(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017354
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ドライバー用クッション
(51)【国際特許分類】
A47C 27/14 20060101AFI20240201BHJP
A47C 7/42 20060101ALI20240201BHJP
B60N 2/90 20180101ALI20240201BHJP
【FI】
A47C27/14 D
A47C7/42
B60N2/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119925
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】522345803
【氏名又は名称】株式会社アーケム
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】堤 玲志
(72)【発明者】
【氏名】江部 一成
(72)【発明者】
【氏名】山口 由紀子
(72)【発明者】
【氏名】梅山 裕史
(72)【発明者】
【氏名】野間 孝治
(72)【発明者】
【氏名】古賀 義英
(72)【発明者】
【氏名】関川 輝一
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
3B096
【Fターム(参考)】
3B084FA02
3B087DE10
3B096AA02
3B096AA04
3B096AB02
3B096AB05
(57)【要約】
【課題】本発明は、背面部に対応するドライバーの身体的部位の疲労を軽減し得る、ドライバー用クッションを提供することを目的とする。
【解決手段】ドライバーの肩甲骨の周囲に対応する部位に当接する、一対の凸部が設けられている。ドライバーの腰部の背骨を挟むように、背骨の周囲に対応する部位に当接する、一対の凸部が設けられている。高硬度の層と低硬度の層とを有する複数層からなる。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバー用クッションであって、
ドライバーの肩甲骨の周囲に対応する部位に当接する、一対の凸部が設けられていることを特徴とする、ドライバー用クッション。
【請求項2】
前記一対の凸部は、ドライバーの肩甲骨に対応する部位に当接しない、請求項1に記載のドライバー用クッション。
【請求項3】
ウレタン製である、請求項1又は2に記載のドライバー用クッション。
【請求項4】
ドライバー用クッションであって、
ドライバーの腰部の背骨を挟むように、背骨の周囲に対応する部位に当接する、一対の凸部が設けられていることを特徴とする、ドライバー用クッション。
【請求項5】
前記一対の凸部は、ドライバーの背骨に対応する部位に当接しない、請求項4に記載のドライバー用クッション。
【請求項6】
ウレタン製である、請求項4又は5に記載のドライバー用クッション。
【請求項7】
ドライバーシートの背面部に用いるドライバー用クッションであって、
高硬度の層と低硬度の層とを有する複数層からなる、ドライバー用クッション。
【請求項8】
ウレタン製である、請求項7に記載のドライバー用クッション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバー用クッションに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両のドライバーの疲労を軽減することが求められている。特に、車両のドライバーシートは、一般に様々なドライバーに適合するように標準的な設計がなされ、ドライバー個人にカスタマイズされておらず、このことも特に長時間の運転等におけるドライバーの疲労の原因となっていた。
【0003】
これに対し、例えば特許文献1では、ドライバーシートの座面部の下方に足載せクッション(膝よりも下方の部位に当接する)を配置して疲労を軽減することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術によれば、足の膝より下方の部位の疲労は軽減され得る。しかしながら、特許文献1に記載の技術は、背面部に対応するドライバーの身体的部位の疲労の軽減に対しては直接的な対策となっていない。
【0006】
