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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173536
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20241205BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20241205BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241205BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G03B21/14 Z
G03B21/00 D
G09F9/00 312
H04N5/64 501D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023098817
(22)【出願日】2023-05-30
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
(71)【出願人】
【識別番号】502128213
【氏名又は名称】松崎 敦志
(72)【発明者】
【氏名】松崎 敦志
【テーマコード(参考)】
2K203
5G435
【Fターム(参考)】
2K203FA62
2K203FB02
2K203GC22
2K203GC26
2K203GC39
2K203KA42
2K203KA45
2K203KA58
5G435BB17
5G435DD06
5G435EE16
5G435EE18
5G435EE49
5G435GG46
5G435LL15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】表示機器を視聴者の頭部軸からほぼ一定距離を保ち、つねに視聴者側に表示面を向けながら、軽微な力で回転させることが可能な小型軽量の表示装置を提供する。
【解決手段】6個のローラのうち、相反的に上下可能な第一ローラと第四ローラと、高さ固定の第二、第三、第五、第六ローラと、ローラの上に設置する球面を持つ構造体で構成し、第一ローラが上になったときに球面に接触する第一、第二、第三ローラは、構造体を第一の軸を中心に回転するように配置し、第四ローラが上になったときに球面に接触する第四、第五、第六ローラは、構造体を第二の軸を中心に回転するように配置し、第一、第二、第三ローラのいずれか一つのローラの回転軸が第一モータに結合され、第四、第五、第六ローラのいずれか一つのローラの回転軸が第二モータに結合され、構造体の重心が球面中心の近傍にあり、構造体がプロジェクタ、アーム、スクリーンおよび角度検出手段を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
摩擦面を持つ6個のローラのうち、相反的に上下可能な第一ローラと第四ローラと、高さ固定の第二、第三、第五、第六ローラと、ローラの上に設置する球面を持つ構造体で構成し、第一ローラが上になったときに球面に接触する第一、第二、第三ローラは、構造体を第一の軸を中心に回転するように配置し、第四ローラが上になったときに球面に接触する第四、第五、第六ローラは、構造体を第二の軸を中心に回転するように配置し、第一、第二、第三ローラのいずれか一つのローラの回転軸が第一モータに結合され、第四、第五、第六ローラのいずれか一つのローラの回転軸が第二モータに結合され、構造体の重心が球面中心の近傍にあり、構造体がプロジェクタ、アーム、スクリーンおよび角度検出手段を含む表示装置
【請求項2】
スクリーンとアームの接合点近傍にカメラを装着し、カメラで撮像した視聴者の画像を元に視聴者の顔向きを判断し、顔向きの正面もしくは、顔向きに対して視聴者が最も見やすいと設定した位置にスクリーンを移動させるようモータを制御する請求項1の表示装置
【請求項3】
カメラで撮像した顔画像から演算した現在の顔向きの角度と、現在の角度検出手段から得た角度から、顔向きの正面もしくは、顔向きに対して視聴者が最も見やすいと設定した位置にスクリーンを移動させるために必要な目標角度を演算し、角度検出手段の角度がその目標角度に到達するようモータの制御を行う請求項2の表示装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は仰臥もしくは横臥した時に、見やすい表示装置に関する技術分野である。
【背景技術】
【0002】
仰臥もしくは横臥したときに見やすい表示装置としては、表示機器を視聴者の頭部軸からほぼ一定距離を保ち、つねに視聴者側に表示面を向けながら、軽微な力で回転させることが可能で、視聴者の好みに応じて表示装置の位置を容易に変更することができる技術が開示されている。(特許文献1,2参照)
