(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173492
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】電波発射源の識別装置、識別方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04B 17/391 20150101AFI20241205BHJP
H04B 17/309 20150101ALI20241205BHJP
【FI】
H04B17/391
H04B17/309
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091941
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】岸本 薫
(72)【発明者】
【氏名】大辻 太一
(72)【発明者】
【氏名】鍋藤 悠
(72)【発明者】
【氏名】寺田 貴雅
(57)【要約】
【課題】電波発射源の通信状態によらず電波発射源を識別することができる方法を提供する。
【解決手段】電波発射源の識別装置は、電波を受信する手段と、受信した前記電波から通信状態分類用のデータと通信状態ごとの電波発射源推定用のデータとを生成する手段と、通信状態分類用のデータを用いて電波が示す通信状態を分類する手段と、前記通信状態の分類結果に対応する前記電波発射源推定用のデータを用いて電波発射源を推定する手段と、を備える。
【選択図】
図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を受信する電波受信手段と、
受信した前記電波から、通信状態分類用のデータと、通信状態ごとの電波発射源推定用のデータと、を生成する信号処理手段と、
前記通信状態分類用のデータを用いて、前記電波が示す通信状態を分類する通信状態分類手段と、
前記通信状態の分類結果に対応する前記電波発射源推定用のデータを用いて、電波発射源を推定する電波発射源推定手段と、
を備える電波発射源の識別装置。
【請求項2】
前記通信状態分類手段は、前記通信状態分類用のデータと通信状態との関係を学習した学習済みモデルと、前記通信状態分類用のデータと、に基づいて、前記電波が示す通信状態を分類する、
請求項1に記載の電波発射源の識別装置。
【請求項3】
前記通信状態分類用のデータを学習して、通信状態分類用の学習済みモデルを生成する学習手段、
をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の電波発射源の識別装置。
【請求項4】
前記通信状態ごとの前記電波発射源推定用のデータを学習して、電波発射源推定用の学習済みモデルを通信状態ごとに生成する学習手段、
をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の電波発射源の識別装置。
【請求項5】
前記通信状態分類用のデータと、前記電波発射源推定用のデータと、前記電波発射源の推定結果と、を表示する結果表示手段、
をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の電波発射源の識別装置。
【請求項6】
前記電波受信手段と、前記信号処理手段と、前記通信状態分類手段と、前記電波発射源推定手段とを2以上の複数備える、
請求項1又は請求項2に記載の電波発射源の識別装置。
【請求項7】
前記通信状態には、サーチ状態とダウンロード状態が含まれる、
請求項1又は請求項2に記載の電波発射源の識別装置。
【請求項8】
前記通信状態分類用のデータと前記電波発射源推定用のデータは、前記電波のスペクトラム情報、又は、前記電波から算出したIQ信号に基づく情報である、
請求項1又は請求項2に記載の電波発射源の識別装置。
【請求項9】
電波を受信するステップと、
受信した前記電波から、通信状態分類用のデータと、通信状態ごとの電波発射源推定用のデータと、を生成するステップと、
前記通信状態分類用のデータを用いて、前記電波が示す通信状態を分類するステップと、
前記通信状態の分類結果に対応する前記電波発射源推定用のデータを用いて、電波発射源を推定するステップと、
を有する電波発射源の識別方法。
【請求項10】
コンピュータに、
電波を受信するステップと、
受信した前記電波から、通信状態分類用のデータと、通信状態ごとの電波発射源推定用のデータと、を生成するステップと、
前記通信状態分類用のデータを用いて、前記電波が示す通信状態を分類するステップと、
