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  • 特開-陰茎補助具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173539
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】陰茎補助具
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/41 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
A61F5/41
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023099664
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】522444025
【氏名又は名称】株式会社MIC
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 良和
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA05
4C098EE02
(57)【要約】
【課題】 インポテンツを改善させて、性行為中の陰茎の勃起力を持続させることを可能にするための、陰茎補助具を提供したい。
【解決手段】 シリコーン樹脂を原料に成型された伸縮性を有するO字形状のリング10にはその内側に突起11が形成されている。リング10に陰茎を挿入するようにして装着すると、突起11が陰茎やその裏筋を圧迫するように作用する。これにより勃起力を持続させる効果を生ずる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮性を有する断面がO字形状またはC字形状のリング状体の内側に、陰茎を圧迫するための突起を設けて成る、陰茎補助具。
【請求項2】
伸縮性を有する断面がO字形状またはC字形状のリング状体の内側に、陰茎の裏筋または骨盤底筋を圧迫するための突起を設けて成る、陰茎補助具。
【請求項3】
前記突起が、球体の一部を前記リング状体に埋め込むことで形成されている、請求項1または請求項2に記載の陰茎補助具。
【請求項4】
前記突起が前記リング状体と一体であり、前記突起の先端部を刃物を用いて切除することで高さ調整を行い得るように設けられている、請求項1または請求項2に記載の陰茎補助具。
【請求項5】
前記リング状体に腟の入り口付近を刺激するための分岐部が設けられている、請求項1または請求項2に記載の陰茎補助具。
【請求項6】
前記分岐部が電動式の振動発生具を内蔵している、請求項5に記載の陰茎補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、インポテンツを改善させて、性行為中の陰茎の勃起力を持続させることを可能にするための、陰茎補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
性行為中に陰茎の勃起力が減退する、いわゆる中折れに悩む男性が多い。インポテンツ治療用の器具はこれまでにもあったが、構造が簡易で装着が容易で比較的廉価ななものとしては、リング状の陰茎補助具が提供されている。
【0003】
実用新案登録第3236484号は包茎矯正用のリングに関するものではあるが、このようなリングで陰茎を締め付けると、性行為中に一定の効果があることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3236484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これまでのようにリングで陰茎を締め付けるだけでは、勃起力を持続させる効果は限定的であるように思われる。またそもそもこのような器具は夫婦生活を充実させることが目的であるから、このような器具を用いることで勃起力を持続させる効果を夫が得るのみでなく、使用中に妻をも満足させることが出来ればなお良い。
【0006】
すなわちこの発明は、上述した目的の何れか一の目的を、或いは両方の目的を達成することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題の解決に先立って、リングで陰茎をその周囲から締め付けるのみならず、陰茎の一部や陰茎の裏筋や骨盤底筋などの、ある種ツボのような部位を指圧するようにしたら良いのではないか、と言う知見を得た。またこの際に妻側の腟の入り口付近を刺激することを可能にしてはどうかと考えた。
【0008】
すなわち上記の課題は、伸縮性を有する断面がO字形状またはC字形状のリング状体の内側に、陰茎を圧迫するための突起を設けて成る、陰茎補助具を提供することにより達成される。O字形状のリング状体は、例えば天然ゴムやシリコーンゴムのような素材を用いて成型されて、伸縮性を有しているために、この直径を伸長しつつ陰茎に装着することが出来る。より多く伸長するものであれば陰茎のみならず睾丸までをも含めて潜らせて装着することが可能である。或いはC字形状のリング状体は伸縮性と共に開放性を有しているため、装着性がより良好である。
【0009】
リング状体を装着し終えた状態では、突起が陰茎をある意味指圧するかのように圧迫することが出来る。またリング状体の内側にある突起が陰茎の外皮に食い込んで抜けにくくなると言う効果を奏する。
【0010】
なお突起は、リング状体がC字形状のものである場合は、C字形状の両端部に設けるようにしても良い。これによれば突起は2箇所にあるものの、C字形状のリング状体が閉じた状態では、2つの突起が1か所に纏まって一つの突起であるかのようにも構成することが可能である。
