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特開2024-173559箔転写装置、シート搬送装置およびシート支持具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173559
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】箔転写装置、シート搬送装置およびシート支持具
(51)【国際特許分類】
   B65H 11/00 20060101AFI20241205BHJP
   B65H 3/66 20060101ALI20241205BHJP
   B65H 1/04 20060101ALI20241205BHJP
   B41F 16/00 20060101ALN20241205BHJP
【FI】
B65H11/00 A
B65H3/66
B65H1/04 320A
B41F16/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】34
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124229
(22)【出願日】2023-07-31
(31)【優先権主張番号】P 2023088305
(32)【優先日】2023-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】池上 悠介
(72)【発明者】
【氏名】楠田 晋也
【テーマコード(参考)】
3F063
3F343
【Fターム(参考)】
3F063AA03
3F063AB03
3F063BA02
3F063BA04
3F063BA08
3F063BA09
3F063BA10
3F063BC01
3F063CA02
3F063CA04
3F343FA01
3F343FB01
3F343GA02
3F343GA06
3F343HA12
3F343HE02
3F343HE11
3F343KA02
3F343KA13
3F343KA20
3F343LC04
3F343LC16
(57)【要約】
【課題】シートの搬送方向へのトレイの大型化を抑制しつつ、長尺なシートを良好に支持することを目的とする。
【解決手段】箔転写装置1は、シートに箔を転写する装置である。箔転写装置1は、シート支持具(第1トレイ100)を備える。シート支持具は、シートを折り返して支持するシャフト120を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに箔を転写する箔転写装置であって、
シートを折り返して支持するシャフトを有するシート支持具を備えたことを特徴とする箔転写装置。
【請求項2】
前記シャフトで支持されたシートが通過可能な供給口を有する筐体を備え、
前記シャフトは、前記筐体の外に位置することを特徴とする請求項1に記載の箔転写装置。
【請求項3】
前記シャフトで支持されたシートを前記供給口を介して前記筐体内に向けて搬送する供給ローラを備え、
前記シート支持具は、シートが載置される載置面を有する第1トレイであって、前記筐体の前記供給口から斜め上に延びる第1トレイであり、
前記シャフトは、シートの幅方向に延びる第1部位であって、シートの搬送方向において前記筐体から離れ、かつ、前記載置面から離れた位置に位置する第1部位を有し、
前記載置面に載置されたシートが前記供給ローラから前記第1部位に向けて延び、前記第1部位の下を通った後前記第1部位の上を通るように折り返された場合に、シートのうち前記載置面と接触する第1面とは反対側の第2面が前記第1部位で下から支持されることを特徴とする請求項2に記載の箔転写装置。
【請求項4】
前記第1トレイは、
シートの幅方向の端をガイドするサイドガイドを備え、
前記載置面と直交する直交方向における、前記サイドガイドの前記載置面からの高さは、前記載置面と直交する直交方向における、前記シャフトの前記載置面からの高さより大きいことを特徴とする請求項3に記載の箔転写装置。
【請求項5】
前記サイドガイドは、シートの幅方向に移動可能であることを特徴とする請求項4に記載の箔転写装置。
【請求項6】
前記第1トレイは、
前記載置面を有するプレートを有し、
前記シャフトは、
前記第1部位の前記幅方向の一端と前記プレートを連結する第2部位と、
前記第1部位の前記幅方向の他端と前記プレートを連結する第3部位と、をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の箔転写装置。
【請求項7】
前記筐体の上面に位置する第2トレイであって、前記シャフトで折り返されたシートのうち前記上面の上方に位置する部分を支持する第2トレイをさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の箔転写装置。
【請求項8】
前記第2トレイは、
シートを下から支持する支持面を有する第1壁と、
前記第1壁から上に延びる第2壁であって、シートの面と接触可能な第2壁と、を有することを特徴とする請求項7に記載の箔転写装置。
【請求項9】
前記第2トレイは、
前記第1壁の前記幅方向の端から上に延びる第3壁をさらに有することを特徴とする請求項8に記載の箔転写装置。
【請求項10】
ユーザによって操作可能な操作パネルであって、前記筐体の前記上面に位置する操作パネルをさらに備え、
前記第2トレイは、前記筐体に取り付けられた状態において、前記操作パネルを覆わない位置に配置されることを特徴とする請求項7に記載の箔転写装置。
【請求項11】
前記筐体は、
筐体本体と、
前記筐体本体に対して前記幅方向に沿った軸線を中心に回動可能なカバーであって、前記上面の少なくとも一部を有するカバーと、を備え、
前記第2トレイは、前記カバーとともに前記筐体本体に対して回動可能であることを特徴とする請求項10に記載の箔転写装置。
【請求項12】
前記操作パネルは、
ユーザによって操作される操作ボタンを有し、
前記第2トレイは、
前記筐体の前記上面と間隔を空けて向かい合う下面と、
前記下面から下に突出し、前記筐体の前記上面に接触する凸部を有し、
前記凸部は、前記幅方向において、前記操作ボタンとは異なる位置に位置することを特徴とする請求項11に記載の箔転写装置。
【請求項13】
前記第1トレイは、前記筐体に着脱可能であることを特徴とする請求項3に記載の箔転写装置。
【請求項14】
前記第1トレイと前記第2トレイは、一体に構成され、一体になった状態で前記筐体に着脱可能であることを特徴とする請求項7に記載の箔転写装置。
【請求項15】
前記第2トレイは、前記第1トレイとは別に前記筐体に着脱可能であることを特徴とする請求項7に記載の箔転写装置。
【請求項16】
前記筐体の上面は、前記載置面に沿った方向に斜めに延びることを特徴とする請求項3から請求項15のいずれか1項に記載の箔転写装置。
【請求項17】
シートが載置される載置面を有するシートトレイであって、前記筐体の前記供給口から延びるシートトレイを備え、
前記シート支持具は、前記シートトレイに着脱可能であることを特徴とする請求項2に記載の箔転写装置。
【請求項18】
前記シート支持具は、前記シートトレイから上に延び、
前記シャフトは、前記シートトレイよりも上に位置することを特徴とする請求項17に記載の箔転写装置。
【請求項19】
前記シート支持具は、
前記シャフトの下に位置する開口であって、シートが通過可能な開口を有することを特徴とする請求項18に記載の箔転写装置。
【請求項20】
前記シート支持具は、
前記シャフトよりも下に位置するガイドであって、シートの幅方向および上下方向に直交する方向において前記シャフトよりも前記供給口に近い位置で、シートのうち前記載置面と接触可能な第1面に接触するガイドを有することを特徴とする請求項19に記載の箔転写装置。
【請求項21】
前記シート支持具は、
前記シートトレイから前記ガイドまで延びるプレートを有することを特徴とする請求項20に記載の箔転写装置。
【請求項22】
前記シートトレイは、
前記シート支持具を下から支持する支持部と、
前記支持部に対して前記供給口側に位置する第1係合部と、
前記支持部に対して前記供給口とは反対側に位置する第2係合部と、を有し、
前記シート支持具は、
前記第1係合部の下面と係合する第1被係合部と、
