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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173535
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】車両の車体
(51)【国際特許分類】
   B62D 29/04 20060101AFI20241205BHJP
   C08J 5/04 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B62D29/04 Z
C08J5/04 CEZ
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023098816
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】511299953
【氏名又は名称】グラストップ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】509284820
【氏名又は名称】天満 基博
(71)【出願人】
【識別番号】522500549
【氏名又は名称】松吉 恭裕
(72)【発明者】
【氏名】天満 基博
(72)【発明者】
【氏名】松吉 恭裕
【テーマコード(参考)】
3D203
4F072
【Fターム(参考)】
3D203AA16
3D203AA31
3D203AA33
3D203AA34
3D203BA17
3D203BB05
3D203BC29
3D203CA08
4F072AA07
4F072AB06
4F072AB10
4F072AD13
4F072AH03
4F072AH23
4F072AJ04
4F072AK14
4F072AL02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】リサイクル炭素繊維の有効利用と金属代替材により生産コスト及び二酸化炭素排出量を削減するためのものであり、材料強度と軽量化を実現する車両の荷台などの車体を提供する。
【解決手段】熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂と、10mm~15mmの範囲の繊維長さである一種類もしくは二種類以上の炭素繊維と、バインダであるアラミド繊維とを含む抄造体を素形材にして形成されている炭素繊維強化プラスチック板からなる車両の車体である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂と、10mm~15mmの範囲の繊維長さである一種類もしくは二種類以上の炭素繊維と、バインダであるアラミド繊維とを含む抄造体を素形材にして形成されている炭素繊維強化プラスチック板からなる車両の車体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄やステンレスと同等の曲げ強度が期待でき、鉄の五分の一、アルミニウムの二分の一の軽さを実現する防錆の炭素繊維強化プラスチック(以下、「CFRP」と称する。)製の車両の車体に関するものであり、さらに詳しくはダンプカーの荷台側板や底板、さらには自動車などのバッテリーを支える台やシャーシーなどにも利用できるものである。
これらの部位には強度の必要性から鋼材であるが、本発明は材料が鋼材と同等の強度を実現したCFRP製から成るものである。
【背景技術】
【背景技術】
【0002】
軽量で防錆の構造用鋼材の提供が可能となり、リサイクル炭素繊維の利用により社会ニーズに応えることができるものである。実測値として、リサイクルカーボンの炭素繊維と熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂と、SUS304の比較では曲げ強さは、本発明の646MPaに対し、金属の曲げ強さに相当すると考えられている抗折力がSUS304の場合は520MPaで、引張強度は、本発明の304MPaに対して520MPaであった。引張強度はやや劣るもののアルミニュウムの70~130MPaなどを考えると同等以上の強度が確認できた。
【0003】
従来のダンプカーの荷台は強度が必要なことから鋼材が利用されているが、錆による劣化や重量物であることから燃費が悪く経済損失や環境にも悪影響があった。
一方では、炭素繊維の廃材は国内航空機メーカー1社で70t/年排出され、この利用方法の開発が喫緊の課題と成っている。