【0011】
また上記の課題は、伸縮性を有する断面がO字形状またはC字形状のリング状体の内側に、陰茎の裏筋または骨盤底筋を圧迫するための突起を設けて成る、陰茎補助具を提供することにより達成される。
【0012】
リング状体を陰茎に装着し終えると、リング状体の内側にある突起が陰茎の裏筋をある意味指圧するかのように圧迫することが出来る。或いはリング状体を陰茎のみならず睾丸までも含めて装着すると、突起が陰茎の裏筋または骨盤底筋を圧迫することが出来るようになる。なおリング状体を陰茎に装着し終えた状態では、リング状体の内側にある突起が陰茎の外皮に食い込んで抜けにくくなってもいる。
【0013】
さて請求項1に記載の陰茎補助具でも請求項2に記載の陰茎補助具でも、前記突起が、球体の一部を前記リング状体に埋め込むことで形成されているものとすることが出来る。予めリング状体の内側に球状の溝を形成しておいて、ここに例えばリング状体と同素材で作られた球体を埋め込むことによって、この球体の一部が溝より突出して、上述した突起と同じ働きをすることになる。
【0014】
なお球体にはプラスティック製の固い球やゲルマニウム球や磁石球と言ったものを任意に用いて良い。
【0015】
次に、請求項1に記載の陰茎補助具でも請求項2に記載の陰茎補助具でも、前記突起が前記リング状体と一体であり、前記突起の先端部を刃物を用いて切除することで高さ調整を行い得るように設けられているものとすることが出来る。リング状体の装着時に、突起が大きいと感じられるような場合には、ユーザー自らが例えば鋏を用いて突起の先端部をカットして、自分に合う大きさにすることが可能である。
【0016】
さて、請求項1に記載の陰茎補助具または請求項2に記載の陰茎補助具に於いて、前記リング状体に腟の入り口付近を刺激するための分岐部が設けられているものとすることが出来る。分岐部はリング状体とは同素材のものや、異なる素材であっても柔軟な素材のものが好ましい。この分岐部が陰茎の前側に来るようにも、或いは陰茎の後側に来るようにも、リング状体を陰茎に装着することが可能である。
【0017】
すなわち分岐部が陰茎の前側に来るように装着した場合では、性行為中に分岐部で女性の陰核を刺激することが出来る。また分岐部が陰茎の後側に来るように装着した場合では分岐部で女性の会陰部を刺激し得る。このようにして分岐部を使い分けることが可能である。
【0018】
なお更に、前記分岐部が電動式の振動発生具を内蔵しているものとすることが出来る。電動式の振動発生具の一例として、二次電池とスイッチと電動モータとを直列に繋げると共に、電動モータの回転軸に錘を偏心状態で固定したバイブレータを上げる。またモータの回転を制御するコントローラを設ける場合もある。なお電動モータ以外ではピエゾ発振子を設けるなど任意である。
【0019】
これにより振動する分岐部を構成することが出来て、男性の陰茎そのものや女性の陰核や会陰部にバイブレータの刺激を与えることが出来るようになる。これもまた上述したように夫婦生活を充実させるのに役立つ。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、伸縮性を有する断面がO字形状またはC字形状のリング状体の内側に、突起が設けられているため、リング状体を装着し終えた状態では、突起が陰茎をある意味指圧するかのようにして圧迫するように働く。これによりこれまでのようにリングで陰茎を締め付けるだけの器具に比して、より勃起力を持続させる効果がある。同様に伸縮性を有する断面がO字形状またはC字形状のリング状体の内側に、陰茎の裏筋または骨盤底筋を圧迫するための突起が設けられているため、突起で陰茎の裏筋や骨盤底筋が圧迫されて、より勃起力が持続する。
【0021】
なお、上述したようなリング状体に腟の入り口付近を刺激するための分岐部が設けられていたり、この分岐部に電動式の振動発生具が内蔵されているものでは、夫婦生活の充実に効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】 実施例1の説明図である。
図2】 実施例1のX-X断面による説明図である。
図3】 実施例2の説明図である。
図4】 実施例3の説明図である。
図5】 実施例4の説明図である。
図6】 実施例4のY-Y断面による説明図である。
図7】 実施例5の部分切欠断面による説明図である。
図8】 偏心状の錘70を有する電動モータ7周りをブロック図にて表した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0023】
図1および図2によりこの実施例の陰茎補助具1を説明する。シリコーン樹脂を原料に成型された伸縮性を有するO字形状のリング10には、その内側に突起11が形成されている。なおリング10はシリコーン樹脂以外にも天然ゴムなどの伸縮性を生む素材を自由に選択して良い。
【0024】
この陰茎補助具1は、リング10に陰茎を挿入するようにして装着すると、突起11が陰茎やその裏筋を圧迫するように作用する。これにより勃起力を持続させる効果を生ずることになる。なおこのリング10の伸縮性を強化したり、大きめに形成したりすることによって、リング10に陰茎と共に睾丸を通すことが可能になる。この場合には骨盤底筋を圧迫することも可能である。なお突起11がリング10の陰茎からの抜けにくさに寄与することは上述した通りである。
【実施例0025】
図3によりこの実施例の陰茎補助具2を説明する。シリコーン樹脂を原料に成型された伸縮性を有するO字形状のリング20にはその内側に球受け21が形成されており、この球受け21にトルマリン球22が脱落しないように嵌め込まれている。
【0026】
トルマリンは電気石とも呼ばれ、遠赤外線を発する鉱石であり、身体すなわちここでは陰茎にポジティブなエネルギーをもたらすとされる。このトルマリン球22がリング20の突起であるから、上述した突起の作用効果を有しているわけである。