そこで、本発明は、背面部に対応するドライバーの身体的部位の疲労を軽減し得る、ドライバー用クッションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)ドライバー用クッションであって、
ドライバーの肩甲骨の周囲に対応する部位に当接する、一対の凸部が設けられていることを特徴とする、ドライバー用クッション。
ここで、「肩甲骨の周囲に対応する部位に当接する」とは、鉛直方向に直交する平面におけるドライバーの前後方向に上記の凸部と肩甲骨とが重ならないような位置において、ドライバーの背中に当接することを意味する。
【0008】
(2)前記一対の凸部は、ドライバーの肩甲骨に対応する部位に当接しない、上記(1)に記載のドライバー用クッション。
【0009】
(3)ウレタン製である、上記(1)又は(2)に記載のドライバー用クッション。
【0010】
(4)ドライバー用クッションであって、
ドライバーの腰部の背骨を挟むように、背骨の周囲に対応する部位に当接する、一対の凸部が設けられていることを特徴とする、ドライバー用クッション。
ここで、「背骨の周囲に対応する部位に当接する」とは、鉛直方向に直交する平面におけるドライバーの前後方向に上記の凸部と背骨とが重ならないような位置において、ドライバーの背中に当接することを意味する。
【0011】
(5)前記一対の凸部は、ドライバーの背骨に対応する部位に当接しない、上記(4)に記載のドライバー用クッション。
【0012】
(6)ウレタン製である、上記(4)又は(5)に記載のドライバー用クッション。
【0013】
(7)ドライバーシートの背面部に用いるドライバー用クッションであって、
高硬度の層と低硬度の層とを有する複数層からなる、ドライバー用クッション。
【0014】
(8)ウレタン製である、上記(7)に記載のドライバー用クッション。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、背面部に対応するドライバーの身体的部位の疲労を軽減し得る、ドライバー用クッションを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】ドライバーシートを模式的に示す側面図である。
【
図2A】本発明の一実施形態にかかるドライバークッションを模式的に示す平面図である。
【
図2B】本発明の一実施形態にかかるドライバークッションを模式的に示す端面図である。
【
図3A】本発明の他の実施形態にかかるドライバークッションを模式的に示す平面図である。
【
図3B】本発明の他の実施形態にかかるドライバークッションを模式的に示す端面図である。
【
図4】本発明の別の実施形態にかかるドライバークッションを模式的に示す斜視図である。
【
図6】頸椎の部分の曲率半径について説明するための図である。
【
図7】別の例のドライバー用クッションを模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に例示説明する。
【0018】
図1は、ドライバーシートを模式的に示す側面図である。
図2Aは、本発明の一実施形態にかかるドライバークッションを模式的に示す平面図である。
図2Bは、本発明の一実施形態にかかるドライバークッションを模式的に示す端面図である。
【0019】
図1に示すように、ドライバーシート1は、ドライバーの臀部及び大腿部に(直接的又はドライバー用クッション等を介して間接的に)当接してドライバーを支持する座面部2と、ドライバーの背中に(直接的又はドライバー用クッション等を介して間接的に)当接してドライバーを支持する背面部3と、ドライバーの頭部に(直接的又はドライバー用クッション等を介して間接的に)当接してドライバーを支持するヘッドレスト4と、を備えている。
【0020】
図2A、
図2Bに示すドライバー用クッション100は、
図1に符号5で示すように、ドライバーシート1の背面部2(肩甲骨のあたり)に配置して(ドライバーとの間に挟んで)又は取り付けて用いるものである。ドライバー用クッション100をドライバーシート1に取り付けて用いる場合は、ボタン式、テープ式、紐式、磁石式等、様々な手法で取り付けることができる。
【0021】
図1、
図2A、
図2Bに示すように、このドライバー用クッション100は、下面がドライバーシート1の背面部2と接し、上面がドライバーの背中に当接する、平板状の形状の基部101と、ドライバーの肩甲骨の周囲に対応する部位に当接する、一対の凸部102とが設けられている。基部101に凸部として上記一対の凸部102のみ(2つの凸部102のみ)を有していても良い。
【0022】