しかし、上記の課題解決は未だなされていない。
【0004】
車両の車体の軽量化は喫緊の課題であるが解決策が見出せていないのが現状である。これを解決するためにアルミニウム製の荷台を持つダンプカーの荷台の底面が、土砂等により傷つくのを防止し、土砂等の荷下ろし時に土砂等が荷台に残らないようにすることやアルミニウム製の荷台を有するダンプカーの荷台の底面のほぼ全面に合成樹脂板を敷設することによって軽量化の発明として特許公開2003-112666号発明(特許文献1)がある。これによると、ダンプカーの荷台はスチール製であり、空車時の重量が約10500Kgもあり、このような重い車両が走行することによる排気ガス汚染や、タイヤの摩耗による公害、道路の傷み等が社会問題となっていた。そこで、車体の重量を軽くして、1回の積載量を増やすことにより、走行回数を減らし、また、空車時の車両に軽量化による燃費の向上によって大気汚染の防止を図るべく、荷台をアルミニウム製としたダンプカーが開発されている。かかるアルミニウム製ダンプカーの車体重量は約8500Kgであり、従来のスチール製のものよりも約2000Kg軽いため、空車走行時の燃費は約20%向上していることが報告されている。しかしながら、荷台をアルミニウム製にすると、軽くなる反面、スチールと比較して金属が柔らかいために、土砂等の積込み時に荷台の表面が傷つき、その傷に土砂が入り込む結果、土砂等の荷下ろし時の土砂等と荷台底面との摩擦が大きくなり、土砂等の一部が荷台に残ったままになってしまうという欠点がある。
そのため、引用例1の発明は上述のような事情によりなされたものであり、その目的は、アルミニウム製の荷台を持つダンプカーの荷台の底面が、土砂等により傷つくのを防止し、土砂等の荷下ろし時に土砂等が荷台に残らないようにアルミニウム製の荷台を有するダンプカーの荷台の底面のほぼ全面に合成樹脂板を敷設することしたダンプカーを提供することにあるとのことである。
これにより、従来欠点の多くを解決することができているが、合成樹脂板は柔らかいため、寿命が短くさらなる改良が必要であった。
炭素繊維を利用して上記金属を使わず樹脂化による軽量化の課題は、その解決策として発明された実用新案登録第第3225768号考案(特許文献2)があるが、この考案は上記問題を解決するものとして有用なものである。その概要は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂から成るものであり、極めて有用なるものであるが、成形上ペレット状にする必要があり、熱可塑性樹脂を使用せざるを得ないこととなる。この結果強度不足となり、利用できないこととなる。
また、ガラス繊維に熱硬化性樹脂によるものが特許番号第2907679号(特許文献3)として提案されている。またこの提案の従来例としてガラス繊維エポキシ布地で工具表面を覆う方法も開示されているが、金属製の類似品の持つトルクの40%以下の強度しかないため利用が特定されてしまうとのことである。
【0005】
バルク状の一例で、登山用カラビナとして図3に示す落下器1、カラビナ2、止具3、ロックピン4と固定バネ5からなる公開実用新案公報昭和60-15355号公報(特許文献4)であり、炭素繊維とエポキシ系熱硬化性樹脂をペレット状にしてマッチドダイ成型かトランスファー成型を行うことが開示されているが、熱硬化性樹脂の成型温度や曲げ強度が示されておらず安全のためのカラビナとしての解決策が示されているとは言えない。
【0006】
また、炭素繊維と樹脂を利用し、湿式抄紙法(本発明の抄造法に該当)としての発明で特許出願公開番号2021-55717号公報(特許文献5)があるが、使用する炭素繊維の長さが湿式抄紙法で使用前の炭素繊維の長さが1mm~50mmで、抄紙の際には短繊維である1mm~3mmと記載されており、耐摩耗性を実現するものであり、本発明の抄造法を利用しての繊維長が10mm~15mmで実現した曲げ強度は期待できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3225768号公報
【特許文献2】実用新案登録第3225768号公報
【特許文献3】特許番号第2907679号公報
【特許文献4】公開実用新案公報昭和60-15355号公報
