IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-モータおよび電動自転車 図1
  • 特開-モータおよび電動自転車 図2
  • 特開-モータおよび電動自転車 図3
  • 特開-モータおよび電動自転車 図4A
  • 特開-モータおよび電動自転車 図4B
  • 特開-モータおよび電動自転車 図5
  • 特開-モータおよび電動自転車 図6
  • 特開-モータおよび電動自転車 図7
  • 特開-モータおよび電動自転車 図8
  • 特開-モータおよび電動自転車 図9
  • 特開-モータおよび電動自転車 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173498
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】モータおよび電動自転車
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/24 20160101AFI20241205BHJP
   B62M 7/12 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
H02K11/24
B62M7/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091953
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100138689
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 慶
(72)【発明者】
【氏名】高橋 良輔
(72)【発明者】
【氏名】大山 誠一
【テーマコード(参考)】
5H611
【Fターム(参考)】
5H611AA01
5H611BB01
5H611BB06
5H611PP05
5H611QQ08
5H611TT01
5H611UA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】リード線の引き回しを簡素化させることができるモータおよび電動自転車を提供することにある。
【解決手段】モータ10は、仮想中心軸に沿って延びるロータシャフト160を有し、ロータシャフトを中心に回転するロータ100と、ロータに対して径方向外側に位置するステータ200と、ロータおよびステータを収容し、ロータの回転に伴って回転するハブ300と、ロータに対して軸方向一方側に位置し、ロータシャフトのトルクを検知するトルクセンサ500s、500tと、ハブ内に収容され、ロータとトルクセンサとの間に位置する回路基板400と、トルクセンサと回路基板とを電気的に接続するセンサ配線550と、回路基板の軸方向一方側の面で外部回路と電気的に接続する信号配線450と、ロータシャフトに対して軸方向一方側に位置する第1固定シャフト610とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想中心軸に沿って延びるロータシャフトを有し、前記ロータシャフトを中心に回転するロータと、
前記ロータに対して径方向外側に位置するステータと、
前記ロータおよび前記ステータを収容し、前記ロータの回転に伴って回転するハブと、
前記ロータに対して軸方向一方側に位置するトルクセンサと、
前記ハブ内に収容され、前記ロータと前記トルクセンサとの間に位置する回路基板と、
前記トルクセンサと前記回路基板とを電気的に接続するセンサ配線と、
前記回路基板の軸方向一方側の面で外部回路と電気的に接続する信号配線と、
静止部材であり、前記ロータシャフトに対して軸方向一方側に位置する第1固定シャフトと
を備え、
前記第1固定シャフトは、前記トルクセンサを支持する、モータ。
【請求項2】
前記ステータの軸方向一方側を覆う第1ステータカバーと、
前記ステータの軸方向他方側を覆う第2ステータカバーと
をさらに備え、
前記回路基板は、前記ロータと前記第1ステータカバーとの間に位置し、
前記第1ステータカバーには、前記センサ配線および前記信号配線が軸方向に貫通する貫通孔が設けられる、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記第1固定シャフトの少なくとも一部は、前記ハブから軸方向一方側に延び、
前記第1固定シャフトには、前記トルクセンサが取り付けられ、
前記第1固定シャフトは、前記信号配線が内部に配置された管部を有する、請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記第1固定シャフトは、前記管部と連結する基体部をさらに有し、
前記基体部は、前記第1ステータカバーに取り付けられており、
前記基体部には、前記管部の貫通孔と繋がる切り欠きが設けられる、請求項3に記載のモータ。
【請求項5】
静止部材であり、前記ロータシャフトに対して軸方向他方側に位置する第2固定シャフトをさらに備え、
前記第2固定シャフトの少なくとも一部は、前記ハブから軸方向他方側に延びる、請求項3または4に記載のモータ。
【請求項6】
前記ステータに制御電流を供給する制御配線をさらに備え、
前記第1固定シャフトは、前記制御配線が内部に配置された管部を有する、請求項1または2に記載のモータ。
【請求項7】
前記ロータシャフトに対して軸方向他方側に取り付けられた太陽ギヤと、
前記太陽ギヤと噛み合い、前記ロータに対して軸方向他方側に配置された遊星ギヤと
をさらに備える、請求項1または2に記載のモータ。
【請求項8】
前記ロータシャフトに取り付けられたワンウェイクラッチをさらに備える、請求項1または2に記載のモータ。
【請求項9】
前記ステータは、
ステータコアと、
前記ステータコアを覆うインシュレータと、
前記インシュレータに巻き付いたコイルと
前記コイルを覆う被覆部と
を有する、請求項1から4のいずれかに記載のモータ。
【請求項10】
前記センサ配線は、
前記トルクセンサに接続されたセンサ接続線と、
前記センサ接続線の先端に位置する第1コネクタと、
前記回路基板に接続された基板接続線と、
前記基板接続線の先端に位置し、前記第1コネクタに接続される第2コネクタと
を有する、請求項1から4のいずれかに記載のモータ。
【請求項11】
請求項1から4のいずれかに記載のモータと、
前輪と、
前記モータの回転に伴って回転する後輪と
を備える、電動自転車。
【請求項12】
前記モータは、前記後輪のハブに取り付けられる、請求項11に記載の電動自転車。
【請求項13】
請求項3に記載のモータと、
前輪と、
前記モータの回転に伴って回転する後輪と、
前記後輪に取り付けられたスプロケットと
を備え、
前記スプロケットは、前記第1固定シャフトと対向する、電動自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータおよび電動自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
電動アシスト自転車は、近年、急速に普及しつつある。電動アシスト自転車は、電動モータの動力を補助動力として利用することにより、運転者がペダルを漕ぐ力を低減できる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、トルクセンサーを電動自転車または自転車のフリーハブに集積可能なフリーハブトルク速度誘導装置が記載されている。特許文献1のフリーハブトルク速度誘導装置では、フリーハブボディにトルク誘導歪みユニットが設けられており、これにより、完成車をより便利に組み立てることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-517380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のフリーハブトルク速度誘導装置では、リード線が、トルクセンサーおよびスプロケットとは反対側の軸から延びている。このため、トルクセンサーから外部に延びるリード線が長くなることがある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、リード線の引き回しを簡素化させることができるモータおよび電動自転車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る例示的なモータは、仮想中心軸に沿って延びるロータシャフトを有し、前記ロータシャフトを中心に回転するロータと、前記ロータに対して径方向外側に位置するステータと、前記ロータおよび前記ステータを収容し、前記ロータの回転に伴って回転するハブと、前記ロータに対して軸方向一方側に位置するトルクセンサと、前記ハブ内に収容され、前記ロータと前記トルクセンサとの間に位置する回路基板と、前記トルクセンサと前記回路基板とを電気的に接続するセンサ配線と、前記回路基板の軸方向一方側の面で外部回路と電気的に接続する信号配線と、静止部材であり、前記ロータシャフトに対して軸方向一方側に位置する第1固定シャフトとを備える。前記第1固定シャフトは、前記トルクセンサを支持する。
