェア構成>
本実施形態における連携業務支援システムのハードウェア構成について、
図3を参照しながら説明する。本実施形態における見積システム20、基幹システム30、集中生産システム40、ユーザ端末50、及び設計支援システム100は、コンピュータにより実現される。
図3は、本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【0054】
図3のコンピュータ500は入力装置501、表示装置502、外部I/F503、RAM504、ROM505、CPU506、通信I/F507及びHDD508などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。なお、入力装置501及び表示装置502は必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
【0055】
入力装置501はキーボードやマウス、タッチパネルなどを含み、ユーザが各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置502はディスプレイ等を含み、コンピュータ500による処理結果を表示する。
【0056】
通信I/F507はコンピュータ500を各種ネットワークに接続するインタフェースである。これにより、コンピュータ500は通信I/F507を介してデータ通信を行うことができる。
【0057】
また、HDD508は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。格納されるプログラムやデータには、コンピュータ500全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、OS上で各種機能を提供するプログラムなどがある。なお、コンピュータ500はHDD508に替え、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSD)を利用するものであってもよい。
【0058】
外部I/F503は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体503aなどがある。これにより、コンピュータ500は外部I/F503を介して記録媒体503aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体503aにはフレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリなどがある。
【0059】
ROM505は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM505には、コンピュータ500の起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM504は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。
【0060】
CPU506は、ROM505やHDD508などの記憶装置からプログラムやデータをRAM504上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ500全体の制御や機能を実現する演算装置である。見積システム20、基幹システム30、集中生産システム40、ユーザ端末50、及び設計支援システム100は、例えば
図3のハードウェア構成においてCPU506がプログラムを実行することにより、後述するような各種処理を実現できる。
【0061】
なお、HDD508にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記録媒体503aが外部I/F503に接続されたドライブ装置にセットされ、記録媒体503aに記録された各種プログラムがドライブ装置により読み出されることでインストールされる。または、HDD508にインストールされる各種プログラムは、通信I/F507を介してダウンロードされることでインストールされてもよい。
【0062】
<設計支援システムのデータフロー>
本実施形態における設計支援システム100のデータフローについて、
図4を参照しながら説明する。
図4は、本実施形態における設計支援システムのデータフローの一例を示すブロック図である。
【0063】
自動設計システム1は、ユーザ端末50から建築物の仕様情報を受信する。自動設計システム1は、過去に建築した建築物に関するBIMモデル(運用BIM)と、建築物の仕様情報とに基づいて、建築物の設計図を示すBIMモデル(設計BIM)を生成する。運用BIMは、運用管理システム9により生成され、情報共有システム10に蓄積されている。自動設計システム1が生成した設計BIMは、原価検討システム4及び施工図作成システム5に送られる。
【0064】
見積支援システム2は、ユーザ端末50から建築物の設計情報及び特記仕様書を受信する。見積支援システム2は、過去に建築した建築物に関する運用BIMと、建築物の設計情報及び特記仕様書とに基づいて、建築物の構造及び設備を示すBIMモデル(初期見積BIM)を生成する。見積支援システム2により生成された初期見積BIMは、原価検討システム4及び施工図作成システム5に送られる。
【0065】
引合システム3は、基幹システム30からベンダー情報及びプロジェクト情報を受信する。引合システム3は、原価検討システム4から積算情報を受け取り、機器ベンダー等に積算情報を含む提案依頼を送信する。引合システム3は、機器ベンダー等から受信した提案情報に基づいて、製品情報及び価格情報を生成し、原価検討システム4に送る。
【0066】
原価検討システム4は、見積支援システム2により生成された初期見積BIMに基づいて積算情報を生成し、引合システム3に送る。原価検討システム4は、見積システム20と連携することにより、引合システム3により決定された製品情報及び価格情報から統一原価を算出する。
【0067】
施工図作成システム5は、自動設計システム1により生成された設計BIM及び見積支援システム2により生成された初期見積BIMに基づき、施工図を示すBIMモデル(施工BIM)を生成する。施工図作成システム5により生成された施工BIMは、工程管理システム6、進捗管理システム7、品質管理システム8、及び運用管理システム9に送られる。
【0068】
工程管理システム6は、集中生産システム40からスケジュール情報を受信する。工程管理システム6は、受信したスケジュール情報に基づき、施工図作成システム5により生成された施工BIMに工程情報を登録する。工程情報の登録は、施工BIMに限らず、その他のBIMデータでもよい。工程管理システム6により更新された施工BIMは、進捗管理システム7に送られる。
【0069】
また、工程管理システム6は、品質管理システム8から施工完了情報を受信する。施工完了情報は、施工が完了した施工箇所及び施工が完了した日時を示す。工程管理システム6は、施工完了情報を受信すると、施工BIMに施工完了情報を登録する。
【0070】
進捗管理システム7は、ユーザ端末50又は集中生産システム40から進捗管理情報を受信する。進捗管理システム7は、受信した進捗管理情報を、施工図作成システム5により生成された施工BIMに登録する。
【0071】
また、進捗管理システム7は、品質管理システム8から施工が完了した施工箇所を示す施工完了情報を受信する。進捗管理システム7は、施工完了情報を受信すると、施工BIMに施工完了情報を登録する。
【0072】
品質管理システム8は、ユーザ端末50又は集中生産システム40から品質管理情報を受信する。品質管理システム8は、受信した品質管理情報を、施工図作成システム5により生成された施工BIMに登録する。品質管理システム8は、施工が完了した施工箇所があれば、その施工完了情報を工程管理システム6及び進捗管理システム7に送る。すべての施工箇所で施工が完了した場合(すなわち、建築物が完成した場合)は、品質管理システム8により品質管理情報が登録された施工BIMが、運用管理システム9に送られる。
【0073】
運用管理システム9は、ユーザ端末50又は集中生産システム40から運用管理情報を受信する。運用管理情報は、例えば運転データ、検査データ、又は保守データである。運用管理システム9は、受信した運用管理情報を、運用中の建築物に関する施工BIMに登録する。なお、運用管理システム9により運用管理情報が登録されたBIMモデル(運用BIM)は、情報共有システム10に蓄積される。
【0074】
<連携業務支援システムの機能構成>
