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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173493
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】板材の検査装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20241205BHJP
【FI】
G06T7/00 610C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091943
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】596008231
【氏名又は名称】株式会社トーアエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100102923
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 雄二
(72)【発明者】
【氏名】野口 睦
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA06
5L096BA03
5L096CA02
5L096DA02
5L096EA07
5L096EA43
5L096FA69
5L096GA08
5L096HA09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】板材加工機の加工ラインで加工された製品板材を迅速に自動検査する製品板材の検査装置を提供する。
【解決手段】検査装置38は、板材の加工データ18から、コーナー形状と欠取り形状を示すマスター画像データ30を取得し、加工ライン12から排出される製品板材16をカメラ36で撮影して、撮影角度の傾きと撮影距離による撮影画像37の歪みを補正してから、製品板材16のコーナー形状と欠取り形状を取得するための照合領域32を決定し、その照合領域32に含まれたコーナー形状と欠取り形状の画像をマスター画像データ30と比較する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の処理による、板材加工機の加工ラインで加工された製品板材の検査方法。
(1)板材の加工データから、製品板材のコーナー部と欠取り部とを検出して、コーナー形状と欠取り形状を示す画像データを取得して、マスター画像とする。
(2)コーナー部の画像データは、予め設定した照合領域内に含まれたコーナー部の画像データとし、欠取り部の画像データは、予め設定した照合領域内に含まれた欠取り部の画像データとする。
(3)加工が完了した製品板材をカメラで撮影して、撮影角度の傾きと撮影距離による撮影画像の歪みの影響を除去するために、撮影画像とマスター画像のいずれかを補正してから、製品板材のコーナー部の画像データと欠取り部の画像データを取得するための照合領域を決定し、その照合領域に含まれた画像をマスター画像と比較する。
【請求項2】
マスター画像と撮影画像とを比較して、加工が完了した製品板材の位置を検査することを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
【請求項3】
マスター画像と撮影画像とを比較して、加工が完了した製品板材の排出位置の水平方向の傾きを検査することを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
【請求項4】
以下の装置を備えた、板材加工機の加工ラインで加工された製品板材の検査装置。
(1)板材の加工データから、製品板材のコーナー部と欠取り部とを検出して、コーナー形状と欠取り形状を示す画像データを取得して、マスター画像とするマスター画像生成部。
(2)コーナー部の画像データは、予め設定した照合領域内に含まれたコーナー部の画像データとし、欠取り部の画像データは、予め設定した照合領域内に含まれた欠取り部の画像データとする照合領域決定部。
(3)加工が完了した製品板材をカメラで撮影して、撮影角度の傾きと撮影距離による撮影画像の歪みの影響を除去するために、撮影画像とマスター画像のいずれかを補正してから、製品板材のコーナー部の画像データと欠取り部の画像データを取得するための照合領域を決定し、その照合領域に含まれた画像をマスター画像と比較する比較照合部。
【請求項5】
製品板材が住宅建材用合板または住宅建材用サイディングであることを特徴とする請求項4に記載の製品板材の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板材のそれぞれの加工位置に、加工が正確に施されているかどうかを検査するための板材の検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
板材加工機では、例えば、投入ユニットにより加工用の板素材を加工ラインに投入する。加工ラインに投入された板素材は、位置決め搬送ユニットにより搬送されて、加工ユニットの加工位置に位置決めされる。加工ユニットは、位置決めされた板素材に所定の加工を施して製品化する。加工済みの製品板材は、搬送・排出ユニットにより搬送・排出される。
【0003】