【0008】
本発明に係る例示的な電動自転車は、上記に記載のモータと、前輪と、前記モータの回転に伴って回転する後輪とを備える。
【0009】
本発明に係る例示的な電動自転車は、上記に記載のモータと、前輪と、前記モータの回転に伴って回転する後輪と、前記後輪に取り付けられたスプロケットとを備え、前記スプロケットは、前記第1固定シャフトと対向する。
【発明の効果】
【0010】
例示的な本発明によれば、トルクセンサをロータおよびステータと一体化したモータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るモータの構造を示す断面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係るモータの斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係るモータの分解斜視図である。
図4A図4Aは、図3の一部拡大図である。
図4B図4Bは、図3の一部拡大図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係るモータにおけるロータの斜視図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係るモータにおいて、トルクセンサおよび第1固定シャフトと、ロータ、ステータ、第1ステータカバー、本体部および回路基板とを分解した分解斜視図である。
図7図7は、本発明の一実施形態に係るモータにおいて、トルクセンサおよび第1固定シャフトと、ロータ、ステータ、第1ステータカバー、本体部および回路基板とを分解した分解斜視図である。
図8図8は、本発明の一実施形態に係るモータにおけるステータの模式的な斜視図である。
図9図9は、本発明の一実施形態に係るモータを備える電動自転車の模式図である。
図10図10は、本発明の一実施形態に係るモータを備える電動自転車の一部を示す模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0013】
本明細書では、便宜上、モータの回転軸AX(図1参照)の方向を水平方向として説明する場合がある。図中、理解の容易のため、三次元直交座標系のX軸、Y軸、およびZ軸を適宜記載する。一例では、Z軸の正方向は上方向を示し、Z軸の負方向は下方向を示す。ただし、上下方向、上方向、および下方向は、説明の便宜上定めるものであり、鉛直方向に一致する必要はない。また、あくまで説明の便宜のために上下方向を定義したに過ぎず、本発明に係るモータの使用時および組立時の向きを限定しない。さらに、モータの回転軸AXと平行な方向を単に「軸方向AD」と記載し、モータの回転軸AXを中心とする径方向および周方向を単に「径方向RD」および「周方向CD」と記載する。また、「平面視」は、軸方向ADから対象物を見ることを示す。なお、本明細書において「平行な方向」は、略平行な方向も含む。
【0014】
なお、本明細書において、モータの回転軸AXは、ロータの回転軸と一致することもあるが、モータの回転軸AXは、ロータの回転軸と一致しなくてもよい。モータの回転軸AXがロータの回転軸と一致しない場合、ロータは、モータの回転軸AXとは異なる仮想的な中心軸を中心に回転してもよい。
【0015】
本明細書において、モータの回転軸AXまたはロータの回転軸に沿った方向を軸方向と記載することがある。このため、本明細書において、軸方向は、モータの回転中心となる回転軸AXまたはロータの回転中心となる回転軸に沿った方向を示す。
【0016】
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係るモータ10を説明する。図1は、本発明の一実施形態のモータ10の構造を示す断面図である。
【0017】
図1に示すように、モータ10は、ロータ100と、ステータ200と、ハブ300と、回路基板400と、信号配線450と、トルクセンサ500と、センサ配線550と、第1固定シャフト610と、第2固定シャフト620と、太陽ギヤ710と、遊星ギヤ720と、インターナルギヤ800とを備える。
【0018】
ロータ100は、軸方向ADに延びる回転軸AXを中心に配置される。ロータ100は、回転軸AXを中心に回転する。例えば、ロータ100は、略円柱形状である。
【0019】
ロータ100は、ステータ200に対して回転軸AXを中心に回転する。ロータ100は、ステータ200の径方向内側に配置される。このようなロータ100は、インナーロータとも呼ばれる。ロータ100がステータ200に対して径方向内側に位置することにより、ロータ100は、アウターロータの場合よりも小型になり、慣性モーメントを小さくできるため、力の応答性に優れる。また、ロータ100は安定して回転するため、動力を効率的に伝達できる。
【0020】
ステータ200は、筒状である。ステータ200は、ロータ100の径方向外側を囲む。
【0021】
モータ10は、制御装置の3つの出力端子から出力される3相(U相、V相、および、W相)の交流電力によって駆動される。U相の電力、V相の電力およびW相の電力がステータ200に入力されると、ステータ200に生じる磁界の変化に伴ってロータ100が回転する。
【0022】
ハブ300は、筒状である。ハブ300は、ステータ200の径方向外側を囲む。また、ハブ300は、ロータ100およびステータ200のそれぞれの少なくとも一部を軸方向両側から囲む。
【0023】
ハブ300は、ロータ100、ステータ200、回路基板400、太陽ギヤ710、遊星ギヤ720およびインターナルギヤ800を収容する。また、ハブ300は、トルクセンサ500、第1固定シャフト610および第2固定シャフト620のそれぞれの少なくとも一部を収容する。
【0024】
ハブ300には2つの開口が設けられる。ハブ300の一方の開口は、軸方向一方側に位置する。ハブ300の他方の開口は、軸方向他方側に位置する。
【0025】
ハブ300は、ロータ100の回転に伴って回転する。なお、典型的には、ハブ300の回転数は、ロータ100の回転数よりも小さい。
【0026】
ハブ300は、筐体部300hと、開口300pと、開口300qとを有する。筐体部300hは、対向する2つの底面と側面とを有する容器である。開口300pおよび開口300qは、筐体部300hの底面に設けられる。
【0027】
開口300pは、筐体部300hの軸方向一方側に位置する。トルクセンサ500および第1固定シャフト610は、開口300pを貫通する。
【0028】
開口300qは、筐体部300hの軸方向他方側に位置する。第2固定シャフト620は、開口300qを貫通する。
【0029】
ここでは、ハブ300は、本体部310と、蓋部320とを有する。本体部310は、軸方向一方側が開放された容器である。本体部310は、蓋部320に対して軸方向他方側に位置する。本体部310において、軸方向他方側の面には、軸方向ADに貫通する開口が設けられる。本体部310の開口は開口300qとなる。
【0030】
蓋部320は、本体部310に対して軸方向一方側に位置する。蓋部320は、本体部310の軸方向一方側を覆う。蓋部320には、軸方向ADに貫通する開口が設けられる。蓋部320の開口は開口300pとなる。
【0031】
ハブ300の外周面には、径方向外側に突起した突起部330a、330bが設けられる。突起部330aおよび突起部330bは、ハブ300の外周面において、周方向CDに延びる。ハブ300の外周面において、突起部330aと突起部330bとは所定の間隔に離れて位置する。典型的には、突起部330aおよび突起部330bは、本体部310の外周面に設けられ、突起部330aは、突起部330bよりも軸方向他方側に位置する。突起部330bは、本体部310の外周面の軸方向一方側端部に位置する。
【0032】
突起部330aおよび突起部330bには、等間隔に貫通孔330pが設けられる。貫通孔330pは、ハブ300に回転対象物を固定するために用いられる。例えば、モータ10が自転車の車輪のハブに搭載される場合、ハブ300の外周面の貫通孔330pには、自転車の車輪のスポークの先端が取り付けられる。
【0033】
回路基板400は、ハブ300内に収容される。例えば、回路基板400は、略環状である。回路基板400は、軸方向ADに対して略直交する。回路基板400は、ロータ100の少なくとも一部と軸方向ADに対向し、略水平に配置される。なお、回路基板400は、略環状でなくてもよい。例えば、回路基板400は、環状の半分の形状であってもよい。
【0034】
回路基板400は、ロータ100に対して軸方向一方側に位置する。回路基板400は、ロータ100とトルクセンサ500との間に位置する。
【0035】