前記第2係合部の下面と係合する第2被係合部と、を有することを特徴とする請求項17に記載の箔転写装置。
【請求項23】
前記第2係合部は、前記支持部の前記供給口側とは反対側の端縁から上に突出したL字形状の突出片であり、
前記シート支持具は、前記突出片を通過させるための第2開口を有し、
前記第2被係合部は、シートの幅方向に延びる梁であることを特徴とする請求項22に記載の箔転写装置。
【請求項24】
前記シートトレイは、前記筐体と前記支持部の間に位置するベース部を有し、
前記第1係合部は、前記ベース部の前記支持部側の端縁に位置し、前記支持部よりも上に突出したL字形状の突出片であり、
前記シート支持具は、前記支持部で支持される第2プレートを有し、
前記シート支持具の前記第1被係合部は、前記第2プレートの前記供給口側の端部であることを特徴とする請求項22に記載の箔転写装置。
【請求項25】
前記支持部は、第1位置と、前記第1位置よりも前記筐体から離れた第2位置との間で移動可能であることを特徴とする請求項24に記載の箔転写装置。
【請求項26】
前記シート支持具は、下端部の幅が、上端部の幅よりも小さいことを特徴とする請求項18に記載の箔転写装置。
【請求項27】
シートを折り返して支持するシャフトを有するシート支持具と、
前記シャフトで支持されたシートが通過可能な供給口を有する筐体と、を備え、
前記シャフトは、前記筐体の外に位置することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項28】
前記シャフトで支持されたシートを前記供給口を介して前記筐体内に向けて搬送する供給ローラを備え、
前記シート支持具は、シートが載置される載置面を有する第1トレイであって、前記筐体の前記供給口から斜め上に延びる第1トレイであり、
前記シャフトは、シートの幅方向に延びる第1部位であって、シートの搬送方向において前記筐体から離れ、かつ、前記載置面から離れた位置に位置する第1部位を有し、
前記載置面に載置されたシートが前記供給ローラから前記第1部位に向けて延び、前記第1部位の下を通った後前記第1部位の上を通るように折り返された場合に、シートのうち前記載置面と接触する第1面とは反対側の第2面が前記第1部位で下から支持されることを特徴とする請求項27に記載のシート搬送装置。
【請求項29】
シート搬送装置の筐体に着脱可能なシート支持具であって、
シートを折り返して支持するシャフトであって、前記シート支持具が前記筐体に装着された状態で前記筐体の外に位置するシャフトを有することを特徴とするシート支持具。
【請求項30】
前記シャフトは、前記筐体よりも上に位置することを特徴とする請求項29に記載のシート支持具。
【請求項31】
前記シャフトの下に位置する開口であって、シートが通過可能な開口を有することを特徴とする請求項30に記載のシート支持具。
【請求項32】
前記シャフトよりも下に位置するガイドであって、シートの幅方向および上下方向に直交する方向において前記シャフトよりも前記筐体に近い位置で、シートのうち前記シャフトとは接触しない第1面に接触するガイドを有することを特徴とする請求項31に記載のシート支持具。
【請求項33】
前記ガイドから下に延びるプレートを有することを特徴とする請求項32に記載のシート支持具。
【請求項34】
下端部の幅が、上端部の幅よりも小さいことを特徴とする請求項33に記載のシート支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、箔転写装置、シート搬送装置およびシート支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、箔転写装置として、筐体と、トレイとを備えるものが知られている(特許文献1参照)。筐体は、供給口を有する。供給口は、シートを筐体内に入れるための開口である。トレイは、シートを載置するための部材である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-117258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、箔転写装置において、長尺なシートに対して箔転写を行いたい場合がある。この場合に対応すべく、トレイを長くすることも考えられるが、トレイがシートの搬送方向に大型化してしまう問題が生じる。
【0005】
そこで、本開示は、シートの搬送方向へのトレイの大型化を抑制しつつ、長尺なシートを良好に支持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本開示の箔転写装置は、シートに箔を転写する装置である。
箔転写装置は、シート支持具を備える。
シート支持具は、シートを折り返して支持するシャフトを有する。
【0007】
シートを折り返して支持するシャフトを備える構成とすることで、シートの搬送方向へのトレイの大型化を抑制しつつ、長尺なシートを良好に支持することができる。
【0008】
また、箔転写装置は、供給口を有する筐体を備えていてもよい。供給口は、シャフトで支持されたシートが通過可能な開口である。シャフトは、筐体の外に位置する。
【0009】
シャフトが筐体の外に位置することで、かなり長いシートであっても良好に支持することができる。また、シャフトが筐体の外に位置することで、例えばシャフトが筐体内に位置する構造と比べ、筐体の大型化を抑えることができる。
【0010】
また、箔転写装置は、シート支持具としての第1トレイと、供給ローラと、を備えていてもよい。
第1トレイは、載置面を有する。載置面は、シートが載置される面である。第1トレイは、筐体の供給口から斜め上に延びる。
供給ローラは、シャフトで支持されたシートを供給口を介して筐体内に向けて搬送する
シャフトは、第1部位を有する。
第1部位は、シートの幅方向に延びる。第1部位は、シートの搬送方向において筐体から離れる。第1部位は、載置面から離れた位置に位置する。
載置面に載置されたシートが供給ローラから第1部位に向けて延び、第1部位の下を通った後第1部位の上を通るように折り返された場合に、シートのうち載置面と接触する第1面とは反対側の第2面が第1部位で下から支持される。
【0011】
第1トレイが、筐体および載置面から離れた第1部位を有するシャフトを備えるので、長尺なシートを折り返した状態で載置面と第1部位によって支持することができる。このようにシートが第1部位を基点に折り返された場合には、シートのコシによってシートが載置面に押し付けられて摩擦力が高くなるので、シートのうち折り返された部分の自重によってシートのうち載置面上に位置する部分が引っ張られても、当該部分が移動するのを摩擦力で抑えることができる。また、第1トレイがシートを折り返した状態で支持するため、第1トレイの長さを小さく抑えることができる。そのため、第1トレイの大型化を抑制しつつ、シートが第1トレイから脱落するのを抑制することができる。
【0012】
また、第1トレイは、サイドガイドを備えていてもよい。
サイドガイドは、シートの幅方向の端をガイドする部材である。
載置面と直交する直交方向における、サイドガイドの載置面からの高さは、載置面と直交する直交方向における、シャフトの載置面からの高さより大きい。
【0013】
サイドガイドの載置面からの高さがシャフトの載置面からの高さよりも大きいことで、シートのうち、載置面上の部分と、シャフトで折り返され部分の両方をサイドガイドでガイドすることができる。
【0014】
また、サイドガイドは、シートの幅方向に移動可能であってもよい。
【0015】
また、第1トレイは、プレートを有していてもよい。
プレートは、載置面を有する。
シャフトは、第2部位と、第3部位と、をさらに有する。
第2部位は、第1部位の幅方向の一端とプレートを連結する。
第3部位は、第1部位の幅方向の他端とプレートを連結する。
【0016】
また、箔転写装置は、第2トレイをさらに備えていてもよい。
第2トレイは、筐体の上面に位置する。第2トレイは、シャフトで折り返されたシートのうち上面の上方に位置する部分を支持する。
【0017】
第2トレイが筐体の上面に位置するので、第1トレイ上で折り返しても第1トレイ上に収まらない長さのシートの場合に、第1トレイからはみ出したシートの部分を第2トレイで支持することができる。
【0018】