前記通信状態の分類結果に対応する前記電波発射源推定用のデータを用いて、電波発射源を推定するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波発射源の識別装置、識別方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の電波利用において、電波状態の把握や電波発射源の識別を行って、電波の利用状況の調査を行うことにより、電波環境の維持、高効率の電波運用に役立てることができる。通信内容の中身は秘匿性から確認できないため、復調等をしない無処理の電波信号や、一般的なスペクトラムアナライザ等で確認できる電波の物理層情報を用いて、電波発射源の推定を行うことが多い。無線LAN通信の通信状態は、受信電波がアクセスポイントを探しているサーチ状態とアクセスポイントと接続してデータをやり取りしているダウンロード状態の2種類に分けられる。この2種類の通信は一定区間だけを切り取れば人の目により判断可能であるが、連続して発せられる電波すべてを人の目により判断するのは難しい。また、2種類の通信波形の見た目は異なるものであるが、同発射源から発せられるため、推定時に誤りが生じることがある。
【0003】
非特許文献1には、教師あり学習アルゴリズムを用いて電波発射源を識別する無線周波数フィンガープリンティングに関する技術が開示されている。教師あり学習アルゴリズムを用いて電波発射源を推定するためには、例えば、学習データとして電波から生成した特徴量と電波発射源の装置名を示すラベルのセットを用いて学習させ、学習済みモデルを生成する。電波発射源が発する電波に複数の状態がある場合、電波から取り出した特徴量間の差異が大きくなるため、電波発射源の推定精度が低下する。例えば、上述のように無線LAN通信の電波は2種類の状態に分けることができるが、通信状態の違いを考慮して学習済みモデルを生成しなければ、同じ電波発射源が送信する電波でも特徴量に差異があるため電波発射源の推定精度が低下してしまう。しかし、非特許文献1では、同一電波発信源が送信する電波が複数の状態を持つ状況については考慮されていない。
【0004】
また、特許文献1には、機械学習を用いて通信パラメータから無線経路の通信状態(劣化度合い)を予測する技術が開示されているが、電波発射源の推定精度向上の目的としては利用できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】S. U. Rehman, K. Sowerby, and C. Coghill, “Analysis of Receiver Front End on the Performance of RF Fingerprinting” 2012 IEEE International Symposium on Personal, Indoor, and Mobile Radio Communications (PIMRC), pp. 2494-2499, 2012.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
通信状態の違いを考慮して電波発射源を識別することにより、電波発射源の推定精度を向上する技術が求められている。
【0008】
そこでこの発明は、上述の課題を解決する電波発射源の識別装置、識別方法およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、電波発射源の識別装置は、電波を受信する電波受信手段と、受信した前記電波から、通信状態分類用のデータと、通信状態ごとの電波発射源推定用のデータと、を生成する信号処理手段と、前記通信状態分類用のデータを用いて、前記電波が示す通信状態を分類する通信状態分類手段と、前記通信状態の分類結果に対応する前記電波発射源推定用のデータを用いて、電波発射源を推定する電波発射源推定手段と、を備える。
【0010】
本発明の一態様によれば、電波発射源の識別方法は、電波を受信するステップと、受信した前記電波から、通信状態分類用のデータと、通信状態ごとの電波発射源推定用のデータと、を生成するステップと、前記通信状態分類用のデータを用いて、前記電波が示す通信状態を分類するステップと、前記通信状態の分類結果に対応する前記電波発射源推定用のデータを用いて、電波発射源を推定するステップと、を有する。
【0011】
本発明の一態様によれば、プログラムは、コンピュータに、電波を受信するステップと、受信した前記電波から、通信状態分類用のデータと、通信状態ごとの電波発射源推定用のデータと、を生成するステップと、前記通信状態分類用のデータを用いて、前記電波が示す通信状態を分類するステップと、前記通信状態の分類結果に対応する前記電波発射源推定用のデータを用いて、電波発射源を推定するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電波発射源の通信状態にかかわらず、電波発射源を識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】各実施形態に係る電波発射源の識別装置の一例を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る識別装置のブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る電波発射源の推定方法の一例を示すフローチャートである。