例えば、回路基板400は、配線が印刷されたプリント基板を含む。回路基板400には、各種電子部品が搭載される。
【0036】
信号配線450は、回路基板400と接続する。信号配線450は、1本以上のリード線を有する。信号配線450は、回路基板400の軸方向一方側の面において回路基板400と接続する。信号配線450は、回路基板400において取得または生成された信号を伝送する。
【0037】
トルクセンサ500は、筒形状である。トルクセンサ500は、ロータ100に対して軸方向一方側に位置する。
【0038】
トルクセンサ500には、第1固定シャフト610とハブ300が取り付けられる。第1固定シャフト610は、トルクセンサ500の径方向内側を貫通する。トルクセンサ500の径方向外側にハブ300が配置される。
【0039】
トルクセンサ500は、内側部品500sと、外側部品500tとを有する。外側部品500tは、内側部品500sに対して径方向外側に位置する。内側部品500sは、第1固定シャフト610に対向する。内側部品500sは、ハブ300に固定される。内側部品500sは、ハブ300とともに回転する。
【0040】
外側部品500tは、回転部材に取り付けられる。外側部品500tは、回転部材とともに回転する。外側部品500tは、例えば、回転部材としてスプロケット30(図9図10)に固定される。この場合、外側部品500tは、スプロケット30とともに回転する。内側部品500sの径方向外側面の一部と、外側部品500tの径方向内側面の一部とは、図示しないワンウェイクラッチを介して接続している。これにより、ハブ300が回転する力が内側部品500sを介して外側部品500tへと伝わり、外側部品500tに固定されたスプロケット30へと力が伝わる。
【0041】
トルクセンサ500は、ハブ300とともに回転する内側部品500sと、スプロケット30とともに回転する外側部品500tにより、ハブ300とスプロケット30とのひずみをインダクタンスの変化で検知する。
【0042】
モータ10は、軸受510、軸受520、軸受530をさらに備える。軸受520は、軸受510に対して軸方向一方側に位置する。軸受530は、軸受520に対して軸方向一方側に位置する。
【0043】
軸受510は、トルクセンサ500と第1固定シャフト610との間に位置する。詳細には、軸受510は、内側部品500sと第1固定シャフト610との間に位置する。軸受510は、例えば、転がり軸受である。軸受510は、内側部品500sの径方向内側に位置し、第1固定シャフト610の径方向外側に位置する。軸受510は、第1固定シャフト610に対して内側部品500sを回転可能に支持する。
【0044】
軸受520は、内側部品500sと外側部品500tとの間に位置する。軸受520は、例えば、転がり軸受である。軸受520は、外側部品500tの径方向内側に位置し、内側部品500sの径方向外側に位置する。軸受520は、内側部品500sに対して外側部品500tを回転可能に支持する。
【0045】
軸受530は、トルクセンサ500と第1固定シャフト610との間に位置する。詳細には、軸受530は、外側部品500tと第1固定シャフト610との間に位置する。軸受530は、例えば、転がり軸受である。軸受530は、外側部品500tの径方向内側に位置し、第1固定シャフト610の径方向外側に位置する。軸受530は、第1固定シャフト610に対して外側部品500tを回転可能に支持する。
【0046】
センサ配線550は、トルクセンサ500と回路基板400とを電気的に接続する。センサ配線550は、1本以上のリード線を有する。センサ配線550の一端は、ハブ300内においてトルクセンサ500と接続する。センサ配線550の他端は、ハブ300内において回路基板400と接続する。
【0047】
第1固定シャフト610は、ロータ100に対して軸方向一方側に位置する。第1固定シャフト610には、トルクセンサ500が取り付けられる。第1固定シャフト610は、軸方向ADに沿ってトルクセンサ500を貫通する。第1固定シャフト610は、ハブ300から軸方向一方側に延びる。第1固定シャフト610は、静止部材である。
【0048】
第2固定シャフト620は、ロータ100に対して軸方向他方側に位置する。第2固定シャフト620は、ハブ300から軸方向他方側に延びる。第2固定シャフト620は、静止部材である。
【0049】
ロータ100は、ロータコア110と、マグネット120とを有する。マグネット120は、例えば、永久磁石である。例えば、ロータ100は、略環状の単数のマグネット120を有してもよく、周方向CDに配列された複数のマグネット120を有してもよい。「略環状」は、例えば「略円環状」である。例えば、マグネット120の極数は、「14」である。ただし、マグネット120の極数は、これに限られない。
【0050】
ロータコア110は、略円筒状である。ロータコア110は、例えば、電磁鋼板が軸方向ADに積層した積層鋼板によって構成される。積層鋼板は、ラミネーションの一例である。
【0051】
複数個のマグネット120は、ロータコア110の径方向外側に配置される。本実施形態では、モータ10は、SPM(Surface Permanent Magnet)モータである。ただし、ロータ100はスポーク型ロータであってもよい。なお、モータ10は、IPM(Interior Permanent Magnet)モータであってもよい。
【0052】
ロータ100は、マグネット被覆部130をさらに有してもよい。マグネット被覆部130は、ロータコア110およびマグネット120のそれぞれの少なくとも一部を被覆する。マグネット被覆部130は、軸方向両側からロータコア110の一部およびマグネット120を覆う。また、マグネット被覆部130は、径方向外側からロータコア110およびマグネット120を覆う。マグネット被覆部130により、ロータコア110からマグネット120が離脱することを抑制できる。
【0053】
ロータ100は、軸受140をさらに有する。軸受140は、ロータシャフト160を回転可能に支持する。軸受140は、例えば、転がり軸受である。軸受140は、ロータコア110の径方向内側に位置し、ロータシャフト160の径方向外側に位置する。
【0054】
ロータ100は、ワンウェイクラッチ150をさらに備える。ワンウェイクラッチ150は、ロータコア110の径方向内側に位置し、ロータシャフト160の径方向外側に位置する。
【0055】
ロータ100は、ロータシャフト160をさらに有する。ロータシャフト160は、ロータコア110の径方向内側に配置される。ロータシャフト160は、ロータコア110およびマグネット120とともに回転する。なお、ロータシャフト160は、ワンウェイクラッチ150により、周方向一方側にはロータコア110およびマグネット120とともに回転する一方で、周方向他方側にはロータコア110およびマグネット120とともに回転しない。
【0056】
ステータ200は、略円筒状である。ステータ200は、軸方向ADに延びる回転軸AXを中心に配置される。ステータ200は、ロータ100の径方向外側に配置される。ステータ200は、マグネット120と径方向RDに対向する。
【0057】
ステータ200は、ステータコア210と、インシュレータ220と、コイル230とを有する。ステータコア210は、軸方向ADに延びる回転軸AXを中心に配置される。一例として、ステータコア210は、回転軸AXを中心とする略環状である。「略環状」は、例えば、「略円環状」である。ステータコア210は、例えば、薄板の電磁鋼板が軸方向ADに積層した積層鋼板によって構成される。積層鋼板は、ラミネーションの一例である。ステータコア210は、コアバックと、ティースとを有する。
【0058】
インシュレータ220は、ステータコア210の少なくとも一部を覆う。一例として、インシュレータ220は、軸方向両側からステータコア210を囲む。インシュレータ220は、略環状である。「略環状」は、例えば、「略円環状」である。インシュレータ220は、電気絶縁体である。インシュレータ220は、ステータコア210とコイル230とを電気的に絶縁する。インシュレータ220は、単一の部材によって構成されてもよいし、複数個の別部材によって構成されてもよい。例えば、インシュレータ220は、ステータコア210をインサートする樹脂成型品である。また、インシュレータ220は、ステータコア210に対して別途取り付ける構造であってもよい。
【0059】
コイル230は、インシュレータ220を介してステータコア210に巻き付けられる。コイル230は、金属線が被膜によって被覆された被覆導線である。金属線の素材は、例えば、銅である。ただし、金属線の素材は、銅に代えてアルミニウムでもよい。金属線を被覆する被膜は、例えば、絶縁性の樹脂である。
【0060】
