(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173558
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】半導体デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20241205BHJP
H01L 21/768 20060101ALN20241205BHJP
【FI】
H01L27/04 C
H01L21/90 B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023123065
(22)【出願日】2023-07-28
(31)【優先権主張番号】10-2023-0069130
(32)【優先日】2023-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523287160
【氏名又は名称】ピコ セミコンダクター インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PICO SEMICONDUCTOR INC.
【住所又は居所原語表記】306ho, 103dong, 88, Sinwon-ro, Yeongtong-gu, Suwon-si, Gyeonggi-do 16681 Republic of korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム・ヨンクク
(72)【発明者】
【氏名】ペク・キジュ
【テーマコード(参考)】
5F033
5F038
【Fターム(参考)】
5F033HH04
5F033HH08
5F033HH11
5F033RR03
5F033RR06
5F033RR30
5F033XX03
5F033XX19
5F038AC04
5F038AC05
5F038AC10
5F038AC15
5F038CA02
5F038CA07
5F038CD03
5F038CD14
(57)【要約】 (修正有)
【課題】半導体基板上で互いに離隔して形成された複数の2キャパシタ構造体を含む半導体デバイスを提示する。
【解決手段】第1キャパシタ構造体CAP1は、半導体基板に形成された第1トレンチT1と、第1トレンチに配置される第1~第3電極層E1~E3と、半導体基板および第1~第3電極層とインターレース(interlace)構造で配置される第1~第3誘電層をD1~D6含み、第2キャパシタ構造体CAP2は、半導体基板に形成された第2トレンチT2と、第2トレンチに配置される第4~第6電極層E4~E6と、半導体基板および第4~第6電極層とインターレース(interlace)構造で配置される第4~第6誘電層D4~D6を含み、第1、第2キャパシタ構造体の間には、第1キャパシタ構造体を構成する各エレメントと、第2キャパシタ構造体を構成する各エレメント間の連結が遮断される連結遮断領域CBAが形成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上で互いに離隔して形成された第1および第2キャパシタ構造体を含む半導体デバイスであって、
前記第1キャパシタ構造体は、前記半導体基板に形成された第1トレンチと、前記第1トレンチに配置される第1~第3電極層と、前記半導体基板および前記第1~第3電極層とインターレース(interlace)構造で配置される第1~第3誘電層を含み、
前記第2キャパシタ構造体は、前記半導体基板に形成された第2トレンチと、前記第2トレンチに配置される第4~第6電極層と、前記半導体基板および前記第4~第6電極層とインターレース(interlace)構造で配置される第4~第6誘電層を含み、
前記第1および第2キャパシタ構造体の間には、前記第1キャパシタ構造体を構成する各エレメントと、前記第2キャパシタ構造体を構成する各エレメント間の連結が遮断される連結遮断領域が形成されていることを特徴とする、半導体デバイス。
【請求項2】
前記第1キャパシタ構造体を構成する各エレメントと、前記第2キャパシタ構造体を構成する各エレメントのうち互いに対応するエレメントは同一の半導体工程を通じて形成されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記半導体基板、前記第1誘電層および前記第1電極層は前記第1キャパシタ構造体の第1サブキャパシタ構造体を構成し、前記第1電極層、前記第2誘電層および前記第2電極層は前記第1キャパシタ構造体の第2サブキャパシタ構造体を構成し、前記第2電極層、前記第3誘電層および前記第3電極層は前記第1キャパシタ構造体の第3サブキャパシタ構造体を構成し、
前記半導体基板、前記第4誘電層および前記第4電極層は前記第2キャパシタ構造体の第4サブキャパシタ構造体を構成し、前記第4電極層、前記第5誘電層および前記第5電極層は前記第2キャパシタ構造体の第5サブキャパシタ構造体を構成し、前記第5電極層、前記第6誘電層および前記第6電極層は前記第2キャパシタ構造体の第6サブキャパシタ構造体を構成し、
前記半導体デバイスは、前記第1~第6サブキャパシタ構造体の中で選択された複数のサブキャパシタ構造体の並列連結を提供するために、またはそれぞれのサブキャパシタ構造体が単独のキャパシタとして機能するようにするために、前記半導体基板および前記第1~第6電極層に連結される連結構造体をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記連結構造体は、前記第1および第4サブキャパシタ構造体の並列連結と、前記第2および第5サブキャパシタ構造体の並列連結と、前記第3および第6サブキャパシタ構造体の並列連結を提供するためのコンタクト-メタル構造を含むことを特徴とする、請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記連結構造体は、前記第1~第6サブキャパシタ構造体の中で選択されたN個のサブキャパシタ構造体の並列連結を提供し、残りのM個のサブキャパシタ構造体が単独のキャパシタとして機能するようにするためのコンタクト-メタル構造を含むことを特徴とする、請求項3に記載の半導体デバイス(NおよびMは自然数、N≧2、N+M=6)。
【請求項6】