また、第2トレイは、第1壁と、第2壁と、を有していてもよい。
第1壁は、支持面を有する。支持面は、シートを下から支持する。
第2壁は、第1壁から上に延びる。第2壁は、シートの面と接触可能である。
【0019】
第2トレイが第1壁から上に延びる第2壁を有するので、シートが筐体の上面から垂れ下がるのを第2壁によって抑えることができる。
【0020】
また、第2トレイは、第3壁をさらに有していてもよい。
第3壁は、第1壁の幅方向の端から上に延びる。
【0021】
第2トレイが第1壁の幅方向の端から上に延びる第3壁を有するので、シートが第2トレイ上で幅方向にずれるのを第3壁で抑えることができる。
【0022】
また、箔転写装置は、操作パネルをさらに備えていてもよい。
操作パネルは、ユーザによって操作可能なパネルである。操作パネルは、筐体の上面に位置する。
第2トレイは、筐体に取り付けられた状態において、操作パネルを覆わない位置に配置される。
【0023】
第2トレイが操作パネルを覆わない位置に配置されるので、ユーザが操作パネルを操作しやすい。
【0024】
また、筐体は、筐体本体と、カバーと、を備えていてもよい。
カバーは、筐体本体に対して幅方向に沿った軸線を中心に回動可能である。カバーは、上面の少なくとも一部を有する。
第2トレイは、カバーとともに筐体本体に対して回動可能である。
【0025】
第2トレイがカバーとともに回動可能であるため、第2トレイを外すことなく、カバーを回動させることができる。
【0026】
また、操作パネルは、操作ボタンを有していてもよい。
操作ボタンは、ユーザによって操作されるボタンである。
第2トレイは、下面と、凸部を有する。
下面は、筐体の上面と間隔を空けて向かい合う。
凸部は、下面から下に突出する。凸部は、筐体の上面に接触する。凸部は、幅方向において、操作ボタンとは異なる位置に位置する。
【0027】
第2トレイの凸部が幅方向において操作ボタンとは異なる位置に位置することで、カバーを回動した際に、凸部が操作ボタン上を通らないので、カバーの回動時に第2トレイが操作ボタンと干渉してカバーが回動しにくくなるのを抑制できる。
【0028】
また、第1トレイは、筐体に着脱可能であってもよい。
【0029】
第1トレイが筐体に着脱可能であるので、筐体に装着するトレイを、第1トレイとは別のトレイに付け替えることができる。
【0030】
また、第1トレイと第2トレイは、一体に構成され、一体になった状態で筐体に着脱可能であってもよい。
【0031】
また、第2トレイは、第1トレイとは別に筐体に着脱可能であってもよい。
【0032】
また、筐体の上面は、載置面に沿った方向に斜めに延びていてもよい。
【0033】
また、箔転写装置は、シートトレイを備えていてもよい。
シートトレイは、シートが載置される載置面を有する。シートトレイは、筐体の供給口から延びる。
シート支持具は、シートトレイに着脱可能である。
【0034】
シート支持具がシートトレイに着脱可能であることで、長尺なシートの支持にシートトレイを利用することができるので、シート支持具の小型化を図ることができる。
【0035】
また、シート支持具は、シートトレイから上に延びていてもよい。
シャフトは、シートトレイよりも上に位置する。
【0036】
シート支持具がシートトレイから上に延びることで、例えば、シート支持具がシートトレイの載置面に沿った方向に延びる構造と比べ、箔転写装置が載置面に沿った方向に大型化するのを抑えることができる。
【0037】
また、シート支持具は、シャフトの下に位置する開口を有していてもよい。
開口は、シートが通過可能な開口である。
【0038】
シートが通過可能な開口をシャフトの下に設けることで、例えばプレートにU字形状のシャフトを設ける構造に比べ、シート支持具の軽量化を図ることができる。
【0039】
また、シート支持具は、シャフトよりも下に位置するガイドを有していてもよい。
ガイドは、シートの幅方向および上下方向に直交する方向においてシャフトよりも供給口に近い位置で、シートのうち載置面と接触可能な第1面に接触する。
【0040】
シャフトよりも下、かつ、幅方向および上下方向に直交する方向においてシャフトよりも供給口に近い位置に位置するガイドでシートの第1面を支持することで、供給口に入るシートの先端部分の載置面に対する角度を大きくすることができる。そのため、例えば、供給ローラが、固定ローラと、固定ローラに向けて付勢される可動ローラとを備える構成において、可動ローラが、載置面を延長した面よりも上に配置される場合には、シートの先端が固定ローラに向けられるので、シートによって可動ローラが押されて固定ローラから離れてしまうのを抑制することができる。
【0041】
シート支持具は、シートトレイからガイドまで延びるプレートを有していてもよい。
【0042】
例えば、ガイドの下に孔がある場合には、ユーザが誤ってガイドの下の孔にシートを通す可能性があるが、プレートがシートトレイからガイドまで延びることで、シートが誤った姿勢でセットされることを抑制することができる。
【0043】
また、シートトレイは、シート支持具を下から支持する支持部と、支持部に対して供給口側に位置する第1係合部と、支持部に対して供給口とは反対側に位置する第2係合部と、を有していてもよい。
シート支持具は、第1係合部の下面と係合する第1被係合部と、第2係合部の下面と係合する第2被係合部と、を有する。
【0044】
シート支持具が、シートトレイの支持部で下から支持された状態で、支持部の一端側と他端側にある第1係合部および第2係合部の各下面と係合するので、シート支持具が筐体側に倒れたり、筐体から離れる方向に倒れたりすることが抑制される。
【0045】
第2係合部は、支持部の供給口側とは反対側の端縁から上に突出したL字形状の突出片であってもよい。
シート支持具は、突出片を通過させるための第2開口を有する。
第2被係合部は、シートの幅方向に延びる梁である。
【0046】
シートトレイは、筐体と支持部の間に位置するベース部を有していてもよい。
第1係合部は、ベース部の支持部側の端縁に位置する。第1係合部は、前記支持部よりも上に突出したL字形状の突出片である。
シート支持具は、支持部で支持される第2プレートを有する。
シート支持具の第1被係合部は、第2プレートの供給口側の端部である。
【0047】
また、支持部は、第1位置と、第1位置よりも筐体から離れた第2位置との間で移動可能であってもよい。
【0048】
また、シート支持具は、下端部の幅が、上端部の幅よりも小さくてもよい。
【0049】
また、本開示のシート搬送装置は、シート支持具と、筐体と、を備える。
シート支持具は、シートを折り返して支持するシャフトを有する。
筐体は、シャフトで支持されたシートが通過可能な供給口を有する。
シャフトは、筐体の外に位置する。
【0050】
シートを折り返して支持するシャフトを備える構成とすることで、シートの搬送方向へのトレイの大型化を抑制しつつ、長尺なシートを良好に支持することができる。また、シャフトが筐体の外に位置することで、かなり長いシートであっても良好に支持することができるとともに、筐体の大型化を抑えることができる。
【0051】
また、シート搬送装置は、シート支持具としての第1トレイと、供給ローラと、を備えていてもよい。
第1トレイは、載置面を有する。載置面は、シートが載置される面である。第1トレイは、筐体の供給口から斜め上に延びる。
供給ローラは、シャフトで支持されたシートを供給口を介して筐体内に向けて搬送する。
シャフトは、第1部位を有する。
第1部位は、シートの幅方向に延びる。第1部位は、シートの搬送方向において筐体から離れる。第1部位は、載置面から離れた位置に位置する。
載置面に載置されたシートが供給ローラから第1部位に向けて延び、第1部位の下を通った後第1部位の上を通るように折り返された場合に、シートのうち載置面と接触する第1面とは反対側の第2面が第1部位で下から支持される。
【0052】
第1トレイが、筐体および載置面から離れた第1部位を有するシャフトを備えるので、シートを折り返した状態で載置面と第1部位によって支持することができる。このようにシートが第1部位を基点に折り返された場合には、シートのコシによってシートが載置面に押し付けられて摩擦力が高くなるので、シートのうち折り返された部分の自重によってシートのうち載置面上に位置する部分が引っ張られても、当該部分が移動するのを摩擦力で抑えることができる。また、第1トレイがシートを折り返した状態で支持するため、第1トレイの長さを小さく抑えることができる。そのため、第1トレイの大型化を抑制しつつ、シートが第1トレイから脱落するのを抑制することができる。