【特許文献5】公開特許公報2021-55717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記に鑑み発明された炭素繊維強化プラスチック製のCFRP板で車両の車体に使用するものであり、成形型により強度と軽さ及び防錆を必要とする車両の車体としての圧縮強度は従来の鋼材と同等の強度となるため、代替え商品の提供が可能となるものである。その成分割合が40~60w%の炭素繊維と60~40w%の熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂から成り、定着材としてアラミド繊維を全体の中での濃度が5から8w%になるようにしたことを特徴とする炭素繊維強化プラスチック製の車両の車体の荷台の側板や底板、さらには電気自動車のモーターを支えるシャーシー(以下単に車両の車体と称する)に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の形鋼は、防錆で軽量かつ曲げ強度や圧縮強度が鋼材並みの強度を有する炭素繊維強化プラスチックによる軽量化と、抄造法による強度の向上を達成するものである。
【0010】
本発明の車両の車体は、図1に示す平板であり、その大きさや厚さは任意に設定でき、成型するための金型と成型するプレス機により任意に製造可能である。図2に示すものは大型のプレス機を使用しない場合の接合部の構造を示す部分斜視図であり、単位プレートごとに本発明により成型した接続用H鋼形状でつないでいくものである。接合部の固定は、接
図3図4は、電気自動車のモーターや電池の支え材を示すものであり、H鋼形状として強度を確保しつつ軽量化を実現するものであり、上記短尺と長尺を交互に背面同士を接
これらは図5に示すように従来公知の一般的な抄造法で製造されるものであり、その工程はフロー図の通り出る。
【0011】
本発明の車両用車体は、抄造法を利用するものであるが、この方法は一般的に知られた方法であり、その目的は繊維への樹脂の定着を効率的に行うことができるようにしたものである。
【0012】
本発明の車両の車体の抄造法による10mm厚の実施は、炭素繊維45w%と熱硬化性のフェノール樹脂50w%と、定着材5w%を混錬し抄造法により成形するものであり、10mm厚の車両の車体は、プレス前のその厚さは素形材として100mmである。該素形体をその後乾燥し、140℃で熱プレスにより成形し10mm厚の板材として成形するものである。形状については金型形状で行えるものである。
【0013】
上記実施に際して、一例として繊維長を10mmにした場合の曲げ強度は、サンプル数40個の平均値は545MPaであった。このことは好適に行えていてSUS304の520MPaに相当することがわかる。
【0014】
上記実施例では、10mm厚の成形を例示したが必要とする車両の部位である車体部分の大きさにより、また使用用途により10mm~20mm厚のものとする場合は、素形材を100mm~200mm程度に成形し、上記同様にプレス成型後、10mm~20mm厚に成形するものである。
【0015】
本発明の炭素繊維強化プラスチック板は、熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂と、10mm~15mmの範囲の繊維長さである一種類もしくは二種類以上の炭素繊維と、バインダであるアラミド繊維と、を含む抄造体を素形材として形成されている。
【0016】
本発明の炭素繊維強化プラスチック板の炭素繊維は、10mmの繊維長さ、及び15mmの繊維長さの二種類の長繊維を材料全体の45%中で各50%と50%同時配合で強度が鉄並みである約650MPaの曲げ強度であることが確認できた。
【0017】
本発明の炭素繊維強化プラスチック板である形鋼の製造方法は、熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂、10mm~15mmの範囲の繊維長さである一種類もしくは二種類以上の炭素繊維、及びアラミド繊維のそれぞれを材料とし、これら材料の割合をフェノール樹脂50wt%、炭素繊維45wt%、及びアラミド繊維5wt%にして容器内の水に分散混合し、抄造枠内で抄造し、前記抄造枠内の抄造された混合液を枠内脱水し、脱水後の残渣を乾燥して素形材を形成した後、前記素形材をトムソン刃で打ち抜き、打ち抜いた前記素形材を乾燥させてプレス機により加熱成形する。
【0018】
本発明の炭素繊維強化プラスチック板の製造方法における炭素繊維は、1 0mmの繊維長さである炭素繊維22.5wt%、及び15mmの繊維長さである炭素繊維22.5wt%であり得る。
【0019】