前記第1~第6誘電層それぞれは、前記第1~第6サブキャパシタ構造体に印加される電圧により予め定義された電圧プロファイルに対応する厚さプロファイルを有することにより、前記第1および第2キャパシタ構造体には異なる電圧値を有する複数の電圧が印加され得るように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記半導体基板自体が高濃度ドーピングされて(highly doped)前記第1および第2キャパシタ構造体に対する共通接地電極(Common Ground Electrode)を構成することを特徴とする、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記半導体基板上で第1方向を基準として、前記第1トレンチは第1長さを有し、前記第2トレンチは前記第1長さより大きい第2長さを有することを特徴とする、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記第1方向または前記第2方向を基準として、前記半導体基板の少なくとも一部分には、前記第1および第2トレンチが互いに交互に配置されて前記半導体基板上での前記第1および第2トレンチの配置構造は不規則性を有することを特徴とする、請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記半導体デバイスは第1トレンチモジュールを含むものの、前記第1トレンチモジュールは、前記第2トレンチと、前記第1方向と垂直な第2方向を基準として前記第2トレンチの両側にそれぞれ配置される前記第1トレンチを含むことを特徴とする、請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記半導体デバイスは第2トレンチモジュールを含むものの、前記第2トレンチモジュールは、前記第1トレンチと、前記第2方向を基準として前記第1トレンチの両側にそれぞれ配置される前記第2トレンチを含むことを特徴とする、請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
前記第1トレンチモジュールおよび前記第2トレンチモジュールは前記第2方向を基準として隣接して配置され、前記隣接して配置された前記第1トレンチモジュールおよび前記第2トレンチモジュールが複合トレンチモジュールと定義される時、前記第1方向または前記第2方向を基準として前記複合トレンチモジュールの一側には前記第1トレンチモジュールが追加に配置されるものの、前記追加に配置された第1トレンチモジュールは前記第2方向を長さ方向に有する特徴とする、請求項11に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
半導体基板に形成されたトレンチによって区画される第1および第2メッシュ構造(MESH Structure)を含む半導体デバイスであって、
前記トレンチには、複数の電極層と、前記半導体基板および前記複数の電極層とインターレース(interlace)構造で配置される一つ以上の誘電層が配置され、
前記第1および第2メッシュ構造は、少なくとも部分的に、前記第1および第2メッシュ構造の下部に行くほど幅が狭くなるテーパ部分をそれぞれ含むことを特徴とする、半導体デバイス。
【請求項14】
前記複数の電極層および前記一つ以上の誘電層が積層された前記トレンチの内部には、前記テーパ部分に対応する幅プロファイルを有しストレス緩和(Stress Relief)のためのボイド(Void)が形成されることを特徴とする、請求項13に記載の半導体デバイス。
【請求項15】
前記ボイドは、前記トレンチに配置された複数の電極層のうち最外郭電極層のみによって閉鎖されて形成される自由空間であることを特徴とする、請求項14に記載の半導体デバイス。
【請求項16】
前記最外郭電極層は前記トレンチの底面、第1側壁および第2側壁に沿って配置され、前記第1側壁に沿って配置された前記最外郭電極層と前記第2側壁に沿って配置された前記最外郭電極層が前記テーパ部分によって前記テーパ部分の上側で接触されることにより、前記トレンチの上部開口が閉鎖されて前記ボイドが形成されることを特徴とする、請求項15に記載の半導体デバイス。
【請求項17】
前記ボイドは、前記テーパ部分の上側での前記最外郭電極層の接触によって、前記半導体デバイスに適用される層間誘電体(ILD:Inter-Layer Dielectrics)と独立的に形成されることを特徴とする、請求項16に記載の半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体デバイスに関し、より詳細には、トレンチキャパシタを有する半導体デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
バイパスキャパシタ(By-pass Capacitor)またはデカップリングキャパシタ(Decoupling Capacitor)などとして応用される大容量キャパシタのIC集積化は重要な課題であって、大容量キャパシタを具現するための一環としてMLCC(Multi Layer Ceramic Capacitor)およびSLC(Single Layer Capacitor)の需要が増加するとともに、MLCCおよびSLC対比蓄電性能および信頼度が優秀であり集積化が可能なトレンチキャパシタの研究開発が持続的に進行されている。
【0003】
トレンチキャパシタは半導体基板上に形成されるトレンチを通じてキャパシタを具現するという点で、スタックキャパシタ対比段差の問題なく十分な静電容量を確保できる長所があるため、最近では段差の問題なく十分な静電容量を確保できるトレンチキャパシタが主に利用されている。
【0004】
本発明の背景技術は大韓民国公開特許公報第10-2005-0054637号(2005.06.10.公開)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報第10-2005-0054637号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一側面に係る目的は、複数のトレンチキャパシタを有する半導体デバイス(例:集積回路(IC))において、トレンチキャパシタの活用性を拡張し、トレンチキャパシタの工程過程で半導体基板に印加されるストレスによって引き起こされるSticking問題、Warpage問題および基板のクラック問題が除去され得る半導体デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は半導体基板上で互いに離隔して形成された第1および第2キャパシタ構造体を含む半導体デバイスを提示し、前記第1キャパシタ構造体は、前記半導体基板に形成された第1トレンチと、前記第1トレンチに配置される第1~第3電極層と、前記半導体基板および前記第1~第3電極層とインターレース(interlace)構造で配置される第1~第3誘電層を含み、前記第2キャパシタ構造体は、前記半導体基板に形成された第2トレンチと、前記第2トレンチに配置される第4~第6電極層と、前記半導体基板および前記第4~第6電極層とインターレース(interlace)構造で配置される第4~第6誘電層を含み、前記第1および第2キャパシタ構造体の間には、前記第1キャパシタ構造体を構成する各エレメントと、前記第2キャパシタ構造体を構成する各エレメント間の連結が遮断される連結遮断領域が形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明において、前記第1キャパシタ構造体を構成する各エレメントと、前記第2キャパシタ構造体を構成する各エレメントのうち互いに対応するエレメントは同一の半導体工程を通じて形成されることを特徴とする。
【0009】