本実施形態における連携業務支援システムの機能構成について説明する。
【0075】
≪サーバ装置の機能構成≫
本実施形態に係る集中生産システム40のサーバ装置11は、例えば
図5に示すような処理ブロックにより実現される。
図5は本実施形態に係る集中生産システムのサーバ装置の一例の処理ブロック図である。
【0076】
サーバ装置11はプログラムを実行することにより、資機材情報入力部41、資機材情報更新部42、ユニークID管理部43、表示制御部44、データベース管理部45、連携部46、及びデータベース47を実現している。
【0077】
資機材情報入力部41は、作業者が操作する情報処理端末12から、資機材計画で選択された資機材の情報、ユニット化の情報、アソート化の情報、拠点のヤード使用計画の情報などの建築設備の資機材に関する情報の入力を受け付ける。資機材情報入力部41は建築設備の資機材に関する情報をデータベース47に記憶させるようにデータベース管理部45に要求する。
【0078】
資機材情報更新部42は、後述する作業工程において、作業者が資機材、ユニット、又はアソートに貼付されたRFIDタグから読み取ったタグIDを、作業者が操作する情報処理端末12から受け付ける。資機材情報更新部42は、作業者が操作する情報処理端末12から受け付けたタグIDに従い、データベース47に記憶されている建築設備の資機材に関する情報を、作業工程の内容に応じて更新するようにデータベース管理部45に要求する。
【0079】
ユニークID管理部43はRFIDタグに読み取り可能に記録されるタグIDが一意になるように、資機材、ユニット、及びアソートに割り振るユニークIDを管理する。表示制御部44は、作業工程において、作業者が操作する情報処理端末12に表示させる内容を制御する。例えば表示制御部44は、作業者が資機材、ユニット、又はアソートに貼付されたRFIDタグから読み取ったタグIDを、作業者が操作する情報処理端末12から受け付けると、そのタグIDと対応付けられた資機材に関する情報をデータベース47から読み出す。そして、表示制御部44は、読み出した資機材に関する情報に基づき、それぞれの作業工程に応じた内容を、作業者が操作する情報処理端末12に表示させる。
【0080】
連携部46は、後述のように処理を行うことで、データベース47に記憶されている建築設備の資機材に関する情報を、集中生産システム40と設計支援システム100とで連携させる。
【0081】
例えば連携部46は、設計支援システム100が管理する建築設備の資機材に関する情報に応じて、データベース47に記憶されている建築設備の資機材に関する情報を更新するようにデータベース管理部45に要求する。また、連携部46は、設計支援システム100が管理する建築設備の資機材に関する情報を、データベース47に記憶されている建築設備の資機材に関する情報で更新するように設計支援システム100に要求する。
【0082】
データベース管理部45は、データベース47の情報を管理する。例えばデータベース管理部45は資機材情報入力部41からの要求に基づき、作業者が操作する情報処理端末12から入力された建築設備の資機材に関する情報をデータベース47に記憶する処理を行う。また、データベース管理部45は資機材情報更新部42からの要求に基づき、作業者が操作する情報処理端末12から受け付けたタグIDに従い、データベース47に記憶されている建築設備の資機材に関する情報を、それぞれの作業工程の内容に応じて更新する処理を行う。
【0083】
また、データベース管理部45は連携部46からの要求に基づき、データベース47に記憶されている建築設備の資機材に関する情報を、設計支援システム100が管理する建築設備の資機材に関する情報と連携する処理を行う。
【0084】
≪工程管理システムの機能構成≫
図6は、本実施形態における工程管理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図6に示されているように、本実施形態における工程管理システム6は、モデル記憶部61、情報取得部62、業務処理部63、モデル更新部64、出力部65、及び連携部66を備える。
【0085】
モデル記憶部61は、例えば
図3に示されているHDD504によって実現される。情報取得部62、業務処理部63、モデル更新部64、出力部65、及び連携部66は、例えば
図3に示されているHDD508からRAM504上に展開されたプログラムがCPU506に実行させる処理によって実現される。モデル記憶部61には、施工BIMが記憶されている。施工BIMは、施工図作成システム5により生成され、工程管理システム6に送られたものである。
【0086】
情報取得部62は、スケジュール情報を取得する。スケジュール情報は、建築設備の資機材の発注状況及び納期情報等を示す情報である。スケジュール情報は、建築プロジェクトに参画する関連会社が作成したスケジュール、歩掛、人的リソース、仮設計画書等を含んでもよい。情報取得部62は、集中生産システム40にスケジュール情報を要求することで、スケジュール情報を取得する。
【0087】
また、情報取得部62は、施工が完了した施工箇所を示す施工完了情報の入力を受け付ける。施工完了情報は、施工が完了した施工箇所があるとき、品質管理システム8から送信される。
【0088】
業務処理部63は、工程管理業務を支援するための工程管理画面をユーザ端末50に表示する。業務処理部63は、ユーザ端末50からの要求に応じて、工程管理業務に関する処理を実行する。業務処理部63は、工程管理業務に関する処理を実行すると、モデル更新部64に施工BIMの更新を要求する。
【0089】
工程管理画面は、施工BIM及びスケジュール情報に基づいて、建築プロジェクトの各工程を示す工程表を生成し、ユーザに提示する。このとき、工程管理画面は、施工BIMに含まれる各オブジェクトに応じた工数で、各工程を決定する。
【0090】
また、工程管理画面は、工程表と共に、仮設計画書、絵工程、搬入工程、タスクリスト等を生成し、ユーザに提示してもよい。工程管理画面は、各工程の進捗率を計算し、工程表と共に表示してもよい。このとき、工程管理画面は、進捗率と共に予算消化率を計算し、工程表と共に表示してもよい。
【0091】
モデル更新部64は、業務処理部63の要求に応じて、施工BIMを更新する。モデル更新部64は、施工BIMに含まれる各オブジェクトの属性情報に、工程を示す属性情報を登録することで、施工BIMを更新する。また、モデル更新部64は、施工完了情報を受け付けた場合、施工BIMに含まれる各オブジェクトの属性情報に施工完了情報を登録する。
【0092】
出力部65は、モデル更新部64により更新された施工BIMに基づいて、工程表等の書類を出力する。連携部66は、建築設備の資機材に関する情報を、集中生産システム40と設計支援システム100とで連携させるように、施工BIMを更新させる。
【0093】
≪進捗管理システムの機能構成≫
図7は、本実施形態における進捗管理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図7に示されているように、本実施形態における進捗管理システム7は、モデル記憶部71、入力部72、業務処理部73、モデル更新部74、出力部75、及び連携部76を備える。
【0094】
モデル記憶部71は、例えば
図3に示されているHDD504によって実現される。入力部72、業務処理部73、モデル更新部74、出力部75、及び連携部76は、例えば
図3に示されているHDD508からRAM504上に展開されたプログラムがCPU506に実行させる処理によって実現される。モデル記憶部71には、施工BIMが記憶されている。施工BIMは、工程管理システム6により更新され、進捗管理システム7に送られたものである。
【0095】
入力部72は、進捗管理情報の入力を受け付ける。進捗管理情報は、例えば建築物内で撮影された全景写真(360度画像)を識別する識別情報及び指摘事項を含む。入力部72は、ユーザ端末50から進捗管理情報を受信することで、進捗管理情報の入力を受け付ける。全景写真(360度画像)は、例えば、全天球撮影装置を装着した作業員が建築現場を移動することで撮影すればよい。また、例えば、全天球撮影装置を搭載した小型無人航空機(ドローン)を建築現場内で飛行させることで撮影してもよい。入力部72は、施工が完了した施工箇所を示す施工完了情報の入力を受け付ける。施工完了情報は、施工が完了した施工箇所があるとき、品質管理システム8から送信される。
【0096】