板材加工機で加工された板材の所定の位置に加工が正確に施されているかどうかを検査するには、例えば、加工後の製品を自動的に加工図面と照合する装置があればよい。こうした機能を持つ検査装置が特許文献1~5等に紹介されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-51320号公報
【特許文献2】特開2005-121545公報
【特許文献3】特開2003-121110公報
【特許文献4】特開2001-170907公報
【特許文献5】特開2020-146967公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の既知の装置では、加工済みの板材を検査するために、加工後の板材全体を撮影して、製品全体のマスター画像との差異を判断するコンピュータ処理を行なう。しかし、板材加工機の場合には、加工済みの板材のサイズが大きいので、製品のマスター画像との差異を判別し難く比較処理にも時間がかかるという問題がある。
【0006】
さらに、住宅建築用の板材は、加工形状も多様である。ラインを稼働させる前に、この工程で加工対象になる全ての種類の板材について、実際に加工済みの板材の撮影をして、検査で使用をするためのマスター画像を保管する必要がある。この準備作業の負荷も大きいという問題があった。本発明は以上の課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下の構成はそれぞれ上記の課題を解決するための手段である。
【0008】
<構成1>
以下の処理による、板材加工機の加工ラインで加工された製品板材の検査方法。
(1)板材の加工データから、製品板材のコーナー部と欠取り部とを検出して、コーナー形状と欠取り形状を示す画像データを取得して、マスター画像とする。
(2)コーナー部の画像データは、予め設定した照合領域内に含まれたコーナー部の画像データとし、欠取り部の画像データは、予め設定した照合領域内に含まれた欠取り部の画像データとする。
(3)加工が完了した製品板材をカメラで撮影して、撮影角度の傾きと撮影距離による撮影画像の歪みの影響を除去するために、撮影画像とマスター画像のいずれかを補正してから、製品板材のコーナー部の画像データと欠取り部の画像データを取得するための照合領域を決定し、その照合領域に含まれた画像をマスター画像と比較する。
【0009】
<構成2>
マスター画像と撮影画像とを比較して、加工が完了した製品板材の位置を検査することを特徴とする構成1に記載の検査方法。
【0010】
<構成3>
マスター画像と撮影画像とを比較して、加工が完了した製品板材の排出位置の水平方向の傾きを検査することを特徴とする構成1に記載の検査方法。
【0011】
<構成4>
以下の装置を備えた、板材加工機の加工ラインで加工された製品板材の検査装置。
(1)板材の加工データから、製品板材のコーナー部と欠取り部とを検出して、コーナー形状と欠取り形状を示す画像データを取得して、マスター画像とするマスター画像生成部。
(2)コーナー部の画像データは、予め設定した照合領域内に含まれたコーナー部の画像データとし、欠取り部の画像データは、予め設定した照合領域内に含まれた欠取り部の画像データとする照合領域決定部。
(3)加工が完了した製品板材をカメラで撮影して、撮影角度の傾きと撮影距離による撮影画像の歪みの影響を除去するために、撮影画像とマスター画像のいずれかを補正してから、製品板材のコーナー部の画像データと欠取り部の画像データを取得するための照合領域を決定し、その照合領域に含まれた画像をマスター画像と比較する比較照合部。
【0012】
<構成5>
製品板材が住宅建材用合板または住宅建材用サイディングであることを特徴とする構成4に記載の製品板材の検査装置。
【発明の効果】
【0013】
大サイズの板材であっても、コーナー部と欠取り部の照合領域に限定した画像をマスター画像として比較照合して検査をすれば、比較照合範囲が狭くなり、一致しない画素数の比率が大きくなり、マスター画像と撮影画像の違いを見つけやすくなる。比較データ量が少ないので演算処理時間も短くなる。
排出された板材の重心位置や画像領域から、製品の加工状態の検査だけでなく、搬出制御に必要な製品の加工後の位置の検査もできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の検査装置の実施例概略図である。
図2】照合領域決定部の動作説明図である。
図3】歪み補正部の動作説明図である。
図4】位置ずれ検出動作説明図である。
図5】製品板材の傾き検出動作説明図である。
図6】マスター画像生成部の動作フローチャートである。
図7】比較照合部の動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を実施例毎に詳細に説明する。
【実施例0016】
図1に示した加工ライン12は、製品板材が住宅建材用合板や住宅建材用サイディング板を加工するラインである。このラインは、素材14を投入する投入ユニット50と、板素材14を加工データ18に従って加工する加工ユニット52と、加工後の製品板材16を排出する搬送・排出ユニット54とを備えている。
【0017】
この加工ライン12の搬送・排出ユニット54上に排出された製品板材16の加工状態の検査のために、検査装置38が設けられている。検査装置38には、加工ユニット52の上方から搬送・排出ユニット54をめがけて加工済みの製品板材16を撮影するカメラ36が接続されている。
【0018】