モータ10は、第1ステータカバー260と、第2ステータカバー270とをさらに備える。第1ステータカバー260は、ステータ200の軸方向一方側(+X方向)に配置される。第1ステータカバー260は、ステータ200の少なくとも一部を軸方向一方側から覆う。
【0061】
第2ステータカバー270は、ステータ200の軸方向他方側(-X方向)に配置される。第2ステータカバー270は、ステータ200を軸方向他方側から覆う。
【0062】
なお、ステータコア210の径方向外側の端部の少なくとも一部は、第1ステータカバー260および第2ステータカバー270に覆われることなくハブ300と直接対向する。これにより、ステータ200の外側を別部材で覆う必要がないため、モータ10を軽量化できる。
【0063】
第1ステータカバー260の径方向外側の端部は、軸方向ADにステータ200と向かい合う。また、第2ステータカバー270の径方向外側の端部は、軸方向ADにステータ200と向かい合う。
【0064】
ロータ100およびステータ200は、第1ステータカバー260と第2ステータカバー270とによって形成される空間内に配置される。また、回路基板400は、第1ステータカバー260と第2ステータカバー270とによって形成される空間内に配置される。回路基板400は、第1ステータカバー260に固定される。
【0065】
ロータシャフト160の軸方向一方側の端部は、第1ステータカバー260の径方向中心において軸方向ADに延びる貫通孔260pに位置する。また、ロータシャフト160は、軸方向他方側において、第2ステータカバー270の径方向中心において軸方向ADに延びる貫通孔270pを貫通する。
【0066】
太陽ギヤ710は、ロータシャフト160の先端に位置する。太陽ギヤ710は、ロータシャフト160に対して軸方向他方側の先端に位置する。太陽ギヤ710は、ロータシャフト160とともに回転する。
【0067】
遊星ギヤ720は、太陽ギヤ710の径方向外側に位置する。遊星ギヤ720は、太陽ギヤ710と噛み合う。遊星ギヤ720は、太陽ギヤ710と連動して回転する。遊星ギヤ720は、第2ステータカバー270に支持される。
【0068】
センサ配線550は、トルクセンサ500と回路基板400とを電気的に接続する。センサ配線550により、トルクセンサ500において検知された信号は、回路基板400に伝送される。
【0069】
信号配線450は、回路基板400に接続される。信号配線450は、回路基板400において取得された信号を伝送する。例えば、信号配線450は、回路基板400において検知された信号を回路基板400から外部回路に伝送する。
【0070】
また、信号配線450は、トルクセンサ500において検知され、回路基板400に伝送された信号を回路基板400から外部回路に伝送する。
【0071】
モータ10は、制御配線250をさらに備える。制御配線250は、ステータ200と制御装置とを電気的に接続する。制御配線250は、1本以上のリード線を有する。制御配線250を伝送する制御信号により、ステータ200に対してロータ100が回転する。
【0072】
モータ10は、制御装置の3つの出力端子から出力される3相の交流電力によって駆動される。モータ10は、U相の電力と、V相の電力と、W相の電力とによって駆動される。例えば、制御装置は、トルクセンサ500の検知結果に基づいてステータ200に供給する制御電流を変更する。これにより、ロータ100の回転を制御できる。
【0073】
制御配線250により、制御装置の3つの出力端子から出力される3相の制御信号(U相、V相、W相)が伝送される。典型的には、制御配線250は、3本以上のリード線を有する。この場合、制御配線250は、U相、V相およびW相の電力を伝送する。例えば、制御配線250は、U相の電力を伝送する配線250uと、V相の電力を伝送する配線250vと、W相の電力を伝送する配線250wとを有する。
【0074】
第1固定シャフト610は、管部612と、基体部614とを有する。管部612は、軸方向ADに延びる管状である。基体部614は、径方向中心から径方向外側に広がる板状である。管部612は、基体部614から軸方向一方側に延びる。
【0075】
基体部614の軸方向ADに沿った長さは、管部612の軸方向ADに沿った長さよりも小さい。基体部614の径方向RDに沿った外径は、管部612の径方向RDに沿った外径よりも大きい。管部612には、軸方向ADに延びる貫通孔612pが設けられる。
【0076】
信号配線450は、管部612を軸方向ADに貫通する。また、制御配線250は、管部612を軸方向ADに貫通する。これにより、信号配線450が外部に露出される部分が減るため、信号配線450の損傷などを抑制できる。
【0077】
第2固定シャフト620は、突出部622と、基体部624とを有する。突出部622は、軸方向ADに延びる棒状である。基体部624は、径方向中心から径方向外側に広がる板状である。突出部622は、基体部624から軸方向他方側に延びる。
【0078】
基体部624の軸方向ADに沿った長さは、突出部622の軸方向ADに沿った長さよりも小さい。基体部624の径方向RDに沿った外径は、突出部622の径方向RDに沿った外径よりも大きい。
【0079】
モータ10は、インターナルギヤ800をさらに備える。インターナルギヤ800は、ハブ300に収容される。インターナルギヤ800は、ハブ300の内周面に固定される。詳細には、インターナルギヤ800は、ハブ300の本体部310に取り付けられる。インターナルギヤ800は、環状である。インターナルギヤ800は、平坦な外周面と、ギヤが設けられた内周面を有する。
【0080】
インターナルギヤ800は、遊星ギヤ720の径方向外側に位置する。インターナルギヤ800は、遊星ギヤ720と噛み合う。インターナルギヤ800は、遊星ギヤ720とともに回転する。
【0081】
次に、図1および図2を参照して、本実施形態のモータ10を説明する。図2は、本発明の一実施形態に係るモータ10の斜視図である。
【0082】
図2に示すように、モータ10において、ハブ300、第1固定シャフト610および第2固定シャフト620が外部に露出される。第1固定シャフト610は、回転軸AXに沿ってハブ300から軸方向一方側(+X方向)に延びる。第2固定シャフト620は、回転軸AXに沿ってハブ300から軸方向他方側(-X方向)に延びる。
【0083】
第1固定シャフト610および第2固定シャフト620は、ハブ300から回転軸AXに沿って直線状に延びる。第1固定シャフト610の長さは、第2固定シャフト620の長さとは異なる。ここでは、第1固定シャフト610の長さは、第2固定シャフト620の長さよりも大きい。これにより、第1固定シャフト610にトルクセンサ500を容易に取り付けできる。なお、第2固定シャフト620の長さが、第1固定シャフト610の長さよりも大きくてもよい。
【0084】
ハブ300は、本体部310と、蓋部320とを有する。本体部310は、軸方向一方側が開放された容器である。本体部310において、軸方向他方側の表面には、中心に開口が設けられる。蓋部320は、本体部310に対して軸方向一方側に位置する。蓋部320は、本体部310の軸方向一方側に位置する開口を覆う。
【0085】
次に、図1図4Bを参照して、本実施形態のモータ10を説明する。図3は、本発明の一実施形態に係るモータ10の分解斜視図である。図4Aおよび図4Bは、図3の一部拡大図である。図4Aは、モータ10の軸方向一方側の構成を示し、図4Bは、モータ10の軸方向他方側の構成を示す。なお、図3図4Bでは、図面が過度に複雑になることを避けるために、トルクセンサ配線、信号配線および制御配線を省略している。
【0086】
図3図4Bに示すように、モータ10は、ロータ100と、ステータ200と、第1ステータカバー260と、第2ステータカバー270と、ハブ300と、回路基板400と、トルクセンサ500と、第1固定シャフト610と、第2固定シャフト620と、太陽ギヤ710と、遊星ギヤ720と、インターナルギヤ800とを備える。ハブ300は、本体部310と、蓋部320とを有する。ロータ100は、ロータコア110、マグネット120、マグネット被覆部130およびロータシャフト160を有する。
【0087】
トルクセンサ500は、蓋部320に対して軸方向一方側に位置する。トルクセンサ500は、回路基板400に対して軸方向一方側に位置する。トルクセンサ500は、回路基板400から所定の距離だけ離れた位置に蓋部320に固定される。
【0088】
トルクセンサ500は、略円筒状である。トルクセンサ500は、外周面500aと、内周面500bとを有する。外周面500aは、第1部分500a1と、第2部分500a2と、第3部分500a3とを有する。第1部分500a1、第2部分500a2および第3部分500a3は、軸方向他方側から軸方向一方側に順番に位置する。
【0089】
第2部分500a2の外径は、第1部分500a1の外径よりも大きい。また、第2部分500a2の外径は、第3部分500a3の外径よりも大きい。
【0090】