【0053】
また、本開示のシート支持具は、シート搬送装置の筐体に着脱可能であり、シャフトを有する。
シャフトは、シートを折り返して支持する。シャフトは、シート支持具が筐体に装着された状態で、筐体の外に位置する。
【0054】
シートを折り返して支持するシャフトを備える構成とすることで、シートの搬送方向へのトレイの大型化を抑制しつつ、長尺なシートを良好に支持することができる。また、シャフトが筐体の外に位置することで、かなり長いシートであっても良好に支持することができるとともに、筐体の大型化を抑えることができる。
【0055】
また、シャフトは、筐体よりも上に位置していてもよい。
【0056】
また、シート支持具は、シャフトの下に位置する開口を有していてもよい。
開口は、シートが通過可能な開口である。
【0057】
シートが通過可能な開口をシャフトの下に設けることで、例えばプレートにU字形状のシャフトを設ける構造に比べ、シート支持具の軽量化を図ることができる。
【0058】
また、シート支持具は、シャフトよりも下に位置するガイドを有していてもよい。
ガイドは、シートの幅方向および上下方向に直交する方向においてシャフトよりも筐体に近い位置で、シートのうちシャフトとは接触しない第1面に接触する。
【0059】
また、シート支持具は、ガイドから下に延びるプレートを有していてもよい。
【0060】
例えば、ガイドの下に孔がある場合には、ユーザが誤ってガイドの下の孔にシートを通す可能性があるが、プレートがガイドから下に延びることで、シートが誤った姿勢でセットされることを抑制することができる。
【0061】
また、シート支持具は、下端部の幅が、上端部の幅よりも小さくてもよい。
【発明の効果】
【0062】
本開示によれば、トレイの大型化を抑制しつつ、シートがトレイから脱落するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】シートトレイを備えた箔転写装置を示す図である。
図2】カバーが開いた状態の箔転写装置を示す図である。
図3】第1トレイを備えた箔転写装置を前側から見た斜視図である。
図4】第1トレイを備えた箔転写装置を後側から見た斜視図である。
図5】第1トレイおよび第2トレイを備えた箔転写装置を、幅方向に直交する面で切った断面図である。
図6図5の箔転写装置のカバーを開けた状態を示す断面図である。
図7】第2トレイを示す斜視図である。
図8】箔転写装置を上から見た図であり、第2トレイの凸部の位置を示す図である。
図9】第1トレイと第2トレイが一体に構成された形態を示す図である。
図10】第2実施形態に係るシート支持具を備えた箔転写装置を示す斜視図である。
図11】シートトレイからシート支持具を外した状態を前から見た斜視図である。
図12】シートトレイからシート支持具を外した状態を後ろから見た斜視図である。
図13】シート支持具周りの構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
[第1実施形態]
次に、本開示の第1実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の説明において、方向は、図1に示す方向で説明する。すなわち、図1の左側を「前」とし、図1の右側を「後」とし、図1の紙面奥側を「左」とし、図1の紙面手前側を「右」とする。また、図1の上下を「上下」とする。
【0065】
図1に示すように、箔転写装置1は、例えばレーザプリンタ等の画像形成装置でシートSにトナー像を形成した後、シートSのトナー像の上に金箔等の箔を転写するための装置である。つまり、箔転写装置1は、シートSのトナー像の上に箔を転写することで、シートSに箔の画像を形成している。箔転写装置1は、筐体2と、シートトレイ3と、シート搬送部10と、フィルム供給部30と、転写部50とを備えている。
【0066】
筐体2は、樹脂などからなる。筐体2は、筐体本体21と、カバー22とを備えている。筐体2は、上面2Aと、後面2Bとを有する。上面2Aは、前に向かうにつれて下に位置するように水平面に対して傾斜している。上面2Aは、第1上面A1と、第2上面A2とを有する。筐体本体21は、第1上面A1と後面2Bとを有する。カバー22は、第2上面A2を有する。
【0067】
後面2Bは、第1後面B1と、第2後面B2とを有する。第1後面B1は、曲面を介して第1上面A1に接続されている。第1後面B1は、後ろに向かうにつれて下に位置するように水平面に対して傾斜している。第2後面B2は、上下方向に沿って延びる。第2後面B2は、第1後面B1の下に位置する。
【0068】
筐体本体21は、開口21A(図2参照)と、供給口21Bとをさらに有する。開口21Aは、筐体本体21に後述するフィルムユニットFUを着脱するための開口である。開口21Aは、第1上面A1の前斜め下に位置する。開口21Aは、前斜め上に向けて開口する。
【0069】
供給口21Bは、シートSが通過可能な開口である。言い換えると、供給口21Bは、シートSを、筐体2の外側から中に入れるための開口である。供給口21Bは、第1後面B1に位置する。供給口21Bは、後斜め上に向けて開口する。
【0070】
カバー22は、開口21Aを開閉するための部材である。カバー22の後端部は、筐体本体21に回動可能に支持されている。カバー22は、筐体本体21に対してシートSの幅方向に沿った軸線を中心に回動可能である。なお、以下の説明では、シートSの幅方向を、単に「幅方向」ともいう。
【0071】
シートトレイ3は、用紙、OHPフィルム等のシートSが載置されるトレイである。シートトレイ3は、供給口21Bがある第1後面B1から後斜め上に延びている。シートトレイ3は、筐体本体21に着脱可能である。なお、シートSは、トナー像が形成された面を下向きにしてシートトレイ3上に載置される。
【0072】
シート搬送部10は、シートトレイ3上のシートSを前斜め下に搬送するための機構である。シート搬送部10は、シート供給機構11と、シート排出機構12とを備えている。
【0073】
シート供給機構11は、シートトレイ3上のシートSを一枚ずつ転写部50に向けて搬送する機構である。シート供給機構11は、供給ローラ11Aと搬送ローラ11Bを備えている。
【0074】
供給ローラ11Aおよび搬送ローラ11Bは、幅方向に沿った軸線を中心に回転可能である。つまり、供給ローラ11Aの軸線が延びる方向である軸方向は、幅方向と平行である。
【0075】
供給ローラ11Aは、シートトレイ3に載置されたシートSを供給口21Bを介して筐体2内に向けて搬送する。搬送ローラ11Bは、供給ローラ11Aから送り出されたシートSを転写部50に搬送する。
【0076】
シート排出機構12は、転写部50を通過したシートSを筐体2の外部に排出する機構である。シート排出機構12は、複数の搬送ローラを備えている。
【0077】
フィルム供給部30は、シート供給機構11から搬送されたシートSに重ねるように箔フィルムFを供給する部分である。フィルム供給部30は、フィルムユニットFUと、図示せぬモータ等の駆動源を備えている。
【0078】
フィルムユニットFUは、図2に示すように、開口21Aを通過して筐体本体21に着脱可能となっている。フィルムユニットFUは、供給リール31と、巻取リール35とを備えている。供給リール31には、箔フィルムFが巻回されている。
【0079】
箔フィルムFは、複数の層からなるフィルムである。詳しくは、箔フィルムFは、支持層と、被支持層とを有する。支持層は、高分子材料からなるテープ状の透明な基材である。支持層は、被支持層を支持する。被支持層は、箔を含んでいる。
【0080】
供給リール31は、樹脂などからなり、箔フィルムFが巻回される供給軸部31Aを有している。供給軸部31Aには、箔フィルムFの一端が固定されている。
【0081】
巻取リール35は、樹脂などからなり、箔フィルムFを巻き取るための巻取軸部35Aを有している。巻取軸部35Aには、箔フィルムFの他端が固定されている。
【0082】