業務処理部73は、進捗管理業務を支援するための進捗管理画面をユーザ端末50に表示する。業務処理部73は、ユーザ端末50からの要求に応じて、進捗管理業務に関する処理を実行する。業務処理部73は、進捗管理業務に関する処理を実行すると、モデル更新部74に施工BIMの更新を要求する。
【0097】
進捗管理画面は、施工BIM及び進捗管理情報に基づいて、進捗状況をユーザに提示する。例えば、進捗管理画面は、施工図上に各オブジェクトの進捗度を色分けして表示してもよい。また、進捗管理画面は、指摘事項が登録されているオブジェクトの近傍にアイコンを表示してもよい。さらに、進捗管理画面は、ユーザの操作に応じて、進捗に関するメモを登録可能としてもよい。
【0098】
さらに、進捗管理画面は、進捗状況が表示された3次元の施工図と、同じ箇所で撮影された全景写真とを比較可能に表示してもよい。このとき、進捗管理画面は、3次元の施工図を拡大又は縮小可能としてもよい。また、進捗管理画面は、ユーザの操作に応じて、3次元の施工図上で任意の位置に移動可能としてもよい。進捗管理画面は、ユーザの操作に応じて、3次元の施工図上で表示を切り替えた(拡大、縮小、移動等)場合、自動的に全景写真の表示を切り替えてもよい。
【0099】
モデル更新部74は、業務処理部73の要求に応じて、施工BIMを更新する。モデル更新部74は、施工BIMに含まれる各オブジェクトの属性情報に、進捗管理情報を登録することで、施工BIMを更新する。また、モデル更新部74は、施工完了情報を受け付けた場合、施工BIMに含まれる各オブジェクトの属性情報に施工完了情報を登録する。
【0100】
出力部75は、モデル更新部74により更新された施工BIMに基づいて、指摘事項等を出力する。連携部76は、進捗管理情報を、集中生産システム40と設計支援システム100とで連携させるように、施工BIMを更新させる。
【0101】
≪品質管理システムの機能構成≫
図8は、本実施形態における品質管理システム8の機能構成の一例を示すブロック図である。
図8に示されているように、本実施形態における品質管理システム8は、モデル記憶部81、入力部82、業務処理部83、モデル更新部84、出力部85、及び連携部86を備える。
【0102】
モデル記憶部81は、例えば
図3に示されているHDD504によって実現される。入力部82、業務処理部83、モデル更新部84、出力部85、及び連携部86は、例えば
図3に示されているHDD508からRAM504上に展開されたプログラムがCPU506に実行させる処理によって実現される。モデル記憶部81には、施工BIMが記憶されている。施工BIMは、進捗管理システム7により更新され、品質管理システム8に送られたものである。
【0103】
入力部82は、品質管理情報の入力を受け付ける。品質管理情報は、施工箇所で撮影された施工写真、黒板情報、検査リスト等を含む。入力部82は、全景写真の入力を受け付け、進捗管理情報を生成してもよい。入力部82は、ユーザ端末50から品質管理情報を受信することで、品質管理情報の入力を受け付ける。施工写真は、例えば施工に携わった作業員が作業後に施工箇所を撮影した画像である。また、例えば進捗管理情報に含まれる全景写真に撮影されている作業後の施工箇所を切り出して施工写真としてもよい。
【0104】
写真データ以外の情報を共有することもできる。運用管理(維持管理)において進捗管理の壁面内部や天井裏などの画像データを共有する際に、BIMモデルに紐づけて記憶されている位置や方向に基づいて共有する。また、品質管理の管理情報(検査日時)についても同様にBIMモデルに紐づけて記憶された位置や方向に基づいて共有する。
【0105】
業務処理部83は、品質管理業務を支援するための品質管理画面をユーザ端末50に表示する。業務処理部83は、ユーザ端末50からの要求に応じて、品質管理業務に関する処理を実行する。業務処理部83は、品質管理業務に関する処理を実行すると、モデル更新部84に施工BIMの更新を要求する。
【0106】
品質管理画面は、施工BIM及び品質管理情報に基づいて、施工状態をユーザに提示する。例えば、品質管理画面は、施工図上に検査ポイントを設定し、各検査ポイントに進捗管理情報(例えば、指摘事項)と品質管理情報(例えば、施工写真及び黒板情報)とを関連付けて表示してもよい。このとき、検査ポイントで撮影された施工前の全景写真をさらに関連付けて表示してもよい。すなわち、品質管理画面は、検査ポイントに対応するオブジェクトの属性情報に登録された進捗管理情報から全景写真を取り出し、施工写真及び黒板情報と全景写真とを比較可能に表示してもよい。
【0107】
また、品質管理画面は、ユーザの操作に応じて、各種の報告書を出力する。報告書は、例えば、試運転報告書、計測報告書、竣工図書等である。このとき、品質管理画面では、施工BIM内に含まれる各オブジェクトに応じた書式で、報告書を出力する。施工BIM内には、全景写真及び施工写真が含まれるため、例えば、検査ポイントごとに施工前後の写真が掲載された報告書を出力することができる。さらに、品質管理画面は、建築現場における注意事項又は指摘事項を記述したメモを出力してもよい。これらの情報は、ユーザ端末50を利用できない建築現場の作業員等に対する伝達、又は建築現場の経験が浅い人員に対する教育資料として利用することができる。
【0108】
品質管理画面では、施工BIM内に含まれる各オブジェクトに応じた書式で、検査リストを出力してもよい。検査リストは当該オブジェクトについて検査すべきポイントが一覧で記載された情報であり、建築現場の管理者等が未記入の検査リストを用いて効率的に検査を行うことが可能となる。
【0109】
モデル更新部84は、業務処理部83の要求に応じて、施工BIMを更新する。モデル更新部84は、施工BIMに含まれる各オブジェクトの属性情報に品質管理情報を登録することで、施工BIMを更新する。また、モデル更新部84は、施工が完了した施工箇所があれば、施工BIMに含まれる各オブジェクトの属性情報に施工完了情報を登録する。
【0110】
出力部85は、施工が完了した施工箇所があれば、施工完了情報を出力する。施工完了情報は、工程管理システム6及び進捗管理システム7に送られる。また、出力部85は、モデル更新部84により更新された施工BIMに基づいて、報告書等を出力する。連携部86は、品質管理情報を、集中生産システム40と設計支援システム100とで連携させるように、施工BIMを更新させる。
【0111】
図9は、工程管理システム、進捗管理システム、及び品質管理システムの連携の一例を示す図である。進捗管理システム7と品質管理システム8との間では、写真データ、指摘データが連携される。また、工程管理システム6と進捗管理システム7との間では、進捗データ、工程データが連携される。また、工程管理システム6と品質管理システム8との間では、指摘データが連携される。
【0112】
工程管理システム6、進捗管理システム7、及び品質管理システム8の間では、BIMデータは、各ソフトウェアでやり取りしても良いし、クラウドストレージに格納して共有するでも良い。
【0113】
また、集中生産システム40と設計支援システム100の工程管理システム6、進捗管理システム7、及び品質管理システム8との間では、BIMデータは、各ソフトウェアでやり取りしても良いし、クラウドストレージに格納して共有するでも良い。
【0114】
<処理>
≪作業工程≫
本実施形態に係る集中生産システム40は、例えば
図10に示すような内容の作業工程を管理するものである。
図10は、本実施形態に係る集中生産システムの作業工程の一例を概略的に示した説明図である。
図10に示すように、本実施形態に係る集中生産システムは、計画・発注、生産・出荷、現場資機材管理、施工管理、及び設備運用に対応する作業工程を管理する。
【0115】
計画・発注では、計画・発注を担当する作業者が、建築設備の資機材の計画、ユニット化の計画、アソート化の計画、及びヤード使用計画などを行い、それぞれの計画に従ってサプライヤに発注を行う。
【0116】
生産・出荷では、サプライヤの作業者が発注を受け付け、発注に従って建築設備の資機材の生産を行い、資機材にRFIDタグを貼付して拠点に出荷する。また、生産・出荷では拠点での資機材の受け入れ、仕分け、集積、ユニット化、アソート化、ユニットへのRFIDタグの貼付、及びアソートへのRFIDタグの貼付などを行ったあと、作業所に出荷する。
【0117】