【
図4】第1実施形態に係る通信状態分類部の構成の一例を示す図である。
【
図5】第2実施形態に係る識別装置のブロック図である。
【
図6】第2実施形態に係る識別装置の動作全体の一例を示すフローチャートである。
【
図7】第2実施形態に係る電波データの収集動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】第2実施形態に係るモデル学習動作の一例を示す第1のフローチャートである。
【
図9】第2実施形態に係るモデル学習動作の一例を示す第2のフローチャートである。
【
図10】第2実施形態に係る電波発射源識別動作の一例を示すフローチャートである。
【
図11】第3実施形態に係る識別装置のブロック図である。
【
図12】第3実施形態に係る識別装置の動作全体の一例を示すフローチャートである。
【
図13】第3実施形態に係る電波データ収集動作の一例を示すフローチャートである。
【
図14】第3実施形態に係るモデル学習動作の一例を示すフローチャートである。
【
図15】第3実施形態に係る電波発射源識別動作の一例を示すフローチャートである。
【
図16】最小構成を有する電波発射源の識別装置の構成を示すブロック図である。
【
図17】最小構成を有する電波発射源の識別装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の各実施形態に係る電波発射源の識別処理について図面を参照して説明する。以下の説明に用いる図面において本発明に関係ない部分の構成については、記載を省略し、図示しない場合がある。
【0015】
<第1実施形態>
(構成)
図1は、各実施形態に係る電波発射源の識別装置の一例を示す図である。
電波発射源の識別装置1は、アンテナ2、受信機3、および処理端末4を備える。ユーザが利用するスマートフォンやPC(Personal)などの情報処理端末は電波発射源5である。識別装置1は、電波発射源5から送信された電波をアンテナ2で受信し、受信機3でデジタル信号に変換する等の信号処理を実施し、処理端末4にて、受信信号に基づいて電波発射源5の個体を推定(識別)する処理を実施する。なお、処理端末4は、その推定結果を出力してもよい(第2実施形態、第3実施形態)。推定処理の結果には、例えば、時間軸ごとに区切られた受信電波における、周波数軸に変換した電力強度と、受信電波を発した電波発射源5の個体(情報処理装置の識別情報)や種類(機種)と、その通信状態が含まれる。
【0016】
図2は、第1実施形態に係る電波発射源の識別装置のブロック図である。
図2に示すように電波発射源の識別装置1は、電波受信部11と、信号処理部12と、通信状態分類部13と、電波発射源推定部14と、を備える。
電波受信部11は、電波発射源5が無線送信した電波を受信する。電波受信部11は、例えば、
図1のアンテナ2と受信機3に対応する。
信号処理部12は、電波受信部11で受信した信号からIQ(In phase/Quadrature phase)信号を算出し、画像情報(IQ信号の軌跡の画像)に変換する。また、電波受信部11で受信処理した時間軸信号を周波数軸信号に変換して電力強度を表現したスペクトラム情報を算出する。信号処理部12は、例えば、
図1の処理端末4が備える機能である。
通信状態分類部13は、信号処理部12から得たIQ信号の画像情報に基づいて、電波受信部11が受信した電波が示す通信状態をサーチ状態か又はダウンロード状態かに分類する。通信状態分類部13は、例えば、
図1の処理端末4が備える機能である。
【0017】
電波発射源推定部14は、信号処理部12から得たスペクトラム情報に対して、通信状態分類部13の分類結果に応じた特徴量の抽出処理を行い、抽出した特徴量から電波発射源5を推定する。電波発射源推定部14は、例えば、
図1の処理端末4が備える機能である。
なお、電波発信源の特定に使用する電波の特徴量は、スペクトラム情報から抽出できる特徴量(スペクトラム特徴量と称する)に限定されず、他の特徴量を用いてもよい。例えば、スペクトラム特徴量に代えて又は加えて、受信信号のトランジェント(立ち上がり、立ち下り)、受信信号のエラーベクトル振幅(EVM)を用いてもよい。その他、電波特徴量としては、例えば、IQ位相(同相・直交位相)誤差、IQインバランス量等を用いてもよいし、周波数オフセット、シンボルクロック誤差のうち1又は複数の特徴量を用いて発射源を推定してもよい。
【0018】
(動作)
次に
図3を参照して、第1実施形態における電波発射源の推定処理の流れを説明する。
図3は、第1実施形態に係る電波発射源の推定方法の一例を示すフローチャートである。