本例で、基部101はウレタン製である。基部101は、ドライバーシートの背面部2(本例では、肩甲骨回り)に配置して又は取り付けて用いるものであるため、平板状の形状であることが好ましく、平面視では、略台形の形状(短辺がドライバーの上側、長辺がドライバーの下側に対応)であるが、他の形状としても良い。基部101はドライバーシートの背面部2のうち、肩部の縦及び横のサイズと同程度の縦及び横のサイズとすることができる。基部101の厚さは、特には限定されない。基部101の25%圧縮硬度(JIS K 6400-2)は、特には限定されないが、例えば150~210Nとすることができる。
【0023】
本例で、凸部102は、ウレタン製である。本例では、凸部102は、三角柱状である。すなわち、
図2Aに示す平面で三角形状(ドライバーの上側を1つの頂点とする)であり、
図2Bに示す端面で矩形状である。ただし、凸部の形状は、この例に限定されず、様々な形状とすることができる。
【0024】
凸部102の平面視での横方向の最大幅は、特には限定されない。凸部のサイズは、個人にカスタマイズするように設計することができる。一対の凸部102間の距離は、特には限定されない。
【0025】
凸部102の25%圧縮硬度は、例えば40~60Nとすることができる。凸部102の25%圧縮硬度は、基部101の25%圧縮硬度よりも小さいことが好ましい。凸部102の25%圧縮硬度は、個人にカスタマイズするように設計することができるが、ドライバーに接する部分である凸部102は、上記のように比較的軟質であることが好ましい。
【0026】
ここで、一対の凸部102は、ドライバーの肩甲骨の周囲に対応する部位に当接する。また、一対の凸部102は、ドライバーの肩甲骨に対応する部位に当接しない。一対の凸部102は、肩甲骨よりも内側の周囲に対応する部位に当接しても良く、肩甲骨よりも外側の周囲に対応する部位に当接しても良く、肩甲骨よりも上側の周囲に対応する部位に当接しても良く、肩甲骨よりも下側の周囲に対応する部位に当接しても良い。一対の凸部102間の横方向の距離は、万人のデータから標準的に、ドライバーの肩甲骨の周囲に対応する部位に当接し、ドライバーの肩甲骨に対応する部位に当接しない位置とすることができる。一方で、個人にカスタマイズした設計とすることもできる。あるいは、一対の凸部102を基部に対して着脱可能に構成し、一対の凸部102間の横方向の距離を個人に合うように調整可能としても良い。
以下、本実施形態のドライバー用クッションの作用効果について説明する。
【0027】
特に、ドライビングポジションの姿勢では肩がドライバーシートから離れ、筋疲労により疲労感がでやすい場合がある。これに対し、本実施形態のドライバー用クッションによれば、ドライバーの肩甲骨の周囲に対応する部位に一対の凸部102が設けられていることにより、肩甲骨の周囲がドライバークッションに当接するようにしつつも、凸部102によって肩甲骨の周囲の体圧分散を増大して血行不良の阻害を抑制することができる。また、本実施形態では、一対の凸部102は肩甲骨には当接しないため、肩甲骨を痛めることもない。なお、ドライバー用クッションの厚さを厚くして体圧分散を増大しようとする場合と比べ、運転が不安定になったり、姿勢が前傾になったりせずに済む。
このように、本実施形態のドライバー用クッションによれば、背面部に対応するドライバーの身体的部位の疲労を軽減し得る。特に、肩甲骨まわりの疲労を軽減し得る。
【0028】
次に、
図3Aは、本発明の他の実施形態にかかるドライバークッションを模式的に示す平面図である。
図3Bは、本発明の他の実施形態にかかるドライバークッションを模式的に示す端面図である。
【0029】
図3A、
図3Bに示すドライバー用クッション200は、ドライバーシート1の背面部2(腰部のあたり)に配置して(ドライバーとの間に挟んで)又は取り付けて用いるものである。ドライバー用クッション200をドライバーシート1に取り付けて用いる場合は、ボタン式、テープ式、紐式等、様々な手法で取り付けることができる。
【0030】
図3A、
図3Bに示すように、このドライバー用クッション200は、下面がドライバーシート1の背面部2と接し、上面がドライバーの背中に当接する、平板状の形状の基部201と、ドライバーの腰部の背骨を挟むように、背骨の周囲に対応する部位に当接する、一対の凸部202とが設けられている。
【0031】
