(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173514
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】作業機械用操作装置
(51)【国際特許分類】
E02F 9/20 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
E02F9/20 N
E02F9/20 B
E02F9/20 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091986
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】391029347
【氏名又は名称】ニシオホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102048
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 光司
(74)【代理人】
【識別番号】100146503
【弁理士】
【氏名又は名称】高尾 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】石川 貴一朗
(72)【発明者】
【氏名】藤田 全彦
(72)【発明者】
【氏名】市側 義治
(72)【発明者】
【氏名】山口 秀樹
【テーマコード(参考)】
2D003
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB07
2D003BA04
2D003CA10
2D003DA04
2D003FA02
(57)【要約】
【課題】 より簡素なアクチュエーターの支持構造により、装置全体を簡素でコンパクト化させることの可能な作業機械用操作装置を提供すること。
【解決手段】作業機械は互いに交差する一対の操作方向X,Yに対し揺動操作可能な操作レバー320を有する。作業機械用操作装置100は、レバー保持部40と、第一、第二回転アクチュエーター10,20と、アーム30と、このアームを作業機械の一部に揺動可能に連結する揺動連結部Fとを有する。レバー保持部とアームとの間に、第一回転アクチュエーターの第一回転軸10b及び本体10a、並びに、第二回転アクチュエーターの第二回転軸20b及び本体20aがアームとレバー保持部とを相対的に駆動回転可能に中間接合部21を介して連結される。第一、第二回転アクチュエーターの回転軸心10c、20cが交差する向きX,Yに配置されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも互いに交差する一対の操作方向に対し揺動操作可能な操作レバーを有し、同レバーの操作機構を有する作業機械用操作装置であって、
同レバーを保持するレバー保持部と、駆動回転制御可能な第一、第二回転アクチュエーターと、アームと、このアームを作業機械の一部に揺動可能に連結する揺動連結部とを備え、前記レバー保持部と前記アームとの間に、前記第一回転アクチュエーターの第一回転軸及び本体、並びに、前記第二回転アクチュエーターの第二回転軸及び本体が前記アームと前記レバー保持部とを相対的に駆動回転可能に中間接合部を介して連結され、前記第一、第二回転アクチュエーターの回転軸心が交差する向きに配置されている作業機械用操作装置。
【請求項2】
前記揺動連結部は、前記作業機械の一部への支持部と前記アームとの間にこのアームの前記レバー保持部側を上下及び水平に揺動させるヒンジを備えている請求項1記載の作業機械用操作装置。
【請求項3】
前記アームが前記揺動連結部と前記第二回転アクチュエーターへの取付部との距離を伸縮可能且つ前記アームの長手方向軸周りで相対回転を規制するスライド手段を備えている請求項1記載の作業機械用操作装置。
【請求項4】
前記アームに前記第二回転アクチュエーターの本体を取り付け、同第二回転アクチュエーターの回転軸に前記第一回転アクチュエーターの本体部が前記中間接合部を介して取り付けられている請求項1記載の作業機械用操作装置。
【請求項5】
前記第一回転アクチュエーターの回転軸と前記レバー保持部との間にレバー保持部を左右に揺動させる保持部取付体を設けてある請求項4記載の作業機械用操作装置。
【請求項6】