まず、電波受信部11が、電波発射源5からの電波を受信する(ステップS111)。信号処理部12は、受信された電波から電波受信結果の画像情報(例えば、IQ信号の画像情報)を算出し、算出した電波受信結果の画像情報を通信状態分類部13へ出力する。次に通信状態分類部13が、電波受信結果の画像情報を取得する(ステップS112)。通信状態分類部13は、電波受信結果の画像情報に基づいて、通信状態を分類する(ステップS113)。分類の方法については、後に
図4を用いて説明する。
【0019】
次に、信号処理部12が、受信電波のスペクトラム情報を算出し(ステップS114)、算出したスペクトラム情報を電波発射源推定部14へ出力する。電波発射源推定部14は、発射源識別のためのスペクトラム特徴量を抽出し(ステップS115)、電波発射源5の個体を推定する(ステップS116)。例えば、受信電波がアクセスポイントを探しているサーチ状態か、又は、アクセスポイントと接続してデータをやり取りしているダウンロード状態かによって、スペクトラム特徴量のうちのどの特徴量に注目して発射源を識別するかが予め定められていて、例えば、データテーブル等に設定されており、電波発射源推定部14は、このデータテーブル等を保持している。電波発射源推定部14は、ステップS113の分類結果とデータテーブル等に基づいて、ステップS114で算出されたスペクトラム情報から、電波発射源5の個体の識別に必要な通信状態に応じたスペクトラム特徴量を抽出する(ステップS115)。また、例えば、電波発射源5の個体の識別情報と通信状態別のスペクトラム特徴量との関係を学習した学習済みモデルが予め用意され、電波発射源推定部14が、この学習済みモデル(例えば、サーチ状態用の学習済みモデルと、ダウンロード状態用の学習済みモデル)を有している。電波発射源推定部14は、ステップS115で抽出したスペクトラム特徴量と、通信状態に応じた学習済みモデルとに基づいて、電波発射源5の個体を推定する(ステップS116)。例えば、電波発射源推定部14は、電波発射源5のスマートフォンやPC等の識別情報を推定する。
電波受信部11において電波を受信し続ける限り、ステップS111~S116の処理が繰り返し実行される。
【0020】
通信状態分類部13の構成例を
図4に示す。通信状態を分類する構成の一例として、受信結果の画像情報から抽出したHOG特徴量を用いて機械学習を行い、学習済みモデルを生成し、この学習済みモデルによって分類する方法が挙げられる。HOG特徴量とは画像を複数のブロックに分割し、ブロックごとに画像の輝度とその勾配の値をまとめたものである。HOG特徴量をベクトル化し、通信状態(サーチ状態か、ダウンロード状態か)のラベルを付与したデータセットを用いて教師あり学習をすることで、入力をHOG特徴量のベクトル、出力を通信状態の分類結果とする学習済みモデルを生成することができる。そして、生成した学習済みモデルを通信状態分類部13に適用する。
図3のステップS113において、通信状態分類部13は、ステップS112で取得した画像からHOG特徴量を抽出し、学習済みモデルに入力する。学習済みモデルは、入力されたHOG特徴量に応じた通信状態を出力する。通信状態分類部13は、ステップS111で受信された電波の通信状態を、学習済みモデルによって出力された通信状態に分類する(ステップS113)。
【0021】
(効果)
一般的な電波発射源の推定方法では、電波の受信結果と電波発射源5のラベルのセットのみを用いて学習モデルを生成しているため、学習用データと通信状態が異なる受信電波に対しては、その発射源を推定することができない。これに対し、本実施形態によれば、通信状態を分類し、その分類結果に対応する受信電波の特徴量に注目して、電波発射源5の推定を行う。これにより、精度よく電波発射源5の個体を識別することができる。また、電波発射源の通信状態が変化した場合でも電波発射源5の推定が可能になる。
【0022】
なお、通信状態についてサーチ状態とダウンロード状態に限らず、任意のN個の状態(Nは1以上の自然数)が存在する場合にも本実施形態は適用可能である。また、電波発射源5は1つに限らず、任意のM個(Mは1以上の自然数)の電波発射源5が存在する場合にも本実施形態は適用可能である。また、電波発射源5を推定するステップS116において発射源個体の識別情報を推定することに代えて、又は、加えて電波発射源5の機種を推定するように構成してもよい。
【0023】
<第2実施形態>
次に
図5~
図10を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、通信状態の分類に用いる学習済みモデルを生成する構成と、電波発射源5の推定結果を出力する機能を追加する。
【0024】
(構成)