本例で、基部201はウレタン製である。基部201は、ドライバーシートの背面部2(本例では、腰部回り)に配置して又は取り付けて用いるものであるため、平板状の形状であることが好ましく、平面視では、矩形の形状であるが、他の形状としても良い。基部201はドライバーシートの背面部2のうち、腰部回りの縦及び横のサイズと同程度の縦及び横のサイズとすることができる。基部201の厚さは、特には限定されない。基部201の25%圧縮硬度(JIS K 6400-2)は、特には限定されないが、例えば150~210Nとすることができる。
【0032】
本例で、凸部202は、ウレタン製である。本例では、凸部202は、三角柱状である。すなわち、
図3Aに示す平面で三角形状(ドライバーの上側を1つの頂点とする)であり、
図3Bに示す端面で矩形状である。凸部202の形状は、この例に限定されることはなく、様々な形状とすることができる。
【0033】
凸部202の平面視での横方向の最大幅は、特には限定されない。凸部のサイズは、個人にカスタマイズするように設計することができる。一対の凸部202間の距離は、特には限定されない。
【0034】
凸部202の25%圧縮硬度は、適宜設定することができる。凸部202の25%圧縮硬度は、基部201の25%圧縮硬度よりも大きいことが好ましい。凸部202の25%圧縮硬度は、個人にカスタマイズするように設計することができる。
【0035】
ここで、一対の凸部202は、ドライバーの腰部の背骨を挟むように、背骨の周囲に対応する部位に当接する。また、一対の凸部202は、ドライバーの背骨に対応する部位に当接しない。一対の凸部202間の横方向の距離は、万人のデータから標準的に、ドライバーの腰部の背骨を挟むように、背骨の周囲に対応する部位に当接し、ドライバーの背骨に対応する部位に当接しない位置とすることができる。一方で、個人にカスタマイズした設計とすることもできる。あるいは、一対の凸部202を基部に対して着脱可能に構成し、一対の凸部202間の横方向の距離を個人に合うように調整可能としても良い。
以下、
図3A、
図3Bの実施形態のドライバー用クッションの作用効果について説明する。
【0036】
特に、運転中の姿勢は腰椎後湾、骨盤後傾となり腰痛の原因となる場合があった。これに対し、本実施形態のドライバー用クッション200によれば、一対の凸部202が、ドライバーの腰部の背骨を挟むように、背骨の周囲に対応する部位に当接するため、運転中の姿勢を立位に近い良好な姿勢に保つことができる。また、脊柱を避け、周辺の筋肉を前方に押すことで、例えば高齢で椎間板が弱くなっている方にも悪影響を及ぼしにくい。とりわけ、腰部のうち骨盤周りにおいて、凸部202の高さが高く、幅が大きい場合には、骨盤を支持し筋疲労をおこしにくくすることもできる。
このように、
図3A、
図3B実施形態のドライバー用クッションによれば、背面部に対応するドライバーの身体的部位の疲労を軽減し得る。特に、腰部まわりの疲労を軽減し得る。
【0037】
次に、
図4は、本発明の別の実施形態にかかるドライバークッションを模式的に示す斜視図である。
図5は、エルゴ部の側面図である。この実施形態では、ドライバー用クッション300は、高硬度の層301と低硬度の層302とを有する複数層(本例では2層)からなる。このドライバー用クッションは、ドライバーの腰部に対応して好適に用いられる。
【0038】
本例で、高硬度の層301の25%圧縮硬度は、適宜設定することができ、一方で、低硬度の層302の25%圧縮硬度は、高硬度の層301の25%圧縮硬度よりも小さくすることができる。
本例で、高硬度の層301は、平板状の形状である。一方で、本例で、低硬度の層302は、
図4に示すように、複数のエルゴ部302aからなる構成である。図示例では、エルゴ部302aは格子状に配列されているが、他にも千鳥状に配列しても良い。
図5に示すように、エルゴ部302aは、頭部302a1と首部302a2とを有する。頭部302a1は、側面視で略台形状の形状であり、首部302a2は、図示例で内側に凸の円弧状にくびれた部分であり、首部302a2の最大径は、頭部302a1の最大径よりも小さい。隣接するエルゴ部302a間には、図示のように(首部302a2において)側面視で略円形又は略楕円形の空間部が形成される。
なお、低硬度の層302の形状は、上記の例に限られることはなく、高硬度の層301よりも25%圧縮硬度が小さければ、例えば平板状の形状としても良い。
【0039】
特に、ドライバー用クッションにより腰椎前弯を支持することが好ましいものの、高硬度のウレタンで押し過ぎるとかえって血行不良となってしまう場合があった。これに対し、
図4、