例えばサプライヤの作業者はRFIDリーダ14aを利用し、資機材の出荷時に資機材に貼付したRFIDタグからタグIDを読み取り、サーバ装置11のデータベース47に記憶されている資機材に関する情報の状態(ステータス)を例えば「拠点への出荷完了」などに変更する。また、拠点の作業者はRFIDリーダ14bを利用し、資機材、ユニット及びアソートの出荷時に資機材、ユニット及びアソートに貼付したRFIDタグからタグIDを読み取り、サーバ装置11のデータベース47に記憶されている資機材に関する情報のステータスを「作業所への出荷完了」などに変更する。
【0118】
現場資機材管理では、作業所での資機材、ユニット、及びアソートの受け入れ、仮置き場への移動、使用場所への移動などを行う。例えば作業所の作業者はRFIDリーダ14cを利用し、資機材、ユニット、及びアソートの受け入れ、仮置き場への移動、使用場所への移動時にRFIDタグを読み取り、サーバ装置11のデータベース47に記憶されている資機材、ユニット、及びアソートのロケーションを更新する。
【0119】
施工管理では、作業所の作業者が、資機材、ユニット、及びアソートにより建築設備の施工を行う。例えば作業所の作業者はRFIDリーダ14cを利用し、建築設備の施工時に資機材、ユニット、及びアソートに貼付されたRFIDタグを読み取り、サーバ装置11のデータベース47に記憶されている資機材、ユニット、及びアソートの施工状況を更新する。
【0120】
また、施工管理では作業所の作業者が、試験、試運転などを行う。例えば作業所の作業者はRFIDリーダ14cを利用し、施工後に試験及び試運転を行った建築設備の資機材又はユニットに貼付されたRFIDタグを読み取り、サーバ装置11のデータベース47に記憶されている資機材の施工状況、試験状況、及び試運転状況を更新する。
【0121】
設備運用では、建築物の竣工後に、メンテナンス履歴、更新履歴などの建築設備の運用記録を管理する。設備運用では、建築設備の施工時、資機材又はユニットに貼付されていたRFIDタグを利用して、建築設備の運用記録を管理している。
【0122】
このように、本実施形態に係る集中生産システム40では建築設備の資機材の出荷から建築物の竣工後の設備運用まで、資機材に関する情報を共通のRFIDタグで一元的に管理することで、記録管理の負担を軽減できる。また、共通のRFIDタグで一元的に管理した資機材に関する情報は、建築設備の改修提案、管理、新たな計画などに役立てることができる。
【0123】
図10に示した作業工程を更に詳細に説明する。
図11は、本実施形態に係る集中生産システムの作業工程の一例のフローチャートである。
【0124】
ステップS10において、本実施形態に係る集中生産システム40では作業工程の一つである作業所の計画フェーズが実行される。作業所の計画フェーズは、作業所における計画検討及び実施策の構築が行われる。例えば作業所の計画フェーズでは、建築設備の仕様及び建築設備の資機材の仕様の決定、ユニット化の実施範囲の決定、及びアソート化の実施範囲の決定が行われる。
【0125】
ステップS12において、本実施形態に係る集中生産システム40では作業工程の一つである拠点の計画フェーズが実行される。拠点の計画フェーズは、拠点における実施策の構築が行われる。例えば拠点の計画フェーズでは、ユニット、アソート、及びストックに必要なヤード及び工期の調整が行われる。また、拠点の計画フェーズでは、RFIDタグの実施計画が行われる。
【0126】
ステップS14において、本実施形態に係る集中生産システム40では作業工程の一つであるサプライヤの生産管理フェーズが実行される。サプライヤの生産管理フェーズは、サプライヤにおける建築設備の資機材の生産管理が行われる。サプライヤの生産管理フェーズでは、生産した資機材にRFIDタグを貼付し、RFIDリーダ14を利用して資機材の管理ができるようにしている。
【0127】
ステップS16において、本実施形態に係る集中生産システム40では作業工程の一つである拠点の加工管理フェーズが実行される。拠点の加工管理フェーズではRFIDリーダ14を利用し、拠点における納品管理が行われる。また、拠点の加工管理フェーズではRFIDリーダ14を利用し、RFIDタグによる資機材の管理が行われる。また、拠点の加工管理フェーズでは、資機材を組み付けて一体化するユニット組立、及び台車などを用いて資機材を予め一纏めにするアソート化を行う。アソート化はアソート梱包と呼ばれることもある。
【0128】
ステップS18において、本実施形態に係る集中生産システム40では作業工程の一つである作業所の施工管理フェーズが実行される。作業所の施工管理フェーズではRFIDリーダ14を利用し、作業所における納品管理が行われる。また、作業所の施工管理フェーズではRFIDリーダ14を利用し、作業所における施工実施管理、資機材管理が行われる。
【0129】
ステップS20において、本実施形態に係る集中生産システム40では作業工程の一つである竣工建築物の運用管理フェーズが実行される。竣工建築物の運用管理フェーズでは、RFIDリーダ14を利用し、作業所の施工管理フェーズでも使用していた資機材のRFIDタグ又はユニットのRFIDタグを利用して、建築設備の運用記録管理、更新記録管理が行われる。
【0130】
図12は、ユニット及びアソートの一例について説明するための図である。
図12(A)はユニット化の例を示している。
図12(A)では、資機材1000a~1000dを予め加工し、組み付け、一体化したユニット1002を示している。
図12(A)のユニット1002は、資機材1000a~1000dをユニット化したものである。
【0131】
また、
図12(B)はアソート化の例を示している。
図12(B)では台車1004を用いて資機材1000e~1000kを予め一纏めにしたアソート1006を示している。
図12(B)のアソート1006は、資機材1000e~1000kをアソート化したものである。
【0132】
図13は、RFIDタグの使用例について説明するための図である。
図13(A)はRFIDタグ1010が貼付されている資機材1000に関する情報を調べる場合の使用例を示している。作業者はRFIDリーダ14を利用し、資機材1000に貼付されたRFIDタグ1010の読み取りを行うことで、そのRFIDタグ1010が貼付されている資機材1000に関する情報を情報処理端末12に表示できる。なお、
図12(A)では資機材1000に二次元コード1012も読み取り可能に貼付された例を示している。作業者は二次元コード1012を読み取り可能な情報処理端末12を利用し、資機材1000に貼付された二次元コード1012の読み取りを行うことで、その二次元コード1012が貼付されている資機材1000に関する情報を情報処理端末12に表示できる。
【0133】
図13(B)はRFIDタグ1010が貼付されているユニット1002を管理する場合の使用例を示している。作業者はRFIDリーダ14を利用し、ユニット1002に貼付されたRFIDタグ1010の読み取りを行うことで、データベース47に記憶されているユニット1002に関する情報を更新できる。したがって、作業者はユニット1002のロケーション、納品状況、施工状況などをデータベース47で一元管理でき、情報処理端末12で確認できる。
【0134】
図13(C)はRFIDタグ1010が貼付されている資機材1000から目的の資機材1000を見つける場合の使用例を示している。作業者は例えば読み取り可能距離が長いRFIDリーダ14を利用し、資機材1000に貼付されたRFIDタグ1010の読み取りを行うことで、目的の資機材1000が見つけやすくなる。
【0135】
図13(D)はRFIDタグ1010が貼付されている施工済みのユニット1002を保守する場合の使用例を示している。作業者はRFIDリーダ14を利用し、ユニット1002に貼付されたRFIDタグ1010の読み取りを行うことで、データベース47に記憶されているユニット1002に関する情報を情報処理端末12に表示できる。例えば情報処理端末12には、ユニット1002の資機材、仕様、メンテナンス日時、メンテナンス内容などの情報を表示できる。作業者は情報処理端末12に表示されたユニット1002の資機材、仕様、メンテナンス日時、メンテナンス内容などの情報を、ユニット1002の保守に利用できる。
【0136】
図14は、RFIDタグの取付例について説明するための図である。
図14(A)は単品の資機材1000に対して一つのRFIDタグ1010を貼付した例を示す。
図14(B)は資機材がユニット化された集合であるユニット1002に対してユニット単位で一つのRFIDタグ1010を貼付した例を示す。ユニット1002には例えばユニット化の完了時点でRFIDタグ1010が貼付される。なお、ユニット1002に含まれる資機材にユニット1002のRFIDタグ1010が予め貼付されている場合もある。