前記揺動連結部及び前記アームが前記作業機械の一部である運転席のアームレストの運転者着座外側に配置され、前記第一回転アクチュエーターが前記第二回転アクチュエーターの前記運転者着座側に配置されている請求項5記載の作業機械用操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械用操作装置に関する。さらに詳しくは、少なくとも互いに交差する一対の操作方向に対し揺動操作可能な操作レバーを有し、同レバーの操作機構を有する作業機械用操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上述のような作業機械用操作装置としては、例えば、以下の先行文献1、2の如きものが知られている。同先行文献1の特許請求の範囲の請求項1によれば、この遠隔制御システムは、
1)前記第1、第2の操作レバーを揺動可能に支持する箇所と前記運転席と前記肘掛け部とを一体的に結合し、
2)前記運転席に取り付けられ、かつ、
3)取り付けられた状態で作業者が前記運転席に着座可能な
4)フレームと、
5)前記フレームに一体的に取り付けられ
6)前記第1、第2の操作レバーを操作する
7)第1、第2のアクチュエータを含む第1、第2のアクチュエータと
を備えている。
【0003】
すなわち、同先行文献1の段落番号0018及び
図2,3の構造によれば、第1、第2のアクチュエータにおける回転式のモーター3604,3804及び直動式の電気シリンダー3602,3802等を介して第1、第2の操作レバーを揺動させる。「上記7)の第1、第2のアクチュエータ」のうち特に回転式のモーター3604,3804は、操作モーメントに耐えるために、固定部に対して揺動してはならない。「上記5)前記フレームに一体的に取り付けられ」ることとなる。この一体的に取り付けは、「上記1)第1、第2の操作レバーを揺動可能に支持する箇所」との相対変異があっては意味がないので、「上記4)フレーム」は、「上記1)前記第1、第2の操作レバーを揺動可能に支持する箇所と前記運転席と前記肘掛け部とを一体的に結合」して、さらに、「上記2)前記運転席に取り付けられ」ることになる。すなわち、先行技術1の構成によれば、アクチュエーターの支持構造は、運転席とひじ掛けを一体化させるフレームにアクチュエーターの本体(3604,3804)が揺動等しないように固定された大がかりなものとなる。
【0004】
なお、先行文献2は、回転アクチュエーターが用いられているが、アクチュエーターの支持構造については、具体的な記載がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-12951号公報
【特許文献2】特開2000-38744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明の目的は、より簡素なアクチュエーターの支持構造により、装置全体を簡素でコンパクト化させることの可能な作業機械用操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る作業機械用操作装置の特徴は、少なくとも互いに交差する一対の操作方向に対し揺動操作可能な操作レバーを有し、同レバーの操作機構を有する構成において、同レバーを保持するレバー保持部と、駆動回転制御可能な第一、第二回転アクチュエーターと、アームと、このアームを作業機械の一部に揺動可能に連結する揺動連結部とを備え、前記レバー保持部と前記アームとの間に、前記第一回転アクチュエーターの第一回転軸及び本体、並びに、前記第二回転アクチュエーターの第二回転軸及び本体が前記アームと前記レバー保持部とを相対的に駆動回転可能に中間接合部を介して連結され、前記第一、第二回転アクチュエーターの回転軸心が交差する向きに配置されていることにある。
【0008】
同構成によれば、第一、第二回転アクチュエーターの回転軸の回転により、レバー保持部を介して操作レバーを揺動させるためのひねりの回転力が発生する。アーム先端の揺動連結部には小さな反力でもアームの長さが倍力装置として作用し、小さな支持力で操作レバーを揺動させることができる。この揺動連結部はモーメントに耐える必要がない。したがって、装置支持部の構造が大きな反力やモーメントに耐える必要がなく、簡素な構成とすることができる。
【0009】
上記特徴構成において、前記揺動連結部は、前記作業機械の一部への支持部と前記アームとの間にこのアームの前記レバー保持部側を上下及び水平に揺動させるヒンジを備えてもよい。同構成によれば、前記レバーのひねりにより、アームに傾きを生じるが、その傾きをヒンジにより吸収させることができる。しかも、アームの先端部にヒンジが備わっているので、揺動連結部を本体の一部に固定する際にも、モーメントに耐久する必要がなくて構成が簡素となる。
【0010】
また、上記特徴構成において、前記アームが前記揺動連結部と前記第二回転アクチュエーターへの取付部との距離を伸縮可能且つ前記アームの長手方向軸周りで相対回転を規制するスライド手段を備えてもよい。同構成によれば、上記ひねり操作により、レバー保持部は前後左右に移動するが、その移動に前記第一、第二回転アクチュエーターをスライドさせて追随させることができる。しかも、上記の如く相対回転を規制するため、第一、第二回転アクチュエーターによるひねり操作に支障を来すこともない。