図5は、第2実施形態に係る識別装置のブロック図である。第2実施形態に係る電波発射源の識別装置1Aの構成のうち、第1実施形態に係る識別装置1を構成する機能部と同じものには同じ符号を付し、それらの説明を省略する。識別装置1Aは、第1実施形態の識別装置1が備える構成に加え、収集データ保管部21と、学習部22と、結果表示部23とを備える。
【0025】
収集データ保管部21は、信号処理部12が算出したIQ信号の画像情報に対象信号がサーチ状態かダウンロード状態かを示す情報(以降、通信状態パターンと称する。)を紐づけた通信状態分類用の教師データと、信号処理部12が算出したスペクトラム情報に電波発射源5の個体の識別情報および通信状態パターンを付与した電波発射源推定用の教師データを保管(記憶)する。
【0026】
学習部22は、収集データ保管部21から通信状態分類用の教師データを読み出して学習を行い、通信状態分類用の学習済みモデルを生成する。学習部22は、通信状態分類用の学習済みモデルを通信状態分類部13へ渡す。学習部22は、収集データ保管部21から電波発射源推定用の教師データを読み出して、サーチ状態とダウンロード状態に分けて、学習済みモデルとを生成する。つまり、通信状態がサーチ状態の場合に用いる電波発射源推定用の学習済みモデルと、通信状態がダウンロード状態の場合に用いる電波発射源推定用の学習済みモデルとを生成して、2つの学習済みモデルを電波発射源推定部14へ渡す。
【0027】
結果表示部23は、信号処理部12から出力されたIQ信号の画像情報およびスペクトラム情報、通信状態分類部13による通信状態の分類結果、および電波発射源推定部14による電波発射源の推定結果(電波発射源の個体の識別情報)を表示装置や電子ファイルなどに出力し、これらの情報を利用者に提示する。
【0028】
(動作)
次に
図6~
図10を参照して、識別装置1Aの動作について説明する。
図6は、第2実施形態に係る識別装置の動作全体の一例を示すフローチャートである。
図示するように識別装置1Aの動作は、電波データの収集ステップ(ステップS21)、モデルの学習ステップ(ステップS22)、電波発射源の識別ステップ(ステップS23)を含む。
【0029】
図7に、電波データの収集ステップ(ステップS21)の詳細を示す。
図7は、第2実施形態に係る電波データの収集動作の一例を示すフローチャートである。
電波受信部11が、電波データを収集する(ステップS211)。信号処理部12は、収集された電波データについて信号処理を行い、信号処理後の電波データを収集データ保管部21へ出力する。収集データ保管部21は、電波データを加工して教師データを生成し、教師データを収集データ保管部21に保管する(ステップS212)。例えば、収集データ保管部21は、信号処理部12が算出したIQ信号の画像情報から特徴量(例えば、HOG特徴量)を算出し、この特徴量に通信状態パターンを紐づけて通信状態分類用の教師データを生成し、この教師データを保管する。また、例えば、収集データ保管部21は、電波データからスペクトラム特徴量(他の電波特徴量でもよい。)を算出し、算出したスペクトラム情報に電波発射源5の個体の識別情報および通信状態パターンを付与した電波発射源推定用の教師データを生成し、生成した教師データを保管する。
【0030】
図8~9に、モデルの学習ステップ(ステップS22)の詳細を示す。
図8は、第2実施形態に係るモデル学習動作の一例を示す第1のフローチャートである。
まず、収集データ保管部21が教師データを読み出す(ステップS221)。収集データ保管部21は、通信状態分類用の教師データを読み出して学習部22へ渡す。また、収集データ保管部21は、電波発射源推定用の教師データを読み出して学習部22へ渡す。
次に、学習部22が、通信状態分類部13が用いるモデルを学習する(ステップS222)。学習部22は、通信状態分類用の教師データを学習して、通信状態分類用の学習済みモデルを生成する。次に、学習部22が、電波発射源推定部14が用いるモデルを学習する(ステップS223)。学習部22は、電波発射源推定用の教師データに含まれる通信状態パターンを参照してサーチ状態の教師データを抽出し、サーチ状態の教師データを学習して、サーチ状態の電波発射源推定用の学習済みモデルを生成する。同様に、学習部22は、電波発射源推定用の教師データからダウンロード状態の教師データを抽出して学習し、ダウンロード状態の電波発射源推定用の学習済みモデルを生成する。次に、学習部22が、学習済みモデルを出力する(ステップS224)。学習部22は、ステップS222で生成した通信状態分類用の学習済みモデルを通信状態分類部13へ出力する。学習部22は、ステップS223で生成した電波発射源推定用の学習済みモデル(サーチ状態とダウンロード状態の2つの学習済みモデル)を電波発射源推定部14へ出力する。
【0031】
なお、
図8において、ステップS222およびステップS223は直列に記載しているが、2つのステップに依存関係はないため、並列に実施してもよい。並列に実施した場合のフローチャートを
図9に示す。各ステップの処理内容は