【0137】
図14(C)は資機材がアソート化された集合であるアソート1006に対してアソート単位で一つのRFIDタグ1010を貼付した例を示す。アソート1006には例えばアソート化の完了時点でRFIDタグ1010が貼付される。なお、アソート1006のRFIDタグ1010は、アソート1006に含まれる資機材に予め貼付されている場合もある。
【0138】
図14(D)は同じ資機材1000の固定の置き場に集合単位で一つのRFIDタグ1010を貼付した例を示す。
図14(D)の例において、RFIDタグ1010は資機材1000と共に移動せず、対象の資機材1000の補充や取り出し時に、RFIDリーダ14により読み取られる。対象の資機材1000の補充や取り出し時に、RFIDリーダ14により集合単位のRFIDタグ1010を読み取ることにより、対象の資機材1000に関する情報に含まれる数量の情報は、補充や取り出しに従って更新される。
【0139】
図15はRFIDタグとデータベースとの関係について説明するための図である。
図15に示したように、データベース47は、例えば資機材情報47a、生産管理情報47b、施工管理情報47c、及び運用管理情報47dを有する。
【0140】
資機材情報47aは資機材の単体、ユニット、アソートの基本情報が管理されており、例えばRFIDタグに記録されているタグID、資機材名称、納品予定日、使用場所などの情報が、資機材に関する情報として管理されている。生産管理情報47bは資機材の生産管理に関する情報が資機材情報47aと対応付けられて管理されている。施工管理情報47cは資機材の施工管理に関する情報が資機材情報47aと対応付けられて管理されている。運用管理情報47dは資機材の運用管理に関する情報が資機材情報47aと対応付けられて管理されている。
【0141】
本実施形態に係る集中生産システム40ではデータベース47に資機材情報47a、生産管理情報47b、施工管理情報47c、及び運用管理情報47dなどの情報を登録しておき、それらの情報とRFIDタグから読み取り可能なタグIDとを紐付けておく。これにより、本実施形態に係る集中生産システム40では、RFIDタグからタグIDを読み取った資機材と、その資機材のRFIDタグから読み取ったタグIDとデータベース47において紐付けられている情報とを連結できる。また、本実施形態に係る集中生産システム40では、RFIDタグから読み取ったタグIDとデータベース47において紐付けられている情報を、そのRFIDタグからタグIDを読み取った資機材の状態又は状況に合わせて更新できる。
【0142】
また、本実施形態に係る集中生産システム40では、RFIDタグから読み取ったIDと紐付けられた情報をデータベース47から取得して、情報処理端末12に表示できる。例えば情報処理端末12を操作する作業者はRFIDリーダ14を利用して、情報を確認したい資機材に貼付されたRFIDタグの読み取りを行うことにより、そのRFIDタグが貼付されている資機材に関する情報を情報処理端末12に表示させて閲覧できる。
【0143】
図10に示した本実施形態に係る集中生産システム40のそれぞれの作業工程では、例えば
図16に示すような作業が行われる。
図16は本実施形態に係る集中生産システムのそれぞれの作業工程で行われる作業例を示した一例の図である。
【0144】
作業所の計画フェーズでは、データベース作成、ユニット計画、アソート計画、及び作業所納期計画の作業が行われる。データベース作成の作業は、作業所の計画フェーズを行う作業者が、作業所で扱う資機材に関する情報をデータベース47に入力する作業である。ユニット計画の作業は、作業所の計画フェーズを行う作業者が、ユニット化の要望をユニット要望としてデータベース47に入力する作業である。
【0145】
アソート計画の作業は、作業所の計画フェーズを行う作業者が、アソート化の要望をアソート要望としてデータベース47に入力する作業である。作業所納期計画の作業は、資機材、ユニット、及びアソートの作業所への希望納期を、作業所の計画フェーズを行う作業者が、データベース47に入力する作業である。
【0146】
拠点の計画フェーズでは、ユニット情報登録、アソート情報登録、ヤード計画、拠点納期計画、及びRFID割付の作業が拠点の計画フェーズを行う作業者により行われる。
【0147】
ユニット情報登録の作業は、拠点の計画フェーズを行う作業者が作業所の計画フェーズでデータベース47に入力したユニット計画及び作業所納期計画などの情報から、拠点でのユニット化の期間を想定し、ユニット化に必要な資機材、仕分日、及び出荷日などのユニット情報をデータベース47に登録する作業である。
【0148】
アソート情報登録の作業は、拠点の計画フェーズを行う作業者が作業所の計画フェーズでデータベース47に入力したアソート計画及び作業所納期計画などの情報から、拠点でのアソート化の期間を想定し、アソート化に必要な資機材、仕分日、及び出荷日などのアソート情報をデータベース47に登録する作業である。
【0149】
ヤード計画の作業は、拠点の計画フェーズを行う作業者がユニット計画及びアソート計画などの情報から、必要となるヤードサイズ及び置き場を計画し、ヤード情報及び作業日時をヤード計画としてデータベース47に登録する作業である。
【0150】
また、拠点納期計画の作業は拠点の計画フェーズを行う作業者が作業所納期計画及びヤード計画から、資機材の拠点への希望納期を決定し、データベース47に登録する作業である。RFID割付の作業は、拠点の計画フェーズを行う作業者がRFIDタグによる管理を行う資機材、ユニット、及びアソートを選択し、ユニークIDを割り振り、データベース47に登録する作業である。
【0151】
サプライヤの生産管理フェーズでは、受注管理、生産管理、及び出荷管理の作業がサプライヤの生産管理フェーズを行う作業者により行われる。
【0152】
受注管理の作業は、サプライヤの生産管理フェーズを行う作業者が資機材の拠点への希望納期を確認し、資機材の生産を計画検討し、回答納期をデータベース47に登録する作業である。生産管理の作業は、サプライヤの生産管理フェーズを行う作業者が、データベース47に登録した回答納期に合わせた資機材の生産を実施する作業である。
【0153】
生産完了後、サプライヤの生産管理フェーズを行う作業者は生産完了した資機材のユニークIDをデータベース47から読み出し、RFIDプリンタ16を利用し、ユニークIDを記録したRFIDタグを発行する。サプライヤの生産管理フェーズを行う作業者は、生産完了した資機材に、発行したRFIDタグを貼付する。
【0154】
出荷管理の作業はサプライヤの生産管理フェーズを行う作業者が、データベース47に登録した回答納期に合わせた資機材の出荷を実施する作業である。資機材の出荷時、サプライヤの生産管理フェーズを行う作業者は、出荷する資機材のRFIDタグを読み取り、サーバ装置11のデータベース47に記憶されている資機材に関する情報のステータスを「拠点への出荷完了」に変更する。また、本実施形態において、出荷管理の作業では、資機材を運搬するトラックへの積載の登録が含まれていてもよい。
【0155】
また、拠点の加工管理フェーズでは、納品管理、ユニット製作管理、アソート製作管理、資機材管理、及び出荷管理が拠点の加工管理フェーズを行う作業者により行われる。
【0156】
納品管理の作業は、拠点の加工管理フェーズを行う作業者がサプライヤからの資機材の納品を受け入れ、管理、及び仕分けを行い、データベース47に登録する作業である。拠点の加工管理フェーズを行う作業者は、サプライヤから納品された資機材のRFIDタグを読み取り、サーバ装置11のデータベース47に記憶されている資機材に関する情報のステータスを「サプライヤからの納品完了」に変更する。また、拠点の加工管理フェーズを行う作業者は、データベース47からヤード情報などを読み出し、納品された資機材の仕分けを行う。
【0157】
ユニット製作管理の作業は、拠点の加工管理フェーズを行う作業者が、データベース47から読み出したユニット化に必要な資機材、仕分日、及び出荷日などのユニット情報に基づき、ユニット製作を行う作業である。拠点の加工管理フェーズを行う作業者はRFIDタグの読み取りにより、ユニット化に必要な資機材の集積を行う。また、拠点の加工管理フェーズを行う作業者は、集積した資機材をユニット化する。
【0158】