フィルムユニットFUを箔転写装置1に装着した状態において、巻取リール35は、図示せぬ駆動源によって図示時計回りに回転駆動される。巻取リール35が回転すると、供給リール31に巻回された箔フィルムFが引き出され、引き出された箔フィルムFが巻取リール35に巻き取られていく。詳しくは、箔転写中において、後述する加圧ローラ51と加熱ローラ61によって箔フィルムFが送り出されることで、供給リール31から箔フィルムFが引き出される。そして、加圧ローラ51と加熱ローラ61から送り出された箔フィルムFが、巻取リール35に巻き取られていく。
【0083】
転写部50は、シートSと箔フィルムFを重ねた状態で加熱および加圧することで、シートSに形成されたトナー像の上に転写層を転写するための部分である。転写部50は、加圧ローラ51と、加熱ローラ61とを備えている。転写部50は、加圧ローラ51と加熱ローラ61のニップ部において、シートSと箔フィルムFを重ねて加熱および加圧する。
【0084】
加圧ローラ51は、円筒状の芯金の周囲をシリコンゴムからなるゴム層で被覆したローラである。加圧ローラ51は、箔フィルムFの上側に配置され、シートSの裏面(トナー像が形成された面と反対側の面)と接触可能となっている。
【0085】
加圧ローラ51は、カバー22に回転可能に支持されている。加圧ローラ51は、加熱ローラ61との間でシートSおよび箔フィルムFを挟み、図示せぬ駆動源によって回転駆動されることで加熱ローラ61を従動回転させる。
【0086】
加熱ローラ61は、円筒状に形成された金属管の内部にヒータを配置したローラであり、箔フィルムFおよびシートSを加熱している。加熱ローラ61は、箔フィルムFの下側に配置され、箔フィルムFと接触している。加熱ローラ61は、筐体本体21に回転可能に支持されている。
【0087】
なお、本実施形態では、加熱ローラ61を箔フィルムFに対して接触・離間させるための接離機構70によって加熱ローラ61を移動させている。接離機構70は、カバー22を閉じている状態においては、シートSが転写部50に供給されるタイミングに合わせて加熱ローラ61を、箔フィルムFに接触する接触位置に移動させている。また、接離機構70は、カバー22が開けられた場合や、転写部50においてシートSに箔転写を行わない場合には、加熱ローラ61を、箔フィルムFから離間する離間位置に位置させている。
【0088】
このように構成された箔転写装置1では、シートSの表面を下向きにしてシートトレイ3に載置されたシートSが、シート供給機構11により一枚ずつ転写部50に向けて搬送される。シートSは、転写部50のシート搬送方向における上流側で、供給リール31から供給された箔フィルムFと重ねられ、シートSのトナー像と箔フィルムFが接触した状態で転写部50に搬送される。
【0089】
転写部50においては、シートSと箔フィルムFが加圧ローラ51と加熱ローラ61の間のニップ部を通過する際に、加熱ローラ61と加圧ローラ51により加熱および加圧され、トナー像の上に箔が転写される。転写部50の下流側において、箔フィルムFは、シートSから剥離される。
【0090】
シートSから剥離された箔フィルムFは、巻取リール35に巻き取られていく。一方、箔フィルムFが剥離されたシートSは、シート排出機構12によって、箔が転写された表面を下に向けた状態で、筐体2の外部に排出される。
【0091】
図3に示すように、筐体本体21は、前述したシートトレイ3が取り付けられていた部分に、シートトレイ3とは別の第1トレイ100が着脱可能となっている。つまり、筐体本体21は、シートトレイ3と、シート支持具の一例としての第1トレイ100とを選択的に取り付けることが可能となっている。ここで、シートトレイ3は、例えば、3段の引き出し(エクステンション)式になっており、シートSの長さ方向において伸縮可能となっている。シートSの長さ方向において、シートトレイ3の寸法は、エクステンションを収納した状態では、A4サイズの用紙の長さ(297mm)の半分未満であり、エクステンションを最大に引き出した状態では、A4サイズの用紙の長さの半分以上になる。詳しくは、シートSの長さ方向において、シートトレイ3の寸法は、エクステンションを収納した状態で125mm、最大に延長した状態で265mmとなっている。
【0092】
シートSの長さ方向において、第1トレイ100の寸法は、エクステンションを収納した状態のシートトレイ3の寸法よりも大きい。シートSの長さ方向において、第1トレイ100の寸法は、例えば、A4サイズの用紙の長さの半分以上、かつ、A4サイズの用紙の長さ未満である。
【0093】
図4に示すように、第1トレイ100が筐体本体21に取り付けられた状態において、第1トレイ100は、筐体本体21の供給口21Bから後斜め上に延びる。また、第1トレイ100が筐体本体21に取り付けられた状態において、供給ローラ11Aは、第1トレイ100に載置されたシートSを供給口21Bを介して筐体2内に向けて搬送する。
【0094】
図3に示すように、第1トレイ100は、プレート110と、シャフト120と、2つのサイドガイド130とを備えている。
プレート110は、載置面111を有する。載置面111は、シートSが載置される面である。載置面111は、筐体2の上面2Aに沿った方向に斜めに延びている。言い換えると、載置面111は、上面2Aと略平行である(図5参照)。
【0095】
シャフト120は、シートSを折り返して支持する部材である。シャフト120は、筐体2の外に位置する。シャフト120は、第1部位121と、第2部位122と、第3部位123とを有する。
【0096】
第1部位121は、シートSの幅方向に延びる。第1部位121は、シートSの搬送方向において筐体2から離れている。第1部位121は、載置面111から離れた位置に位置する。第1部位121は、載置面111と向かい合う。
【0097】
第2部位122は、第1部位121の幅方向の一端とプレート110を連結する。
第3部位123は、第1部位121の幅方向の他端とプレート110を連結する。
【0098】
サイドガイド130は、シートSの幅方向の端をガイドする部材である。2つのうち一方のサイドガイド130は、シートSの幅方向の一端をガイドする。2つのうち他方のサイドガイド130は、シートSの幅方向の他端をガイドする。各サイドガイド130は、シートSの幅方向に移動可能となっている。載置面111と直交する直交方向における、サイドガイド130の載置面111からの高さは、載置面111と直交する直交方向における、シャフト120の第1部位121の載置面111からの高さより大きい(図5も参照)。
【0099】
箔転写装置1は、操作パネル300をさらに備えている。
操作パネル300は、ユーザによって操作可能なパネルである。操作パネル300は、筐体2の上面2Aに位置する。詳しくは、操作パネル300は、カバー22の第2上面A2に位置する。
【0100】
操作パネル300は、複数の操作ボタン310を有している。複数の操作ボタン310は、ユーザによって操作されるボタンである。
【0101】
図5に示すように、筐体本体21には、第2トレイ200が着脱可能となっている。
第2トレイ200は、例えば、筐体本体21の第1後面B1のうち第1トレイ100と重ならない部分にネジ等によって取り付けられる。
【0102】
第2トレイ200は、樹脂などの撓むことが可能な板からなる。第2トレイ200は、筐体2の上面2Aに位置する。詳しくは、第2トレイ200は、第1後面B1から筐体2の上面2Aの操作パネル300付近まで延びている。第2トレイ200は、大部分が上面2Aに沿って配置され、後部が、後斜め下に曲げられた後、第1後面B1に固定される。
【0103】
第2トレイ200は、筐体2に取り付けられた状態において、操作パネル300を覆わない位置に配置される。詳しくは、第2トレイ200は、上面2Aが延びる方向において、サイドガイド130と操作パネル300の間に位置する。図6に示すように、第2トレイ200は、カバー22とともに筐体本体21に対して回動可能となっている。
【0104】
図7に示すように、第2トレイ200は、第1壁210と、第2壁220と、2つの第3壁230と、凸部240と、2つの取付部250とを有する。
第1壁210は、矩形の板状の部位である。第1壁210は、支持面211と、下面212とを有する。
【0105】