【特許文献1】特開2007-304530号広報
【特許文献2】特開2008-186005号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら従来から知られている技術には以下のような課題があった。
すなわち、特許文献1,2においては、プロジェクタ、アームおよびスクリーンを含む構造体の重力を一つの水平軸で支えており、スクリーンの大画面化、画像の高解像度化および高輝度化に伴うプロジェクタの大型化および重量増加に対応するためには、水平軸の支持構造が大型化するという問題があった。
【0004】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みてなされ、仰臥もしくは左右いずれの横臥状態でも、表示機器を視聴者の頭部軸からほぼ一定距離を保ちながら、つねに視聴者側に表示面を向けながら、軽微な力で回転させることが可能でかつ大画面及び軽量な表示装置を実現するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した従来技術の問題点を解決し、上述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載した発明の表示装置は、摩擦面を持つ6個のローラのうち、相反的に上下可能な第一ローラと第四ローラと、高さ固定の第二、第三、第五、第六ローラと、ローラの上に設置する球面を持つ構造体で構成し、第一ローラが上になったときに球面に接触する第一、第二、第三ローラは、構造体を第一の軸を中心に回転するように配置し、第四ローラが上になったときに球面に接触する第四、第五、第六ローラは、構造体を第二の軸を中心に回転するように配置し、第一、第二、第三ローラのいずれか一つのローラの回転軸が第一モータに結合され、第四、第五、第六ローラのいずれか一つのローラの回転軸が第二モータに結合され、構造体の重心が球面中心の近傍にあり、構造体がプロジェクタ、アーム、スクリーンおよび角度検出手段を含むことを特徴とする。
【0006】
また前述した従来技術の問題点を解決し、前述した目的を達成した上にさらに操作性を改良するために、本発明のうち請求項2に記載した発明の表示装置は、請求項1で述べた特徴に加え、スクリーンとアームの接合点近傍にカメラを装着し、カメラで撮像した視聴者の画像を元に視聴者の顔向きを判断し、顔向きの正面もしくは、顔向きに対して視聴者が最も見やすいと設定した位置にスクリーンを移動させるようモータを制御することを特徴とする。
【0007】
さらに、前述した従来技術の問題点を解決し、前述した目的を達成したうえで、操作性と操作速度を改善するために、本発明のうち請求項3に記載した発明の表示装置は、カメラで撮像した顔画像から演算した現在の顔向きの角度と、現在の角度検出手段から得た角度から、顔向きの正面もしくは、顔向きに対して視聴者が最も見やすいと設定した位置にスクリーンを移動させるために必要な目標角度を演算し、角度検出手段の角度がその目標角度に到達するようモータの制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
第1の請求項に記載した発明に拠れば、摩擦面を持つ6個のローラのうち、相反的に上下可能な第一ローラと第四ローラと、高さ固定の第二、第三、第五、第六ローラと、ローラの上に設置する球面を持つ構造体で構成し、第一ローラが上になったときに球面に接触する第一、第二、第三ローラは、構造体を第一の軸を中心に回転するように配置し、第四ローラが上になったときに球面に接触する第四、第五、第六ローラは、構造体を第二の軸を中心に回転するように配置し、第一、第二、第三ローラのいずれか一つのローラの回転軸が第一モータに結合され、第四、第五、第六ローラのいずれか一つのローラの回転軸が第二モータに結合され、構造体の重心が球面中心の近傍にあり、構造体がプロジェクタ、アーム、スクリーンおよび角度検出手段を含むことから、第一の軸をスクリーンの水平軸と並行でかつ球面の中心を通るように第一、第二および第三のローラを配置し、第二の軸をスクリーンの垂直線と垂線を含む面内で、かつ球面中心を通るように第四、第五および第六ローラを配置することで、第一ローラをわずかに上げた場合は、第一、第二および第三ローラが球面に接触しかつ重心が球面中心近傍にあることから、第一、第二、第三ローラのいずれか一つのローラに結合したモータを回転させることにより、球面中心を中心としてスクリーンを上下方向に移動させることができる効果がある。
【0009】