本発明において、前記半導体基板、前記第1誘電層および前記第1電極層は前記第1キャパシタ構造体の第1サブキャパシタ構造体を構成し、前記第1電極層、前記第2誘電層および前記第2電極層は前記第1キャパシタ構造体の第2サブキャパシタ構造体を構成し、前記第2電極層、前記第3誘電層および前記第3電極層は前記第1キャパシタ構造体の第3サブキャパシタ構造体を構成し、前記半導体基板、前記第4誘電層および前記第4電極層は前記第2キャパシタ構造体の第4サブキャパシタ構造体を構成し、前記第4電極層、前記第5誘電層および前記第5電極層は前記第2キャパシタ構造体の第5サブキャパシタ構造体を構成し、前記第5電極層、前記第6誘電層および前記第6電極層は前記第2キャパシタ構造体の第6サブキャパシタ構造体を構成し、前記半導体デバイスは、前記第1~第6サブキャパシタ構造体の中で選択された複数のサブキャパシタ構造体の並列連結を提供するために、またはそれぞれのサブキャパシタ構造体が単独のキャパシタとして機能するようにするために、前記半導体基板および前記第1~第6電極層に連結される連結構造体をさらに含むことを特徴とする。
【0010】
本発明において、前記連結構造体は、前記第1および第4サブキャパシタ構造体の並列連結と、前記第2および第5サブキャパシタ構造体の並列連結と、前記第3および第6サブキャパシタ構造体の並列連結を提供するためのコンタクト-メタル構造を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明において、前記連結構造体は、前記第1~第6サブキャパシタ構造体の中で選択されたN個のサブキャパシタ構造体の並列連結を提供し、残りのM個のサブキャパシタ構造体が単独のキャパシタとして機能するようにするためのコンタクト-メタル構造を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明において、前記第1~第6誘電層それぞれは、前記第1~第6サブキャパシタ構造体に印加される電圧により予め定義された電圧プロファイルに対応する厚さプロファイルを有することにより、前記第1および第2キャパシタ構造体には異なる電圧値を有する複数の電圧が印加され得るように構成されることを特徴とする。
【0013】
本発明において、前記半導体基板自体が高濃度ドーピングされて(highly doped)前記第1および第2キャパシタ構造体に対する共通接地電極(Common Ground Electrode)を構成することを特徴とする。
【0014】
本発明において、前記半導体基板上で第1方向を基準として、前記第1トレンチは第1長さを有し、前記第2トレンチは前記第1長さより大きい第2長さを有することを特徴とする。
【0015】
本発明において、前記第1方向または前記第2方向を基準として、前記半導体基板の少なくとも一部分には、前記第1および第2トレンチが互いに交互に配置されて前記半導体基板上での前記第1および第2トレンチの配置構造は不規則性を有することを特徴とする。
【0016】
本発明において、前記半導体デバイスは第1トレンチモジュールを含むものの、前記第1トレンチモジュールは、前記第2トレンチと、前記第1方向と垂直な第2方向を基準として前記第2トレンチの両側にそれぞれ配置される前記第1トレンチを含むことを特徴とする。
【0017】
本発明において、前記半導体デバイスは第2トレンチモジュールを含むものの、前記第2トレンチモジュールは、前記第1トレンチと、前記第2方向を基準として前記第1トレンチの両側にそれぞれ配置される前記第2トレンチを含むことを特徴とする。
【0018】
本発明において、前記第1トレンチモジュールおよび前記第2トレンチモジュールは前記第2方向を基準として隣接して配置され、前記隣接して配置された前記第1トレンチモジュールおよび前記第2トレンチモジュールが複合トレンチモジュールと定義される時、前記第1方向または前記第2方向を基準として前記複合トレンチモジュールの一側には前記第1トレンチモジュールが追加に配置されるものの、前記追加に配置された第1トレンチモジュールは前記第2方向を長さ方向に有することを特徴とする。
【0019】
本発明は半導体基板に形成されたトレンチによって区画される第1および第2メッシュ構造(MESH Structure)を含む半導体デバイスを提示し、前記トレンチには、複数の電極層と、前記半導体基板および前記複数の電極層とインターレース(interlace)構造で配置される一つ以上の誘電層が配置され、前記第1および第2メッシュ構造は、少なくとも部分的に、前記第1および第2メッシュ構造の下部に行くほど幅が狭くなるテーパ部分をそれぞれ含むことを特徴とする。
【0020】
本発明において、前記複数の電極層および前記一つ以上の誘電層が積層された前記トレンチの内部には、前記テーパ部分に対応する幅プロファイルを有しストレス緩和(Stress Relief)のためのボイド(Void)が形成されることを特徴とする。
【0021】
本発明において、前記ボイドは、前記トレンチに配置された複数の電極層のうち最外郭電極層のみによって閉鎖されて形成される自由空間であることを特徴とする。
【0022】
本発明において、前記最外郭電極層は前記トレンチの底面、第1側壁および第2側壁に沿って配置され、前記第1側壁に沿って配置された前記最外郭電極層と前記第2側壁に沿って配置された前記最外郭電極層が前記テーパ部分によって前記テーパ部分の上側で接触されることにより、前記トレンチの上部開口が閉鎖されて前記ボイドが形成されることを特徴とする。
【0023】
本発明において、前記ボイドは、前記テーパ部分の上側での前記最外郭電極層の接触によって、前記半導体デバイスに適用される層間誘電体(ILD:Inter-Layer Dielectrics)と独立的に形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、複数のトレンチキャパシタを有する半導体デバイス(例:集積回路(IC))において、トレンチキャパシタの活用性を拡張し、トレンチキャパシタの工程過程で半導体基板に印加されるストレスによって引き起こされるSticking問題、Warpage問題および基板のクラック問題が除去され得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本実施例に係る半導体デバイスでキャパシタ構造体を示した断面図である。
【
図2】本実施例に係る半導体デバイスで第1および第2キャパシタ構造体を示した断面図である。
【
図3A】本実施例に係る半導体デバイスで連結構造体の具現方式によりサブキャパシタ構造体が結線される方式を示した回路図である。
【
図3B】本実施例に係る半導体デバイスで連結構造体の具現方式によりサブキャパシタ構造体が結線される方式を示した回路図である。
【
図3C】本実施例に係る半導体デバイスで連結構造体の具現方式によりサブキャパシタ構造体が結線される方式を示した回路図である。
【
図3D】本実施例に係る半導体デバイスで連結構造体の具現方式によりサブキャパシタ構造体が結線される方式を示した回路図である。
【
図3E】本実施例に係る半導体デバイスで連結構造体の具現方式によりサブキャパシタ構造体が結線される方式を示した回路図である。
【
図3F】本実施例に係る半導体デバイスで連結構造体の具現方式によりサブキャパシタ構造体が結線される方式を示した回路図である。
【
図4A】本実施例に係る半導体デバイスでトレンチ配列を示した例示図である。
【
図4B】本実施例に係る半導体デバイスでトレンチ配列を示した例示図である。
【
図5A】本実施例に係る半導体デバイスでメッシュ構造のテーパ部分とボイドを示した断面図である。