抄造法によるリサイクル炭素繊維を利用しての金属並みの強度を有するCFRP板は無かった。本発明のCFRP板の曲げ強度は、500MPa以上である。このことから鉄やSUS並みの強度が実現できたことで、防錆軽量の車両部材である荷台などの車体としての利用が可能となった。
【0020】
本発明における炭素繊維は、軽量且つ強度が求められる航空機や電気自動車に利用されているものである。この炭素繊維は、糸状であり、これを巻きつけて製品化のためのエポキシ樹脂を含浸させる前のカーボンロービング繊維であるとよい。この炭素繊維は、正規品を製造する過程で発生し、重量不足などによる最終段階であるロービング前の炭素繊維や端材である。炭素繊維は、廃棄処理された炭素繊維を燃焼法や溶解法で樹脂を除去して回収されたリサイクル炭素繊維であってもよい。
【0021】
10mmの繊維長さ及び15mm繊維長さの異なる二種類の炭素繊維を利用すると、金属並みの強度を有するCFRP板が実現できた。このCFRP板は、曲げ強度500MPa以上である。この炭素繊維強化プラスチック板の強度確認のための一例として、7mm厚であり17mm口径のスパナを製造した。このスパナは、55Nmのトルクを実現し、一般的なボルト締め付けトルクの倍以上を達成した。参考として、一般的なボルト締付けトルクは24.5Nmである。材料全体の45wt%を炭素繊維とし、残りの50wt%をフェノール樹脂、5wt%をバインダとしてのアラミド繊維(商品名東レ製トワロン(登録商標))とした。炭素繊維は、10mmの繊維長さの炭素繊維を22.5wt%、15mmの繊維長さの炭素繊維22.5wt%にした。これら材料を利用して製造したCFRP板は、曲げ強度が約550MPa~約650MPaである。
【0022】
一方、上記の記載と熱可塑性樹脂で射出成形品等に利用する炭素繊維材は、リサイクル炭素繊維の繊維長さが、6mm~9mmである場合の強度が、最も良いといわれている。この炭素繊維材は、リサイクル炭素繊維の繊維長さが6mmよりも短いと強度が出ない。また、リサイクル炭素繊維の繊維長さが6mm~9mmだと、製品に炭素繊維が一部棘のような形で出るため使用できない。この炭素繊維材は、曲げ強度が450MPa~480MPa程度であり、CFRP板の形鋼としては強度不足のため利用できない。
【0023】
このことから500MPa以上の曲げ強度を実現するため、発明者等は、熱硬化性樹脂と炭素繊維の混合物を材料にして抄造法により製造するCFRP板における最適な炭素繊維の長さを解明することができた。
【発明の効果】
【0024】
鉄とほぼ同等の曲げ強度を有し、比重で換算するとCFRP板の比重は1.5であり、鉄の非常の7.9と比較して5分の1の重さの車両の車体の提供が可能となり、防爆や、軽量により作業の安全性確保など有益なものである。
実測値として、リサイクルカーボンとフェノール樹脂及びアラミド繊維から成る本発明のCFRP板は、600MPa~650MPaの曲げ強度であり、S55C鉄の曲げ強度換算値650MPa、SUS304の520MPaと比較してもほぼ同等といえる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】 本発明の炭素繊維強化プラスチック板の単位長の車両の車体の平板斜視図である。
図2】 本発明の炭素繊維強化プラスチック板の単位長のH鋼型接続部により連結した部分を示す斜視図である。
図3】 本発明の支え部材を示すH鋼型の斜視図である。
図4】 本発明の上記単位長の短尺と長尺を交互に組み合わせして長尺H鋼型の支え部材を示す斜視図である。
図5】 本発明を実施するための従来公知の一般的な抄造法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施例を説明すると、15mm長にカットされた炭素繊維とフェノール樹脂とを45%対50%の重量%で、5重量%で定着材の割合で大量の水の中で混錬した後、脱水して素形材を成型する。その後、乾燥させるため80℃で3時間乾燥させた後、加圧加熱成形するものである。上記乾燥は水分量が10%程度で、加熱温度は140℃で、5mm厚の成形品を得るため150トンプレスで5分間プレスして成形するものである。
【0027】
実施例1のCFRP板は、図1に示すように、5mm厚で、縦横の寸法が180mmと60mmの厚板である。CFRP板の形状は、金型の形状を変更して図2スパナやラチェトレンチなどの工具等にすることができる。また、金型とプレス機を変更することにより大きな工具も製造可能である。CFRP板の製造方法は、図3に示すように、抄造法を利用する。
【0028】