【0011】
さらに、上記特徴構成において、前記アームに前記第二回転アクチュエーターの本体を取り付け、同第二回転アクチュエーターの回転軸に前記第一回転アクチュエーターの本体部が前記中間接合部を介して取り付けられてもよい。同構成によれば、第一、第二回転アクチュエーターの連結が直接的であるため、全体としてコンパクトで回転力の伝達も効率的となる。
【0012】
この構成において、前記第一回転アクチュエーターの回転軸と前記レバー保持部との間にレバー保持部を左右に揺動させる保持部取付体を設けてもよい。保持部取付体によりレバー保持部と前記第一、第二回転アクチュエーターの回転軸と距離を離隔させて、揺動ストロークを確保し、操作レバーの揺動を容易としている。
【0013】
加えて、前記揺動連結部及び前記アームが前記作業機械の一部である運転席のアームレストの運転者着座外側に配置され、前記第一回転アクチュエーターが前記第二回転アクチュエーターの前記運転者着座側に配置されてもよい。同構成によれば、アームレストの外側から、アームレストと操作レバーとの間に装置全体が収まり、シートに着座する操作者の操作を妨げない。
【発明の効果】
【0014】
上記本発明に係る作業機械用操作装置の特徴によれば、より簡素なアクチュエーターの支持構造により、装置全体を簡素でコンパクト化させることの可能な作業機械用操作装置を提供し得るに至った。
【0015】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第一実施形態に係る作業機械用操作装置を取り付ける運転シートの斜視図である。
【
図2】右作業機械用操作装置の取り付け状態を示す斜視図である。
【
図3】右作業機械用操作装置の取り付け状態を示す平面図である。
【
図10】右作業機械用操作装置のクランプの写真である。
【
図11】右作業機械用操作装置を取り付けるレバーの概略構造を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のD-D断面図である。
【
図12】右側の作業機械用操作装置の取り付け状態を示す写真であり、(a)~(d)は左作業機械用操作装置の基本実施形態、(e)~(g)は右作業機械用操作装置の別の実施形態である。
【
図13】右側の作業機械用操作装置の
図4相当構成を示し、(a)は第一実施形態、(b)~(d)はさらに別の実施形態である。
【
図14】右側の作業機械用操作装置の
図4相当構成を示し、(a)は第一実施形態、(b)はさらに別の実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
【0018】
図1は作業機械用操作装置を取り付けた状態の運転席の斜視図である。ここで、作業機械とは、例えば、バックホウ等、少なくとも2方向に操作可能なレバーを有する作業機械が含まれる。運転席300は、作業機械の本体固定部310として、座席311を備え、この座席311は、座面312,背面313及び左右一対のアームレスト314を有する。また、座席311の前方には図示省略する左右一対のペダルが存在している。左右一対のアームレスト314前には、左右一対の操作レバー320(右操作レバー320R,左操作レバー320L)をそれぞれ備える。
【0019】
各操作レバー320は、
図11に示すように、操作レバー320の直立方向をZ軸方向とすれば、これに交差(略直交)する略水平方向の作業機械用操作装置,Y軸方向に操作可能である。各操作レバー320は、4つの弁333a~dを操作する弁機構330に接続されている。この弁機構330は、本体固定部310に対してユニバーサルジョイント332で接続されると共にその上部に操作レバー320を突き出す円盤部331を有する。4つの弁333a~dはシリンダー式の切替弁で、そのシリンダーロッドを付勢状態で上方に突き出して、円盤部331の下面に接当させている。この構造により、各操作レバー320は、作業機械用操作装置軸及びY軸のプラス、マイナス方向にそれぞれ揺動操作可能であり、4つの弁333a~dの切替により、作業機械が操作される。
【0020】
本発明は、この作業機械の操作を各操作レバー320に取り付けた作業機械用操作装置100(右作業機械用操作装置100R,左作業機械用操作装置100L)により、各操作レバー320を無線装置等により遠隔操作することで、作業機械の遠隔運転を行うものである。
【0021】