図8で説明したとおりである。
【0032】
図10に、電波発射源の識別ステップ(ステップS23)の詳細を示す。
図10は、第2実施形態に係る電波発射源の識別動作の一例を示すフローチャートである。前提として、通信状態分類部13は、
図8~
図9のステップS222で生成された学習済みモデルを有している。電波発射源推定部14は、
図8~
図9のステップS223で生成された2つの学習済みモデルを有している。
図1と同様の処理については説明を省略する。
まず、電波受信部11が、電波発射源5からの電波を受信する(ステップS111)。次に通信状態分類部13が、電波受信結果の画像情報を取得する(ステップS112)。次に通信状態分類部13は、通信状態を分類する(ステップS113)。このとき、通信状態分類部13は、ステップS222で生成された通信状態分類用の学習済みモデルを使って、通信状態を分類する。
【0033】
次に、信号処理部12が、受信電波のスペクトラム情報を算出する(ステップS114)。次に、電波発射源推定部14は、ステップS113で分類した通信状態に応じて発射源識別のための特徴量を抽出する(ステップS115)。次に電波発射源推定部14は、電波発射源の個体を推定する(ステップS116)。例えば、通信状態がサーチ状態であれば、電波発射源推定部14は、ステップS115で抽出したサーチ状態用のスペクトラム特徴量を、サーチ状態用の電波発射源推定用学習済みモデルに入力する。電波発射源推定部14は、学習済みモデルが出力する個体の識別情報を電波発射源5の個体として推定する。同様に、通信状態がダウンロード状態であれば、電波発射源推定部14は、ステップS115で抽出したダウンロード状態用のスペクトラム特徴量を、ダウンロード状態用の電波発射源推定用学習済みモデルに入力し、学習済みモデルが出力する個体の識別情報を電波発射源5の個体として推定する。
【0034】
次に結果表示部23が、電波情報と発射源個体推定結果を表示する(ステップS231)。結果表示部23は、ステップS111で受信された電波について、信号処理部12によって算出されたIQ信号の画像情報およびスペクトラム情報、通信状態分類部13による通信状態の分類結果、電波発射源推定部14による電波発射源の推定結果(個体の識別情報など)を表示装置等へ出力する。
電波受信部11において電波を受信し続ける限り、ステップS111~S231の処理が繰り返し実行される。
【0035】
(効果)
第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、通信状態の分類や電波発射源の推定に用いる学習済みモデルを生成する。例えば、電波発射源の個体や通信状態が増えた場合でも、速やかに学習済みモデルを生成し直すことで、これらの変更に対応することができる。また、電波情報と発射源個体推定結果を表示することにより、識別装置1Aの利用者の利便性を向上することができる。
【0036】
なお、通信状態分類用の学習済みモデルを作成する教師データについて、画像の特徴量に限らず、例えば、一定区間にサンプリングされたIQ信号の数値ベクトル等電波の受信結果を示す情報を用いてもよい。また、電波発射源推定用の学習モデルを作成する教師データについて、スペクトラム情報に基づく特徴量だけでなく、一定区間にサンプリングされたIQ信号の数値ベクトル等電波の受信結果を示す情報を用いてもよい。
【0037】
<第3実施形態>
次に
図11~
図15を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、
図1で示すアンテナ2と受信機3のセットを追加したときの構成例である。ここでは、一例として、アンテナ2と受信機3のセットが2セット接続されている場合を例に説明を行う。
【0038】
(構成)
図11は、第3実施形態に係る識別装置のブロック図である。第3実施形態に係る電波発射源の識別装置1Bの構成のうち、第1実施形態に係る識別装置1を構成する機能部、第2実施形態に係る識別装置1Aを構成する機能部と同じものには同じ符号を付し、それらの説明を省略する。識別装置1Bは、第2実施形態の識別装置1Aが備える構成に加え、電波受信部31と、信号処理部32と、通信状態分類部33と、電波発射源推定部34と、を備える。
【0039】
電波受信部31の機能は、第1実施形態の電波受信部11と同様である。信号処理部32の機能は、第1実施形態の信号処理部12と同様である。通信状態分類部33の機能は、第1実施形態の通信状態分類部13と同様である。電波発射源推定部34の機能は、第1実施形態の電波発射源推定部14と同様である。つまり、電波受信部11、信号処理部12、通信状態分類部13、電波発射源推定部14は1セット目のアンテナ2等で受信された電波を処理する構成であり、電波受信部31、信号処理部32、通信状態分類部33、電波発射源推定部34は2セット目のアンテナ2等で受信された電波を処理する構成である。