ユニット化後、拠点の加工管理フェーズを行う作業者は、ユニット化したユニットのユニークIDをデータベース47から読み出し、RFIDプリンタ16を利用し、ユニークIDを記録したRFIDタグを発行する。拠点の加工管理フェーズを行う作業者は、発行したRFIDタグをユニットに貼付する。また、拠点の加工管理フェーズを行う作業者はユニットに貼付したRFIDタグを読み取り、サーバ装置11のデータベース47に記憶されているユニットに関する情報のステータスを「ユニット化完了」に変更する。
【0159】
アソート製作管理の作業は、拠点の加工管理フェーズを行う作業者が、データベース47から読み出したアソート化に必要な資機材、仕分日、及び出荷日などのアソート情報に基づき、アソート化を行う作業である。拠点の加工管理フェーズを行う作業者はRFIDタグの読み取りにより、アソート化に必要な資機材の集積を行う。また、拠点の加工管理フェーズを行う作業者は、集積した資機材をアソート化する。
【0160】
アソート化後、拠点の加工管理フェーズを行う作業者は、アソート化したアソートのユニークIDをデータベース47から読み出し、RFIDプリンタ16を利用し、ユニークIDを記録したRFIDタグを発行する。拠点の加工管理フェーズを行う作業者は、発行したRFIDタグをアソートに貼付する。また、拠点の加工管理フェーズを行う作業者はアソートに貼付したRFIDタグを読み取り、サーバ装置11のデータベース47に記憶されているアソートに関する情報のステータスを「アソート化完了」に変更する。
【0161】
資機材管理の作業は、拠点の加工管理フェーズを行う作業者が、在庫品の数量をRFIDタグにより更新し、在庫管理を見える化する作業である。
図17は資機材管理の作業の一例について説明する図である。
【0162】
図17に示すように、同じ資機材1000の在庫品は固定の置き場に集合単位で一つのRFIDタグ1010により数量管理される。例えば拠点の加工管理フェーズを行う作業者はデータベース47から読み出したユニット情報、アソート情報、ヤード情報、及び作業日時などの情報に基づき、必要な資機材1000を必要な場所に仕分け・集積する。
【0163】
例えば拠点の加工管理フェーズを行う作業者は、必要な場所に仕分け・集積した資機材1000、ユニット、アソートのRFIDタグを読み取り、サーバ装置11のデータベース47に記憶されている資機材1000、ユニット、及びアソートに関する情報の保管場所であるロケーションを更新する。
【0164】
出荷管理の作業は、拠点の加工管理フェーズを行う作業者が、サーバ装置11のデータベース47に記憶されている出荷日に基づいて資機材、ユニット、及びアソートの出荷を行う作業である。拠点の加工管理フェーズを行う作業者は、出荷する資機材、ユニット、及びアソートのRFIDタグを読み取り、サーバ装置11のデータベース47に記憶されている資機材、ユニット、及びアソートに関する情報のステータスを例えば「作業所への出荷完了」に変更する。また、本実施形態において、出荷管理の作業では、資機材、ユニット、及びアソートを運搬するトラックへの積載の登録が含まれていてもよい。
【0165】
また、作業所の施工管理フェーズでは、納品管理、資機材管理、施工実施管理、及び試運転実施管理が、作業所の施工管理フェーズを行う作業者により行われる。
【0166】
納品管理の作業は、作業所の施工管理フェーズを行う作業者が拠点から納品された資機材、ユニット、及びアソートを受け入れ、データベース47に登録する作業である。作業所の施工管理フェーズを行う作業者は、納品された資機材、ユニット、及びアソートのRFIDタグを読み取り、サーバ装置11のデータベース47に記憶されている資機材、ユニット、及びアソートに関する情報のステータスを「拠点からの納品完了」に変更する。
【0167】
資機材管理の作業は、作業所の施工管理フェーズを行う作業者が、拠点から納品された資機材1000、ユニット1002、及びアソート1006を管理する作業である。
図18は資機材管理の作業の一例について説明する図である。
【0168】
図18に示すように、作業所の施工管理フェーズを行う作業者は、納品された資機材1000、ユニット1002、及びアソート1006に貼付されたRFIDタグ1010をRFIDリーダ14で読み取ることで、サーバ装置11のデータベース47に記憶されている資機材情報、ユニット情報、及びアソート情報などの情報を情報処理端末12に表示させることができる。作業所の施工管理フェーズを行う作業者は、情報処理端末12に表示させた資機材情報、ユニット情報、及びアソート情報などの情報に基づき、納品された資機材1000、ユニット1002、及びアソート1006を資機材置き場などの仮置き場又は使用場所へ移動する。
【0169】
また、作業所の施工管理フェーズを行う作業者は、資機材置き場などの仮置き場又は使用場所へ移動した資機材1000、ユニット1002、及びアソート1006のRFIDタグを読み取り、サーバ装置11のデータベース47に記憶されている資機材1000、ユニット、及びアソートに関する情報の保管場所であるロケーションを更新する。
【0170】
さらに、作業所の施工管理フェーズを行う作業者は、納品された、又は資機材置き場などの仮置き場に置かれている資機材1000、ユニット1002、及びアソート1006のRFIDタグを読み取り、目的の資機材1000、ユニット1002、及びアソート1006を見つけることもできる。
【0171】
施工実施管理の作業は、作業所の施工管理フェーズを行う作業者が、使用場所で資機材1000、ユニット1002、及びアソート1006を用いて行う建築設備の施工を管理する作業である。
図19は施工実施管理の作業の一例について説明する図である。
【0172】
例えば作業所の施工管理フェーズを行う作業者は、RFIDリーダ14を利用し、資機材1000、ユニット1002、及びアソート1006に貼付されているRFIDタグを読み取ることにより、サーバ装置11のデータベース47に記憶されている建築設備の施工に関する情報を情報処理端末12に表示させることができる。
【0173】
作業所の施工管理フェーズを行う作業者は、情報処理端末12に表示させた建築設備の施工に関する情報を閲覧しながら、例えば建築設備の吊込、配管試験、結線、電源送りなどの項目の施工を行うことができる。作業所の施工管理フェーズを行う作業者は、建築設備の資機材1000又はユニット1002のRFIDタグをRFIDリーダ14で読み取ることで、例えば建築設備の吊込、配管試験、結線、電源送りなどの項目の施工状況を未施工から完了に更新するなど、サーバ装置11のデータベース47に記憶されている建築設備の施工状況を一括管理できる。
図20は試運転実施管理の作業の一例について説明する図である。
【0174】
試運転管理の作業は、作業所の施工管理フェーズを行う作業者が行う、施工の完了した建築設備の試験状況、試運転状況を管理する作業である。作業所の施工管理フェーズを行う作業者は、RFIDリーダ14を利用し、施工の完了した建築設備の資機材1000又はユニット1002に貼付されているRFIDタグを読み取ることにより、サーバ装置11のデータベース47に記憶されている建築設備の試験状況及び試運転状況の情報を読み取り、建築設備の試験状況及び試運転状況の情報を情報処理端末12に表示させ、確認することができる。また、作業所の施工管理フェーズを行う作業者は、RFIDリーダ14を利用し、サーバ装置11のデータベース47に記憶されている建築設備の試験状況及び試運転状況の情報を更新できる。
【0175】
また、竣工建築物の運用管理フェーズでは、運用記録管理、及び更新記録管理が、竣工建築物の運用管理フェーズを行う作業者により行われる。
【0176】
運用管理フェーズの作業は、竣工建築物の運用管理フェーズを行う作業者が、メンテナンス履歴等の建築設備の運用記録、更新履歴等の建築設備の更新記録を管理する。竣工建築物の運用管理フェーズを行う作業者は、資機材又はユニットに貼付されていたRFIDタグから読み取り可能なタグIDを利用して、竣工建築物の建築設備の運用記録及び更新記録の管理を行う。
【0177】
更に、アソート製作管理の作業について、
図21を用いて説明する。
図21はアソート製作管理の作業手順を示した一例のフローチャートである。ステップS30において、拠点の加工管理フェーズを行う作業者は、アソートリストの出力を行う。アソートリストの出力は情報処理端末12bの表示により行ってもよいし、紙への印刷により行ってもよい。
【0178】
アソートリストは、データベース47から読み出したアソート化に必要な資機材、仕分日、及び出荷日などのアソート情報が含まれる。アソートリストは、例えば
図22に示すように登録されているアソートパターンの情報が含まれていてもよい。
【0179】