【
図5B】本実施例に係る半導体デバイスでメッシュ構造のテーパ部分とボイドを示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付された図面を参照して本発明に係る半導体デバイスを説明する。この過程で図面に図示された線の厚さや構成要素の大きさなどは、説明の明瞭性と便宜上誇張して図示されている場合もある。また、後述される用語は本発明での機能を考慮して定義された用語であって、これは使用者、運用者の意図または慣例により変わり得る。したがって、このような用語に対する定義は本明細書全般に亘った内容に基づいて下されるべきである。
【0027】
本明細書に表記された層、膜、領域、板などの部分が他の部分「の上に」または「上に」あるとする時、これは他の部分の「真上に」ある場合だけでなくその中間にさらに他の部分がある場合も含む。その反対に或る部分が他の部分の「真上に」あるとする時には中間に他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分「の上に」または「上に」あるとは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の反対方向側に「の上に」または「上に」位置することを意味するものではない。
【0028】
また、明細書全体で、或る部分が何らかの構成要素を「含む」とする時、これは特に反対の記載がない限り他の構成要素を除くものではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0029】
また、明細書全体で、「平面上」とする時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上」とする時、これは対象部分を垂直に切った断面を横から見た時を意味する。
【0030】
また、明細書全体で、「連結される」とする時、これは二以上の構成要素が直接的に連結されることのみを意味するものではなく、二以上の構成要素が他の構成要素を通じて間接的に連結されること、物理的に連結されることだけでなく電気的に連結されること、または位置や機能により異なる名称で指称されたが一体であるものを意味し得る。
【0031】
また、「第1」または「第2」等が多様な構成要素を叙述するために使われるが、このような構成要素は前記のような用語によって制限されない。前記のような用語は単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使われ得る。したがって、以下で言及される第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素であってもよい。
【0032】
図1は本実施例に係る半導体デバイスでキャパシタ構造体を示した断面図であり、
図2は本実施例に係る半導体デバイスで第1および第2キャパシタ構造体を示した断面図であり、
図3は、本実施例に係る半導体デバイスで連結構造体の具現方式によりサブキャパシタ構造体が結線される方式を示した回路図であり、
図4は本実施例に係る半導体デバイスでトレンチ配列を示した例示図であり、
図5は本実施例に係る半導体デバイスでメッシュ構造のテーパ部分とボイドを示した断面図である。
【0033】
1.キャパシタ構造体
【0034】
図1を参照すると、本実施例のキャパシタ構造体(Capacitor Structure)CAP1は半導体基板Sに形成されたトレンチT1と、トレンチT1に配置される複数の電極層E1-E3と、半導体基板Sおよび複数の電極層E1-E3とインターレース(interlace)構造で配置される一つ以上の誘電層D1-D3を含む構造と定義され得る。
【0035】
半導体基板SはNタイプシリコン基板(N Type Substrate)であり得、N型ドーパントによって高濃度ドーピングされることにより(N++ highly doped)半導体基板S自体がキャパシタ構造体CAP1に対する接地電極(Ground Electrode)で構成され得る。半導体基板Sに形成されるトレンチT1はディップトレンチ(Deep Trench)に該当し得、10μmまたは100μm以上の深さを有する高段差(high aspect ratio)で形成され得る。各電極層E1-E3はNタイプドーピングされたポリシリコン(N+Doping Polysilicon)で形成され得るがこれに限定されず、金属性材料(銅またはアルミニウムなど)で形成されてもよい。各誘電層D1-D3はSiN、BaTiO3、PZT、Al2O3、Ta2O3、HfO2のような高密度誘電体およびHigh-K誘電体物質で構成され得る。
【0036】
キャパシタ構造体CAP1が複数の電極層E1-E3と一つ以上の誘電層D1-D3のインターレース構造で積層されて形成されることにより、キャパシタ構造体CAP1は複数のサブキャパシタ構造体SCAP1-SCAP3を含むように構成され得る。
図1は三個の電極層E1-E3と三個の誘電層D1-D3がインターレース構造で積層されてキャパシタ構造体CAP1が構成された例示を示しており、すなわち
図1のキャパシタ構造体CAP1は半導体基板S、第1誘電層D1、第1電極層E1、第2誘電層D2、第2電極層E2、第3誘電層D3および第3電極層E3の順で積層される構造を有する。半導体基板Sおよび第1電極層E1は第1誘電層D1により絶縁され、第1電極層E1および第2電極層E2は第2誘電層D2により絶縁され、第2電極層E2および第3電極層E3は第3誘電層D3により絶縁される。実施例の理解を助けるために本実施例ではキャパシタ構造体CAP1が三個の電極層E1-E3と三個の誘電層D1-D3を含むものとして説明する。
【0037】
半導体基板S、第1誘電層D1および第1電極層E1はキャパシタ構造体CAP1の第1サブキャパシタ構造体SCAP1を構成し、第1電極層E1、第2誘電層D2および第2電極層E2はキャパシタ構造体CAP1の第2サブキャパシタ構造体SCAP2を構成し、第2電極層E2、第3誘電層D3および第3電極層E3はキャパシタ構造体CAP1の第3サブキャパシタ構造体SCAP3を構成する。半導体基板Sが接地され、第1~第3電極層E1-E3に後述する連結構造体(Interconnection Structure)を通じて電圧が印加されることによって第1~第3サブキャパシタ構造体SCAP1-SCAP3はそれぞれキャパシタとして動作することができる。説明の便宜のために、以下では、第1~第3サブキャパシタ構造体SCAP1-SCAP3の積層構造上での位置をレベル1~レベル3(LV1-LV3)で表記する。
【0038】
2.連結遮断領域および連結構造体
【0039】
本実施例の半導体デバイスは半導体基板S上で互いに離隔して形成された複数のキャパシタ構造体を含むように構成される。
図2に図示されたように、複数のキャパシタ構造体のうち互いに隣接した二つのキャパシタ構造体を第1および第2キャパシタ構造体CAP1、CAP2と定義し、第1および第2キャパシタ構造体CAP1、CAP2は同一の積層構造および材料を有するように構成される。
図1および