図5の実施形態のドライバー用クッションによれば、高硬度の層301をドライバーシート側とし、低硬度の層302をドライバー側に用いた場合、主に高硬度の層301により腰椎前弯を支持しつつも、ドライバー側は低硬度の層302であるため、表面の血行不良を阻害しないようにすることができる。特に、低硬度の層302を上記のようなエルゴ部302aで構成した場合には、エルゴ部302aが変形することにより、より一層体圧分散することが可能になる。特に、エルゴ部302aは、体型に合わせて沈むように変形するため、フィット感を向上させることもできる。
以上のように、
図4、
図5の実施形態のドライバー用クッション300によれば、背面部に対応するドライバーの身体的部位の疲労を軽減し得る。特に、腰椎前弯を支持しつつも、表面の血行不良を阻害しないようにすることができる。
【0040】
次に、
図6は、頸椎の部分の曲率半径について説明するための図である。
図7は、別の例のドライバー用クッションを模式的に示す側面図である。このドライバー用クッション400は、ドライバーに当接する側の面401が、
図6に示すようなドライバーの頸椎の曲率半径に対応した曲率半径Rを有する。このような曲率半径は、万人のデータから標準的に決定することができる。一方で、個人にカスタマイズした設計とすることもできる。本例では、面401と反対側の面(ドライバーシート側の面)は、平面となっているが、例えば
図7の側面視で三角形状としてヘッドレストに嵌るように設計することもできる。
特に、従来の頸部に用いるドライバー用クッションは、頸椎の曲率に合わず、フィット感に乏しい場合があった。上記のようなドライバー用クッション400によれば、フィット感を向上させて、ドライバーの疲労を軽減し得る。特に上記の範囲の25%圧縮硬度とすれば、適度な沈み込みによりさらなるフィット感の向上を得ることができる。
【0041】
ここで、
図4、
図5の実施形態において説明したエルゴ部を用いた構成は、他の実施形態においても適用可能である。例えば、
図2A、
図2Bに示した例で、凸部102をエルゴ部としても良く、さらなる体圧分散効果を得ることができる。また、例えば、
図3A、
図3Bに示した例で、凸部202をエルゴ部としても良く、さらなる体圧分散効果を得ることができる。また、例えば、
図7に示した例で、面401側をエルゴ部で構成することもでき、この場合もさらなる体圧分散効果を得ることができる。
【0042】
本開示におけるドライバー用クッションに用いるウレタンとしては、膜有りウレタンを用いることができ、あるいは、除膜ウレタンを用いることもできる。膜有りウレタンは、ウレタンのセル骨格に膜を有するため、通気性が低く、運転中の熱蒸れにより不快と感じる場合がある。そこで、除膜ウレタンを用いることで通気性を向上し熱蒸れを抑制することができる。上記のエルゴ部を有する構成と、除膜ウレタンを用いることとを同時に行うことも好ましい。ウレタンの細孔(セルサイズ)を大きくするとさらに高通気化することができる。
【0043】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、
図2A、
図2B、
図3A、
図3Bに示した例では、一対の凸部102、202は、対称な構成としていたが、非対称な構成としても良い。これにより、例えば肩甲骨周辺や腰椎周辺に歪み(左右非対称)等がある場合など、さらに個人にカスタマイズしたものとすることができる。例えば、左右で径や高さを変更したり、25%圧縮硬度を変えたりすることができる。また、
図2A、
図2B、
図3A、
図3Bに示した例では、ドライバーシートの背面部に配置し又は取り付ける例(背面の単一品の例)を示したが、ドライバーシートの座面部やヘッドレストまでつながるクッションの一部として、背面部に対応する部分の構成が上記の実施形態のものであっても良い(複合品の一部)。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本開示のドライバー用クッションは、乗用車のドライバー用クッションとして好適であるが、トラック、バス等の大型車両等、様々な車両のドライバー用クッションとして用いることができる。
【符号の説明】
【0045】
1:ドライバーシート、 2:座面部、 3:背面部、
4:ヘッドレスト、 100:ドライバー用クッション、
101:基部、 102:凸部、 200:ドライバー用クッション、
201:基部、 202:凸部、 300:ドライバー用クッション、
301:高硬度の層、 302:低硬度の層、 400:ドライバー用クッション