図22はアソートパターンの一例の説明図である。例えばアソートパターンは作業所ごとに登録できる。それぞれのアソートパターンには、アソートを構成する資機材の種類及び数が登録されている。
【0180】
ステップS32において、拠点の加工管理フェーズを行う作業者は、アソートリストに基づき、アソート用の資機材をピッキングし、例えばアソートヤードへアソート用の資機材を集積する作業を行う。ステップS34において、拠点の加工管理フェーズを行う作業者は、アソートヤードに集積した資機材を、例えば台車に積載することで、集積した資機材をアソート化する。
【0181】
ステップS36において、拠点の加工管理フェーズを行う作業者は、アソート化したアソートのユニークIDをデータベース47から読み出し、ユニークIDを記録したRFIDタグを、RFIDプリンタ16を利用して発行する。拠点の加工管理フェーズを行う作業者は、発行したRFIDタグをアソートに貼付する。
【0182】
なお、アソート用の資機材を積載する台車には、予めRFIDタグが貼付されている場合がある。この場合は、台車に貼付されているRFIDタグに記録されている内容を更新するようにしてもよい。
【0183】
ステップS38において、拠点の加工管理フェーズを行う作業者はアソートに貼付したRFIDタグを読み取り、サーバ装置11のデータベース47に記憶されているアソートに関する情報のステータスを「アソート化完了」に変更する。なお、アソート化の完了後はアソートのロケーション管理が行われる。
【0184】
更に、ユニット製作管理の作業について、
図23を用いて説明する。
図23はユニット製作管理の作業手順を示した一例のフローチャートである。ステップS50において、拠点の加工管理フェーズを行う作業者は、ユニットリストの出力を行う。なお、ユニットリストの出力は情報処理端末12bの表示により行ってもよいし、紙への印刷により行ってもよい。
【0185】
ユニットリストは、データベース47から読み出したユニット化に必要な資機材、仕分日、及び出荷日などのユニット情報が含まれる。ユニットリストは例えば
図24に示すように登録されているユニットパターンの情報が含まれていてもよい。
図24はユニットパターンの一例の説明図である。ユニットパターンには、ユニットを構成する資機材の種類及び数が登録されている。
【0186】
ステップS52において、拠点の加工管理フェーズを行う作業者は、ユニットリストに基づき、ユニット用の資機材をピッキングし、例えばユニットヤードへユニット用の資機材を集積する作業を行う。ステップS54において、拠点の加工管理フェーズを行う作業者は、ユニットヤードに集積したユニット用の資機材を、ユニット化する。
【0187】
ステップS56において、拠点の加工管理フェーズを行う作業者は、ユニット化したユニットのユニークIDをデータベース47から読み出し、ユニークIDを記録したRFIDタグを、RFIDプリンタ16を利用して発行する。拠点の加工管理フェーズを行う作業者は、発行したRFIDタグをユニットに貼付する。
【0188】
ステップS58において、拠点の加工管理フェーズを行う作業者はユニットに貼付したRFIDタグを読み取り、サーバ装置11のデータベース47に記憶されているユニットに関する情報のステータスを「ユニット化完了」に変更する。なお、ユニット化の完了後はユニットのロケーション管理が行われる。
【0189】
拠点では、例えば
図25に示すようにロケーションが管理されている。
図25は拠点におけるロケーション管理の一例の説明図である。拠点のロケーションは、例えば
図25に示したように、大分類マスタ、小分類マスタ、ヤードマスタ、及び区分マスタにより管理されている。大分類マスタは、ヤードがあるエリア、区画などの名称が登録される。小分類マスタは、ヤードがあるエリア、区画などの大分類を細分化した小分類の名称が登録される。ヤードマスタは、加工ヤードやストックヤードなどに区分され、ヤードの名称が登録される。区分マスタは、保管、製作、出荷待機、入庫待機などのヤードの役割を示す情報が登録される。
図25に示すように拠点のロケーションは、大分類マスタ、小分類マスタ、ヤードマスタ、及び区分マスタを対応付けて管理している。
【0190】
作業所では、例えば
図26に示すようにロケーションが管理されている。
図26は作業所におけるロケーション管理の一例の説明図である。作業所のロケーションは、例えば
図26に示したように、エリアマスタ、フロアマスタ、工区マスタ、及び部屋マスタにより管理されている。エリアマスタはエリアや棟などの名称が登録される。フロアマスタはフロアの名称が登録される。工区マスタは工区の名称が登録される。また、部屋マスタは部屋の名称が登録される。
図26に示すように作業所のロケーションは、エリアマスタ、フロアマスタ、工区マスタ、及び部屋マスタを対応付けて管理している。
【0191】
図27は作業所のロケーション管理の一例のイメージ図である。作業所では、拠点から納品された資機材、ユニット、及びアソートを受け入れが完了すると、作業所の施工管理フェーズを行う作業者は、納品された資機材、ユニット、及びアソートに貼付されたRFIDタグをRFIDリーダ14で読み取り、納品された資機材、ユニット、及びアソートの仮置き場又は使用場所などのロケーションを確認する。作業所の施工管理フェーズを行う作業者は、確認したロケーションに資機材、ユニット、及びアソートを移動する。
【0192】
また、作業所の施工管理フェーズを行う作業者は、確認したロケーションに資機材、ユニット、及びアソートを移動し、資機材、ユニット、及びアソートのRFIDタグを読み取り、移動した資機材、ユニット、及びアソートのロケーションを登録する。このような作業によりサーバ装置11のデータベース47に記憶されている資機材、ユニット、及びアソートのロケーションは更新される。
【0193】
図28は作業所のRFIDリーダの一例の画面イメージ図である。
図28に示した画面イメージ図では、画面上部に作業所のロケーション管理情報を入力する。RFIDリーダ14で読み取った資機材、ユニット、及びアソートの番号や名称などは画面下部に資機材管理情報として表示される。例えば
図28の画面イメージ図では、RFIDリーダ14で読み取ったユニットのユニット番号や名称が資機材管理情報として画面下部に表示されている。
【0194】
作業所の施工管理フェーズを行う作業者は、操作部に設けられた登録ボタン2002を押下する操作を行うことで、画面下部に表示されている資機材、ユニット、及びアソートのロケーション管理情報を画面上部に入力された作業所のロケーション管理情報に更新できる。例えば
図28の画面イメージ図では、作業所の施工管理フェーズを行う作業者が登録ボタン2002を押下する操作を行うことで、画面下部に表示されているユニットA及びBのロケーション管理情報を「北棟3FA区3012」に更新できる。
【0195】
図29は作業所の施工管理の一例のイメージ図である。作業所では、拠点から納品された資機材、ユニット、及びアソートの使用場所への移動が完了すると、機器施工、資機材使用、ユニット施工、及びアソート使用が行われる。例えば施工された機器、使用された部材などは、RFIDリーダ14でRFIDタグを読み取られることで、データベース47に施工完了が登録される。施工されたユニットはRFIDリーダ14でユニットのRFIDタグを読み取られることで、データベース47に施工完了が登録される。使用されたアソートは、RFIDリーダ14でアソートのRFIDタグを読み取られることで、データベース47に施工完了が登録される。
【0196】
なお、上記の実施形態ではRFIDタグを一例としたが、識別情報が読み取り可能に記憶された識別部材であれば、RFIDタグ以外であってもよい。また、上記の実施形態ではRFIDタグを一例としたが、二次元コードに置き換えてもよいし、RFIDタグと二次元コードとを併用してもよい。
【0197】
上記では、作業者がRFIDリーダ14を操作し、資機材、ユニット、及びアソートのRFIDタグを明示的に読み取る作業により、サーバ装置11のデータベース47に記憶されている資機材、ユニット、及びアソートのロケーションを更新し、ロケーション管理を行っていた。資機材、ユニット、及びアソートのロケーション管理は、上記の方法に限定されるものではない。
【0198】
例えば資機材、ユニット、及びアソートのロケーション管理は、作業者の業務に付随して発生する移動を利用し、以下のように行ってもよい。作業者は、常時稼働する(常時稼働状態の)RFIDリーダ14を携帯する。また、サプライヤ、拠点、及び作業所などのロケーション管理を行う場所にロケーションタグを設置する。ロケーションタグに記録された識別情報は、そのロケーションタグが設置されているロケーションを示す情報である。