【0027】
なおトルマリン球22に大中小のものを用意しておいて、その時々で球受け21に嵌め込むトルマリン球22をユーザーが選択出来るようにしても良い。またトルマリン球22が球受け21の中で回動し得るように構成することも可能である。
【実施例0028】
図4によりこの実施例の陰茎補助具3を説明する。ポリプロピレン樹脂を原料に成型されたC字形状のリング30は、その構造上から切欠部31を有する。すなわちC字形状のリング30は切欠部31を以て開くことが可能であり、開く力を弱めると元のスリットの状態に戻すことが出来る。この切欠部31はC字形状のリング30の両端部に位置している。従ってC字形状のリング30はその両端部に各々、突起32が形成されている。なおリング30はポリプロピレン樹脂以外にも、シリコーン樹脂や天然ゴムなどの素材を自由に選択して良い。
【0029】
この陰茎補助具3は、リング30を切欠部31を以て開きつつ陰茎を挿入するようにして装着すると、突起32,32が陰茎やその裏筋を圧迫するように作用する。2つの突起32,32が1か所に纏まって一つの突起であるかのように見える。なおこのリング30の伸縮性を強化したり、大きめに形成したりすることによって、リング30に陰茎と共に睾丸を通すことが可能になる。この場合には骨盤底筋を圧迫することも可能である。こうして勃起力を持続させる効果を得ることが出来る。
【実施例0030】
図5および図6によりこの実施例の陰茎補助具4を説明する。シリコーン樹脂を原料に成型された伸縮性を有するO字形状のリング40には、その内側に突起41が形成されている。またこの突起41がある側とは反対側の外側に、分岐部42が一体に設けられている。なお陰茎補助具4シリコーン樹脂以外にも天然ゴムなどの伸縮性を生む素材を自由に選択して良い。またリング40をO字形状にではなく、C字形状に成型することも可能である。
【0031】
この陰茎補助具4は、リング40に陰茎を挿入するようにして装着すると、突起41が陰茎やその裏筋を圧迫するように作用する。これにより勃起力を持続させる効果を生ずることになる。なおこのリング40の伸縮性を強化したり、大きめに形成したりすることによって、リング40に陰茎と共に睾丸を通すことが可能になる。この場合には骨盤底筋を圧迫することも可能である。これにより陰茎に勃起力を持続させる効果を生ずる。
【0032】
このように装着すると、柔軟な分岐部42が陰茎の前側に位置することが分かる。性行為中に分岐部で女性の陰核を刺激することによって、夫婦生活をより一層充実させることが可能である。この逆に、分岐部42が陰茎の後側に来るように陰茎補助具4を装着した場合では、分岐部42で女性の会陰部を刺激することが出来るようになる。なお突起41がリング40の陰茎からの抜けにくさに寄与することは上述した通りである。
【0033】
ところで、図中突起41の鎖線は、突起41の先端部が高さ調整のために刃物を用いて切除出来ることを表したものである。リング40の装着時に、突起41が大きいと感じられるような場合には、ユーザー自らが例えば鋏を用いて突起の先端部をカットして、自分に合う大きさにするのである。少しずつカットして最適な高さを見出すことが好ましい。
【実施例0034】
図7および図8によりこの実施例の陰茎補助具5を説明する。シリコーン樹脂を原料に成型された伸縮性を有するO字形状のリング50には、その内側に突起51が形成されている。またこの突起51がある側とは反対側の外側には、分岐部52が一体に設けられている。
【0035】
この使用法は上述した実施例4の陰茎補助具4に倣うが、このようにして陰茎に勃起力を持続させる効果を奏する。
【0036】
分岐部52はその内部に、モータ制御部6と電動モータ7とを備える。電動モータ7はその回転軸に偏心錘70が取り付けられている。従って電動モータ7を駆動すると振動を発生して、この振動を分岐部52を介して身体に加えることが出来る。このマッサージのための振動は、陰茎補助具4を装着している夫側に伝えることも、また妻側に伝えることも可能である。この振動刺激は夫の勃起力を持続させる効果をもたらす。
【0037】
モータ制御部6には上記電動モータ7の他にも、二次電池60が接続されている。この二次電池60へは分岐部52が内蔵する電源ジャック61から給電されるようになっている。モータ制御部6はここではメンブレンスイッチを押す回数で、ON、OFF制御の他にも、振動の強弱やリズムなどを変え得るようにプログラムされているが、一般的な技術であることから煩雑となるのを避けて詳しい説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この発明によれば、夫のインポテンツを改善させて、性行為中の陰茎の勃起力を持続させることが可能になり、また妻を満足させる機能を付加的に提供することが出来た。この発明の産業上の貢献には大きなものがある。
【0039】
なおこの発明は陰茎補助具であるが、リングを指に装着するような器具にも道を拓くものである。この場合でも突起の抜けにくさへの貢献はある。また磁石球やトルマリン球やゲルマニウム球による身体への作用効果が見られるであろう。
【符号の説明】
【0040】
1 陰茎補助具 10 リング
11 突起 2 陰茎補助具
20 リング 21 球受け
22 トルマリン球 3 陰茎補助具
30 リング 31 切欠部
32 突起 4 陰茎補助具
40 リング 41 突起
42 分岐部 5 陰茎補助具
50 リング 51 突起
52 分岐部 6 モータ制御部
60 二次電池 61 電源ジャック
7 電動モータ 70 偏心錘
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8