また第四ローラを上にわずかに上げた場合、第四、第五および第六ローラが球面に接触しかつ重心が球面中心近傍にあることから、第四、第五、第六ローラのいずれか一つのローラに結合したモータを回転させることにより、スクリーンを第二の軸を中心に回転移動させることができる効果がある。
【0010】
なおいずれの場合も、構造体に設けられた図示していない角度検出手段から得られた角度情報から、第一の軸および第二の軸の回転範囲を知ることが可能で、それを利用して構造体を回転させる範囲を限定できる効果がある。
【0011】
第2の請求項に記載した発明に拠れば、スクリーンとアームの接合点近傍にカメラを装着し、カメラで撮像した視聴者の画像を元に視聴者の顔向きを判断し、顔向きの正面もしくは、顔向きに対して視聴者が最も見やすいと設定した位置にスクリーンを移動させるようモータを自動的に制御することができるため、視聴者がスクリーン位置を自分で調整することなく、顔向きの正面もしくは、顔向きに対して視聴者が最も見やすいと設定した位置にスクリーンを移動させることができる
【0012】
第3の請求項に記載した発明に拠れば、カメラで撮像した顔画像から演算した現在の顔向きの角度と、現在の角度検出手段から得た角度から、顔向きの正面もしくは、顔向きに対して視聴者が最も見やすいと設定した位置にスクリーンを移動させるために必要な目標角度を演算し、角度検出手段の角度がその目標角度に到達するようモータの制御を行うため、顔画像から顔向きを演算する速度が遅い安価な演算装置を用いても、スクリーンを高速に顔向きの正面もしくは、顔向きに対して視聴者が最も見やすいと設定した位置に移動させることができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下本発明の実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。
第1の実施形態
当該実施形態は請求項1に記載の発明に対応した実施形態であり、図1図2図3及び図4は本実施形態における表示装置を説明するための図である。
図1は第1の実施形態における表示装置の説明図であって、視聴者100が仰臥して、プロジェクタ310から投射される光がスクリーン350上に形成する画像を視聴している状態を表している。
本実施形態の表示装置は、制御ボックス200と、制御ボックスの上に置かれた構造体300で構成され、構造体はスクリーン、スクリーン保持機構351,アーム340、ミラーボックス335,シャーシ313、半球殻320、プロジェクタ310などで構成されている。
スクリーンとアームはスクリーン保持機構で保持されている。
【0014】
図2は第1の実施形態における構造体下部の拡大図であって、アーム340はミラーボックス335で保持され、ミラーボックス、プロジェクタ310、バランサー312および半球殻320はシャーシ313で保持されている。
ここでプロジェクタレンズ311から投射された光はミラーボックスに接着されているミラー330で反射され、スクリーンに到達する。
ミラーは使用したプロジェクタの光学系とスクリーンの位置関係から採用したが、専用の光学系を用いたプロジェクタであれば、省くこともできる。
図中破線で表した第一の回転軸315と一点鎖線で表した第二の回転軸316の交点は、半球殻の中心である。
【0015】
図3は第1の実施形態における制御ボックス内機構説明図である。
制御ボックス200の上部は開口201が空いており、開口の下部には第一ローラ211,第二ローラ212、第三ローラ213、第四ローラ214,第五ローラ215、第六ローラ216が配置されており、半球殻をこの開口の上から置いた場合、この開口に接触することなく、下部のいくつかのローラによって支えられる。
各ローラの表面は摩擦面を持ち、第一ローラと第四ローラはそれぞれ第一モータ221と第二モータ222と結合され、かつ第一モータおよび第二モータはモータ保持板230で固定され、モータ保持板は水平に固定されたモータ保持板保持支柱235を中心にシーソーのように動作させることができる。
また第二ローラ、第三ローラ、第五ローラおよび第六ローラの高さはほぼ同一で、回転軸は回転摩擦が少ない構造となっている。
ここで図示しない第三モータと第一フォトセンサおよび第二フォトセンサを用いて、モータ保持板保持支柱を中心にモータ保持板をわずかに回転動作させ、第一モータに結合する第一ローラを上に持ち上げた時には、第二モータに結合する第四ローラが下に下がるため、半球殻を、開口201を通して制御ボックスの上に載せた場合、半球殻の表面は第一ローラ、第二ローラ、第三ローラのみ接し、第四ローラ、第五ローラ、第六ローラに接しないように配置することが可能である。
【0016】