検査装置38を構成するコンピュータは、カメラ36で撮影した撮影画像37をコンピュータ処理するために、マスター画像生成部40と照合領域決定部42と歪み補正部44と比較照合部46と排出位置検査部48を備えている。これらはいずれも検査装置38内で動作し、以下の処理を実行するプログラムモジュールである。これらのモジュールの右側には記憶装置に記憶されたデータを図解した。
【0019】
マスター画像生成部40は、板材の加工データ18中の照合領域32の製品部分と非製品部分の領域からマスター画像30を得る。マスター画像30は、図1に示すように、コーナー部の画像データと欠取り部の画像データとを含む。コーナー部と欠取り部の区別を図2により説明する。
【0020】
コーナー部と欠取り部とを区別するために、加工されていてもいなくても製品板材のコーナーに相当する部分をコーナー部と呼ぶことにする。コーナー部の画像データをマスター画像30に含めて検査をすることにより、多角形の製品の形状の検査を確実にできる。コーナー部以外の加工がされている部分を欠取り部と呼び、全ての加工箇所かあるいは主要な加工箇所の画像データをマスター画像30に含める。
【0021】
図2には、台形の板材の加工データ18とマスター画像30の関係を示した。照合領域決定部42は、マスター画像30の生成のために、コーナー部22と欠取り部26の形状を含むような小領域を決める。この小領域を照合領域32と呼ぶことにする。
【0022】
この照合領域32の形状は任意であるがこの実施例では一定のサイズの四角形にした。大きな形状の欠取り部26は、ワンサイズ大きな照合領域32を使用した。 加工後の形状検査には製品板材16全体の画像ではなくて、照合領域32に囲まれたコーナー部22や欠取り部26の画像データを使用する。
【0023】
照合領域32に含まれたコーナー部や欠取り部26の画像データは、加工データ全体の画像データに比べるとデータサイズが小さい。後で説明する比較処理では画素の差分計算をするから、比較をする画素数が少ないとマスター画像と撮影画像のずれによる画素数の比率が大きくなるので、加工状態の検査精度が向上する。
【0024】
カメラ36(図1)は、加工ライン12から搬送・排出ユニット54に排出される製品板材16を、加工ユニット52の上部から斜めに搬送・排出ユニット54をめがけて撮影する。斜めに搬送・排出ユニット54を撮影するので、図3に示すように撮影画像37は大きく歪む。しかし、加工ユニット52の上部にカメラを固定すると、検査対象の板材とそれが置かれたテーブル等を正確に一定の角度で安定に撮影することができる。従って以下の画像歪みの補正も正確にできる。
【0025】
図3に示すとおりに、歪み補正部44は、撮影角度の傾きと撮影距離による撮影画像37の歪みを補正する。例えば、搬送・排出ユニット54の支持台の形状が正常になるように補正すれば良い。
【0026】
比較照合部46は、その照合領域32に含まれた補正後の画像39のコーナー部22や欠取り部26の画像データを、それぞれマスター画像30(図1)と比較する。
【0027】
マスター画像30(図1)は、照合領域に囲まれたコーナー部22と欠取り部26の画像データを含んでいる。それぞれの画像データと、補正後の画像39の対応する画像データの画素値の差分を求める。例えば、二値化されたマスター画像と撮影画像とで一致しない画素数の比率や差を求める。差分が閾値以下であれば、その部分は正常に加工されたと判断できる。
【0028】
以上のように、大サイズの板材であっても、コーナー部と欠取り部の照合領域に限定した画像をマスター画像として比較照合して検査をすれば、一致しない画素数の比率が大きくなり、マスター画像と撮影画像の違いを見つけやすくなる。なお、製品板材のどの場所にあっても、全ての加工箇所について、上記の照合領域を設定して比較対象にするとよい。
【実施例0029】
上記の検査装置は、加工状態の検査だけでなく、加工ライン12から排出された製品板材16の排出位置の位置ずれを検査できる。
【0030】
加工ライン12から搬送・排出ユニット54に排出された製品板材16は、搬送ロボット56によって掴まれてライン外へ搬送される。製品板材16の排出位置が大きくずれていると、搬送ロボット56が製品板材16を正しい姿勢で掴むことができないおそれがある。
【0031】
そこでこの検査装置38は、加工データ18から搬送・排出ユニット54上の製品板材16の重心位置を算出する。そして、正しく排出されたとしたときのテーブル上の重心位置を求めておく。図4の破線は正しく排出されたときの製品板材16とその重心位置34の図である。実線は実際に排出された製品板材の補正後の画像39とその重心位置34の図である。
【0032】
排出位置検査部48は、両者を比較する。加工データ18から算出した重心位置34と、補正後の画像39から算出した重心位置34との差から、加工ライン12から排出された製品板材16の排出位置の位置ずれ量を求める。例えば、搬送ロボット56で製品板材16を搬送するときには、加工データ18から算出した重心位置34と、補正後の画像39から算出した重心位置34との差を搬送ロボット56の制御装置に送れば、正確に製品板材16を掴んで搬送出来る。
【0033】
また、例えば、これらの照合領域32に含まれたコーナー部22や欠取り部26の比較照合結果が全て不一致であったとすると、図5の実線の図のように、加工ユニット52から搬送・排出ユニット54に排出された製品板材16の排出位置が水平方向に傾斜していると判断することもできる。以上のような検査装置のさらに具体的な動作を実施例3のフローチャートで説明する。
【実施例0034】