第2部分500a2には、軸方向ADに延びる貫通孔500qが設けられる。固着具が、第2部分500a2の貫通孔500qを貫通することにより、トルクセンサ500を蓋部320に固定できる。
【0091】
トルクセンサ500において、外周面500aの外径は、軸方向ADに沿って変化する。一方で、内周面500bの内径は、軸方向ADに沿って略一定である。
【0092】
蓋部320は、軸方向ADにおいて、トルクセンサ500と第1ステータカバー260との間に位置する。
【0093】
蓋部320は、中央に貫通孔が設けられた板部322と、板部322の外縁から軸方向他方側に延びた側部324とを有する。板部322の貫通孔は、開口300pとなる。トルクセンサ500は、開口300pを貫通する。
【0094】
トルクセンサ500は、第1固定シャフト610に取り付けられる。第1固定シャフト610は、トルクセンサ500を貫通する。このため、第1固定シャフト610は、蓋部320の開口300pを貫通する。
【0095】
第1固定シャフト610は、管部612と、基体部614とを有する。管部612は、軸方向ADに延びる管状である。管部612は、基体部614から軸方向一方側に延びる。管部612には、軸方向ADに延びる貫通孔612pが設けられる。基体部614は、径方向中心から径方向外側に広がる板状である。基体部614の径方向RDに沿った外径は、管部612の径方向RDに沿った外径よりも大きい。基体部614は、第1ステータカバー260にねじで取り付けられる。なお、基体部614は、第1ステータカバー260に接着剤で取り付けられてもよい。あるいは、基体部614は、第1ステータカバー260と単一の部材であってもよい。
【0096】
基体部614には、円板状の一部が切り欠かれた切り欠き614nが設けられる。切り欠き614nは、貫通孔612pと繋がる。制御配線250および信号配線450(図1参照)は、切り欠き614nに配置される。これにより、制御配線250および信号配線450を容易に配置できる。
【0097】
例えば、切り欠き614nは、回転軸AXを中心とする周方向CDの角度360°のうち、角度90°以下に切り欠かれている。これにより、基体部614を、第1ステータカバー260に安定的に取り付けできる。
【0098】
第1ステータカバー260は、蓋部320の軸方向他方側に位置する。第1ステータカバー260の径方向RDに沿った外径は、蓋部320の径方向RDに沿った内径よりも小さい。また、第1ステータカバー260の径方向RDに沿った外径は、本体部310の径方向RDに沿った内径よりも小さい。このため、第1ステータカバー260は、本体部310と蓋部320とを組み合わせたハブ300に収容される。
【0099】
また、第1ステータカバー260は、第1固定シャフト610の軸方向他方側に位置する。第1ステータカバー260の径方向RDに沿った外径は、基体部614の径方向RDに沿った外径よりも大きい。第1固定シャフト610は、第1ステータカバー260の軸方向一方側の面に固定される。
【0100】
第1ステータカバー260は、ステータ200を軸方向一方側から覆う。第1ステータカバー260は、板状部262と、側面部264とを有する。板状部262は、中心に貫通孔260pが設けられた円板状である。側面部264は、板状部262の外縁から軸方向他方側に延びる。
【0101】
板状部262には、軸方向ADに延びる貫通孔260pが設けられる。貫通孔260pには、ロータ100の軸方向一方側の端部が挿入される。板状部262には、貫通孔260pとは別に、軸方向ADに延びる貫通孔260qが設けられる。貫通孔260qは、貫通孔260pと繋がらない。制御配線250、センサ配線550および信号配線450(図1参照)は、貫通孔260qを貫通する。これにより、制御配線250、センサ配線550および信号配線450(図1参照)を容易に配置できる。
【0102】
回路基板400は、第1ステータカバー260に対して軸方向他方側に位置する。回路基板400は、略環状である。
【0103】
回路基板400は、略環状のプリント基板402と、プリント基板402に実装された検知素子404とを有する。回路基板400は、ロータ100と第1ステータカバー260との間に位置する。
【0104】
例えば、検知素子404は、ホール素子を含む。ホール素子は、ロータ100の磁界を検知することにより、ロータ100の回転を検知する。
【0105】
また、検知素子404は、温度検知素子を含んでもよい。温度検知素子は、ハブ300内の温度を検知する。
【0106】
ステータ200は、第1ステータカバー260に対して軸方向他方側に位置する。ステータ200は、略円筒状である。ステータ200は、軸方向ADに延びる回転軸AXを中心に配置される。ステータ200は、ロータ100の径方向外側に配置される。ステータ200は、第2ステータカバー270の軸方向一方側に位置する。
【0107】
ステータ200は、ステータコア210と、インシュレータ220と、コイル230とを有する。ステータコア210は、軸方向ADに延びる回転軸AXを中心に配置される。インシュレータ220は、ステータコア210の少なくとも一部を覆う。一例として、インシュレータ220は、ステータコア210を軸方向両側から囲む。コイル230は、インシュレータ220を介してステータコア210に巻き付けられる。
【0108】
ロータ100は、回路基板400に対して軸方向他方側に位置する。ロータ100は、軸方向ADに延びる回転軸AXを中心に配置される。ロータ100は、回転軸AXの回りに回転する。ロータ100は、ステータ200の径方向内側に配置される。
【0109】
ロータ100は、ロータコア110と、マグネット120と、マグネット被覆部130と、ロータシャフト160とを有する。ロータコア110は、略円筒状である。ロータコア110は、例えば、電磁鋼板が軸方向ADに積層した積層鋼板によって構成される。マグネット120は、ロータコア110の径方向外側に配置される。
【0110】
マグネット被覆部130は、ロータコア110およびマグネット120のそれぞれの少なくとも一部を被覆する。マグネット被覆部130は、軸方向両側からロータコア110の一部およびマグネット120を覆う。また、マグネット被覆部130は、径方向外側からロータコア110およびマグネット120を覆う。
【0111】
ロータシャフト160は、ロータコア110の径方向内側に位置する。ロータシャフト160は、ロータコア110およびマグネット120とともに回転する。
【0112】
第2ステータカバー270は、ロータ100の軸方向他方側に位置する。第2ステータカバー270の径方向RDに沿った外径は、本体部310の径方向RDに沿った内径よりも小さい。このため、第2ステータカバー270は、本体部310と蓋部320とを組み合わせたハブ300に収容される。
【0113】
第2ステータカバー270は、ロータ100およびステータ200の軸方向他方側に位置する。第2ステータカバー270は、ステータ200を軸方向他方側から覆う。
【0114】
第2ステータカバー270は、板状部272と、側面部274とを有する。板状部272は、中心に貫通孔270pが設けられた円板状である。側面部274は、板状部272の外縁から軸方向一方側に延びる。
【0115】
板状部272には、軸方向ADに延びる貫通孔270pが設けられる。貫通孔270pには、ロータ100の軸方向他方側の端部が貫通される。
【0116】
板状部272の軸方向他方側の面には、軸方向他方側に突出する突出部272a、272b、272cが設けられる。突出部272a、272b、272cには、図示しないギヤ軸が取り付けられ、遊星ギヤ720はギヤ軸に取り付けられる。
【0117】
ロータシャフト160は、第2ステータカバー270を貫通する。ロータシャフト160の軸方向他方側の先端は、貫通孔270pを貫通する。ロータシャフト160の軸方向他方側の先端に太陽ギヤ710が位置する。太陽ギヤ710は、第2ステータカバー270に対して軸方向他方側に位置する。太陽ギヤ710は、ロータシャフト160とともに回転する。
【0118】
遊星ギヤ720は、第2ステータカバー270に対して軸方向他方側に位置する。遊星ギヤ720は、太陽ギヤ710の径方向外側に位置する。遊星ギヤ720は、太陽ギヤ710と噛み合い、ロータ100の回転に伴って回転する。
【0119】
遊星ギヤ720は、回転軸AXを中心に等間隔に配置された第1遊星ギヤ720a、第2遊星ギヤ720bおよび第3遊星ギヤ720cを有する。第1遊星ギヤ720a、第2遊星ギヤ720bおよび第3遊星ギヤ720cは、板状部272の突出部272a、272b、272cに取り付けられる。第1遊星ギヤ720a、第2遊星ギヤ720bおよび第3遊星ギヤ720cは、太陽ギヤ710と噛み合い、ロータ100の回転に伴って回転する。
【0120】
インターナルギヤ800は、第2ステータカバー270に対して軸方向他方側に位置する。インターナルギヤ800は、遊星ギヤ720に対して径方向外側に位置する。インターナルギヤ800は、円筒状である。