【0040】
以下、1セット目のアンテナ2等をa側、2セット目のアンテナ2等をb側、電波受信部11を電波受信部a、電波受信部31を電波受信部b、信号処理部12を信号処理部a、信号処理部32を信号処理部b、通信状態分類部13を通信状態分類部a、通信状態分類部33を通信状態分類部b、電波発射源推定部14を電波発射源推定部a、電波発射源推定部34を電波発射源推定部bのように記載する場合がある。
【0041】
(動作)
次に識別装置1Bの動作について説明する。
図12は、第3実施形態に係る識別装置の動作全体の一例を示すフローチャートである。
識別装置1Bの動作は、電波データの収集ステップ(ステップS31)、モデルの学習ステップ(ステップS32)、電波発射源の識別ステップ(ステップS33)を含む。
【0042】
図13に、電波データの収集ステップ(ステップS31)の詳細を示す。
図13は、第3実施形態に係る電波データの収集動作の一例を示すフローチャートである。
a側の処理である、
図13のステップS211~S212は、
図7のフローと同様のため説明を省略する。ステップS211~S212では、a側のアンテナ2で受信したデータを収集し、a側用の教師データを生成し、収集データ131として保管する。
b側については、b側の構成によってa側と同様の処理が実行される。即ち、電波受信部31が、b側のアンテナ2が受信した電波データを収集する(ステップS311)。信号処理部32は、収集された電波データについてIQ信号の画像情報やスペクトラム情報の算出などを行う。次に信号処理部32が、信号処理後の電波データを収集データ保管部21へ出力する。収集データ保管部21は、電波データを加工してb側用の教師データを生成し、教師データを収集データ132として収集データ保管部21に保管する(ステップS312)。
【0043】
図14に、モデルの学習ステップ(ステップS32)の詳細を示す。
図14は、第3実施形態に係るモデル学習動作の一例を示す第1のフローチャートである。
a側の処理である、
図14のステップS221~S224は、
図8のフローと同様のため説明を省略する。ステップS221~S224では、a側のアンテナ2が受信したデータに基づく教師データを学習して学習済みモデルを生成する。これらの学習済みモデルは、a側の通信状態分類部13、電波発射源推定部14が用いる。
【0044】
b側については、b側の構成によってa側と同様の処理が実行される。即ち、収集データ保管部21がb側用の教師データを読み出す(ステップS321)。収集データ保管部21は、b側の通信状態分類用の教師データを読み出して学習部22へ渡す。また、収集データ保管部21は、b側の電波発射源推定用の教師データを読み出して学習部22へ渡す。次に、学習部22が、b側の通信状態分類部33が用いるモデルを学習する(ステップS322)。学習部22は、b側の通信状態分類用の教師データを学習して、通信状態分類用の学習済みモデルを生成する。次に、学習部22が、b側の電波発射源推定部34が用いるモデルを学習する(ステップS323)。学習部22は、b側の電波発射源推定用の教師データに含まれる通信状態パターンを参照してサーチ状態の教師データを抽出し、サーチ状態の教師データを学習して、サーチ状態の電波発射源推定用の学習済みモデルを生成する。同様に、学習部22は、b側の電波発射源推定用の教師データからダウンロード状態の教師データを抽出して学習し、ダウンロード状態の電波発射源推定用の学習済みモデルを生成する。次に、学習部22が、学習済みモデルを出力する(ステップS324)。学習部22は、ステップS322で生成した通信状態分類用の学習済みモデルをb側の通信状態分類部33へ出力する。学習部22は、ステップS323で生成した電波発射源推定用の学習済みモデル(サーチ状態とダウンロード状態の2つの学習済みモデル)をb側の電波発射源推定部34へ出力する。
【0045】
なお、
図14において、ステップS222およびステップS223と、ステップS322およびステップS323は直列に記載しているが、それぞれの2つのステップに依存関係はないため、ステップS222とステップS223を並列に実施してもよく、ステップS322とステップS323を並列に実施してもよい、
【0046】
図15に、電波発射源の識別ステップ(ステップS33)の詳細を示す。
図15は、第3実施形態に係る電波発射源の識別動作の一例を示すフローチャートである。前提として、a側の通信状態分類部13は、
図14のステップS222で生成された学習済みモデルを有し、電波発射源推定部14は、
図14のステップS223で生成された2つの学習済みモデルを有している。また、b側の通信状態分類部33は、
図14のステップS322で生成された学習済みモデルを有し、電波発射源推定部34は、
図14のステップS323で生成された2つの学習済みモデルを有している。