図2以降では、左右の作業機械用操作装置100R,100Lがそれぞれ図によって異なるため、説明の便宜のために、図と左右の割り当てを表記する。右作業機械用操作装置100Rは、
図2~4,11、12(e)~(g)が該当し、左作業機械用操作装置100Lは、
図5~10,12(a)~(d)が該当する。
【0022】
図1~11に示すように、各作業機械用操作装置100は、操作レバー320とアームレスト314との間に設置され、順次、レバー保持部40、第一回転アクチュエーター10、第二回転アクチュエーター20、アーム30、ヒンジ部50、支持部60が直列されて構成され、ヒンジ部50が支点部Fを構成する。
【0023】
第一回転アクチュエーター10は、本体10aから突出する第一回転軸10bの第一回転軸心10cを略作業機械用操作装置軸方向に配向し、操作レバー320をY軸方向に揺動させるものである。また、第二回転アクチュエーター20は、本体20aから突出する第二回転軸20bの第二回転軸心20cを略Y軸方向に配向し,操作レバー320を作業機械用操作装置軸方向に揺動させるものである。第一回転アクチュエーター10、第二回転アクチュエーター20は、いずれも駆動部としてギヤードモーターを有し、回転角度を認識するロータリーエンコーダーを備えている。両社の連携と、図示しない無線遠隔装置により、中立位置と、作業機械用操作装置軸及びY軸に対するプラスマイナス位置に操作レバー320を揺動操作可能となっている。
【0024】
アーム30は、上アーム31、下アーム32及びこれら両アーム31,32の全長を伸縮可能に連結するスライドレール33(上レール33a、下レール33b)を備えている。上アーム31はアーム固定部22を介して、ビスにより相対固定位置が上アーム31の長手方向に変更可能な状態で第二回転アクチュエーター20に固定される。操作レバー320の揺動に伴うレバー保持部40の作業機械用操作装置Y座標変更に伴うレバー保持部40と支点部Fとの距離変更にスライドレール33で追随する。
【0025】
レバー保持部40は、操作レバー320を遊びなく保持することにより、操作レバー320の操作を確実に行えるように構成されている。詳述すると、
図10の如く、ベース41に長孔41aを備え、可動ループ42は元孔42aに挿入される軸44を先の長孔41aに移動可能に挿入し、軸ねじ44aの調整で、固定ループ43との間隔を調整する。止め具45は、本体45aに輪45bを固定し、可動ループ42の先孔42bにピン45cを挿入支持している。そして、固定ループ43のフック43aに輪45bを係止し、本体45aを可動ループ42側に倒して輪45bにテンションを作用させて、操作レバー320とベース41との位置変動を規制している。
【0026】
図2~4,8~10に示すように、第一回転アクチュエーター10の第一回転軸10bには、円盤状で周部に複数の雌ねじが形成されたブラケット10dがボス嵌合されて固定してあり、第一回転軸10bの駆動力と回転位置をブラケット10dに確実に伝達する。直方体状の保持部取付体11の下部には、回転規制孔11aを設けてあり、
図12に示すような取付ねじを挿通させてブラケット10dの雌ねじに螺合させることで、第一回転軸10bの回転をレバー保持部40に伝達する。上部には上下調節孔11bが複数形成され、上下調節孔11bを選択して2個の固定ネジ11cを挿通させてベース41に螺合させることで、レバーの操作位置を調整しつつこれらを相対固定している。
【0027】
第二回転アクチュエーター20の第二回転軸20bにも,先のブラケット10dと同様のブラケット20dがボス嵌合されて固定してあり、これを中間接合部21で、第一回転アクチュエーター10の本体10aに固定してある。
【0028】
支点部Fを構成するヒンジ部50は、支持部60の支点金具61に対し、中継体51を上ピン53Z軸周りで相対回転を許容し、下アーム32と相対固定される下支点金具52と中継体51とを下ピン54でY軸周りで相対回転を許容している。
【0029】
支持部60は、先の支点金具61をLアングル状の取付金具62に取付、さらにこれをアームレスト314に2本の取付ベルト63で取り付けている。これらの取付は取付ベルトに限らず、ネジやバックルでアームレストを挟み込むように取り付けることも可能であり、その手段は問わない。
【0030】
使用に際しては、右作業機械用操作装置100Rの場合、
図1に示すように、揺動連結部Fがアームレスト314の外側に位置するように、取付金具62をアームレスト314に取付ベルト63で取り付ける。また、
図10のレバー保持部40の止め具45を解放して操作レバー320を可動ループ42と固定ループ43との間に配置する。軸ねじ44aにより軸44の長孔41a内の位置を調整し、両ループ42,43内と操作レバー320間に遊びが生じないようにする。この状態でフック43aに輪45bを係止して、止め具45を閉じる。