【0121】
インターナルギヤ800の内周面には歯が設けられる。インターナルギヤ800は、本体部310の軸方向他方側の端部に位置する。インターナルギヤ800は、本体部310に取り付けられる。インターナルギヤ800は、遊星ギヤ720と噛み合う。インターナルギヤ800は、遊星ギヤ720と噛み合い、ロータ100の回転に伴って回転する。
【0122】
第2固定シャフト620は、第2ステータカバー270に対して軸方向他方側に位置する。第2固定シャフト620は、第2ステータカバー270にねじで取り付けられる。なお、第2固定シャフト620は、第2ステータカバー270に接着剤で取り付けられてもよい。あるいは、第2固定シャフト620は、第2ステータカバー270と単一の部材であってもよい。
【0123】
第2固定シャフト620は、突出部622と、基体部624とを有する。突出部622は、軸方向ADに延びる管状である。突出部622は、基体部624から軸方向他方側に延びる。基体部624は、径方向中心から径方向外側に広がる板状である。基体部624の軸方向ADに沿った長さは、突出部622の軸方向ADに沿った長さよりも小さい。基体部624の径方向RDに沿った外径は、突出部622の径方向RDに沿った外径よりも大きい。第2固定シャフト620は、本体部310を貫通する。第2固定シャフト620は、本体部310の開口300qを貫通する。
【0124】
本体部310は、蓋部320に対して軸方向他方側に位置する。本体部310は、中央に貫通孔が設けられた底部312と、底部312の外縁から軸方向一方側に延びた側部314とを有する。底部312の貫通孔は、開口300qとなる。
【0125】
本実施形態によれば、モータ10は、ロータ100と、ステータ200と、ハブ300と、回路基板400と、信号配線450と、トルクセンサ500と、センサ配線550と、第1固定シャフト610とを備える。ロータ100は、仮想中心軸に沿って延びるロータシャフト160を有する。ロータ100は、ロータシャフト160を中心に回転する。
【0126】
ステータ200は、ロータ100に対して径方向外側に位置する。ハブ300は、ロータ100およびステータ200を収容する。ハブ300は、ロータ100の回転に伴って回転する。
【0127】
トルクセンサ500は、ロータ100に対して軸方向一方側に位置する。
【0128】
回路基板400は、ハブ300内に収容される。回路基板400は、ロータ100とトルクセンサ500との間に位置する。
【0129】
センサ配線550は、トルクセンサ500と回路基板400とを電気的に接続する。信号配線450は、回路基板400の軸方向一方側の面で外部回路と電気的に接続する。
【0130】
第1固定シャフト610は、静止部材である。第1固定シャフト610は、ロータシャフト160に対して軸方向一方側に位置する。第1固定シャフト610は、トルクセンサ500を支持する。
【0131】
本実施形態によれば、回路基板400が、ロータ100と、ロータ100に対して軸方向一方側に位置するトルクセンサ500との間に位置するため、センサ配線550と信号配線450をロータ100に対して一方側にまとめて配置できるのでセンサ配線550および信号配線450がロータ100と接触することを抑制できる。また、回路基板400に対してセンサ配線550および信号配線450を容易に取り付けできるとともに、トルクセンサ500によって検知された信号を容易に外部に出力できる。さらに、ロータ100がインナーロータであるため、モータ10が小型であっても低振動で高出力を得ることができる。
【0132】
モータ10は、ステータ200の軸方向一方側を覆う第1ステータカバー260と、ステータ200の軸方向他方側を覆う第2ステータカバー270とをさらに備える。回路基板400は、ロータ100と第1ステータカバー260との間に位置する。第1ステータカバー260には、センサ配線550および信号配線450が軸方向ADに貫通する貫通孔260qが設けられる。これにより、回路基板400に対してセンサ配線550および信号配線450を容易に取り付けできる。
【0133】
第1固定シャフト610の少なくとも一部は、ハブ300から軸方向一方側に延びる。第1固定シャフト610には、トルクセンサ500が取り付けられる。第1固定シャフト610は、信号配線450が内部に配置された管部612を有する。これにより、トルクセンサ500が取り付けられる第1固定シャフト610の管部612の内部に信号配線450が配置されるため、信号配線450が外部に露出されることを抑制できる。
【0134】
第1固定シャフト610は、管部612と連結する基体部614をさらに有する。基体部614は、第1ステータカバー260に取り付けられる。基体部614には、管部612の貫通孔612pと繋がる切り欠き614nが設けられる。これにより、回路基板400に対してセンサ配線550および信号配線450を容易に取り付けできる。
【0135】
モータ10は、ロータシャフト160に対して軸方向他方側に位置する第2固定シャフト620をさらに備える。第2固定シャフト620の少なくとも一部は、ハブ300から軸方向他方側に延びる。これにより、ハブ300に対して第1固定シャフト610および第2固定シャフト620を対称に配置できる。
【0136】
モータ10は、ステータ200に制御電流を供給する制御配線250をさらに備える。第1固定シャフト610は、制御配線250が内部に配置された管部612を有する。これにより、トルクセンサ500の検知結果に基づいてステータ200に供給する制御電流を変更でき、ロータ100の回転を制御できる。また、第1固定シャフト610の管部612の内部に制御配線250が配置されるため、制御配線250が外部に露出されることを抑制できる。
【0137】
モータ10は、太陽ギヤ710と、遊星ギヤ720とをさらに備える。太陽ギヤ710は、ロータシャフト160に対して軸方向他方側に取り付けられる。遊星ギヤ720は、太陽ギヤ710と噛み合い、ロータ100に対して軸方向他方側に配置された遊星ギヤ720とをさらに備える。これにより、センサ配線550および信号配線450が太陽ギヤ710および遊星ギヤ720と接触することを抑制できる。
【0138】
次に、図1図5を参照して、本実施形態のモータ10を説明する。図5は、本発明の一実施形態に係るモータ10におけるロータ100の分解斜視図である。図5では、ロータシャフト160の軸方向他方側の端部に太陽ギヤ710が取り付けられている。
【0139】
図5に示すように、ロータ100は、ロータコア110と、マグネット120と、マグネット被覆部130と、軸受140と、ワンウェイクラッチ150と、ロータシャフト160とを有する。ロータコア110は、円筒形状である。ロータコア110には、径方向中心において軸方向ADに延びる貫通孔110pが設けられる。また、ロータコア110には、貫通孔110pの径方向外側に軸方向ADに延びる複数の貫通孔110qが設けられる。複数の貫通孔110qは、周方向CDに沿って等間隔に配置される。ここでは、複数の貫通孔110qは、14個である。ロータシャフト160は、ロータコア110の径方向内側に位置する。
【0140】
軸受140は、ロータシャフト160を回転可能に支持する。軸受140は、例えば、転がり軸受である。軸受140は、ロータコア110の径方向内側に位置し、ロータシャフト160の径方向外側に位置する。
【0141】
ここでは、軸受140は、軸受140aと、軸受140bと、軸受140cとを含む。軸受140a、軸受140bおよび軸受140cは、軸方向一方側から軸方向他方側に順番に配置される。
【0142】
ワンウェイクラッチ150は、ロータコア110の径方向内側に位置し、ロータシャフト160の径方向外側に位置する。ここでは、ワンウェイクラッチ150は、軸方向ADにおいて、軸受140bと軸受140cとの間に位置する。
【0143】
ワンウェイクラッチ150は、ロータコア110およびマグネット120の周方向一方側のみの回転をロータシャフト160に伝達する。詳細には、ワンウェイクラッチ150は、ロータコア110およびマグネット120の周方向一方側への回転をロータシャフト160に伝達し、ロータコア110およびマグネット120の周方向他方側への回転をロータシャフト160に伝達しない。
【0144】
本実施形態では、モータ10は、ロータシャフト160に取り付けられたワンウェイクラッチ150をさらに備える。これにより、ワンウェイクラッチ150を小型化できるため、モータ10を小型化かつ軽量化できる。
【0145】
上述したように、本実施形態のモータ10では、制御配線250、信号配線450およびセンサ配線550は、ロータ100に対して軸方向一方側に配置される。
【0146】