この製造方法は、1.粉砕工程、2.混合工程、3.抄造工程、4.脱水プレス工程、5.乾燥工程、6.打ち抜き工程、及び7.プレス成形工程を有している。粉砕工程は、炭素繊維を所定の繊維長さにカットする。混合工程は、水の入った容器内にこれら炭素繊維、フェノール樹脂、及びアラミド繊維を入れて分散混合する。抄造工程は、混合液を抄造枠内で抄造する。脱水プレス工程は、抄造枠内の抄造された混合液を脱水し、脱水プレスによる素形材を成形する。乾燥工程は、素形材を乾燥させる。打ち抜き工程は、乾燥後の素形材を所望形状、例えば板材や工具の形状のトムソン刃により打ち抜く。プレス成形工程は、打抜かれた素形材を水分調整し、プレス機によりプレスして成形を完了する。CFRP板の材料は、フェノール樹脂、炭素繊維、及びアラミド繊維である。
抄造工程における抄造方法は、一般的に知られた方法である。抄造工程の目的は繊維への樹脂の定着を効率的に行うことである。抄造方法の詳細は特開2001-123386号公報の通りである。
【0029】
利用する炭素繊維は、燃焼法により樹脂分を除去したリサイクル炭素繊維や、溶液法により樹脂分を除去したリサイクル炭素繊維を利用するものであるが、ロービング前であって、樹脂が含浸される前の炭素繊維作成時の不良品であるリサイクル炭素繊維の利用も可能である。
実施例1の車両車体の平板の実施例であるCFRP板の製造方法を詳しく説明する。1.粉砕工程において、リサイクル炭素繊維を10mmと15mmの繊維長さにカットする。2.混合工程において、容器内に5wt%のアラミド繊維と、熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂50wt%と、22.5wt%ずつの10mmの繊維長である炭素繊維と15mmの繊維長である炭素繊維の各材料を、容器内の大量の水に分散混合させる。3.抄造工程において、混合液を抄造枠内で抄造する。4.脱水プレス工程において、抄造枠内の抄造された混合液を脱水して素形材を成形する。5.乾燥工程において、素形材を80℃で3時間乾燥させる。6.打ち抜き工程において、板材の形状のトムソン刃により撃ち抜く。7.プレス成形工程において、加圧加熱成形する。乾燥は、素形材の水分量を10%程度にする。加熱6温度は140℃であり、5mm厚の成形品を得るため150トンプレスで5分間プレスして成形する。
【0030】
上記実施例において、車両の車体の一部に利用する平板の実施例を示したが、大きさによりプレス圧や時間は調整するものである。
【0031】
図1は本発明の車両の車体に利用する平板を示す斜視図であり、図2は車両の荷台の側壁を形成する場合の荷台側壁の長さに応じて平板を複数枚使用するが、その平板と平板の間をH鋼型に同様に成形したもので接合する場合を示す斜視図である。図3図4は、モーターや電池などの重量物を支える支え部材の一例であり、図4の長尺の形鋼部のように連続形成して長尺とすることもできる。その構造は図の通りであり、その裏面に上部からの形状がH型となるように上下が千鳥型に下方を長尺にその情報を短尺にH鋼が背中合わせとなる様に配置し、接着剤もしくはレーザーなどによる加工性もあるためボルト孔の開設によるボルト止めを行うものである。
【0032】
本発明は、図5に示す抄造法と熱可塑性樹脂のフェノール樹脂により、炭素繊維強化プラスチック板材料から平板や型鋼の軽量化と防錆機能の実現を達成できた極めて有益なるものであるばかりでなくリサイクルカーボンを利用できるため、鉄製やステンレス製などの場合の千数百度の温度の溶融作業がないため二酸化炭素削減に大きく貢献できる。
【0033】
さらに本発明は、鉄の五分の一、アルミニウムの役二分の一の比重であるため軽量であるばかりでなく、防錆であるため長期にわたる使用が可能であり、燃費効率が大きく改善することが期待できる。
【0034】
また荷台製造に際しても、その作業において、搬入にクレーンを利用するなどの工事が必要でなく、安全かつ軽量作業が実現できる。また、その重量から腰を痛めることもあったが、軽量のため緩和が期待でき落下による重大災害の心配も軽減できる。またさらに極めて高い軽量化が実現できたため壁など他のものへの衝突による損傷も軽減できる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は金属に代わる新素材としての環境を重視した対策として、また軽量かつ防錆による長期の使用が可能となり、交換工事やメンテナンスの削減による安全性確保に極めて有益で、極めて優れたものである。
図1
図2
図3
図4
図5