【0047】
a側の処理である、
図15のステップS111~S231は、
図10のフローと同様のため説明を省略する。ステップS111~S231では、a側のアンテナ2が受信した電波データに対する電波発射源5の推定が行われる。
【0048】
b側については、b側の構成によってa側と同様の処理が実行される。即ち、電波受信部31が、電波発射源5からの電波を受信する(ステップS331)。次に通信状態分類部33が、電波受信結果の画像情報を取得し(ステップS332)、通信状態を分類する(ステップS333)。このとき、通信状態分類部33は、
図14のステップS322で生成された通信状態分類用の学習済みモデルを使って、b側のアンテナ2が受信した電波の通信状態を分類する。
【0049】
次に、信号処理部32が、受信電波のスペクトラム情報を算出する(ステップS334)。電波発射源推定部14は、ステップS333で分類した通信状態に応じて、スペクトラム情報から発射源識別のためのスペクトラム特徴量を抽出し(ステップS335)、電波発射源5の個体を推定する(ステップS336)。次に結果表示部23が、b側の電波情報と発射源個体推定結果を表示する(ステップS337)。
電波受信部11において電波を受信し続ける限り、ステップS111~S231の処理が繰り返し実行される。電波受信部31において電波を受信し続ける限り、ステップS331~S337の処理が繰り返し実行される。
【0050】
(効果)
第3実施形態によれば、第2実施形態の効果に加え、電波発射源の識別装置1Bが複数のアンテナ2等を備える場合にも、各アンテナ2で受信した電波について、発射源を推定することができる。なお、第3実施形態は、識別装置1Bが、アンテナ2と受信機3のセットを任意のL個(Lは1以上の自然数)備える場合にも適用可能である。
【0051】
(最小構成)
図16は、最小構成を有する電波発射源の識別装置の構成を示すブロック図である。
電波発射源の識別装置800は、電波受信手段801と、信号処理手段802と、通信状態分類手段803と、電波発射源推定手段804と、を備える。
電波受信手段801は、電波を受信する。
信号処理手段802は、受信した前記電波から、通信状態分類用のデータと通信状態別の電波発射源推定用のデータを生成する。
通信状態分類手段803は、前記通信状態分類用のデータを用いて前記電波が示す通信状態を分類する。
電波発射源推定手段804は、前記通信状態の分類結果に応じた前記電波発射源推定用のデータを用いて電波発射源を推定する。
【0052】
図17は、最小構成を有する識別装置の動作を示すフローチャートである。
まず、電波受信手段801が、電波を受信する(ステップS801)。
次に、信号処理手段802が、受信した前記電波から、通信状態分類用のデータ(例えば、IQ信号の画像情報など)と、通信状態ごとの電波発射源推定用のデータ(例えば、スペクトラム情報など)と、を生成する(ステップS802)。
次に、通信状態分類手段803が、前記通信状態分類用のデータを用いて、前記電波が示す通信状態を分類する(ステップS803)。
次に、電波発射源推定手段804が、前記通信状態の分類結果に対応する前記電波発射源推定用のデータを用いて、電波発射源を推定する(ステップS804)。
【0053】
なお、上述した実施形態における識別装置1,1A,1Bの一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、識別装置1,1A,1Bに内蔵されたコンピュータシステムであって、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0054】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0055】
また、上述した実施形態における識別装置1,1A,1Bの一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。識別装置1,1A,1Bの各機能部は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0056】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。また、本発明の一態様は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態や変形例に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【符号の説明】
【0057】
1、1A、1B・・・識別装置
2・・・アンテナ
3・・・受信機
4・・・処理端末
11、31・・・電波受信部
12、32・・・信号処理部
13、33・・・通信状態分類部
14、34・・・電波発射源推定部
21・・・収集データ保管部
22・・・学習部
23・・・結果表示部