図2の例示によりキャパシタ構造体CAP1、CAP2が三個の電極層(E1-E3/E4-E6)および三個の誘電層(D1-D3/D4-D6)を含むものとして説明し、用語の明確な区分のために、第1キャパシタ構造体CAP1に対して第1トレンチT1、第1~第3誘電層D1-D3、第1~第3電極層E1-E3の用語を使い、第2キャパシタ構造体CAP2に対して第2トレンチT2、第4~第6誘電層D4-D6、第4~第6電極層E4-E6の用語を使う。そして、第1キャパシタ構造体CAP1の第1トレンチT1と第2キャパシタ構造体CAP2の第2トレンチT2の間に位置した半導体基板Sの突出部分(すなわち、第1および第2トレンチT1、T2を区画する半導体基板Sの突出部分)をメッシュ構造(MESH Structure)と定義する(実施例の理解を助けるために
図2には後述するメッシュ構造のテーパ部分は図示していない)。一方、第1および第2キャパシタ構造体CAP1、CAP2は半導体基板Sを共通接地電極(Common Ground Electrode)で共有する。
【0040】
これに伴い、半導体基板S、第1誘電層D1および第1電極層E1は第1キャパシタ構造体CAP1の第1サブキャパシタ構造体SCAP1を構成し、第1電極層E1、第2誘電層D2および第2電極層E2は第1キャパシタ構造体CAP1の第2サブキャパシタ構造体サブキャパシタ構造体SCAP2を構成し、第2電極層E2、第3誘電層D3および第3電極層E3は第1キャパシタ構造体CAP1の第3サブキャパシタ構造体SCAP3を構成する。
【0041】
同様に、半導体基板S、第4誘電層D4および第4電極層E4は第2キャパシタ構造体CAP2の第4サブキャパシタ構造体SCAP4を構成し、第4電極層E4、第5誘電層D5および第5電極層E5は第2キャパシタ構造体CAP2の第5サブキャパシタ構造体SCAP5を構成し、第5電極層E5、第6誘電層D6および第6電極層E6は第2キャパシタ構造体CAP2の第6サブキャパシタ構造体SCAP6を構成する。
【0042】
図2に図示されたように、第1および第2キャパシタ構造体CAP1、CAP2の間には、第1キャパシタ構造体CAP1を構成する各エレメント(すなわち、第1~第3誘電層D1-D3、第1~第3電極層E1-E3)と、第2キャパシタ構造体CAP2を構成する各エレメント(すなわち、第4~第6誘電層D4-D6、第4~第6電極層E4-E6)間の連結が遮断される連結遮断領域(CBA:Connection Blocking Area)が形成される。
【0043】
連結遮断領域CBAは前述した第1~第6サブキャパシタ構造体SCAP1-SCAP6の中で選択された複数のサブキャパシタ構造体を並列連結させるか、それぞれのサブキャパシタ構造体を単独のキャパシタで動作させるための基盤構造として機能する。本実施例の半導体デバイスが統合される集積回路(IC)を基準として、集積回路別に要求されるキャパシタンスが異なり得、同じ集積回路でも集積回路が適用されるアプリケーション(Application)によっては該当集積回路の動作に複数のキャパシタンスが要求されることもあり、複数の動作電圧が適用された集積回路も複数のキャパシタンスが該当集積回路の動作に要求され得る。
【0044】
このような集積回路への適用拡張のために、本実施例は第1および第2キャパシタ構造体CAP1、CAP2の各エレメントが互いに連結される構造ではなく、第1キャパシタ構造体CAP1を構成する各エレメントと、第2キャパシタ構造体CAP2を構成する各エレメント間の連結を遮断する構造を採用する。すなわち、連結遮断領域CBAにより、第1および第4電極層E1、E4間、第2および第5電極層E2、E5間、第3および第6電極層E3、E6間、第1および第4誘電層D1、D4間、第2および第5誘電層D2、D5間、第3および第6誘電層D3、D6間の連結が遮断される。
【0045】
第1および第2キャパシタ構造体CAP1、CAP2の工程に関連して、第1キャパシタ構造体CAP1を構成する各エレメントと、第2キャパシタ構造体CAP2を構成する各エレメントのうち互いに対応するエレメントは同一の半導体工程を通じて形成され得る。すなわち、連結遮断領域CBAがマスキングされた状態で、第1および第2トレンチT1、T2に対する「第1工程(誘電層蒸着による第1および第4誘電層D1、D4同時形成)」、「第2工程(電極層蒸着による第1および第4電極層E1、E4同時形成)」、「第3工程(誘電層蒸着による第2および第5誘電層D2、D5同時形成)」、「第4工程(電極層蒸着による第2および第5電極層E2、E5同時形成)」、「第5工程(誘電層蒸着による第3および第6誘電層D3、D6同時形成)」、「第6工程(電極層蒸着による第3および第6電極層E3、E6同時形成)」が順次遂行されることによって、連結遮断領域CBAが形成されるとともに各キャパシタ構造体CAP1、CAP2の各エレメントが形成され得る。また、第1工程を通じて第1および第4誘電層D1、D4が同時形成されることによって第1および第4誘電層D1、D4は同一の第1厚さを有し、第3工程を通じて第2および第5誘電層D2、D5が同時形成されることによって第2および第5誘電層D2、D5は同一の第2厚さを有し、第5工程を通じて第3および第6誘電層D3、D6が同時形成されることによって第3および第6誘電層D3、D6は同一の第3厚さを有する。前記の第1~第3厚さは半導体デバイスの厚さプロファイルを構成し、このような厚さプロファイル(すなわち、第1~第3厚さの値)は第1~第6サブキャパシタ構造体SCAP1-SCAP6に印加される電圧により予め定義されていてもよい。前記の厚さプロファイルを有する各誘電層D1-D6により、第1および第2キャパシタ構造体には異なる電圧値を有する複数の電圧が印加され得るように構成される。
【0046】
連結構造体は第1~第6サブキャパシタ構造体SCAP1-SCAP6の中で選択された複数のサブキャパシタ構造体の並列連結を提供するために、またはそれぞれのサブキャパシタ構造体が単独のキャパシタとして機能するようにするために、半導体基板Sおよび第1~第6電極層E1-E6に連結されるように構成される。このために、連結構造体は半導体基板Sと第1~第6電極層E1-E6にそれぞれ連結されるコンタクト(Contact)CS、C1-C6と、複数のサブキャパシタ構造体の並列連結を構成するための金属配線(MI:Metal Interconnection)を含むことができる(構成の明確な図示のために金属配線は図面で省略したし、
図3による電極層の結線方式により物理的な金属配線が具現され得る)(それぞれのサブキャパシタ構造体を単独のキャパシタで機能させる場合、それぞれのコンタクト(およびコンタクトと連結されるコンタクトパッド(図示されず))が集積回路に統合されるPCBに直接連結される構造が適用され得るため、金属配線は省略され得る)。
【0047】
連結構造体による各サブキャパシタ構造体の連結方式は、i)各サブキャパシタ構造体を単独のキャパシタとして使う方式(以下、単独方式)、ii)サブキャパシタ構造体に対して複数の並列連結構造を設ける方式(以下、複数の並列連結方式)、iii)サブキャパシタ構造体の並列連結と単独使用を混合する方式(以下、混合方式)が考慮され得る。それぞれの場合について具体的に説明する。
【0048】
(1)単独方式
【0049】