【0199】
作業者が携帯するRFIDリーダ14は、作業者の移動により、作業者の周囲にある資機材、ユニット、及びアソートのRFIDタグと、ロケーションタグとを、作業者に意識させることなく読み取る。サーバ装置11は、作業者が携帯するRFIDリーダ14が読み取った資機材、ユニット、及びアソートのRFIDタグと、ロケーションタグとに基づいて、資機材、ユニット、及びアソートのロケーションを更新できる。
【0200】
なお、サーバ装置11は作業者が携帯するRFIDリーダ14が読み取るロケーションタグについて、最後に読み取ったロケーションタグを採用する。サーバ装置11は作業者が携帯するRFIDリーダ14が最後にロケーションタグを読み取ってから所定時間が経過すると、資機材、ユニット、及びアソートのロケーションを更新しないような仕様としてもよい。
【0201】
本実施形態に係る連携業務支援システムは、集中生産システム40と設計支援システム100とが連携して、以下のような処理が可能である。
【0202】
図30は、設計支援システムと集中生産システムとが資機材に関する情報を連携する処理の一例のシーケンス図である。
【0203】
ステップS100において、設計支援システム100は集中生産システム40にBIMモデルの情報を送信し、BIMモデルに対応した資機材に関する情報を要求する。BIMモデルに対応した資機材に関する情報には、建築に用いる資機材の発注状況及び納期情報等を示すスケジュール情報などが含まれる。
【0204】
ステップS102において、集中生産システム40のサーバ装置11はデータベース47が記憶する建築設備の資機材に関する情報から、設計支援システム100からの要求のあったBIMモデルに対応した資機材に関する情報を検索する。
【0205】
ステップS104において、集中生産システム40のサーバ装置11は、設計支援システム100から要求のあったBIMモデルに対応した資機材に関する情報をデータベース47から取得する。
【0206】
ステップS106において、集中生産システム40のサーバ装置11は、ステップS104で取得したBIMモデルに対応した資機材に関する情報を設計支援システム100に送信する。
【0207】
ステップS108において、設計支援システム100はステップS106で集中生産システム40のサーバ装置11から受信した資機材に関する情報でBIMモデルの情報を更新する。
【0208】
例えば設計支援システム100は、集中生産システム40のデータベース47に記憶されている納期の情報を受信し、BIMモデルの情報に含まれる納期の情報が集中生産システム40と連携するようにBIMモデルの情報を更新する。
【0209】
図30のフローチャートの処理によれば、BIMモデルに対応した資機材の納期などの調整を集中生産システム40側で行い、調整後の納期などを、集中生産システム40と設計支援システム100との間で連携できる。例えば設計支援システム100は、調整後の納期などの情報を用いることで、調整後の納期により色分けしたオブジェクトの表示が可能となる。
【0210】
また、BIMモデルに対応した資機材に関する情報には、集中生産システム40で発行して、作業者が資機材、ユニット、又はアソートに割り振って貼付したRFIDタグのタグIDが含まれていてもよい。この場合、設計支援システム100は、集中生産システム40において作業者が資機材、ユニット、又はアソートに割り振って貼付したRFIDタグのタグIDを利用できる。
【0211】
例えば設計支援システム100は、集中生産システム40において作業者が資機材、ユニット、又はアソートに割り振って貼付したRFIDタグのタグIDをBIMオブジェクトのオブジェクトと対応付ける。設計支援システム100は、RFIDタグのタグIDを読み込むことで、BIMオブジェクトのオブジェクトを指定し、表示できる。
【0212】
また、BIMモデルに対応した資機材に関する情報には、集中生産システム40で管理されている建築設備の試験状況及び試運転状況の情報が含まれていてもよい。設計支援システム100は、集中生産システム40で管理されている建築設備の試験状況及び試運転状況の情報を、品質管理情報として利用できる。
【0213】
また、設計支援システム100は集中生産システム40で発行して、作業者が資機材、ユニット、又はアソートに割り振って貼付したRFIDタグのタグIDを利用し、設計支援システム100側で建築設備の試験状況及び試運転状況の情報を、品質管理情報として登録してもよい。
【0214】
さらに、設計支援システム100側で建築設備の試験状況及び試運転状況の情報を、品質管理情報として登録する際、資機材、ユニット、又はアソートに割り振って貼付したRFIDタグのタグIDを読み取り、そのタグIDと対応付けられた資機材に関する情報を情報処理端末12に表示させてもよい。
【0215】
図31は、設計支援システムと集中生産システムとが資機材に関する情報を連携する処理の一例のシーケンス図である。
【0216】
ステップS200において、集中生産システム40は設計支援システム100にBIMモデルの情報を要求する。ステップS202において、設計支援システム100は集中生産システム40にBIMモデルの情報を送信する。
【0217】
ステップS204において、集中生産システム40は設計支援システム100から受信したBIMモデルの情報に基づき、ユニットの情報を、組み付けて一体化する前の資機材の情報にばらす。これは、設計支援システム100側でユニットを一つのオブジェクトとして扱い、組み付けて一体化した資機材の情報を管理していない場合に、集中生産システム40で資機材単位にばらす処理である。ユニットの詳細を秘匿したい場合は、設計支援システム100側でユニットを一つのオブジェクトとして扱うことにより、ユニットの詳細を秘匿できる。このように、集中生産システム40と設計支援システム100とにおいてユニットの情報の粒度を変化させることができる。
【0218】
ステップS206において、集中生産システム40は、ステップS204で資機材単位にばらしたユニットを含め、BIMモデルに対応した資機材に関する情報をデータベース47に登録できる。
【0219】
図31のフローチャートの処理によれば、設計支援システム100のBIMモデルの情報を集中生産システム40に送信し、データベース47に登録できるので、集中生産システム40に対するBIMモデルの情報の登録を簡略化できる。なお、
図31では、集中生産システム40から要求を送る例を示したが、ステップS200の要求無しに、設計支援システム100からBIMモデルの情報を受信し、そのBIMモデルの情報に基づいてユニットか否かを判断して、資機材の情報にばらすようにしてもよい。
【0220】
また、設計支援システム100にオブジェクトのグループ化の機能がある場合は、設計支援システム100のグループ化の機能によりまとめられたオブジェクトの情報を利用することで、集中生産システム40側のアソート情報の登録に利用してもよい。設計支援システム100のグループ化の機能によりまとめられたオブジェクトの情報を利用することで、集中生産システム40側のアソート情報の登録を簡略化できる。
【0221】
[補足]
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるCPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)のようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等の機器を含むものとする。
【0222】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0223】
6 工程管理システム
7 進捗管理システム
8 品質管理システム
9 運用管理システム
11 サーバ装置
12、12a~12c 情報処理端末
14、14a~14c RFIDリーダ
16、16a~16b RFIDプリンタ
20 見積システム
30 基幹システム
40 集中生産システム
41 資機材情報入力部
42 資機材情報更新部
43 ユニークID管理部
44 表示制御部
45 データベース管理部
46、66、76、86 連携部
47 データベース
50 ユーザ端末
100 設計支援システム
1000、1000a~1000k 資機材
1002 ユニット
1004 台車
1006 アソート
1010 RFIDタグ