図5に示すように、支持面211は、シートSを下から支持する面である。下面212は、筐体2の上面2Aと間隔を空けて向かい合う。
【0106】
第2壁220は、第1壁210から上に延びる。詳しくは、第2壁220は、第1壁210の前端から上に延びる。第1壁の210の前端は、言い換えると、第1壁210の第1トレイ100から遠い側の端である。
第3壁230は、第1壁210の幅方向の各端から上に延びる。
【0107】
凸部240は、下面212から下に突出する。凸部240は、下面212の前端に位置する。凸部240は、筐体2の上面2Aに接触する。詳しくは、凸部240は、カバー22の第2上面A2に接触する。図8に示すように、凸部240は、幅方向において、操作ボタン310とは異なる位置に位置する。
【0108】
図7に示すように、取付部250は、第1壁210の第2壁220とは反対の端に位置する。取付部250は、第1壁210から延びている。2つの取付部250は、幅方向に離れている。第2トレイ200が筐体2に取り付けられた状態において、第1トレイ100は、2つの取付部250の間に位置する。
【0109】
次に、第1トレイ100および第2トレイ200へのシートSのセット方法などについて説明する。
図5に示すように、長尺なシートSを第1トレイ100および第2トレイ200にセットする場合には、ユーザは、まず、シートSの長手方向の一端を、シャフト120の第1部位121と載置面111との間に通した後、供給口21Bに差し込む。その後、ユーザは、シートSを、第1部位121を基点に折り返す。
【0110】
これにより、載置面111に載置されたシートSは、供給ローラ11Aから第1部位121に向けて延び、第1部位121の下を通った後、第1部位121の上を通るように折り返されることになる。この場合、シートSのうち載置面111と接触する第1面S1とは反対側の第2面S2が、第1部位121で下から支持される。
【0111】
次いで、ユーザは、シートSの折り返した部分を各サイドガイド130の間に入れるとともに、第2トレイ200の第1壁210の上に載せる。これにより、シャフト120で折り返されたシートSのうち上面2Aの上方に位置する部分が、第2トレイ200で支持されることになる。
【0112】
シートSが第1壁210で支持可能な範囲内に収まらないほどシートSが長い場合、ユーザは、シートSの面を第2壁220に接触させつつ、シートSを後ろに折り返す。以上により、第1トレイ100および第2トレイ200へのシートSのセットが完了する。なお、第2壁220がない場合には、第1壁210からシートSがはみ出して操作パネル300に重なってしまうが、第2壁220を有する本実施形態では、このような問題が生じるのを抑制できる。
【0113】
第1トレイ100および第2トレイ200にセットされたシートSに対して箔転写を行う場合には、シートSは、供給ローラ11Aによって筐体2内に引き込まれていく。この際、サイドガイド130および第3壁230によって、長尺なシートSが幅方向にずれることが抑制される。
【0114】
図6に示すように、フィルムユニットFUの交換などを行うために、ユーザがカバー22を開けると、第2トレイ200の凸部240は、カバー22の第2上面A2を滑りながら移動する。この際、図8に示すように、凸部240が幅方向で操作ボタン310と異なる位置に位置することで、凸部240は、操作ボタン310と干渉することなく、カバー22の第2上面A2をスムーズに滑っていく。
【0115】
以上、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
シートSを折り返して支持するシャフト120を備える構成とすることで、シートSの搬送方向へのトレイの大型化を抑制しつつ、長尺なシートSを良好に支持することができる。
【0116】
シャフト120が筐体2の外に位置するので、かなり長いシートSであっても良好に支持することができる。また、シャフト120が筐体2の外に位置することで、例えばシャフトが筐体内に位置する構造と比べ、筐体2の大型化を抑えることができる。
【0117】
第1トレイ100が、筐体2および載置面111から離れた第1部位121を有するシャフト120を備えるので、長尺なシートSを折り返した状態で載置面111と第1部位121によって支持することができる。このようにシートSが第1部位121を基点に折り返された場合には、シートSのコシによってシートSが載置面111に押し付けられて摩擦力が高くなるので、シートSのうち折り返された部分の自重によってシートSのうち載置面111上に位置する部分が引っ張られても、当該部分が移動するのを摩擦力で抑えることができる。また、第1トレイ100がシートSを折り返した状態で支持するため、第1トレイ100の長さを小さく抑えることができる。そのため、第1トレイ100の大型化を抑制しつつ、シートSが第1トレイから脱落するのを抑制することができる。
【0118】
サイドガイド130の載置面111からの高さがシャフト120の載置面111からの高さよりも大きいことで、シートSのうち、載置面111上の部分と、シャフト120で折り返され部分の両方をサイドガイド130でガイドすることができる。
【0119】
第2トレイ200が筐体2の上面2Aに位置するので、第1トレイ100上で折り返しても第1トレイ100上に収まらない長さのシートSの場合に、第1トレイ100からはみ出したシートSの部分を第2トレイ200で支持することができる。
【0120】
第2トレイ200が第1壁210から上に延びてシートSの面と接触可能な第2壁220を有するので、シートSが筐体2の上面2Aから垂れ下がるのを第2壁220によって抑えることができる。
【0121】
第2トレイ200が第1壁210の幅方向の端から上に延びる第3壁230を有するので、シートSが第2トレイ200上で幅方向にずれるのを第3壁230で抑えることができる。
【0122】
第2トレイ200が操作パネル300を覆わない位置に配置されるので、ユーザが操作パネル300を操作しやすい。
【0123】
第2トレイ200がカバー22とともに回動可能であるため、第2トレイ200を外すことなく、カバー22を回動させることができる。
【0124】
第2トレイ200の凸部240が幅方向において操作ボタン310とは異なる位置に位置することで、カバー22を回動した際に、凸部240が操作ボタン310上を通らないので、カバー22の回動時に第2トレイ200が操作ボタン310と干渉してカバー22が回動しにくくなるのを抑制できる。
【0125】
第1トレイ100が筐体2に着脱可能であるので、筐体2に装着するトレイを、第1トレイ100とは別のシートトレイ3に付け替えることができる。
【0126】
前記第1実施形態では、第2トレイ200を筐体本体21に着脱可能としたが、例えば、第2トレイは、カバーに着脱可能であってもよい。また、図9に示すように、第2トレイ200が第1トレイ100に固定されることで、第1トレイ100と第2トレイ200が一体に構成されていてもよい。この場合、第1トレイ100と第2トレイ200は、一体になった状態で筐体2に着脱可能であってもよい。なお、第2トレイ200は、第1トレイ100に接着剤等により固定されていてもよいし、第1トレイ100に着脱可能であってもよい。
【0127】
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前記した第1実施形態の一部の構造を変更したものであるため、第1実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略することとする。
【0128】
図10に示すように、第2実施形態に係る箔転写装置1Aは、シートトレイ400と、シート支持具500とを備えている。また、箔転写装置1Aは、第1実施形態と同様の筐体2を備える。なお、筐体2の中には、第1実施形態と同様のシート搬送部10、フィルム供給部30および転写部50が設けられている。
【0129】
シートトレイ400は、筐体2に着脱可能であってもよいし、筐体2に固定されていてもよい。図11に示すように、シートトレイ400は、ベース部410と、2つの第1係合部420と、2つのサイドガイド430と、支持部440と、第2係合部450とを備える。
【0130】