このとき、第一ローラ、第二ローラおよび第三ローラの半球殻との接点の三次元位置を決定した場合、図2に示した第一の回転軸回りに半球殻が回転するように、各ローラの回転軸方向は一意に定めることができる。
このように第一ローラ、第二ローラおよび第三ローラが配置された場合、第一モータを回転させることで半球殻を第一の回転軸回りに回転させることができるため、半球殻にシャーシ、ミラーカバー、アーム、スクリーン保持機構経由で固定されたスクリーンも第一の回転軸回りに回転させることができ、それは視聴者から見ると、スクリーンが上下するように見える。
【0017】
同様に、図示しない第三モータと第一フォトセンサおよび第二フォトセンサを用いて、モータ保持板保持支柱を中心にモータ保持板をわずかに回転動作させ、第四ローラを上に持ち上げた時には、第一ローラが下に下がるため、半球殻を、穴201を通して制御ボックスの上に載せた場合、半球殻の表面は第四ローラ、第五ローラ、第六ローラのみに接し、第四ローラ、第五ローラ、第六ローラの回転軸は、いずれも半球殻を第二の回転軸回りに回転するように選べば、第二モータを回転させた場合スクリーンも第二の回転軸回りに回転させることができるため、視聴者から見ればスクリーンを左右に移動させているように見える。
【0018】
第1の実施形態では、第一プーリに第一モータが結合され、第四プーリに第二モータが結合され、モータ保持板をシーソーのように動作させて第一プーリもしくは第四プーリを上下動させる例を示したが、第二もしくは第三プーリに第一のモータを結合し、第五もしくは第六プーリに第二モータを結合し、第一および第四プーリが例えばモータ保持板と類似構造のプーリ保持板で保持され、このプーリ保持板がシーソーのように動作する機構も、請求項1に含まれるものとする。
【0019】
図4は第1の実施形態・第1実施例のハードウェアブロックダイアグラムで、制御ボックス内回路ブロック250は、信号処理装置251、モータ制御装置252、電源回路253、第一モータ261(ブロック図中表記番号)、第二モータ262(ブロック図中表記番号)、第三モータ263、第一フォトセンサ271、第二フォトセンサ272などで構成されている。
図2には表記していないが、半球殻の中心近傍に3軸加速度センサ321が置かれており、信号処理装置は常にこの加速度センサの値を観測し、このセンサを角度検出手段として利用している。
また図1には表記していないが、マイク322が視聴者の近傍に置かれ、マイクが集音した音声信号は信号処理装置に入力されている。
【0020】
ここで視聴者が「画面を上に」もしくは「画面を下に」と発声すると、信号処理装置が判定を行い、半球殻が移動できる角度の範囲であれば、モータ制御装置を作動させて第三モータを駆動し第一プーリが上に来るようにする。
次に信号処理装置は「画面を上に」もしくは「画面を下に」で方向を判断して、モータ制御装置が第一モータの極性を適正にして駆動するように制御することで、スクリーンの上下をさせることができる。
同様に、「画面を右に」もしくは「画面を左に」との音声信号を入力された信号処理装置は、モータ制御装置を作動させて第三モータを駆動し第四プーリが上に来るようにし、次に信号処理装置は「画面を右に」もしくは「画面を左に」で方向を判断し、モータ制御装置が第二モータの極性を適正にして駆動するように制御することで、スクリーンを左右に移動させることができる。
なお、信号処理装置は常に半球殻の角度を監視しているため、音声信号を元にスクリーンを上下左右移動させても、半球殻の移動可能限界をあらかじめ定めておくことで、信号処理装置はモータ制御装置に指示を出し、モータの回転を停止し、スクリーンの移動を停止することができる。
また上下左右移動中に、「画面を止めて」もしくは「止めて」と発声することで、信号処理装置がこの音声信号を認識し、モータ制御装置にモータの停止を指示し、モータの回転を停止しスクリーン移動の停止を行うこともできるようになっている。
【0021】
図5は第1の実施形態・第2実施例のハードウェアブロックダイアグラムで、この例ではマイクの代わりに押しボタンスイッチ323が有線で情報処理装置に接続されている。
押しボタンスイッチは、スクリーンを上下左右に移動させたいとき、およびスクリーン移動中に停止させたいときに押すボタンに連動して動作するスイッチで、このスイッチからの信号を受信した情報処理装置が、加速度センサからの信号から演算した半球殻の角度を判定しながら、押されたボタンに相当するスクリーン移動動作を行うものである。
【0022】
図6は第1の実施形態・第3実施例のハードウェアブロックダイアグラムで、この例では押しボタンスイッチの代わりに視聴者の傍らに置くリモコン送信機324と信号処理装置に接続されたリモコン受信機325がある。