【0031】
リセット作業においては、操作レバーを中立位置とし、第一、第二回転アクチュエーター10,20のロータリーエンコーダーの中立位置を特定する。その後、各方向にレバーを倒し、同じくロータリーエンコーダーの各位置を特定する。そして、遠隔無線装置により、ロータリーエンコーダの回転角度を所望の角度になるように第一、第二回転アクチュエーター10,20を動作させることで、遠隔操作が可能となる。
【0032】
マニュアル操作にあたっては、第一、第二回転アクチュエーター10,20の駆動を停止すると、これらの回転軸は自由回転が可能である。しかも、同図の配置によれば、座席311に運転者が着座しても、作業機械用操作装置100は、手による操作レバー320の妨げとならない配置である。
【0033】
本発明に係る作業機械用操作装置は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の改変が可能である。以下に、本発明の他の実施形態を記載するが、上記実施形態と同様の部材には同じ符号を附してある。
【0034】
上記第一の実施形態では、レバー保持部40を
図10の如き止め具45を用いた構成とした。しかし、このレバー保持部は、
図12(e)~(g)の如く基端部を枢止した一対のクランプを近接ねじで近接させて、固定するように構成してもよい。
【0035】
上記第一の実施形態では、揺動連結部Fをレバー保持部40の後方に配置した。しかし、この揺動連結部は、
図1,4の符号F2,F3に示すように、レバー保持部40の側方または前方に配置しても構わず、右、左作業機械用操作装置100R,100Lによって、作業者の乗降を妨げないように異ならせて配置してもよい。
【0036】
上記第一実施形態では、
図13(a)の如くレバー保持部を第一回転軸10b側に連結し、第一回転アクチュエーター10の本体10aに第二回転軸20bを連結した。しかし、
図13(b)の如くレバー保持部を第一回転アクチュエーター10の本体10a側に連結し、第一回転軸10bを第二回転アクチュエーター20の本体20aに連結しても構わない。その他、
図13(c)(d)の如き構成も可能であるが、操作レバーの操作側を軽量にして慣性力を低減させるには、第一実施形態が優れている。
【0037】
上記第一実施形態では、
図14(a)の如く第一回転軸心10cをX軸に沿わせて配向し、第二回転軸心20cをY軸に沿わせて配向した。しかし、
上記第一実施形態では、
図14(b)の如く第一回転軸心10cをY軸に沿わせて配向し、第二回転軸心20cをX軸に沿わせて配向しても構わない。
【0038】
但し、運転者の着座の妨げとならない設置スペースのコンパクト化、力の伝達については、上記第一実施形態が優れている。本発明の上記各実施形態は相互に組み合わせて実施することが可能であり、これらの組み合わせは本発明の範囲に含まれるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、少なくとも互いに交差する一対の操作方向に対し揺動操作可能な操作レバーを有し、同レバーの操作機構を有する作業機械用操作装置として利用することができ、特に遠隔運転操作と、マニュアル操作の双方に同時適用が可能である。ここで、作業機械とは、例えば、バックホウのほか、ブルドーザー、キャリアダンプ、クレーン、解体機、削孔機等のレバー操作機械であってもよい。
【符号の説明】
【0040】
10:第一回転アクチュエーター、10a:本体、10b:第一回転軸、10c:第一回転軸心、10d:ブラケット、11:保持部取付体、11a:回転規制孔、11b:上下調節孔、11c:固定ネジ、20:第二回転アクチュエーター、20a:本体、20b:第二回転軸、20c:第二回転軸心、20d:ブラケット、21:中間接合部、22:アーム固定部、30:アーム、31:上アーム、32:下アーム、33:スライドレール(上レール33a、下レール33b)、40:レバー保持部、41:ベース、41a:長孔、42:可動ループ、42a:元孔、42b:先孔、43:固定ループ、43a:フック、44:軸、44a:軸ねじ、45:止め具、45a:本体、45b:輪、45c:ピン、50:ヒンジ部、51:中継体、52:下支点金具、53:上ピン、54:下ピン、60:支持部、61:支点金具、62:取付金具、63:取付ベルト、100(100R,100L):作業機械用操作装置、300:運転席、310:本体固定部、311:座席、312:座面、313:背面、314:アームレスト、320(320R,320L):操作レバー、330:弁機構、331:円盤部、332:ユニバーサルジョイント、333a~d:弁、F:揺動連結部、X,Y:操作方向