次に、図1図6を参照して、本実施形態のモータ10を説明する。図6は、本発明の一実施形態に係るモータ10において、トルクセンサ500および第1固定シャフト610と、ロータ100、ステータ200、第1ステータカバー260、本体部310および回路基板400とが分解された分解斜視図である。なお、図6では、図面が過度に複雑になることを避ける目的で、ハブ300の蓋部320を省略している。
【0147】
図6に示すように、第1固定シャフト610は、トルクセンサ500を貫通する。第1固定シャフト610の管部612は、トルクセンサ500の貫通孔を貫通する。
【0148】
ハブ300の本体部310には、ロータ100、ステータ200、第1ステータカバー260および回路基板400が収容される。第1ステータカバー260は、ロータ100およびステータ200に対して軸方向一方側に位置する。
【0149】
第1ステータカバー260において、板状部262は、軸方向一方側に位置する。板状部262の軸方向一方側の面には、窪み260rおよび貫通孔260qが設けられる。窪み260rの外縁は、一部が切り欠かれた略円状である。板状部262には、軸方向ADに貫通する貫通孔260qが設けられる。
【0150】
第1ステータカバー260の板状部262には、軸方向ADに延びる窪み260rが設けられる。窪み260rには、トルクセンサ500が嵌め込まれる。窪み260rの径方向RDに沿った内径は、トルクセンサ500の第1部分500a1(図4A)の径方向RDに沿った外径とほぼ等しい。
【0151】
回路基板400は、ステータ200のコイル230と径方向RDに対向する。これにより、モータ10の軸方向ADの長さを短くできるため、モータ10を小型化できる。なお、回路基板400は、コイル230よりも径方向内側に配置されている。ただし、回路基板400は、コイル230と軸方向ADに重なる位置に配置されてもよい。
【0152】
ステータ200および回路基板400は、第1ステータカバー260の板状部262に対して軸方向他方側に位置するが、貫通孔260qにより、ステータ200および回路基板400の一部が露出される。なお、ここでは、窪み260rの径方向RDに沿った内径は、回路基板400の径方向RDに沿った外径と略等しい。
【0153】
また、第1ステータカバー260において、径方向中心に軸方向ADに延びる貫通孔260pが設けられる。貫通孔260pにより、ロータシャフト160の軸方向一方側の端部が露出される。
【0154】
本実施形態のモータ10では、本体部310内におけるロータ100に対して軸方向一方側の面から、制御配線250、信号配線450およびセンサ配線550が軸方向一方側に延びる。
【0155】
制御配線250は、ステータ200に接続される。制御配線250は、ステータ200のコイル230の一端に接続される。制御配線250は、U相、V相、および、W相の制御電流を供給する配線250u、250v、250wを有する。
【0156】
制御配線250は、第1ステータカバー260の貫通孔260qによって露出されたステータ200から第1固定シャフト610の切り欠き614n(図3図4A)を介して管部612の貫通孔612pを通過する。
【0157】
信号配線450は、回路基板400と外部回路とを電気的に接続する。信号配線450は、回路基板400の軸方向一方側の面と外部回路とを電気的に接続する。
【0158】
信号配線450は、第1ステータカバー260の貫通孔260qによって露出された回路基板400から第1固定シャフト610の切り欠き614n(図3図4A)を介して管部612の貫通孔612pを通過する。
【0159】
センサ配線550は、トルクセンサ500と、回路基板400とを電気的に接続する。センサ配線550の一端は、ハブ300内においてトルクセンサ500と接続する。センサ配線550の他端は、ハブ300内において回路基板400と接続する。
【0160】
センサ配線550は、第1ステータカバー260の貫通孔260qによって露出された回路基板400とトルクセンサ500とを接続する。
【0161】
なお、図1図6に示したモータ10では、センサ配線550は、1本以上のリード線を有したが、本実施形態はこれに限定されない。センサ配線550は、1以上のリード線に加えてコネクタを有してもよい。
【0162】
次に、図1図7を参照して、本実施形態のモータ10を説明する。図7は、本発明の一実施形態に係るモータ10におけるトルクセンサ500および第1固定シャフト610と、ロータ100、ステータ200、第1ステータカバー260、本体部310および回路基板400とが分解された分解斜視図である。なお、図7の分解斜視図は、トルクセンサ500と回路基板400とを接続するセンサ配線550がコネクタを有する点を除いて図6の分解斜視図と同様の構成を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0163】
図7に示すように、第1固定シャフト610は、トルクセンサ500を貫通する。第1固定シャフト610の管部612は、トルクセンサ500の貫通孔を貫通する。
【0164】
センサ配線550は、トルクセンサ500と、回路基板400とを電気的に接続する。センサ配線550の一端は、ハブ300内においてトルクセンサ500と接続する。センサ配線550の他端は、ハブ300内において回路基板400と接続する。
【0165】
センサ配線550は、センサ接続線552と、第1コネクタ554と、基板接続線556と、第2コネクタ558とを有する。センサ接続線552は、トルクセンサ500に接続される。典型的には、センサ接続線552は、トルクセンサ500の外周面の軸方向他方側から延びる。
【0166】
第1コネクタ554は、センサ接続線552に接続される。第1コネクタ554は、センサ接続線552の端部に取り付けられる。
【0167】
基板接続線556は、回路基板400に接続される。基板接続線556は、回路基板400の軸方向一方側の面と接続する。
【0168】
第2コネクタ558は、基板接続線556に接続される。第2コネクタ558は、基板接続線556の端部に取り付けられる。第2コネクタ558は、第1コネクタ554に接続できる。第1コネクタ554を第2コネクタ558に嵌め込むことより、第2コネクタ558を第1コネクタ554に接続できる。これにより、第2コネクタ558に対して第1コネクタ554を容易に接続できる。
【0169】
例えば、第2コネクタ558の差込口は、径方向外側を向いてもよい。これにより、第2コネクタ558に対して第1コネクタ554をより容易に接続できる。
【0170】
本実施形態のモータ10において、センサ配線550は、トルクセンサ500に接続されたセンサ接続線552と、センサ接続線552の先端に位置する第1コネクタ554と、回路基板400に接続された基板接続線556と、基板接続線556の先端に位置し、第1コネクタ554に接続される第2コネクタ558とを有する。第1コネクタ554を第2コネクタ558に接続することにより、トルクセンサ500を回路基板400に電気的に接続できる。
【0171】
なお、図1図7を参照した上述の説明では、ステータ200において、ステータコア210は絶縁性のインシュレータ220に覆われる一方で、コイル230は露出されていたが、本実施形態はこれに限定されない。コイル230は、絶縁性の部材で覆われてもよい。
【0172】
次に、図1図8を参照して、本実施形態のモータ10を説明する。図8は、本発明の一実施形態に係るモータ10におけるステータ200、第2ステータカバー270および回路基板400の模式的な斜視図である。
【0173】
図8に示すように、ステータ200は、ステータコア210と、インシュレータ220と、コイル230とを有する。ステータコア210は、軸方向ADに延びる回転軸AXを中心に配置される。ステータコア210は、コアバック212と、ティース214とを有する。
【0174】
インシュレータ220は、ステータコア210の少なくとも一部を覆う。一例として、インシュレータ220は、軸方向両側からステータコア210を覆う。
【0175】
ステータ200は、被覆部240をさらに有する。被覆部240は、コイル230を覆う。例えば、被覆部240は、軸方向両側からコイル230を覆う。また、被覆部240は、径方向両側からコイル230を覆ってもよい。被覆部240は、絶縁性の樹脂を含む。
【0176】
なお、コイル230には、配線250u、250v、250wが接続される。コイル230が被覆部240に覆われることにより、ロータ100が回転する際のコイル230の揺れを抑制できる。被覆部240でコイル230を覆うことにより、コイル230の巻き線を固定できるため、モータ10の振動を受けにくくなり、振動および音の発生を抑制できる。
【0177】
本実施形態のモータ10において、ステータ200は、ステータコア210と、インシュレータ220と、コイル230と、コイル230を覆う被覆部240とを有する。インシュレータ220は、ステータコア210を覆う。コイル230は、インシュレータ220に巻き付けられる。被覆部240は、コイル230を覆う。これにより、モータ10の振動を抑制できる。