リモコン送信機は電池を内蔵して図5と同様な押しボタンスイッチの信号を赤外線や無線で送信する機能があり、リモコン受信機はこの赤外線や無線の信号を受信して、この信号を信号処理装置が受信可能な信号に変換するもので、信号処理装置は第2の実施例と同様な動作を行い、押されたボタンに相当するスクリーン移動動作を行うものである。
【0023】
第一の実施形態について請求項1記載の球面として半球殻の外面を用いたが、これは半球殻に限られるものでなく、構造体の回転必要範囲に応じて立体角が2πステラジアン(半球)以外の球殻を用いるものも請求項1の発明に含まれるものとする。
また、実施例で記載したミラー、ミラーボックスなどを用いず、プロジェクタとスクリーンを何らかの手段で両者の位置関係を固定した構造体を、構造体に含まれる球面に接する三つのローラで回転させる表示装置も請求項1の発明に含まれるものとする。
さらに、本実施形態で述べたバランサーも用いることなく、プロジェクタや球殻の構造で構造体の重心が球殻中心近傍にある表示装置も請求項1の発明に含まれるものとする。
【0024】
第1の実施形態の効果
本実施形態の表示装置を利用する視聴者は、仰臥した状態では発声もしくは押しボタンスイッチ、あるいはリモコン送信機の操作により、半球殻を第一回転軸の周りに回転させることにより、スクリーンの位置を最も見やすい高さに移動させることができる効果がある。
また、視聴者が左右いずれかの横臥した状態では、同様の操作により、半球殻を第二回転軸の周りに回転させることにより、スクリーンの位置を最も見やすい左右位置に移動させることができる効果がある。
さらに特許文献1および2で問題であった一つの回転軸への重量負荷が、本実施例では三つのローラで構造物の重量を支えることができるようになったため、プロジェクタの高画質化、高輝度化による重量増加およびスクリーンの大画面化に伴う重量増加に対応できるようになり、娯楽としてのテレビ視聴だけでなく、仰臥もしくは横臥しながらコンピュータ画像を利用して業務を行う作業者にも快適な環境を提供できる効果がある。
【0025】
第2の実施形態
当該実施形態は請求項2に記載の発明に対応した実施形態であり、図7は第2の実施形態における表示装置の説明図であり、図8は第2の実施形態におけるハードウェアブロックダイアグラムである。
図7図1に対し、カメラ360がスクリーン保持機構351に取り付けられ、カメラからの信号線および電源線で構成される図示しない通信線が、中空であるアーム340およびミラーボックス335内部を経由して、制御ボックス内部にある信号制御装置に接続されている。
このように構成することで、カメラ画像を信号処理装置が取り込むことが可能になる。
信号処理装置は、Webページ1,2に記載された技術で、撮影した視聴者の画像から顔向きを推定することができる。(Webページ1,2参照)
[Webページ1]Head Pose Estimation using OpenCV and Dlib Satya Mallick,SEPTEMBER 26,2016
https://learnopencv.com/head-pose-estimation-using-opencv-and-dlib/(参照2023-05-27)
[Webページ2]OpenCVで顔向き推定を行う
Taro Yamada,2016-12-10
https://qiita.com/TaroYamada/items/e3f3d0ea4ecc0a832fac(参照2023-05-27)
【0026】
本実施形態では、視聴者が例えば「画面位置自動」と発声すると、カメラが撮影した画像から判定した顔向きから現在のスクリーンの位置を想定し、顔向きに対しスクリーンが左側にあれば、図8の信号処理装置はモータ制御装置にスクリーンが右に移動するようにモータ制御装置に指示を出す。
この指示を受けたモータ制御装置は第三モータを動作させて第四ローラが持ち上がるようになし、次に第二モータが半球殻の第二の回転軸回りにスクリーンが右になるように回転を開始する。
信号処理装置はカメラ画像から顔向きの判断を連続的に行い、視聴者の顔向きがカメラ及びスクリーンの正面、もしくは顔向きに対して視聴者が最も見やすいと設定した位置にスクリーンが来た時に、第二モータの回転を静止させスクリーン移動を停止させることができる。
同様に判定した顔向きが下向きであった場合、信号処理装置はモータ制御装置にスクリーンが下に移動するようにモータ制御装置に指示を出し、モータ制御装置は第三モータを動作させて第一ローラが持ち上がるようになし、次に第一モータが半球殻の第一の回転軸回りにスクリーンが下になるように回転を開始し、顔むきがスクリーンの正面もしくは視聴者が最も見やすいと設定した位置にスクリーンが来た時に、第一モータの回転を静止させスクリーン移動を停止させることができる。