図6のフローチャートにおいて、マスター画像生成部40が、ステップS11で、加工データ18を読取る。加工データ18は板材を加工するためのCADデータである。ステップS12では、加工データ中に含まれたコーナー部と欠取り部を描画するための線図データを読取る。
【0035】
ステップS13では、照合領域決定部42が、照合領域32を決定する。照合領域32は、例えば、コーナー部24や欠取り部28を囲む定形の枠とする。欠取り部か大きいときは縦横寸法が所定量拡張された定形の枠を使用する。何種類か定形の枠を準備していればよい。こうして、図2で例示したとおりの照合領域決定処理をする。こうして得られた、照合領域を定めた製品板材の二値化された画像データがマスター画像になる。
【0036】
ステップS14では、マスター画像が完成したかどうかという判断をする。この判断の結果がノーのときはステップS13の処理に戻る。すべてのコーナー部や欠取り部について照合領域を決定すれば、処理を終了する。
【0037】
図7のフローチャートに進み、ステップS21では、カメラ36が、加工済みの製品板材の撮影をする。一般には、板材は加工機内で加工されて加工後に排出用のテーブル上に排出される。カメラはこれを撮影すればよい。しかし、あらかじめ加工用のテーブル上に板材が固定されていて、加工機が移動しながら加工をして加工完了後に加工機が待避するような装置もある、このような装置では、加工済みの製品板材はテーブルの上に固定されたままである。その場合はカメラは加工機が移動待避後に製品板材を撮影すればよい。
【0038】
ステップS22では、歪み補正部44が歪み補正の処理をする。図3に示したような撮影画像37を補正後の画像39のように補正する。カメラ36と製品板材が乗せられるテーブルとの位置関係が当初から一定だから、歪み補正演算処理のためのパラメータはあらかじめ準備しておける。従って、いずれの製品板材についても同じ歪み補正の処理をすればよい。
【0039】
なお、これとは逆に、図3に示した補正後の画像39に相当するマスター画像を、このパラメータを使って撮影画像37に相当する歪みのある画像にすることができる。その画像を、撮影画像37と比較することもできる。ステップS22ではいずれかの処理をすればよい。
【0040】
マスター画像と撮影画像のいずれかの歪み補正をした後では、少なくとも両者のコーナー部を結ぶいくつかの辺がほぼ重なり合うように位置合わせができる。例えば、ここで両者の座標軸を一致させてから、撮影画像の照合領域のデータを抽出すればよい。
【0041】
排出位置検出部48は、ステップS23で重心位置の算出をする。これは実施例2の排出位置ずれの検出のためである。このステップは必要に応じて実行すればよい。ステップS24では比較照合部48が、記憶装置から、上記の処理で生成したマスター画像の読取りをする。
【0042】
比較照合部46は、ステップS25で、比較のための照合領域の選択をする。即ち、一カ所ずつ比較判定をする。ステップS26では、例えば、歪み補正をした撮影画像とマスター画像との照合をする。マスター画像を補正した場合はこれと撮影画像との照合をする。
【0043】
比較方法は任意であるが、例えば、読み取ったデータもマスター画像も解像度を一致させた同じサイズの二値化画像とする。比較のために、テーブル上の製品板材の画像とマスター画像のサイズを一致させるには、歪み補正の処理で、上下左右の辺の位置を合わせるようにすればよい。ここで本発明では、照合領域の画像データだけを比較対象とする。例えば、板材の部分の画素値が”1”で、テーブル部分の画素値が”0”である。照合領域の全ての画素値を比較して、例えば、一致率が90%以上ならば正常に加工されていると判定するとよい。
【0044】
ステップS27では、全ての照合領域を照合したかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS28の処理に移行し、ノーのときはステップS25の処理に戻る。この比較の結果により、いずれかの照合領域でマスター画像との不一致が発見されたら、その部分の加工が正常でないと思われるから、例えば、その製品板材を不良品置き場に搬送するようにロボットに指示する。ここでその他のエラー処理をしてもよい。
【0045】
ステップS28では、照合処理の判定結果の記録をする。ステップS29では、排出位置検査部48が、例えば、重心位置の比較をしてその結果の記録をする。このときは、図4を用いて説明したように、本来の重心位置と実際の製品板材の重心位置の位置ずれを比較してその差分を算出する。このほかには、マスター画像と撮影画像の照合の時の位置合わせ量から、位置ずれ判定をしてもよい。
【0046】
比較照合部48の照合結果が正常で重心位置がシフトしている場合には、製品板材の排出位置に狂いがあったものとして、製品板材のテーブル上の正確な位置をロボットに通知するとよい。例えば、ロボットがその通知を受けて製品板材の正しい位置を掴んで搬送することができる。
【符号の説明】
【0047】
12 加工ライン
14 板素材
16 製品板材
18 板材の加工データ
22 コーナー部
26 欠取り部
30 マスター画像
32 照合領域
34 重心位置
36 カメラ
37 撮影画像
38 検査装置
39 補正後の画像
40 マスター画像生成部
42 照合領域決定部
44 歪み補正部
46 比較照合部
48 排出位置検査部
50 投入ユニット
52 加工ユニット
54 搬送・排出ユニット
56 搬送ロボット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7