前述したように、単独方式の場合、それぞれのコンタクト(およびコンタクトと連結されるコンタクトパッド)が集積回路に統合されるPCBに直接連結される構造が適用され得るため金属配線は省略され得、これに伴い、連結構造体は半導体基板Sと第1~第6電極層E1-E6にそれぞれ連結されるコンタクトCS、C1-C6、そしてコンタクトCS、C1-C6と連結されるコンタクトパッドで構成され得る。
【0050】
一方、第1~第6サブキャパシタ構造体SCAP1-SCAP6には同一電圧V1が印加されるように構成され得る(
図3A)。この場合、第1~第6誘電層D1-D6はすべて同じ厚さで構成され得る。
【0051】
第1~第6サブキャパシタ構造体SCAP1-SCAP6には異なる電圧V1-V3が印加されるように構成されてもよい(
図3B)。例えば、第1および第4サブキャパシタ構造体SCAP1、SCAP4には第1電圧V1(例:1.2V)が印加され、第2および第5キャパシタ構造体SCAP2、SCAP5には第1電圧V1と異なる第2電圧V2(例:1.8V)が印加され、第3および第6キャパシタ構造体SCAP3、SCAP6には第1および第2電圧V1、V2と異なる第3電圧V3(例:3.3V)が印加されるように構成され得る。これに伴い、第1および第4誘電層D1、D4は第1電圧V1に対する耐電圧性を有する第1厚さを有するように構成され得、第2および第5誘電層D2、D5は第2電圧V2に対する耐電圧性を有する第2厚さ(>第1厚さ)を有するように構成され得、第3および第6誘電層D3、D6は第3電圧V3に対する耐電圧性を有する第3厚さ(>第2厚さ)を有するように構成され得る。このような電圧プロファイルによる誘電層の厚さプロファイルは本明細書で記述されるキャパシタ構造体に共通して適用される。
【0052】
(2)複数の並列連結方式
【0053】
連結構造体は第1および第4サブキャパシタ構造体SCAP1、SCAP4の並列連結と、第2および第5サブキャパシタ構造体SCAP2、SCAP5の並列連結と、第3および第6サブキャパシタ構造体SCAP3、SCAP6の並列連結を提供するためのコンタクト-メタル構造を含むことができる。これは第1および第4電極層E1、E4のコンタクト-メタル連結、第2および第5電極層E2、E5のコンタクト-メタル連結、第3および第6電極層E3、E6のコンタクト-メタル連結を通じて具現され得る。単独方式の場合と同様に、第1~第6サブキャパシタ構造体SCAP1-SCAP6には同一電圧V1が印加されるように構成されてもよく(
図3C)、異なる電圧V1-V3が印加されるように構成されてもよい(
図3D)。複数の並列連結方式の場合、単独方式の場合に対比レベル1~レベル3(LV1-LV3)の各レベルでのキャパシタンスが増加し得る。
【0054】
一方、第1~第6サブキャパシタ構造体SCAP1-SCAP6に同一電圧V1が印加されるように構成される場合、
図3Eに図示されたように、第1および第4電極層E1、E4と第3および第6電極層E3、E6をすべて連結するコンタクト-メタル連結構造が採用されてもよい。この場合、第2および第5サブキャパシタ構造体SCAP2、SCAP5の並列連結によるキャパシタと、第3および第6サブキャパシタ構造体SCAP3、SCAP6の並列連結によるキャパシタが再び並列連結される構造が設けられてレベル2およびレベル3(LV2、LV3)でのキャパシタンスがさらに増加し得る。
【0055】
(3)混合方式
【0056】
連結構造体は、第1~第6サブキャパシタ構造体SCAP1-SCAP6の中で選択されたN個のサブキャパシタ構造体の並列連結を提供し、残りのM個のサブキャパシタ構造体が単独のキャパシタとして機能するようにするためのコンタクト-メタル構造を含むことができる(ここで、NおよびMは自然数、N≧2、N+M=6)。
図3Fは第2および第3サブキャパシタ構造体SCAP2、SCAP3が並列連結され、第5および第6サブキャパシタ構造体SCAP5、SCAP6が並列連結され、第1および第4サブキャパシタ構造体SCAP1、SCAP4が単独のキャパシタで機能する例示を示している(すなわち、N=4、M=2)。
【0057】
前述した連結遮断領域CBAと連結構造体を採用することによって、複数のキャパシタ構造体が設けられた半導体デバイスにおいて集積回路への適用拡張性を確保することができる。
【0058】
3.トレンチ配列
【0059】
前述したように、本実施例のトレンチはディップトレンチで具現され得、ディップトレンチの高段差によって半導体基板Sにストレスが印加されることにより、半導体基板S上にトレンチをエッチング(Etching)した後にトレンチを形成する半導体基板Sの側壁が倒れるSticking問題、およびディップトレンチ構造に起因した半導体基板SのWarpageとそれによる基板のクラック(Crack)問題が現れ得る。
【0060】
前記のような問題を解消するために、本実施例では
図4に図示されたようなトレンチ配列を採用する(実施例の理解を助けるために
図4には誘電層および電極層は省略し、トレンチのみを図示した)。
【0061】
図4Aに図示されたように、半導体基板S上で第1方向DIR1を基準として、第1トレンチT1は第1長さを有し、第2トレンチT2は第1長さより大きい第2長さを有することができる(第1トレンチT1は第1キャパシタ構造体CAP1を構成するトレンチに該当し得、第2トレンチT2は第2キャパシタ構造体CAP2を構成するトレンチに該当し得、したがって第1および第2トレンチT1、T2の間の空間は前述した連結遮断領域CBAに該当し得る)。
【0062】
この時、第1方向DIR1または第2方向DIR2を基準として、半導体基板S上の少なくとも一部分には、第1および第2トレンチT1、T2が互いに交互に配置され、半導体基板S上での第1および第2トレンチT1、T2の配置構造は不規則性を有することができる。第1方向DIR1での第1および第2トレンチT1、T2の互いに交互の配置は、例えば
図4Aの「TM1_A」または「TM1_B」のような配置構造であり得、第2方向DIR2での第1および第2トレンチT1、T2の互いに交互の配置は、例えば
図4Aの「TM1」または「TM2」のような配置構造であり得る。このような第1および第2トレンチT1、T2の配置構造は半導体基板S上の全体または一部のトレンチ構造の不規則性を保障する。
【0063】
このような第1および第2トレンチT1、T2に基づいて本実施例では第1および第2トレンチモジュールTM1、TM2が設けられ得る。
【0064】
第1トレンチモジュールTM1は、第2トレンチT2と、第1方向DIR1と垂直な第2方向DIR2を基準として第2トレンチT2の両側にそれぞれ配置される第1トレンチT1を含むことができる。
図4Aに図示されたように、第1トレンチモジュールTM1で、一つの第2トレンチT2の両側にそれぞれ二つの第1トレンチT1が第1方向DIR1に配置され得、第1方向DIR1を基準としてエッジ-アライメント(Edge-Align)されるように構成される。すなわち、第2方向DIR2を基準として長さが異なるトレンチが不規則に配置されることによって半導体基板Sに印加されるストレスが緩和される。
【0065】
第2トレンチモジュールTM2は、第1トレンチT1と、第2方向DIR2を基準として第1トレンチT1の両側にそれぞれ配置される第2トレンチT2を含むことができる。