なお、本実施形態では発声による画面位置自動調整について述べたが、カメラ画像から判定した顔向きが一定時間以上、かつ正面もしくは視聴者が最も見やすいと設定した位置から一定角度以上ずれた場合、自動的にスクリーン移動をさせることも容易である。
【0027】
第2の実施形態の効果
このようにスクリーンとアームの接合点近傍にカメラを装着し、カメラで撮像した視聴者の画像を元に視聴者の顔向きを判断し、顔向きの正面もしくは、顔向きに対して視聴者が最も見やすいと設定した位置にスクリーンを移動させるようモータを自動的に制御することができるため、視聴者自身がスクリーン位置を左右上下いずれの方向に調整することなく、顔向きの正面もしくは、顔向きに対して視聴者が最も見やすいと設定した位置にスクリーンを移動させることができる効果がある。
長時間仰臥していると、視聴者は背中が痛くなるため通常左右の横臥をするが、このような場合横臥した方向に自動的にスクリーンが追従し、常に見やすい位置で画像が見られる効果がある。
【0028】
第3の実施形態
当該実施形態は請求項3に記載の発明に対応した実施形態であり、図7は第3の実施形態における表示装置の説明図であり、図8は第3の実施形態におけるハードウェアブロックダイアグラムである。
本実施形態もカメラで撮像した画像から顔向きを推定することは第2の実施形態と同様であるが、図8記載の信号処理装置としてラズベリーパイ3B(登録商標)、オペレーションシステムとしてRaspbian GNU/Linux 10(buster)を用い、またプログラムをPYTHON(登録商標)で作成した例では、1回のカメラ画像を取り込みおよび顔向き推定で0.2~0.3秒程度の時間が必要となる。
従って、実際の正しいスクリーン(カメラ)位置から0.2~0.3秒程度移動した後、顔向きが正面と判定できるが、その時はすでに正しい位置を超えてしまっているという問題がある。
本実施形態では、カメラで撮像した顔画像から演算した現在の顔向きの角度と、現在の加速度センサから得た角度から、顔向きの正面もしくは、顔向きに対して視聴者が最も見やすいと設定した位置にスクリーンを移動させるために必要な目標角度を1回演算し、加速度センサから得た角度がその目標角度に到達するようモータの制御を行うため、顔向き検出の遅れによるスクリーン位置のずれを防ぐことができる。
【0029】
第3の実施形態の効果
顔画像から顔向きを演算する速度が遅い安価な演算装置を用いても、スクリーンを高速に顔向きの正面もしくは、顔向きに対して視聴者が最も見やすいと設定した位置に移動させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】第1の実施形態における表示装置の説明図
図2】第1の実施形態における構造体下部の拡大図
図3】第1の実施形態における制御ボックス内機構説明図
図4】第1の実施形態・第1実施例のハードウェアブロックダイアグラム
図5】第1の実施形態・第2実施例のハードウェアブロックダイアグラム
図6】第1の実施形態・第3実施例のハードウェアブロックダイアグラム
図7】第2および第3の実施形態における表示装置の説明図
図8】第2および第3の実施形態におけるハードウェアブロックダイアグラム
【符号の説明】
【0031】
100・・・視聴者
200・・・制御ボックス
201・・・制御ボックス上の開口
211・・・第一ローラ
212・・・第二ローラ
213・・・第三ローラ
214・・・第四ローラ
215・・・第五ローラ
216・・・第六ローラ
221・・・第一モータ
222・・・第二モータ
230・・・モータ保持板
235・・・モータ保持板保持支柱
250・・・制御ボックス内回路ブロック
251・・・信号処理装置
252・・・モータ制御装置
253・・・電源回路
261・・・第一モータ(ブロック図中表記番号)
262・・・第二モータ(ブロック図中表記番号)
263・・・第三モータ
271・・・第一フォトセンサ
272・・・第二フォトセンサ
300・・・構造体
310・・・プロジェクタ
311・・・プロジェクタレンズ
312・・・バランサー
313・・・シャーシ
315・・・第一回転軸
316・・・第二回転軸
320・・・半球殻
321・・・加速度センサ
322・・・マイク
323・・・ボタンスイッチ
324・・・リモコン送信機
325・・・リモコン受信機
330・・・ミラー
335・・・ミラーボックス
340・・・アーム
350・・・スクリーン
351・・・スクリーン保持機構
360・・・カメラ
361・・・カメラ(ブロック図中表記番号)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8