サイドガイド430は、シートSの幅方向の端をガイドする部材である。2つのうち一方のサイドガイド430は、ベース部410の幅方向の一端部に位置する。2つのうち他方のサイドガイド430は、ベース部410の幅方向の他端部に位置する。各サイドガイド430は、シートSの幅方向に移動可能となっている。
【0131】
ベース部410は、筐体2の供給口21B(図13参照)から後斜め上に延びている。ベース部410は、第1載置面411を有する。
【0132】
第1載置面411は、シートSが載置される面である。詳しくは、第1載置面411は、主にA4サイズ以下のシートSが載置される面である。長尺のシートSについては、シートSのセットの仕方によって、第1載置面411に載置される場合もあるし、載置されない場合もある。
【0133】
第1係合部420は、シート支持具500と係合可能である。第1係合部420は、ベース部410の後端に位置する。言い換えると、第1係合部420は、ベース部410の支持部440側の端縁に位置する。さらに言い換えると、第1係合部420は、支持部440に対して供給口21B(図13参照)側に位置する。第1係合部420は、支持部440の幅方向の一端側と他端側に1つずつ配置されている。第1係合部420は、支持部440よりも上に突出したL字形状の突出片である。
【0134】
図13に示すように、第1係合部420は、ベース部410に移動可能に支持される引出部材460の後端に一体に形成されている。引出部材460は、ベース部410内に収納された位置と、ベース部410から後ろに引き出された位置との間で移動可能となっている。なお、引出部材460は、なくてもよい。この場合、第1係合部420は、ベース部410と一体に形成されていてもよい。
【0135】
第1係合部420は、第1載置面411の面直方向に沿って延びる基部421と、基部421の上端部から後側に向けて第1載置面411に沿った方向に延びる先端部422とを有する。
【0136】
先端部422は、下面F1を有する。下面F1は、支持部440よりも上に位置する。
【0137】
支持部440は、A4サイズなどの長めのシートSを安定して支持するための部位であり、ベース部410から引出可能となっている。詳しくは、引出部材460がベース部410内に収容されているとき、支持部440は、ベース部410と重なる第1位置と、第1位置よりも筐体2から離れた第2位置との間で移動可能となっている。また、引出部材460がベース部410から引き出されているとき、支持部440は、引出部材460と重なる位置と、引出部材460から引き出された位置との間で移動可能となっている。
【0138】
支持部440が第2位置に位置するとき、ベース部410は、筐体2と支持部440の間に位置する。支持部440が第2位置に位置するとき、支持部440は、シート支持具500を下から支持することが可能となっている。
【0139】
支持部440は、第2載置面441を有する。
第2載置面441は、シートSまたはシート支持具500が載置される面である。詳しくは、シートトレイ400にシート支持具500が装着されていないとき、第2載置面441には、主にA4サイズ以上のシートSが載置される。
【0140】
第2係合部450は、シート支持具500と係合可能である。第2係合部450は、支持部440の後端に位置する。言い換えると、第2係合部450は、支持部440の供給口21B側とは反対側の端縁に位置する。第2係合部450は、支持部440の幅方向の一端から他端まで延びる。第2係合部450は、支持部440と一体に形成されている。
【0141】
支持部440が第1位置に位置するとき、第2係合部450は、2つの第1係合部420の間に位置する。第2係合部450は、支持部440の後端から上に突出したL字形状の突出片である。
【0142】
第2係合部450は、第2載置面441の面直方向に沿って上に延びる基部451と、基部451の上端部から後側に向けて第2載置面441に沿った方向に延びる先端部452とを有する。
【0143】
先端部452は、下面F2を有する。下面F2は、支持部440よりも上に位置する。
【0144】
図11に示すように、シート支持具500は、長尺なシートSを折り返して支持するための部材であり、シートトレイ400に着脱可能となっている。シート支持具500は、プレート510と、第2プレート520と、2つのアーム530と、シャフト540と、ガイド550とを有している。
【0145】
プレート510は、下端部の幅が、上端部の幅よりも小さい。ここで、プレート510の幅は、幅方向の大きさである。プレート510は、下端部から上端部に向かうにつれて、幅が徐々に大きくなっている。プレート510の下面は、凹部511を有する。プレート510の下面が凹部511を有することで、プレート510の下端部は二股に分かれた形状となっている。
【0146】
図13に示すように、プレート510は、シート支持具500がシートトレイ400に装着された状態において、シートトレイ400から上に延びている。言い換えると、シート支持具500がシートトレイ400に装着された状態において、プレート510は、後述するガイド550から下に延びている。詳しくは、シート支持具500がシートトレイ400に装着された状態において、プレート510は、上下方向に沿って、シートトレイ400からガイド550まで延びている。
【0147】
第2プレート520は、プレート510の下端に接続されている。第2プレート520の幅方向の大きさは、プレート510の下端部の幅方向の大きさと等しい。第2プレート520は、シートトレイ400の支持部440で下から支持されている。第2プレート520は、上下方向に沿ったプレート510に対して傾斜している。
【0148】
図12に示すように、第2プレート520は、第2開口H2を有する。第2開口H2は、シートトレイ400の第2係合部450を通過させるための開口である。第2プレート520の前端部から第2開口H2までの距離は、第2プレート520の後端部から第2開口H2までの距離よりも大きい。
【0149】
図12および図13に示すように、第2プレート520の前端部、つまり供給口21B側の端部は、シートトレイ400の第1係合部420の下面F1と係合する第1被係合部521となっている。第2プレート520のうち第2開口H2の後端を含む部分は、シートトレイ400の第2係合部450の下面F2と係合する第2被係合部522となっている。第2被係合部522は、第2開口H2が第2プレート520の後端の近くに位置することで、シートSの幅方向に延びる梁となっている。
【0150】
図11に示すように、2つのうち一方のアーム530は、プレート510の上端の幅方向の一端から上に延びている。2つのうち他方のアーム530は、プレート510の上端の幅方向の他端から上に延びている。一方のアーム530の幅方向外側の面から他方のアーム530の幅方向外側の面までの距離は、第2プレート520の幅方向の大きさより大きい。そのため、シート支持具500は、下端部の幅が、上端部の幅よりも小さい。つまり、シート支持具500のうち、シートトレイ400に取り付けられる部分の幅が、シートSを支持する部分の幅よりも小さい。
【0151】
シャフト540は、シートSを折り返して支持する円柱状の部材である。シャフト540は、2つのアーム530の間に位置する。シャフト540の各端部は、各アーム530で支持されている。これにより、シート支持具500は、シャフト540の下に位置する開口H1を有する。開口H1は、シートSが通過可能となっている。つまり、2つのアーム530の幅方向の間隔は、シートSの幅よりも大きい。
【0152】
シャフト540は、各アーム530に固定されている。なお、シャフト540は、各アーム530に回転可能に支持されていてもよい。
【0153】
図13に示すように、シート支持具500がシートトレイ400に装着された状態において、シャフト540は、筐体2の外に位置する。シート支持具500がシートトレイ400に装着された状態において、シャフト540は、筐体2よりも上、詳しくはシートトレイ400よりも上に位置する。
【0154】
図11および図13に示すように、ガイド550は、シャフト540よりも下に位置する。ガイド550は、支持部材551と、第2シャフト552とを有する。
【0155】