図4Aに図示されたように、第2トレンチモジュールTM2で、第1方向DIR1に配置された二つの第1トレンチT1の両側にそれぞれ一つの第2トレンチT2が配置され得、第1方向DIR1を基準としてエッジ-アライメント(Edge-Align)されるように構成される。すなわち、第2方向DIR2を基準として長さが異なるトレンチが不規則に配置されることによって半導体基板Sに印加されるストレスが緩和される。
【0066】
第1トレンチモジュールTM1および第2トレンチモジュールTM2は第2方向DIR2を基準として隣接して配置され得、前記隣接して配置された第1トレンチモジュールTM1および第2トレンチモジュールTM2を複合トレンチモジュール(CTM:Complex Trench Module)CTM1と定義する時、第1方向DIR1または第2方向DIR2を基準として複合トレンチモジュールCTM1の一側には第1トレンチモジュールが追加に配置され得る(
図4Aには第1方向DIR1を基準として複合トレンチモジュールCTM1の一側(上側)に追加に配置された第1トレンチモジュールを「TM1_A」で表記し、第2方向DIR2を基準として複合トレンチモジュールCTM1の一側(右側)に追加に配置された第1トレンチモジュールを「TM1_B」で表記した)。
【0067】
この時、追加に配置された第1トレンチモジュールTM1_A、TM1_Bは第2方向DIR2を長さ方向に有するように構成され得る。これに伴い、複合トレンチモジュールCTM1を構成する各トレンチの長さ方向(
図4Aで第1方向DIR1)と、追加に配置された第1トレンチモジュールTM1_A、TM1_Bの長さ方向(
図4Aで第2方向DIR2)が垂直に形成されて、それぞれのトレンチによって半導体基板Sにそれぞれ印加されるストレスが相殺され得る。
【0068】
さらに、前述したように第1方向DIR1または第2方向DIR2を基準として、半導体基板S上の少なくとも一部分には、第1および第2トレンチT1、T2が互いに交互に配置され、半導体基板S上での第1および第2トレンチT1、T2の配置構造は不規則性を有することができる。トレンチ構造の「不規則性」とは、「複合トレンチモジュール」CTM1、CTM2レベルでのトレンチ構造の非対称性(左右非対称性または上下非対称性、および回転非対称性)を意味し得る。
図4Aを基準として、複合トレンチモジュールCTM1は第2方向に対して非対称性を有する(例えば、第1方向を回転軸として複合トレンチモジュールCTM1を第2方向に反転させても、「反転前」の複合トレンチモジュールCTM1と「反転後」の複合トレンチモジュールCTM1は互いに一致しない)。また、
図4Aを基準として、複合トレンチモジュールCTM1は回転非対称性を有する(例えば、複合トレンチモジュールCTM1を回転させても、「回転前」の複合トレンチモジュールCTM1と「回転後」の複合トレンチモジュールCTM1は互いに一致しない)。このような複合トレンチモジュールCTM1の不規則性および非対称性により半導体基板Sに印加されるストレスが緩和され得、複合トレンチモジュールCTM1が不規則性および非対称性を有することにより、半導体基板S上に形成された全体のトレンチ構造も不規則性および非対称性を有するようになる。
【0069】
全体的なトレンチ配列が長方形化されてパターン化され得るように、
図4Aに図示されたように、2個の複合トレンチモジュールCTM1、CTM2、2個の追加の第1トレンチモジュールTM1_A、TM1_Bで構成され得、また、全体的なトレンチ配列が正四角形化されてパターン化され得るように、
図4Aのトレンチ配列に加えて
図4Bに図示されたような追加の複数のトレンチ(T_ADD)が設けられてもよい。
【0070】
4.メッシュ構造のテーパ部分
【0071】
以上では、一つのメッシュ構造を基準として第1および第2キャパシタ構造体CAP1、CAP2が区画される構造にフォーカシングを合わせて本実施例を説明したし、以下では、本実施例で採用された「テーパ部分」を具体的に説明するために、一つのトレンチを基準として二つのメッシュ構造(第1および第2メッシュ構造M1、M2で表記する)が区画される構造にフォーカシングを合わせて本実施例を説明する。以下で説明する構成は、前述した本実施例の構成に共に適用され得ることは言うまでもない。
【0072】
トレンチキャパシタの場合、半導体基板Sの熱膨張係数とトレンチ内に配置される誘電層および電極層の熱膨張係数間の差によって、半導体基板Sには引張(tensile)および圧縮(compressive)応力によるストレスが印加されて半導体基板Sが壊れるクラック問題が発生する。このために、本実施例ではトレンチ内部に自由空間に該当するボイド(Void)Vを形成して、半導体基板Sとトレンチ内部の誘電層および電極層の熱膨張係数差によって発生する引張(tensile)および圧縮(compressive)応力を発散させる空間を形成する(すなわち、ボイドVはストレス緩和(Stress Relief)のための構成として機能する)。
【0073】
具体的には、
図5Aに図示されたように、本実施例の第1および第2メッシュ構造M1、M2は、少なくとも部分的に、第1および第2メッシュ構造M1、M2の下部に行くほど幅が狭くなるテーパ部分TPをそれぞれ含むことができ、
図5Bに図示されたように、トレンチの内部に形成されるボイドVはテーパ部分TPに対応する幅プロファイルを有するように構成され得る。すなわち、第1および第2メッシュ構造M1、M2はテーパ部分TPを基準として、その上端は第1幅W1で形成され、その下端は第1幅W1より小さい第2幅W2で形成される。これに伴い、第1および第2メッシュ構造M1、M2の間に配置されたトレンチは、
図5Bに図示されたように、テーパ部分TPを基準として下端対比上端の幅が小さいように形成される。
【0074】
したがって、
図5Bに図示された通り、トレンチに第1誘電層D1、第1電極層E1、第2誘電層D2、第2電極層E2、第3誘電層D3および第3電極層E3が順次蒸着される時、第1および第2メッシュ構造M1、M2の上端の大きな幅(すなわち、前述した第1幅W1)によりトレンチの上部開口は第3電極層E3の接触によって閉鎖されることになる。これに伴い、テーパ部分TPの下端でボイドVは一定の幅を有し、テーパ部分TPでボイドVの幅はテーパ部分TPの傾斜に対応して減少し、第3電極層E3の接触地点でボイドVは閉鎖される。これに伴い、ボイドVはトレンチに配置された複数の電極層E1-E3のうち第3電極層E3(すなわち、最外郭電極層)のみにより閉鎖されて形成される自由空間で構成される。
【0075】
また、
図5Bに図示されたように、ボイドVはテーパ部分TPの上側での最外郭電極層E3の接触によって閉鎖される構造で形成され、したがって半導体デバイスに適用される層間誘電体(ILD:Inter-Layer Dielectrics)(すなわち、金属配線MIの下のコンタクトレベルの絶縁膜)と独立的に形成され得る。すなわち、半導体基板Sに印加されるストレスの緩和のための空間(すなわち、ボイドV)が形成されて半導体基板Sのクラック問題が解消され得、また、層間誘電体ILDをトレンチ内部に蒸着させてボイドVを形成する付加的な工程なしに、半導体デバイスの製造過程で必然的に伴われる誘電層および電極層の蒸着工程のみでテーパ部分TPにより自然にボイドVが形成され得るため、その製造工程上の簡素化および便宜性が確保され得る。