【0178】
次に、図1図10を参照して、本実施形態のモータ10が搭載された電動自転車20を説明する。図9は、本発明の一実施形態に係るモータ10を備える電動自転車20の模式図である。図10は、本発明の一実施形態に係るモータ10を備える電動自転車20の一部を示す模式的な斜視図である。
【0179】
図9に示すように、モータ10は、電動自転車20に搭載される。例えば、モータ10は、電動自転車20の駆動をアシストする。一例では、モータ10は、使用者がサドルを回転させたことによる後輪のトルクを検知し、検知したトルクに応じて後輪の回転を支援する。
【0180】
モータ10は、電動自転車20に搭載される。電動自転車20は、モータ10に加えて、フレーム21、ハンドル22、前輪23、後輪24、サドル25、クランク26、ペダル27、チェーン28、スプロケット29、スプロケット30、スタンド31を有する。例えば、モータ10は、後輪24に取り付けられる。
【0181】
ハンドル22は、フレーム21に対して前方上方に連結される。ハンドル22により、フレーム21に対する前輪23の向きを操作できる。ハンドル22には、電動自転車20の運転者の手が載置される。
【0182】
前輪23は、フレーム21の前方下方に回転可能に支持される。前輪23は、地面に接触して回転する。
【0183】
後輪24は、フレーム21の後方下方に回転可能に支持される。後輪24は、地面に接触して回転する。
【0184】
サドル25は、フレーム21に対して中央上方に連結される。電動自転車20の運転者は、サドル25に座る。
【0185】
クランク26は、ペダル27に加えられた電動自転車の運転者の踏力を、後輪24を駆動する力に変換する。
【0186】
ペダル27は、クランク26の一端に配置される。ペダル27には、電動自転車20の運転者の足が載置される。
【0187】
クランク26の回転に伴い、スプロケット29が回転する。チェーン28は、スプロケット29とスプロケット30との間に掛けられる。このため、スプロケット29は、チェーン28を介してスプロケット30と連結される。
【0188】
スタンド31は、フレーム21の固定軸に対して回転可能に取り付けられる。電動自転車20を移動させる場合、スタンド31は、地面から離れる方向に回転されて保持される。電動自転車20を停車する場合、スタンド31は、地面に近づく方向に回転して地面に接触した状態で保持される。
【0189】
前輪23は、ホイール23aと、タイヤ23bとを有する。タイヤ23bは、ホイール23aに取り付けられる。ホイール23aは、環状のリム23rと、リム23rの中央に位置するハブ23hと、リム23rからハブ23hまで延びる棒状のスポーク23sとを有する。
【0190】
同様に、後輪24は、ホイール24aと、タイヤ24bとを有する。タイヤ24bは、ホイール24aに取り付けられる。ホイール24aは、環状のリム24rと、リム24rの中央に位置するハブ300と、リム24rからハブ300まで延びる棒状のスポーク24sとを有する。後輪24のハブには、上述したモータ10のハブ300が用いられる。
【0191】
本実施形態の電動自転車20において、モータ10は、後輪24に取り付けられる。詳細には、モータ10は、後輪24のハブに取り付けられる。後輪24は、モータ10の回転に伴って回転する。このため、モータ10は、電動自転車20の駆動を支援する。
【0192】
図10に示すように、モータ10にはスプロケット30が取り付けられる。スプロケット30は、トルクセンサ500(図1)の側方に配置される。モータ10の第1固定シャフト610はスプロケット30を貫通する。スプロケット30は、モータ10の回転に伴って回転する。
【0193】
本実施形態において、電動自転車20は、上述したモータ10と、前輪23と、モータ10の回転に伴って回転する後輪24とを備える。このため、ロータ100およびステータ200とともにトルクセンサ500を備えるモータ10により、電動自転車20の駆動を支援できる。
【0194】
モータ10は、後輪24のハブに取り付けられる。これにより、モータ10を電動自転車20に容易に実装できる。
【0195】
本実施形態において、電動自転車20は、上述したモータ10と、前輪23と、モータ10の回転に伴って回転する後輪24と、後輪24に取り付けられたスプロケット30とを備える。スプロケット30は、第1固定シャフト610と対向する。これにより、信号配線450がスプロケット30と接触することを抑制できる。
【0196】
以上、図面(図1図10)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0197】
なお、本技術は、以下のような構成をとることが可能である。
【0198】
(1)仮想中心軸に沿って延びるロータシャフトを有し、前記ロータシャフトを中心に回転するロータと、
前記ロータに対して径方向外側に位置するステータと、
前記ロータおよび前記ステータを収容し、前記ロータの回転に伴って回転するハブと、
前記ロータに対して軸方向一方側に位置し、前記ロータシャフトのトルクを検知するトルクセンサと、
前記ハブ内に収容され、前記ロータと前記トルクセンサとの間に位置する回路基板と、
前記トルクセンサと前記回路基板とを電気的に接続するセンサ配線と、
前記回路基板の軸方向一方側の面で外部回路と電気的に接続する信号配線と、
静止部材であり、前記ロータシャフトに対して軸方向一方側に位置する第1固定シャフトと
を備え、
前記第1固定シャフトは、前記トルクセンサを支持する、モータ。
【0199】
(2)前記ステータの軸方向一方側を覆う第1ステータカバーと、
前記ステータの軸方向他方側を覆う第2ステータカバーと
をさらに備え、
前記回路基板は、前記ロータと前記第1ステータカバーとの間に位置し、
前記第1ステータカバーには、前記センサ配線および前記信号配線が軸方向に貫通する貫通孔が設けられる、(1)に記載のモータ。
【0200】
(3)前記第1固定シャフトの少なくとも一部は、前記ハブから軸方向一方側に延び、
前記第1固定シャフトには、前記トルクセンサが取り付けられ、
前記第1固定シャフトは、前記信号配線が内部に配置された管部を有する、(2)に記載のモータ。
【0201】
(4)前記第1固定シャフトは、前記管部と連結する基体部をさらに有し、
前記基体部は、前記第1ステータカバーに取り付けられており、
前記基体部には、前記管部の貫通孔と繋がる切り欠きが設けられる、(3)に記載のモータ。
【0202】
(5)静止部材であり、前記ロータシャフトに対して軸方向他方側に位置する第2固定シャフトをさらに備え、
前記第2固定シャフトの少なくとも一部は、前記ハブから軸方向他方側に延びる、(3)または(4)に記載のモータ。
【0203】
(6)前記ステータに制御電流を供給する制御配線をさらに備え、前記第1固定シャフトは、前記制御配線が内部に配置された管部を有する、(1)から(5)のいずれかに記載のモータ。
【0204】
(7)前記ロータシャフトに対して軸方向他方側に取り付けられた太陽ギヤと、
前記太陽ギヤと噛み合い、前記ロータに対して軸方向他方側に配置された遊星ギヤと
をさらに備える、(1)から(6)のいずれかに記載のモータ。
【0205】
(8)前記ロータシャフトに取り付けられたワンウェイクラッチをさらに備える、(1)から(7)のいずれかに記載のモータ。
【0206】
(9)前記ステータは、
ステータコアと、
前記ステータコアを覆うインシュレータと、
前記インシュレータに巻き付いたコイルと
前記コイルを覆う被覆部と
を有する、(1)から(8)のいずれかに記載のモータ。
【0207】
(10)前記センサ配線は、
前記トルクセンサに接続されたセンサ接続線と、
前記センサ接続線の先端に位置する第1コネクタと、
前記回路基板に接続された基板接続線と、
前記基板接続線の先端に位置し、前記第1コネクタに接続される第2コネクタと
を有する、(1)から(9)のいずれかに記載のモータ。
【0208】
(11)(1)から(10)のいずれかに記載のモータと、
前輪と、
前記モータの回転に伴って回転する後輪と
を備える、電動自転車。
【0209】
(12)前記モータは、前記後輪のハブに取り付けられる、(11)に記載の電動自転車。
【0210】
(13)(3)に記載のモータと、
前輪と、
前記モータの回転に伴って回転する後輪と、
前記後輪に取り付けられたスプロケットと
を備え、
前記スプロケットは、前記第1固定シャフトと対向する、電動自転車。
【符号の説明】
【0211】
10 モータ
100 ロータ
200 ステータ
300 ハブ
400 回路基板
450 信号配線
500 トルクセンサ
550 センサ配線
610 第1固定シャフト
620 第2固定シャフト
710 太陽ギヤ
720 遊星ギヤ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10