支持部材551は、板状の部材である。支持部材551は、プレート510の上端に固定されている。支持部材551は、プレート510から前方に突出する。言い換えると、支持部材551は、幅方向および上下方向に直交する方向において、プレート510から筐体2に向けて突出する。
【0156】
第2シャフト552は、シートSのうちシャフト540とは接触しない第1面S1に接触する円柱状の部材である。なお、第1面S1は、シートトレイ400の第1載置面411と接触可能な面である。
【0157】
第2シャフト552は、支持部材551の前端部に位置する。第2シャフト552は、支持部材551に固定されている。第2シャフト552は、シャフト540よりも前側の位置で、シートSの第1面S1に接触する。言い換えると、第2シャフト552は、幅方向および上下方向に直交する方向においてシャフト540よりも供給口21Bに近い位置で、シートSの第1面S1に接触する。
【0158】
図13に示すように、供給ローラ11Aは、固定ローラR1と、可動ローラR2とを備えている。固定ローラR1は、筐体2に回転可能に支持されている。可動ローラR2は、固定ローラR1に接触する位置と、固定ローラR1から離れた位置との間で移動可能となっている。可動ローラR2は、図示せぬバネによって、固定ローラR1に付勢されている。
【0159】
固定ローラR1の回転中心は、第1載置面411を延長した仮想平面FVよりも下に位置する。可動ローラR2は、仮想平面FVよりも上に位置する。
【0160】
次に、シート支持具500の取付方法と、シート支持具500にシートSをセットする方法について説明する。
図11に示すように、シート支持具500をシートトレイ400に取り付ける場合には、ユーザは、まず、シートトレイ400のベース部410から支持部440を引き出して第2位置に位置させる。その後、ユーザは、シートトレイ400の第2係合部450を、シート支持具500の第2プレート520の第2開口H2に通した後、第2プレート520をベース部410側に寄せる。これにより、図13に示すように、第2プレート520の各被係合部521,522が、シートトレイ400の各係合部420,450と係合する。以上により、シート支持具500の取付作業が完了する。
【0161】
シート支持具500にシートSをセットする場合には、ユーザは、まず、シートSの一端部を、シート支持具500の後ろから開口H1に通した後、第2シャフト552の前を通して、筐体2の供給口21Bに差し込む。その後、ユーザは、シャフト540を起点にシートSを折り返して、シートSの他端部を筐体2の上面に載せる。以上により、シートSをシート支持具500にセットする作業が完了する。
【0162】
このようにセットされたシートSは、シャフト540よりも前に位置する第2シャフト552によって第1面S1が支持されることで、シートSの一端部が固定ローラR1に向けられるようになっている。ここで、仮にガイド550がない場合には、図に二点鎖線で示すように、シートSVが、シャフト540から下に垂れ下がった後、第1載置面411に沿って延び、先端が可動ローラR2を向く場合がある。
【0163】
この場合には、長尺なシートSVの自重が、可動ローラR2に加わることがある。このような現象が、複数枚のシートSVをセットしたときに起こってしまうと、複数枚のシートSVで可動ローラR2が押されて固定ローラR1から離れてしまい、搬送が適正に行われなくなるおそれがある。
【0164】
本実施形態では、シートSの一端部が固定ローラR1に向けられるようになっているので、このような問題が起きることを抑制することが可能となっている。
【0165】
以上、第2実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
シートSを折り返して支持するシャフト540を備える構成とすることで、シートSの搬送方向へのトレイの大型化を抑制しつつ、長尺なシートSを良好に支持することができる。
【0166】
シャフト540が筐体2の外に位置することで、かなり長いシートSであっても良好に支持することができるとともに、筐体2の大型化を抑えることができる。
【0167】
シート支持具500がシートトレイ400に着脱可能であることで、A4サイズなどの通常のシートSが載置されるシートトレイ400を、長尺なシートSの支持にも利用することができるので、シート支持具500の小型化を図ることができる。
【0168】
シート支持具500がシートトレイ400から上に延びることで、例えば、シート支持具がシートトレイの載置面に沿った方向に延びる構造と比べ、箔転写装置1Aが第1載置面411に沿った方向に大型化するのを抑えることができる。
【0169】
シートSが通過可能な開口H1をシャフト540の下に設けることで、例えばプレートにU字形状のシャフトを設ける構造に比べ、シート支持具500の軽量化を図ることができる。
【0170】
シャフト540よりも下、かつ、幅方向および上下方向に直交する方向においてシャフト640よりも供給口21Bに近い位置に位置するガイド550でシートSの第1面S1を支持することで、供給口21Bに入るシートSの先端部分の第1載置面411に対する角度を大きくすることができる。そのため、シートSの先端が固定ローラR1に向けられるので、シートSによって可動ローラR2が押されて固定ローラR1から離れてしまうのを抑制することができる。
【0171】
例えば、ガイドの下に孔がある場合には、ユーザが誤ってガイドの下の孔にシートを通す可能性があるが、プレート510がシートトレイ400からガイド550まで延びることで、シートSが誤った姿勢でセットされることを抑制することができる。
【0172】
シート支持具500が、シートトレイ400の支持部440で下から支持された状態で、支持部440の一端側と他端側にある第1係合部420および第2係合部450の各下面F1,F2と係合するので、シート支持具500が前に倒れたり、後ろに倒れたりすることが抑制される。
【0173】
なお、本開示は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
第2実施形態に係る箔転写装置1Aは、第1実施形態の第2トレイを備えていてもよい。
【0174】
ガイドは、第2シャフトを備えていなくてもよい。ガイドは、例えば、プレートから前方に突出する突起やリブなどであってもよい。なお、第2実施形態のようにガイドを部分的に出っ張らせることで、シートとガイドの摩擦を小さくすることができる。
【0175】
シート支持具は、シート搬送装置の筐体に直接着脱可能であってもよい。
【0176】
シャフトは、多角形であってもよい。また、シャフトは、アームに一体に形成されていてもよい。
【0177】
シート支持具は、箔転写装置の筐体内にあってもよい。
シート支持具は、ワイヤを屈曲させることで構成されていてもよい。
【0178】
第1実施形態のシャフトは、第1部位のみで構成されていてもよい。この場合、例えば、プレートが、載置面から突出する一対の壁を有し、一対の壁が第1部位を支持してもよい。
【0179】
カバーは、筐体の上面の全部を有していてもよい。
【0180】
前記第1実施形態では、第1トレイ100と第2トレイ200の両方を備えた箔転写装置1を例示したが、箔転写装置は第2トレイを備えなくてもよい。
【0181】
前記実施形態では、箔転写装置1に本開示を適用したが、本開示はこれに限定されず、シートを搬送するシート搬送装置であればよい。シート搬送装置は、例えば、原稿を読み込んでデータ化するための原稿読取装置、プリンタ、複写機、複合機などであってもよい。
【0182】
供給口が形成される筐体の面は、水平面に対して傾斜していなくてもよい。例えば、上下方向に沿った面に供給口が形成されていてもよい。
【0183】
筐体の上面は、水平であってもよい。
【0184】
第2トレイは、第2壁を有さなくてもよい。第2トレイは、第3壁を有さなくてもよい。第2トレイは、凸部を有さなくてもよい。
【0185】
操作パネルは、筐体の上面に位置していなくてもよい。操作パネルは、操作ボタンを有さなくてもよい。
【0186】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0187】
1 箔転写装置
100 第1トレイ
120 シャフト
S シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13