【0076】
このように本発明に従う時、複数のトレンチキャパシタを有する半導体デバイス(例:集積回路(IC))において、トレンチキャパシタの活用性を拡張し、トレンチキャパシタの工程過程で半導体基板に印加されるストレスによって引き起こされるSticking問題、Warpage問題および基板のクラック問題が除去され得る。
【0077】
本発明は図面に図示された実施例を参照して説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術が属する技術分野で通常の知識を有する者であればこれから多様な変形および均等な他の実施例が可能であるという点が理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は下記の特許請求の範囲によって定められるべきである。
【符号の説明】
【0078】
CAP1、CAP2:第1および第2キャパシタ構造体
SCAP1-SCAP6:第1~第6サブキャパシタ構造体
S:半導体基板
T1、T2:第1および第2トレンチ
D1-D6:第1~第6誘電層
E1-E6:第1~第6電極層
CBA:連結遮断領域
CS、C1-C6:コンタクト
MI:金属配線
TM1、TM1_A、TM1_B:第1トレンチモジュール
TM2:第2トレンチモジュール
CTM、CTM1、CTM2:複合トレンチモジュール
T_ADD:追加の複数のトレンチ
M1、M2:第1および第2メッシュ構造
TP:テーパ部分
V:ボイド
ILD:層間誘電体
【手続補正書】
【提出日】2024-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上で互いに離隔して形成された第1および第2キャパシタ構造体を含む半導体デバイスであって、
前記第1キャパシタ構造体は、前記半導体基板に形成された第1トレンチと、前記第1トレンチに配置される第1~第3電極層と、前記半導体基板および前記第1~第3電極層とインターレース(interlace)構造で配置される第1~第3誘電層を含み、
前記第2キャパシタ構造体は、前記半導体基板に形成された第2トレンチと、前記第2トレンチに配置される第4~第6電極層と、前記半導体基板および前記第4~第6電極層とインターレース(interlace)構造で配置される第4~第6誘電層を含み、
前記第1および第2キャパシタ構造体の間には、前記第1キャパシタ構造体を構成する各エレメントと、前記第2キャパシタ構造体を構成する各エレメント間の連結が遮断される連結遮断領域が形成されており、
前記半導体基板上で第1方向を基準として、前記第1トレンチは第1長さを有し、前記第2トレンチは前記第1長さより大きい第2長さを有することを特徴とする、半導体デバイス。
【請求項2】
前記半導体基板、前記第1誘電層および前記第1電極層は前記第1キャパシタ構造体の第1サブキャパシタ構造体を構成し、前記第1電極層、前記第2誘電層および前記第2電極層は前記第1キャパシタ構造体の第2サブキャパシタ構造体を構成し、前記第2電極層、前記第3誘電層および前記第3電極層は前記第1キャパシタ構造体の第3サブキャパシタ構造体を構成し、
前記半導体基板、前記第4誘電層および前記第4電極層は前記第2キャパシタ構造体の第4サブキャパシタ構造体を構成し、前記第4電極層、前記第5誘電層および前記第5電極層は前記第2キャパシタ構造体の第5サブキャパシタ構造体を構成し、前記第5電極層、前記第6誘電層および前記第6電極層は前記第2キャパシタ構造体の第6サブキャパシタ構造体を構成し、
前記半導体デバイスは、前記第1~第6サブキャパシタ構造体の中で選択された複数のサブキャパシタ構造体の並列連結を提供するために、またはそれぞれのサブキャパシタ構造体が単独のキャパシタとして機能するようにするために、前記半導体基板および前記第1~第6電極層に連結される連結構造体をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記連結構造体は、前記第1および第4サブキャパシタ構造体の並列連結と、前記第2および第5サブキャパシタ構造体の並列連結と、前記第3および第6サブキャパシタ構造体の並列連結を提供するためのコンタクト-メタル構造を含むことを特徴とする、請求項2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記連結構造体は、前記第1~第6サブキャパシタ構造体の中で選択されたN個のサブキャパシタ構造体の並列連結を提供し、残りのM個のサブキャパシタ構造体が単独のキャパシタとして機能するようにするためのコンタクト-メタル構造を含むことを特徴とする、請求項2に記載の半導体デバイス(NおよびMは自然数、N≧2、N+M=6)。
【請求項5】
前記第1~第6誘電層それぞれは、前記第1~第6サブキャパシタ構造体に印加される電圧により予め定義された電圧プロファイルに対応する厚さプロファイルを有することにより、前記第1および第2キャパシタ構造体には異なる電圧値を有する複数の電圧が印加され得るように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記半導体基板自体が高濃度ドーピングされて(highly doped)前記第1および第2キャパシタ構造体に対する共通接地電極(Common Ground Electrode)を構成することを特徴とする、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記第1方向または前記第1方向と垂直な第2方向を基準として、前記半導体基板の少なくとも一部分には、前記第1および第2トレンチが互いに交互に配置されて前記半導体基板上での前記第1および第2トレンチの配置構造は不規則性を有することを特徴とする、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記半導体デバイスは第1トレンチモジュールを含むものの、前記第1トレンチモジュールは、前記第2トレンチと、前記第1方向と垂直な第2方向を基準として前記第2トレンチの両側にそれぞれ配置される前記第1トレンチを含むことを特徴とする、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記半導体デバイスは第2トレンチモジュールを含むものの、前記第2トレンチモジュールは、前記第1トレンチと、前記第2方向を基準として前記第1トレンチの両側にそれぞれ配置される前記第2トレンチを含むことを特徴とする、請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記第1トレンチモジュールおよび前記第2トレンチモジュールは前記第2方向を基準として隣接して配置され、前記隣接して配置された前記第1トレンチモジュールおよび前記第2トレンチモジュールが複合トレンチモジュールと定義される時、前記第1方向または前記第2方向を基準として前記複合トレンチモジュールの一側には前記第1トレンチモジュールが追加に配置されるものの、前記追加に配置された第1トレンチモジュールは前記第2方向を長さ方向に有する特徴とする、請求項9に記載の半導体デバイス。
【外国語明細書】